サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

background image

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

A 4421-1991 

設備ユニット用排水器具 

Drain with traps for equipment units 

1. 適用範囲 この規格は,主として住宅の設備ユニット(浴室,台所流し台など)に使用する排水器具

(以下,トラップという。)について規定する。 

備考1. この規格の引用規格は,付表1に示す。 

2. この規格の中で { } を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって参

考値である。 

2. 種類 トラップの種類は,P形トラップ及びベル形トラップの2種類とし,浴室用には,バスケット

ストレーナのあるものとないものがあり,台所流し台用には,ごみ収納機能のあるものとないものとがあ

る。 

3. 各部の名称 各部の名称は,次のとおりとする。 

トラップ(例図) 

4. 性能 トラップは,8.の試験方法によって試験を行い,表1の規定に適合しなければならない。 

background image

A 4421-1991  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1 

項目 

性能 

試験方法 

適用 

主要材料 

区分 

水密性 

本体 

漏れその他の異状がないこと 

8.3(1) 

鋳鉄,合成樹脂,ステンレ
ス鋼 

浴室用 
台所流し用 

セット品 漏れその他の異状がないこと 

8.3(2) 

鋳鉄,合成樹脂,ステンレ
ス鋼 

浴室用 
台所流し用 

耐熱性 

漏れその他の異状がないこと 

8.4 

合成樹脂,ステンレス鋼 

浴室用 
台所流し用 

耐熱衝撃性 

漏れその他の異状がないこと 

8.5 

合成樹脂 

浴室用 
台所流し用 

耐衝撃性 

表面にひび割れその他使用上有害な欠
陥があってはならない。 

8.6 

鋳鉄,合成樹脂 

浴室用 

排水性 

毎分60l以上 

8.7.1 

鋳鉄,合成樹脂 

浴室用 

1分以内に完了 

8.7.2 

鋳鉄,合成樹脂,ステンレ
ス鋼 

台所流し用 

5. 構造及び寸法 

5.1 

容易に掃除ができなければならない。 

5.2 

封水深は50mm以上100mm以下とし,臭気,害虫などの移動を有効に防止することができる衛生的

な構造とする。 

5.3 

排水に含まれる雑介などが沈殿しにくい構造とする。 

5.4 

排水時に排水管内の気圧変動によって,排水器具の振動を起こして著しい音が出ないような構造と

する。 

5.5 

本体の最小肉厚は,表2による。 

表2 

単位mm 

材質 

肉厚 

鋳鉄 

4.3以上 

合成樹脂 

1 以上 

ステンレス鋼 SUS 304 0.6以上 

SUS 430 0.7以上 

5.6 

本体と排水管との接続は,本体と直接又は附属品によって,JIS K 6741に規定するVP50(浴室用),

VP40(台所流し台用)又はJIS G 3452に規定する50A(浴室用),40A(台所流し台用)を接続できる構

造とする。 

5.7 

浴室用ストレーナの穴径は直径8mm,台所流し用バスケットストレーナの穴径は,直径6mmの球

が容易に通過してはならない。 

5.8 

浴室用トラップは,浴室床の取付開口寸法120±2mmに取り付けられるものとする。 

5.9 

台所流し用トラップと水槽の取付寸法は,JIS S 1005の規定に準じる。 

6. 外観 

6.1 

金属部品の表面は滑らかで,ひび割れ,きず,鋳巣,鋳ばり,突起,その他有害な欠点があっては

ならない。 

A 4421-1991  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.2 

合成樹脂部品及びゴム部品の表面は滑らかで,切れ,ばり,きず,変形,変色,欠け,その他有害

な欠点があってはならない。 

7. 材料 

7.1 

鋳鉄は,JIS G 5501に規定する2種(記号FC150)又はこれと同等以上のものとする。 

7.2 

合成樹脂は,その用途によって,十分な性能のものを使用する。 

7.3 

黄銅鋳物は,JIS H 5101に規定する2種又はこれと同等以上のものとする。 

7.4 

黄銅板は,JIS H 3100に規定するC2300 P又はこれと同等以上のものとする。 

7.5 

ステンレス鋼板は,JIS G 4305,JIS G 4307に規定するSUS304及びSUS430又はこれらと同等以上

のものとする。深絞り成形後のものについては熱処理を行うものとする。 

7.6 

ゴムは,JIS K 6380に規定する種類A715,B III 510,B III 610,B III 710又はこれらと同等以上の品

質のものとする。 

7.7 

鋼線は,JIS G 4309又はこれと同等以上の品質のものとする。 

8. 試験方法 

8.1 

数値の取扱い 数値の取扱いは,有効数字3けたとする。 

なお,荷重を従来単位系の試験機又は計測器を用いて載荷又は計測する場合は,次による。 

載荷する場合:1N=1.02×10-1kgfで換算して載荷する。 

計測する場合:1kgf=9.80Nで換算して計測値とする。 

8.2 

試験条件 試験室の温度及び湿度は,特に規定のない限り,常温・常湿とする。 

8.3 

水密試験 

(1) 鋳鉄は,35.0Pa {3.6kgf/cm2} の水圧又は15.0Pa {1.5kgf/cm2} の空気圧を,合成樹脂及びステンレス鋼

は,8.0Pa {0.8kgf/cm2} の水圧又は3.50Pa {0.36kgf/cm2} の空気圧を加え,漏れその他の異状を調べる。 

(2) 防水パン又は水槽にトラップをセットし,適当な方法でトラップ出口を閉止し,トラップ内を満水に

して3時間放置した後,漏れ,浸潤の有無を目視によって調べる。 

8.4 

耐熱試験 排水口を密封し,80℃以上の熱水をトラップに満たし30分間放置することを1サイクル

として,これを3サイクル繰り返し,漏れその他の異状を調べる。 

8.5 

耐熱衝撃試験 トラップを約−20℃のふん囲気中に1時間放置した後,直ちに80℃の熱水に浸して

30分間自然冷却を行い,異状を調べる。ただし,漏れについては,8.3の試験による。 

8.6 

衝撃試験 防水パン又は水槽を厚さ10cm以上のコンクリートの床の上に置き,ストレーナをセット

し,ストレーナ部にJIS A 5704に規定する質量7kgの砂袋を半球部を下にして50cmの高さから自然落下

させ,異状の有無を調べる。 

8.7 

排水試験 

8.7.1 

防水パン又は水槽にトラップをセットし,適当な方法でトラップ出口を閉止し,トラップのストレ

ーナから50mmの高さまで水を満たした状態でトラップの排水能力 (l/min) を測定する。 

8.7.2 

トラップを取り付けた水槽に20lの水をためる。次に,ふたを一度に取り除き排水させ,排水所要

時間を測定する。 

9. 検査 トラップは,4.性能,5.構造及び寸法,6.外観,7.材料を検査し,合否を判定する。検査は,合

理的な抜取方式によることができる。 

A 4421-1991  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

10. 表示 トラップは,据付け又は取付け後も容易に見える位置に製造業者名又はその略号を表示しなけ

ればならない。ただし,浴室ユニットなどについては,浴室ユニット,防水パンの表示の中に,また台所

流し台用については,流し台の表示の中に含めることができる。 

11. 取扱い上の注意事項 トラップの構造図解入り取扱説明書などを本体の表面に添付し,少なくとも次

の事項について,注意事項を記載しなければならない。ただし,浴室ユニットなどについては,浴室ユニ

ット,防水パンの取扱い上の注意事項の中に,また台所流し台用については,その取扱上の注意事項の中

に含めることができる。 

(1) 清掃時の注意 

(2) 施工上の注意 

付表1 引用規格 

JIS A 5704 ガラス繊維強化ポリエステル浴そう 

JIS G 3452 配管用炭素鋼鋼管 

JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼板 

JIS G 4307 冷間圧延ステンレス鋼帯 

JIS G 4309 ステンレス鋼線 

JIS G 5501 ねずみ鋳鉄品 

JIS H 3100 銅及び銅合金の板及び条 

JIS H 5101 黄銅鋳物 

JIS K 6380 工業用ゴムパッキン材料 

JIS K 6741 硬質塩化ビニル管 

JIS S 1005 家庭用流し台・調理台・こんろ台