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目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 種類······························································································································· 3
4.1 型式による分類 ············································································································· 3
4.2 常用・非常用による分類 ································································································· 7
5 等級······························································································································· 7
6 性能······························································································································· 8
6.1 浸水防止性能 ················································································································ 8
6.2 耐水圧性能(止水板及び扉の曲げ強さ)············································································· 8
6.3 操作の容易性 ················································································································ 8
6.4 開閉及び締付けの繰返し性能 ··························································································· 8
6.5 開閉性能 ······················································································································ 8
7 構造······························································································································· 8
7.1 浸水防止用設備建具型の構造 ··························································································· 8
7.2 浸水防止用設備構成部材の構造 ························································································ 8
8 寸法······························································································································· 9
8.1 内のり幅及び内のり高さ ································································································· 9
8.2 寸法許容差 ··················································································································· 9
9 材料······························································································································ 10
10 試験方法 ······················································································································ 10
10.1 一般 ·························································································································· 10
10.2 浸水防止性能試験及び耐水圧性能試験 ············································································· 10
10.3 操作の容易性試験 ········································································································ 13
10.4 繰返し性能試験 ··········································································································· 13
11 検査 ···························································································································· 14
12 製品の呼び方 ················································································································ 14
13 表示 ···························································································································· 14
14 取扱い上及び維持管理上の注意事項 ·················································································· 14
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まえがき
この規格は,産業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本シヤッター・ドア協会(JSDA)
及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を制定すべきとの申出
があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本産業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
注記 工業標準化法に基づき行われた申出,日本工業標準調査会の審議等の手続は,不正競争防止法
等の一部を改正する法律附則第9条により,産業標準化法第12条第1項の申出,日本産業標準
調査会の審議等の手続を経たものとみなされる。
日本産業規格 JIS
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浸水防止用設備建具型構成部材
Components of rolling door and door type
for inundation preventing equipment
1
適用範囲
この規格は,建築物の開口部などに使用する浸水防止用設備建具型構成部材1)(以下,浸水防止用設備
構成部材という。)について規定する。
浸水防止用設備構成部材は,建築物,地下空間の開口部などに付設されて,降雨などに起因する外部か
ら内部への水の流入を阻止又は軽減させ,内部が浸水状態に至る時間を遅延させることを目的としている。
注記 この部材の使用目的に,津波に起因する浸水の防止は想定していない。
注1) 組み立てる前の状態のものをいう。組み立てたものを,浸水防止用設備建具型という。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 4702 ドアセット
JIS A 4705 重量シャッター構成部材
JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材
JIS G 3131 熱間圧延軟鋼板及び鋼帯
JIS G 3141 冷間圧延鋼板及び鋼帯
JIS G 3302 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
JIS G 3312 塗装溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
JIS G 3313 電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
JIS G 3350 一般構造用軽量形鋼
JIS G 3466 一般構造用角形鋼管
JIS G 4303 ステンレス鋼棒
JIS G 4304 熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
JIS G 4317 熱間成形ステンレス鋼形綱
JIS H 4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JIS H 4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
JIS H 5301 亜鉛合金ダイカスト
JIS H 5302 アルミニウム合金ダイカスト
2
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用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 4702及びJIS A 4705によるほか,次による。
3.1
浸水防止用設備建具型構成部材
浸水防止用設備建具型(シャッター型及びドア型)を構成する部材で,この規格を満たすもの。
3.2
シャッター型
浸水防止用設備建具型の形式の一つで,重量シャッターの下部に単一構造の止水板を付加したシャッタ
ー,又は連続構造の止水板で構成されたシャッターをもつもの。
注記 止水板は,常時は通行の支障にならないように上部に収納される。
3.3
ドア型
浸水防止用設備建具型の形式の一つで,主として,建築物の外壁面及び屋内隔壁の出入口などに配置さ
れる浸水防止性能をもつ扉で構成する,スイング式又はスライディング式のドアをもつもの。
3.4
止水板
シャッター型の止水面を構成する板状の部材。
注記 止水板には,単一構造又は連続構造のものがある。
3.5
扉
ドア型の止水面を構成する板状の部材。
3.6
枠
建築物などに固定され,シャッター型の止水板,又はドア型の扉を受ける部材。
3.7
収納部
シャッター型の止水板又はドア型の扉を収納する部分。
注記 ドア型の場合には,く体を掘り込み,直に扉を収納することもある。
3.8
補強中柱
シャッター型において,水圧による止水板のたわみを抑える柱。
3.9
設定浸水高さ
浸水防止性能が要求される設置床面から水面までの最大高さ。
3.10
止水材
止水板又は扉と枠との間を密着させるための弾性をもつ部材。
注記 一般的には,ゴム類を採用することが多い。
3
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3.11
締付機構部品
止水板又は扉を枠に押し付ける又は締め付ける金物。
注記 締付機構部品には,締りハンドル,回転ハンドルなどがある。
3.12
設置時間
シャッター型又はドア型において,開放状態から止水可能状態になるまでに要する開口部1か所当たり
の所要時間。
注記 各設備を閉鎖するのに必要な部材,鍵などを操作場所に準備する時間は含まない。
3.13
水圧面積
水圧を受ける面積(単位 m2)。“内のり幅×設定浸水高さ”のことをいう。ただし,ドア型で設定浸水
高さが内のり高さを超える場合は,“内のり幅×内のり高さ”のことをいう。
注記 内のり幅及び内のり高さは,図1〜図5及び8.1を参照。
3.14
漏水量
シャッター型又はドア型から漏れる,単位時間及び単位水圧面積当たりの漏れ量[単位 m3/(h・m2)]。
4
種類
4.1
型式による分類
浸水防止用設備建具型は,型式によって表1に規定のとおり分類し,次による。
表1−型式による分類
型式
動作区分
シャッター型
降下式
常時は出入口などの開口部の上部に止水板を露出又は
収納した状態で,浸水時に降下させ,床面に設置する型
式。必要に応じて,締付機構部品によって止水材を枠に
密着させ浸水防止性能を高める。設定浸水高さによって
止水板が単一構造又は連続構造のものがある(図1及び
図2参照)。
手動方式
又は
電動方式
ドア型
スイング式
扉を回転させて開口部を閉鎖する型式。常用の扉として
使用するものもある。設定浸水高さが,扉の高さ以上に
なる場合もある(図3及び図4参照)。
スライディング式
扉をスライディングさせて開口部を閉鎖する型式。常用
の扉として使用するものもある。設定浸水高さが,扉の
高さ以上になる場合もある(図5参照)。
4
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a) シャッター型降下式 出入口などの上部に止水板を露出又は天井内に収納する方式をいう。
注記 シャッター閉鎖と同時に止水板部分は浸水防止性能を得る。
図1−シャッター型降下式で電動方式(単一構造止水板)の例
注記 シャッター閉鎖後,補強中柱をセットし,締付機構部品を作動させて,浸水防止性能を得る。
図2−シャッター型降下式で電動方式(連続構造止水板)の例
5
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b) ドア型スイング式 扉を回転させて使用する方式をいう。
注記 締付機構部品で締め付けることで浸水防止性能を得る。
図3−ドア型スイング式で手動方式(常用の扉)の例
6
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注記 締付機構部品で締め付けることで浸水防止性能を得る。
図4−ドア型スイング式で手動方式(浸水時閉鎖の扉)の例
水圧方向
7
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c) ドア型スライディング式 扉をスライディングさせて使用する方式をいう。
注記 締付機構部品で締め付けることで浸水防止性能を得る。
図5−ドア型スライディング式で手動方式(浸水時閉鎖の大型扉)の例
4.2
常用・非常用による分類
浸水防止用設備建具型は,表2に規定のとおり常用と非常用とに分類する。
表2−常用・非常用の分類
分類
満たすべき規格
常用
JIS A 4702又はJIS A 4705に適合し,かつ,この規格に適合する。
非常用
この規格に適合する。
注記 非常用には,例えば,浸水時にだけ開口部を閉鎖する大型のもの,設定浸水高さが高いもの
などがある。
5
等級
等級は,表3に規定する浸水防止用設備建具型ごとに求められる設定浸水高さに基づく漏水量によって
区分する。漏水量は,10.2によって求める。
水圧方向
8
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表3−漏水量による等級
等級
漏水量[m3/(h・m2)]
Ws-1
0.05を超え 0.2以下
Ws-2
0.02を超え 0.05以下
Ws-3
0.01を超え 0.02以下
Ws-4
0.004を超え 0.01以下
Ws-5
0.001を超え 0.004以下
Ws-6
0.001以下
6
性能
6.1
浸水防止性能
浸水防止性能は,10.2によって試験を行ったとき,設定浸水高さまでの真水の静水圧において,漏水量
が0.2 m3/(h・m2)以下とする。
6.2
耐水圧性能(止水板及び扉の曲げ強さ)
耐水圧性能は,設定浸水高さによって生じる真水の静水圧又はこれと同等の負荷において,10.2によっ
て試験を行ったときに,水圧を確保した状態及び水圧を開放した状態で使用上有害な損傷及び変形がなく,
水圧から開放されたときには開閉に異常がなく,使用上支障があってはならない。
6.3
操作の容易性
操作の容易性は,締付機構部品の操作力及び浸水防止用設備建具型の設置時間を10.3によってそれぞれ
試験したとき,次による。
a) 締付機構部品の操作力 締付機構部品の操作力は,200 N以下とする。
b) 設置時間
1) シャッター型の場合 電動方式は5分以内とし,手動方式は10分以内とする。
2) ドア型の場合 電動方式及び手動方式のいずれにおいても5分以内とする。
6.4
開閉及び締付けの繰返し性能
開閉及び締付けの繰返し性能は,次による。
a) 開閉繰返し性能 常用は,10.4のa) によって試験したとき,ドア型の場合はJIS A 4702の箇条5(性
能)に規定する開閉繰返し性能に,シャッター型の場合はJIS A 4705の5.3(開閉繰返し性能)によ
る。非常用は,受渡当事者間の協議による。
b) 締付繰返し性能 締付けを受ける止水材及び締付機構部品の浸水防止性能を維持する部材は,10.4の
b) によって200回の締付繰返し性能試験を行ったとき,使用上有害な損傷及び変形があってはならな
い。
6.5
開閉性能
シャッター型の電動方式では,閉鎖中に障害物を感知して停止する装置を設ける。
7
構造
7.1
浸水防止用設備建具型の構造
浸水防止用設備建具型は,真水の静水圧を止水板又は扉で受け,枠を通じてく体などに伝える構造とす
る。
7.2
浸水防止用設備構成部材の構造
浸水防止用設備構成部材の構造は,次による。
9
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a) 止水板 単一構造の止水板は,シャッターの下部に設置し,比較的低水位の設定浸水高さの場合に用
いる。連続構造の止水板は,止水板を複数積み重ねて,高水位の設定浸水高さの場合に用いる。止水
板の連続部分も浸水防止性能をもつ構造とする。
b) 扉 大型の扉及び設定浸水高さの高い扉の場合は,溶接構造とする。
c) 枠 水圧の負荷を安全にく体などに伝達できる強度及び剛性をもつ構造とする。
d) 補強中柱 補強中柱の下部だけを固定するものと補強中柱の上下部で固定するものとがある。できる
だけ簡単に設置できる構造とする。
e) 止水材 設定浸水高さによる水圧を受けたときに,浸水防止性能が保持できる適切な形状で,かつ,
弾性をもつ材料で,消耗品として交換が可能な構造とする。
f)
締付機構部品 設定浸水高さの水圧によって浸水防止性能に影響がある有害な損傷及び変形がなく,
水圧から開放されたときには,不具合なく6.3を満足する操作ができる構造とする。また,繰返し使
用による摩耗などに対し,必要に応じて交換可能な構造とする。
8
寸法
8.1
内のり幅及び内のり高さ
浸水防止用設備建具型の各部の寸法は,受渡当事者間の協議による(図1〜図5を参照)。
8.2
寸法許容差
シャッター型の構成部材の長さ及び高さ並びにドア型の構成部材の幅及び高さの寸法許容差は,表4に
よる。ただし,表4に示す寸法の範囲を超えるものは,受渡当事者間の協議による。
表4−寸法許容差
単位 mm
構成部材
寸法許容差a)
参考図
シ
ャ
ッ
タ
ー
型
止水板
長さ PW
8 000未満
±4
高さ PH
1 000未満
±3
枠
内のり幅 W
8 000未満
±3
ド
ア
型
扉
扉幅 DW
1 000未満
±1.5
扉高さ DH
2 000未満
±1.5
枠
内のり幅 W
1 000未満
±1.5
内のり高さ H
2 000未満
±1.5
相対の
辺寸法差
DW,DH
W,H
2 000未満
2以下
注a) 受渡当事者間の協議によって,寸法許容差の配分を変更することができる。シャッター型で連続構造の場合
は,止水板1枚当たりの許容差とする。ドア型の辺寸法の表記を超えるものは,受渡当事者間の協議による。
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材料
浸水防止用設備建具型の止水板,扉,枠及び補強中柱に使用する主要材料は,表5に規定のもの又はこ
れらと同等以上の品質のものとする。
表5−主要材料
規格番号
名称
JIS G 3101
一般構造用圧延鋼材
JIS G 3131
熱間圧延軟鋼板及び鋼帯
JIS G 3141
冷間圧延鋼板及び鋼帯
JIS G 3302
溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
JIS G 3312
塗装溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
JIS G 3313
電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
JIS G 3350
一般構造用軽量形鋼
JIS G 3466
一般構造用角形鋼管
JIS G 4303
ステンレス鋼棒
JIS G 4304
熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
JIS G 4305
冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
JIS G 4317
熱間成形ステンレス鋼形綱
JIS H 4000
アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
JIS H 4100
アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材
JIS H 5301
亜鉛合金ダイカスト
JIS H 5302
アルミニウム合金ダイカスト
−
止水材a)
注a) 止水材の材料の基本的な仕様は,次による。
a) スポンジ状,構造に空洞をもつなど弾力性を確保している。
b) つぶれることによって浸水防止性能を発揮する。
c) 6.4 b) に規定する締付繰返し性能をもつ。
10 試験方法
10.1 一般
浸水防止用設備建具型の各性能は,浸水防止の構造ごとに試験を行うことで確認する。
10.2 浸水防止性能試験及び耐水圧性能試験
浸水防止性能試験及び耐水圧性能試験は,次による。
a) 試験装置 試験装置は,設定浸水高さを超える水位の静水圧の負荷をかけることができる水槽で,試
験体が設置できる開口をもち,水圧の負荷をかけるための装置及び排水のための装置,並びに当該す
る開口からの漏水を集める集水口を備える(図6及び図7参照)。
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図6−シャッター型試験装置の例
注記 内のり高さ以上の設定浸水高さの場合は,加圧機を接続することもある。
図7−ドア型試験装置の例
圧力計
空気抜きバルブ
集水口
試験体
水圧方向
試験体
空気抜きバルブ
水槽
給水バルブ
排水バルブ
水圧方向
圧力計
給水バルブ
排水バルブ
水槽
水槽
給水バルブ
排水バルブ
水圧方向
集水口
試験体
試験体
試験体
集水口
給水バルブ
排水バルブ
水圧方向
水槽
(止水板)
(止水板)
(止水板)
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b) 試験体及び水槽 試験体及び水槽は,次による。
1) 試験体 試験体は,枠及び止水板又は扉並びに締付機構部品で構成し,使用状態に組み立てられた
完成品とする。ただし,シャッター型の場合は,スラット部分など浸水防止に関わらない部分は含
まなくてもよい。
2) 水槽 試験体を使用状態に準じた方法で正しく取り付けることができ,試験の圧力に耐え得る十分
な剛性をもつものとする。
c) 試験の手順 試験の手順は,次による。
なお,試験手順及び漏水量測定の時間と水位との関係の例を,図8に示す。
図8−試験手順及び時間と水位との関係の例
1) 試験装置に試験体を設置する。設置は,受渡当事者間の協議による条件及び手順によって行う。
2) 真水の注水を行い,試験水位の水圧で一旦止め,その水圧を保持する。試験水位の水圧を下回らな
いように必要に応じて調節する。
3) 試験水位に達し,水位の安定を目視によって確認後,1分以上保持する。
4) 試験水位の水圧の設定は,受渡当事者間の協議によるものとする。試験体の許容する漏水量は,設
定浸水高さの水位の水圧における最大の値とする。
なお,ドア型の場合,試験装置において設定浸水高さが取れないときには,圧力をかけて水圧を
確保する。
d) 測定及び確認 測定及び確認は,次による。
1) 試験装置に試験体を設置後,5回開閉し,必要に応じて締付機構部品で締め付ける。
2) 試験体及び各部材に使用上有害な損傷,変形などがないかを目視によって確認する。
3) 試験水圧まで注水し,水温を測定する。
4) 注水終了から1分以上経過の後,漏水量が安定した状況下で集水口から1分間漏水を集水する。試
験水圧は,圧力計で測る場合は表示値とし,水位計などを用いる場合は水温20 ℃の水位に換算し
た試験水位の圧力を算出する。1分間の集水を3回行い,集水した漏水の質量から平均の漏水量を
算定し,1時間及び水圧面積1 m2当たりに換算したものを,漏水量とする。
5) 設定浸水高さを下回らない水圧を確保した状態で,試験体及び各部材に使用上有害な損傷,変形な
どがないかを目視によって確認する。
6) 試験装置内の水を排水後,試験体及び各部材に使用上有害な損傷,変形などがないかを目視によっ
て確認する。開閉操作を行い,開閉に異常なく,使用上支障がないことを確認する。
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10.3 操作の容易性試験
10.3.1 締付機構部品操作力の測定
締付機構部品操作力の測定は,次による。
a) 浸水防止用設備建具型を設置し,締付機構部品の操作力を測定する。
b) レバー式ハンドルの場合は,手で持つ部分の中央部に当たる位置で測定する(図9参照)。
a) レバー式ハンドルの場合
b) 回転ハンドルの場合
図9−ハンドル操作力の測定位置
c) プッシュプルゲージ,トルクレンチなどの測定器を使用して操作力を測定する。
10.3.2 設置時間の測定
設置時間の測定は,次による。
a) 電動方式の場合
1) スイッチボックスの正面に操作者が立った状態から,測定を開始する。
なお,スイッチボックスが施錠可能な構造の場合は,解錠するときから測定を開始する。
2) 閉鎖状態になったときに測定を終了し,その時間を記録する。
なお,締付機構部品を追加操作する場合は,その時間を含む。確実に止水可能状態になっている
ことを目視によって確認する。
3) 測定は3回行い,その平均値を設置時間とする。
b) 手動方式の場合
1) 操作位置に操作者が立った状態から,測定を開始する。
2) 閉鎖状態になったときに測定を終了し,その時間を記録する。
なお,締付機構部品を追加操作する場合は,その時間を含む。確実に止水可能状態になっている
ことを目視によって確認する。
3) 測定は3回行い,その平均値を設置時間とする。
10.4 繰返し性能試験
繰返し性能試験は,次による。
a) 開閉繰返し性能試験 開閉繰返し性能試験は,常用でドア型の場合はJIS A 4702の9.4(開閉繰返し
試験)に,常用でシャッター型の場合はJIS A 4705の11.3(開閉繰返し試験)による。
非常用の場合は,受渡当事者間の協議による。
b) 締付繰返し性能試験 浸水防止用設備建具型を閉じた状態で,締付機構部品を電動又は手動によって
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締め付け,その後,元の状態まで緩める操作を1回とし,これを200回繰り返し,使用上有害な損傷
及び変形がないかを確認する。
11 検査
浸水防止用設備構成部材の検査は,箇条10(試験方法)によって試験を行い,工場出荷時に箇条6(性
能)及び箇条8(寸法)に適合していることを確認する。
12 製品の呼び方
製品の呼び方は,浸水防止用設備建具型の型式,動作区分,等級,設定浸水高さの順による(例1及び
例2参照)。
なお,常用・非常用の分類表記は,“非常用”の場合だけ末尾に追加する(例1及び例2参照)。
例1 シャッター型降下式−電動−Ws-3−2.0 m−非常用
非常用の場合だけ表示する
設定浸水高さ
等級
動作区分
型式
例2 ドア型スイング式−電動−Ws-3−3.0 m−非常用
非常用の場合だけ表示する
設定浸水高さ
等級
動作区分
型式
13 表示
浸水防止用設備建具型には,製造業者名若しくはその略号,又は販売業者名若しくはその略号を表示す
る。
14 取扱い上及び維持管理上の注意事項
浸水防止用設備建具型には,次の取扱い上及び維持管理上の注意事項を添付しなければならない。
a) 操作及び取扱いに関する注意事項
b) 維持管理上の注意事項
c) 建築物又は工作物に設置後の品質及び性能を維持するための定期保守点検の必要性などを記載する。
d) 製品に関する問合せ先の記載