サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

A 4007-1995 

ファンコンベクタ 

Fan convector 

1. 適用範囲 この規格は,定格暖房能力35kW以下で,工場で加熱コイル及び送風機を一体に組み立て

た完成品で,空気を直接室内に吹き出すか,又は静圧損失100Pa以下のダクトが施工できる暖房機で,温

度100℃,圧力(1)0.5MPa以下の温水,又は蒸気圧力0.2MPa以下の蒸気を使用するファンコンベクタにつ

いて規定する。 

ここでいうファンコンベクタとは,暖房を必要とする室内などに設置し,外部から配管を通じて温水又

は蒸気の供給を受けて,暖房を行う機器で,熱源部をもたないものをいう。 

注(1) この規格で用いる圧力は,絶対圧力と表記してあるものを除き,すべてゲージ圧力とする。 

備考 この規格の引用規格を,付表1に示す。 

2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 

(1) 公称設定位置 可変回転速度をもつファンコンベクタにおいて,製造業者が標準とする送風機回転速

度を出し得るスイッチなど風量調節器の設定位置をいう。 

(2) 定格風量 ファンコンベクタを表5の条件において,8.1の方法によって運転したとき,ファンコンベ

クタから吹き出される風量,又は吸い込まれる風量を,標準空気状態に換算した風量で表したもので,

10.の規定によって表示したものをいう。 

(3) 定格消費電力 ファンコンベクタを表5の条件において,8.2の方法によって運転したときの消費電力

で,10.の規定によって表示したものをいう。 

(4) 定格暖房能力 ファンコンベクタを表4の条件において,8.3の方法によって運転したときの加熱能力

で,10.の規定によって表示したものをいう。 

(5) 定格通水量 温水用ファンコンベクタにおいて,定格暖房能力から,表4の中の温度降下の値:10K

を水温降下として換算した水量で,10.の規定によって表示したものをいう。 

(6) 定格通水抵抗 温水用ファンコンベクタに定格通水量を通水し,8.4の方法によって測定したときの通

水抵抗で,10.の規定によって表示したものをいう。 

(7) 表示機外静圧 機外静圧を表示するダクト接続形のファンコンベクタにおいて,定格風量時に得られ

る機外静圧で,10.の規定によって表示したものをいう。 

備考 “定格”とは,表示値をいう。 

3. 種類 ファンコンベクタの種類は,表1の区分の組合せによる。 

background image

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1 種類 

区分 

種類 

摘要 

熱媒による区分 

温水用 

温水を使用するもの 

蒸気用 

蒸気を使用するもの 

機能による区分 

風量可変形 

風量制御装置をもつもの 

風量固定形 

風量は一定で固定のもの 

構造による区分 

露出形 

外郭のすべてが室内に露出しているもの 

埋込み形 

全体又は一部を埋め込み,設置するもの 

設置形態による区分 

床置き形 

床面又は相当する場所へ設置するもの 

壁掛け形 

壁面又は相当する場所へ設置するもの 

天井つり形 

天井又は天井内部へ設置するもの 

備考 天井つりカセット形は,“埋込み形”(構造区分)で,“天井つり形”(設置形

態区分)に含まれる。 

4. 性能 ファンコンベクタの性能は,8.の方法で試験し,表2の規定に適合しなければならない。 

background image

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2 性能 

項目 

性能 

試験方法 

風量 

定格風量の95%以上(2) 

8.1 

消費電力 

8.2 

暖房能力 

定格暖房能力の95%以上(3) 

8.3 

通水抵抗(温水用に限る。) 

定格通水抵抗の110%以下(4) 

8.4 

電圧変動特性 

異常なく運転を継続すること。 

8.5 





度 

送風運転時における電動機巻線 
暖房運転時における電動機巻線 

8.6 




運転中,人が操作し,容易に触れるおそれのある
部分(温度吹出し口及びその周辺を除く。) 
 
 

55℃以下 

その他の部分 

60℃以下 

絶縁抵抗 

1MΩ以上 

8.7 

絶縁耐力 

異常がないこと。 

8.8 

気密性及び耐圧性 

漏れ及び異常がないこと。 

8.9 

騒音レベル 

表示騒音値の+3dB以下 

8.10 

注(2) ダクト接続形で,機外静圧を表示するものにあっては,表示機外静圧を加えた状態での風量とする。 

(3) 温水用ファンコンベクタにおける暖房能力は,製造業者が表示した定格通水量を通水した状態での暖房能

力が,表示値(定格暖房能力値)の95%以上であること。 

(4) 通水抵抗は,製造業者が表示した定格通水量を通水した状態での抵抗が,表示値(定格通水抵抗値)の110%

以下であること。 

5. 構造及び外観 

5.1 

構造一般 ファンコンベクタの構造は,次の各項に適合すること。 

(1) 主要構造部分は,7.に規定する材料で作り,通常の外力に耐え,十分な耐久性をもつこと。 

(2) 各部の材料は,通常の使用状態における温度に耐えること。 

(3) 塗装面は,平滑で,塗膜の厚さ,光沢,色調が均一で,塗りむら,たれなどの欠点がなく,通常の使

用状態における温度に十分耐えること。 

(4) 通常の使用状態で人が触れる部分には,鋭い突起やかどがないこと。 

(5) 形状が正しく,組立が良好であること。 

(6) 各部の仕上がりは,良好で,容易にさび(錆)を生じないものであること。 

(7) 使用中,著しい振動や騒音がなく,安全に作動するものであること。 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(8) 温水を使用するものは,コイル中の空気を抜く適切な装置又は構造をもつこと。 

(9) 循環水の水圧の加わる部分は,十分な強度をもつものであること。 

(10) 配管接続部は,容易に施工でき,点検可能で,かつ,外力に対して十分な強度をもつか,又は外力に

対して有効な対策が採られていること。 

(11) 本体は,設置に際し建物の構造材などに,確実にかつ堅固に取り付けられる構造であること。 

(12) エアフィルタを付設する構造のものは,容易に取付け・取外しができる構造であること。 

(13) 電気絶縁物及び熱絶縁物は,これに接触又は近接する部分の温度に十分に耐え,かつ,吸湿性の少な

いものであること。ただし,吸湿性の熱絶縁物であって通常の使用状態において危険が生じるおそれ

のないものにあっては,この限りでない。 

(14) 電装部の近傍に充てん(塡)する保温材,断熱材などは,難燃性のものであること。ただし,保温材,

断熱材などが燃焼した場合に,感電,火災などの危険が生じるおそれのないものは,この限りでない。 

(15) 金属製のふた又は箱のうち,スイッチが開閉したときアークが達するおそれがある部分には,耐アー

ク性の電気絶縁を施してあること。 

また,アークが達するおそれのある部分に使用する電気絶縁物は,アークによって有害な変形,有

害な絶縁低下などの変質が生じないものであること。 

(16) 合成樹脂製の外郭(透光性又は透視性を必要とするもの,及び機能上可とう(撓)性,機械的強度を

必要とするものを除く。)をもつものは,その外郭の外面9cm2以上の正方形の平面部分を水平面に対

して約45゚に傾斜した状態で,その平面部分の中央部に,ノズルの内径が0.5mmのガスバーナの空気

口を閉じた状態で燃焼させた長さ約20mmの炎の先端を,垂直下から5秒間当てて炎を取り去ったと

き,燃焼しないものであること。ただし,炎を当てる外郭に9cm2以上の正方形の平面部分をもたない

ものは,同等の材質で同じ厚さの一辺の長さ3cmの正方形の試験片を用いて試験を行う。 

(17) 通常の使用状態において電動機の回転が妨げられない構造であること。ただし,電動機の回転が妨げ

られた場合において,危険が生じるおそれのないものにあっては,この限りでない。 

(18) 温度上昇によって危険が生じるおそれのあるものにあっては温度過昇防止装置を,過電流,過負荷な

どによって危険が生じるおそれのあるものにあっては過負荷保護装置を取り付けてあること。この場

合において,当該温度過昇防止装置及び過負荷保護装置は,通常の使用状態において動作しないこと。 

5.2 

充電部 充電部は,次の各項に適合しなければならない。 

(1) 充電部には次に掲げるものを除き,容易に取り外すことができる部分を取り外した状態で,図1に示

す試験指が触れないこと。この場合,試験指に加える力は,天井つり形並びに埋込み形のものの外面

及び開口部には10N,その他のものの外面及び開口部には30Nとする。 

(a) 取り付けた状態で容易に人が触れるおそれのない取付け面の充電部。 

(b) 構造上充電部を露出して使用することがやむを得ない器具の露出する充電部であって,絶縁変圧器

に接続された2次側の回路の対地電圧及び線間電圧が,交流にあっては30V以下,直流にあっては

45V以下のもの並びに1kΩの抵抗を大地との間及び線間に接続した場合に当該抵抗に流れる電流が,

商用周波数以上の周波数において感電の危険が生じるおそれのない場合を除き,1mA以下のもの。 

(2) 充電部相互又は充電部と非充電部との接続部分は,通常の使用状態で,緩みが生じるおそれがなく,

かつ,通常の使用状態における温度に耐えること。 

background image

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図1 試験指 

5.3 

絶縁距離 絶縁距離は,次の各項に適合しなければならない。 

(1) 極性が異なる充電部相互間,充電部とアースするおそれのある非充電金属部との間,及び充電部と人

が触れるおそれがある非金属部の表面との間の空間距離(沿面距離を含む。)は,表3に適合しなけれ

ばならない。 

(2) 絶縁変圧器の2次側の回路,整流後の回路などの構造上やむを得ない部分であって,次の試験を行っ

たとき,これに適合するものは(1)によらなくてもよい。 

(a) 極性が異なる充電部相互間を短絡した場合に,短絡回路に接続された部品が燃焼しないこと。ただ

し,当該回路に接続されている一つの部品が燃焼した場合において,他の部品が燃焼するおそれの

ないものにあっては,この限りでない。 

(b) 極性が異なる充電部相互間,又は充電部と人が触れるおそれがある非充電金属部との間を接続した

場合に,その非充電金属部又は露出する充電部が,次のいずれかに適合すること。 

① 対地電圧及び線間電圧が交流にあっては30V以下,直流にあっては45V以下であること。 

② 1kΩの抵抗を大地との間及び線間並びに非充電金属部と充電部との間に接続したとき,当該抵

抗に流れる電流は,商用周波数以上の周波数において感電の危険が生じるおそれがない場合を

除き,1mA以下であること。 

(c) (a)の試験の後に500V絶縁抵抗計によって測定した充電部(対地電圧及び線間電圧が交流にあって

は30V以下,直流にあっては45V以下のもの並びに1kΩの抵抗を大地との間及び線間に接続した場

合に,当該抵抗に流れる電流が1mA以下のものを除く。)と,器体の表面との間の絶縁抵抗は,0.1MΩ

background image

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

以上であること。 

表3 絶縁距離 

単位 mm 

線間電圧又は対地電圧 V 

15以下のもの 

15を超え 

50以下のもの 

50を超え 

150以下のもの 

150を超え 

300以下のもの 




沿













(5) 

使用者が接続する端子部間 

− 

使用者が接続する端子部とアース
するおそれのある非充電金属部,又
は人が触れるおそれのある非金属
部の表面との間 

− 

製造業者が接続する端子部間 

− 

製造業者が接続する端子部と,アー
スするおそれのある非充電金属部,
又は人が触れるおそれのある非金
属部の表面との間 

− 

2.5 






分 

極性が異なる充
電部間 
(開閉機構をも
つものの電線取
付端子部を含
む。) 

固定している部
分であって,じ
んあいが侵入し
にくく,かつ,
金属粉が付着し
にくい箇所 

− 

1.2 

1.5 

その他の箇所 

− 

1.5 

2.5 

充電部とアース
するおそれのあ
る非充電金属部,
又は人が触れる
おそれのある非
金属部の表面と
の間 

固定している部
分であって,じ
んあいが侵入す
るおそれがな
く,かつ,金属
粉が付着しにく
い箇所 

− 

1.2 

1.5 

その他の箇所 

− 

1.2 

2.5 

線間電圧などが15V以下の部分で,
耐湿性の絶縁被膜のあるもの 

0.5 

− 

− 

− 

線間電圧などが15V以下の部分で,
耐湿性の絶縁被膜のないもの 

1.0 

− 

− 

− 

注(5) 電源電線の取付部には,出力側電線の取付部を含む。 

5.4 

配線 配線は,次の各項に適合しなければならない。 

(1) 器体の内部配線は,次に適合すること。 

(a) 2Nの力を電線に加えた場合に,高温部に接触するおそれのあるものにあっては,接触したときに異

常が生じるおそれのないこと。 

(b) 2Nの力を電線に加えたときに,可動部に接触するおそれのないこと。ただし,危険が生じるおそれ

のない場合は,この限りでない。 

(c) 被覆をもつ電線を固定する場合,貫通孔を通す場合,又は2Nの力を電線に加えたときに他の部分

に接触する場合は,被覆を損傷しないようにすること。ただし,危険が生じるおそれのない場合に

あっては,この限りでない。 

(d) 接続器によって接続したものにあっては,5Nの力を接続した部分に加えたとき,外れないこと。た

だし,2N以上5N未満の力を加えて外れた場合において,危険が生じるおそれのない部分にあって

は,この限りでない。 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(2) 電線の取付け部は,次に適合すること。 

(a) 電線を確実に取り付けることができる構造であること。 

(b) 2本以上の電線を一つの取り付部に締め付ける場合は,それぞれの電線の間にナット又は座金を用

いてあること。ただし,圧着端子その他の器具によって確実に取り付けることのできるものは,こ

の限りでない。 

(c) 電線の取付端子ねじは,電線以外のものの取付けに兼用しないこと。ただし,電線を取り付け又は

取り外した場合に電線以外のものが脱落するおそれのないものは,この限りでない。 

(3) 半導体素子を用いて回転速度などを制御するものは,それらの半導体素子が制御能力を失ったとき,

次に適合すること。 

(a) 制御回路に接続された部品は,燃焼しないこと。ただし,当該回路に接続されている一つの部品が

燃焼した場合において他の部品が燃焼するおそれのないものにあっては,この限りでない。 

(b) アースするおそれのある非充電金属部又は露出する充電部は,次のいずれかに適合すること。 

① 対地電圧及び線間電圧が,交流にあっては30V以下,直流にあっては45V以下であること。 

② 1kΩの抵抗を大地との間及び線間並びに非充電金属部と充電部との間に接続したとき当該抵抗

に流れる電流は,商用周波数以上の周波数において感電の危険が生じるおそれのない場合を除

き,1mA以下であること。 

(c) 5.3の(2)の(c)に適合すること。 

(4) 半導体素子,コンデンサ,抵抗器などをもつ絶縁変圧器の2次側の回路,整流後の回路などにあって

は,次の試験を行ったとき,その回路に接続された部品が燃焼しないこと。ただし,当該回路に接続

されている一つの部品が燃焼した場合において,他の部品が燃焼するおそれのないものにあっては,

この限りでない。 

(a) 表示灯などにあっては,端子相互間を短絡すること,及びフィラメント端子を開放すること。 

(b) コンデンサ,半導体素子,抵抗器,変圧器,コイルその他これらに類するものにあっては,端子相

互間を短絡し,又は開放すること。 

(c) (a)及び(b)に掲げるものであって,金属製ケースに収めたものにあっては,端子と金属ケースとの間

を短絡すること。ただし,部品内部で端子に接続された部分と金属ケースとが接触するおそれのな

いものにあっては,この限りでない。 

(d) (a),(b)及び(c)の試験において短絡又は開放したとき,次に適合すること。 

(d-1) アースするおそれのある非充電金属部又は露出する充電部は,次のいずれかに適合すること。 

(d-1.1) 対地電圧及び線間電圧が交流にあっては30V以下,直流にあっては45V以下であること。 

(d-1.2) 1kΩの抵抗を大地との間及び線間並びに非充電金属部と充電部との間に接続したとき当該

抵抗に流れる電流は,商用周波数以上の周波数において感電の危険が生じるおそれのない場

合を除き,1mA以下であること。 

(d-2) 5.3の(2)の(c)に適合すること。 

(5) 導電材料は,刃及び刃受けの部分にあっては銅又は銅合金とし,その他の部分にあっては銅,銅合金,

ステンレス鋼又はめっきを施した鉄若しくは鋼,若しくはこれらと同等以上の電気的・熱的及び機械

的な安定性をもつ,さび(錆)にくいものであること。ただし,弾性を必要とする部分,その他構造

上やむを得ない部分に使用するものであって,危険が生じるおそれのないときは,この限りでない。 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.5 

電源電線など ファンコンベクタの電源電線(口出し線を含む。),器具間を接続する電線,及び機

能上やむを得ず器体の外部に露出する電線(以下,電源電線などという。)を使用するものは,JIS C 3306

に規定するビニルキャブタイヤコード,又はこれと同等以上のものを用い,その断面積は0.75mm2以上と

し,次の各項に適合しなければならない。 

(1) 電源電線などの許容電流は,その電源電線などに接続する負荷の最大使用電流以上であること。 

(2) 電源電線など(固定して使用するものであって,取り付けた状態で外部に露出しないものを除く。)は,

その器体の外方に向かって100Nの張力を連続して15秒間加えたとき,及び器体の内部に向かって器

体側から5cmの箇所を保持して押し込んだとき,その電源電線などと内部端子との接続部に張力が加

わらず,かつ,ブッシングが外れるおそれのないこと。 

(3) 電源電線などの取付端子のねじは,電源電線以外のものの取付けに兼用しないこと。ただし,電源電

線を取り付け又は取り外した場合,電源電線以外のものが脱落するおそれのないものは,この限りで

ない。 

(4) 電源電線などの貫通穴は,保護ブッシングその他の適当な保護装置を使用している場合を除き,電源

電線などを損傷するおそれがないように,面取りその他の適当な保護加工を施してあること。ただし,

貫通部が金属以外のものであって,その部分が滑らかであり,かつ,電源電線などを損傷するおそれ

のないものは,この限りでない。 

(5) 電源電線用端子ねじの材料は,銅,銅合金,ステンレス鋼又はめっきを施した鉄若しくは鋼であるこ

と。 

5.6 

アース端子及びアース線 ファンコンベクタには,見やすい箇所にJIS C 0602による表示及び次に

規定するアース用端子又はアース線を設けなければならない。ただし,器体の外部に金属が露出していな

いもの,及び電源プラグのアース用の刃でアースできる構造のものは,この限りでない。 

なお,見やすい箇所とは,通常の据付け状態において見やすい外面又は特殊な工具などを使用せず容易

に点検,工事などができる箇所をいう。ただし,埋込み形においては,埋込み工事前の状態において見や

すい箇所であればよい。 

(1) アース用端子は,次に適合すること。 

(a) アース線を容易に,かつ,確実に取り付けることができること。 

(b) アース用端子ねじの材料は,銅又は銅合金若しくは十分な機械的強度をもつさびにくい金属製のも

ので,呼び径4mm以上(押締めねじ形のものは,3.5mm以上)であること。 

(2) アース線は,次のいずれかであること。 

(a) 直径が1.6mmの軟銅線又はこれと同等以上の強さ及び太さをもつ容易に腐食しにくい金属線。 

(b) 断面積が1.25mm2以上の単心コード又は単心キャブタイヤケーブル。 

(c) 断面積が0.75mm2以上の2心コードであって,その2本の導体を両端でより合わせ,かつ,ろう付

け又は圧着したもの。 

(d) 断面積が0.75mm2以上の多心コード(より合わせコードを除く。)又は多心キャブタイヤケーブル

の線心の1。 

(3) アースの表示は,次に適合すること。 

(a) アース用端子及びアース線には,そのもの(容易に取り外せるアース用端子ねじを除く。)又はその

近傍に容易に消えない方法で,アース用である旨の表示を付けてあること。 

(b) 器体の内部のアース線を接続する端子及び電源プラグのアース用の刃に接続する線心には,容易に

消えない方法でアース用である旨の表示が付けてあること。 

background image

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.7 

風量調節器 風量調節器は,次に適合しなければならない。 

(1) 風量調節器は,開閉,速度切換えなどの操作が円滑で,電気的接触が確実であること。 

(2) 風量調節器には,開閉操作,開閉状態,速度の状態などを,文字,記号又は色によって見やすい箇所

に表示すること。ただし,表示することが困難なものは,この限りでない。 

(3) 風量調節器に,ファンコンベクタの定格周波数に等しい周波数の定格電圧に等しい電圧を加え,その

風量調節器に接続するユニットの最大負荷電流を通じ,毎分約20回の割合で5 000回開閉操作を行っ

たとき,各部に異常を生じないこと。 

6. 定格 

6.1 

定格電圧及び定格周波数 ファンコンベクタの定格電圧は,単相交流100V,単相交流200V又は三

相交流200Vとし,定格周波数は,50Hz専用,60Hz専用又は50Hz及び60Hz共用とする。 

6.2 

定格暖房能力測定条件 ファンコンベクタの定格暖房能力の測定に用いる運転条件は,表4による。 

なお,ダクト接続を前提としたファンコンベクタで,機外静圧を表示するものにあっては,所定の機外

静圧を加えた状態で試験を行う。 

表4 定格暖房能力測定条件 

温水用 

入口空気の状態 

乾球温度 

20℃ 

給水の状態 

入口温水温度 

80℃ 

温度降下 

10K 

蒸気用 

入口空気の状態 

乾球温度 

20℃ 

蒸気の状態 

飽和温度 

102℃ 

風量調節器の設定位置 

公称設定位置とする。ただし,供給電圧は,定格電圧の±2%とする。 

6.3 

定格風量測定条件 ファンコンベクタの定格風量の測定に用いる条件は,表5による。 

表5 定格風量測定条件 

入口空気乾球温度の状態 

14〜26℃ 

給水又は蒸気供給の状態 

給水及び蒸気供給しない。 

風量調節器の設定位置 

公称設定位置のときとする。 

出入口空気の静圧差 

空気を直接室内から吸い込み,直接室内に吹き出すもの。 0±2Pa 

ダクト接続形で,機外静圧を表示するもの。 

表示機外静圧±5Pa 

7. 材料 材料は,表6に示す日本工業規格に規定するもの,又はこれと同等以上の品質をもつものとす

る。 

background image

10 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表6 材料 

主要部品 

規格 

エレメントの管 

JIS H 3300のタフピッチ銅継目無管又はりん脱酸銅継目無管 

エレメントのフィン 

JIS H 4000,JIS H 4160 

エレメントのヘッダ,ディストリビュ
タ 

JIS G 3101,JIS G 3131,JIS G 3141,JIS G 3452,JIS G 5501,JIS G 5502,
JIS G 5702,JIS H 3100,JIS H 3250,JIS H 3300,JIS H 5111 

取付金具類 

JIS G 3101,JIS G 3141,JIS G 3302,JIS G 3313 



機 

ケーシング 

JIS G 3141,JIS G 3302,JIS G 3312,JIS G 3313,JIS K 6744 
プラスチック(55℃以上に耐えるもの) 

羽根 

JIS G 3141,JIS G 3302,JIS G 3313,JIS G 4051,JIS H 4000,JIS H 4040,
JIS H 4100,JIS K 6744 
プラスチック(55℃以上に耐えるもの) 

ケーシング 

JIS G 3141,JIS G 3302,JIS G 3312,JIS G 3313,JIS K 6744 
プラスチック(55℃以上に耐えるもの) 

8. 試験 

8.1 

風量試験 風量試験は,定格電圧及び定格周波数の下で,表5の条件で附属書1に規定する試験方

法によって行う。 

このときエアフィルタ,空気入口及び出口グリルなどが標準装備に装置されている場合は試験中装着し,

これらの部品が標準装備に装着されていない場合は試験中装着しないものとする。 

また,種類に応じて,それぞれ次によること。 

(1) 天井つり埋込み形にあっては,附属書1によって,エアフィルタ,空気入口ファンチャンバ,空気入

口ダクト,空気出口ダクト,空気入口グリル及び空気出口グリルを装着して行う。 

(2) 床置き埋込み形にあっては,附属書1によって,エアフィルタ,空気出口ダクト及び空気出口グリル

を装着して行う。 

(3) 天井つりカセット形においては,附属書1によって,天井パネルを装着して行う。 

8.2 

消費電力試験 消費電力試験は,定格電圧及び定格周波数の下で,表5の条件で8.1と同様の運転を

行って,電動機その他標準装置電気品を含めたファンコンベクタの消費電力を測定する。 

8.3 

暖房能力試験 暖房能力試験は定格電圧及び定格周波数の下で,表4の条件で温水用は附属書2,蒸

気用は附属書3に規定する試験方法によって行う。能力値は,上記測定値中,連続した3回以上の測定値

によって算出した能力値において,その最大値が最小値の115%以内のものの算術平均した値とする。 

なお,能力の計算は,温水用は附属書2,蒸気用は附属書3に示す計算式を用いる。エアフィルタ,空

気入口及び出口グリルその他の装着部品は,8.1の風量試験の項目に準じる。 

8.4 

通水抵抗試験 温水用ファンコンベクタの通水抵抗試験は,水温約10℃の定格通水量をファンコン

ベクタに通水した場合の出口及び入口の間の通水の静圧差を附属書2によって測定する。ただし,通水部

標準装着品は,試験時に装着するものとする。 

8.5 

電圧変動試験 電圧変動試験は,暖房運転において,電源電圧の上下10%変化させて運転を行い,

送風機の回転状態などを観察する。 

8.6 

温度試験 送風運転及び暖房運転における温度試験は,それぞれ次によって行う。 

(1) 送風運転における温度試験は,入口空気乾球温度を40℃にし,コイルに通水しないか,又は蒸気を供

給しない状態で送風運転を行って,電動機巻線の温度を抵抗法によって測定する。この場合,風量調

節器のあるものは,そのノッチを最高速度及び最低速度に設定し,それぞれ試験を行う。 

11 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

また,この試験における入口空気乾球温度は,40℃以下の常温としてもよい。この場合,電動機巻

線の温度測定値に,“40から試験時の入口空気乾球温度を差し引いた値”を加えた値が,表2の性能

を満足すること。 

(2) 暖房運転における温度試験は,8.3の暖房能力試験と同様な運転を行って,電動機巻線の温度を抵抗法

によって測定し,表2に示す測定箇所の温度を熱電対温度計によって測定する。この場合,風量調節

器のあるものはそのノッチなどを最高速度及び最低速度に設定し,それぞれ試験を行う。 

8.7 

絶縁抵抗試験 絶縁抵抗試験は,8.1の試験のすぐ後で,JIS C 1302に規定する500V,100MΩの絶

縁抵抗計を使用し,充電部とアースするおそれのある非充電金属部との間の絶縁抵抗を測定する。 

なお,半導体,電解コンデンサなどの電子機器を含む回路については,適当な絶縁抵抗計を用いて検査

するか,又はJIS C 1102に規定する2.5級以上の精度をもつ電圧計を用いて計測し,次の式によって絶縁

抵抗を算出する。 

×

×

=

1

000

000

1

)

(

)

(

x

m

e

e

E

R

M

絶縁抵抗

ここに, 

Rm: 使用電圧計の1V当たりの抵抗  (Ω) 

E: 使用電圧計のそのときの測定範囲  (V)  

e: 測定回路の常用操作電源の電圧  (V)  

ex: 当該測定箇所での電圧計の指示電圧  (V)  

この場合,電源のマイナス側を接地し,プラス側に電圧計のプラス端子を,測定箇所に電圧計のマイナ

ス端子をそれぞれつなぐ。 

8.8 

絶縁耐力試験 絶縁耐力試験は,8.7の試験に引き続いて行い,定格電圧が100Vのものは1 000V,

定格電圧が200Vのものは1 500Vの電圧を充電部と非充電金属部との間に連続して1分間加える。ただし,

定格電圧が200Vで定格出力が400W未満の電動機,コンデンサなどは1 000V,対地電圧が30V以下の回

路については500Vとする。 

8.9 

気密及び耐圧試験 気密及び耐圧試験は,コイルなどの通水部に空気,窒素又は水を用いて1MPa

の圧力を加えて,漏れ又は異常の有無を調べる。 

8.10 騒音試験 騒音試験は,ファンコンベクタを定格周波数,定格電圧の下で,附属書4に規定する試

験方法によって行う。 

9. 検査 

9.1 

形式検査 形式検査は,新規の設計製作による製品,及び改造によって新規の設計製作とみなされ

る製品について,4.〜7.の各項目の検査を行い,これに適合すること。 

9.2 

製品検査 製品検査は,次の各項について行う。 

(1) 構造及び外観検査 構造及び外観は,5.の5.1の(3),(4)及び(5)の規定に適合すること。 

(2) 漏れ検査 漏れは,4.の気密性及び耐圧性の規定に適合すること。 

10. 表示 

10.1 製品に表示する事項 製品には,シールなどによって見やすい箇所に,次の事項を表示しなければ

ならない。 

なお,見やすい所とは,通常の据付け状態において見やすい外面又は特殊な工具などを使用せずに容易

に操作点検ができるふたで覆われた外郭内部の表面をいう。ただし,埋込み形は,据付け以前の状態で見

background image

12 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

やすい場所に表示すればよい。 

(1) 製造業者の形式の呼び 

(2) 定格電圧 (V)  

(3) 相数 

(4) 定格周波数 (Hz)  

(5) 定格消費電力 (W)  

(6) 製造業者名又はその略号 

(7) 製造年若しくは製造番号又はそれらの略号 

10.2 カタログ又は技術資料などに表示する事項 カタログ,技術資料などには,表7に示す事項を記載

する。ただし,“定格条件以外の運転条件における能力”については,必要に応じて記載する。 

表7 カタログ,技術資料などに表示する事項 

表示項目 

表示内容 

単位 

摘要 

種類及び形式 

種類及び製造業者の呼称,型式 

− 

− 

外形寸法 

幅×高さ×奥行き 

mm 

− 

外形図 

正面図,側面図,平面図又は見取り図若しくはこれ
らに準じる図面 

− 

− 

質量 

伝熱媒体を含まない状態での製品質量 

kg 

− 

熱交換器内容積 

エレメント内の保有水量 

cm3 

温水用に限る。 

最高使用圧力(温水) 

使用し得る最高圧力(ゲージ圧力) 

MPa 

温水用に限る。 

最高使用圧力(蒸気) 

使用し得る最高圧力(ゲージ圧力) 

MPa 

蒸気用に限る。 

取付寸法 

取付け,設置などの寸法(配管位置,本体固定位置
を含む。) 

mm 

− 

接続口径寸法 

接続口径(JIS呼称又はmmで表示) 

− 

− 

主要部材質 

エレメント,パネル,ケーシングなど主要部の材質 

− 

− 

表面仕上げ 

外装部の塗装など表面処理,色彩 

− 

− 

電気配線図 

配線接続図 

− 

− 

定格暖房能力 

定格暖房能力及び測定条件(入口空気温度及び入口
温水温度又は蒸気圧力) 

kW 

− 

定格通水量 

定格通水量 

l/min 

温水用に限る。 

凝縮水量 

凝縮水量 

kg/h 

蒸気用に限る。 

定格通水抵抗 

定格通水抵抗 

kPa 

温水用に限る。 

定格風量 

定格風量 

m3/min 

− 

機外静圧 

機外静圧 

Pa 

ダクト接続形で機外静圧
を表示するものに限る。 

定格電圧 

定格電圧 

− 

定格周波数 

定格周波数 

Hz 

− 

定格消費電力 

定格消費電力 

− 

騒音レベル 

騒音レベル 

dB 

− 

定格条件以外の運転条
件における能力 (6) 

空気温度,温水温度,通水量,蒸気圧力などが定格
条件と異なる場合における暖房能力,通水抵抗など。 
 また,風量可変形のものについては,各ノッチに
おける風量及びそのときの暖房能力。 

− 

− 

注(6) 定格条件以外の運転条件における能力は,ファンコンベクタを環境暖房用として使用する場合に通常遭遇す

る範囲内の条件における能力値などを提示し,設備設計者などに機器選定や暖房システムの設計の際の便を
図ることを目的とするもので,例としては通水抵抗を基準とした温水暖房能力線図などがある。 

10.3 施工者用取扱説明書に表示する事項 施工者用取扱説明書(工事説明書)には,表8に示す事項を

記載する。 

background image

13 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表8 施工者用取扱説明書(工事説明書)に表示する事項 

表示項目 

表示内容の主なもの 

標準構成図及び各部の名称 

主要部品の名称,工事に関係する寸法及び質量。 

附属部品の明細 

附属部品の名称及び数量。 

据付場所,環境 

据付構造体の強度,海岸地帯,高湿度など特殊環境での使用について。 

本体の取付け,据付け 

本体の取付方法。水平度。アンカーボルト・つりボルトサイズ。 

配管 

水配管,蒸気配管など配管方法,配管上の注意事項。配管の断熱処理。 

電気配線 

接続図に従った配線,電線の太さ,アース接続。電気関係法規に従った施工。 

ダクト接続 

ダクトの接続方法,断熱材の処理(ダクトを接続するものに限る。)。 

試運転前の操作,準備 

配線,配管のチェック,機内の点検。エア抜き操作(温水用に限る。)。 

試運転 

異常音,異常振動のチェック。スイッチ操作,風量変化の確認。 

水質,水量,圧力 

水質基準,通水量の限度。開放形蓄熱槽系温水及びインヒビター使用上の注意。 

10.4 使用者用取扱説明書に表示する事項 使用者用取扱説明書には,表9に示す事項を記載する。 

なお,施工者用取扱説明書と使用者用取扱説明書を兼ねる取扱説明書の場合は,重複する項目は,二重

の表示を避ける。 

表9 使用者用取扱説明書に表示する事項 

表示項目 

表示内容の主なもの 

各部の名称及び働き 

主要部品の名称及び機能。 

運転方法 

一般事項,スイッチ操作,風向調整,室温調整。 

保守点検,日常の手入れ方法 

エアフィルタの清掃,ケーシングの清掃。手入れのときの注意事項。 

運転上,使用上の注意事項,上手な使い方 吸込み口,吹出し口をふさがない,などの注意。適正室温に調節。適正

室温の目安。 

凍結防止法 

寒冷地での運転停止時における凍結防止方法。 

騒音 

騒音値は,設置場所周囲の反響などによってカタログなどの表示値より
大きくなる旨。 

長期間運転を停止するときの処置 

フィルタの清掃,機器の清掃,内部点検。 

換気に関する注意 

窓を開ける,換気扇を回す,などの注意。 

修理を依頼される前に 

簡単な故障の見分け方及び処置方法。 

故障時の連絡事項 

機種名,型式,製造番号,故障の状態,部位など。建物名,電話,住所,
氏名。 

緊急停止の方法 

バルブを締める,電源を切る,などの処置方法。 

交換を要する部品 

エアフィルタなど消耗部品について。 

故障時の連絡先,サービスセンター 

販売代理店サービス窓口,製造業者のサービスセンターの電話・住所・
FAX。 

補修用性能部品の保有期間 

“弊社では,製造打ち切り後○○年間保有しています。” 

補修用性能部品の供給先 

パーツセンターの電話・住所・FAX。 

熱源 

最高使用水圧。温水の使用温度範囲。使用蒸気圧力の限度。 

水質,水量 

水質の基準と維持。通水量の限度。開放形蓄熱槽系温水及びインヒビタ
ー使用上の注意。 

電源 

電源電圧,周波数,定格電圧±10%の範囲で使用可。 

background image

14 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1 ファンコンベクタの風量試験方法 

1. 適用範囲 この附属書は,ファンコンベクタの風量試験方法について規定する。 

2. 測定計器 

2.1 

温湿度測定計器 温湿度測定計器は,あらかじめ校正された水銀封入ガラス製温度計,熱電対温度

計,抵抗温度計,サーミスタ温度計などを使用する。 

これらの温湿度計の最小目盛の値及び精度は,附属書1表1に示す範囲内とする。 

なお,湿度測定は,湿球上で4〜10m/s,平均5m/s前後の風速を保つものとし,蒸発が平衡になるまで,

十分な時間を経た後,測定するものとする。 

2.2 

風量測定計器 風量測定は,オリフィス又はノズル前後の差圧をマノメータを用いて測定するか,

又は渦流量計を用いて測定する。 

このマノメータの精度は,附属書1表1に示す範囲内とする。 

2.3 

その他の計器 空気の圧力測定は,マノメータを用いる。回転数は,電気式回転数計など,測定に

当たってファン回転数に影響を及ぼさないような計器を用いる。 

これら空気圧力測定,回転数測定のそれぞれの計器並びに電気系測定の各計器の最小目盛の値及び精度

は,附属書1表1に示す範囲内とする。 

附属書1表1 測定計器の1目盛の値及び精度 

測定項目 

計器 

最小目盛の値 

精度(1) 

温湿度測定 

乾球温度計 

空気乾球及び湿球温度用 

0.1℃以下 

±0.1℃ 

湿球温度計 

一般温度用 

1℃以下 

±0.5℃ 

風量測定 

マノメータ 

− 

±0.5% 

渦流量計 

− 

±2% 

空気圧力測定 

マノメータ 

2Pa以下 

±1Pa 

回転数測定 

回転数計 

− 

±2% 

電気系測定 

電圧計 

− 

±2% 

電流計 

− 

±2% 

電力計 

− 

±2% 

周波数計 

− 

±0.5Hz 

注(1) 

精度とは,計測値における測定計器の精度をいう。 

3. 風量測定装置 ファンコンベクタの風量及び静圧は,附属書1図1(a),附属書1図1(b)若しくは附属

書1図1(c)に示す測定装置,又はこれらに準じる測定装置によって測定する。 

background image

15 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1図1(a) 風量試験装置(オリフィスによる差圧流量計を用いる例) 

附属書1図1(b) 風量試験装置(ノズルによる差圧流量計を用いる例) 

background image

16 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1図1(c) 風量試験装置(渦流量計を用いる例) 

(1) 平衡接続管及び入口チャンバ ファンコンベクタの出口空気の静圧をファンコンベクタ空気出口直後

で測定する場合は,空気出口内のりと同断面で,かつ,長さ100mm以上の直管を平衡接続管として

取り付ける。 

また,これを入口チャンバにおいて測定する場合は,平衡接続管を用いないものとし,やむを得ず

用いるときは,前記100mmに関係なく,なるべく短いものを用いる。 

なお,いずれの場合にもなるべく気流を妨げず,かつ,接続部から空気の漏れのないように考慮す

る。 

入口チャンバは,ファンコンベクタの風量を流れに直角なチャンバ断面積で除した平均通過風速が

1.2m/s以下になる断面積をもつものとする。もし,入口チャンバ内で流れが直角に曲がる場合は,そ

のいずれの流れについても1.2m/s以下であること。 

(2) 出口空気の静圧測定装置 出口空気の静圧をファンコンベクタ空気出口直後で測定しようとするとき

は,平衡接続管の内壁の同一断面の四囲に最小各1点ずつ,計4点以上の静圧測定孔を設け,大気圧

との差圧をとる。 

出口空気の静圧を入口チャンバにおいて測定しようとするときは,入口チャンバの内壁の,ユニッ

トからの吹出気流と直角な同一断面の四囲ないし三囲に最少各1点ずつ,計3点以上に静圧測定孔を

設け,大気圧との差圧をとる。静圧測定孔は,内径5mm以下とし,壁面と直角に開口し,かつ,開

口部は滑らかなものとする。 

いずれの場合も,測定されたそれぞれの静圧値に±1Pa以上の差異があってはならない。 

また,入口チャンバ下流に均圧板を設置し,かつ,均圧板の入口又は出口断面における空気の最大

風速値を,その断面における平均風速値の140%以下に保たなければならない。 

(3) 風量計測装置 風量の測定は,マノメータをもつオリフィス若しくはノズルの差圧式流量計を用いる

か,又は渦流量計を用いる。オリフィスは,JIS B 8330又はJIS Z 8762に規定するものであること。 

background image

17 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

また,ノズルは,附属書1図2(a)に示すものを用いるか,又はこれに準じるものを用いる。 

渦流量計は,JIS Z 8766に規定するものを用いる。 

また,使用する渦流量計の最大流量と最小流量との間で計測するように,流量計及び試験管路を選

ぶ。 

附属書1図2(a) 4分長円ノズル(ノズル入口部が長円の41の輪郭をもつ)の例 

附属書1図1(a)は,オリフィスを用いた例で,オリフィスを入口チャンバ下流の試験管路内に設け

る。オリフィスの上流及び下流に空気流を整えるための整流格子を設け,更に下流部にはファンを設

ける。 

附属書1図1(b)は,ノズルを用いた例で,ノズルを入口チャンバ下流の風量測定チャンバ内に設け

る。ノズルの上流及び下流に空気流を整えるための均圧板及び整流板をそれぞれ設け,空気流は,更

に下流に設けられた出口チャンバを介し,ファンによって排気する。 

ノズルは,附属書1図2(a)のような形状をもつものとし,内面を十分滑らかに仕上げ,φDの公差は,

0.002Dとする。 

また,ノズルは,附属書1図2(b)に従って,1個又は複数個取り付けるものとする。 

なお,異なる口径のノズルを混用するとき,附属書1図2(b)に示すように,最大口径のノズルを基

準として考える。 

附属書1図2(b) ノズルの配置及びチャンバの寸法 

background image

18 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1図1(a),附属書1図1(b)のいずれの場合にも,ノズル又はオリフィス前後の圧力測定は,

いずれも風量測定チャンバ又は試験管路の壁面上に,同一断面上,互いに90度間隔になるようなそれ

ぞれ4点から検出するものとし,検出孔は,内径5mm以下で壁面に直角に開口し,かつ,開口部は

滑らかなものとする。その4点の測定値に感知し得るような差異があってはならない。オリフィス又

はノズルの口径は,その前後で測定する差圧が140Pa以上になるように選ぶ。 

附属書1図1(c)は,渦流量計を用いた例である。渦流量計の配置は,オリフィスを用いた場合と同

様とするが,渦流量計前後に設ける上流側直管長及び下流側直管長は,使用する渦流量計の製造業者

が推奨する長さ以上とする。 

また,渦流量計は,JIS Z 8766に基づき校正されたものを用いる。 

ファン(補助送風機)吐出し部には,調節用ダンパを設けて静圧の調節を行う。 

なお,静圧の調節は,ファン(補助送風機)の回転数制御によって行ってもよい。 

いずれの場合も装置は,ファンコンベクタから風量測定位置までの間,使用圧力範囲内で漏れのな

いことを確認しなければならない。 

均圧板は,パンチングメタルを2〜3枚重ねるなど,適当な抵抗をつけて整流するものを用いるとよ

い。 

(4) 出口チャンバ 出口チャンバは測定中,ファン,風量の安定を妨げるおそれのない寸法及び構造であ

ること。 

(5) 天井つり埋込み形の測定 天井つり埋込み形の測定については,本体8.1によって附属書1図3(a)に

示すように,エアフィルタ,空気入口グリル,空気出口グリル,空気入口ファンチャンバ,空気入口

ダクト及び空気出口ダクトを装着するものとする。 

エアフィルタ,空気入口グリル,空気出口グリル及び空気入口ファンチャンバは,いずれもそのフ

ァンコンベクタにつき製造業者が標準として定めているものを用いる。 

なお,空気入口ダクトは,空気入口グリルとファンコンベクタ本体の空気入口とを,また,空気出

口は,空気出口グリルとファンコンベクタ本体の空気出口とを,それぞれ直線的に連結するものとし,

入口側及び出口側共に150mmの長さとする。 

また,空気入口ファンチャンバが標準装備として装着されていない場合は,空気入口ファンチャン

バに相当するチャンバを装着して測定する。 

附属書1図3(a) 天井つり埋込み形の,測定装置との接続例 

background image

19 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(6) 床置き埋込み形の測定 床置き埋込み形の測定については,本体8.1によって附属書1図3(b)に示す

ように,エアフィルタ,空気出口グリル,空気出口ダクトを装置するものとする。エアフィルタ,空

気出口グリルについては,いずれも製造業者が標準と定めているものを用いる。空気出口ダクトは,

空気出口グリルとファンコンベクタ本体出口を直線的に連結するものとし,附属書1図3(b)に示すよ

うに150mmの長さとする。 

湿球温度計の測定部付近の風速は,約5m/s (4〜10m/s) とすること。 

また,ファンモータの熱が入口空気温湿度の測定やその後の風量,温度の測定に影響がないように

考慮する。 

附属書1図3(b) 床置き埋込み形の,測定装置との接続例 

(7) 天井つりカセット形の測定 天井つりカセット形の測定については,その吹出し方向などに応じて,

附属書1図4(a)〜附属書1図4(f)に示す装置によって測定する。 

吹出し空気の風量を測定する場合は,附属書1図4(a),附属書1図4(b),附属書1図4(c)又は附属

書1図4(d),吸込み空気の風量を測定する場合は附属書1図4(e)又は附属書1図4(f)に示す測定装置,

若しくはこれらに準じる測定装置によって測定する。 

なお,1方向吹出し形のものについては,附属書1図1(a),附属書1図1(b)若しくは附属書1図1(c)

に示す装置によって測定するものとする。 

また,供試ファンコンベクタのグリル,ルーバなどが可変のものについては,製造業者が標準とす

る位置とし,自動ルーバをもつものは,同様の位置に固定とする。 

附属書1図4(a)及び附属書1図4(b)に示す平衡チャンバは,ファンコンベクタの空気出口グリル全

体を覆うチャンバとし,ファンコンベクタの風量を流れに直角なチャンバ有効断面積で除した平均通

過風速が1.2m/s以下になる断面積をもつものとする。もし平衡チャンバ内で流れが直角に曲がる場合

は,そのいずれの流れについても1.2m/s以下であること。ここでいうチャンバ有効断面積とは,チャ

ンバ断面積からチャンバ内にあるファンコンベクタの断面積を差し引いたものとする。 

background image

20 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1図4(a) 天井つりカセット形の風量試験装置(吹出し側風量の測定) 

附属書1図4(b) 天井つりカセット形の風量試験装置(吹出し側風量の測定) 

background image

21 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1図4(c) 天井つりカセット形の風量試験装置(吹出し側風量の測定) 

附属書1図4(d) 天井つりカセット形の風量試験装置(吹出し側風量の測定) 

附属書1図4(e) 天井つりカセット形の風量試験装置(吸込み側風量の測定) 

background image

22 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1図4(f) 天井つりカセット形の風量試験装置(吸込み側風量の測定) 

4. 試験状態 

4.1 

標準状態 標準状態とは,次の空気状態をいう。 

空気温度:20℃ 

絶対圧力:101.32kPa 

相対湿度:75% 

4.2 

風量測定試験の実施が許される状態及び風量の補正 ファンコンベクタの風量試験は,本体表5に

示す定格風量測定条件に示す範囲の空気温度の状態とする。 

なお,試験時の状態が,標準状態と異なる場合には,6.1に示す計算式によって標準状態の風量に換算す

る。 

4.3 

その他の試験条件 ファンコンベクタは,定格周波数,定格電圧で運転するものとする。 

5. 試験操作 

5.1 

試験準備 風量の測定は10分間にわたってファンコンベクタを運転し,送風機の回転数が安定して

から始める。 

ファン(補助送風機)の調節用ダンパ又はファンの回転数を調節し,平衡接続管又は平衡チャンバと大

気圧との静圧差(入口及び出口空気の静圧差)が,4.2に示す状態になるようにする。 

5.2 

大気圧及び回転数の測定 大気圧及びファンモータの回転数は,試験中又は試験終了直後に少なく

とも1回測定する。 

5.3 

入口空気の温度及び湿度の測定 ファンコンベクタの空気入口付近で,空気の温度及び湿度を測定

する。 

また,サンプリングチューブを用いて,オリフィス又はノズル直前の空気の温度を測定する。 

5.4 

出口空気の静圧の測定 入口チャンバ内と大気圧との差圧,平衡接続管と大気圧との差圧又は平衡

チャンバと大気圧との差圧を測定する。 

23 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.5 

ノズル又はオリフィスの直前・直後の圧力差の測定 ノズル又はオリフィス直前及び直後の差圧を

マノメータによって測定する。 

5.6 

渦流量計による風量の測定 渦流量計を用いる場合は,流量変換器からの出力を,ディジタル表示

器などに接続して風量を直読するか,又は記録計に接続して結果を記録する。 

6. 試験結果のまとめ 

6.1 

風量の計算 風量は,標準空気状態に換算した風量で表し,測定されたオリフィス又はノズルの前

後圧力差から,次の式によって算出する。 

n

n

s

h

a

Q

ρ

ε

α

2

60

=

 ·································································· (1)  

273

47

.3

+

=

n

n

n

t

P

ρ

 ······································································ (2)  

ここに, 

Qs: 標準空気状態に換算した風量 (m3/min)  

α: 流量係数 

ε: 空気の膨張による修正係数 

a: オリフィス又はノズルの開口面積 (m2)  

hn: オリフィス又はノズル直前・直後の圧力差 (Pa)  

ρn: オリフィス又はノズル直前の空気の密度 (kg/m3)  

Pn: オリフィス又はノズル直前の絶対圧力 (kPa)  

tn: オリフィス又はノズル直前の空気の温度 (℃)  

なお,標準状態における空気の密度は,1.20kg/m3とする。 

α・εについては,JIS B 8330に規定されたオリフィス又はノズルを用いた場合には,JIS B 8330に規定

された値を用いる。 

また,附属書1図2(a)及び附属書1図2(b)に示されたノズルを用いる場合は,α・ε=0.990とする。 

ρnは,Pn=101.32±1kPa,かつ,tn=20±2.5℃の場合は,1.20kg/m3としてよい。 

なお,tnは,ファンコンベクタの入口空気の温度に等しいとして差し支えない。 

渦流量計を用いる場合も,同様に標準状態の風量に換算する。 

background image

24 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書2 温水用ファンコンベクタの暖房能力試験方法 

1. 適用範囲 この附属書は,温水用ファンコンベクタの暖房能力試験方法について規定する。 

2. 試験室 ファンコンベクタの状態を一定に保つために,試験室を設ける。試験室の大きさは,暖房能

力の測定に支障のない大きさとする。 

3. 測定計器 

3.1 

温度測定計器 温度測定計器は,あらかじめ校正された水銀封入ガラス製温度計,熱電対温度計,

抵抗温度計,サーミスタ温度計などを使用する。 

これらの温度計の最小目盛の値及び精度は,附属書2表1に示す範囲内とする。 

3.2 

水量測定計器 水量の測定は,流量計,オリフィスメータ又は質量若しくは体積を直接測定する水

量計を用いる。水量測定計器の最小目盛の値及び精度は,その水量において附属書2表1に示す範囲内と

する。 

3.3 

その他の計器 空気の圧力測定は,マノメータを用いる。回転数は,電気式回転数計など,測定に

当たってファン回転数に影響を及ぼさないような計器を用いる。 

これら空気圧力測定,回転数測定のそれぞれの計器及び電気系測定の各計器の最小目盛の値及び精度は,

附属書2表1に示す範囲内とする。 

水の圧力測定は,圧力計を用いる。圧力計は,計測した水圧に対して5%の水圧を読み取れる最小目盛

をもつものとする。 

附属書2表1 測定計器の1目盛の値及び精度 

測定項目 

計器 

最小目盛の値 

精度(1) 

温度測定 

温度計 

空気乾球温度用 

0.1℃以下 

±0.1℃ 

温水温度用 

0.1℃以下 

±0.1℃ 

一般温度用 

1℃以下 

±0.5℃ 

水量測定 

水量計 

質量計 

5g以下 

±0.5% 

容積計 

5cm3以下 

±0.5% 

時計 

0.1s以下 

±0.5% 

流量計 

計測値の5%以下 

±5% 

空気圧力測定 

マノメータ 

2Pa以下 

±1Pa 

通水抵抗測定 

圧力計 

計測値の5%以下 

±5% 

回転数測定 

回転数計 

− 

±2% 

電気系測定 

電圧計 

− 

±2% 

電流計 

− 

±2% 

電力計 

− 

±2% 

周波数計 

− 

±0.5Hz 

注(1) 精度とは,計測値における測定計器の精度をいう。 

4. 試験装置 

4.1 

試験装置全般 試験装置全般の構成は,附属書2図1の例による。 

background image

25 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書2図1 試験装置全般の構成例 

4.2 

温水供給源 温水供給源は,試験中安定した温度と水量を保持して温水を供給できるものとする。 

4.3 

管系 管系は,適所に管内の空気泡が目視できる構造とし,空気抜きその他必要なものを設け,試

験中,水に空気泡が混入していないことを確認できるものとする。 

4.4 

暖房能力測定装置 ファンコンベクタの暖房能力測定は,床置き露出形及び天井つり露出形の場合

はそのまま,床置き埋込み形の場合は附属書2図2(a)に示す状態で,天井つり埋込み形の場合は附属書2

図2(b)に示す状態で,天井つりカセット形の場合は附属書2図2(c)に示す状態で,また,天井つり埋込み

形で機外静圧を表示するものにあっては附属書2図2(d)に示す状態で,それぞれの図に示す測定装置,又

はこれに準じる測定装置によって,入口空気の乾球温度,熱源とする温水の通水量,温水入口温度及び温

水出口温度を測定するものとする。 

(1) 入口空気温度の測定 ファンコンベクタの空気入口から150mm以上離れ,かつ,入口空気の流れを

妨げないように取り付けられた温度計によって測定する。 

また,ファンモータの熱が入口空気温度の測定に影響がないように考慮する。 

(2) 水量の測定 水量は,重量法で測定するか,水量計又はオリフィスメータによって計測する。容積又

は重量法による水量測定法では,少なくとも2分間の流量を蓄積できる容器を設けて計測しなければ

ならない。 

また,水量測定を重量法で行う場合には,試験中流れている温水量が安定していることを確認する

ために,瞬間流量計又はオリフィスメータを併設する。 

なお,水量測定装置は,計測した水量に対して2%の水量を読み取れる最小目盛をもつものを使用

する。 

background image

26 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(3) 水温測定装置 ファンコンベクタのコイルの温水入口及び温水出口にそれぞれできるだけ近い位置で,

温度計,温度センサなどを用いて水温を測定する。 

(4) 配管の保温 温度測定装置及び温度測定装置とファンコンベクタとの間の配管並びに温度測定装置を

超えて150mmの間の配管は,いずれも保温するものとする。 

(5) 機外静圧の測定 天井つり埋込み形で機外静圧を表示するものにあっては,附属書2図2(d)に示すよ

うに空気出口ダクト,調節用ダンパ及び機外静圧測定用マノメータをセットして,コイルに通水しな

い状態での機外静圧を測定する。そして,この機外静圧が所定の値になるように調節用ダンパを調節

し,その状態でファンコンベクタを運転して暖房能力の測定を行う。 

なお,コイルに通水した状態では,機外静圧の測定は行わない。 

また,調節用ダンパを調節して所定の機外静圧に設定したとき,同時に送風機の回転数を測定し,

風量試験のときに記録した回転数と一致することを確認する。 

附属書2図2(a) 床置き埋込み形の場合の試験室内での設置状態 

background image

27 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書2図2(b) 天井つり埋込み形の場合の試験室内での設置状態 

附属書2図2(c) 天井つりカセット形の場合の試験室内での設置状態 

background image

28 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書2図2(d) 天井つり埋込み形で,機外静圧を表示する機種の場合の試験室内での設置状態 

4.5 

通水抵抗測定装置 附属書2図3に,水圧測定用圧力検出部の例を示す。 

入口及び出口の圧力検出部とファンコンベクタの温水入口及び出口との距離は,なるべく近付けるもの

とし,かつ,それぞれの検出部の上流部には配管内径の25倍以上の直管部を,また,下流部には200mm

以上の直管部を設けるものとする。 

附属書2図3 水圧測定用圧力検出部の例 

background image

29 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5. 試験状態 

5.1 

標準状態 標準状態における試験は,次の条件(本体表4に示す定格暖房能力測定条件)で行う。 

入口空気乾球温度 

:20℃ 

入口温水温度 

:80℃ 

温水温度降下(2) 

:10K 

風量調節器の設定位置 

:公称設定位置とする。 

機外静圧 

:表示機外静圧のときとする(ダクト接続形で,機外静圧を表示するもの

に限る。)。ただし,コイルに通水しない状態での静圧値とする。 

注(2) 量産品の能力確認試験として行う場合は,定格通水量を通水して行う。 

5.2 

標準状態に準じる状態として試験が許される範囲及び能力値の補正 試験時における入口空気温度

及び水入口温度は,標準状態又は標準状態に近い温度に調節することが望ましいが,標準状態に調節でき

ない場合には,附属書2表2に示す範囲で,入口空気温度及び入口温水温度を変えて試験を行ってよい。 

なお,この場合の試験状態における暖房能力は,7.2に示す計算式によって,標準状態の熱量に換算する。 

附属書2表2 暖房能力試験が許される入口空気温度及び入口温水温度の範囲 

入口空気乾球温度 

10〜30℃ 

入口温水温度 

50〜90℃ 

6. 試験操作 

6.1 

試験準備 暖房能力の測定は,10分間以上にわたって入口空気温度,入口温水温度,出口温水温度

及び温水流量が,ほぼ一定になってから始める。天井つり埋込み形などで機外静圧を表示するものにあっ

ては,通水する前にファンを運転し,空気出口ダクト先端に設けた調節用ダンパによって所定の機外静圧

値に調節する。このときファン回転数を測定し,附属書1で行った風量試験時の回転数と一致することを

確認する。その後,調節用ダンパはそのままの状態で,通水して暖房能力試験を行う。 

6.2 

試験時間 暖房能力測定は,30分間以上続ける。 

6.3 

通水抵抗の測定 暖房能力の測定の前に,ファンコンベクタの水入口及び水出口の圧力並びに通水

量を計測する。 

通水抵抗は,水入口温度が18℃以下の水を通水してファンを運転しない状態で測定する。 

なお,この場合の通水抵抗は,7.5に示す計算式で標準状態における通水抵抗(水温約10℃における通

水抵抗)に換算する。 

6.4 

暖房能力の測定 計測は5分間隔で行い,入口空気温度,入口温水温度,出口温水温度及び温水流

量を一斉に計測する。 

6.5 

大気圧及び回転数の記録 大気圧及びファンモータの回転数は,試験中少なくとも1回測定する。 

7. 試験結果のまとめ 試験結果に基づく暖房能力の算出は,以下による。 

7.1 

試験状態における暖房能力 試験状態における暖房能力は,次の式によって算出する。 

qh='Cp・mw' (tw1-tw2) +w ································································ (1)  

ここに, 

qh': 試験状態における暖房能力 (kW)  

CP: 平均水温 (tw2+tw1) /2に対する水の比熱[kJ/(kg・K)] 

mw': 水の質量流量 (kg/s)  

tw1: 温水入口温度 (℃)  

tw2: 温水出口温度 (℃)  

w: 暖房能力試験時のファンコンベクタの消費電力 (kW)  

background image

30 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7.2 

標準状態における暖房能力への換算 標準状態における暖房能力は,7.1で算出した数値を用いて,

次の式によって算出する。 

w

t

t

w

q

q

DB

W

h

h

+

=

1

1

20

80

 ····················································· (2)  

ここに, 

qh: 定格暖房能力 (kW)  

qh': 7.1で算出した試験状態における暖房能力 (kW)  

t1DB: 暖房能力試験時のファンコンベクタ入口空気乾球温度 (℃)  

tw1: 暖房能力試験時の温水入口温度 (℃)  

w: 暖房能力試験時のファンコンベクタの消費電力 (kW)  

7.3 

定格通水量 定格通水量は,暖房能力試験で測定した値を用い,次の式によって算出する。 

mw= (qh-w) /CP (tw1-tw2) ································································· (3)  

QW=60・1 000・mw/ρ ····································································· (4)  

ここに, 

mw: 水の質量流量 (kg/s)  

qh: 定格暖房能力 (kW)  

w: 暖房能力試験時のファンコンベクタの消費電力 (kW)  

CP: 平均水温 (tw2+tw1) /2に対する水の比熱 [(kJ/ (kg・K)]  

tw1: 温水入口温度 (℃)  

tw2: 温水出口温度 (℃)  

QW: 定格通水量 (l/min) 

ρ: 平均水温に対する水の密度 (kg/m3)  

7.4 

試験状態における通水抵抗 試験状態における通水抵抗は,測定した検出部の圧力差から,検出部

とファンコンベクタ間の配管損失及び両検出部の高さの差の補正を差し引いた値とする。 

配管損失の算出は,実測値又は計算による。 

7.5 

定格通水抵抗 定格通水抵抗は,7.4で算出した数値を用いて,次の式によって算出する。 

HP=HP'・KW ················································································ (5)  

ここに, 

HP: 定格通水抵抗 (kPa)  

HP': 7.4で算出した試験状態における通水抵抗 (kPa)  

KW: 水入口温度に対する通水抵抗補正係数(附属書2図4による。) 

附属書2図4 通水抵抗補正係数 

background image

31 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書3 蒸気用ファンコンベクタの暖房能力試験方法 

1. 適用範囲 この附属書は,蒸気用ファンコンベクタの暖房能力試験方法について規定する。 

2. 試験室 ファンコンベクタの状態を一定に保つために,試験室を設ける。試験室の大きさは,暖房能

力の測定に支障のない大きさとする。 

3. 測定計器 

3.1 

温度測定計器 温度測定計器は,あらかじめ校正された水銀封入ガラス製温度計,熱電対温度計,

抵抗温度計,サーミスタ温度計などを使用する。 

これらの温度計の最小目盛の値及び精度は,附属書3表1に示す範囲内とする。 

3.2 

凝縮水量測定計器 凝縮水量の測定は,質量又は体積を直接測定する水量計を用いる。水量測定計

器の最小目盛の値及び精度は,その水量において附属書3表1に示す範囲内とする。 

3.3 

その他の計器 空気の圧力測定は,マノメータを用いる。回転数は,電気式回転数計など,測定に

当たってファン回転数に影響を及ぼさないような計器を用いる。 

これら空気圧力測定,回転数測定のそれぞれの計器並びに電気系測定の各計器の最小目盛の値及び精度

は,附属書3表1に示す範囲内とする。 

附属書3表1 測定計器の1目盛の値及び精度 

測定項目 

計器 

最小目盛の値 

精度(1) 

温度測定 

温度計 

空気乾球温度用 

0.1℃以下 

±0.1℃ 

蒸気温度・凝縮水温度用  0.1℃以下 

±0.1℃ 

一般温度用 

1℃以下 

±0.5℃ 

凝縮水量測定 

水量計 

質量計 

5g以下 

±0.5% 

容積計 

5cm3以下 

±0.5% 

時計 

0.1s以下 

±0.5% 

空気圧力測定 

マノメータ 

2Pa以下 

±1Pa 

回転数測定 

回転数計 

− 

±2% 

電気系測定 

電圧計 

− 

±2% 

電流計 

− 

±2% 

電力計 

− 

±2% 

周波数計 

− 

±0.5Hz 

注(1) 精度とは,計測値における測定計器の精度をいう。 

4. 試験装置 

4.1 

試験装置全般 試験装置全般の構成は,附属書3図1の例による。 

background image

32 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書3図1 試験装置全般の構成例 

4.2 

蒸気供給源 蒸気供給源は,試験中安定した温度と圧力を保持して蒸気を供給できるものとする。 

4.3 

水滴分離器及び絞り弁 水滴分離器は,適切な容量のものとし,絞り弁は,精細に調節できるもの

を用いる。 

なお,水滴分離器からファンコンベクタまでの蒸気供給管は,できるだけ短くし,600mmを超えないよ

うにする。 

4.4 

凝縮水取出し管 ファンコンベクタからの凝縮水取出し管は,凝縮水の流出を確実にするために,

凝縮水受け(レシーバ)に向かって傾斜を付け,その長さは600mmを超えないようにし,かつ,その間

にはバルブ類及びトラップを設けてはならない。 

4.5 

凝縮水受け及び出口調節弁 凝縮水受けは,内径50mm以下,長さ350mm以下のもので,直接水面

が見やすいようにするか,又は水面計を取り付ける。出口調節弁は,精細に調節できるものを用いる。 

4.6 

暖房能力測定装置 ファンコンベクタの暖房能力測定は,床置き露出形及び天井つり露出形の場合

はそのまま,床置き埋込み形の場合は附属書3図2(a)に示す状態で,天井つり埋込み形の場合は附属書3

図2(b)に示す状態で,天井つりカセット形の場合は附属書3図2(c)に示す状態で,また,天井つり埋込み

形で機外静圧を表示するものにあっては附属書3図2(d)に示す状態で,それぞれの図に示す測定装置又は

これに準じる測定装置によって,入口空気の乾球温度,熱源とする蒸気の温度及び圧力並びに凝縮水量及

び凝縮水温度を測定するものとする。 

(1) 入口空気の温度の測定 ファンコンベクタの空気入口から150mm以上離れ,かつ,入口空気の流れ

を妨げないように取り付けられた温度計によって測定する。 

また,ファンモータの熱が入口空気温度の測定に影響がないように考慮する。 

(2) 蒸気圧力計及び蒸気温度計 ファンコンベクタ入口の蒸気状態を測定する圧力計及び温度計は,絞り

background image

33 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

弁の後に取り付け,温度計とファンコンベクタの蒸気入口との間隔は150mm以内とし,温度計の感

熱部が蒸気主流に触れるように配置する。圧力計及び温度計は,あらかじめ校正されたものを用いる。 

(3) 凝縮水量の測定 容積又は重量法による水量測定法では,少なくとも10分間の凝縮水量を蓄積できる

容器を設けて計測しなければならない。 

(4) 配管の保温 水滴分離器,凝縮水受け及びその間の管系などはすべて,適当な保温材を用いて,50mm

くらいの厚さに保温する。温度測定装置及び温度測定装置とファンコンベクタとの間の配管並びに温

度測定装置を超えて150mmの間の配管は,いずれも保温するものとする。 

(5) 機外静圧の測定 天井つり埋込み形で機外静圧を表示するものにあっては,附属書3図2(d)に示すよ

うに,空気出口ダクト,調節用ダンパ及び機外静圧測定用マノメータをセットして,コイルに蒸気を

供給しない状態での機外静圧を測定する。そして,この機外静圧が所定の値になるように調節用ダン

パを調節し,その状態でユニットを運転して暖房能力の測定を行う。 

なお,コイルに蒸気を供給した状態では,機外静圧の測定は行わない。 

また,調節用ダンパを調節して所定の機外静圧に設定したとき,同時に送風機の回転数を測定し,

風量試験のときに記録した回転数と一致することを確認する。 

附属書3図2(a) 床置き埋込み形の場合の試験室内での設置状態 

background image

34 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書3図2(b) 天井つり埋込み形の場合の試験室内での設置状態 

附属書3図2(c) 天井つりカセット形の場合の試験室内での設置状態 

background image

35 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書3図2(d) 天井つり埋込み形で,機外静圧を表示する機種の場合の試験室内での設置状態 

5. 試験状態 

5.1 

標準状態 標準状態における試験は,次の条件(本体表4に示す定格暖房能力測定条件)で行う。 

空気温度 

:20℃ 

飽和蒸気温度 

:102℃ 

飽和蒸気圧力 

:107.9kPa(絶対圧力) 

温度差 

:82K(飽和蒸気温度−空気温度) 

風量調節器の設定位置 

:公称設定位置とする。 

機外静圧 

:表示機外静圧のときとする(ダクト接続形で,機外静圧を表示するものに限る)。

ただし,蒸気を供給しない状態での静圧値とする。 

5.2 

標準状態に準じる状態として試験が許される範囲及び能力値の補正 試験時における入口空気温度

及び飽和蒸気温度は標準状態又は標準状態に近い状態に調節することが望ましいが,標準状態に調節でき

ない場合には,附属書3表2に示す範囲で,入口空気温度及び飽和蒸気温度を変えて試験を行ってよい。 

また,この場合の試験状態の暖房能力は,7.2に示す計算式によって標準状態の暖房能力に換算する。 

附属書3表2 暖房能力試験が許される入口空気温度 

及び飽和蒸気温度の範囲 

入口空気乾球温度 

10〜30℃ 

飽和蒸気温度 

100〜132.9℃ 

飽和蒸気圧力(絶対圧力) 

101.3〜294.2kPa 

36 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6. 試験操作 

6.1 

試験準備 暖房能力の測定は,10分間以上にわたって蒸気温度,入口空気温度及び凝縮水量がほぼ

一定になってから始める。 

また,天井つり埋込み形などで機外静圧を表示するものにあっては,蒸気を供給する前にファンを運転

し,空気出口ダクト先端に設けた調節用ダンパによって所定の機外静圧値に調節する。このときファン回

転数を測定し,附属書1で行った風量試験時の回転数と一致することを確認する。その後,調節用ダンパ

はそのままの状態で,蒸気を供給して暖房能力試験を行う。 

6.2 

試験時間 暖房能力の測定は,30分間以上続ける。 

6.3 

凝縮水量の測定 凝縮水量は,1回の試験時間中,少なくとも3回以上計測する。 

1回の計測で,凝縮水量を5〜10分間測定する。 

また,このとき同時に,蒸気温度,入口空気温度を計測する。 

6.4 

凝縮水量の偏差 凝縮水量の測定値(同一時間に換算したもの)は,平均値から±5%の偏差内にな

ければならない。凝縮水量を測定する時刻には,水面計によって示される凝縮水受けの水面が試験開始時

の水面に等しくなるようにする。試験中,凝縮水受けの水面は,試験開始時の水面位に対して50mm以上

変動してはならない。 

また,凝縮水が計量容器に流入する際に,蒸発によって損失することのないように注意する。 

6.5 

大気圧及び回転数の記録 大気圧及びファンモータの回転数は,試験中少なくとも1回測定する。 

7. 試験結果のまとめ 試験結果に基づく暖房能力の算出は,以下による。 

7.1 

試験状態における暖房能力 試験状態における暖房能力は,次の式によって算出する。 

qh'=ms・r+w ·············································································· (1) 

ここに, 

qh': 試験状態における暖房能力 (kW)  

ms: 凝縮水量 (kg/s)  

r: ファンコンベクタ内圧力に対する蒸気の蒸発熱 (kJ/kg)  

w: 暖房能力試験時のファンコンベクタの定格消費電力 (kW)  

7.2 

標準状態における暖房能力への換算 標準状態における暖房能力は,7.1で算出した数値を用いて,

次の式によって算出する。 

w

t

t

w

q

q

DB

S

h

h

+

=

1

20

102

······················································· (2) 

ここに, 

qh: 定格暖房能力 (kW)  

qh': 7.1で算出した試験状態における暖房能力 (kW)  

t1DB: 暖房能力試験時のファンコンベクタ入口空気乾球温度 (℃)  

ts: 暖房能力試験時の蒸気飽和温度 (℃)  

w: 暖房能力試験時のファンコンベクタの消費電力 (kW)  

37 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書4 ファンコンベクタの騒音レベル測定方法 

1. 適用範囲 この附属書は,ファンコンベクタの騒音試験方法について規定する。 

2. 測定室 測定場所は,無響室を原則とするが,自由音場の条件を満足し暗騒音の十分小さい場所で,

床だけが反射面とみなされる大きな室又は屋外などでもよい。 

また,ここでいう暗騒音の十分小さいという条件とは,原則として各測定点において測定対象音のある

場合のレベルと,暗騒音のレベルとのレベル差が10dB以上あることをいう。ただし,10dB未満5dB以上

の場合には,7.に示す方法で補正を行って測定することができる。 

3. 測定計器 JIS C 1502に規定する普通騒音計で,あらかじめ校正されたものとする。 

4. 測定項目 所定の測定点及び運転条件における騒音レベル [dB(A)] 。 

5. 測定条件 測定は,ファンコンベクタの送風機だけを運転して行う。風量調節器をもつものは,その

ノッチを公称設定位置に設定して測定するが,他のノッチの状態についても測定することが望ましい。 

なお,埋込み形は,附属書1に示す風量測定時と同様の状態にセットして露出状態で測定するものとす

る。 

また,ダクト接続形で機外静圧を表示するものにあっては,附属書4図2(b)に示すように試験ダクトを

接続し,表示機外静圧を加えた状態で測定する。このとき,吸込み側に設けた調節用ダンパからの発生音

が測定値に影響しないように,遮音の処置をとってもよい。 

6. 測定方法 騒音レベルは,騒音計の聴感補正回路のA特性で測定する。 

ファンコンベクタを所定の運転状態に設定し,試験体の各表面などから1m離れた位置(埋込み形で空

気出口側にダクトを接続するものにあっては,空気出口側に長さ150mmのダクトを接続し,その先端に

製造業者の標準とする空気出口グリルをセットした状態でそのグリル表面から1m離れた位置)において

JIS Z 8731に規定する方法によって測定する。 

なお,測定位置は,附属書4図1(a)〜(c),附属書4図2(a)〜(b)又は附属書4図3(a)〜(b)に示す位置とす

る。 

background image

38 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書4図1(a) 床置き露出形の騒音測定位置 

附属書4図1(b) 床置き埋込み形の騒音測定位置 

附属書4図1(c) 天井つり露出形の騒音測定位置 

background image

39 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書4図2(a) 天井つり埋込み形の騒音測定位置 

附属書4図2(b) 天井つり埋込み形で,機外静圧を表示するものの騒音測定位置 

background image

40 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書4図3(a) 1方向吹出し天井つりカセット形の騒音測定位置 

附属書4図3(b) 2方向吹出し天井つりカセット形の騒音測定位置 

background image

41 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7. 測定結果の処理 各測定点ごとに測定した騒音レベルと,暗騒音のレベルとのレベル差から附属書4

表1によって補正値を求め,測定した騒音レベルから補正値を差し引いて,騒音レベルを算出する。 

附属書4表1 暗騒音の補正値 

単位 dB 

レベル差 

8以上 

補正値 

なし 

付表1 引用規格及び関連規格 

JIS B 8330 送風機の試験及び検査方法 

JIS C 0602 保護接地線及び接地側電線の色別並びに端子記号通則 

JIS C 1102 指示電気計器 

JIS C 1302 絶縁抵抗計 

JIS C 1502 普通騒音計 

JIS C 3306 ビニルコード 

JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材 

JIS G 3131 熱間圧延軟鋼板及び鋼帯 

JIS G 3141 冷間圧延鋼板及び鋼帯 

JIS G 3302 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯 

JIS G 3312 塗装溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯 

JIS G 3313 電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯 

JIS G 3452 配管用炭素鋼鋼管 

JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材 

JIS G 5501 ねずみ鋳鉄品 

JIS G 5502 球状黒鉛鋳鉄品 

JIS G 5702 黒心可鍛鋳鉄品 

JIS H 3100 銅及び銅合金の板及び条 

JIS H 3250 銅及び銅合金棒 

JIS H 3300 銅及び銅合金継目無管 

JIS H 4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条 

JIS H 4040 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線 

JIS H 4100 アルミニウム及びアルミニウム合金押出形材 

JIS H 4160 アルミニウム及びアルミニウム合金はく 

JIS H 5111 青銅鋳物 

JIS K 6744 ポリ塩化ビニル被覆金属板 

JIS Z 8731 騒音レベル測定方法 

JIS Z 8762 絞り機構による流量測定方法 

JIS Z 8766 渦流量計による流量測定方法 

関連規格 JIS A 4008 ファンコイルユニット 

42 

A 4007-1995  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS A 4007改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

○ 水 野 宏 道 

工学院大学工学部建築学科 

安 達 俊 雄 

通商産業省機械情報産業局 

高 木 譲 一 

工業技術院標準部 

加 山 英 男 

財団法人日本規格協会 

小笠原 祥 五 

社団法人建築設備技術者協会 

松 嶋 靖 夫 

建設省大臣官房官庁営繕部 

高 橋 直 樹 

住宅・都市整備公団住宅・都市試験研究所 

○ 佐 藤 定 宏 

社団法人日本設備設計家協会(株式会社第一設計事務所) 

古 沢 岑 生 

社団法人空気調和・衛生工学会(高砂熱学工業株式会社) 

千 葉 孝 男 

新日本空調株式会社 

○ 小 原   茂 

三洋電機株式会社 

○ 佐久間 敏 和 

暖冷工業株式会社 

○ 寺 沢 達 二 

ピーエス工業株式会社 

○ 金 井   眞 

株式会社前田鉄工所 

○ 高 橋 博 史 

森永エンジニアリング株式会社 

(事務局) 

山 本 次 郎 

日本暖房機器工業会 

備考 ○印は,分科会委員を兼ねることを示す。