2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
A 5009-1972
バーミキュライト
Vermiculites
1. 適用範囲 この規格は,軽量・吸音・断熱・防耐火および美装を目的として使用されるバーミキュラ
イトについて規定する。
引用規格:4ページに示す。
2. 製造方法 バーミキュライトは,膨張性雲母を焼成膨張させて製造する。
3. 種類および呼び方
3.1
バーミキュライトは,粒度および色名によって,つぎのように区分する。
(1) 粒度による区分表1,表2のいずれかによる。
表1 細粗粒が適度に混合しているもの
記号
粒度
粒度 ( 5 )
粒度 (2.5)
粒度 (1.2)
最大寸法5mm以下で0.3mm以上の各粒のものが適度に混合しているもの
最大寸法2.5mm以下で0.15mm以上の各粒のものが適度に混合しているもの
最大寸法1.2mm以下で0.15mm以上の各粒のものが適度に混合しているもの
表2 ある粒が大部分を占めるもの
記号
粒度
粒度5.0〜1.2
粒度2.5〜0.6
粒度1.2〜0.3
粒度0.6〜0.15
粒度0.3以下
5.0mm〜1.2mmのものが大部分を占めるもの
2.5mm〜0.6mmのものが大部分を占めるもの
1.2mm〜0.3mmのものが大部分を占めるもの
0.6mm〜0.15mmのものが大部分を占めるもの
0.3mm以下のものが大部分を占めるもの
(2) 色名による区分JIS Z 8102(色名)による。
備 考
バーミキュライトは,原鉱石産地国名で区分することができる。
3.2
バーミキュライトの呼び方は,つぎの例による。
例: 粒度 (5)
日本産
金色
バーミキュライト
粒度5.0〜1.2 アメリカ産 シルバーグレー バーミキュライト
ただし,呼び方は必要のない部分を除いてもよい。
4. 品質
4.1
バーミキュライトは,清浄で,どろ,砂,有機不純物などの有害量を含んではならない。また,著
しく水分を含んではならない。
2
A 5009-1972
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4.2
バーミキュライトは,5.2に規定する焼成試験による容積膨張率が3.0%をこえてはならない。
4.3
バーミキュライトの一荷口の色調は,著しく異なってはならない。
4.4
粒度,3.1(1)の表1および表2に規定するバーミキュライトは,表3および表4の範囲でなければな
らない。
表3
ふるい
の呼び
寸法
(mm)
ふるいを通るものの重量百分率 (%)
10
5
2.5
1.2
0.6
0.3
0.15
記号
粒度 (5)
100
100〜80
80〜30
50〜5
30〜0
15〜0
0
粒度 (2.5)
100
100〜85
70〜30
35〜5
20〜0
10〜0
粒度 (1.2)
100
95〜50
70〜10
30〜0
10〜0
表4
記号
粒大
各ふるいの間にとどまる量の
重量百分率 (%)
粒度5.0〜1.2
5.0mmふるいを90%以上通過
5.0mm〜1.2mmのものが60%以上
粒度2.5〜0.6
2.5mmふるいを90%以上通過
2.5mm〜0.6mmのものが60%以上
粒度1.2〜0.3
1.2mmふるいを90%以上通過
1.2mm〜0.3mmのものが60%以上
粒度0.6〜0.15 0.6mmふるいを90%以上通過
0.6mm〜0.15mmのものが60%以上
粒度0.3以下
0.3mmふるいを90%以上通過
4.5
単位容積重量は,表示した値に対して±10%以内でなければならない。
参考表 単位容積重量の標準値
記号 粒度 (5) 粒度 (2.5) 粒度 (1.2)
粒度
5.0〜1.2
粒度
2.5〜0.6
粒度
1.2〜0.3
粒度
0.6〜0.15
粒度
0.3以下
単位容積重量
kg/l
0.07〜0.20 0.08〜0.22
0.09〜0.25
0.07〜0.20
0.08〜0.22
0.09〜0.25
0.10〜0.30
0.12〜0.35
5. 試験
5.1
試料の採り方
(1) 気乾状態のもの1袋から,5.2,5.3,および5.4の試験に必要な試料を採取する。この場合,1袋の試料
を代表するように約4分の1をとり出し,四分法で縮分する。
(2) 単位容積重量試験に用いる試料は,約2lを用いる。
(3) 粒度試験に用いる試料は,約0.5lを用いる。
(4) 焼成試験に用いる試料は100mlを用いる。
5.2
焼成試験
5.2.1
試験器具
(1) 容積を計量する容器は,200mlメスシリンダーを用いる。
(2) 焼成装置は,750℃以上の温度が5分間以上得られるものとする。
5.2.2
試験方法
(1) 試料をメスシリンダーに静かに入れ100mlを計量する。
(2) 磁性蒸発ざらなどを用い,試料が均等に加熱されるよう試料を数回に分けて焼成する。焼成温度は
750℃以上,焼成時間は5分間とする。
(3) 冷却した試料をメスシリンダーに静かに入れ,上端をならして容積を読みとる。
3
A 5009-1972
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(4) 報告は,焼成試験後の容積膨張百分率をつぎの式で算出し,有効数字3けためをJIS Z 8401(数値の
丸め方)によって有効数字2けたまでとする。
100
%
×
−
=
焼成試験前の容積
焼成試験前の容積
焼成試験後の容積
)
率(
焼成試験容積膨張百分
5.3
粒度試験
5.3.1
試験器具
(1) はかりは,1gの精度を有するものを用いる。
(2) ふるいは,0.15mm,0.3mm,0.6mm,1.2mm,2.5mm,5mm,10mmの網ふるいを用いる。
備考 0.15mm,0.3mm,0.6mm,1.2mm,2.5mm,5mmおよび10mmの各ふるいは,JIS Z 8801(標準
ふるい)に規定する標準網ふるい149μ,297μ,590μ,1190μ,2380μ,4760μおよび9.52mmで
ある。
5.3.2
試験方法
(1) 試料は,5.3.1に規定するふるいのうち,ふるい分け試験の目的にあう1組のふるいを用いてふるい分
ける。
(2) ふるい分け作業は,ふるいに上下動および水平動を与えて試料をゆり動かし,試料が絶えずふるい面
を均等に運動するように操作する。
手でふるい分け作業を行なうときは,0.15mm,0.3mmおよび0.6mmのふるいにあっては,それぞ
れのふるいについて4分間,1.2mm,2.5mmおよび5mmのふるいにあっては,それぞれのふるいにつ
いて3分間ふるい分ける。
機械を用いてふるい分けを行なうときは,3分間操作し,さらに,手でふるい分けを1分間行なう。
(3) ふるい分けを終わったのち,はかりを用いて各ふるいにとどまる試料の重量を測る。
(4) 報告は,重量百分率により示し,これに最も近い整数に直したものとする。
5.4
単位容積重量試験
5.4.1
試験器具
(1) はかりは,1gの精度を有するものを用いる。
(2) 容積を計量する容器は,JIS A 1104(骨材の単位容積重量試験方法)に規定する内径14cm,内高13cm
の金属製の円筒形容器を用いる。容器の容量は,これを満たすに要する水の重量を正確に測って,こ
れを算出しなければならない。
備考 この容器は,寸法形状が正確であれば,容量は2.00lである。
(3) 試料の重量計量には,試料重量と同程度の重量の容器を用いる。
5.4.2
試験の方法
(1) 小形ショベルで試料をすくい,容器に落差をつけないで,かつ,大小粒が分離しないように移し入れ,
あふれるまで満たす。
(2) 試料の表面を軽く定規でならす。この場合,容器の上面から粗粒のはなはだしい突起がある場合には,
突起がその面の大きいへこみと同じ程度になるようにならす。
(3) 試料を,容積測定用容器から5.4.1(3)の容器に移し,試料の重量を測り,容積測定用容器の容積で,こ
れを割って単位容積重量を算出し,有効数字3けためをJIS Z 8401(数値の丸め方)によって丸めて
有効数字2けたまでとする。
(4) 同一試料について2回試験を行ない,その試験結果の差がその平均値の3.0%以下でなければならない。
3.0%をこえる場合には,5.1に規定する試料の採取から再試験を行なわなければならない。
4
A 5009-1972
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(5) 報告すべき単位容積重量 (kg/l) は,(4)に示す平均値とする。
6. 検査 バーミキュライトの検査は,JIS Z 9001(抜取検査通則)によりロットの大きさを決定し,合
理的な抜取検査方式によりロットから試料を抜き取り,4.について試験を行ない合否を決定する。
7. 表示 包装の外面には,3.に規定した種類,単位容積重量および容量または重量,製造業者名または
その略号を明記する。
引用規格:
JIS A 1104(骨材の単位容積重量試験方法)
JIS Z 8102(色名)
JIS Z 8401(数値の丸め方)
JIS Z 8801(標準ふるい)
JIS Z 9001(抜取検査通則)
建築部会バーミキュライト専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
栗 山 寛
日本大学生産工学部
重 倉 祐 光
東京理科大学理工学部
石 神 武 男
職業訓練大学校
金 子 勇次郎
建設省住宅局
原 野 律 郎
通商産業省化学工業局
西 村 一
工業技術院標準部
深 沢 明
株式会社竹中工務店
岩 崎 行 男
日本湿式建材工業会
岡 崎 秋 夫
日本バーミキュライト工業会
鈴 木 賢 治
バミクライトオブジャパンリミテッド
松 原 光 一
株式会社エービーシー商会
(事務局)
田 村 尹 行
工業技術院標準部材料規格課
土 屋 隆
工業技術院標準部材料規格課