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A 4705:2020  

(1) 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 種類······························································································································· 6 

5 性能······························································································································· 7 

5.1 スラットの曲げ強さ ······································································································· 7 

5.2 開閉性能 ······················································································································ 7 

5.3 開閉繰返し性能 ············································································································· 9 

6 構造······························································································································· 9 

6.1 外壁用防火シャッター,屋内用防火シャッター及び防煙シャッターの構造 ································ 9 

6.2 構成部材の構造 ············································································································· 9 

7 寸法······························································································································ 12 

7.1 シャッターの内のり幅及び内のり高さ··············································································· 12 

7.2 スラット1枚当たりの幅 ································································································ 13 

7.3 構成部材の寸法及び寸法許容差 ······················································································· 13 

8 材料······························································································································ 13 

9 加工及び組立 ·················································································································· 14 

10 塗装 ···························································································································· 14 

10.1 一般 ·························································································································· 14 

10.2 下地のさび止め処理 ····································································································· 14 

10.3 さび止め塗装 ·············································································································· 15 

11 試験方法 ······················································································································ 15 

11.1 スラットの曲げ試験 ····································································································· 15 

11.2 開閉性試験 ················································································································· 16 

11.3 開閉繰返し試験 ··········································································································· 19 

12 検査 ···························································································································· 19 

13 製品の呼び方 ················································································································ 19 

14 表示 ···························································································································· 19 

15 取扱い上及び維持管理上の注意事項 ·················································································· 19 

附属書A(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表 ····························································· 21 

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(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人

日本シヤッター・ドア協会(JSDA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて

日本産業規格を改正すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した

日本産業規格である。これによって,JIS A 4705:2015は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

日本産業規格          JIS 

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重量シャッター構成部材 

Components of rolling door for buildings 

適用範囲 

この規格は,建築物及び工作物に使用する,貫通部のないスラットの板厚が1.2 mm以上でスラットに

貫通部のない,内のり幅8.0 m以下,内のり高さ4.0 m以下の重量シャッター構成部材1)(以下,構成部材

という。)について規定する。ただし,横引き又は水平引きの構成部材には適用しない。 

注記 技術上重要な改正に関する新旧対照表を,附属書Aに示す。 

注1) 組み立てる前の状態のものをいう。 

なお,組み立てた重量シャッターを,以下,シャッターという。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS A 9511 発泡プラスチック保温材 

JIS B 1521 転がり軸受−深溝玉軸受 

JIS B 1557 転がり軸受−インサート軸受ユニット 

JIS B 1801 伝動用ローラチェーン及びブシュチェーン 

JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材 

JIS G 3123 みがき棒鋼 

JIS G 3131 熱間圧延軟鋼板及び鋼帯 

JIS G 3141 冷間圧延鋼板及び鋼帯 

JIS G 3302 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯 

JIS G 3312 塗装溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯 

JIS G 3313 電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯 

JIS G 3350 一般構造用軽量形鋼 

JIS G 3444 一般構造用炭素鋼鋼管 

JIS G 3445 機械構造用炭素鋼鋼管 

JIS G 3452 配管用炭素鋼鋼管 

JIS G 3466 一般構造用角形鋼管 

JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材 

JIS G 4304 熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯 

JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯 

JIS G 5501 ねずみ鋳鉄品 

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JIS G 5502 球状黒鉛鋳鉄品 

JIS H 4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材 

JIS H 8602 アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化塗装複合皮膜 

JIS K 5621 一般用さび止めペイント 

JIS K 5674 鉛・クロムフリーさび止めペイント 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による(図1参照)。 

3.1 

スラット 

シャッターカーテンを構成するもので,鋼帯をロール成形した部材。 

3.2 

座板 

シャッターカーテンの下端に取り付ける部材。 

3.3 

シャッターカーテン 

開口部を仕切るために設けるもので,連結したスラットと座板とを組み合わせたもの。 

3.4 

巻取りシャフト 

シャッターカーテンを巻き取る軸。 

3.5 

軸受部 

く(躯)体に固定し,巻取りシャフトを保持するもの。 

3.6 

ガイドレール 

閉鎖時にシャッターカーテンを保持するためのもので,シャッターカーテン左右の案内をするレール。 

3.7 

まぐさ 

天井面又はケース下面におけるシャッターカーテン用の開口部の見切り材。 

なお,防煙シャッター用のまぐさには,遮煙機構が組み込まれている。 

3.8 

ケース 

防じん(塵)又は防雨を目的として,巻取りシャフトに巻かれたシャッターカーテンを覆うカバー。 

3.9 

開閉機 

巻取りシャフトを駆動する装置。電動式と手動式とがある。 

電動式は,電動機,減速ギヤ,ブレーキ,スプロケット及び手動操作部分から構成される。 

手動式は,電動機を除く,電動式と同じ構成部材で構成される。 

なお,電動式及び手動式共に,手動で巻取りシャフトを駆動できる手動操作部分がある。 

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3.10 

シャフトローラチェーン 

開閉機の回転力を巻取りシャフトに伝達するローラチェーン。 

3.11 

シャフトスプロケット 

巻取りシャフトに固定され,シャフトローラチェーンによって駆動するスプロケット。 

3.12 

制御盤 

押しボタンスイッチ,リミットスイッチなどからの信号を処理し,電動式開閉機の動作を制御する制御

機器を内蔵したもの。 

3.13 

押しボタンスイッチ 

シャッターカーテンの動作を選択するための壁などに設置した押しボタン式のスイッチ。開ボタン,閉

ボタン及び停止ボタンがある。 

3.14 

リモコンスイッチ 

無線信号を用いてシャッターカーテンの動作を選択する携帯式のスイッチ。 

3.15 

リミットスイッチ 

シャッターカーテンの動作範囲の上限及び下限の2か所に設定され,シャッターカーテンがそれらの位

置に達すると自動的に動作を停止するスイッチ。 

3.16 

手動閉鎖装置 

火災などのときにシャッターカーテンを手動で閉鎖する装置。 

3.17 

熱感知器 

火災などのときに一定の温度を感知して,連動制御器に感知信号を送る機器。 

3.18 

煙感知器 

火災などのときに煙の濃度を感知して,連動制御器に感知信号を送る機器。 

3.19 

連動制御器 

火災などのときに熱感知器又は煙感知器の感知信号によって,自動閉鎖装置に動作信号を送る機器。 

3.20 

自動閉鎖装置 

火災などのときに連動制御器からの動作信号によって,自動的にシャッターカーテンを閉鎖する装置。 

3.21 

予備電源 

火災などのときの停電時に連動制御器などへ電源を供給するもの。 

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3.22 

危害防止用連動中継器 

火災などによる停電時に自動閉鎖装置へ電源を供給するもの。 

3.23 

連動閉鎖機構 

熱感知器又は煙感知器,連動制御器,自動閉鎖装置,予備電源及び危害防止用連動中継器で構成され,

火災などのときにシャッターカーテンが閉鎖するように動作信号を流す機器類の総称。 

3.24 

安全装置 

障害物感知装置,危害防止装置及び急降下防止装置の総称。 

3.25 

障害物感知装置 

シャッターカーテンが電動式開閉機によって降下中に障害物を感知したとき,シャッターカーテンの降

下が直ちに停止するか,又は直ちに停止後,反転上昇して停止する装置。座板部分にスイッチを設け,障

害物を感知した場合に送信機から感知信号を発信するもの。 

3.26 

危害防止装置 

感知器の作動又は手動閉鎖装置の操作によってシャッターカーテンが自重降下中に,人などの障害物を

感知したとき,シャッターカーテンの降下が直ちに停止するか,又は直ちに停止後,反転上昇して停止さ

せ,人などの障害物がなくなると,再びシャッターカーテンが降下を開始し,完全に閉鎖する装置。 

3.27 

急降下防止装置 

急降下停止装置及び急降下制動装置の総称。 

3.28 

急降下停止装置 

シャッターの異常時にシャッターカーテンが急降下した場合に作動し,停止する装置。 

3.29 

急降下制動装置 

シャッターの異常時にシャッターカーテンが急降下した場合に作動し,減速閉鎖する装置。 

3.30 

送信機 

障害物感知装置の感知信号を制御盤に送る装置。 

3.31 

全開 

座板がまぐさ近傍で停止している状態,又は座板下面がまぐさ下面より高い位置で停止している状態。 

3.32 

全閉 

座板が床面に接した状態で停止している状態。 

3.33 

管理用シャッター 

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主に防犯目的に設置するシャッター。 

3.34 

外壁用防火シャッター 

延焼のおそれのある外壁開口部に設置するシャッター。 

3.35 

屋内用防火シャッター 

屋内の防火区画に設置するシャッターをいい,熱感知器又は煙感知器に連動し自動的に閉鎖する。また,

手動閉鎖装置によって閉鎖できる。 

3.36 

防煙シャッター 

階段室などのたて穴区画に設置するシャッターで,煙感知器に連動し自動的に閉鎖する。また,手動閉

鎖装置によって閉鎖できる。 

3.37 

電動式 

電源によって,電動式開閉機が駆動し,開閉する方式。 

3.38 

手動式 

ハンドル,鎖などを用いて,手動式開閉機が駆動し,開閉する方式。 

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単位 mm 

図1−構成部材の名称(例) 

種類 

シャッターの種類は,表1のとおり,用途によって管理用シャッター,外壁用防火シャッター,屋内用

防火シャッター及び防煙シャッターの4種類に区分し,さらに,開閉方式,スラットの鋼板の表示厚さ,

スラットの材質及び安全装置による区分によって細分する。 

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表1−シャッターの種類 

シャッター 

の種類 

種類

の 

呼び 

開閉方式 

スラット 
の鋼板の 
表示厚さ 

mm 

スラットの材質 

(材質記号) 

安全装置による区分 

障害物感知 

装置 

危害防止 

装置 

急降下防止装置c) 

急降下

停止 
装置 

急降下

制動 
装置 

管理用 
シャッター 

管理 

電動式 

1.2,1.5, 
1.6,1.8, 
2.0,2.3 

溶融亜鉛めっき鋼板
及び鋼帯(SGC), 
塗装溶融亜鉛めっき
鋼板及び鋼帯(CGC), 
冷間圧延ステンレス
鋼板及び鋼帯(SUS) 

○b) 

− 

○ 

△d) 

外壁用防火 
シャッター 

外防 

電動式 

○b) 

− 

○ 

△d) 

屋内用防火 

シャッターa) 内防 

電動式 

1.5,1.6, 
1.8,2.0, 
2.3 

○b) 

○b) 

○ 

△d) 

手動式 

− 

○b) 

− 

− 

防煙 

シャッターa) 防煙 

電動式 

○b) 

○b) 

○ 

△d) 

手動式 

− 

○b) 

− 

− 

 ○:適用 −:適用外 △:条件付き適用 とする。 
注a) 屋内用防火シャッター及び防煙シャッターのスラット,座板,ケース及びガイドレールに使用する鋼板の厚

さは1.5 mm以上を使用する。 

b) シャッターの近くに人が近寄れない構造となっている場合は,受渡当事者間の協定によって,障害物感知装

置及び危害防止装置の設置を省略することができる。 

c) シャッターの近くに人が近寄れない構造となっている場合は,受渡当事者間の協定によって,急降下防止装

置の設置を省略することができる。 

d) 急降下停止装置の設置ができない場合には,受渡当事者間の協定によって,急降下制動装置を設置する。 

性能 

5.1 

スラットの曲げ強さ 

スラットの曲げ強さは,11.1によって試験を行ったとき,ガイドレールからの脱落がなく,また,残留

たわみ量は,スラット長さの1/200以下で,かつ,使用上有害な変形があってはならない。 

5.2 

開閉性能 

5.2.1 

手動による電動式シャッター及び手動式シャッターに共通する開閉性能 

手動による電動式シャッター及び手動式シャッターに共通する開閉性能は,11.2.1によって試験を行っ

たとき,次の規定に適合しなければならない。 

a) 開閉性 

1) シャッターカーテンを手動操作で上昇させる場合には,操作方法がハンドル式では,回転力を80 N

以下,また鎖などのものでは,引下げ力を150 N以下とする。 

2) シャッターカーテン自重降下時の平均速度は,表2による。 

表2−自重降下時の平均速度 

開閉機能 

内のり高さ 

2 m未満 

2 m以上4 m以下 

自重降下 

2〜6.9 m/min(8.7〜30 s/m) 

2.1〜8 m/min(7.5〜28.6 s/m) 

3) 開閉機のブレーキを開放操作してシャッターカーテンが降下中,開閉機のブレーキを閉鎖操作した

とき,シャッターカーテンが停止する。 

b) 手動閉鎖装置によるシャッターの動作性能 屋内用防火シャッター及び防煙シャッターに使用する

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手動閉鎖装置を,閉鎖操作したとき,シャッターカーテンが降下を開始し全閉する。また,シャッタ

ーカーテンが降下中,手動閉鎖装置を復帰操作することによって,シャッターカーテンを停止できる。 

c) 連動閉鎖機構によるシャッターの動作性能 連動閉鎖機構は,火災などのときに各機器が作動し,シ

ャッターカーテンが降下を開始し,全閉する。 

d) 危害防止装置の動作性能 

1) 手動閉鎖装置又は連動閉鎖機構によってシャッターカーテンが降下中に危害防止装置が作動した場

合,シャッターカーテンが直ちに停止するか,又は直ちに停止後,反転上昇して停止する。 

2) 1) の作動後の状態から,障害物を除去した場合,シャッターカーテンが再降下し,全閉する。 

5.2.2 

電動による電動式シャッターの開閉性能 

電動式シャッターの開閉性能は,11.2.2によって試験を行い,次の規定に適合しなければならない。 

a) 開閉性 

1) シャッターカーテン電動開閉時の平均速度は,表3による。 

表3−電動開閉時の平均速度 

開閉機能 

内のり高さ 

2 m未満 

2 m以上4 m以下 

電動開閉 

1.7〜6 m/min(10〜35.3 s/m) 

1.6〜6.5 m/min(9.2〜37.5 s/m) 

2) シャッターカーテンを開閉中に,押しボタンスイッチ又はリモコンスイッチの停止ボタンの操作に

よってシャッターカーテンが停止する。 

3) シャッターカーテンを開閉したとき,上限又は下限設定位置において,自動的に停止する。 

4) シャッターカーテンを開閉中に,押しボタンスイッチ又はリモコンスイッチをシャッターカーテン

の作動方向と逆方向に操作したとき,逆方向に作動しない。 

5) 電源遮断時においては手動操作によって,開閉できる。 

b) 障害物感知装置の動作性能 

1) 押しボタンスイッチ又はリモコンスイッチの閉ボタンの操作によって,シャッターカーテンが降下

中に障害物感知装置が作動したとき,シャッターカーテンが直ちに停止するか,又は直ちに停止後,

反転上昇して停止する。 

2) 障害物感知装置が作動したときに,シャッターカーテンが直ちに停止する構造の場合,1) の作動後

に,押しボタンスイッチ又はリモコンスイッチの閉ボタンの操作によって再降下の信号を受けたと

き,シャッターカーテンが降下しない。また,1) の作動後に,押しボタンスイッチ又はリモコンス

イッチの開ボタンの操作によって開放の信号を受けたとき,シャッターカーテンが上昇する。 

3) 障害物感知装置が作動したときに,シャッターカーテンが直ちに停止後,反転上昇して停止する構

造の場合,1) の作動後に,押しボタンスイッチ又はリモコンスイッチの閉ボタンの操作によって再

降下の信号を受けて降下したとき,再度,障害物感知装置が作動して,シャッターカーテンが直ち

に停止後,反転上昇して停止する。 

4) 障害物感知装置が作動し,シャッターカーテンが停止するまでに荷重計にかかる最大荷重は,700 N

以下とする。 

c) 急降下防止装置の動作性能 

1) 急降下停止装置は,急降下停止装置の作動位置からシャッターカーテンが停止するまでの距離を

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300 mm以下とする。 

2) 急降下制動装置は,急降下制動装置が作動した状態の平均降下速度を,内のり高さが2 m未満のシ

ャッターでは9 m/min以下とする。内のり高さが2 m以上4 m以下のシャッターでは,10.5 m/min

以下とする。 

5.3 

開閉繰返し性能 

シャッターの開閉繰返し性能は,11.3によって試験を行ったとき,円滑に作動しなければならない。 

なお,開閉繰返し回数は,表4による。開閉繰返し回数は,開くと閉じるとで1回とする。 

表4−シャッターの開閉繰返し回数 

開閉方式 

開閉繰返し回数 

電動式 

10 000回 

手動式 

500回 

構造 

6.1 

外壁用防火シャッター,屋内用防火シャッター及び防煙シャッターの構造 

シャッターカーテンがケース及びガイドレールと接する部分は相じゃくりとし,シャッターカーテンが

閉鎖したときに防火上有害な隙間が生じない構造とする。また,防煙シャッターには,上記の構造に加え,

シャッターカーテンが閉鎖したときにまぐさ,座板及びガイドレールからの漏煙を抑制する構造を設ける。 

6.2 

構成部材の構造 

6.2.1 

スラット 

スラット同士のかみ合い方式は,インターロッキング形又はオーバーラッピング形とする[図2 a) 及び

図2 b) 参照]。耐風圧強度上必要な場合は,耐風フックを設けて抜け止め処理を施さなければならない[図

2 c) 参照]。 

スラット相互のずれ止めは,端金物を付けるか,又はスラット端部を折り曲げ加工する(図3参照)。 

a) インターロッキング形スラット 

b) オーバーラッピング形スラット 

c) 耐風フック付きスラット 

図2−スラットの種類(例) 

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図3−スラットのずれ止め(例) 

6.2.2 

座板 

防火シャッター及び防煙シャッターの座板にアルミニウムを使用する場合には,鋼板で覆う構造とする。 

6.2.3 

巻取りシャフト 

巻取りシャフトは,シャッターカーテンの荷重に耐える強度をもち,スラットを円滑に巻き取る構造と

する。 

6.2.4 

軸受部 

軸受部は,シャッターカーテン,巻取りシャフトなどによる荷重に十分耐え,かつ,円滑な回転を保持

する構造とする。 

なお,軸受部をく(躯)体に固定するためにボルト又はアンカーボルトを使用する場合には,表5によ

る。 

表5−片側の軸受部に使用するボルトの総断面積 

片側の軸受部にかかる力 

片側の軸受部に使用するボルト又は 

アンカーボルトの総断面積 

mm2 

2 000以下 

100以上 

 2 000を超え 

3 000以下 

150以上 

 3 000を超え 

4 000以下 

200以上 

 4 000を超え 

6 000以下 

300以上 

 6 000を超え 10 000以下 

350以上 

6.2.5 

ガイドレール及びまぐさ 

ガイドレール及びまぐさは,次による。 

a) ガイドレールは,スラットによる所定の荷重に十分耐える構造とする。 

b) スラットとガイドレールとのかみ合わせは,ガイドレール深さの80 %以上とし,スラットをいずれか

に寄せたときでも,他端の有効かみ合わせ長さが20 mm以上(端金物がある場合には,端金物の寸法

を含む。)になるようにする。 

c) ガイドレールとスラットとのかみ合わせ長さは,表6による。 

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11 

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表6−ガイドレールとスラットとのかみ合わせ長さ 

単位 mm 

シャッターの内のり幅 

左右のかみ合わせ長さの合計 

3 000以下 

 90以上 

3 000を超え 5 000以下 

100以上 

5 000を超え 8 000以下 

120以上 

d) 防煙シャッターのまぐさの遮煙機構は,シャッターが閉鎖したとき,漏煙を抑制する構造で,その材

料は不燃材料,準不燃材料,又は難燃材料とする。 

e) ガイドレール及びまぐさのボルト,アンカーボルト又は棒鋼の取付けは現場施工とし,その固定ピッ

チは600 mm以下とする。 

f) 

ガイドレールの取付けに使用する,ボルト,アンカーボルト又は棒鋼の断面積は,63 mm2以上とする。

ただし,スラット,座板,ケース及びガイドレールに使用する鋼板の厚さが1.2 mm以上,1.5 mm未

満のものについては,50 mm2以上でもよい。 

6.2.6 

ケース 

外壁用防火シャッター,屋内用防火シャッター及び防煙シャッターに使用するケースは,スラットの巻

き込み口及び建物の耐火構造のはり,壁,床などで防火上有効に覆われる部分を除いて,その全周を鋼板

で覆う構造とする。 

なお,管理用シャッターの場合は,受渡当事者間の協定によってケースを省略してもよい。 

6.2.7 

開閉機 

開閉機には,電動式と手動式とがあり,構造は,次による。 

a) 屋内用防火シャッター及び防煙シャッターに使用する開閉機は,自動閉鎖装置又は手動閉鎖装置の操

作によって開閉機のブレーキを解放し,シャッターカーテンが減速機によって減速降下する。 

b) 電動式開閉機の電動機電源は,表7による。 

表7−電動機電源 

電源 

三相200 V又は三相400 V a) 

周波数 

50 Hz又は60 Hz 

注a) この表以外の電圧の電動機については,受渡当事者間の

協定によって使用することができる。 

6.2.8 

シャフトローラチェーン及びシャフトスプロケット 

開閉機と巻取りシャフトとを連結するシャフトローラチェーン及びシャフトスプロケットは,JIS B 

1801による。 

6.2.9 

連動閉鎖機構 

屋内用防火シャッター及び防煙シャッターの連動閉鎖機構の構造は,次による。 

a) 熱感知器は,関連法規に規定する検定に合格したもの。 

b) 煙感知器は,関連法規に規定する検定に合格したのもの。 

c) 予備電源は,関連法規に定める基準による。 

d) 危害防止用連動中継器は,連動制御器からの起動信号を受け,自動閉鎖装置に作動電源を供給できる

もの。 

background image

12 

A 4705:2020  

6.2.10 障害物感知装置 

障害物感知装置は,送信機用の電池残量が無くなった場合に,押しボタンスイッチの閉ボタンを押して

いる間だけ閉鎖する構造とする。また,障害物感知装置に異常が検出された場合には,閉鎖しない構造又

は押しボタンスイッチの閉ボタンを押している間だけ閉鎖する構造とする。 

6.2.11 リモコンスイッチ 

リモコンスイッチは,停止ボタンなどを押してから開ボタン又は閉ボタンを押して操作する構造とする。 

寸法 

7.1 

シャッターの内のり幅及び内のり高さ 

シャッターの内のり幅及び内のり高さの寸法(図4参照)は,受渡当事者間の協定による。 

L スラット長さ 
w シャッターの内のり幅 

a) シャッターの内のり幅 

h シャッターの内のり高さ 

b) シャッターの内のり高さ 

図4−シャッターの内のり幅及び内のり高さ(例) 

background image

13 

A 4705:2020  

7.2 

スラット1枚当たりの幅 

スラット1枚当たりの幅寸法(図5参照)は,受渡当事者間の協定による。 

a) インターロッキング形スラット 

  

b) オーバーラッピング形スラット 

P スラット1枚当たりの幅 

図5−スラット1枚当たりの幅(例) 

7.3 

構成部材の寸法及び寸法許容差 

スラット,ガイドレール,座板,巻取りシャフト及びケースの寸法及び寸法許容差は,表8による。 

表8−構成部材の寸法及び寸法許容差 

単位 mm 

構成部材 

寸法許容差 

参考図 

スラット 

長さ 

±4 

高さ 

±1 

ガイドレール 

深さ 

±2 

溝幅 

±2 

座板,巻取りシ
ャフト及びケー
ス 

長さ 

±4 

材料 

スラット,座板,巻取りシャフト,軸受部,ガイドレール,まぐさ及びケースに使用する主要材料は,

表9によるか,又は性能及び品質がこれらと同等以上の構成部材とする。 

background image

14 

A 4705:2020  

表9−主要材料 

主要材料の規格 

構成部材 

スラット 

座板 

巻取りシャフト 

軸受部 

ガイドレール 

まぐさ 

ケース 

JIS B 1521 

− 

− 

− 

○ 

− 

− 

− 

JIS B 1557 

− 

− 

− 

○ 

− 

− 

− 

JIS G 3101 

− 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

JIS G 3123 

− 

− 

○ 

− 

− 

− 

− 

JIS G 3131 

○ 

○ 

− 

○ 

○ 

○ 

○ 

JIS G 3141 

○ 

○ 

− 

− 

○ 

○ 

○ 

JIS G 3302 

○ 

○ 

− 

○ 

○ 

○ 

○ 

JIS G 3312 

○ 

○ 

− 

− 

○ 

○ 

○ 

JIS G 3313 

○ 

○ 

− 

○ 

○ 

○ 

○ 

JIS G 3350 

− 

− 

− 

− 

− 

○ 

○ 

JIS G 3444 

− 

− 

○ 

− 

− 

○ 

− 

JIS G 3445 

− 

− 

○ 

− 

− 

− 

− 

JIS G 3452 

− 

− 

○ 

− 

− 

− 

− 

JIS G 3466 

− 

− 

− 

− 

− 

○ 

○ 

JIS G 4051 

− 

− 

○ 

− 

− 

− 

− 

JIS G 4304 

− 

○ 

− 

− 

− 

− 

− 

JIS G 4305 

○ 

○ 

− 

− 

○ 

○ 

○ 

JIS G 5501 

− 

− 

○ 

○ 

− 

− 

− 

JIS G 5502 

− 

− 

− 

○ 

− 

− 

− 

JIS H 4100 a) 

− 

○ 

− 

− 

− 

− 

− 

 ○:対象 −:対象外 とする。 
注a) JIS H 4100の表面処理は,JIS H 8602に規定する種類B又はそれ以上の処理を施したものとする。 

加工及び組立 

加工及び組立は,次による。 

a) 加工 鋼材は,加工前に有害なゆがみなどを除去したうえで,表8の寸法許容差によって,スラット,

座板,巻取りシャフト,ガイドレール及びケースに切断加工,穴あけ加工,曲げ加工,プレス加工,

ロールフォーミング加工などを行う。 

なお,溶接が必要な部材については,アーク溶接,スポット溶接などによって,堅ろうに溶接接合

する。 

b) 組立 仕上がり寸法,取合いなどを適正に行い,かつ,溶接,ボルト締め,その他の方法によって堅

ろうに組み立てる。 

10 塗装 

10.1 一般 

スラット,座板,軸受部,ガイドレール及びケースの下地のさび止め処理及びさび止め塗装は,10.2及

び10.3による。ただし,JIS G 3302,JIS G 3312,JIS G 3313,JIS G 4304及びJIS G 4305に規定する材料

を使用した場合は,下地さび止め処理及びさび止め塗装を行わなくてもよい。 

10.2 下地のさび止め処理 

下地のさび止め処理は,りん酸塩処理するか,又は10.3.1のさび止めペイントを塗装する。 

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15 

A 4705:2020  

10.3 さび止め塗装 

10.3.1 さび止めペイント 

さび止めペイントは,JIS K 5621若しくはJIS K 5674に規定する塗料又はこれらと同等以上の性能及び

品質をもつ塗料とする。 

10.3.2 さび止め塗装方法 

さび止め塗装方法は,次による。 

a) 浮き上がった黒皮,ほこり,汚れなどの表面付着物を除いて清浄にした後,10.3.1のさび止めペイン

トを全面に一様に塗る。ただし,10.2の下地のさび止め処理を施した鋼板を使用した場合を除く。 

b) 組立後に,塗装が困難な部分は,組立前にさび止め塗装を施す。 

c) 加工のために鉄素地が現れた部分は,さび止め塗装を施す。 

11 試験方法 

11.1 スラットの曲げ試験 

管理用シャッター及び外壁用防火シャッターのスラットの曲げ試験は,同一条件で製造したスラットか

ら3枚を抜き取り,図6のように横にかみ合わせて連結したものを用いる。試験体の両端は,堅ろうな支

持台に取り付けたガイドレールの溝の中に外部側が上になるように,かみ合わせる。この場合,図7に示

す“l”は,シャッターの内のり幅と等しくする。 

始めに,おもりを積載する前のたわみ量を1 mm単位で測定し,次に試験体の上に,表10に示す質量の

おもりを図7に示す番号の順序でほぼ等分布に載荷し,10分間放置後,載荷したおもりを取り除いたとき

のたわみ量を1 mm単位で測定する。おもりは,砂などを詰めた袋を使用し,一袋当たりの質量を1〜2 kg

とする。また,使用上有害な変形がないことを目視によって確認する。 

おもりを取り除いたときのたわみ量から,おもりを載荷する前のたわみ量を減じたものを残留たわみ量

とし,残留たわみ量は,式(1)によって求める。 

0

δ

δ

=

 ················································································ (1) 

ここに, 

δ: 残留たわみ量(mm) 

δ0: おもりを載荷する前のたわみ量測定値(mm) 

δ1: おもりを取り除いたときのたわみ量測定値(mm) 

表10−スラットの載荷荷重及びおもりの質量 

載荷荷重 

N/m2 

単位長さ当たりのスラット載荷用おもりの質量a) 

kg 

Q b) 

シャッターの内のり幅1 m当たり 

3.06×10−4×Q×P c) 

注a) おもりの質量は,スラットの質量を含め小数点以下1位まで求め,JIS Z 8401

によって整数に丸める。 

なお,おもりには,スラットの質量を含める。 

b) Qは,載荷荷重を示し,一般的には500 N/m2とするが,500 N/m2を超える

要求がある場合には,載荷荷重は受渡当事者間の協定による。 

c) Pは,スラット1枚当たりの幅(mm)を示す。 

background image

16 

A 4705:2020  

図6−スラットの曲げ試験試験体(例) 

l 内のり幅 

図7−スラットの曲げ試験方法 

11.2 開閉性試験 

11.2.1 手動による電動式シャッター及び手動式シャッターに共通する開閉性試験 

手動による電動式シャッター及び手動式シャッターに共通する開閉性試験は,次による。 

a) シャッターの開閉性 

1) 開閉機の手動操作によるハンドルの回転に要する力,又は鎖などによる引下げ力の測定は,床上200 

mmの位置に座板下面がくるようにシャッターカーテンを停止して,プッシュプルスケール,ばね

はかりなどで測定する。また,シャッターカーテンの開閉が円滑に行えることを目視によって確認

する。 

2) シャッターカーテンが全開の状態から,開閉機のブレーキを解放操作して自重降下し,全閉するま

でに要する時間をストップウォッチで測定し,シャッターの内のり高さ寸法を測定した時間で除し

て自重降下時の平均閉鎖速度を算出する。また,シャッターカーテンの開閉動作が円滑に行えるこ

とを目視によって確認する。 

3) シャッターカーテンが全開の状態から,開閉機のブレーキを開放にして,開閉機のブレーキを閉鎖

17 

A 4705:2020  

にした場合に停止することを目視によって確認する。 

b) 手動閉鎖装置によるシャッターの動作試験 シャッターカーテンが全開の状態から,手動閉鎖装置を

閉鎖操作することによって,シャッターカーテンが降下し,降下途中で手動閉鎖装置を復帰操作する

ことで,任意の位置で停止することを目視によって確認した後,再度,手動閉鎖装置を閉鎖操作し,

シャッターカーテンが全閉することを目視によって確認する。 

c) 連動閉鎖機構によるシャッターの動作試験 連動閉鎖機構の信号によってシャッターカーテンが降

下し,シャッターカーテンが全閉することを目視によって確認する。 

d) 危害防止装置の動作試験 

1) 手動閉鎖装置及び連動閉鎖機構によってシャッターカーテンが降下し,床面にダンボール箱などの

障害物を置いて危害防止装置が作動し,直ちに停止するか,又は直ちに停止後,反転上昇して停止

することを,目視によって確認する。 

2) 1) の試験後の状態から,ダンボール箱などの障害物を取り除いて,シャッターカーテンが再降下を

開始し,全閉することを目視によって確認する。 

11.2.2 電動による電動式シャッターの開閉性試験 

電動による電動式シャッターの開閉性試験は,次による。 

a) シャッターの開閉性 

1) 押しボタンスイッチ又はリモコンスイッチの開ボタン又は閉ボタンの操作によって,全閉状態又は

全開状態のシャッターカーテンが作動し,シャッターカーテンが全開するまでに要する時間と,全

閉するまでに要する時間とをストップウォッチによって測定し,シャッターの内のり高さ寸法を全

開に要する時間又は全閉に要する時間で除して電動開閉時の平均速度を算出する。 

2) 押しボタンスイッチ又はリモコンスイッチの開ボタン又は閉ボタンの操作によって,シャッターカ

ーテンが作動し,押しボタンスイッチ又はリモコンスイッチの停止ボタンの操作によって,シャッ

ターカーテンが停止することを,目視によって確認する。 

3) 全閉状態又は全開状態のシャッターに,押しボタンスイッチ又はリモコンスイッチの開ボタン又は

閉ボタンの操作をして,シャッターカーテンが上限又は下限設定位置で自動的に停止することを,

目視によって確認する。 

4) 押しボタンスイッチ又はリモコンスイッチの開ボタン又は閉ボタンの操作によってシャッターカー

テンが作動し,シャッターカーテンが上昇又は降下中,シャッターカーテンの作動方向と逆方向に

押しボタンスイッチ又はリモコンスイッチを操作したとき,逆方向にシャッターカーテンが作動し

ないことを,目視によって確認する。 

5) シャッターの電源を遮断し,手動によって開閉機の手動操作を行ったとき,シャッターカーテンが

開閉できることを確認する。 

b) 障害物感知装置の動作試験 

1) 押しボタンスイッチ又はリモコンスイッチの閉ボタンの操作によってシャッターカーテンを降下さ

せ,床面にダンボール箱などの障害物を置いて障害物感知装置を作動させたとき,シャッターカー

テンが直ちに停止するか,又は直ちに停止後,反転上昇して停止することを,目視によって確認す

る。 

2) 障害物感知装置が作動したときにシャッターカーテンが直ちに停止する構造の場合は,1) の試験後

の状態から押しボタンスイッチ又はリモコンスイッチの閉ボタンを操作し,シャッターカーテンが

降下しないことを,目視によって確認する。また,1) の試験後の状態から,押しボタンスイッチ又

background image

18 

A 4705:2020  

はリモコンスイッチの開ボタンを操作し,シャッターカーテンが上昇することを,目視によって確

認する。 

3) 障害物感知装置が作動したときにシャッターカーテンが直ちに停止後,反転上昇して停止する構造

の場合は,1) の試験後の状態から,押しボタンスイッチ又はリモコンスイッチの閉ボタンの操作に

よってシャッターカーテンを再降下させたとき,床面に置いたダンボール箱などの障害物を感知し

障害物感知装置が再び作動して,シャッターカーテンが直ちに停止するか,又は直ちに停止後,反

転上昇して停止することを,目視によって確認する。 

4) 障害物感知装置の圧迫荷重測定は,図8に示す装置をシャッターカーテンの降下位置に置き,押し

ボタンスイッチ又はリモコンスイッチの閉ボタンの操作によって,シャッターカーテンが降下し,

障害物感知装置が作動してシャッターカーテンが停止したときの荷重計にかかる最大荷重を測定す

る。測定点は,シャッターカーテンの降下位置で,シャッターの内のり幅の中央及び両端から300 mm

の3点とする。サンプリングタイムは1/100秒に設定する。 

単位 mm 

注a) 荷重計は,ロードセル式圧縮荷重計などとする。 

b) ポリスチレンフォームは,JIS A 9511に規定する密度15 kg/m3以上の, 

ポリスチレンフォームの板を使用する。 

図8−障害物感知装置の圧迫荷重測定装置 

c) 急降下防止装置の動作試験 

1) 急降下停止装置の試験は,押しボタンスイッチ又はリモコンスイッチの操作によって調整しながら

シャッターの座板下面が床上1 000 mmの位置にくるように停止させて,座板下面の位置をガイド

レールにマーキングする。シャフトローラチェーンとシャフトスプロケットとの連結を外し,シャ

ッターカーテンが急降下し,確実に停止することを目視で確認するとともに,座板下面とマーキン

グ箇所との垂直距離を測定する。 

2) 急降下制動装置の試験は,押しボタンスイッチ又はリモコンスイッチの操作によって調整しながら

シャッターの座板下面が床上1 000 mmの位置にくるように停止させ,シャフトローラチェーンと

シャフトスプロケットとの連結を外し,シャッターカーテンが急降下し,シャッターが全閉するま

でに要する時間をストップウォッチで測定し,1 000 mmを測定した時間で除して平均降下速度を算

出する。 

background image

19 

A 4705:2020  

11.3 開閉繰返し試験 

11.3.1 一般 

開閉繰返し試験は,11.3.2又は11.3.3による。 

なお,試験日,試験場所,試験体の設置場所(屋外又は屋内)について記録する。 

11.3.2 電動式シャッターの開閉繰返し試験 

電動式シャッターの試験体は組立が完了しているものを使用し,電動式開閉機によってシャッターカー

テンの全開と全閉とを繰り返し,開閉を行う。試験後に,電動式開閉機によってシャッターカーテンを開

閉させ,円滑に作動することを目視によって確認する。 

11.3.3 手動式シャッターの開閉繰返し試験 

手動式シャッターの試験体は組立が完了しているものを使用し,手動式開閉機の手動操作によってシャ

ッターカーテンの全開と全閉とを繰り返し,開閉を行う。試験後に,手動式開閉機によってシャッターカ

ーテンを開閉させ,円滑に作動することを目視によって確認する。 

12 検査 

構成部材の品質,機能,構造及び寸法は合理的な抜取検査方式を用いて試験などを行ったとき,箇条5,

箇条6及び箇条7の規定に適合していることを確認する。また,シャッターの構成部材は,使用上有害な

曲がり,さびなどの欠点があってはならない。 

13 製品の呼び方 

製品の呼び方は,シャッターの種類(呼び),開閉方式,並びにスラットの鋼板の表示厚さ及びスラット

の材質による。 

次に,例として,管理用シャッターで開閉方式が電動式,スラットの鋼板が表示厚さ1.6 mmの溶融亜

鉛めっき鋼板及び鋼帯のものを示す。 

例 管理−電動式−1.6SGC 

スラットの鋼板の表示厚さ及びスラットの材質 

開閉方式 

シャッターの種類(呼び) 

14 表示 

この規格の全ての要求事項に適合したシャッターには,次の事項を表示しなければならない。 

a) 規格番号,規格の名称及び製品の呼び方 

b) 製造業者名又はその略号(製造業者名又はその略号の表示位置は,座板の垂直面に表示する。) 

c) 操作方法の注意事項(操作方法の注意事項及び常にシャッターの視認できる場所に設置する内容を押

しボタンスイッチに表示する。また,常にシャッターの視認できる場所で操作する内容を,リモコン

に表示するか,又はリモコンに関する取扱説明書に記載する。) 

15 取扱い上及び維持管理上の注意事項 

シャッターには,次に示す取扱い上及び維持管理上の注意事項を記載した文書を添付しなければならな

い。 

a) 操作及び取扱いに関する注意事項 例えば,製品の分解・改造を行わないこと,シャッター開閉時に

20 

A 4705:2020  

は出入りはしないこと,人がいないことを確認しながら操作することなど。 

b) 維持管理上の注意事項及び手入れ方法 例えば,さびの除去方法,シャッター不作動時・開閉時の異

常音発生時,所定位置でシャッターカーテンが停止しない場合には専門業者に依頼すること,押しボ

タンスイッチの位置は,常にシャッターの視認できる場所にあることなど。 

c) 建築物又は工作物に設置後の品質及び性能を維持するために必要な定期的保守点検 例えば,保守点

検実施頻度の目安,使用者と専門業者とで保守点検契約の必要性などを記載するなど。 

background image

21 

A 4705:2020  

附属書A 

(参考) 

技術上重要な改正に関する新旧対照表 

現行規格(JIS A 4705:2020) 

旧規格(JIS A 4705:2015) 

改正理由 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 
及び題名 

内容 

2 引用規格 

“JIS K 5629 鉛酸カルシウムさび止
めペイント”を削除。 

2 引用規格 

JIS K 5629 鉛酸カルシウムさび止め
ペイント 

該当するJISが平成28年12月20日に廃止された
ため。 

3 用語及び
定義 

①用語の追記(3.14 リモコンスイッチ) 3 用語及び 

①なし 

①リモコンによる操作が一般化したため。 

②用語の削除(電装品) 

定義 

②3.15 電装品 

②用語が本文で使われていないため。 

③用語の削除(障害物感知装置) 

③3.25 障害物感知装置 

③用語の変更で“障害物感知装置(一般型)”を“障
害物感知装置”に変更したため。 

④用語の変更(3.25 障害物感知装置)  

④3.26 障害物感知装置(一般型) 

④JIS Z 8301に従った表現とした。 

⑤用語の変更(3.26 危害防止装置) 

⑤3.27 障害物感知装置(自動閉鎖型) ⑤JIS Z 8301に従った表現とした。 

⑥用語の追記(3.30 送信機) 
 

⑥なし 

⑥構造に障害物感知装置を追記したため。 

4 種類 
 

①表1から,総称としての障害物感知
装置を削除し,一般型を障害物感知装
置,自動閉鎖型を危害防止装置に変更
した。 

4 種類 
 

①表1に障害物感知装置が総称として
あり,その中に一般型と自動閉鎖型の
記載あり。 
 

①用語を変更したため。 
 

②表1の注d)  原則として急降下停止
装置を設置する内容に変更した。 

②表1の注c)  急降下防止装置の種類
と有無について選択できる記載あり。 

②原則として急降下停止装置を設置するため。急降
下防止装置の種類と有無について選択できなくし
た。また,人が近寄れない場合は,省略できるよう
にした。 

5.2.2 電動
による電動
式シャッタ
ーの開閉性
能 

スイッチ操作にリモコンスイッチを追
加した。 
 

5.2.2 電動
による電動
式シャッタ
ーの開閉性
能 

スイッチ操作は押しボタンスイッチ 
 

操作スイッチにリモコンスイッチが追加されたた
め。 
 

 
 
 

2

A

 4

7

0

5

2

0

2

0

background image

22 

A 4705:2020  

現行規格(JIS A 4705:2020) 

旧規格(JIS A 4705:2015) 

改正理由 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 
及び題名 

内容 

6 構造 

①6.2.10 障害物感知装置を追記 

6 構造 

①なし 

①障害物感知装置が故障した場合の状況について
安全上明確にした方がよいため。 

②6.2.11 リモコンスイッチを追記 

②なし 

②リモコンスイッチのボタンスイッチを2度操作
とすることで,誤操作を防止するため。 

10.3.1 さび
止めペイン
ト 

JIS K 5629の記載を削除 

10.3.1 さび
止めペイン
ト 

JIS K 5629の記載あり 

JIS K 5629が廃止されたため。 

11.2.2 電動
による電動
式シャッタ
ーの開閉性
試験 

スイッチ操作にリモコンスイッチを追
加した。 
 

11.2.2 電動
による電動
式シャッタ
ーの開閉性
試験 

なし 
 

操作スイッチにリモコンスイッチが追加されたた
め。 
 

14 表示 

操作方法などの注意事項の括弧書きを
追記 

14 表示 

操作方法などの注意事項 

押しボタンスイッチの設置位置を安全上明確にす
るため。 

15 取扱い
上及び維持
管理上の注
意事項 

b)に“押しボタンスイッチの位置は,
常にシャッターの視認できる場所にあ
ること”を追記 
 

15 取扱い
上及び維持
管理上の注
意事項 

b)に 押しボタンスイッチについては,
記載なし。 
 
 

改修など行った場合でも押しボタンスイッチの設
置位置を安全上明確にするため。 
 
 

2

A

 4

7

0

5

2

0

2

0