A 5005:2009
(1)
目 次
ページ
1 適用範囲 1
2 引用規格 1
3 種類,区分及び呼び方 1
3.1 種類及び粒の大きさによる区分 1
3.2 アルカリシリカ反応性による区分 2
3.3 呼び方 2
4 品質 2
4.1 不純物 2
4.2 物理的性質 2
4.3 粒度及び粗粒率 3
4.4 粒形 3
4.5 微粒分量 3
4.6 アルカリシリカ反応性 3
5 製造方法 5
6 試験方法 5
6.1 試料の採り方 5
6.2 絶乾密度及び吸水率試験 5
6.3 安定性試験 5
6.4 すりへり試験 5
6.5 粒度試験 5
6.6 粒形判定実積率試験 5
6.7 微粒分量試験 6
6.8 アルカリシリカ反応性試験 6
7 検査 6
7.1 検査ロット 6
7.2 検査デ−タの保管 6
8 表示 6
9 報告 6
A 5005:2009
(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項に基づき,社団法人日本砕石協会
(JCSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審
議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS A 5005:1993は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
日本工業規格
JIS
A 5005:2009
コンクリート用砕石及び砕砂
Crushed stone and manufactured sand for concrete
1
適用範囲
この規格は,工場で岩石を破砕して製造するコンクリート用の砕石及び砕砂(以下,砕石及び砕砂とい
う。)について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 1102 骨材のふるい分け試験方法
JIS A 1103 骨材の微粒分量試験方法
JIS A 1104 骨材の単位容積質量及び実積率試験方法
JIS A 1109 細骨材の密度及び吸水率試験方法
JIS A 1110 粗骨材の密度及び吸水率試験方法
JIS A 1121 ロサンゼルス試験機による粗骨材のすりへり試験方法
JIS A 1122 硫酸ナトリウムによる骨材の安定性試験方法
JIS A 1145 骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(化学法)
JIS A 1146 骨材のアルカリシリカ反応性試験方法(モルタルバー法)
JIS Z 8801-1 試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい
JIS Z 9015-0 計数値検査に対する抜取検査手順−第0部:JIS Z 9015抜取検査システム序論
3
種類,区分及び呼び方
3.1
種類及び粒の大きさによる区分
砕石及び砕砂の,種類及び粒の大きさによる区分は,表1による。
2
A 5005:2009
表1−種類及び粒の大きさによる区分
種類
粒の大きさによる区分
粒の大きさの範囲
mm
砕石
砕石4005
砕石2505
砕石2005
砕石1505
砕石1305
砕石1005
砕石8040
砕石6040
砕石4020
砕石2515
砕石2015
砕石2513
砕石2013
砕石2510
砕石2010
40〜 5
25〜 5
20〜 5
15〜 5
13〜 5
10〜 5
80〜40
60〜40
40〜20
25〜15
20〜15
25〜13
20〜13
25〜10
20〜10
砕砂
砕砂
5 以下
3.2
アルカリシリカ反応性による区分
砕石及び砕砂のアルカリシリカ反応性による区分は,表2による。
表2−アルカリシリカ反応性による区分
区分
摘要
A
アルカリシリカ反応性試験の結果が“無害”と判
定されたもの。
B
アルカリシリカ反応性試験の結果が“無害でない”
と判定されたもの,又はこの試験を行っていない
もの。
3.3
呼び方
砕石及び砕砂の呼び方は,次の例による。
例
コンクリート用砕石 2005 A
アルカリシリカ反応性による区分を表す。
粒の大きさによる区分を表す。
種類を表す。
コンクリート用砕砂 A
4
品質
4.1
不純物
砕石及び砕砂は,ごみ,泥,有機不純物,その他コンクリートに有害なものを有害量含んでいてはなら
ない。
4.2
物理的性質
砕石及び砕砂は,6.2〜6.4によって試験を行い,表3の規定に適合しなければならない。
3
A 5005:2009
表3−物理的性質
試験項目
砕石
砕砂
絶乾密度
g/cm3
2.5以上
2.5以上
吸水率
%
3.0以下
3.0以下
安定性試験における損失質量分率
%
12 以下
10 以下
すりへり減量
%
40 以下
−
4.3
粒度及び粗粒率
4.3.1
粒度
砕石及び砕砂の粒度は,6.5によって試験を行い,表4に示す範囲のものでなければならない。ただし,
表4に示す範囲は,呼び寸法75 μmのふるいに留まる試料を対象とする。
4.3.2
粗粒率
砕砂の粗粒率は,製造業者と購入者が協議によって定めた粗粒率に対して±0.15の範囲のものでなけれ
ばならない。
4.3.3
隣接するふるいに留まる量
砕砂は,表4に示すふるいにおいて,隣接するふるいに留まるものの質量分率の差が45 %以上になっ
てはならない。
4.4
粒形
粒形は,次による。
a) 砕石は,薄い石片又は細長い石片を有害量含んではならない。
b) 砕石の粒形判定実積率は,6.6によって試験を行い,その結果は56 %以上でなければならない。ただ
し,この規定は砕石8040,砕石6040,及び砕石4020には適用しない。
c) 砕砂の粒形判定実積率は,6.6によって試験を行い,その結果は54 %以上でなければならない。
4.5
微粒分量
微粒分量は,6.7によって試験を行い,次による。
a) 微粒分量は,c) に定める許容差の範囲内でばらつきが生じてもb) に定める最大値を超えないように,
製造業者と購入者が協議して定める。
b) 微粒分量の最大値は,砕石では3.0 %,砕砂では9.0 %とする。ただし,砕石について,粒形判定実
積率が58 %以上の場合は,骨材の粒の大きさによる区分にかかわらず,微粒分量の最大値を5.0 %
とすることができる。
c) 微粒分量の許容差は,a) で定めた協議値に対して,砕石では±1.0 %,砕砂では±2.0 %とする。
4.6
アルカリシリカ反応性
アルカリシリカ反応性の区分を試験によって定める場合は,6.8による。ただし,原石の採取地が同じ場
合に限り,その原石から製造される代表的な砕石の試験結果を他の砕石及び砕砂に用いることができる。
4
A 5005:2009
表4−粒度
粒の大きさ
による区分
各ふるいを通過する質量分率 %
ふるいの呼び寸法a) mm
100
80
60
50
40
25
20
15
13
10
5
2.5
1.2
0.6
0.3
0.15
砕石 4005
100 95〜
100
35〜
70
10〜
30
0〜
5
2505
100 95〜
100
30〜
70
0〜
10
0〜
5
2005
100 90〜
100
20〜
55
0〜
10
0〜
5
1505
100 90〜
100
40〜
70
0〜
15
0〜
5
1305
100 85〜
100
0〜
15
0〜
5
1005
100 90〜
100
0〜
15
0〜
5
8040 100 90〜
100
45〜
70
0〜
15
0〜
5
6040
100 90〜
100
35〜
70
0〜
15
0〜
5
4020
100 90〜
100
20〜
55
0〜
15
0〜
5
2515
100 95〜
100
0〜
15
0〜
5
2015
100 90〜
100
0〜
15
0〜
5
2513
100 95〜
100
0〜
15
0〜
5
2013
100 85〜
100
0〜
15
0〜
5
2510
100 95〜
100
0〜
10
0〜
5
2010
100 90〜
100
0〜
10
0〜
5
砕砂
−
100 90〜
100
80〜
100
50〜
90
25〜
65
10〜
35
2〜
15
注a) ふるいの呼び寸法は,それぞれJIS Z 8801-1に規定するふるいの公称目開き106 mm,75 mm,63 mm,53 mm,
37.5 mm,26.5 mm,19 mm,16 mm,13.2 mm,9.5 mm,4.75 mm,2.36 mm,1.18 mm,600 μm,300 μm,及び150
μmである。
5
A 5005:2009
5
製造方法
砕石及び砕砂の製造は,次による。
a) 砕石及び砕砂の原石は,表土,その他の不純物を除去したものを使用しなければならない。また,原
石は,強硬で耐久的な石質をもつものとし,破砕時にへん平な形状になったり,ひび割れを生じるお
それのないものとする。
b) 砕砂は,砕砂用の製造工程に基づいて製造する。また,砕石製造時に発生するダスト,ぜい弱部など
は,原石として使用できない。
c) 砕石及び砕砂を洗浄する場合には,海水を使用してはならない。
d) 砕石及び砕砂の運搬及び貯蔵に当たっては,分離しないように,かつ,不純物の混入を防ぐようにし
なければならない。
6
試験方法
6.1
試料の採り方
試料は,砕石及び砕砂の代表的なものを採取し,合理的な方法で縮分する。
6.2
絶乾密度及び吸水率試験
絶乾密度及び吸水率の試験は,JIS A 1109及びJIS A 1110による。
なお,微粒分量の多い砕砂では,表面乾燥飽水状態の判定が難しいことがある。その場合には,JIS A 1103
によって洗った砕砂を試料とすることができるが,その旨を試験成績書の注記欄に記載する。
6.3
安定性試験
安定性の試験は,JIS A 1122による。
6.4
すりへり試験
砕石のすりへり試験は,JIS A 1121による。
6.5
粒度試験
骨材のふるい分け試験は,JIS A 1102による。ただし,試料は,6.7の微粒分量の試験において,呼び寸
法0.075 mmのふるいに留まったものを用いる。
6.6
粒形判定実積率試験
粒形判定実積率の試験は,次による。
a) 砕石の試料は,砕石4005,砕石2505及び砕石2005は,そのままで,その他の区分の砕石については
砕石2505又は砕石2005の粒度に適合するように混合したものとする。それらの試料を絶対乾燥状態
になるまでよく乾燥し,呼び寸法20 mmのふるいを通過し,呼び寸法10 mmのふるいに留まるもの
を24 kg,呼び寸法10 mmのふるいを通過し,呼び寸法5 mmのふるいに留まるものを16 kgそれぞれ
ふるい採り,これらを合わせてよく混合して試験に供する。
b) 砕砂の試料は,十分に水洗いを行いながらふるい分け,呼び寸法2.5 mmのふるいを通過し,呼び寸
法1.2 mmのふるいに留まるものを採り,絶対乾燥状態としたものとする。
c) JIS A 1104に規定する方法によって,試料の単位容積質量を求める。
d) 試料の絶乾密度は,6.2によって求めた数値を用いる。
e) 粒形判定実積率は,次の式によって算出する。
100
D
G
ここに,
G: 粒形判定実積率(%)
6
A 5005:2009
T: 試料の単位容積質量(kg/L)
dD: 絶乾密度(g/cm3)
6.7
微粒分量試験
微粒分量の試験は,JIS A 1103による。
6.8
アルカリシリカ反応性試験
アルカリシリカ反応性の試験は,JIS A 1145又はJIS A 1146による。
7
検査
7.1
検査ロット
検査のロットは,JIS Z 9015-0又は受渡当事者間の協定によってその大きさを決定し,合理的な抜取検
査方法によって,試料を抜き取り,箇条6によって試験を行い,箇条4の規定に適合したものを合格とす
る。
7.2
検査デ−タの保管
製造業者は,検査によって得られた試験値の記録を所定の期間保管しなければならない。
8
表示
砕石及び砕砂の送り状には,次の事項を表示しなければならない。
a) 種類(呼び方)(例 コンクリート用砕石2005A,コンクリート用砕砂A)
b) 製造業者名及び採取地の地名・地番
c) 出荷年月日
d) 質量又は容積
e) 納入先の会社名・工場名
9
報告
製造業者は,購入者から要求があった場合には,試験成績書を提出しなければならない。試験成績書の
標準様式は,表5又は表6による。
7
A 5005:2009
表5−試験成績書の標準様式 (1)
コンクリート用砕石試験成績書
発行日 年 月 日
種類(呼び方)
原石の種類
製造業者名
採取地の地名・地番
工場名
試験実施日
物理試験:
〜
アルカリシリカ反応性試験:
〜
試験項目(物理試験)
規格値
試験値
注記
絶乾密度(JIS A 1110)
2.5 g/cm3以上
・表乾密度( g/cm3)
・協議によって定めた微粒分量
( %)
・微粒分量の許容差は,協議によ
って定めた値に対して±1.0 %。
・粒形判定実積率( %)
・微粒分量は,粒形判定実積率が
58 %以上の場合,5.0 %以下と
することができる。
吸水率(JIS A 1110)
3.0 %以下
安定性(JIS A 1122)
12 %以下
すりへり減量(JIS A 1121)
40 %以下
微粒分量(JIS A 1103)
3.0 %以下
粒形判定実積率
56 %以上
・試料の種類
混合なし(砕石4005,砕石2505,
砕石2005)
砕石( )と砕石( )を
質量比( ):( )で混合
ふるい分け試験(JIS A 1102)
ふるい
の呼び
寸法
mm
各ふるいを通る
ものの質量分率
%
ふ
る
い
分
け
試
験
結
果
100
80
60
50
40
25
20
15
10
5
2.5
アルカリシリカ反応性試験
(JIS A 1145又はJIS A 1146)
試験結果
試験方法
A:無害と判定 B:無害でないと判定,又は試験を行っていない。
試験機関名
物理試験:
アルカリシリカ反応性試験:
作成者
担当部署:
担当者名:
100
80
60
40
20
0
各
ふ
る
い
を
通
る
も
の
の
質
量
分
率
(
%
)
2.5
(5)
(20)
5
(10)
(25)
10
(15)
(40)
15
(20)
(50)
20
(25)
(60)
25
(40)
(80)
40
(50)
(100)
ふるいの呼び寸法(mm)
8
A 5005:2009
表6−試験成績書の標準様式 (2)
コンクリート用砕砂試験成績書
発行日 年 月 日
種類(呼び方)
原石の種類
製造業者名
採取地の地名・地番
工場名
試験実施日
物理試験:
アルカリシリカ反応性試験:
試験項目(物理試験)
規格値
試験値
注記※
絶乾密度(JIS A 1109)
2.5 g/cm3以上
・表乾密度( g/cm3)
・協議によって定めた微粒分量
( %)
・微粒分量の許容差は,協議によ
って定めた値に対して±2.0 %。
吸水率(JIS A 1109)
3.0 %以下
安定性(JIS A 1122)
10 %以下
微粒分量(JIS A 1103)
9.0 %以下
粒形判定実積率
54 %以上
ふるい分け試験(JIS A 1102)
ふる
いの
呼び
寸法
mm
各ふるい
を通るも
のの質量
分率
%
隣接するふる
いに留まるも
のの質量分率
の差a)
%
ふ
る
い
分
け
試
験
結
果
10
−
5
2.5
1.2
0.6
0.3
0.15
粗粒率:
協議によって定めた粗粒率:
注a) 隣接するふるいについて,呼び寸法
の大きいふるいから呼び寸法の小
さいふるいの“各ふるいを通るもの
の質量分率”を差し引いた値を示
す。
アルカリシリカ反応性試験
(JIS A 1145又はJIS A 1146)
試験結果
試験方法
A:無害と判定 B:無害でないと判定,又は試験を行っていない。
試験機関名
物理試験:
アルカリシリカ反応性試験:
作成者
担当部署:
担当者名:
※ 絶乾密度及び吸水率試験において,微粒分量試験後の試料を使用した場合には,その旨をこの欄に記載する。
100
80
60
40
20
0
各
ふ
る
い
を
通
る
も
の
の
質
量
分
率
(
%
)
0.15
0.3
0.6
1.2
2.5
5
10
ふるいの呼び寸法(mm)