A 5011-3:2016
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 種類及び呼び方 ················································································································ 4
4.1 種類 ···························································································································· 4
4.2 呼び方 ························································································································· 4
5 品質······························································································································· 5
5.1 一般 ···························································································································· 5
5.2 化学成分及び物理的・化学的性質······················································································ 5
5.3 粒度,粗粒率及び微粒分量 ······························································································ 5
5.4 アルカリシリカ反応性 ···································································································· 6
5.5 環境安全品質基準及び環境安全受渡検査判定値 ···································································· 6
6 試験方法························································································································· 7
6.1 試料の採り方 ················································································································ 7
6.2 化学成分及び物理的・化学的性質試験················································································ 8
6.3 粒度試験及び微粒分量試験 ······························································································ 8
6.4 アルカリシリカ反応性試験 ······························································································ 8
6.5 環境安全形式試験及び環境安全受渡試験············································································· 8
7 検査方法························································································································· 9
7.1 化学成分,物理的・化学的性質,粒度,微粒分量及びアルカリシリカ反応性の検査方法 ·············· 9
7.2 環境安全品質の検査方法 ································································································· 9
7.3 製造ロットの管理 ········································································································· 10
7.4 検査データの保管 ········································································································· 10
8 表示······························································································································ 10
9 報告······························································································································ 11
附属書A(規定)銅スラグ細骨材の化学成分及び塩化物分析方法·················································· 17
附属書B(規定)銅スラグ細骨材の環境安全品質試験方法 ··························································· 27
附属書C(規定)銅スラグ細骨材の環境安全受渡検査判定値の設定方法 ········································· 30
附属書D(参考)技術上重要な改正についての新旧対照表 ·························································· 32
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本鉱業協会(JMIA)
及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによって,
JIS A 5011-3:2003は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成28年10月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJIS
マーク表示認証において,JIS A 5011-3:2003によることができる。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS A 5011の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS A 5011-1 第1部:高炉スラグ骨材
JIS A 5011-2 第2部:フェロニッケルスラグ骨材
JIS A 5011-3 第3部:銅スラグ骨材
JIS A 5011-4 第4部:電気炉酸化スラグ骨材
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日本工業規格 JIS
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コンクリート用スラグ骨材−
第3部:銅スラグ骨材
Slag aggregate for concrete-Part 3: Copper slag aggregate
序文
この規格は,1997年に制定され,その後2回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は2003年に
行われたが,その後,日本工業標準調査会 標準部会 土木技術専門委員会及び建築技術専門委員会が,“建
設分野の規格への環境側面の導入に関する指針”(2003年3月28日議決)の附属書1として“コンクリー
ト用スラグ骨材に環境安全品質及びその検査方法を導入するための指針”を2011年7月12日付で策定し
たことから,これに対応するために改正した。また,技術上重要な改正に関する旧規格との対照を附属書
Dに示す。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,コンクリートに使用する銅スラグ骨材について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 0203 コンクリート用語
JIS A 1102 骨材のふるい分け試験方法
JIS A 1103 骨材の微粒分量試験方法
JIS A 1104 骨材の単位容積質量及び実積率試験方法
JIS A 1109 細骨材の密度及び吸水率試験方法
JIS A 1110 粗骨材の密度及び吸水率試験方法
JIS A 1145 骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(化学法)
JIS A 1146 骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(モルタルバー法)
JIS A 5002 構造用軽量コンクリート骨材
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0058-1 スラグ類の化学物質試験方法−第1部:溶出量試験方法
JIS K 0058-2 スラグ類の化学物質試験方法−第2部:含有量試験方法
JIS K 0102 工場排水試験方法
JIS K 0116 発光分光分析通則
JIS K 0119 蛍光X線分析通則
2
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JIS K 0127 イオンクロマトグラフィー通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8005 容量分析用標準物質
JIS M 8100 粉塊混合物−サンプリング方法通則
JIS M 8268 クロム鉱石−硫黄定量方法
JIS P 3801 ろ紙(化学分析用)
JIS Q 17025 試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項
JIS Q 17050-1 適合性評価−供給者適合宣言−第1部:一般要求事項
JIS Q 17050-2 適合性評価−供給者適合宣言−第2部:支援文書
JIS Z 2616 金属材料の硫黄定量方法通則
JIS Z 8801-1 試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 0203によるほか,次による。
3.1
銅スラグ細骨材混合率
全細骨材に対する銅スラグ細骨材の絶対容積比で,百分率で表したもの(以下,CUS混合率という。)。
3.2
環境安全品質
銅スラグ細骨材の出荷から,コンクリート構造物の施工,コンクリート製品の製造時及び利用時までだ
けでなく,その利用が終了し,解体後の再利用時又は最終処分時も含めたライフサイクルの合理的に想定
し得る範囲において,銅スラグ細骨材から影響を受ける土壌,地下水,海水などの環境媒体が,各々の環
境基準等を満足できるように,銅スラグ細骨材が確保しなければならない品質。
3.3
環境安全形式検査
銅スラグをコンクリート用骨材として使用するために粒度調製などの加工を行った後,この規格の5.1
〜5.4に規定する品質要求事項を満足することを確認した銅スラグ細骨材が,環境安全品質を満足するもの
であるかを判定するための検査。3.5に規定する利用模擬試料を用いることを基本として,3.9に規定する
環境安全形式試験を行い,環境安全品質への適合を判定する。ただし,試料調製の効率化のため,3.6に規
定する銅スラグ細骨材試料を用いることができる1)。
注1) いずれの試料を用いても,環境安全品質は十分に確保される。
3.4
環境安全受渡検査
環境安全形式検査に合格したものと同じ製造条件の銅スラグ細骨材の受渡しの際に,その環境安全品質
を保証するために行う検査。3.6に規定する銅スラグ細骨材試料を用いて,3.10に規定する環境安全受渡
試験を行い,3.8に規定する環境安全受渡検査判定値への適合を判定する。環境安全形式検査に利用模擬試
料を用いた場合の環境安全品質の保証は,銅スラグ細骨材が環境安全形式検査と同一の配合条件2)で使用
する場合に限定される。
なお,同一の配合条件とは,材料・配合が厳密に一致しなければならないという意味ではなく,全く異
なる配合条件で銅スラグ細骨材が使用されるところまでは保証しないことを意図したものである。どの程
3
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度までを同一配合とみなすかは,受渡当事者間の協議による。
注2) 配合条件のうち銅スラグ細骨材の単位量(1 m3のコンクリートを製造するのに用いる銅スラグ
細骨材の質量)だけを下げる場合は,ここでいう“環境安全形式検査と同一の配合条件”に含
める。
3.5
利用模擬試料
銅スラグ細骨材の出荷から,利用が終了し,解体後の再利用時又は最終処分時も含めたライフサイクル
の合理的に想定し得る範囲の中で,環境安全性に関して最も配慮しなければならない銅スラグ細骨材の状
態を模擬した試料。この試料は,環境安全形式検査に用いる。
3.6
銅スラグ細骨材試料
環境安全形式試験又は環境安全受渡試験に用いるために,適切な試料採取方法で採取した銅スラグ細骨
材。
3.7
環境安全品質基準
環境安全品質として必要と認められる検査項目について定められた,溶出量及び含有量で示される基準
値の総称。ただし,3.12に規定する港湾用途に限っては,溶出量だけで示される。環境安全形式検査結果
の判定において参照する。
3.8
環境安全受渡検査判定値
環境安全受渡検査において,環境安全品質基準への適合性を銅スラグ細骨材試料を用いて保証するため
に参照する値。環境安全形式試験に利用模擬試料を用いた場合は,必要と認められる検査項目について,
3.9に規定する環境安全形式試験及び3.10に規定する環境安全受渡試験のデータに基づき,銅スラグ細骨
材の製造業者が設定する。環境安全形式検査に銅スラグ細骨材試料を用いた場合は,必要と認められる検
査項目について,環境安全品質基準と同じ値を設定する。
3.9
環境安全形式試験
環境安全形式検査において,銅スラグ細骨材の環境安全品質基準に対する適合を判定するために実施す
る試験。溶出量試験及び含有量試験で構成される。ただし,3.12に規定する港湾用途に限っては溶出量試
験だけによる。
3.10
環境安全受渡試験
環境安全受渡検査において,銅スラグ細骨材の環境安全受渡検査判定値に対する適合性を判定するため
に実施する試験。溶出量試験及び含有量試験で構成される。ただし,3.12に規定する港湾用途に限っては
溶出量試験だけによる。
3.11
一般用途
銅スラグ細骨材を用いるコンクリート構造物又はコンクリート製品(以下,コンクリート構造物等とい
う。)の用途のうち,3.12に規定する港湾用途を除いた一般的な土木・建築用の用途。
4
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3.12
港湾用途
銅スラグ細骨材を用いるコンクリート構造物等の用途のうち,海水と接する港湾の施設又はそれに関係
する施設で半永久的に使用され,解体・再利用されることのない用途。港湾に使用する場合であっても再
利用を予定する場合は,一般用途として取り扱わなければならない。
注記 用途の具体例としては,岸壁,防波堤,護岸,堤防,突堤などが該当する。
4
種類及び呼び方
4.1
種類
種類は,用途,種類,粒度及びアルカリシリカ反応性によって区分し,次による。
a) 用途 用途は,一般用途及び港湾用途に区分する。
b) 種類 銅スラグ細骨材の種類は,表1による。
表1−種類による区分
種類
記号
製造方法
銅スラグ細骨材
CUS 銅を溶錬する際に副生する溶融スラグを
水によって急冷し,粒度調製したもの。
c) 粒度 銅スラグ細骨材の粒度による区分は,表2による。
表2−粒度による区分
区分
粒の大きさの範囲
mm
記号
5 mm銅スラグ細骨材
2.5 mm銅スラグ細骨材
1.2 mm銅スラグ細骨材
5〜0.3 mm銅スラグ細骨材
5以下
2.5以下
1.2以下
5〜0.3
5
2.5
1.2
5-0.3
d) アルカリシリカ反応性による区分 銅スラグ細骨材のアルカリシリカ反応性による区分は,表3によ
る。
表3−アルカリシリカ反応性による区分
区分
摘要
A
アルカリシリカ反応性試験結果が“無害”と判定されたもの。
B
アルカリシリカ反応性試験結果が“無害でない”と判定されたもの,
又はこの試験を行っていないもの。
4.2
呼び方
銅スラグ細骨材の呼び方は,次による。
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例 CUS 2.5 A (一般用途)
用途による区分を表す。
アルカリシリカ反応性による区分を表す。
銅スラグ細骨材の粒度による区分を表す。
銅スラグ細骨材の種類を表す。
5
品質
5.1
一般
銅スラグ細骨材は,コンクリートの品質に悪影響を及ぼす物質を有害量含んではならない。
5.2
化学成分及び物理的・化学的性質
銅スラグ細骨材の化学成分及び物理的・化学的性質は,6.2によって試験を行い,表4の規定に適合しな
ければならない。
表4−化学成分及び物理的・化学的性質
項目
銅スラグ細骨材
適用試験箇条
化学成分 酸化カルシウム(CaOとして) %
12.0以下
6.2.1
全硫黄(Sとして)
%
2.0以下
三酸化硫黄(SO3として)
%
0.5以下
全鉄(FeOとして)
%
70.0以下
塩化物量(NaClとして)
%
0.03以下
絶乾密度
g/m3
3.2以上
6.2.2
吸水率
%
2.0以下
単位容積質量
kg/L
1.80以上
6.2.3
5.3
粒度,粗粒率及び微粒分量
5.3.1
粒度
銅スラグ細骨材の粒度は,6.3.1によって試験を行い,表5に示す範囲のものでなければならない。
表5−粒度
単位 %
区分
各ふるいを通るものの質量分率
ふるいの呼び寸法a)
10
5
2.5
1.2
0.6
0.3
0.15
5 mm銅スラグ細骨材
100
90〜100
80〜100
50〜 90
25〜65
10〜35
2〜15
2.5 mm銅スラグ細骨材
100
95〜100
85〜100
60〜 95
30〜70
10〜45
5〜20
1.2 mm銅スラグ細骨材
−
100
95〜100
80〜100
35〜80
15〜50
10〜30
5〜0.3 mm銅スラグ細骨材
100
95〜100
45〜100
10〜 70
0〜40
0〜15
0〜10
注a) ふるいの呼び寸法は,それぞれJIS Z 8801-1に規定するふるいの公称目開き9.5 mm,4.75 mm,2.36 mm,
1.18 mm,0.6 mm,0.3 mm及び0.15 mmである。
5.3.2
粗粒率
銅スラグ細骨材の粗粒率は,製造業者と購入者とが協議によって定めた粗粒率に対して±0.20の範囲の
ものでなければならない。
6
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5.3.3
微粒分量
銅スラグ細骨材の微粒分量は,6.3.2によって試験を行い,次による。
a) 銅スラグ細骨材の微粒分量は,表6の上限値を超えない範囲で製造業者と購入者とが協議によって定
める。
b) 銅スラグ細骨材の微粒分量の許容差は,a)で定めた協議値に対して表7とする。
表6−銅スラグ細骨材の微粒分量の上限値
単位 %
区分
上限値
5 mm銅スラグ細骨材
7.0
2.5 mm銅スラグ細骨材
9.0
1.2 mm銅スラグ細骨材
10.0
5〜0.3 mm銅スラグ細骨材
7.0
表7−銅スラグ細骨材の微粒分量の許容差
単位 %
区分
許容差
5 mm銅スラグ細骨材
±2.0
2.5 mm銅スラグ細骨材
±2.0
1.2 mm銅スラグ細骨材
±3.0
5〜0.3 mm銅スラグ細骨材
±2.0
5.4
アルカリシリカ反応性
銅スラグ細骨材のアルカリシリカ反応性については,6.4によって試験を行い,“無害”又は“無害でな
い”と判定し,無害なものを使用する。
5.5
環境安全品質基準及び環境安全受渡検査判定値
5.5.1
環境安全品質基準
環境安全品質基準は,銅スラグ細骨材を用いるコンクリート構造物等の用途に応じて,次のいずれかに
よる。
a) 一般用途の場合 銅スラグ細骨材を用いるコンクリート構造物等の用途が一般用途の場合の環境安全
品質は,6.5.2.1によって試験を行い,表8の規定に適合しなければならない。
なお,用途が特定できない場合,又は港湾用途であっても再利用が予定される場合は,一般用途と
して取り扱う。
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表8−一般用途の場合の環境安全品質基準
項目
溶出量
mg/L
含有量a)
mg/kg
カドミウム
0.01以下
150以下
鉛
0.01以下
150以下
六価クロム
0.05以下
250以下
ひ素
0.01以下
150以下
水銀
0.000 5以下
15以下
セレン
0.01以下
150以下
ふっ素
0.8以下
4 000以下
ほう素
1以下
4 000以下
注a) ここでいう含有量とは,同語が一般的に意味する“全含有量”とは異
なることに注意を要する。
b) 港湾用途の場合 銅スラグ細骨材を用いるコンクリート構造物等の用途が港湾用途の場合の環境安全
品質は,6.5.2.1によって試験を行い,表9の規定に適合しなければならない。
注記 港湾用途の材料が備えるべき環境安全品質に関する科学的な知見が十分ではないため,当面
の間の規定である。
表9−港湾用途の場合の環境安全品質基準
単位 mg/L
項目
溶出量
カドミウム
0.03以下
鉛
0.03以下
六価クロム
0.15以下
ひ素
0.03以下
水銀
0.001 5以下
セレン
0.03以下
ふっ素
15以下
ほう素
20以下
5.5.2
環境安全受渡検査判定値
環境安全受渡検査判定値は,銅スラグ細骨材を用いるコンクリート構造物等の用途に応じて,次による。
なお,7.2.2で環境安全受渡検査から省略した検査項目については,環境安全受渡検査判定値を設定する
必要はない。
a) 環境安全形式検査に利用模擬試料を用いた場合 環境安全形式検査に利用模擬試料を用いた場合の
環境安全受渡検査判定値は,同一の製造ロットから採取した銅スラグ細骨材試料を用いて環境安全形
式試験及び環境安全受渡試験を行い,附属書Cに従って銅スラグ細骨材製造業者が設定する。
b) 環境安全形式検査に銅スラグ細骨材試料を用いた場合 環境安全形式検査に銅スラグ細骨材試料を
用いた場合の環境安全受渡検査判定値は,5.5.1の環境安全品質基準を用いる。
6
試験方法
6.1
試料の採り方
試料は,コンクリート用骨材として提供するための粒度調製,形状改善などの加工を行ったものから代
表的なものを採取し,合理的な方法で縮分する。
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なお,試料の採取及び縮分は,JIS M 8100に規定する方法によることが望ましい。
6.2
化学成分及び物理的・化学的性質試験
6.2.1
化学分析及び塩化物試験
銅スラグ細骨材の化学分析及び塩化物試験は,附属書Aによる。
6.2.2
絶乾密度及び吸水率試験
銅スラグ細骨材の絶乾密度及び吸水率の試験は,JIS A 1109による。ただし,1回の試験に使用する試料
の最小質量は,約3 kgとする。
なお,微粒分の少ない5〜0.3 mm銅スラグ細骨材の表面乾燥飽水状態の作り方は,JIS A 1109の4.(試
料)b) によって吸水した試料を,JIS A 1110の4.(試料)d) によって表面乾燥飽水状態とする方法による。
この場合には,報告事項にその旨を付記する。
注記 微粒分の多い銅スラグ細骨材の場合は,JIS A 1103に規定する方法によって洗った細骨材を試
料とすることができる。この場合には,報告事項にその旨を付記する。
6.2.3
単位容積質量試験
銅スラグ細骨材の単位容積質量試験は,JIS A 1104による。
6.3
粒度試験及び微粒分量試験
6.3.1
粒度試験
銅スラグ細骨材の粒度試験は,JIS A 1102による。
6.3.2
微粒分量試験
銅スラグ細骨材の微粒分量の試験は,JIS A 1103による。
6.4
アルカリシリカ反応性試験
銅スラグ細骨材のアルカリシリカ反応性試験は,JIS A 1145によって行い,この結果,“無害でない”と
判定された場合は,JIS A 1146による試験を行って判定する。また,JIS A 1145による試験を行わない場
合は,JIS A 1146による試験を行って判定してもよい。ただし,1.2 mm銅スラグ細骨材のモルタルバー法
試験に使用する骨材の粒度分布は,表10による。
なお,モルタルバー法におけるモルタルの配合は,質量比でセメント1,水0.5及び銅スラグ細骨材3.0
とする。1回に練り混ぜるセメント,水及び銅スラグ細骨材の量は,次による。
− 水+NaOH水溶液: 300±1 mL
− セメント: 600±1 g
− 銅スラグ細骨材(表乾状態):1 800±1 g
表10−1.2 mm銅スラグ細骨材のモルタルバー法試験に使用する骨材の粒度分布
粒径 mm
質量分率 %
2.5〜1.2
1.2〜0.6
0.6〜0.3
0.3〜0.15
5
35
40
20
6.5
環境安全形式試験及び環境安全受渡試験
6.5.1
試料の採り方
試料は,5.1〜5.4に規定する品質要求事項を満足することを確認した銅スラグ細骨材から6.1によって採
取する。
6.5.2
試験方法
9
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6.5.2.1
環境安全形式試験
銅スラグ細骨材の環境安全形式試験は,附属書Bによる。
6.5.2.2
環境安全受渡試験
銅スラグ細骨材の環境安全受渡試験は,附属書Cによる。
7
検査方法
7.1
化学成分,物理的・化学的性質,粒度,微粒分量及びアルカリシリカ反応性の検査方法
銅スラグ細骨材の化学成分,物理的・化学的性質,粒度,微粒分量及びアルカリシリカ反応性の検査は,
合理的な抜取検査方式によって検査ロットの大きさ及び抜取り数を決定し,6.1〜6.4によって試験を行い,
5.1〜5.4の規定に適合したものを合格とする。
なお,受渡当事者間の協定によって,検査項目の一部を省略することができる。
7.2
環境安全品質の検査方法
7.2.1
検査の種類
銅スラグ細骨材の環境安全品質の検査は,環境安全形式検査と環境安全受渡検査とに区分する。
7.2.2
検査項目
銅スラグ細骨材の環境安全品質の検査は,銅スラグ細骨材を用いるコンクリート構造物等の用途に応じ
て,次のいずれかによる。
a) 一般用途の場合 一般用途の場合は,表11の○印に示す項目について行う。
表11−環境安全品質の検査項目(一般用途)
項目
環境安全形式検査
環境安全受渡検査
溶出量
含有量
溶出量
含有量
カドミウム
○
○
○
○
鉛
○
○
○
○
六価クロム
○
○
−
−
ひ素
○
○
○
○
水銀
○
○
−
−
セレン
○
○
−
−
ふっ素
○
○
−
−
ほう素
○
○
−
−
b) 港湾用途の場合 港湾用途の場合は,表12の○印に示す項目について検査を行う。
表12−環境安全品質の検査項目(港湾用途)
項目
環境安全形式検査
環境安全受渡検査
溶出量
溶出量
カドミウム
○
○
鉛
○
○
六価クロム
○
−
ひ素
○
○
水銀
○
−
セレン
○
−
ふっ素
○
−
ほう素
○
−
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7.2.3
検査方法
銅スラグ細骨材の環境安全品質の検査方法は,次による。
a) 環境安全形式検査 銅スラグ細骨材の環境安全形式検査は,6.5.1及び6.5.2.1によって試験を行い,
5.5.1に適合した試料の製造ロットを合格とする。
b) 環境安全受渡検査 銅スラグ細骨材の環境安全受渡検査は,6.5.1及び6.5.2.2によって試験を行い,
5.5.2によって定めた環境安全受渡検査判定値に適合した試料の製造ロットを合格とする。
これに適合しなかった場合,同一の製造ロットから同一の方法で採取した試料を用いて2回の再試
験を行い,2回とも環境安全受渡検査判定値に適合した場合は,その製造ロットを合格とすることが
できる。ただし,2回の再試験のうち,1回でも不適合となった場合は,その製造ロットは不合格とす
る。
7.2.4
検査の頻度
銅スラグ細骨材の環境安全品質の検査頻度は,次による。
a) 環境安全形式検査 銅スラグ細骨材の環境安全形式検査は,合否判定を行った日から3年後の同月末
までを有効とし,3年を超えない期間ごとに実施する。
ただし,次の場合は有効期間によらず,新たに環境安全形式検査を行わなければならない。
1) 製造設備の改良,製造プロセス,原料又は添加物の変更などの要因に伴って,環境安全品質に規定
する項目の値が大きく増加する可能性がある場合。
2) 利用模擬試料による方法を選択する場合,コンクリートの配合条件を新たに定める都度実施する。
ただし,銅スラグ細骨材の単位量を少なくする場合又は同一の配合条件とみなされる場合は,これ
までの環境安全形式検査の結果を引き続き利用でき,新たな環境安全形式検査の実施は省略できる。
b) 環境安全受渡検査 銅スラグ細骨材の環境安全受渡検査の頻度は,製造ロット単位とする。
7.3
製造ロットの管理
銅スラグ細骨材の品質を確保するために,検査の結果と対応させて,製造ロットごとに管理できるよう
にしなければならない。
なお,検査の結果不合格となった製造ロットは,合格したロットとは明確に区分し,混在させてはなら
ない。
7.4
検査データの保管
銅スラグ細骨材の製造業者は,試験によって得られた品質試験結果及び判定結果の記録を,製造ロット
ごとに所定の期間保管しなければならない。
8
表示
銅スラグ細骨材の送り状に記載する事項は,次による。
a) 製品の名称及び呼び方[例 銅スラグ細骨材 CUS 2.5 A(一般用途)]
b) 製品の質量
c) 製造業者名又はその略号
d) 製造工場名又はその略号
e) 製造年月日,製造年月,製造期間,製造番号若しくは製造ロット番号,又はこれらの略号のいずれか
一つ以上
f)
製品の出荷年月日
g) 検査成績書に関する次の注意事項
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
− 検査成績書に示す単位量を超えて銅スラグ細骨材を配合してはならない旨の記載。
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報告
銅スラグ細骨材の製造業者は,購入者から要求があった場合には,試験成績書を提出しなければならな
い。試験成績書の標準様式は,用途及び種類に応じて表13〜表17に示すものとする。
試験成績書に記載する事項は次による。
なお,環境安全品質検査の結果については,i)若しくはj) のいずれか又は両方を,受渡当事者間の協議
によって選択することができる。
a) 製品の名称及び呼び方[例 銅スラグ細骨材 CUS 2.5 A(一般用途)]
b) 規格番号及び規格値
c) 製造業者名又はその略号
d) 製造工場名又はその略号
e) 銅スラグ細骨材の製造年月日,製造年月,製造期間,製造番号若しくはロット番号,又はこれらの略
号のいずれか一つ以上
f)
化学成分,物理的・化学的性質,粒度,微粒分量及びアルカリシリカ反応性の試験結果
g) 検査成績書の発行年月日
h) 発行責任者
i)
環境安全形式検査に関する事項 環境安全形式検査に関する事項は,次による。
1) 試験事業者名
2) 環境安全形式試験の条件 環境安全形式試験の条件は,利用模擬試料又は銅スラグ細骨材試料の別,
環境安全形式試験に利用模擬試料を用いた場合の銅スラグ細骨材の配合条件,及び各粒度区分の混
合割合を記載する。
3) 銅スラグ細骨材の環境安全形式試験の結果
4) 検査結果の判定
j)
環境安全受渡試験に関する事項 環境安全受渡試験に関する事項は,次による。
1) 試験事業者名
2) 環境安全受渡検査判定値
3) 環境安全受渡試験の結果
4) 検査結果の判定
5) 環境安全形式検査の有効期限
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表13−コンクリート用銅スラグ細骨材試験成績書(一般用途・港湾用途)(JIS A 5011-3)
平成 年 月 日 製造業者 会社 工場
発行責任者:
御中
製品の
呼び名
ロット
番号
化学成分 (質量分率 %)
塩化物量
%
(NaClとして)
絶乾密度
g/cm3
吸水率
%
単位容積質量
kg/L
酸化カルシウム
(CaOとして)
全硫黄
(Sとして)
三酸化硫黄
(SO3として)
全鉄
(FeOとして)
規
定
値
CUS5
12.0以下
2.0以下
0.5以下
70.0以下
0.03以下
3.2以上
2.0以下
1.80以上
CUS2.5
CUS1.2
CUS5-0.3
製品の
呼び名
ロット
番号
各ふるいを通るものの質量分率 %
粗粒率a)
アルカリシリカ
反応性
微粒分量
10 mm
5 mm
2.5 mm
1.2 mm
0.6 mm
0.3 mm
0.15 mm
( )
( )
( )
( )
規
定
値
CUS5
100
90〜100
80〜100
50〜 90
25〜65
10〜35
2〜15
協議によって定めた
粗粒率に対して,±
0.20の範囲のもので
なければならない。
判定試験結果に
よる区分をA又
はBと記入す
る。
CUS2.5
100
95〜100
85〜100
60〜 95
30〜70
10〜45
5〜20
CUS1.2
−
100
95〜100
80〜100
35〜80
15〜50
10〜30
CUS5-0.3
100
95〜100
45〜100
10〜 70
0〜40
0〜15
0〜10
注a) 括弧内は,購入契約時に定められた粗粒率を記入する。
2
A
5
0
11
-3
:
2
0
1
6
13
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表14−コンクリート用銅スラグ細骨材(一般用途)環境安全形式試験成績書(JIS A 5011-3)
平成 年 月 日 製造業者 会社 工場
発行責任者:
試験実施事業者(利用模擬試料の調製):
試験実施事業者(検液の調製及び分析):
御中
・環境安全形式試験における溶出量・含有量試験結果
区分
試験項目
ロット
番号
項目
試験の区分
対象a)
カドミウム
鉛
六価クロム
ひ素
水銀
セレン
ふっ素
ほう素
溶出量
mg/L
環境安全形式試験
環境安全品質基準
0.01以下
0.01以下
0.05以下
0.01以下
0.000 5以下
0.01以下
0.8以下
1以下
含有量
mg/kg
環境安全形式試験
環境安全品質基準
150以下
150以下
250以下
150以下
15以下
150以下
4 000以下
4 000以下
注a) 対象の欄には環境安全形式試験に用いた試料が利用模擬試料又はスラグ製品試料の別を示す。
・利用模擬試料に用いたコンクリートの配合
配合の
種類
水セメン
ト比
%
細骨材率
%
CUS
混合率
%
単位量 kg/m3
化学混和剤
g
スランプ
cm
空気量
%
単位容積質量
kg/m3
W
C
細骨材
粗骨材
CUS
− この環境安全形式検査に用いた銅スラグ細骨材であっても,この表に示す混合率を超えて銅スラグ細骨材を配合してはならない。
・溶出量試験及び含有量試験に用いた利用模擬試料の粒度
単位 %
区分
溶出量試験に用いた利用模擬試料の粒度
含有量試験に用いた利用模擬試料の粒度
40 mm以上
40〜20 mm
20〜5 mm
5〜2.5 mm
2.5 mm以下
2.0 mm以上
2.0〜0.6 mm
0.6〜0.15 mm
0.15 mm以下
質量分率
試験結果
規定値
0
30±5
40±5
10±5
20±5
0
50±5
25±5
25±5
環境安全形式検査結果の有効期限: 年 月 まで
2
A
5
0
11
-3
:
2
0
1
6
14
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表15−コンクリート用銅スラグ細骨材(港湾用途)環境安全形式試験成績書(JIS A 5011-3)
平成 年 月 日 製造業者 会社 工場
発行責任者:
試験実施事業者(利用模擬試料の調製):
試験実施事業者(検液の調製及び分析):
御中
・環境安全形式試験における溶出量試験結果
単位 mg/L
区
分
試験の項目
ロット
番号
項目
試験の区分
対象a)
カドミウム
鉛
六価クロム
ひ素
水銀
セレン
ふっ素
ほう素
溶
出
量
環境安全
形式試験
環境安全品質基準
0.03以下
0.03以下
0.15以下
0.03以下
0.001 5以下
0.03以下
15以下
20以下
注a) 対象の欄には環境安全形式試験に用いた試料が利用模擬試料又は銅スラグ細骨材試料の別を示す。
・利用模擬試料に用いたコンクリートの配合
配合の
種類
水セメン
ト比
%
細骨材率
%
CUS
混合率
%
単位量 kg/m3
化学混和剤
g
スランプ
cm
空気量
%
単位容積質量
kg/m3
W
C
細骨材
粗骨材
CUS
− この環境安全形式検査に用いた銅スラグ細骨材であっても,この表に示す混合率を超えて銅スラグ細骨材を配合してはならない。
環境安全形式検査結果の有効期限: 年 月 まで
2
A
5
0
11
-3
:
2
0
1
6
15
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表16−コンクリート用銅スラグ細骨材(一般用途)環境安全受渡試験成績書(JIS A 5011-3)
平成 年 月 日 製造業者 会社 工場
発行責任者:
検査実施事業者:
御中
・環境安全受渡試験結果
区分
試験の項目
ロット番号
項目
カドミウム
鉛
ひ素
溶出量
mg/L
環境安全受渡試験
環境安全受渡検査判定値a)
含有量
mg/kg
環境安全受渡試験
環境安全受渡検査判定値a)
注a) 環境安全受渡検査判定値は,環境安全形式検査を利用模擬試料で行った場合は,附属書Cに準拠して定める。銅
スラグ細骨材試料を用いる場合は,表8の値とする。
2
A
5
0
11
-3
:
2
0
1
6
16
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表17−コンクリート用銅スラグ細骨材(港湾用途)環境安全受渡検査成績書(JIS A 5011-3)
平成 年 月 日 製造業者 会社 工場
発行責任者:
検査実施事業者:
御中
・環境安全受渡試験結果
単位 mg/L
試験の項目
ロット番号
項目
試験の区分
カドミウム
鉛
ひ素
環境安全受渡試験
環境安全受渡検査判定値a)
注a) 環境安全受渡検査判定値は,環境安全形式検査を利用模擬試料で行った場合は,附属書Cに準拠して定
める。銅スラグ細骨材試料を用いる場合は,表9の値とする。
2
A
5
0
11
-3
:
2
0
1
6
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A
(規定)
銅スラグ細骨材の化学成分及び塩化物分析方法
A.1 概要
この附属書は,コンクリートに使用する銅スラグ細骨材の化学分析及び塩化物の試験方法について規定
する。
A.2 分析項目
ここで規定する分析項目は,次による。
a) 酸化カルシウム(CaOとして)
b) 全硫黄(Sとして)
c) 三酸化硫黄(SO3として)
d) 全鉄(FeOとして)
e) 塩化物(NaClとして)
A.3 一般事項
分析方法に共通な一般事項は,JIS K 0050,JIS K 0116,JIS K 0119,JIS K 0127,JIS K 8001,JIS M 8100
及びJIS Z 2616による。
A.4 試料の採り方及び取扱い方
A.4.1 試料の採取
試料の採取,並びに化学分析用試料にあっては約500 gとするまでの縮分,及び塩化物分析用試料にあ
っては約1 000 gとするまでの縮分は,JIS M 8100による。
A.4.2 試料の調製
a) 化学分析用試料 化学分析用試料の調製は,次による。
1) 採取した試料は,温度100〜110 ℃で恒量となるまで乾燥した後,約500 gを鉄の汚染のおそれのな
い粉砕装置などで砕き,JIS Z 8801-1に規定する公称目開き2.36 mmの金属製網ふるいを全量通過
させる。
2) 次に,約100 gまで縮分し,これを更にすり潰し,JIS Z 8801-1に規定する公称目開き600 μmの金
属製網ふるいを全量通過させる。
3) 次に,約20 gの試料を得るまで縮分し,さらに,JIS Z 8801-1に規定する公称目開き150 μmの金属
製網ふるいを全量通過させるまですり潰し,よく混合して化学分析用試料とする。
b) 塩化物分析用試料 採取した試料は,温度100〜110 ℃で恒量となるまで乾燥し,塩化物分析用試科
とする。
A.4.3 試料のはかり方
試料のはかり方は,次による。
a) 試料のはかりとりに際しては,試料をよくかき混ぜて平均組成が得られるように注意し,また,異物
が混入していないことを確かめなければならない。
18
A 5011-3:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
b) 試料は,温度105±5 ℃に調節されている空気浴に入れて乾燥し,2時間ごとに空気浴から取り出し,
デシケータ中で常温まで放冷する。乾燥減量が2時間につき0.1 %以下になるまでこの操作を繰り返
す。
c) 試料のはかりとりには,化学はかりを用いる。
A.5 分析値の結果の表し方
分析値は,質量分率%で表し,四捨五入によって小数点以下1桁で表す。
A.6 酸化カルシウム定量方法
A.6.1 定量方法の区分
銅スラグ細骨材中の酸化カルシウムの定量方法は,次のいずれかによる。
a) ICP発光分光分析法 この方法は,酸化カルシウム含有率(質量分率)0.05〜15.0 %の試料に適用す
る。
b) 蛍光X線分析法 この方法は,酸化カルシウム含有率(質量分率)0.05〜15.0 %の試料に適用する。
A.6.2 ICP発光分光分析法
ICP発光分光分析法は,A.11による。
A.6.3 蛍光X線分析法
蛍光X線分析法は,A.12による。
A.7 全硫黄定量方法
A.7.1 定量方法の区分
銅スラグ細骨材中の全硫黄の定量方法は,次のいずれかによる。
a) 熱分解一赤外線吸収方法 この方法は,硫黄含有率(質量分率)0.01〜5.0 %の試料に適用する。
b) ICP発光分光分析法 この方法は,硫黄含有率(質量分率)0.01〜5.0 %の試料に適用する。
c) 蛍光X線分析法 この方法は,硫黄含有率(質量分率)0.01〜5.0 %の試料に適用する。
A.7.2 熱分解一赤外線吸収方法
A.7.2.1 要旨
試料を酸素気流中で高温に加熱し,発生した硫黄酸化物を酸素とともに,赤外線吸収検出器の測定セル
に送り,二酸化硫黄の赤外線吸収量を測定する。
A.7.2.2 装置
装置は,JIS M 8268の附属書3(熱分解−赤外線吸収方法)の2.(装置)による。
A.7.2.3 器具及び材料
器具及び材料は,JIS M 8268の附属書3の3.(器具及び材料)による。
A.7.2.4 試料はかりとり量及び分解助剤の添加量
試料はかりとり量及び分解助剤の添加量は,JIS M 8268の附属書3の4.(試料のはかり取り量及び分解
助剤の添加量)による。
A.7.2.5 操作
準備操作及び定量操作は,JIS M 8268の附属書3の5.(操作)による。
A.7.2.6 空試験
空試験は,JIS M 8268の附属書3の6.(空試験)による。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
A.7.2.7 検量線の作成
検量線の作成は,JIS M 8268の附属書3の7.(検量線の作成)による。
A.7.2.8 計算
計算は,JIS M 8268の附属書3の8.(計算)による。
A.7.3 ICP発光分光分析法
ICP発光分光分析法は,A.11による。
A.7.4 蛍光X線分析法
蛍光X線分析法は,A.12による。
A.8 三酸化硫黄定量方法
A.8.1 要旨
銅スラグ細骨材中の三酸化硫黄の定量方法は,硫酸バリウム重量法による。この方法は,三酸化硫黄含
有率(質量分率)0.1〜1.0 %の試料に適用する。試料を塩酸で溶解し,硫酸イオンを硫酸バリウムとして
沈殿させ,その質量を量って硫酸イオンを定量し,計算によって三酸化硫黄を求める。
A.8.2 試薬
試薬は,次のものを使用する。
a) 塩酸(1+1及び1+50)
b) 硝酸
c) アンモニア水
d) 塩化バリウム溶液(100 g/L) 塩化バリウム溶液は,塩化バリウムに水和物11.7 gを水に溶かして100
mLとする。
e) メチルレッド溶液 メチルレッド溶液は,メチルレッド0.2 gをエタノール(95)95 mLに溶解して,
水で100 mLとする。
A.8.3 操作
操作は,次による。
a) 試料の適量(SO3とし10 mg以上を含む。)をビーカ(300 mL)にはかりとり,水100 mL及び塩酸10
mLを加え,時計皿で覆い約20分間加熱する。
b) 放冷後,時計皿をはずしてJIS P 3801に規定する5種Bのろ紙を用いてろ過し,塩酸(1+50)で数
回洗浄する。
c) ろ液に硝酸2 mLを加え,加熱して鉄を酸化する。
d) 溶液にアンモニア水を徐々に加えて中和し,更に過剰のアンモニア水10 mLを加えて煮沸する。
e) 溶液をJIS P 3801に規定する5種Aのろ紙でろ過し,温水で十分洗浄する。
f)
ろ液を100 mLまで加熱濃縮し,メチルレッド溶液[A.8.2 e)]を指示薬として数滴加え,塩酸(1+1)
で微酸性とする。絶えずかき混ぜながら,塩化バリウム溶液(100 g/L)[A.8.2 d)]を滴加し沈殿が生
じなくなったら,更にその添加量の10〜50 %を過剰に加える。
g) 水浴上で20〜30分加熱した後,3〜4時間放置する。
h) JIS P 3801に規定する5種Cのろ紙を用いてろ過し,水で十分洗浄する。
i)
沈殿は,ろ紙とともに,あらかじめ,温度800 ℃で恒量とした磁製るつぼに入れ,乾燥後徐々に加熱
してろ紙を一旦炭化した後,灰化する。
j)
引き続き,温度800 ℃で30分間強熱しデシケータ中で放冷した後,その質量をはかる。
20
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
k) j) の操作を繰り返して,恒量とする。
A.8.4 計算
試料中の三酸化硫黄の濃度を,式(A.1)によって算出する。
100
0
343
.0
3
×
×
=
m
A
SO
····························································· (A.1)
ここに,
SO3: 三酸化硫黄の含有率(質量分率%)
A: 硫酸バリウム(g)
m: 試料(g)
0.343 0: 硫酸バリウム1 gの三酸化硫黄相当量
A.9 全鉄定量方法
A.9.1 定量方法の区分
銅スラグ細骨材中の酸化第一鉄(FeO)で表示される全鉄定量方法は,次のいずれかによる。
a) 二クロム酸カリウム滴定法 この方法は,全鉄(FeO)含有率(質量分率)1〜70 %の試料に適用する。
b) ICP発光分光分析法 この方法は,全鉄(FeO)含有率(質量分率)1〜70 %の試料に適用する。
c) 蛍光X線分析法 この方法は,全鉄(FeO)含有率(質量分率)1〜70 %の試料に適用する。
A.9.2 二クロム酸カリウム滴定法
A.9.2.1 要旨
試料を融解合剤で融解した後,その塩を温水で溶解し,ろ過した沈殿を塩酸で溶解する。次に,鉄イオ
ンを塩化チタンで還元し,ジフェニルアミンスルホン酸を指示薬として,二クロム酸カリウム標準溶液で
滴定する。
A.9.2.2 試薬
試薬は,次による。
a) 塩酸(1+1,1+10及び2+100)
b) 融解合剤 融解合剤は,炭酸ナトリウム(無水)と過酸化ナトリウムの等量混合物。
c) 塩化チタン(III)溶液 塩化チタン(III)溶液は,塩化チタン原液(TiCl3,約200 g/L)を塩酸(1+1)
で10倍にうすめる。
d) 水酸化ナトリウム溶液(20 g/L)
e) 混酸(硫酸3+りん酸3+水14)
f)
二クロム酸カリウム溶液(1 g/L)
g) インジゴカルミン溶液(1 g/L)
h) ジフェニルアミンスルホン酸ナトリウム溶液 ジフェニルアミンスルホン酸ナトリウム溶液は,ジフ
ェニルアミンスルホン酸ナトリウム0.2 gを少量の水に溶解し,水で100 mLとする。この溶液は,褐
色瓶に入れて保存する。
i)
0.016 67 mol/L二クロム酸カリウム標準溶液 0.016 67 mol/L二クロム酸カリウム標準溶液は,JIS K
8005の附属書G[二クロム酸カリウム(容量分析用標準物質)]に規定する二クロム酸カリウム4.903
gをはかりとってビーカ(300 mL)に入れ,水約100 mLに溶解し,1 000 mL全量フラスコに水で移
し入れ,水で標線までうすめて振り混ぜる。
なお,調製に用いる水は,前もって室温と同温度にしたものを用いる。
j)
硫酸鉄(III)アンモニウム溶液 硫酸鉄(III)アンモニウム溶液は,硫酸鉄(III)アンモニウム(12
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水和物)50 gをビーカに入れ,硫酸(1+19)に溶解して硫酸(1+19)で1 000 mLにうすめる。
A.9.2.3 試料はかりとり量
試料は,0.5 gを0.1 mgの精度ではかりとる。
A.9.2.4 操作
操作は,次による。
a) 試料溶液の調製 試料溶液の調製は,次による。
1) 試料をはかりとり,アルミナるつぼ(C型30 mL)に移し入れ,融解合剤[A.9.2.2 b)]約5 gを加
えてよくかき混ぜた後,るつぼを軽く卓上に打ち当てて内容物を緻密にし,更に少量の融解合剤で
表面を覆い,初めは徐々に加熱し,内容物が融解してから,次第に温度を上げて暗赤熱状とし,完
全に融解する。
2) 放冷後,融解物をるつぼとともにビーカ(300 mL)に移し入れ,温水約100 mLを加えて浸出し,
更に数分間煮沸して可溶性塩を溶解後,るつぼを温水で洗浄して取り出し,保管する。
3) このビーカを流水中に浸して室温まで冷却後,ろ紙(5種A)を用いて水酸化物などの沈殿をこし
分ける。沈殿及びろ紙を水酸化ナトリウム溶液で6〜8回,次に,温水で5〜6回洗浄する。このと
きのろ液及び洗液は捨てる。
4) 温水を用いてろ紙上の沈殿を元のビーカに洗い移し,塩酸(1+1)20 mLを加えて沈殿を加熱溶解
する。
5) この溶解液を元のろ紙上に注いでろ紙上に残った沈殿を溶解し,初めは温塩酸(2+100)で数回,
最後に温水で洗液に酸が認められなくなるまで洗浄する。
6) ろ液及び洗液をビーカ(500 mL)に集め,2) で保存したるつぼをこのビーカ中に移して付着物を溶
解した後,るつぼを温水で洗って取り出す。
7) この溶液を煮沸しない程度に加熱して液量が約70 mLになるまで加熱濃縮後,熱いうちにビーカ内
壁に付着している塩化鉄を少量の熱塩酸(1+10)で洗い落とし,保存する。
b) 鉄の還元 鉄の還元は,次による。
1) a) 7) で得た試料溶液の温度を90〜95 ℃に保ち,これに塩化チタン(III)溶液[A.9.2.2 c)]をピペ
ットなどを用いて滴加し,振り混ぜ,僅かに淡黄色が残るようにする。
2) 速やかにインジゴカルミン溶液[A.9.2.2 g)]3〜4滴を指示薬として加え,溶液が黄緑色から一旦青
色に変わり,その青色が消失するまで試料溶液を振り混ぜながら先の塩化チタン(III)溶液を滴加
する。
3) 直ちに,溶液の薄い青色が5秒間変化しないように保たれるまで二クロム酸カリウム溶液[A.9.2.2
f)]をピペットなどを用いて滴加し水で液量を約300 mLとする。
c) 滴定 滴定は,次による。
1) b) 3) で得た試料溶液をかき混ぜながら0.016 67 mol/L二クロム酸カリウム標準溶液[A.9.2.2 i)]で
全鉄量の約半量を滴定しその時点で滴定を一旦中断する。
2) 直ちに混酸[A.9.2.2 e)]30 mLを加えてかき混ぜ,ジフェニルアミンスルホン酸ナトリウム溶液
[A.9.2.2 h)]0.5 mLを指示薬として加え,かき混ぜながら引き続き0.016 67 mol/L二クロム酸カリ
ウム標準容液で滴定し,溶液の緑色が青緑色に変わり,更に最後の1滴で紫色に変わる点を終点と
する。
A.9.2.5 空試験
試料を用いないで,A.9.2.4のa)〜c) の手順に従って試料と同じ操作を試料と並行して行う。
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ただし,c) 2) でジフェニルアミンスルホン酸ナトリウム溶液を加える前に,硫酸鉄(III)アンモニウム
溶液[A.9.2.2 j)]1 mLを加える。また,c) 1) の操作は行わない。
A.9.2.6 計算
試料中の全鉄の含有率を,式(A.2)によって算出する。
100
185
007
.0
)
(
2
1
×
×
−
=
m
V
V
FeO
·················································· (A.2)
ここに,
FeO: 全鉄の含有率(質量分率%)
V1: 分析試料の滴定に要した0.016 67 mol/L二クロム酸カリ
ウム標準溶液の量(mL)
V2: 空試験の滴定に要した0.016 67 mol/L二クロム酸カリウ
ム標準溶液の量(mL)
m: 試料はかりとり量(g)
0.007 185: 0.016 67 mol/L二クロム酸カリウム標準溶液1 mLに相当
する全鉄(FeO)量(g)
A.9.3 ICP発光分光分析法
ICP発光分光分析法は,A.11による。
A.9.4 蛍光X線分析法
蛍光X線分析法は,A.12による。
A.10 塩化物量定量方法
銅スラグ細骨材の塩化物量定量のための試料溶液の調製は,JIS A 5002の5.5(塩化物)による。ただし,
1回の定量に用いる試料の質量は,1 000 gとする。また,試料溶液中の塩化物イオンの測定は,JIS K 0102
の35.[塩化物イオン(Cl−)]に規定された硝酸銀滴定法,イオンクロマトグラフ法又はイオン電極法の
いずれかの方法による。
A.11 ICP発光分光分析法
A.11.1 要旨
試料を塩酸,ふっ化水素酸及び過塩素酸で分解した後,蒸発乾固を行う。これを塩酸に溶解して得られ
た溶液をICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,その発光強度を測定する。
A.11.2 定量範囲
ここで規定する適用成分は,酸化カルシウム,全硫黄及び全鉄とする。定量範囲を表A.1に示す。
表A.1−定量範囲
単位 (質量分率)%
化学成分
定量範囲
酸化カルシウム
0.05〜15.0
全硫黄
0.01〜 5.0
全鉄
1 〜70
A.11.3 一般事項
分析方法に共通な一般事項は,JIS K 0116による。
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A.11.4 ICP発光分光分析装置
ICP発光分光分析装置は,JIS K 0116に規定するものとし,表A.1の定量下限を測定するのに十分な感
度をもつものとする。
A.11.5 試薬
試薬は,次による。
a) 塩酸
b) 塩酸(1+1)
c) ふっ化水素酸
d) 硝酸
e) 過塩素酸
f)
臭素
g) 酒石酸溶液(100 g/L) 酒石酸溶液は,酒石酸100 gを水で溶解し,水で1 000 mLにうすめる。
h) 融解合剤 融解合剤は,無水炭酸ナトリウムと過酸化ナトリウムとを2:3に混合する。
i)
カルシウム標準溶液(Ca:0.1 mg/mL) カルシウム標準溶液は,炭酸カルシウム2.497 gをはかりと
り,ビーカ(300 mL)に移し入れ,塩酸(1+1)100 mLを加えて溶解した後,煮沸して二酸化炭素
を除去する。常温まで冷却した後,1 000 mLの全量フラスコに移し入れ,水で標線までうすめて原液
(Ca:1 mg/mL)とする。この原液の20 mLを200 mLの全量フラスコに移し入れ,水で標線までう
すめてカルシウム標準溶液(Ca:0.1 mg/mL)とする。
j)
硫黄標準溶液(S:0.5 mg/mL) 硫黄標準溶液は,硫酸カリウムを白金皿にとり,温度105±5 ℃で1
時間加熱した後,デシケータ中で放冷する。この硫酸カリウム2.717 gをはかりとり,ビーカ(300 mL)
に移し入れ,水を加えて溶解した後,1 000 mLの全量フラスコに移し入れ,水で標線までうすめて硫
黄標準溶液(S:0.5 mg/mL)とする。
k) 鉄標準溶液(Fe:0.5 mg/mL) 鉄標準溶液は,鉄(質量分率99.9 %)0.500 gをはかりとり,ビーカ
(300 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸(1+1)30 mLを加え加熱して分解する。常温まで冷却
した後,時計皿の下面を水で洗浄して時計皿を取り除き1 000 mLの全量フラスコに移し入れ,水で標
線までうすめて鉄標準溶液(Fe:0.5 mg/mL)とする。
l)
イットリウム標準溶液(Y:1 mg/mL) イットリウム標準溶液は,三酸化二イットリウム(質量分率
99.9 %以上)1.270 gをはかりとり,ビーカ(300 mL)に移し入れ時計皿で覆い,塩酸(1+1)20 mL
を加え加熱して分解する。常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗浄して時計皿を取り除き1 000
mLの全量フラスコに移し入れ,水で標線までうすめる。
A.11.6 試料はかりとり量
試料はかりとり量は,0.2 gとし0.1 mgの精度ではかる。
A.11.7 操作
A.11.7.1 試料溶液の調製
試料溶液の調製は,次による。
a) 試料をはかりとって,ポリ四ふっ化エチレンビーカに移し入れる。
b) 硝酸10 mL及び臭素1 mLを加えて,穏やかに試料を加熱分解する。
c) 塩酸15 mL,過塩素酸10 mL及びふっ化水素酸10 mLを加えて加熱分解し,引き続き加熱して蒸発乾
固する。
d) 放冷後,ポリ四ふっ化エチレンビーカの内壁を少量の水で洗浄し,過塩素酸5 mLを加え,再び加熱
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して蒸発乾固する。
e) 放冷後,塩酸(1+1)40 mLを加えて時計皿で覆い,加熱溶解する。
f)
常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗浄して時計皿を取り除き,水を用いて200 mLの全量フ
ラスコに移し入れ水で標線までうすめる。この溶液を,全硫黄を定量するための試料溶液とする。
なお,時計皿を取り除いたとき,不溶解残さが認められた場合は,ろ紙(5種B)でろ過し,不溶
解残さを除去する。ただし,不溶解残さが多いときは次の操作で試料を分解する。
試料をはかりとってニッケルるつぼ(容量30 mL)に移し入れ,融解合剤[A.11.5 h)]4 gを加えて
よく混合し,初めは,低温で加熱し,内容物が融解してから,次第に温度を高めて暗赤熱状とし,完
全に融解する。冷却後,るつぼをビーカ(300 mL)に入れ,温水100 mLを加えて塩酸(1+1)20 mL
を加え,軽くかくはん後,数分間煮沸,放冷する。るつぼを洗浄しながら取り出す。水を用いて200 mL
の全量フラスコに移し入れ水で標線までうすめる。この溶液を,全硫黄を定量するための試料溶液と
し引き続きA.11.7.1 g) 以降の操作を行う。
g) f) で得られた溶液の20 mLを100 mLの全量フラスコに分取し,塩酸(1+1)16 mLを加えて,水で
標線までうすめる。この溶液を,酸化カルシウムを定量するための試料溶液とする。
h) f) で得られた溶液の10 mLを200 mLの全量フラスコに分取し,塩酸(1+1)38 mLを加えて,水で
標線までうすめる。この溶液を,全鉄を定量するための試料溶液とする。
注記 全硫黄を定量しない場合は,b) の操作を省略できる。
A.11.7.2 発光強度の測定
A.11.7.1のf)〜h) で得た溶液の一部をICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,発光強度
を測定する。使用するスペクトル線の波長は,表A.2による。
注記1 精度及び正確性を確認してある場合,他の波長を用いて測定してもよい。高次スペクトル線
が使用可能な装置では,高次スペクトル線を用いてもよく,また,バックグラウンド補正機
構が付いている装置では,バックグラウンド補正機構を用いてもよい。
注記2 内部標準法を利用してもよい。この場合,内部標準法を利用する全ての試料溶液及び検量線
溶液に,正確に等しい濃度になる量のイットリウム標準溶液[A.11.5 l)]を加える。また,イ
ットリウムの測定波長は,224.306 nmとするが,精度及び正確さを確認してある場合,他の
波長を用いて測定してもよい。
表A.2−スペクトル線の波長
単位 nm
化学成分
波長
酸化カルシウム
422.693
全硫黄
180.73 a)
全鉄
259.940
注a) 真空型又はアルゴンガスパージ型のICP発光分光分析
装置を使用する。
A.11.7.3 空試験
空試験は,試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行う。
A.11.7.4 検量線の作成
検量線の作成は,次による。
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a) 検量線溶液の調製 検量線溶液の調製は,次による。
ただし,A.11.7.1 f) において融解合剤を用いて試料を分解した場合は,試料溶液に含まれる融解合
剤の量に対応する量の空試験溶液を検量線溶液に添加する。
1) 酸化カルシウムの検量線溶液 酸化カルシウムの検量線溶液は,カルシウム標準溶液[A.11.5 i)]0
〜25 mL(カルシウムとして0〜2.5 mg)を数個の100 mL全量フラスコに段階的にとり,塩酸(1
+1)20 mLを加えて,水で標線までうすめる。
2) 全硫黄の検量線溶液 全硫黄の検量線溶液は,硫黄標準溶液[A.11.5 j)]0〜70 mL(硫黄として0
〜10 mg)を数個の200 mL全量フラスコに段階的にとり,塩酸(1+1)40 mLを加えて,水で標線
までうすめる。
3) 全鉄の検量線溶液 全鉄の検量線溶液は,鉄標準溶液[A.11.5 k)]0〜20 mL(鉄として0〜35 mg)
を数個の200 mL全量フラスコに段階的にとり,塩酸(1+1)40 mLを加えて,水で標線までうす
める。
b) これらの溶液の一部をICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,表A.2に示す波長にお
ける発光強度を試料溶液と並行して測定し,得た発光強度と検量線溶液に含まれる測定対象元素量と
の関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。
A.11.7.5 計算
計算は,次による。
a) 酸化カルシウムの計算 酸化カルシウムの計算は,A.11.7.2及びA.11.7.3で得た発光強度と,A.11.7.4
で作成した検量線とからカルシウム量を求め,試料中のカルシウム含有率を,式(A.3)によって算出す
る。
100
2
399
.1
5
000
1
2
1
×
×
×
×
−
=
m
C
C
CaO
················································ (A.3)
ここに,
CaO: 酸化カルシウム含有量(質量分率%)
C1: 試料溶液中のカルシウム検出量(mg)
C2: 空試験液中のカルシウム検出量(mg)
m: 試料はかりとり量(g)
1.399 2: CaOの分子量をCaの原子量で除した値
b) 全硫黄の計算 全硫黄の計算は,A.11.7.2及びA.11.7.3で得た発光強度と,A.11.7.4で作成した検量線
とから硫黄量を求め,試料中の硫黄含有率を,式(A.4)によって算出する。
100
000
1
2
1
×
×
−
=
m
S
S
S
··································································· (A.4)
ここに,
S: 全硫黄含有率(質量分率%)
S1: 試料溶液中の硫黄検出量(mg)
S2: 空試験液中の硫黄検出量(mg)
m: 試料はかりとり量(g)
c) 全鉄の計算 全鉄の計算は,A.11.7.2及びA.11.7.3で得た発光強度と,A.11.7.4で作成した検量線とか
ら鉄量を求め,試料中の全鉄(FeO)含有率を,式(A.5)によって算出する。
100
5
286
.1
20
000
1
2
1
×
×
×
×
−
=
m
F
F
FeO
··············································· (A.5)
ここに,
FeO: 全鉄含有率(質量分率%)
F1: 試料溶液中の鉄検出量(mg)
F2: 空試験液中の鉄検出量(mg)
m: 試料はかりとり量(g)
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1.286 5: FeOの分子量をFeの原子量で除した値
A.12 蛍光X線分析法
A.12.1 要旨
試料に1次X線を照射して,試料から発生する蛍光X線強度を蛍光X線分析装置を用いて測定し,あ
らかじめ標準試料を用いて求めてある蛍光X線強度と成分含有率との関係(検量線)から定量値を求める。
A.12.2 定量範囲
ここで規定する適用成分は,酸化カルシウム,全硫黄及び全鉄とする。定量範囲を表A.3に示す。
表A.3−定量範囲
単位 (質量分率)%
化学成分
定量範囲
酸化カルシウム
0.05〜15.0
全硫黄
0.01〜 5.0
全鉄
1 〜70
A.12.3 一般事項
分析方法に共通な一般事項は,JIS K 0119による。
A.12.4 装置
装置は,次による。
a) 蛍光X線分析装置 蛍光X線分析装置は,JIS K 0119に規定するものとし,表A.3の定量下限を測定
するのに十分な感度をもつものとする。
b) 加圧成形装置 加圧成形装置は,196〜392 kNの能力をもつものとする。
A.12.5 成形試料調製方法
成形試料調製方法は,A.4の規定に従って調製した試料を,測定に適した平たん(坦)な面が得られる
ように金属カップ,金属リング,成形ダイスなどを用いて加圧成形し,平板状の試料とする。
なお,バインダを用いる場合は,試料及びバインダを正確にはかりとり,一定の割合で均一に混合し,
成形する。
A.12.6 分析方法
分析方法は,次による。
a) スペクトル線 使用するスペクトル線は,表A.4による。
表A.4−スペクトル線
化学成分
スペクトル線
波長 nm
次数
酸化カルシウム
Ca Kα
0.335 9
1
全硫黄
S Kα
0.537 3
1
全鉄
Fe Kα
0.193 7
1
b) 検量線の作成 検量線の作成は,化学分析法によって成分含有率を決定した銅スラグ試料の数点を,
A.12.5の方法によって成形し,蛍光X線分析装置を用いて測定元素の蛍光X線強度を測定する。得ら
れた蛍光X線強度と成分含有率から関係線を求める。
c) 定量 それぞれの成分の含有率は,b) と同様に測定して得た試料の蛍光X線強度から,b) で作成し
た検量線を用いて算出する。
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附属書B
(規定)
銅スラグ細骨材の環境安全品質試験方法
B.1
概要
この規格は,コンクリートに用いる銅スラグ細骨材の環境安全品質の試験方法について規定する。
B.2
試験項目
ここで規定する試験項目は,次による。
a) 環境安全形式試験
b) 環境安全受渡試験
B.3
試料の採り方
試料の採取は,6.5.1による。
B.4
試験の実施者
B.4.1 環境安全形式試験
環境安全形式試験の実施者は,次による。
a) 利用模擬試料 利用模擬試料を調製する場合は,材料の試験を主たる事業としている試験事業者に,
銅スラグ細骨材製造業者が委託する。
b) 検液の調製及び分析 検液の調製及び分析は,JIS Q 17025若しくはJIS Q 17050-1及びJIS Q 17050-2
に適合している試験事業者,又は環境計量証明登録事業者に,銅スラグ細骨材製造業者が委託する。
B.4.2 環境安全受渡試験
環境安全受渡試験の試料調製,検液の調製及び分析は,銅スラグ細骨材の製造業者から委託を受けた試
験事業者が実施する。
B.5
環境安全品質試験で評価する化学成分
環境安全品質試験で評価する化学成分は,コンクリートの用途によって表11又は表12に規定するもの
について検査を行う。
B.6
環境安全形式試験の方法
B.6.1 試料の調製
環境安全形式試験における試料の調製は,溶出量試験及び含有量試験のそれぞれについて,利用模擬試
料又は銅スラグ細骨材試料のいずれかを選択する。
ただし,利用模擬試料を選択した場合は,5.5.2に規定する環境安全受渡検査判定値を設定するため,利
用模擬試料の調製に用いたものと同一の製造ロットのコンクリート用銅スラグ細骨材を用いてB.7の環境
安全受渡試験を実施しなければならない。
注記 銅スラグ細骨材試料は,利用模擬試料を用いる方法よりも簡便であるが,いずれの試料を用い
ても環境安全品質は十分に確保される。
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B.6.1.1 溶出量試験
溶出量試験に用いる試料の調製は,次のいずれかによる。
a) 利用模擬試料を用いる場合 利用模擬試料は,次の1) 〜6) の手順で調製する。ただし,港湾用途に
限っては,1) で作製した成形体試料をそのまま溶出量試験に用いる。
1) B.3で採取した銅スラグ細骨材試料を用いて,受渡当事者間の協議によって決定した配合条件に従
い成形体試料を調製する。成形体の個数及び大きさは,B.6.2.1で必要な検液の量が得られるように
決定する。ただし,港湾用途の場合は,成形体は,直径100 mm,高さ200 mmの円柱形とし,この
成形体を破砕することなく溶出量試験に供する。
成形体の養生は,水中養生とせず,封かん養生で行う。養生の期間は,28日以内とし,7日間を
標準とする。
注記1 セメント等の種類によっては,形式試験結果に影響を与える可能性がある。そのような
場合は,セメント等の種類を考慮して,試験を実施することが望ましい。
2) 1) で作製及び養生を終えた成形体試料をハンマーなどで粗く砕いた後,呼び寸法40 mmのふるい
を用いて分級する。
3) 2) で分級した試料のうち,ふるい上に残ったものを更に砕き,呼び寸法40 mmのふるいを全量通
過させる。
4) 3) の試料を,呼び寸法20 mm,5 mm及び2.5 mmのふるいを用いて分級する。
5) 4) で分級した試料から,それぞれの粒度が偏らないように分取し,表B.1に示す割合で配合する。
注記2 特定の粒度区分が不足する場合は,より大きい粒度区分を砕いて追加してもよい。
6) 5) の試料から,粒度が偏らないように3 kg以上を分取する。
表B.1−利用模擬試料(一般用途・溶出量試験用)のための各粒度区分の配合割合
粒度区分a)
40 mm以上
40〜20 mm
20〜5 mm
5〜2.5 mm
2.5 mm以下
合計
質量分率(%)
0
30±5
40±5
10±5
20±5
100
注a) ふるいの呼び寸法は,それぞれJIS Z 8801-1に規定する網ふるい37.5 mm,19 mm,4.75 mm及
び2.36 mmである。
b) 銅スラグ細骨材試料を用いる場合 B.3で採取した銅スラグ細骨材を用い,JIS K 0058-1の5.3.2(試
料の調製)によって調製する。
B.6.1.2 含有量試験
含有量試験用の試料調製は,次のいずれかによる。
a) 利用模擬試料を用いる場合 利用模擬試料を用いる場合はB.6.1.1 a) 1)で作製した成形体から,300 g
以上の試験片を採取して,次の1) 〜3) の手順で調製する。
1) ハンマー,ジョークラッシャーなどで粗く砕く。
2) 1) の試料を呼び寸法2.0 mm,0.6 mm,0.15 mmのふるいを用いて分級し,呼び寸法2.0 mmのふる
い上にとどまった試料を更に砕いて,全量が呼び寸法2.0 mmのふるいを全量通過するまでこの操
作を繰り返す。
3) 2) の試料を,表B.2に示す割合で配合する。
注記 特定の粒度区分の試料が不足する場合は,より大きい粒度区分の試料を砕いて追加しても
よい。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表B.2−銅スラグ細骨材試料(一般用途・含有量試験用)の各粒度区分の配合割合
粒度区分a)
2.0 mm以上
2.0〜0.6 mm
0.6〜0.15 mm
0.15 mm以下
合計
質量分率(%)
0
50±5
25±5
25±5
100
注a) ふるいの呼び寸法は,それぞれJIS Z 8801-1に規定する網ふるい2 mm,0.6 mm,0.15 mmで
ある。
b) 銅スラグ細骨材試料を用いる場合 銅スラグ細骨材試料を用いる場合は,B.3で採取した銅スラグ細
骨材から300 g以上を用いて,次の手順で調製する。
1) 呼び寸法2.0 mm,0.6 mm,0.15 mmのふるいを用いて分級する。
2) 1) でふるい上に残った試料をハンマー,クラッシャーなどで更に破砕し,全量呼び寸法2.0 mmの
ふるいを通過させる。
3) 2) の試料を,呼び寸法0.6 mm及び0.15 mmのふるいを用いて分級する。
4) 1) 及び3) の試料を,それぞれの粒度区分ごとに混合し,表B.2に示す配合割合で配合する。
注記 特定の粒度区分の試料が不足する場合は,より大きい粒度区分の試料を破砕して追加して
もよい。大きい粒度区分の試料が不足する場合は,小さい粒度区分の試料で代用してもよ
い。
B.6.2 検液の調製及び分析
B.6.2.1 溶出量試験
溶出量試験は,次の手順で検液の調製及び分析を行う。
a) 試験装置 試験装置は,JIS K 0058-1の5.1(試験装置)による。
b) 試薬及び器具 試薬及び器具は,JIS K 0058-1の5.2(試薬及び器具)による。
c) 検液の調製 検液の調製は,JIS K 0058-1の5.4(検液の調製)による。
d) 検液の分析 検液の分析は,JIS K 0058-1の5.5(検液の分析)による。
B.6.2.2 含有量試験
含有量試験は,次の手順で検液の調製及び分析を行う。
a) 試薬及び器具 試薬及び器具は,JIS K 0058-2の5.(試薬及び器具)による。
b) 検液の調製 検液の調製は,JIS K 0058-2の7.(検液の調製)による。
c) 検液の分析 検液の分析は,JIS K 0058-2の8.(検液の分析)による。
B.7
環境安全受渡試験
B.7.1 試料の調製
B.7.1.1 溶出量試験
B.3で採取した試料を,JIS K 0058-1の5.3.2によって調製する。
B.7.1.2 含有量試験
試料は,B.6.1.2 b) による。
B.7.2 検液の調製及び分析
B.7.2.1 溶出量試験
溶出量試験は,B.6.2.1による。
B.7.2.2 含有量試験
含有量試験は,B.6.2.2による。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書C
(規定)
銅スラグ細骨材の環境安全受渡検査判定値の設定方法
C.1 概要
この規格は,コンクリートに用いる銅スラグ細骨材の環境安全受渡検査判定値(以下,判定値という。)
の設定方法について規定する。
C.2 環境安全受渡検査判定値を設定する化学成分
判定値の設定は,次の化学成分について行う。
C.2.1 溶出量試験
a) カドミウム
b) 鉛
c) ひ素
C.2.2 含有量試験
a) カドミウム
b) 鉛
c) ひ素
C.3 データの取得
判定値を設定するために用いるデータの取得は,次による。
C.3.1 溶出量試験
a) 銅スラグ細骨材試料を,五つ以上の製造ロットから採取する。
b) B.6.1.1に示す利用模擬試料及び銅スラグ細骨材試料を調製する。
c) それぞれの試料について,B.6.2.1に示す検液の調製及び分析を行う。
C.3.2 含有量試験
a) 銅スラグ細骨材試料を,五つ以上の製造ロットから採取する。
b) B.6.1.2に示す利用模擬試料及び銅スラグ細骨材試料を調製する。
c) それぞれの試料について,B.6.2.2に示す検液の調製及び分析を行う。
C.4 環境安全受渡検査判定値設定の方法
判定値設定の方法は,溶出量試験及び含有量試験の項目ごとに,次による。
a) 利用模擬試料による試験データの最大値と表C.1の値(環境安全品質基準値の1/2の値)を比較する。
試験データが定量下限未満の場合は,定量下限値を試験データに読み替える。
1) 利用模擬試料のデータ最大値が表C.1の値以下の場合,銅スラグ細骨材試料による試験データの最
大値の2倍の値を判定値Dとする。
2) 利用模擬試料のデータ最大値が表C.1の値より大きい場合,手順b) に進む。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表C.1−環境安全品質基準値の1/2の値
項目
溶出量基準
mg/L
含有量基準
mg/kg
一般用途
港湾用途
カドミウム
0.005
0.015
75
鉛
0.005
0.015
75
ひ素
0.005
0.015
75
b) 表C.1の値より大きい利用模擬試料のデータ及びそのときの銅スラグ細骨材試料のデータを用いて,
式(C.1)によって各試料の判定値Diを算出し,その中の最小値を,判定値Dとする。
S
Y
X
D
i
i
i
×
=
··········································································· (C.1)
ここに,
i: 試料番号
Di: 銅スラグ細骨材試料iの判定値(mg/L)
Xi: 銅スラグ細骨材試料iによる試験データ(mg/L)
Yi: 銅スラグ細骨材試料iを用いた利用模擬試料による試験
データ(mg/L)
S: 環境安全品質基準値(mg/L)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書D
(参考)
技術上重要な改正についての新旧対照表
現行規格(JIS A 5011-3:2016)
旧規格(JIS A 5011-3:2003)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
2 引用規格
引用規格にJIS A 0203,JIS K 0058-1,
JIS K 0058-2,JIS P 3801,JIS Q 17025,
JIS Q 17050-1及びJIS Q 17050-2を追
加した。
2. 引用規格
JIS A 1102などを規定。
日本工業標準調査会 標準部会 土木技術専門委員
会及び建築技術専門委員会が定めた“建設分野の規
格への環境側面の導入に関する指針”の“附属書1
コンクリート用スラグ骨材に環境安全品質及びそ
の検査方法を導入するための指針”に対応するた
め。
3 用語及び
定義
環境安全品質規格の設定,及び試験方
法の説明に必要な用語を定義した。
−
−
5.3.3 微粒分
量
品種ごとに微粒分量の最大値及び許容
差を規定した。
−
−
JIS A 5005(コンクリート用砕石及び砕砂)の改正
に伴い,規定を設けた。
5.5 環境安全
品質基準及
び環境安全
受渡検査判
定値
環境安全品質基準の基準値及び環境安
全受渡検査判定値の設定義務を追加し
た。
−
−
土壌環境基準及び土壌汚染対策法に重金属等の8
物質の溶出量及び含有量が規定された。それに対応
して,日本工業標準調査会 標準部会 土木技術専門
委員会及び建築技術専門委員会は,資源循環の観点
から“建設分野の規格への環境側面の導入に関する
指針”の“附属書1 コンクリート用スラグ骨材に
環境安全品質及びその検査方法を導入するための
指針”を定めた。今回,“附属書1”の規定に準拠
して環境安全品質の項目をこの規格の附属書B及
び附属書Cに追加した。
6.5 環境安全
形式試験及
び環境安全
受渡試験
環境安全形式試験及び環境安全受渡試
験の方法を追加した。
−
−
7 検査方法
環境安全品質の規定を追加したことに
伴い,箇条を細分化し,検査項目,検
査方法,検査の頻度,製造ロットの管
理及び検査データの保管を規定した。
6. 検査方法
合理的な方法で試料を抜き取り,5.によ
って試験を行い4.の規定に適合しなけ
ればならない。
2
A
5
0
11
-3
:
2
0
1
6
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A 5011-3:2016
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 5011-3:2016)
旧規格(JIS A 5011-3:2003)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
9 報告
環境安全品質試験の実施結果の報告に
必要な事項を追加。表13〜表17に試験
成績書を例示した。
8. 報告
製造業者は,購入者から要求があった
場合には,試験成績書を提出しなけれ
ばならない。試験成績書は表7の様式
を標準とする。
附属書A
A.7.1 定量方
法の区分
燃焼−赤外線吸収法(循環法)を削除
した。
附属書1
7. 全硫黄定
量方法
7.1 定量方法
の区分
b) 燃焼−赤外線吸収法(循環法)の適
用範囲を記述
引用していたJIS M 8268が改正され,燃焼−硫黄
吸収方法(循環法)が削除されたため。
7.3 燃焼−赤
外線吸収法
(循環法)
燃焼−赤外線吸収法(循環法)の手順
を記載
附属書B 銅
スラグ細骨
材の環境安
全品質試験
方法
環境安全形式検査及び環境安全受渡検
査の試験方法及び手順を規定した。
−
−
環境安全品質基準の試験方法が必要となったため。
附属書C 銅
スラグ細骨
材の環境安
全受渡検査
判定値の設
定方法
環境安全受渡検査判定値の設定方法を
規定した。
−
−
環境安全受渡検査判定値の設定に必要となったた
め。
2
A
5
0
11
-3
:
2
0
1
6