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目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義··················································································································· 2
4 種類及び区分··················································································································· 4
4.1 種類 ···························································································································· 4
4.2 粒度による区分 ············································································································· 4
4.3 アルカリシリカ反応性による区分 ····················································································· 4
4.4 用途による区分 ············································································································· 4
5 呼び方···························································································································· 4
6 品質······························································································································· 5
6.1 一般 ···························································································································· 5
6.2 化学成分及び物理的性質 ································································································· 5
6.3 粒度,粗粒率及び微粒分量 ······························································································ 5
6.4 アルカリシリカ反応性 ···································································································· 6
6.5 環境安全品質基準 ·········································································································· 6
7 試験方法························································································································· 7
7.1 試料の採取及び縮分 ······································································································· 7
7.2 化学成分及び物理的性質の試験 ························································································ 7
7.3 粒度試験及び微粒分量試験 ······························································································ 7
7.4 アルカリシリカ反応性試験 ······························································································ 7
7.5 環境安全品質試験 ·········································································································· 8
8 検査······························································································································· 8
8.1 化学成分,物理的性質,粒度,粗粒率,微粒分量及びアルカリシリカ反応性の検査 ···················· 8
8.2 環境安全品質の検査 ······································································································· 8
8.3 製造ロットの管理 ········································································································· 10
8.4 検査データの保管 ········································································································· 10
9 表示······························································································································ 10
10 報告 ···························································································································· 10
附属書A(規定)石炭ガス化スラグ細骨材の化学成分及び炭素含有率の分析方法 ···························· 15
附属書B(規定)石炭ガス化スラグ細骨材の環境安全品質試験方法 ·············································· 24
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まえがき
この規格は,産業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人石炭エネルギーセンター
(JCOAL)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を制定すべ
きとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本産業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本産業規格 JIS
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コンクリート用スラグ骨材−
第5部:石炭ガス化スラグ骨材
Slag aggregate for concrete-
Part 5: Coal gasification slag aggregate
1
適用範囲
この規格は,コンクリートに使用する石炭ガス化スラグ骨材について規定する。
2
引用規格
次に掲げる引用規格は,この規格に引用されることによって,その一部又は全部がこの規格の要求事項
を構成している。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 0203 コンクリート用語
JIS A 1102 骨材のふるい分け試験方法
JIS A 1103 骨材の微粒分量試験方法
JIS A 1104 骨材の単位容積質量及び実積率試験方法
JIS A 1109 細骨材の密度及び吸水率試験方法
JIS A 1110 粗骨材の密度及び吸水率試験方法
JIS A 1145 骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(化学法)
JIS A 1158 試験に用いる骨材の縮分方法
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0058-1 スラグ類の化学物質試験方法−第1部:溶出量試験方法
JIS K 0058-2 スラグ類の化学物質試験方法−第2部:含有量試験方法
JIS K 0116 発光分光分析通則
JIS K 0119 蛍光X線分析通則
JIS K 0211 分析化学用語(基礎部門)
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8085 アンモニア水(試薬)
JIS K 8102 エタノール(95)(試薬)
JIS K 8155 塩化バリウム二水和物(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8223 過塩素酸(試薬)
2
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JIS K 8432 酸化マグネシウム(試薬)
JIS K 8541 硝酸(試薬)
JIS K 8617 炭酸カルシウム(試薬)
JIS K 8896 メチルレッド(試薬)
JIS M 8810 石炭類及びコークス類−サンプリング,分析並びに試験方法の通則
JIS M 8819 石炭類及びコークス類−機器分析装置による元素分析方法
JIS P 3801 ろ紙(化学分析用)
JIS Q 17025 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項
JIS Q 17050-1 適合性評価−供給者適合宣言−第1部:一般要求事項
JIS Q 17050-2 適合性評価−供給者適合宣言−第2部:支援文書
JIS Z 2616 金属材料の硫黄定量方法通則
JIS Z 8401 数値の丸め方
JIS Z 8801-1 試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次によるほか,JIS A 0203及びJIS K 0211による。
3.1
石炭ガス化スラグ細骨材混合率
全細骨材に対する石炭ガス化スラグ細骨材の絶対容積比で,百分率で表したもの
注釈1 以下,石炭ガス化スラグ細骨材混合率を,CGS混合率という。
3.2
環境安全品質
石炭ガス化スラグ細骨材の出荷から,コンクリート構造物の施工,コンクリート製品の製造時及び利用
時だけでなく,その利用が終了し,解体後の再利用時又は最終処分時も含めたライフサイクルの合理的に
想定し得る範囲において,石炭ガス化スラグ細骨材から影響を受ける土壌,地下水,海水などの環境媒体
が,各々の環境基準などを満足できるように,石炭ガス化スラグ細骨材が確保すべき品質
3.3
環境安全形式検査
コンクリート用骨材として使用するために粒度調整,他の材料との混合など(他のスラグ骨材を混合す
る場合も含む。)の加工を行った後,環境安全品質を除く品質要求事項を満足することを確認した石炭ガ
ス化スラグ細骨材が,環境安全品質を満足するかどうかを判定するために行う検査
3.4
環境安全受渡検査
環境安全形式検査に合格したものと同じ製造条件の石炭ガス化スラグ細骨材の受渡しのときに,その環
境安全品質を保証するために行う検査
3
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3.5
利用模擬試料
石炭ガス化スラグ細骨材の出荷から,利用が終了し,解体後の再利用時又は最終処分時を含めたライフ
サイクルの合理的に想定し得る範囲の中で,環境安全性に関して最も配慮すべき石炭ガス化スラグ細骨材
の状態を模擬した試料
3.6
石炭ガス化スラグ細骨材試料
環境安全形式検査又は環境安全受渡検査に用いるために,適切な試料採取方法で採取した石炭ガス化ス
ラグ細骨材
3.7
環境安全品質基準
環境安全品質として必要と認める検査事項について定めた,溶出量及び含有量を示す基準値の総称
注釈1 3.12に規定する港湾用途に限っては,溶出量だけを示す基準値をいう。
3.8
環境安全受渡検査判定値
環境安全受渡検査において,環境安全品質基準への適合性について,石炭ガス化スラグ細骨材試料を用
いて保証するために参照する値
3.9
環境安全形式試験
環境安全形式検査において,石炭ガス化スラグ細骨材の環境安全品質基準に対する適合性を判定するた
めに実施する溶出量試験及び含有量試験
注釈1 3.12に規定する港湾用途に限っては,溶出量試験だけで構成される。
3.10
環境安全受渡試験
環境安全受渡検査において,石炭ガス化スラグ細骨材の環境安全受渡検査判定値に対する適合性を判定
するために実施する溶出量試験及び含有量試験
注釈1 3.12に規定する港湾用途に限っては,溶出量試験だけで構成される。
3.11
一般用途
石炭ガス化スラグ細骨材を用いるコンクリート構造物又はコンクリート製品の用途のうち,3.12に規定
する港湾用途を除いた一般的な土木・建築用の用途
注釈1 以下,コンクリート構造物又はコンクリート製品を,コンクリート構造物などという。
3.12
港湾用途
石炭ガス化スラグ細骨材を用いるコンクリート構造物などの用途のうち,海水と接する港湾の施設又は
それに関係する施設で半永久的に使用され,解体・再利用されることのない用途
注釈1 用途の具体例としては,岸壁,防波堤,護岸,堤防,突堤などが該当する。
4
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4
種類及び区分
4.1
種類
石炭ガス化スラグ骨材の種類は,表1による。
表1−石炭ガス化スラグ骨材の種類
種類
記号
摘要
石炭ガス化スラグ細骨材
CGS
ガス化炉で石炭をガス化するときに副生する溶融ス
ラグを水砕し,磨砕などによって粒度調整したもの
4.2
粒度による区分
粒度による区分は,表2による。
表2−粒度による区分
区分
粒の大きさの範囲
mm
記号
5 mm石炭ガス化スラグ細骨材
5以下
CGS5
2.5 mm石炭ガス化スラグ細骨材
2.5以下
CGS2.5
1.2 mm石炭ガス化スラグ細骨材
1.2以下
CGS1.2
5 mm〜0.3 mm石炭ガス化スラグ細骨材
5〜0.3
CGS5-0.3
4.3
アルカリシリカ反応性による区分
アルカリシリカ反応性による区分は,表3による。
表3−アルカリシリカ反応性による区分
区分
摘要
A
アルカリシリカ反応性試験結果が“無害”と判定されたもの
B
アルカリシリカ反応性試験結果が“無害でない”と判定されたもの,又はこの
試験を行っていないもの
4.4
用途による区分
用途は,一般用途及び港湾用途に区分する。
5
呼び方
石炭ガス化スラグ骨材の呼び方は,次による。
例 CGS 2.5 A (一般用途)
用途による区分を表す。
アルカリシリカ反応性による区分を表す。
粒度による区分を表す。
石炭ガス化スラグ骨材の種類を表す。
5
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6
品質
6.1
一般
石炭ガス化スラグ細骨材は,コンクリートの品質に悪影響を及ぼす物質を有害量含んではならない。
なお,%と表示されている場合は,質量分率%を示す。
6.2
化学成分及び物理的性質
化学成分及び物理的性質は,7.2によって試験を行い,表4の規定に適合しなければならない。
絶乾密度については,受渡当事者間の協議によって定めた期間における絶乾密度の見本値に対して±0.1
g/cm3を超えて変化してはならない。
なお,絶乾密度の見本値は,石炭中の灰分組成による推定値及び実績値を基に製造事業者が設定する。
表4−化学成分及び物理的性質
項目
石炭ガス化スラグ細骨材
適用試験箇条
化学成分
酸化カルシウム(CaOとして)
%
40.0以下
7.2.1
酸化マグネシウム(MgOとして)
%
20.0以下
三酸化硫黄(SO3として)
%
0.5以下
全鉄(FeOとして)
%
25.0以下
炭素含有率
%
0.10以下
7.2.1
絶乾密度
g/cm3
2.5以上
7.2.2
吸水率
%
1.5以下
7.2.2
単位容積質量
kg/L
1.50以上
7.2.3
6.3
粒度,粗粒率及び微粒分量
6.3.1
粒度
粒度は,7.3.1によって試験を行い,表5に示す範囲のものでなければならない。
表5−粒度
単位 %
区分
ふるいを通るものの質量分率
ふるいの呼び寸法a)
10 mm
5 mm
2.5 mm
1.2 mm
0.6 mm
0.3 mm
0.15 mm
5 mm
石炭ガス化スラグ細骨材
100
90〜100
80〜100
50〜90
25〜65
10〜35
2〜15
2.5 mm
石炭ガス化スラグ細骨材
100
95〜100
85〜100
60〜95
30〜70
10〜45
2〜20
1.2 mm
石炭ガス化スラグ細骨材
−
100
95〜100
80〜100
35〜80
15〜50
2〜20
5 mm〜0.3 mm
石炭ガス化スラグ細骨材
100
95〜100
65〜100
30〜90
10〜50
0〜15
0〜10
注a) ふるいの呼び寸法は,それぞれJIS Z 8801-1に規定するふるいの公称目開き9.5 mm,4.75 mm,2.36 mm,
1.18 mm,0.6 mm,0.3 mm及び0.15 mmである。
6
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6.3.2
粗粒率
粗粒率は,受渡当事者間の協議によって定めた粗粒率に対して±0.20の範囲のものでなければならない。
6.3.3
微粒分量
微粒分量は,7.3.2によって試験を行い,次による。
a) 微粒分量は,b) に定める許容差の範囲内でばらつきが生じても9.0 %を超えないように,受渡当事者
間の協議によって定める。
b) 微粒分量の許容差は,a) で定めた値に対して±2.0 %とする。
6.4
アルカリシリカ反応性
アルカリシリカ反応性は,7.4によって試験を行い,“無害”又は“無害でない”と判定し,“無害”と判
定されたものを使用する。
6.5
環境安全品質基準
環境安全品質基準は,石炭ガス化スラグ細骨材を用いるコンクリート構造物などの用途に応じて,次の
いずれかによる。
なお,石炭ガス化スラグ細骨材を用いるコンクリート構造物などの用途が特定できない場合は,一般用
途として取り扱う。
a) 一般用途の場合 石炭ガス化スラグ細骨材を用いるコンクリート構造物などの用途が一般用途の場
合の環境安全品質は,7.5によって試験を行い,表6の規定に適合しなければならない。
表6−一般用途の場合の環境安全品質基準
項目
溶出量
mg/L
含有量a)
mg/kg
カドミウム(Cd)
0.01 以下
150 以下
鉛(Pb)
0.01 以下
150 以下
六価クロム[Cr(VI)]
0.05 以下
250 以下
ひ素(As)
0.01 以下
150 以下
水銀(Hg)
0.000 5 以下
15 以下
セレン(Se)
0.01 以下
150 以下
ふっ素(F)
0.8 以下
4000 以下
ほう素(B)
1 以下
4000 以下
注a) ここでいう含有量とは,同語が一般的に意味する
“全含有量”とは異なることに注意を要する。
b) 港湾用途の場合 石炭ガス化スラグ細骨材を用いるコンクリート構造物などの用途が港湾用途の場
合の環境安全品質は,7.5によって試験を行い,表7の規定に適合しなければならない。
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表7−港湾用途の場合の環境安全品質基準
単位 mg/L
項目
溶出量
カドミウム(Cd)
0.03 以下
鉛(Pb)
0.03 以下
六価クロム[Cr(VI)]
0.15 以下
ひ素(As)
0.03 以下
水銀(Hg)
0.001 5 以下
セレン(Se)
0.03 以下
ふっ素(F)
15 以下
ほう素(B)
20 以下
7
試験方法
7.1
試料の採取及び縮分
試料は,試験しようとするロットを代表するように採取し,JIS A 1158によって縮分する。
7.2
化学成分及び物理的性質の試験
7.2.1
化学成分及び炭素含有率の分析
化学成分及び炭素含有率の分析は,附属書Aによる。
7.2.2
絶乾密度及び吸水率試験
絶乾密度及び吸水率試験は,JIS A 1109による。
なお,微粒分の少ない5 mm〜0.3 mm石炭ガス化スラグ細骨材の表面乾燥飽水状態の作り方は,JIS A
1109の箇条4(試料)のb) によって吸水した試料をJIS A 1110の箇条4(試料)のe) によって表面乾燥
飽水状態とする方法による。また,微粒分の多い石炭ガス化スラグ細骨材の場合は,JIS A 1103に規定す
る方法によって洗った細骨材を試料としてもよい。これらの場合には,報告事項にその旨を付記する。
7.2.3
単位容積質量試験
単位容積質量試験は,JIS A 1104による。
7.3
粒度試験及び微粒分量試験
7.3.1
粒度試験
粒度試験は,JIS A 1102による。
7.3.2
微粒分量試験
微粒分量試験は,JIS A 1103による。
7.4
アルカリシリカ反応性試験
アルカリシリカ反応性試験は,JIS A 1145による。
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7.5
環境安全品質試験
環境安全品質試験は,附属書Bによる。
8
検査
8.1
化学成分,物理的性質,粒度,粗粒率,微粒分量及びアルカリシリカ反応性の検査
化学成分,物理的性質,粒度,粗粒率,微粒分量及びアルカリシリカ反応性の検査は,合理的な抜取検
査方式によって検査ロットの大きさ及び抜取り数を決定し,7.1〜7.4によって試験を行い,6.1〜6.4の規定
に適合したものを合格とする。
なお,受渡当事者間の協議によって,検査項目の一部を省略してもよい。
8.2
環境安全品質の検査
8.2.1
検査の種類
環境安全品質の検査は,環境安全形式検査と環境安全受渡検査とに区分する。
8.2.2
検査項目
環境安全品質の検査は,石炭ガス化スラグ細骨材を用いるコンクリート構造物などの用途に応じて,表
8及び表9の○印で示す項目について行う。
なお,石炭ガス化スラグ細骨材を用いるコンクリート構造物などの用途が特定できない場合は,一般用
途として取り扱う。
表8−一般用途の場合の環境安全品質の検査項目
項目
環境安全形式検査
環境安全受渡検査
溶出量
含有量
溶出量
含有量
カドミウム(Cd)
○
○
−
−
鉛(Pb)
○
○
−
−
六価クロム[Cr(VI)]
○
○
◯
◯
ひ素(As)
○
○
◯
◯
水銀(Hg)
○
○
−
−
セレン(Se)
○
○
○
○
ふっ素(F)
○
○
○
○
ほう素(B)
○
○
○
○
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表9−港湾用途の場合の環境安全品質の検査項目
項目
環境安全形式検査
環境安全受渡検査
溶出量
溶出量
カドミウム(Cd)
○
−
鉛(Pb)
○
−
六価クロム[Cr(VI)]
○
◯
ひ素(As)
○
◯
水銀(Hg)
○
−
セレン(Se)
○
○
ふっ素(F)
○
○
ほう素(B)
○
○
8.2.3
検査方法
環境安全品質の検査方法は,次による。
a) 環境安全形式検査 環境安全形式検査は,7.1及び7.5によって試験を行い,石炭ガス化スラグ細骨材
を用いるコンクリート構造物などの用途に応じて,6.5に規定した環境安全品質基準に適合した試料
の製造ロットを合格とする。
b) 環境安全受渡検査 環境安全受渡検査は,7.1及び7.5によって試験を行い,8.2.4に規定した環境安
全受渡検査判定値に適合した試料の製造ロットを合格とする。これに適合しなかった場合,同一の製
造ロットから同一の方法で試料を採取して,2回の再試験を行い,2回とも環境安全受渡検査判定値に
適合した場合は,その製造ロットを合格としてもよい。ただし,2回の再試験のうち,1回でも不適合
となった場合は,その製造ロットは不合格とする。
8.2.4
環境安全受渡検査判定値
環境安全受渡検査判定値は,次による。
a) 環境安全形式検査に利用模擬試料を用いた場合 環境安全形式検査に利用模擬試料を用いた場合の
環境安全受渡検査判定値は,環境安全形式試験のデータ,及び環境安全形式検査に用いた試料と同じ
条件で製造した石炭ガス化スラグ細骨材試料を用いた環境安全受渡試験のデータに基づき設定し,石
炭ガス化スラグ細骨材の性状のばらつき,他の材料の影響などの変動要因を十分に考慮した値としな
ければならない。なお,この場合の環境安全受渡検査判定値は,環境安全形式検査を実施する都度,
製造事業者が設定する。
b) 環境安全形式検査に石炭ガス化スラグ細骨材試料を用いた場合 環境安全形式検査に石炭ガス化ス
ラグ細骨材試料を用いた場合の環境安全受渡検査判定値は,環境安全品質基準のそれぞれの検査項目
の基準値と同じ値を用いる。
8.2.5
検査の頻度
環境安全品質の検査の頻度は,次による。
a) 環境安全形式検査 環境安全形式検査結果の有効期間は,合否判定を行った日を起点として3年間を
最大とする。ただし,次に該当する場合は,有効期間内にあっても検査を行わなければならない。
1) 製造設備の改良,製造プロセス,原料又は添加物の変更などの要因を伴って,環境安全品質に規定
する項目の値が大きく増加する可能性がある場合。
2) 利用模擬試料として使用するコンクリートの配合条件を新たに定める場合。ただし,石炭ガス化ス
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ラグ細骨材の単位量(1 m3のコンクリートを製造するのに用いる石炭ガス化スラグ細骨材の質量)
を小さくするときは,検査を省略しても差し支えない。
b) 環境安全受渡検査 環境安全受渡検査は,製造ロットごとに行う。なお,製造ロットの大きさは,工
場ごとの製造実態,品質管理実態などに応じて,製造事業者が設定する。
8.3
製造ロットの管理
製造事業者は,石炭ガス化スラグ細骨材の品質を確保するために,検査の結果と対応させて,製造ロッ
トごとに管理できるようにしなければならない。
なお,検査結果が不合格になった製造ロットは,合格したロットとは明確に区分し,混在させてはなら
ない。
8.4
検査データの保管
製造事業者は,検査によって得られた品質試験結果及び環境安全品質検査の判定結果の記録を製造ロッ
トごとに期間を定め,保管しなければならない。
9
表示
製品の送り状には,次の事項を表示しなければならない。
a) 製品の名称,種類の記号及び区分の記号[例えば,石炭ガス化スラグ細骨材 CGS5A(一般用途)]
b) 製品の質量
c) 製造事業者名又はその略号
d) 製造工場名又はその略号
e) 製造年月日,製造年月,製造期間若しくは製造ロット番号,又はこれらいずれかの略号
f)
出荷年月日又は出荷予定年月日
10 報告
製造事業者は,購入者から要求があった場合には,試験成績表などを提出しなければならない。試験成
績表などは,石炭ガス化スラグ細骨材を用いるコンクリート構造物などの用途に応じたものを提出する
(表10〜表13を参照)。
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表10−コンクリート用石炭ガス化スラグ細骨材(一般用途・港湾用途)試験成績表(JIS A 5011-5)の例
20 年 月 日
製造事業者
会社
工場
発行責任者:
御中
製品の呼び方
ロット
番号
化学成分 %
炭素含有率
%
絶乾密度
g/cm3
吸水率
%
単位容積
質量
kg/L
アルカリ
シリカ
反応性
酸化カルシウム
(CaO)
酸化マグネシウム
(MgO)
三酸化硫黄
(SO3)
全鉄
(FeO)
( )a)
( )a)
規
定
値
CGS5
40.0以下
20.0以下
0.5以下
25.0以下
0.10以下
2.5以上
協議によって定め
た期間における絶
乾密度の見本値に
対して±0.1の範囲
でなければならな
い。
1.5以下
1.50以上
判定結果をA
又はB b)で記入
する。
CGS2.5
CGS1.2
CGS5-0.3
注a) 括弧内は,受渡当事者間の協議によって定めた期間(適用期間:20XX.XX〜20XX.XX)における絶乾密度の見本値を記載する。
注b) “無害”と判定されたものを“A”とし,“無害でない”と判定されたもの,又はこの試験を行っていないものを“B”とする。
製品の呼び方
ロット
番号
ふるいを通るものの質量分率 %
粗粒率
微粒分量
%
10 mm
5 mm
2.5 mm
1.2 mm
0.6 mm
0.3 mm
0.15 mm
( )c)
( )d)
( )c)
( )d)
規
定
値
CGS5
100
90〜100
80〜100
50〜90
25〜65
10〜35
2〜15
協議によって定め
た粗粒率に対して
±0.20の範囲でな
ければならない。
許容差は,協議によって定め
た値に対して±2.0とする。
微粒分量は,許容差の範囲内
でばらつきが生じても9.0を
超えないように定める。
CGS2.5
100
95〜100
85〜100
60〜95
30〜70
10〜45
2〜20
CGS1.2
−
100
95〜100
80〜100
35〜80
15〜50
2〜20
CGS5-0.3
100
95〜100
65〜100
30〜90
10〜50
0〜15
0〜10
注c) 括弧内は,受渡当事者間の協議によって定めた粗粒率を記載する。
注d) 括弧内は,受渡当事者間の協議によって定めた微粒分量を記載する。
3
A
5
0
11
-5
:
2
0
2
0
12
A 5011-5:2020
表11−コンクリート用石炭ガス化スラグ細骨材(一般用途)環境安全形式試験成績表(JIS A 5011-5)の例
20 年 月 日
製造事業者
会社
工場
発行責任者:
試験実施事業者(利用模擬試料の調製):
試験実施事業者(検液の調製及び分析):
御中
・環境安全形式試験における溶出量及び含有量試験結果
区分
試験項目
ロット
番号
項目
試験の区分
対象a)
カドミウム
鉛
六価クロム
ひ素
水銀
セレン
ふっ素
ほう素
溶出量
mg/L
環境安全形式試験
環境安全品質基準
0.01以下
0.01以下
0.05以下
0.01以下
0.000 5以下
0.01以下
0.8以下
1以下
含有量
mg/kg
環境安全形式試験
環境安全品質基準
150以下
150以下
250以下
150以下
15以下
150以下
4 000以下
4 000以下
注a) 対象の欄には環境安全形式試験に用いた試料が利用模擬試料又は石炭ガス化スラグ細骨材試料の別を示す。
・利用模擬試料に用いたコンクリートの配合
配合の
種類
水セメント
比
%
細骨材率
%
CGS
混合率
%
単位量 kg/m3
化学
混和剤
g
スランプ
cm
空気量
%
単位容積
質量
kg/m3
水
セメント
細骨材
粗骨材
CGS
この環境安全形式検査に用いた石炭ガス化スラグ細骨材であっても,この表に示す混合率を超えて石炭ガス化スラグ細骨材を配合してはならない。
・溶出量試験及び含有量試験に用いた利用模擬試料の粒度
単位 質量分率%
区分
溶出量試験に用いた利用模擬試料の粒度
含有量試験に用いた利用模擬試料の粒度
40 mm以上 40 mm〜20 mm 20 mm〜5 mm 5 mm〜2.5 mm
2.5 mm以下
2.0 mm以上
2.0 mm〜0.6 mm 0.6 mm〜0.15 mm
0.15 mm以下
混合
割合
試験結果
規定値
0
30±5
40±5
10±5
20±5
0
50±5
25±5
25±5
環境安全形式検査結果の有効期限: 年 月 まで
3
A
5
0
11
-5
:
2
0
2
0
13
A 5011-5:2020
表12−コンクリート用石炭ガス化スラグ細骨材(港湾用途)環境安全形式試験成績表(JIS A 5011-5)の例
20 年 月 日
製造事業者
会社
工場
発行責任者:
試験実施事業者(利用模擬試料の調製):
試験実施事業者(検液の調製及び分析):
御中
・環境安全形式試験における溶出量試験結果
区分
試験項目
ロット
番号
項目
試験の区分
対象a)
カドミウム
鉛
六価クロム
ひ素
水銀
セレン
ふっ素
ほう素
溶出量
mg/L
環境安全形式試験
環境安全品質基準
0.03以下
0.03以下
0.15以下
0.03以下
0.001 5以下
0.03以下
15以下
20以下
注a) 対象の欄には環境安全形式試験に用いた試料が利用模擬試料又は石炭ガス化スラグ細骨材試料の別を示す。
・利用模擬試料に用いたコンクリートの配合
配合の
種類
水セメント
比
%
細骨材率
%
CGS
混合率
%
単位量 kg/m3
化学
混和剤
g
スランプ
cm
空気量
%
単位容積
質量
kg/m3
水
セメント
細骨材
粗骨材
CGS
この環境安全形式検査に用いた石炭ガス化スラグ細骨材であっても,この表に示す混合率を超えて石炭ガス化スラグ細骨材を配合してはならない。
環境安全形式検査結果の有効期限: 年 月 まで
3
A
5
0
11
-5
:
2
0
2
0
14
A 5011-5:2020
表13−コンクリート用石炭ガス化スラグ細骨材(一般用途・港湾用途)環境安全受渡試験成績表(JIS A 5011-5)の例
20 年 月 日
製造事業者
会社
工場
発行責任者:
試験実施事業者(利用模擬試料の調製):
試験実施事業者(検液の調製及び分析):
御中
・環境安全受渡試験結果
区分
試験項目
ロット番号
項目
六価クロム
ひ素
セレン
ふっ素
ほう素
溶出量
mg/L
環境安全受渡試験
環境安全受渡検査判定値a)
含有量
mg/kg
環境安全受渡試験
環境安全受渡検査判定値a)
注a) 環境安全受渡検査判定値は,環境安全形式検査を利用模擬試料で行った場合は,附属書Bに従って定める。石炭ガス化スラグ細骨材試料を用いる場合は,表
6又は表7の値とする。
3
A
5
0
11
-5
:
2
0
2
0
15
A 5011-5:2020
附属書A
(規定)
石炭ガス化スラグ細骨材の化学成分及び炭素含有率の分析方法
A.1 概要
この附属書は,コンクリートに使用する石炭ガス化スラグ細骨材の化学成分及び炭素含有率の分析方法
について規定する。
A.2 分析項目
ここで規定する分析項目は,次による。
a) 酸化カルシウム(CaO)
b) 酸化マグネシウム(MgO)
c) 三酸化硫黄(SO3)
d) 全鉄(FeO)
e) 炭素含有率
A.3 一般事項
分析方法に共通な一般事項は,JIS A 1158,JIS K 0050,JIS K 0116,JIS K 0119,JIS K 8001及びJIS Z
2616による。また,常温及び室温は,5 ℃〜35 ℃の温度範囲とする(参考文献[1])。
A.4 試料の採取,調製及び取扱い方
A.4.1 試料の採取及び縮分
試料の採取及び約500 gとするまでの縮分は,JIS A 1158による。
A.4.2 試料の調製
試料の調製は,次による。
a) 採取した試料は,温度100 ℃〜110 ℃で恒量になるまで乾燥した後,約500 gを鉄の汚染のおそれの
ない粉砕装置などで砕き,JIS Z 8801-1に規定する公称目開き2.36 mmの金属製網ふるいを全量通過
させる。
b) a)の試料は,約100 gまで縮分し,これを更にすり潰し,JIS Z 8801-1に規定する公称目開き600 μm
の金属製網ふるいを全量通過させる。
c) b)の試料は,約20 gの試料を得るまで縮分し,さらに,JIS Z 8801-1に規定する公称目開き150 μmの
金属製網ふるいを全量通過させるまですり潰し,よく混合して測定用試料とする。
d) c)の試料は,温度105 ℃±5 ℃に調節した空気浴に入れて乾燥し,2時間ごとに空気浴から取り出し,
16
A 5011-5:2020
デシケータ中で常温まで放冷する。乾燥減量が2時間につき0.1 %以下になるまでこの操作を繰り返
す。この恒量にした試料を測定用試料とする。
A.4.3 測定用試料のはかり方
測定用試料のはかり方は,次による。
なお,測定用試料をはかりとるときは,よくかき混ぜて平均組成が得られるように注意し,また,異物
が混入していないことを確かめなければならない。
a) A.2のa)〜d) の分析に用いる測定用試料のはかりとりには,化学はかり(化学天びん)を用いる。
b) A.2のe) の分析に用いる測定用試料のはかりとりには,JIS M 8810に規定するはかりを用いる。ただ
し,試料のはかりとり量は,有効数字4桁以上とする。
A.5 分析値の表し方
得られた分析値の表し方は,次による。
a) A.2のa)〜d) の分析値は,質量分率%で表し,JIS Z 8401の規則B(四捨五入)によって小数点以下
1桁とする。
b) A.2のe) の分析値は,質量分率%で表し,JIS Z 8401の規則B(四捨五入)によって小数点以下2桁
とする。
A.6 分析項目に対応する試験方法
分析項目に対応する試験方法は,表A.1による。
表A.1−分析項目に対応する試験方法
分析項目
試験方法
適用箇条
酸化カルシウム
ICP発光分光分析法
A.7.1
蛍光X線分析法
A.7.2
酸化マグネシウム
ICP発光分光分析法
A.7.1
蛍光X線分析法
A.7.2
三酸化硫黄
硫酸バリウム重量法
A.7.3
全鉄
ICP発光分光分析法
A.7.1
蛍光X線分析法
A.7.2
炭素含有率
機器分析装置による元素分析方法
A.7.4
A.7 試験方法
A.7.1 ICP発光分光分析法
A.7.1.1 要旨
試料を塩酸,ふっ化水素酸及び過塩素酸で分解した後,蒸発乾固を行う。これを塩酸に溶解して得られ
た溶液をICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,その発光強度を測定する。
17
A 5011-5:2020
A.7.1.2 定量範囲
分析対象成分は,酸化カルシウム,酸化マグネシウム及び全鉄とする。また,それらの定量範囲を表A.2
に示す。
表A.2−定量範囲
単位 質量分率%
分析対象成分
定量範囲
酸化カルシウム
5.0〜40.0
酸化マグネシウム
1.0〜20.0
全鉄
1.0〜25.0
A.7.1.3 一般事項
試験方法に共通な一般事項は,JIS K 0116による。
A.7.1.4 試薬及び試験用溶液類
試薬及び試験用溶液類は,次による。ただし,試薬は,該当する日本産業規格に適合するもの又はそれ
と同等なものを用いる。該当する日本産業規格がない試薬は,用途が分析用のものを用いる。
標準液は,計量計測トレーサビリティが確保された標準液を,標準物質供給事業者などに問い合わせを
行って用途に合致することを確認し,必要ならば希釈して使用する。このような標準液がない場合,用途
に合致することを確認して市販の標準液を用いるか,又は調製したものを用いる。
注記 計量計測トレーサビリティが確保された標準液としては,計量標準供給制度[JCSS(Japan
Calibration Service System)]に基づく標準液,国立研究開発法人産業技術総合研究所計量標準総合
センター(NMIJ),米国国立標準技術研究所(NIST),ドイツ連邦材料試験研究所(BAM)などが
供給する標準液及びこれらへの計量計測トレーサビリティが確保された市販の認証標準液がある。
a) 塩酸 JIS K 8180に規定する特級。
b) 塩酸(1+1)
c) ふっ化水素酸
d) 硝酸(質量分率60 %〜61 %,特級) JIS K 8541に規定する質量分率60 %で,特級のもの。
e) 過塩素酸(質量分率60.0 %〜62.0 %) JIS K 8223に規定する質量分率60 %のもの。
f)
臭素
g) 融解合剤 無水炭酸ナトリウムと過酸化ナトリウムとを質量比2:3に混合したもの。
h) カルシウム標準液(Ca:0.1 mg/mL) JIS K 8617に規定する炭酸カルシウム2.497 gをはかりとり,ビ
ーカー(300 mL)に移し入れ,塩酸(1+1)100 mLを加えて溶解した後,煮沸して二酸化炭素を除去
する。常温まで冷却した後,1 000 mLの全量フラスコに移し入れ,標線まで水を加えて混合し,カル
シウム標準原液(Ca:1 mg/L)とする。この原液の20 mLを200 mLの全量フラスコに移し入れ,標
線まで水を加えて混合したもの。
i)
マグネシウム標準液(Mg:0.5 mg/mL) JIS K 8432に規定する酸化マグネシウムを700 ℃〜800 ℃で
約30分間加熱し,デシケータ中で放冷する。その0.829 gを塩酸(1+1)100 mLに溶かして1 000 mL
の全量フラスコに移し入れ,標線まで水を加えて混合したもの。
j)
鉄標準液(Fe:0.5 mg/mL) 鉄(質量分率99.9 %以上)0.500 gをはかりとり,ビーカー300 mLに移し
入れ,時計皿で覆い,塩酸(1+1)30 mLを加え,加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿
18
A 5011-5:2020
の下面を水で洗浄して時計皿を取り除き,1 000 mLの全量フラスコに移し入れ,標線まで水を加えて
混合したもの。
k) イットリウム標準液(Y:1 000 μg/mL) 酸化イットリウム(III)(Y2O3:質量分率99.9 %以上)1.270
gをはかりとり,ビーカー300 mLに移し入れ,時計皿で覆い,塩酸(1+1)20 mLを加え,加熱して
分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗浄して時計皿を取り除き,1 000 mLの全量フ
ラスコに移し入れ,標線まで水を加えて混合したもの。
A.7.1.5 装置及び器具
主な装置及び器具は,次による。
a) ICP発光分光分析装置 ICP発光分光分析装置の構成は,JIS K 0116に規定するものとし,表A.2の
定量下限域でも十分な測定感度をもつものとする。
b) ろ紙(5種B) JIS P 3801に規定する5種Bとする。
A.7.1.6 測定用試料のはかりとり量
A.4.2の測定用試料からはかりとる量は,0.2 gとし,0.1 mgの桁まではかる。
A.7.1.7 操作
操作は,次による。
a) 測定用試料溶液の調製 測定用試料溶液の調製は,次による。
1) 試料をはかりとって,ポリ四ふっ化エチレンビーカーに移し入れる。
2) 硝酸10 mL及び臭素1 mLを加えて,穏やかに試料を加熱分解する。
3) 塩酸15 mL,過塩素酸10 mL及びふっ化水素酸10 mLを加えて加熱分解し,引き続き加熱して蒸発
乾固する。
4) 常温まで冷却した後,ポリ四ふっ化エチレンビーカーの内壁を少量の水で洗浄し,過塩素酸5 mLを
加え,再び加熱して蒸発乾固する。
5) 放冷後,塩酸(1+1)40 mLを加えて時計皿で覆い,加熱分解する。
6) 常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗浄して時計皿を取り除き,水を用いて200 mLの全量
フラスコに移し入れ,標線まで水を加えて混合する。この溶液を,酸化マグネシウムを定量するた
めの試料溶液とする。なお,時計皿を取り除いたとき,不溶解残さが認められた場合は,ろ紙(5種
B)でろ過し,不溶解残さを除去する。ただし,不溶解残さが多いときは,次の操作で試料を分解す
る。
試料をはかりとってニッケルるつぼ(容量30 mL)に移し入れ,融解合剤4 gを加えてよく混合
し,初めは,低温で加熱し,内容物が融解してから,次第に温度を高めて暗赤熱状とし,完全に融
解する。冷却後,るつぼをビーカー300 mLに入れ,温水100 mLを加えて塩酸(1+1)20 mLを加
え,軽くかくはん後,数分間煮沸,放冷する。るつぼを洗浄しながら取り出す。水を用いて200 mL
の全量フラスコに移し入れ,標線まで水を加えて混合する。この溶液を,酸化マグネシウムを定量
するための試料溶液とする。引き続き7) 以降の操作を行う。
7) 6)で得られた溶液の20 mLを100 mLの全量フラスコに分取し,塩酸(1+1)16 mLを加えて,水で
標線までうすめる。この溶液を,酸化カルシウムを定量するための試料溶液とする。
8) 6)で得られた溶液の10 mLを200 mLの全量フラスコに分取し,塩酸(1+1)38 mLを加えて,水で
標線までうすめる。この溶液を,全鉄を定量するための試料溶液とする。
19
A 5011-5:2020
b) 空試験液の調製 測定用試料を用いないで,a)の手順の操作を,試料と併行して行う。ここで得られ
る溶液を空試験液とする。
c) 発光強度の測定 a)の6)〜8)の試料溶液及びb)の空試験液の一部をICP発光分光分析装置のアルゴン
プラズマ中に噴霧し,発光強度を測定する。使用するスペクトル線の波長は,表A.3による。
なお,内標準法を利用する場合は,全ての試料溶液及び検量線溶液に,正確に等しい濃度になる量
のイットリウム標準液を加える。
表A.3−スペクトル線の波長
単位 nm
測定元素
波長a)
カルシウム
422.693
マグネシウム
285.216
鉄
259.940
イットリウム
224.306
注a) 精度及び正確性を確認してあれば,他の波長を用いて測定して
もよい。高次スペクトル線が使用可能な装置では,高次スペクト
ル線を用いてもよく,また,バックグラウンド補正機構が付いて
いる装置では,バックグラウンド補正機構を用いてもよい。
d) 検量線の作成 検量線の作成は,次の手順によって行う。ただし,a)の6)において融解合剤を用いて
試料を分解した場合は,試料溶液に含まれる融解合剤の量に対応する量の空試験溶液を検量線溶液に
添加する。
1) 酸化カルシウムの検量線溶液 カルシウム標準液0 mL〜25 mL(カルシウムとして0 mg〜2.5 mg)
を数個の100 mL全量フラスコに段階的にとり,塩酸(1+1)20 mLを加えて,水で標線までうすめ
る。
2) 酸化マグネシウムの検量線溶液 マグネシウム標準液0 mL〜48 mL(マグネシウムとして0 mg〜24
mg)を数個の200 mL全量フラスコに段階的にとり,塩酸(1+1)40 mLを加えて,水で標線まで
うすめる。
3) 全鉄の検量線溶液 鉄標準液0 mL〜20 mL(鉄として0 mg〜10 mg)を数個の200 mL全量フラス
コに段階的にとり,塩酸(1+1)40 mLを加えて,水で標線までうすめる。
4) これらの溶液の一部をc)に従って測定用試料溶液と併行して測定し,得た発光強度(比)と検量線
溶液に含まれる測定元素量との関係線を作成し,その関係線を,原点を通るように平行移動して検
量線とする。
A.7.1.8 計算
化学成分の含有量の計算は,次による。
a) 酸化カルシウムの計算 A.7.1.7のc)で得た発光強度(比)及びA.7.1.7のd)で作成した検量線によっ
てカルシウム量を求め,試料中の酸化カルシウム(CaO)の含有率を,式(A.1)によって算出する。
1
2
(
)51.3992100
1000
C C
CaO
m
−
×
=
×
×
×
··············································· (A.1)
ここで,
CaO: 酸化カルシウム(CaO)の含有率(%)
C1: 試料溶液中のカルシウム量(mg)
C2: 空試験液中のカルシウム量(mg)
m: はかりとった試料の質量(g)
1.399 2: 換算係数(=CaOの分子量/Ca元素の質量)
20
A 5011-5:2020
b) 酸化マグネシウムの計算 A.7.1.7のc)で得た発光強度(比)及びA.7.1.7のd)で作成した検量線によ
ってマグネシウム量を求め,試料中の酸化マグネシウム(MgO)の含有率を,式(A.2)によって算出す
る。
1
2
1.6583100
1000
M
M
MgO
m
−
=
×
×
×
·················································· (A.2)
ここで,
MgO: 酸化マグネシウム(MgO)の含有率(%)
M1: 試料溶液中のマグネシウム量(mg)
M2: 空試験液中のマグネシウム量(mg)
m: はかりとった試料の質量(g)
1.658 3: 換算係数(=MgOの分子量/Mg元素の質量)
c) 全鉄の計算 A.7.1.7のc)で得た発光強度(比)及びA.7.1.7のd)で作成した検量線によって鉄量を求
め,試料中の全鉄(FeO)の含有率を,式(A.3)によって算出する。
1
2
(
)201.2865100
1000
F F
FeO
m
−
×
=
×
×
×
·············································· (A.3)
ここで,
FeO: 全鉄(FeO)の含有率(%)
F1: 試料溶液中の鉄量(mg)
F2: 空試験液中の鉄量(mg)
m: はかりとった試料の質量(g)
1.286 5: 換算係数(=FeOの分子量/Fe元素の質量)
A.7.2 蛍光X線分析法
A.7.2.1 要旨
加圧成形した試料を蛍光X線分析装置の試料室に装入し,分析面に一次X線を照射して,試料から発生
する蛍光X線強度を測定し,あらかじめ成分含有率既知の試料を用いて求めてある蛍光X線強度と成分
含有率との関係線(検量線)から,試料中の定量値を求める。
A.7.2.2 定量範囲
分析対象成分は,酸化カルシウム,酸化マグネシウム及び全鉄とする。また,それぞれの定量範囲を表
A.4に示す。
表A.4−定量範囲
単位 質量分率%
分析対象成分
定量範囲
酸化カルシウム
5.0〜40.0
酸化マグネシウム
1.0〜20.0
全鉄
1.0〜25.0
A.7.2.3 一般事項
試験方法に共通な一般事項は,JIS K 0119による。
A.7.2.4 装置
主な装置は,次による。
a) 蛍光X線分析装置 蛍光X線分析装置の構成は,JIS K 0119に規定するものとし,表A.4の定量下限
21
A 5011-5:2020
域でも十分な測定感度をもつものとする。
b) 加圧成形装置 加圧成形装置は,90 kN〜400 kNの能力をもつもの。
c) 化学天びん 必要な場合に使用する。
A.7.2.5 成形試料の調製方法
A.4.2に従って調製した測定用試料を,測定のために,金属カップ,金属リング,成形ダイスなどによっ
て,加圧成形する。なお,バインダ(結合剤)を用いる場合は,測定用試料及びバインダ(結合剤)を正
確にはかりとり,一定の割合で均一に混合し,成形する。
A.7.2.6 操作
操作は,次による。
a) スペクトル線 使用するスペクトル線は,表A.5による。
表A.5−スペクトル線
測定元素
スペクトル線
波長 nm
次数
カルシウム
Ca Kα
0.335 9
1
マグネシウム
Mg Kα
0.989 0
1
鉄
Fe Kα
0.193 7
1
b) 検量線の作成 化学分析法によって成分含有率を決定した石炭ガス化スラグ細骨材試料の数点を
A.7.2.5の方法によって成形し,蛍光X線分析装置を用いて測定元素の蛍光X線強度を測定する。得
られた蛍光X線強度と成分含有率との関係を検量線とする。
A.7.2.7 計算
それぞれの成分の含有率は,A.7.2.6のb)と同様に測定して得た試料の蛍光X線強度から,A.7.2.6のb)
で作成した検量線を用いて算出する。
A.7.3 硫酸バリウム重量法
A.7.3.1 要旨
硫酸バリウム重量法は,三酸化硫黄の含有率(質量分率)が0.1 %〜1.0 %の試料に適用する。
試料を塩酸で溶解し,硫酸イオンを硫酸バリウムとして沈殿させ,その質量をはかって硫酸イオンを定
量し,計算によって三酸化硫黄を求める。
A.7.3.2 試薬及び試験用溶液類
試薬及び試験用溶液類は,次による。ただし,試薬は,日本産業規格に適合するもの又はそれと同等な
ものを用いる。該当する日本産業規格がない試薬は,用途が分析用のものを用いる。
a) 塩酸(1+1,1+50)
b) 硝酸
c) アンモニア水 JIS K 8085に規定する質量分率25 %のもの。
d) 塩化バリウム溶液(100 g/L) JIS K 8155に規定する塩化バリウム二水和物11.7 gを水に溶かして100
mLとしたもの。
22
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e) メチルレッド溶液 JIS K 8896に規定するメチルレッド0.2 gを,JIS K 8102に規定するエタノール
(95)95 mLに溶かして,水で100 mLとしたもの。
A.7.3.3 装置及び器具
主な装置及び器具は,次による。
a) 化学天びん 最小表示値(又は感量)が0.1 mg以下のもの。
b) 電気炉 800 ℃で強熱ができるもの。
c) 水浴
d) ろ紙(5種A),(5種B)及び(5種C) JIS P 3801に規定する5種A,5種B及び5種Cとする。
A.7.3.4 操作
操作は,次による。
a) A.4.2の測定用試料から適量(SO3とし10 mg以上を含む。)をビーカー300 mLにはかりとり,水100
mL及び塩酸10 mLを加え,時計皿で覆い約20分間加熱する。
b) 放冷後,時計皿を除いてろ紙(5種B)を用いてろ過し,塩酸(1+50)でろ紙(5種B)を数回洗浄
する。
c) そのろ液に硝酸2 mLを加え,加熱して鉄を酸化する。
d) c)で得た溶液にアンモニア水を徐々に加えて中和し,さらに,過剰のアンモニア水10 mLを加えて煮
沸する。
e) 溶液をろ紙(5種A)でろ過し,温水でろ紙(5種A)を十分洗浄する。
f)
ろ液を100 mLまで加熱濃縮し,メチルレッド溶液を指示薬として2,3滴加え,塩酸(1+1)で微酸
性とする。絶えずかき混ぜながら,塩化バリウム溶液(100 g/L)を滴加し沈殿が生じなくなったら,
さらに,その添加量の10 %〜50 %を過剰に加える。
g) 水浴上で20分〜30分加熱した後,3時間〜4時間放置する。
h) ろ紙(5種C)を用いてろ過し,水でろ紙(5種C)を十分洗浄する。
i)
沈殿は,ろ紙とともにあらかじめ温度800 ℃で恒量とした磁器るつぼ(参考文献[2])に入れ,乾燥
後徐々に加熱してろ紙を一旦炭化した後,灰化する。
j)
引き続き,温度800 ℃で30分間強熱しデシケータ中で放冷した後,その質量をはかる。
k) j)の操作を繰り返して,恒量とする。
A.7.3.5 計算
試料中の三酸化硫黄(SO3)の含有率を,式(A.4)によって算出する。
3
0.3430100
A
SO
m
×
=
×
····························································· (A.4)
ここで,
SO3: 三酸化硫黄(SO3)の含有率(%)
A: 硫酸バリウム(g)
m: 試料(g)
0.343 0: 硫酸バリウム1 gの三酸化硫黄相当量
[換算係数=SO3/BaSO4=0.343 0]
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A.7.4 機器分析装置による元素分析方法
A.7.4.1 要旨
試料を酸素又は酸素含有キャリアーガス気流中で燃焼させ,生成するガスを触媒及び還元剤を用いて二
酸化炭素に変化させた後,ガス分析部に導いて炭素を測定し,無水試料に対する質量分率を求めて炭素含
有率とする。
A.7.4.2 装置
炭素定量装置の構成は,JIS M 8819の5.1(炭素・水素・窒素定量装置)による。
A.7.4.3 操作
操作は,JIS M 8819の5.1の規定に適合した市販の装置を用いる場合,装置に附属の取扱説明書の手順
によって行う。
A.7.4.4 測定値の算出
炭素含有率の測定値は,装置に附属した算出方法によって求めた数値を,小数点以下2桁で表示する。
A.7.4.5 分析回数及び分析値の表示
分析は,同一分析室において引き続き2回繰り返して行う。2回の測定値の差が0.03 %以内の場合には,
その2個の平均値を小数点以下2桁に丸める。
もし,2回の測定値の差が0.03 %を超える場合には,さらに1回分析を追加する。その3回の測定値の
範囲(最大値−最小値)が0.04 %以内の場合には,その3個の平均値を小数点以下2桁に丸める。また,
0.04 %を超える場合には,その3個の中央値とする。
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附属書B
(規定)
石炭ガス化スラグ細骨材の環境安全品質試験方法
B.1
概要
この附属書は,石炭ガス化スラグ細骨材の環境安全品質試験方法について規定する。
B.2
試験の種類及び試験項目
試験は,検査の種類に応じて環境安全形式試験及び環境安全受渡試験に区分し,それぞれの試験は,石
炭ガス化スラグ細骨材を用いるコンクリート構造物などの用途に応じて,表B.1及び表B.2の◯印で示す
項目について行う。
なお,石炭ガス化スラグ細骨材を用いるコンクリート構造物などの用途が特定できない場合は,一般用
途として取り扱う。
表B.1−一般用途の場合の環境安全品質の試験項目
項目
環境安全形式試験
環境安全受渡試験
溶出量
含有量
溶出量
含有量
カドミウム(Cd)
○
○
−
−
鉛(Pb)
○
○
−
−
六価クロム[Cr(VI)]
○
○
◯
◯
ひ素(As)
○
○
◯
◯
水銀(Hg)
○
○
−
−
セレン(Se)
○
○
○
○
ふっ素(F)
○
○
○
○
ほう素(B)
○
○
○
○
表B.2−港湾用途の場合の環境安全品質の試験項目
項目
環境安全形式試験
環境安全受渡試験
溶出量
溶出量
カドミウム(Cd)
○
−
鉛(Pb)
○
−
六価クロム[Cr(VI)]
○
◯
ひ素(As)
○
◯
水銀(Hg)
○
−
セレン(Se)
○
○
ふっ素(F)
○
○
ほう素(B)
○
○
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B.3
試料の採取及び縮分
試料の採取及び縮分は,7.1による。
B.4
環境安全形式試験
B.4.1 一般
環境安全形式試験として,溶出量試験及び含有量試験を実施する。だだし,港湾用途に限っては,溶出
量試験だけでよい。溶出量試験及び含有量試験のいずれの場合も,利用模擬試料又は石炭ガス化スラグ細
骨材試料のいずれかを選択する。
利用模擬試料を選択した場合,8.2.4に規定する環境安全受渡検査判定値を設定するため,利用模擬試料
の調製に用いたものと同一の製造ロットの石炭ガス化スラグ細骨材試料を用いて,B.5の環境安全受渡試
験を実施する。
B.4.2 溶出量試験
B.4.2.1 試料の調製
試料の調製は,利用模擬試料による場合はa)に,石炭ガス化スラグ細骨材試料による場合はb)による。
なお,利用模擬試料の調製は,石炭ガス化スラグ細骨材の製造事業者から委託を受けた,材料の試験を主
たる事業としている試験事業者が実施する。
a) 利用模擬試料による場合 利用模擬試料による場合は,次の1)〜5)の手順に従って試料を調製する。
1) 7.1によって採取及び縮分した石炭ガス化スラグ細骨材を用い,受渡当事者間の協議によって決定
した配合条件に従ってコンクリート成形体を作製する。成形体の大きさ及び個数は,B.4.2で必要な
数の検液が得られるよう決定する。ただし,港湾用途の場合の成形体は,直径100 mm,高さ200 mm
の円柱形とし,この成形体を破砕することなく溶出量試験に供する。成形体の養生は水中養生とせ
ず,封かん養生で行う。養生の期間は28日以内とし,7日間を標準とする。なお,セメントなどの
種類によっては,環境安全形式試験の結果に影響を与える可能性がある。そのような場合は,セメ
ントなどの種類を考慮して試験を実施することが望ましい。
2) 1)で作製及び養生した成形体をハンマーなどで粗く砕いた後,呼び寸法40 mmのふるいを用いて分
級し,ふるい上に残ったものを更に砕いて,全量がふるいを通過するようにする。
3) 2)の試料を呼び寸法20 mm,5 mm及び2.5 mmのふるいを用いて分級する。
4) 3)で分級した試料から,それぞれの粒度が偏らないように分取し,表B.3に示す割合で混合する。
なお,特定の粒度区分の試料が不足する場合は,より大きい粒度区分の試料を破砕して追加しても
よい。
表B.3−溶出量試験に用いる利用模擬試料(一般用途)の粒度区分ごとの混合割合
単位 質量分率%
粒度区分a)
40 mm以上
40 mm〜20 mm
20 mm〜5 mm
5 mm〜2.5 mm
2.5 mm以下
合計
混合割合
0
30±5
40±5
10±5
20±5
100
注a) ふるいの呼び寸法は,それぞれJIS Z 8801-1に規定するふるいの公称目開き37.5 mm,19 mm,4.75 mm
及び2.36 mmである。
5) 4)の試料から,粒度が偏らないように3 kg以上を分取する。
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b) 石炭ガス化スラグ細骨材試料による場合 石炭ガス化スラグ細骨材試料による場合は,7.1によって
採取及び縮分した石炭ガス化スラグ細骨材を用い,JIS K 0058-1の5.3.2(試料の調製)によって調製
する。
B.4.2.2 検液の調製及び分析
検液の調製及び分析は,次による。
なお,検液の調製及び分析は,石炭ガス化スラグ細骨材の製造事業者から委託を受けたJIS Q 17025,又
はJIS Q 17050-1及びJIS Q 17050-2に適合している試験事業者,又は環境計量証明登録事業者1)が実施す
る。
注1) 環境計量証明登録事業者とは,計量法に基づく計量証明の事業の区分が“水又は土壌中の物質の
濃度に係る事業”の登録を受けた者をいう。なお,この場合,石炭ガス化スラグ細骨材に関する
事業は,水又は土壌中の物質の濃度に係る事業ではないので計量証明書の発行ではなく,分析結
果報告書などの様式で発行される。
a) 試験装置 試験装置は,JIS K 0058-1の5.1(試験装置)による。
b) 試薬及び器具 試薬及び器具は,JIS K 0058-1の5.2(試薬及び器具)による。
c) 検液の調製 検液の調製は,JIS K 0058-1の5.4(検液の調製)による。
d) 検液の分析 検液の分析は,JIS K 0058-1の5.5(検液の分析)による。
B.4.3 含有量試験
B.4.3.1 試料の調製
試料の調製は,利用模擬試料による場合はa)に,石炭ガス化スラグ細骨材試料による場合はb)による。
なお,利用模擬試料の調製は,石炭ガス化スラグ細骨材の製造事業者から委託を受けた,材料の試験を主
たる事業としている試験事業者が実施する。
a) 利用模擬試料による場合 利用模擬試料による場合は,B.4.2.1のa)の1) によって作製した成形体か
ら300 g以上の試験片を採取し,次の1)〜4)の手順に従って調製する。なお,特定の粒度区分の試料
が不足する場合は,より大きい粒度区分の試料を破砕して追加してもよい。
1) 試験片をハンマー,ジョークラッシャーなどで粗く破砕する。
2) 1)の試料を呼び寸法2.0 mmのふるいを用いて分級し,ふるい上に残った試料を更に破砕し,全量が
ふるいを通過するようにする。
3) 2)の試料を呼び寸法0.6 mm及び0.15 mmのふるいを用いて分級する。
4) 3)で分級した試料を表B.4に示す割合で混合する。
表B.4−含有量試験に用いる利用模擬試料(一般用途)の粒度区分ごとの混合割合
単位 質量分率%
粒度区分a)
2.0 mm以上
2.0 mm〜0.6 mm
0.6 mm〜0.15 mm
0.15 mm以下
合計
混合割合
0
50±5
25±5
25±5
100
注a) ふるいの呼び寸法は,それぞれJIS Z 8801-1に規定するふるいの公称目開き2 mm,600 μm及び150
μmである。
b) 石炭ガス化スラグ細骨材試料による場合 石炭ガス化スラグ細骨材試料による場合は,7.1によって
採取及び縮分した石炭ガス化スラグ細骨材から300 g以上を用いて,次の1)〜5)の手順に従って調製
する。
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1) 呼び寸法2.0 mmのふるいを用いて分級し,ふるい上の試料質量U(g)及びふるい下の試料の質量
L(g)を測定する。
2) 1)のふるい上の試料をハンマー,ジョークラッシャーなどで更に破砕し,全量が呼び寸法2.0 mmの
ふるいを通過するようにする。
3) 2)の試料を呼び寸法0.6 mm及び0.15 mmのふるいを用いて分級する。
4) 3)の試料を表B.4に示す割合で混合する。なお,特定の粒度区分の試料が不足する場合は,より大
きい粒度区分の試料を破砕して追加してもよい。大きい粒度区分の試料が不足する場合は,小さい
粒度区分の試料で代用してもよい。
5) 4)の試料及び1)のふるい下の試料のそれぞれから,粒度が偏らないように試料を分取し,U:Lの割
合で混合する。
B.4.3.2 検液の調製及び分析
検液の調製及び分析は,次による。
なお,検液の調製及び分析は,石炭ガス化スラグ細骨材の製造事業者から委託を受けたJIS Q 17025,又
はJIS Q 17050-1及びJIS Q 17050-2に適合している試験事業者,又は環境計量証明登録事業者1)が実施す
る。
注1) B.4.2.2の注1)を参照。
a) 試薬及び器具 試薬及び器具は,JIS K 0058-2の5.(試薬及び器具)による。
b) 検液の調製 検液の調製は,JIS K 0058-2の7.(検液の調製)による。
c) 検液の分析 検液の分析は,JIS K 0058-2の8.(検液の分析)による。
B.5
環境安全受渡試験
B.5.1 一般
環境安全受渡試験として,溶出量試験及び含有量試験を実施する。だだし,港湾用途に限っては,溶出
量試験だけでよい。溶出量試験及び含有量試験は,いずれも石炭ガス化スラグ細骨材試料を用いる。
なお,環境安全受渡試験は,石炭ガス化スラグ細骨材の製造事業者又は石炭ガス化スラグ細骨材の製造
事業者から委託を受けた試験事業者が実施する。
B.5.2 溶出量試験
B.5.2.1 試料の調製
試料の調製は,B.4.2.1のb)による。
B.5.2.2 検液の調製及び分析
検液の調製及び分析は,B.4.2.2のa)〜d)による。
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B.5.3 含有量試験
B.5.3.1 試料の調製
試料の調製は,B.4.3.1のb)による。
B.5.3.2 検液の調製及び分析
検液の調製及び分析は,B.4.3.2のa)〜c)による。
参考文献
[1] JIS Z 8703 試験場所の標準状態
[2] JIS R 1301 化学分析用磁器るつぼ