A 2103:2014
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語,定義,記号及び単位 ································································································· 2
3.1 用語及び定義 ················································································································ 2
3.2 記号及び単位 ················································································································ 2
3.3 添え字 ························································································································· 3
4 面積······························································································································· 3
4.1 グレージング面積及び不透明パネル面積············································································· 3
4.2 フレーム面積 ················································································································ 3
4.3 グレージング複合体面積 ································································································· 4
4.4 窓面積 ························································································································· 4
5 日射熱取得率の計算 ·········································································································· 4
5.1 窓の日射熱取得率 ·········································································································· 4
5.2 グレージング及び不透明パネルを含むドアセットの日射熱取得率 ············································ 4
5.3 フレームの日射熱取得率 ································································································· 5
5.4 グレージング複合体の日射熱取得率··················································································· 5
5.5 不透明パネルの日射熱取得率 ··························································································· 9
6 境界条件························································································································· 9
7 報告書··························································································································· 10
7.1 報告書の内容 ··············································································································· 10
7.2 フレーム断面図 ············································································································ 10
7.3 板ガラス及び日射遮蔽物の光学特性及び日射遮蔽物の形状 ···················································· 11
7.4 窓全体又はドア全体の図面 ····························································································· 11
7.5 計算に使用した値 ········································································································· 11
7.6 結果の提示 ·················································································································· 11
附属書A(規定)代表的なフレームの熱光学特性 ······································································ 12
附属書B(規定)代表的なグレージングの日射熱取得率及び板ガラスの光学特性 ····························· 13
附属書C(規定)ブラインドの光学特性の計算方法 ··································································· 15
附属書D(参考)スクリーン・障子紙・日射調整フィルムの光学特性 ············································ 22
附属書E(規定)フレームの日射熱取得率の詳細計算方法 ··························································· 23
附属書F(規定)二重窓フレームの日射熱取得率の計算方法 ························································ 27
附属書G(参考)斜入射に対する板ガラスの光学特性の計算方法 ················································· 29
附属書H(参考)グレージング複合体の日射熱取得率の計算式の例 ·············································· 32
附属書I(参考)ブラインドの光学特性の計算例 ······································································· 38
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本
工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
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窓及びドアの熱性能−日射熱取得率の計算
Thermal performance of windows and doors-
Calculation of solar heat gain coefficient
1
適用範囲
この規格は,フレームと板ガラス又は不透明パネルとによって構成する窓及びドアの日射熱取得率の計
算方法について規定する。また,窓にブラインド,スクリーンなどが附属した場合の日射熱取得率の計算
方法について規定し,次のものに適用できる。
− 様々なタイプのグレージング(単層又は複層,ガラス又はプラスチック,低放射率コーティングの有
無,日射調整フィルムの有無及び空気又は他の気体を封入した中空層をもつもの)
− 窓又はドア内の不透明パネル
− 様々なタイプのフレーム[木製,樹脂製,金属製(熱遮断構造を含む),その他材料を任意に組み合わ
せたもの]
− 様々なタイプの日射遮蔽物(ブラインド,スクリーン,紙障子,その他日よけの効果のある附属物)
ブラインドの光学特性の計算方法は,附属書Cによる。また,代表的な板ガラス,スクリーン,障子紙
及び日射調整フィルムの光学特性,並びに代表的なグレージングの日射熱取得率の参考値は,附属書B及
び附属書Dに示す。
この規格には,次の事項は含まない。
− ひさし(庇),袖壁など建物部位による日射遮蔽効果
− 漏気による熱移動
− 二重窓及び複合窓における中間空気層の換気
− 窓若しくはドアのフレームと建物外壁との間の戸じゃくり又は接合部の熱橋作用
なお,この規格は,次のものには適用できない。
− 雨戸及び格子
− カーテンウォール及び他の構造用グレージング
− 産業用,商業用及びガレージ用ドア
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 0202 断熱用語
JIS A 2102-1 窓及びドアの熱性能−熱貫流率の計算−第1部:一般
JIS A 2102-2 窓及びドアの熱性能−熱貫流率の計算−第2部:フレームの数値計算方法
JIS R 3106 板ガラス類の透過率・反射率・放射率・日射熱取得率の試験方法
2
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JIS R 3107 板ガラス類の熱抵抗及び建築における熱貫流率の算定方法
3
用語,定義,記号及び単位
3.1
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 0202,JIS A 2102-1及びJIS R 3106によるほか,次による。
3.1.1
グレージング
窓やドアを構成するガラスなどの透過性のある面材。
3.1.2
フレーム
グレージングを保持する障子,枠などの部材。
3.1.3
日射遮蔽物
窓に平行に配置され日射を遮蔽する効果をもつもの(ブラインド,スクリーン,紙障子,日射調整フィ
ルムなど)。
3.1.4
グレージング複合体
グレージング及び日射遮蔽物を平行に配置して組み合わせた複合体。
3.1.5
正面側
グレージング複合体において入射日射に対して前側。
3.1.6
背面側
グレージング複合体において入射日射に対して後側。
3.2
記号及び単位
この規格で用いる記号及び単位は,表1による。
3
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表1−記号及び単位
記号
量
単位
A
d
h
I
L
N
n
R
T
U
α
ε
η
λ
θ
ρ
σ
τ
面積
面材を構成する材料の厚さ
熱伝達率
日射強度
面材を構成する材料の数
面材の吸収日射熱が室内側へ再放出される割合
グレージング複合体を構成する面材の数
熱抵抗
絶対温度
熱貫流率
日射吸収率
放射率
日射熱取得率
面材を構成する材料の熱伝導率
セルシウス温度
日射反射率
ステファンボルツマン定数5.67×10−8
日射透過率
m2
m
W/(m2・K)
W/m2
m2・K/W
K
W/(m2・K)
W/(m・K)
℃
W/(m2・K4)
3.3
添え字
添え字は,表2による。
表2−添え字
b
c
D
de
ex
f
fr
g
glz
int
背面側
対流
ドアセット
屋外側フレーム展開
屋外側
正面側
フレーム
グレージング
グレージング複合体
室内側
i
j
k
l
p
std
r
si
se
W
カウンター
カウンター
カウンター
カウンター
不透明パネル
標準値
放射
室内側表面
屋外側表面
窓
4
面積
4.1
グレージング面積及び不透明パネル面積
窓若しくはドアのグレージング面積(Ag)又は不透明パネル面積(Ap)の定義は,JIS A 2102-1の4.1(グ
レージング面積及び不透明パネル面積)による。
4.2
フレーム面積
フレーム面積は,次による。
a) Afr:室内側投影フレーム面積
室内側投影フレーム面積の定義は,JIS A 2102-1の4.3(フレーム面積)による。
b) Ade:屋外側フレーム展開面積
屋外側フレーム展開面積は,屋外空気と接しているフレームの面積(図1参照)。
4
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注記 Afr,Adeは面積を表す。図はフレーム断面におけるAfr,Adeの範囲を表
しており,これにフレームの長さを乗じたものがAfr,Adeとなる。
図1−フレームに関する二つの面積
4.3
グレージング複合体面積
グレージング複合体面積(Aglz)は,4.1のグレージング面積と同等とする。フレームにかかる日射遮蔽
物の面積は,グレージング複合体面積に含めない。
4.4
窓面積
窓面積(AW)の定義は,JIS A 2102-1の4.4(窓面積)による。
5
日射熱取得率の計算
5.1
窓の日射熱取得率
窓の日射熱取得率(ηW)は,式(1)によって算出する。
W
fr
fr
glz
glz
W
A
η
A
η
A
η
∑
∑
+
=
························································ (1)
ここに,
ηglz: グレージング複合体の日射熱取得率
ηfr: フレームの日射熱取得率
式(1)に含まれる積和は,グレージング複合体又はフレームのそれぞれ異なる部分を計算するために使用
する。
フレームの日射熱取得率(ηfr)は,5.3によって求めるか又は附属書Eによって求めてもよい。二重窓
のフレームの日射熱取得率(ηfr)は,附属書Fによって算出する。
グレージング複合体の日射熱取得率(ηglz)は,5.4によって求める。グレージング複合体が板ガラスだ
けで構成される場合は,表B.1から得てもよいが報告書にその旨を記載する。窓に日射遮蔽物が附属する
場合は,フレーム部については日射遮蔽物の影響を考慮しない。グレージング部については,日射遮蔽物
も含めた複合体として5.4によって求める。
5.2
グレージング及び不透明パネルを含むドアセットの日射熱取得率
フレーム,グレージング及び不透明パネルで構成されているドアセットの日射熱取得率(ηD)は,式(2)
によって算出する。
5
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∑
∑
∑
∑
∑
∑
+
+
+
+
=
fr
p
glz
fr
fr
p
p
glz
glz
D
A
A
A
η
A
η
A
η
A
η
··········································· (2)
ここに,
ηglz: グレージング複合体の日射熱取得率
ηp: 不透明パネルの日射熱取得率
ηfr: フレームの日射熱取得率
ドアにグレージングがない場合には,式(2)にAglz=0を適用する。
フレームの日射熱取得率(ηfr)は,5.3によって求めるか又は附属書Eによって求めてもよい。
グレージング複合体の日射熱取得率(ηglz)は,5.4によって求めるか又は表B.1から得てもよいが報告書
にその旨を記載する。
5.3
フレームの日射熱取得率
フレームの日射熱取得率(ηfr)は,式(3)によって算出する。
std
fr
de
fr
fr
fr
h
A
A
U
η
α
=
·········································································· (3)
ここに,
αfr: フレームの屋外側表面日射吸収率
Ufr: フレームの熱貫流率
[W/(m2・K)]
Ade: 屋外側フレーム展開面積
(m2)
Afr: 室内側投影フレーム面積
(m2)
hstd: 屋外側表面熱伝達率の標準値
[W/(m2・K)]
フレームの熱貫流率(Ufr)は,JIS A 2102-1及びJIS A 2102-2によって求めるか又は附属書Aから得て
もよいが報告書にその旨を記載する。
フレームの屋外側表面日射吸収率(αfr)は,JIS R 3106によって測定及び算出するか又は附属書Aから
得てもよいが報告書にその旨を記載する。
屋外側フレーム展開面積(Ade)と室内側投影フレーム面積(Afr)の比(Ade / Afr)は,図1によって求め
るか又は附属書Aから得てもよいが報告書にその旨を記載する。
屋外側表面熱伝達率の標準値(hstd)は,夏期条件及び冬期条件に対して,それぞれ次の値を用いる。
夏期条件:14 W/(m2・K)
冬期条件:24 W/(m2・K)
フレームの日射熱取得率(ηfr)は,附属書Eによって算出してもよい。
5.4
グレージング複合体の日射熱取得率
グレージング複合体の日射熱取得率は,次の手順によって算出する。
a) グレージング及び日射遮蔽物を平行に配置して組み合わせたn層からなる複合体とみなす(図2及び
図3参照)。ただし,グレージングを構成するガラスなども各々面材として数える。
b) 各層の面材の多重反射計算によってグレージング複合体としての日射透過率及び多重反射後の各層の
日射吸収率を算出する(5.4.2)。
c) 各層の面材の熱抵抗を算出する(5.4.3)。
d) 各層の面材間の中空層の熱抵抗を算出する(5.4.4)。
e) 一次元熱平衡式から各層の面材の温度と各層の面材の熱抵抗と中空層の熱抵抗とを収束計算する
(5.4.4)。
f)
グレージング複合体の日射熱取得率を算出する(5.4.1)。
6
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5.4.1
計算基礎式
グレージング複合体の日射熱取得率(ηglz)は,式(4)によって算出する。
∑
=
+
=
n
j
j
j
n
N
1
,1,f
glz
α
τ
η
································································· (4)
ここに,
n: グレージング複合体を構成する面材の数
τ f,1,n: グレージング複合体の日射透過率
Nj: 層jの面材の吸収日射熱が室内側へ再放出される割合
α j: 層jの面材の日射吸収率
層jの面材の吸収日射熱が室内側へ再放出される割合(Nj)は,式(5)によって算出する。ただし,各面
材間は密閉であり換気はないものとする。面材間の密閉性が保てない日射遮蔽物(ブラインド,ロールス
クリーンなど)については,日射遮蔽物が層1の場合はN1=0,層nの場合はNn=1とする。
∑
∑
∑
∑
=
−
=
−
=
=
−
+
+
+
+
+
+
=
n
k
k
k
n
k
k
j
k
j
k
k
k
j
k
j
R
R
R
R
R
R
R
R
N
2
int
,1
1
ex
1
1
2
,1
ex
2
1
·················································· (5)
ここに,
Rex: 屋外側表面熱伝達抵抗
(m2・K/W)
Rint: 室内側表面熱伝達抵抗
(m2・K/W)
Rk: 層kの面材の熱抵抗
(m2・K/W)
Rk−1,k: 層k−1と層kとの面材間の中空層の熱抵抗 (m2・K/W)
5.4.2
日射透過率及び各面材の日射吸収率
グレージング複合体の日射透過率(τf,1,n)及び各層の面材の日射吸収率(α j)は,n層からなるグレージ
ング複合体(図2参照)の各層の日射透過率(τf,j,τb,j)及び日射反射率(ρf,j,ρb,j)から式(6)〜式(10)を逐
次計算することで算出する。
j
j
i
j
j
i
j
i
,f
1
,,b
,f
1
,,f
,,f
1
ρ
ρ
τ
τ
τ
−
=
−
−
··································································· (6)
j
j
i
j
i
j
j
i
,f
1
,,b
1
,,b
,b
,,b
1
ρ
ρ
τ
τ
τ
−
=
−
−
··································································· (7)
j
j
i
j
i
j
j
i
j
i
j
i
,f
1
,,b
1
,,b
,f
1
,,f
1
,,f
,,f
1
ρ
ρ
τ
ρ
τ
ρ
ρ
−
+
=
−
−
−
−
···················································· (8)
j
j
i
j
j
i
j
j
j
i
,f
1
,,b
,f
1
,,b
,b
,b
,,b
1
ρ
ρ
τ
ρ
τ
ρ
ρ
−
+
=
−
−
·························································· (9)
n
j
j
j
n
j
j
n
j
j
j
j
j
,1
,f
,1,b
,b
,1
,f
,1,f
,
,f
1
,1,b
,f
1
,1,f
1
1
+
+
−
−
−
+
−
=
ρ
ρ
α
ρ
τ
ρ
ρ
α
τ
α
·········································· (10)
ここに,
τf,j: 層jの正面側からの入射光に対する日射透過率
τb,j: 層jの背面側からの入射光に対する日射透過率
ρf,j: 層jの正面側からの入射光に対する日射反射率
ρb,j: 層jの背面側からの入射光に対する日射反射率
τf,i,j: 層i−j間の正面側からの入射光に対する日射透過率
τb,i,j: 層i−j間の背面側からの入射光に対する日射透過率
ρf,i,j: 層i−j間の正面側からの入射光に対する日射反射率
ρb,i,j: 層i−j間の背面側からの入射光に対する日射反射率
αf,j: 層jの正面側からの入射光に対する日射吸収率
(αf,j=1−τf,j−ρf,j)
7
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αb,j: 層jの背面側からの入射光に対する日射吸収率
(αb,j=1−τb,j−ρb,j)
ただし,i<jとする。
τf,j:層jの正面側からの入射光に対する透過率,τb,j:層jの背面側からの入射光に対する透過率,
ρf,j:層jの正面側からの入射光に対する反射率,ρb,j:層jの背面側からの入射光に対する反射率
図2−n層からなるグレージング複合体の多重反射計算モデル
式(6)〜式(10)の計算に用いる各面材の光学特性(日射透過率及び日射反射率)は,次による。
a) 板ガラスの光学特性は,表B.2によるか又はJIS R 3106による。
b) ブラインドの光学特性の計算方法は,附属書Cによる。また,附属書Cの計算方法によって求めた計
算結果の例を附属書Iに示す。
c) スクリーン,障子紙などの光学特性は,附属書Dに示す。
d) 層nが日射遮蔽物で,かつその正面側の日射反射率に占める鏡面反射の割合が20 %未満の場合は,正
面側の日射反射率に0.9を乗じる。これは層nの反射日射が層n−1のグレージング部に到達する見か
けの反射率を表す。
注記1 各面材の分光透過率及び分光反射率が得られている場合には,式(6)〜式(10)の計算を波長ご
とに行うことで,グレージング複合体の光学特性を波長の関数(分光特性)として求めるこ
とができる。グレージング複合体の分光透過率及び各面材の分光吸収率を用いてグレージン
グ複合体の日射透過率及び各面材の日射吸収率を算出する場合には,JIS R 3106の6.2(基礎
式)の計算方法に従う。
注記2 この規格では,入射日射はグレージング複合体に対して垂直に入射する平行光を与条件とし,
板ガラスの光学特性は垂直入射を想定したJIS R 3106に従って算定することとしている。し
かし,実際の窓では様々な方向からの日射入射が起こり得るので,建物の熱環境シミュレー
ションや省エネルギー計算では,斜入射に対する窓の日射熱取得率が必要になる場合がある。
斜入射に対するグレージング複合体の日射熱取得率は,附属書Gに示す斜入射に対する板ガ
ラスの光学特性を用いて式(6)〜式(10)で求めることができる。
5.4.3
面材の熱抵抗
グレージング複合体の各面材の熱抵抗(Rj)は,式(11)によって算出する。
∑
=
=
L
l
l
l
j
d
R
1λ ··············································································(11)
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ここに,
dl: 層jの面材を構成する材料lの厚さ
(m)
λl: 層jの面材を構成する材料lの熱伝導率 [W/(m・K)]
L: 層jの面材を構成する材料の数
5.4.4
面材間の中空層の熱抵抗
二枚の板ガラスに挟まれた中空層の熱抵抗は,JIS R 3107による中空層の熱コンダクタンスの逆数とす
る。板ガラスと日射遮蔽物に挟まれた中空層の熱抵抗は,日射遮蔽物の種類及び状態に応じて表3の値を
参考にする。
表3−板ガラスと日射遮蔽物に挟まれた中空層の熱抵抗a)
日射遮蔽物種類
板ガラスと日射遮蔽物とに挟まれた中空層の熱抵抗Rを
与える近似式(R=aRg+b)の係数b)
夏期条件
冬期条件
式の係数
a
b
a
b
屋外ブラインド
0.087
0.015
0.021
0.001
紙障子
1.863
−0.239
0.200
0.184
室内ブラインド [角度c):水平]
0.220
−0.018
−0.009
0.024
[角度c):45°]
0.310
0.008
0.021
0.022
[角度c):−45°]
0.180
0.009
−0.008
0.026
[角度c):全閉]
0.310
0.045
0.053
0.022
ロールスクリーン
0.310
0.045
0.053
0.022
注a) 日射遮蔽物周りの熱抵抗は,受渡当事者間の協定によって定めた値を用いてもよい。
b) 板ガラスと日射遮蔽物に挟まれた中空層の熱抵抗Rは,上記a,bの値を用いて次式によっ
て算出する。
R=aRg+b
ここに,Rg:グレージングの熱貫流抵抗(m2・K/W)
c) 角度は,図C.2におけるスラット角度を表す。
なお,JIS R 3107における板ガラス間の中空層の熱コンダクタンスは,その中空層に触れる板ガラスの
温度の関数で表されるため,各面材の温度との収束計算が必要となる。n層からなるグレージング複合体
において,各面材における日射吸収と熱伝達との熱平衡は,式(12)及び式(13)で表され,各面材の表裏温度
(θf,j,θb,j)は,これら2n元の式を連立することによって求める(図3参照)。
)
(
1
)
(
1
2
,b
,f
1
,b
,f
,1
j
j
j
j
j
j
j
j
R
R
I
θ
θ
θ
θ
α
−
+
−
=
−
−
······································· (12)
)
(
1
)
(
1
2
1
,f
,b
1
,
,f
,b
+
+
−
+
−
=
j
j
j
j
j
j
j
j
R
R
I
θ
θ
θ
θ
α
······································· (13)
ここに,
I: 日射強度
(W/m2)
αj: 層jの面材の日射吸収率
θf,j: 層jの面材の正面側表面温度
(℃)
θb,j: 層jの面材の背面側表面温度
(℃)
Rj: 層jの面材の熱抵抗
(m2・K/W)
Rj−1,j: 層j−1と層jの面材間の中空層の熱抵抗 (m2・K/W)
1≦j≦n
ただし,θb,0は屋外温度(θex),θf,n+1は室内温度(θint),R0,1は屋外側表面熱伝達抵抗(Rex),Rn,n+1は室
内側表面熱伝達抵抗(Rint)を表し,これらは箇条6の境界条件に定める値を用いる。
なお,厚みが小さい日射遮蔽物の層については,面材の熱抵抗(Rj)を0とみなして,式(12)及び式(13)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
の代わりに,式(14)及び式(15)を用いる。
)
(
1
)
(
1
1
,f
,b
1
,
1
,b
,f
,1
+
+
−
−
−
+
−
=
j
j
j
j
j
j
j
j
j
R
R
I
θ
θ
θ
θ
α
··································· (14)
j
j
,b
,f
θ
θ=
··············································································· (15)
ただし,斜入射時の日射熱取得率の計算の場合には,日射強度(I)の代わりに,入射角の余弦を乗じた
日射強度を式(12)〜式(15)に用いる。
図3−n層からなるグレージング複合体の一次元熱平衡計算モデル
附属書Hに,代表的なグレージング複合体の層構成について,グレージング複合体の日射熱取得率の計
算式の例を示す。
5.5
不透明パネルの日射熱取得率
熱流方向に対して垂直に積層する均質なn層の不透明パネルの日射熱取得率(ηp)は,式(16)によって算
出する。
∑
=
+
+
=
n
k
kR
R
R
R
η
1
int
ex
ex
p
pα
···························································· (16)
ここに,
αp: 不透明パネルの日射吸収率
Rex: 屋外側表面熱伝達抵抗
(m2・K/W)
Rk: 不透明パネル層kの熱抵抗 (m2・K/W)
Rint: 室内側表面熱伝達抵抗
(m2・K/W)
6
境界条件
窓及びドアの日射熱取得率を算出する際の境界条件は,表4による。夏期日射熱取得率は夏期条件,冬
期日射熱取得率は冬期条件を用いて算出する。日射は,窓及びドアに対して垂直に入射する平行光とする。
10
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表4−境界条件
夏期条件
冬期条件
単位
室温θint
25
20
℃
室内放射温度Tint a)
298.15
293.15
K
外気温θex
30
0
℃
屋外放射温度Tex a)
303.15
273.15
K
日射強度I
500
300
W/m2
室内側表面対流熱伝達率hc,si
2.5
3.6
W/(m2・K)
屋外側表面対流熱伝達率hc,se
8
20
W/(m2・K)
注a) Tint=θint+273.15,Tex=θex+273.15
また,室内側及び屋外側の表面放射熱伝達率及び表面熱抵抗は,次による。
室内側表面放射熱伝達率:
(
)
int
si
4
int
4
si
si
si
r,
T
T
T
T
h
−
−
=
σ
ε
屋外側表面放射熱伝達率:
(
)
ex
se
4
ex
4
se
se
se
r,
T
T
T
T
h
−
−
=
σ
ε
室内側表面熱伝達抵抗:
si
r,
si
c,
int
1
h
h
R
+
=
屋外側表面熱伝達抵抗:
se
r,
se
c,
ex
1
h
h
R
+
=
ここに,
εsi,εse: 室内側表面放射率,屋外側表面放射率
σ: ステファンボルツマン定数5.67×10−8 [W/(m2・K4)]
Tsi,Tse: 室内側表面温度,屋外側表面温度
(K)
Tint,Tex: 室内放射温度,屋外放射温度
(K)
7
報告書
7.1
報告書の内容
計算報告書には,次の事項を記載しなければならない。
a) 規格番号
b) 計算を行った組織名
c) 計算年月日
d) 7.2〜7.5の項目
7.2
フレーム断面図
全ての異なるフレームの断面図を,次のように関連するディテールを証明できる技術図面(1:1の縮尺
比が望ましい)として添付する。
a) 熱遮断の厚さ,幅,位置,タイプ及び数(金属製フレームの場合)
b) キャビティの数及び厚さ
c) 木製フレームの厚さ並びに樹脂製及びポリウレタン(PUR)製フレーム材料の厚さ
d) ガス層の厚さ,ガスの種類及びその割合
e) フレーム内にある全ての不透明パネルの厚さ及びその内容説明
f)
室内側投影フレーム面積(Afr)
g) 屋外側フレーム展開面積(Ade)
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h) ガラススペーサの位置又は不透明パネルの端部補強の位置
7.3
板ガラス及び日射遮蔽物の光学特性及び日射遮蔽物の形状
a) 板ガラスのタイプ,その厚さ,その光学特性及び熱特性(夏期条件及び冬期条件)
b) 全ての日射遮蔽物の形状,厚さ,位置,タイプ及びその光学特性
7.4
窓全体又はドア全体の図面
次の情報が記載されている窓全体又はドア全体の図面
a) グレージング面積(Ag)又は不透明パネル面積(Ap)
b) 室内側投影フレーム面積(Afr)
7.5
計算に使用した値
計算に使用した入力データ及び境界条件の情報を,次によって記載しなければならない。
a) 附属書(参考)の値を用いた場合,その附属書名及び表題
b) 他の情報を使用してグレージング複合体の日射熱取得率(ηglz)及びフレームの熱貫流率(Ufr)を一つ
以上確定している場合,該当する入力データの情報。
7.6
結果の提示
窓又はドアの日射熱取得率は,夏期条件による算出結果を夏期日射熱取得率,冬期条件による算出結果
を冬期日射熱取得率とし両方を提示する。日射熱取得率は,小数点以下2桁とする。
グレージング複合体にブラインドを含む場合,夏期日射熱取得率はスラット角度45°の値,冬期日射熱
取得率はスラット角度0°(水平)の値を提示する。
12
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附属書A
(規定)
代表的なフレームの熱光学特性
A.1 代表的なフレームの屋外側表面日射吸収率
表A.1に代表的なフレームの屋外側表面日射吸収率(αfr)を示す。これらは5.3の計算に用いることが
できる。
表A.1−フレームの屋外側表面日射吸収率
フレーム材質
フレーム色(慣用色名)
αfr
樹脂
ブラウン
0.68
ブラック
0.69
ホワイト
0.22
グレイ
0.67
アルミニウム
ブラウン
0.76
ブラック
0.87
ホワイト
0.24
グレイ
0.47
シルバー
0.26
A.2 代表的な窓仕様の屋外側フレーム展開面積と室内側投影フレーム面積との比
表A.2に代表的な窓仕様の屋外側フレーム展開面積と室内側投影フレーム面積との比(Ade/Afr)を示す。
これらは5.3の計算に用いることができる。
表A.2−屋外側フレーム展開面積と室内側投影フレーム面積との比Ade/Afr
開閉形式
Ade/Afr a)
FIX
1.9
開き
1.5
引違い
2.1
上げ下げ
1.6
注a) 材質は問わない。
A.3 代表的なフレームの熱貫流率
表A.3に代表的なフレームの熱貫流率(Ufr)を示す。これらは5.3の計算に用いることができる。
表A.3−フレームの熱貫流率
単位 W/(m2・K)
フレーム材質
Ufr
樹脂
2.2
アルミニウム
6.6
アルミ樹脂複合
4.7
13
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附属書B
(規定)
代表的なグレージングの日射熱取得率及び板ガラスの光学特性
B.1
代表的なグレージングの日射熱取得率
表B.1に代表的なグレージングの日射熱取得率を示す。グレージング複合体の日射熱取得率は5.4に規
定する計算方法によるべきであるが,表B.1の値は,グレージング複合体を構成する板ガラスの光学特性
と物性値が入手できない場合で,かつ日射遮蔽物のない場合に5.1及び5.2の計算に用いることができる。
表B.1−グレージングの日射熱取得率
種別
種類・呼び厚a)
日射熱取得率
ηglz
単板
透明フロート板ガラス
透明・3ミリ
0.88
透明・6ミリ
0.85
透明合わせガラス
透明合わせ・6ミリ(中間膜0.76 mm)
0.81
熱線吸収板ガラス
グリーン・6ミリ
0.63
熱線反射ガラスb)
シルバー・6ミリ
0.68
高性能熱線反射ガラスb)
SGY32・6ミリ
0.49
SS8・6ミリ
0.22
複層
透明複層ガラス
透明・3ミリ+Air+透明・3ミリ
0.79
透明・6ミリ+Air+透明・6ミリ
0.74
透明合わせ複層ガラス
透明・3ミリ+Air+透明合わせ・6ミリ(中
間膜0.76 mm)
0.76
熱線吸収複層ガラス
グリーン・6ミリ+Air+透明・6ミリ
0.51
熱線反射複層ガラスc)
シルバー・6ミリ+Air+透明・6ミリ
0.60
高性能熱線反射複層ガラスc)
SGY32・6ミリ+Air+透明・6ミリ
0.37
SS8・6ミリ+Air+透明・6ミリ
0.14
Low-E複層 Low-E複層ガラス(日射取得型)
Low-E・3ミリ+Air+透明・3ミリ
0.67
Low-E複層ガラス(日射中庸型)
Low-E・3ミリ+Air+透明・3ミリ
0.58
Low-E複層ガラス(日射遮蔽型)
Low-E・3ミリ+Air+透明・3ミリ
0.39
三層複層
三層透明複層ガラス
透明・3ミリ+Air+透明・3ミリ+Air+透
明・3ミリ
0.72
三層Low-E複層ガラス(日射取得型) Low-E・3ミリ+Air+透明・3ミリ+Air+
Low-E・3ミリ
0.58
三層Low-E複層ガラス(日射中庸型) Low-E・3ミリ+Air+透明・3ミリ+Air+
Low-E・3ミリ
0.49
三層Low-E複層ガラス(日射遮蔽型) Low-E・3ミリ+Air+透明・3ミリ+Air+
Low-E・3ミリ
0.33
真空
真空ガラス(日射取得型)
Low-E・3ミリ+V+透明・3ミリ
0.66
真空ガラス(日射遮蔽型)
Low-E・3ミリ+V+透明・3ミリ
0.49
複層真空ガラス(日射取得型)
Low-E・3ミリ+Ar+透明・3ミリ+V+透
明・3ミリ
0.58
複層真空ガラス(日射中庸型)
Low-E・3ミリ+Ar+透明・3ミリ+V+
Low-E・3ミリ
0.51
複層真空ガラス(日射遮蔽型)
Low-E・3ミリ+Ar+透明・3ミリ+V+
Low-E・3ミリ
0.34
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表B.1−グレージングの日射熱取得率(続き)
注a) Air:空気層,V:真空層,Ar:アルゴンガス層
b) 熱線反射ガラス及び高性能熱線反射ガラスの反射膜面位置は,室内側とする。
c) 熱線反射複層ガラス及び高性能熱線反射複層ガラスの反射膜面位置は,屋外側ガラスの中空層側とする。
B.2
代表的な板ガラスの光学特性
表B.2に代表的な板ガラスの日射透過率及び日射反射率を示す。これらは,5.4.2のグレージング複合体
の多重反射計算に用いることができる。表B.2にない板ガラスの種類の光学特性については,JIS R 3106
によって測定及び算定された値を用いる。
表B.2−板ガラスの光学特性
種別
種類・呼び厚
日射透過率
τ
日射反射率 ρ
ガラス面入射
薄膜面入射
透明フロート板ガラス
透明・3ミリ
0.859
0.077
−
透明・4ミリ
0.841
0.075
−
透明・5ミリ
0.823
0.074
−
透明・6ミリ
0.806
0.073
−
網入りガラス
透明・6.8ミリ
0.777
0.076
−
透明合わせガラス
透明合わせ6ミリ
(中間膜0.76 mm)
0.752
0.070
−
熱線吸収板ガラス
グリーン・5ミリ
0.514
0.057
−
グリーン・6ミリ
0.467
0.055
−
熱線反射ガラス
シルバー・6ミリ
0.627
0.211
0.252
高性能熱線反射ガラス
SGY32・6ミリ
0.291
0.103
0.250
SS8・6ミリ
0.063
0.362
0.477
Low-Eガラス
日射取得型・3ミリ
0.703
0.106
0.117
日射中庸型・3ミリ
0.608
0.216
0.244
日射遮蔽型・3ミリ
0.396
0.355
0.427
15
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附属書C
(規定)
ブラインドの光学特性の計算方法
C.1 概要
ブラインドの光学特性を求める計算方法を規定する。
C.2 光学特性の計算方法
C.2.1 一般事項
ブラインドの光学特性の計算方法には,簡易計算方法と詳細計算方法とがある。簡易計算方法は,ブラ
インドのスラットを平板とし,拡散反射に適用するISO 15099の7.2(Optical properties)に規定されてい
る。この附属書では,円弧状のスラット断面形状及び鏡面反射にも適用できる詳細計算方法を規定する。
C.2.2 詳細計算方法
C.2.2.1 光学特性の分類
ここで規定するブラインドの光学特性の計算は,入射日射として直達入射だけを扱い,スラット材の反
射性状として鏡面反射及び拡散反射の二通りを考える。計算手順は,それぞれのブラインドの光学特性を
算出し,最終的にそれらを統合する(表C.1参照)。
a) スラット材の鏡面反射成分(dir-S)
b) スラット材の拡散反射成分(dir-D)
横型のブラインドの光学特性は,入射方向を表すプロファイル角度(φ)の関数となる。プロファイル
角度(φ)は,窓面及び水平面に垂直な断面に投影した太陽光線入射方向と水平面とのなす角であり,鉛
直窓の場合には太陽位置と式(C.1)との関係になる(図C.1参照)。
w
A
h
cos
tan
tan=
φ
········································································ (C.1)
ここに,
h: 太陽高度(°)
Aw: 窓面法線方位に対する太陽方位角(°)
縦型のブラインドの場合には,プロファイル角度の代わりに,窓面の法線方向に対する入射光の方位角
とすることで,この附属書の計算方法を用いることができる。
φ:プロファイル角度,h:太陽高度,Aw:窓面法線方位に対する太陽方位角
図C.1−プロファイル角度(鉛直窓の場合)
16
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C.2.2.2 光学特性計算方法
ブラインドは,同じ形状のスラット材の集合体であることから,ブラインドスラットの1スパン分を取
り出して,この領域への入射日射に対する透過率及び反射率をブラインド全体の光学特性とする。
ブラインドスラット1スパンモデルは,X,Y座標による二次元モデルとし,奥行き方向は単位長さを考
える(図C.2参照)。線分AB及び線分CDはスラット材を,線分BC及び線分DAはスラット開口をそれ
ぞれ表している。DA間からの入射日射は,スラット材である線分ABと線分CDとの間で反射を繰り返し,
又はスラット材に一度も妨げられずに,最終的にBC間又はDA間から射出される。BC間からの射出日射
がブラインドの透過日射,DA間からの射出日射がブラインドの反射日射となる。入射開口のDA間をM
個の微小線分要素に,また,領域ABCDの境界をK個の微小線分要素にそれぞれ分割し,スラット材の反
射性状に応じた反射計算を行う(図C.3参照)。
表C.1−光学特性計算の分類
スラット材の鏡面反射成分
スラット材の拡散反射成分
a) direct-Specular (dir-S)
b) direct-Diffuse (dir-D)
直
達
入
射
透過率:τdir-S(φ)
反射率:ρdir-S(φ)
透過率:τdir-D(φ)
反射率:ρdir-D(φ)
(S)スラット材鏡面反射
(D)スラット材拡散反射
W:スラット幅,S:スラット間隔,Ψ:スラット角度,φ:プロファイル角度,I:入射日射量,ρ:スラット材
反射率,添字は,upper:スラット材上面,lower:スラット材下面,S:鏡面反射成分,D:拡散反射成分
図C.2−ブラインドスラット1スパンモデル
17
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入射開口の微小線分要素分割
領域境界の微小線分要素分割
(M分割)
(K分割)(K=K1+K2+K3+K4)
図C.3−ブラインドスラット1スパンモデルの微小線分要素分割
i:分割要素の番号,l:スラット材での反射回数(入射開口からの入射日射はl=0)
図C.4−領域境界の分割要素ベクトル及び入射日射・反射日射ベクトル
スラット材の鏡面反射成分(dir-S)及びスラット材の拡散反射成分(dir-D)は,次による。
a) スラット材の鏡面反射成分(dir-S) ブラインドスラットの1スパンモデル[図C.2 (S)参照]を微小
線分要素に分割し,次の光線追跡のアルゴリズムによって計算する(図C.3参照)。
1) プロファイル角度(φ)で入射する法線面日射量(I)の直達日射を考える。
入射開口DA間の分割要素mからの入射日射について,始点の位置ベクトルをp(0),方向ベクト
ルをs(0),日射熱量をQm,(0)と表す(図C.4参照)。始点は,分割要素mの中点であり,方向は,図
C.2の座標系で(cosφ,−sinφ)となる。また,分割要素mからの入射日射熱量[Qm,(0)]は,式(C.2)
によって算出される。
()
m
m
L
I
Q
∆
=
φ
cos
0
,
································································· (C.2)
ここに,
Qm,(0): 分割要素mからの入射日射熱量
(W/m)
I: 法線面日射量
(W/m2)
ΔLm: 分割要素mの長さ
(m)
2) 入射日射がスラット材又は領域境界に当たる位置を求める。
領域境界の分割要素iを始点の位置ベクトル[q(i)]及び線分のベクトル[v(i)]で表すと(図C.4
参照),入射日射との関係は,式(C.3)で表すことができる。入射日射は,式(C.3)の0<aかつ0<b
<1が成り立つとき分割要素iに当たる。
18
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()
()
()
()i
i
b
a
v
q
s
p
+
=
+
0
0
···························································· (C.3)
ここに,
p(0): 入射日射の始点の位置ベクトル
(m)
s(0): 入射日射の方向ベクトル
(m)
q(i): 領域境界の分割要素iの始点の位置ベクトル
(m)
v(i): 領域境界の分割要素iの線分のベクトル
(m)
a,b: 分割要素iに入射日射が当たるかどうかを判断する係数
3) スラット材の分割要素iに当たった入射日射は,入射日射ベクトルと分割要素iの線分ベクトルと
の交点で鏡面反射される。したがって反射日射の始点の位置ベクトル[p(l)]及び方向ベクトル[s(l)]
は,式(C.4)及び式(C.5)で表すことができる(図C.4参照)。
()
()
()
()
()i
i
l
l
l
b
a
v
q
s
p
p
+
=
+
=
−
−
1
1
··················································· (C.4)
()
()
(
)
()
()
()
()i
i
i
i
l
l
l
v
v
v
v
s
s
s
+
−
=
−
−
1
1
2
······················································· (C.5)
ここに, p(l−1): l−1回スラット材で反射した日射の始点の位置ベクトル(m)
s(l−1): l−1回スラット材で反射した日射の方向ベクトル
(m)
l: スラット材での反射回数
ここで,DA間からの入射日射は,l=0とする。
入射日射は,入射日射が当たる分割要素iがAB間にあるならばスラット材上面で,CD間にある
ならばスラット材下面で鏡面反射する。スラット材上でl回反射した日射熱量[Q(l),m]は,式(C.6)
によって算出する。
()
(
)
S
upper,
1
,
,
ρ
×
=
−
l
m
l
m
Q
Q
又は
()
()
S
lower,
1
,
,
ρ
×
=
−l
m
l
m
Q
Q
··························· (C.6)
ここに,
Qm,(l−1): l−1回スラット材で反射した日射熱量(W/m)
ρupper,S: スラット材の上面の鏡面反射率
ρlower,S: スラット材の下面の鏡面反射率
4) 2) 及び3) を繰り返し計算し,スラット材に多重反射される反射日射の領域内での軌跡を追跡する。
5) 入射日射は,領域内の反射を繰り返し,最終的にスラット開口である領域境界の分割要素iに当た
る。このとき,BC間に当たった日射は,ブラインドを透過する成分となり,DA間に当たった日射
は,ブラインドで反射される成分となって領域から射出される。射出角度(θm)は,式(C.7)によっ
て算出する。
()
()
=
−
x
l
y
l
m
s
s
,
,
1
tan
θ
····································································· (C.7)
ここに,
s(l),x: s(l)のx成分
(m)
s(l),y: s(l)のy成分
(m)
6) 入射開口DA間の全ての分割要素(m=1〜M)について1)〜5) を繰り返し計算する。
7) モデルの透過率[τdir-S(φ)]及び反射率[ρdir-S(φ)]は,総入射日射熱量に対する射出日射熱量の透過
成分及び反射成分の総和の比であるから,それぞれ式(C.8)及び式(C.9)によって算出する。
()
(
)
()
∑
∑
=
=
=
M
m
m
M
m
BC
m
Q
Q
1
0
,
1
,
S-
dirφ
τ
···················································· (C.8)
()
(
)
()
∑
∑
=
=
=
M
m
m
M
m
DA
m
Q
Q
1
0
,
1
,
S-
dirφ
ρ
···················································· (C.9)
ここに,
Qm,(BC): BC間に当たった日射の日射熱量(W/m)
19
A 2103:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
Qm,(DA): DA間に当たった日射の日射熱量(W/m)
M: 入射開口DA間の微小線分要素分割の数
式(C.8)及び式(C.9)の右辺の分子は,BC間又はDA間に当たった受照日射量の総和とする。
b) スラット材の拡散反射成分(dir-D)
スラット材の拡散反射成分(dir-D)は,ブラインドスラットの1スパンモデル[図C.2(D)参照]を
微小線分要素に分割し,次の相互反射のアルゴリズムによって計算する(図C.3参照)。
1) プロファイル角度(φ)で入射する法線面日射量(I)の直達日射を考える。入射日射による領域境
界の各分割要素iの直接受照日射量(Ed,i)は,式(C.10)によって算出する。
()
∑
=
∆
=M
m
i
i
m
i
d
L
Q
E
1
0
,
,
cosξ ······························································· (C.10)
ここに,
Qm,(0): 入射開口DA間の分割要素mからの入射日射熱量(W/m)
ξi: 分割要素iの法線と直達入射日射のなす角度
(°)
ΔLi: 分割要素iの長さ
(m)
ここで,総和をとる分割要素は,領域境界の分割要素iに入射日射が照射される分割要素mに限
る。分割要素iの法線と直達入射日射のなす角度(ξi)は,式(C.11)によって算出する。
()
()
()
()i
i
i
v
s
v
s
0
0
1
cos
2
−
=
−
π
ξ
······························································ (C.11)
2) 領域境界の分割要素iの間接受照日射量(Er,i)は,他の分割要素jでの受照日射量の反射成分の総
和として式(C.12)によって算出する。
(
)
∑
=
∆
+
=
∆
K
j
j
j
d
j
r
j
ji
i
i
r
L
E
E
F
L
E
1
,
,
,
ρ
················································ (C.12)
ここに,
Fji: 分割要素jからiを見る形態係数
ρj: 分割要素jの反射率
Er,j: 分割要素jの間接受照日射量
(W/m2)
Ed,j: 分割要素jの直接受照日射量
(W/m2)
ΔLj: 分割要素jの長さ
(m)
K: 領域境界の微小線分要素分割の合計の数
分割要素jの反射率(ρj)は,AB間ではρupper,D,CD間ではρlower,D,BC間及びDA間では“0”と
する。形態係数の相反則(ΔLiFij=ΔLjFji)を用いると式(C.12)は,式(C.13)となる。
∑
∑
=
=
+
=K
j
K
j
j
d
j
ij
j
r
j
ij
i
r
E
F
E
F
E
1
1
,
,
,
ρ
ρ
················································· (C.13)
ここに,
Fij: 分割要素iからjを見る形態係数
3) さらに,式(C.13)を変形し,式(C.14)を得る。間接受照日射量(Er,i)は,この連立方程式(C.14)によ
って算出する。
A・Er=B・Ed ········································································ (C.14)
ここに,
A,B: 形態係数及び反射率だけから決まる行列
Er: 間接受照日射量のベクトル (W/m2)
Ed: 直接受照日射量のベクトル (W/m2)
δij: クロネッカーのデルタ(i=jのとき“1”,i≠jのとき“0”)
であり,Aij=δij−Fijρj,Bij=Fijρj,Er,i=Er,i,Ed,i=Ed,iである。
4) BC間,DA間の直接受照日射量及び間接受照日射量は,開口から射出する日射量となる。したがっ
てモデルの透過率[τdir-D(φ)]反射率[ρdir-D(φ)]は,この総和の総入射日射熱量に対する比であるか
ら,それぞれ式(C.15)と式(C.16)によって算出する。
20
A 2103:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
()
(
)
()
∑
∑
=
∆
+
=
M
m
m
BC
i
i
i
r
i
d
Q
L
E
E
1
0
,
,
,
D
-
dirφ
τ
·········································· (C.15)
()
()
∑
∑
=
∆
=
M
m
m
DA
i
i
i
r
Q
L
E
1
0
,
,
D
-
dirφ
ρ
·················································· (C.16)
ここに,
Er,i: 分割要素の間接受照日射量(W/m2)
Ed,i: 分割要素の直接受照日射量(W/m2)
ここで,右辺の分子は,BC間又はDA間の受照日射量について総和をとることを意味する。
C.2.2.3 スラット材の形状が平板でない場合
スラット材の形状が平板でない場合,光線追跡及び相互反射の計算は,屋外側及び室内側からスラット
材に外接する鉛直線とスラット材との交点を点A,B,C,Dとし,線分BCと線分DAとスラット材とに
囲まれた領域内で行う(図C.5参照)。このとき,領域境界を微小線分要素に分割して,スラット材の円弧
形状を近似的に多角形として扱う。ただし,曲線DEのように領域内部にスラット材の一部分が存在する
場合,スラット材の表裏で別の微小要素として分割する。これによって表裏のどちら側で受照するかを判
別し,これが要素間を遮蔽する要素となり得ることを考慮して相互反射計算での各分割要素間の形態係数
を計算する。図C.6に屋外ブラインドのスラット1スパンモデルの例を示す。
W:スラット幅,S:スラット間隔,d:スラット曲げ深さ(矢高),Ψ:スラット角度,φ:プロファイル角
度,I:入射日射量
図C.5−スラット材が円弧状の場合の1スパンモデル
21
A 2103:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図C.6−屋外ブラインドのスラット1スパンモデルの例
C.2.2.4 ブラインド総合光学特性計算
スラット材の鏡面反射成分と拡散反射成分を足し合わせることで,総合光学特性を得る。ただし,スラ
ット材に妨げられずに透過する成分(直接透過率)は,スラット材の鏡面反射成分及び拡散反射成分の両
方に含まれているので,一方を差し引かなければならない。直達入射に対する透過率[τdir(φ)],反射率
[ρdir(φ)]は,それぞれ式(C.17)及び式(C.18)によって算出する。
()
()
()
()
φ
τ
φ
τ
φ
τ
φ
τ
0-
dir
D
-
dir
S-
dir
dir
−
+
=
·············································· (C.17)
()
()
()
φ
φ
φ
D
-
dir
S
-
dir
dir
ρ
ρ
ρ
+
=
························································ (C.18)
ここに,
τdir-0(φ): 直達入射に対する直接透過率
また,例えば,屋外ブラインド,ブラインド内蔵型の複層ガラスなどでは,グレージング複合体として
の多重反射の計算を行うために,室内側からの反射日射に対するブラインドの透過率,反射率が必要とな
る。この場合,ブラインドより室内側に位置するガラス面からの反射日射によるブラインド面へのプロフ
ァイル角度は,元の入射日射のプロファイル角度に等しいと仮定し,ブラインドのスラット角度の正負を
反転させて同様の計算を行う。室内側からの反射日射に対するブラインドの透過率τ'dir(φ),反射率ρ'dir(φ)
は,それぞれ式(C.19)及び式(C.20)によって算出する。
()
(
)
(
)
ψ
φ
τ
ψ
φ
τ
φ
τ
−
=
=
,
,
'
'
dir
dir
dir
··················································· (C.19)
()
(
)
(
)
ψ
φ
ρ
ψ
φ
ρ
φ
ρ
−
=
=
,
,
'
'
dir
dir
dir
·················································· (C.20)
ここに,
Ψ: スラット角度(°)
φ: プロファイル角度(°)
22
A 2103:2014
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附属書D
(参考)
スクリーン・障子紙・日射調整フィルムの光学特性
D.1 概要
JIS R 3106に準拠し材料の平面を測定及び算出した代表的なスクリーン(ロールスクリーンなどに用い
られる布),障子紙及び日射調整フィルムの日射透過率及び日射反射率の値を示す(表D.1,表D.2及び表
D.3参照。)。
これらは,5.4の計算に用いることができる。表にない材料の光学特性に関しては,JIS R 3106によって
測定及び算出された値を計算に用いることができる。ただし,色・柄などが混在し,測定部分によって光
学特性が異なるものには適用しない。
表D.1−スクリーン用生地の光学特性
種別
主素材
色(慣用色名)
日射透過率
τ
日射反射率
ρ
スクリーン
一般
ポリエステル繊維
ホワイト
0.30
0.63
グレイ
0.23
0.52
アイボリー
0.26
0.59
ベージュ
0.24
0.56
セピア
0.18
0.37
遮光
ポリエステル繊維
屋外側アクリルコーティング
室内側ホワイト
屋外側ホワイト
0.00
0.64
高反射 ガラス繊維PVCコーティング
屋外側アルミ蒸着
室内側ホワイト
屋外側アルミ色
0.06
0.77
注記 全て生地の屋外側をJIS R 3106に準拠し測定及び算出された値とする。
表D.2−障子紙の光学特性
種別
主素材
色(慣用色名)
日射透過率
τ
日射反射率
ρ
障子紙
化学繊維混パルプ
ホワイト
0.45
0.55
ポリエステル繊維
ホワイト
0.39
0.58
紙+両面プラスチック
フィルムラミネート
ホワイト
0.44
0.50
表D.3−日射調整フィルムの光学特性
種別
仕様
日射透過率
τ
日射反射率
ρ
ガラス面入射
フィルム面入射
日射調整フィルム
アルミ蒸着
0.15
0.57
0.50
染色
0.56
0.06
0.07
注記 記載された値は3 mmフロート板ガラスの片面にフィルムを貼り付け,ガラス面から入射又はフィルム
面から入射する場合の光学特性とする。
23
A 2103:2014
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附属書E
(規定)
フレームの日射熱取得率の詳細計算方法
E.1
概要
5.3で規定したフレームの日射熱取得率の計算方法は,フレームの熱貫流率を用いた簡易的な評価方法と
なっている。より精度の高いフレームの日射熱取得率は,数値計算によって算出することができる。ここ
では,数値計算法によるフレームの日射熱取得率の詳細計算方法を規定した。
E.2
一般事項
この計算には,ISO 10211に適合する2次元数値計算方法で,かつJIS A 2102-2の附属書D(計算プロ
グラムの検証例題)の検証基準を満たす計算プログラムを用いる。
日射は,直達成分だけを対象とし,平行光状の日射がグレージングに対して垂直に入射する方向から,
計算モデルに入射するものとする。
E.3
フレームの日射熱取得率の計算モデル
計算モデルは,JIS A 2102-2の附属書C(熱貫流率の算定)に規定するグレージング(又はパネル)を
取り付けたフレーム断面を用いる。したがって計算モデルは,2次元のモデルで表され,断面に垂直な方
向に単位長さをもっているものとする。
計算モデルの切断面及び周囲の材料との切断面は,断熱境界としなければならない。グレージングは,5
mm以上のエッジクリアランス(b1)をもってフレームにはめ込まれ,ガスケットを無視し,フレームか
ら少なくとも190 mmを含む部分を計算モデルとする。b2は,フレームとの重なり部分の寸法である(図
E.1参照)。
単位 mm
bg:計算モデルに含めるグレージングの見付け長さ(m)
図E.1−日射が作用するフレーム断面の計算モデル
24
A 2103:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
材料の熱伝導率は,JIS A 2102-2に規定する値を用いる。キャビティの扱いについては,JIS A 2102-2に
規定する方法を用いなければならない。
日射が作用するとき,キャビティ内の温度差が大きくなる可能性があることから,キャビティ内の温度
差及び等価熱伝導率に関しては,安定した解を得るために収束計算を行うことが望ましい。
計算モデルのグレージングについては,5.4によって各板ガラスの日射吸収率及び中空層の熱抵抗を決定
する。中空層の熱抵抗から得られる等価熱伝導率は,端部を含む中空層全体に適用するものとする。
グレージングの中空層内の温度差及び等価熱伝導率に関しては,安定した解を得るために収束計算を行
うことが望ましい。
フレームに対して様々な厚さのグレージングが用いられる場合,グレージングの厚さは二層グレージン
グでは22 mm,三層グレージングでは27 mmとすることができる。
フレームと重ならないグレージング部分だけのモデルをグレージング部とする。
E.4
フレームの日射熱取得率の計算方法
フレームを通して室内に流入する熱流量にグレージング周辺部の影響を含めることとし,計算モデル全
体を流れる熱流量からグレージング部を流れる熱流量を引いた値を日射がある条件と日射がない条件でそ
れぞれ求め,これらの差をフレームの日射熱取得とする(図E.2参照)。
Qint: 日射がある条件で計算モデル全体を通して室内へ流入する熱流量(W/m)
bfr: フレームの見付け長さ(m)
qgc: 日射がある条件でグレージング部を通して室内に流入する熱流密度(W/m2)
ここに,
qgcは,式(E.1)によって算出する。
(
)
int
n
b,
si
r,
si
c,
gc
)
(
θ
θ−
×
+
=
h
h
q
··························································· (E.1)
hc,si :室内側表面対流熱伝達率[W/(m2・K)]
hr,si :室内側表面放射熱伝達率[W/(m2・K)]
θb,n :最も室内側にあるグレージングの背面側表面温度(℃)
θint :室温(℃)
ただし,θb,nは5.4.4によって計算する。hr,siは箇条6によってTsiをθb,nの絶対温度として計算する。
図E.2−グレージングを含む計算モデルの熱流量及びグレージング部の熱流量
25
A 2103:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
フレームの日射熱取得率(ηfr)は,式(E.2)によって算出する。
(
)(
)
fr
g
)
0
(
gc
)
0
int(
g
gc
int
fr
b
I
b
q
Q
b
q
Q
Is
Is
−
−
−
=
=
=
η
····································· (E.2)
ここに,
I: 窓に平行な面に入射する日射強度(W/m2)
Qint(Is=0): 日射がない条件で計算モデル全体を通して室内へ流入す
る熱流量(W/m)
qgc(Is=0): 日射がない条件でグレージング部を通して室内に流入す
る熱流密度(W/m2)
qgc(Is=0) は,式(E.3),又は式(E.4)によって算出する。
qgc(Is=0)=(hc,si+h'r,si)×(θ'b,n−θint) ································ (E.3)
qgc(Is=0)=Ug×(θex−θint) ············································ (E.4)
h'r,si: 日射がない条件での室内側表面放射熱伝達率[W/(m2・K)]
θ'b,n: 日射がない条件での最も室内側にあるグレージングの背
面側表面温度(℃)
Ug: グレージング部の熱貫流率[W/(m2・K)]
θex: 外気温(℃)
ただし,θ'b,nは,日射がない条件で5.4.4によって計算したθb,nを用いる。
h'r,siは,箇条6によってTsiをθ'b,nの絶対温度として計算したhr,siを用いる。
Ugは,JIS A 2102-1に規定するグレージングの熱貫流率を求める方法によって計算
する。
E.4.1 日射がない条件で計算モデルの熱流量[Qint(Is=0)]を得る方法
日射強度を0とし,それ以外の境界条件は箇条6に従う。
E.4.2 日射がある条件で計算モデルの熱流量(Qint)を得る方法
計算モデル自身がつくる影の部分がある場合はこれを考慮する。
a) フレーム表面での日射の扱い フレーム表面に直達日射が入射する場合,その表面は日射の入射角度
(φ)に応じた日射(I・cosφ)を受けて,日射吸収率(α)に応じた発熱(α・I・cosφ)を生じる。反射
日射がフレーム表面に入射する場合も同様に入射角度とその材料表面の日射吸収率に応じた発熱をそ
の表面で生じる。
フレーム表面では日射は拡散反射するものとし,反射率には各部材の(垂直入射時の)日射反射率
を用いる。計算モデルに再入射する拡散反射日射については,少なくとも1回の反射を考慮する。
b) グレージング部での日射の扱い グレージングに日射が入射する場合,5.4に従い各板ガラスの日射吸
収率を算出し,日射強度に応じた発熱が部材厚内で均一に,又は部材厚の中央にて集中して生じる。
c) キャビティでの日射の扱い 屋外側に小断面が開いた密閉キャビティ又は半密閉キャビティ(網掛け
部分)は,JIS A 2102-2に従ってモデル化する(図E.3参照)。これらキャビティ内部に日射が入る場
合は,内部のフレーム表面に直接日射が作用するものとして扱う(図E.3のキャビティ内部に示した
日射の入射する部材表面を発熱部位とする)。
26
A 2103:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図E.3−キャビティでの日射の扱い(発熱面の位置,半密閉キャビティの例)
E.5
境界条件
境界条件は箇条6に従う。室内側表面及び屋外側表面の放射熱伝達率は表面温度によって変化すること
から,安定した解を得るために収束計算をしなければならない。
27
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附属書F
(規定)
二重窓フレームの日射熱取得率の計算方法
F.1
概要
ここでは改修用の後付二重窓など外窓と内窓との伝熱開口面積が異なる二重窓のフレームの日射熱取得
率(ηfr)の計算方法を規定する。外窓の伝熱開口寸法を基準とした場合の外窓と内窓との室内側投影フレ
ーム面積の違いによって,二通りの計算方法を規定する。フレームの熱貫流率(Ufr)は,JIS A 2102-1の
附属書JB(外窓と内窓との伝熱開口面積の異なる二重窓の熱貫流率)によって算出しなければならない。
F.2
外窓の室内側投影フレーム面積の方が小さい場合(Afr1≦C+Afr2)
外窓の室内側投影フレーム面積が,外窓の伝熱開口寸法を基準としたときの内窓の室内側投影フレーム
面積(C+Afr2)より小さい場合の下枠フレーム部分の例を図F.1に示す。
図F.1−二重窓の室内側投影フレーム面積(Afr),外窓の屋外側フレーム展開面積(Ade1)及び
Afr1,Afr2寸法のイラストレーション(外窓の室内側投影フレーム面積の方が小さい場合)
二重窓のフレームの日射熱取得率(ηfr)は,式(F.1)によって算出する。
std
1
fr
1
de
fr
1
fr
fr
h
B
A
B
A
U
+
+
=α
η
································································· (F.1)
ここに,
αfr1: 外窓フレームの日射吸収率
Ufr: 二重窓フレームの熱貫流率
[W/(m2・K)]
Ade1: 外窓の屋外側フレーム展開面積(××部)
(m2)
hstd: 屋外側表面熱伝達率の標準値
[W/(m2・K)]
Afr1: 外窓単体の室内側投影フレーム面積
(m2)
Afr2: 内窓単体の室内側投影フレーム面積
(m2)
28
A 2103:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
B: 外窓伝熱開口寸法基準の内窓の室内側投影フレーム面
積(C+Afr2)と外窓の室内側投影フレーム面積(Afr1)と
の差
(m2)
C: 外窓と内窓の伝熱開口面積の差
(m2)
外窓フレームの日射吸収率(αfr1)は,JIS R 3106によって算定するか又は算定できない場合は,参考と
して附属書Aから得てもよい。
屋外側表面熱伝達率の標準値(hstd)は,5.3で規定する値を用いる。
F.3
外窓の室内側投影フレーム面積の方が大きい場合(Afr1>C+Afr2)
外窓の室内側投影フレーム面積が,外窓の伝熱開口寸法を基準としたときの内窓の室内側投影フレーム
面積(C+Afr2)より大きい場合の下枠フレーム部分の例を図F.2に示す。
図F.2−二重窓の室内側投影フレーム面積(Afr),外窓の屋外側フレーム展開面積(Ade1)及び
Afr1,Afr2寸法のイラストレーション(外窓の室内側投影フレーム面積の方が大きい場合)
二重窓のフレームの日射熱取得率(ηfr)は,式(F.2)によって算出する。
std
1
fr
1
de
fr
1
fr
fr
h
A
A
U
α
η=
······································································ (F.2)
29
A 2103:2014
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附属書G
(参考)
斜入射に対する板ガラスの光学特性の計算方法
G.1
概要
この規格では,入射日射はグレージング複合体に対して垂直に入射する平行光を与条件とし,板ガラス
の光学特性は垂直入射を想定したJIS R 3106に従って算定することとしている。しかし,実際の窓では様々
な方向からの日射入射が起こり得るので,建物の熱環境シミュレーションや省エネルギー計算で,窓から
の日射熱取得をより厳密に扱うには,斜入射に対する窓の日射熱取得率を用いる必要がある。この附属書
では,斜入射に対する窓の日射熱取得率を算出するのに必要な板ガラスの光学特性の計算方法を示す。
斜入射に対するグレージング複合体の日射熱取得率を算出する際には,5.4.2のグレージング複合体の多
重反射計算において,同じ斜入射時のグレージング複合体を構成する各層の面材(以下,各面材という。)
の日射透過率及び日射反射率を用いる必要がある。
各面材の斜入射に対する分光透過率及び分光反射率が得られている場合には,その分光特性を用いて式
(6)〜式(10)の計算を波長ごとに行い,グレージング複合体の斜入射に対する分光特性を求めておいて,グ
レージング複合体の斜入射に対する日射透過率及び各面材の日射吸収率はJIS R 3106の6.2(基礎式)の
方法によって算出する。この手順をマルチバンド計算という。
各面材の斜入射に対する分光特性が得られていない場合には,各面材の斜入射に対する日射透過率及び
日射反射率を用いて式(6)〜式(10)の計算を行い,グレージング複合体の斜入射に対する日射透過率及び各
面材の日射吸収率を求める。この手順をシングルバンド計算という。
各面材の斜入射に対する日射透過率及び日射反射率が得られていない場合には,垂直入射に対する日射
透過率及び日射反射率から次の方法によって得られる任意の入射角に対する日射透過率及び日射反射率を
シングルバンド計算に用いる。
G.2
規準化透過率及び規準化反射率の導入
各種グレージングの斜入射に対する日射透過率及び日射反射率を整理するために,式(G.1)及び式(G.2)の
規準化透過率(τn)及び規準化反射率(ρn)を導入する。
()
()()0
τ
ϕ
τ
ϕ
τ
=
n
··········································································· (G.1)
()
()
()
()0
1
0
ρ
ρ
ϕ
ρ
ϕ
ρ
−
−
=
n
·································································· (G.2)
ここに,
φ: 入射角(°)
τn(φ): 入射角φにおける規準化透過率
ρn(φ): 入射角φにおける規準化反射率
τ(φ): 入射角φにおける透過率
ρ(φ): 入射角φにおける反射率
τ(0): 垂直入射に対する日射透過率
ρ(0): 垂直入射に対する日射反射率
G.3
規準化透過率及び規準化反射率の近似式
各種グレージングの規準化透過率(τn)及び規準化反射率(ρn)は,式(G.3)及び式(G.4)の入射角φの余
30
A 2103:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
弦の5次の近似式で表す。
()∑
=
=
5
0
cos
i
i
i
n
m
ϕ
ϕ
τ
································································· (G.3)
()∑
=
=
5
0
cos
i
i
i
n
m
ϕ
ϕ
ρ
································································ (G.4)
ここに,
τn(φ): 入射角φにおける規準化透過率
ρn(φ): 入射角φにおける規準化反射率
φ: 入射角(°)
mi: グレージング種類ごとの係数
表G.1にグレージング種類ごとの係数(mi)の値を示す。ただし,薄膜付きガラスについては,ガラス
面側からの入射に対する反射率(ガラス面入射)と薄膜面側からの入射に対する反射率(膜面入射)とで
異なる入射角特性を示すので,それぞれで別の係数を定める。
これらの係数を用いて式(G.1),式(G.2),式(G.3)及び式(G.4)から,任意の入射角φにおける日射透過率(τ)
及び日射反射率(ρ)は,式(G.5)及び式(G.6)によって算出する。
()
()∑
=
=
5
0
cos
0
i
i
i
m
ϕ
τ
ϕ
τ
···························································· (G.5)
()
()
()
(
)∑
=
−
+
=
5
0
cos
0
1
0
i
i
i
m
ϕ
ρ
ρ
ϕ
ρ
············································· (G.6)
ここで,τ(0)及びρ(0)は,垂直入射(入射角φ=0°)のときの日射透過率及び日射反射率であり,グレ
ージング種類又は板厚によって異なる値となる。これには,表B.2又はJIS R 3106によって算出された値
を用いる。
表G.1−規準化透過率・規準化反射率の近似式のグレージング種類ごとの係数
板ガラス品種分類
規準化透過率
規準化反射率a)
m0
m1
m2
m3
m4
m5
透明フロート板ガラス
τn
0.000
2.552
1.364
−11.388
13.617
−5.146
ρn,glass
1.000
−5.189
12.392
−16.593
11.851
−3.461
熱線吸収板ガラス
τn
0.000
1.760
3.770
−14.901
16.422
−6.052
ρn,glass
1.000
−5.189
12.392
−16.593
11.851
−3.461
熱線反射ガラス
τn
0.000
3.297
−1.122
−8.408
12.206
−4.972
ρn,glass
1.000
−5.842
15.264
−21.642
15.948
−4.727
ρn,coat
1.000
−5.842
15.264
−21.642
15.948
−4.727
熱線吸収熱線反射ガラス
τn
0.000
2.558
0.989
−11.214
14.275
−5.608
ρn,glass
1.000
−5.842
15.264
−21.642
15.948
−4.727
ρn,coat
1.000
−5.842
15.264
−21.642
15.948
−4.727
高性能熱線反射ガラス
Sシリーズb)
τn
0.000
5.342
−10.170
6.670
0.886
−1.728
ρn,glass
1.000
−6.459
18.722
−28.982
22.804
−7.085
ρn,coat
1.000
−9.187
33.681
−59.593
50.413
−16.314
高性能熱線反射ガラス
Tシリーズb)
τn
0.000
4.150
−5.290
−1.353
7.028
−3.539
ρn,glass
1.000
−5.782
14.816
−20.567
14.862
−4.331
ρn,coat
1.000
−8.900
31.953
−55.934
47.050
−15.176
Low-Eガラス
τn
0.000
2.273
1.631
−10.358
11.769
−4.316
ρn,glass
1.000
−5.084
12.646
−18.213
13.967
−4.316
ρn,coat
1.000
−4.387
9.175
−11.152
7.416
−2.052
31
A 2103:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表G.1−規準化透過率・規準化反射率の近似式のグレージング種類ごとの係数(続き)
注a) τn:規準化透過率,ρn,glass:規準化反射率(ガラス面入射),ρn,coat:規準化反射率(膜面入射)
b) 高性能熱線反射ガラスのSシリーズとは反射膜種類の記号が“S”で始まるもの(例:SS8,SS14,SS20,SGY32),
Tシリーズとは同じく記号が“T”で始まるもの(例:TE10,TS15,TS20,TS30,TS40,TBL35,TCB35)
をいう。
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A 2103:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書H
(参考)
グレージング複合体の日射熱取得率の計算式の例
H.1 概要
5.4に規定するグレージング複合体の日射熱取得率の計算方法の例として,H.2に一枚の板ガラスの場合,
H.3に二枚の板ガラスからなる複層ガラスの場合,H.4に二枚の板ガラスからなる複層ガラスと室内側に
設置される日射遮蔽物の組合せの場合の計算式を示す。
H.2 一枚の板ガラスの場合
一枚の板ガラス(単板ガラス)のガラス中央部の日射熱取得率(ηglz)は,式(H.1)によって算出する。
α
τ
η
+
=
1
glz
N
······································································· (H.1)
ここに,
ηglz: 単板ガラスの日射熱取得率
τ: 単板ガラスの日射透過率
α: 単板ガラスの日射吸収率
N1: 単板ガラスの吸収日射熱が室内側へ再放出される割合
なお,N1は,式(H.2)によって算出する。
int
1
ex
1
ex
1
2
1
R
R
R
R
R
N
+
+
+
=
·································································· (H.2)
ここに,
Rex: 屋外側表面熱伝達抵抗
(m2・K/W)
Rint: 室内側表面熱伝達抵抗
(m2・K/W)
R1: 単板ガラスの熱抵抗
(m2・K/W)
H.3 二枚の板ガラスからなる複層ガラスの場合
二枚の板ガラスからなる複層ガラスのガラス中央部の日射熱取得率(ηglz)は,式(H.3)によって算出する。
2
2
1
1
glz
α
α
τ
η
+
+
=
N
N
···························································· (H.3)
ここに,
ηglz: 複層ガラスの日射熱取得率
τ: 複層ガラスの多重反射後の日射透過率
α1: 屋外側ガラスの多重反射後の日射吸収率
α2: 室内側ガラスの多重反射後の日射吸収率
N1: 屋外側ガラスの吸収日射熱が室内側へ再放出される割合
N2: 室内側ガラスの吸収日射熱が室内側へ再放出される割合
なお,N1及びN2は,式(H.4)及び式(H.5)によって算出する。
int
2
2,1
1
ex
1
ex
1
2
1
R
R
R
R
R
R
R
N
+
+
+
+
+
=
······················································ (H.4)
int
2
2,1
1
ex
2
2,1
1
ex
2
2
1
R
R
R
R
R
R
R
R
R
N
+
+
+
+
+
+
+
=
····················································· (H.5)
ここに,
R1,2: 中空層の熱伝達抵抗
(m2・K/W)
Rex: 屋外側表面熱伝達抵抗
(m2・K/W)
33
A 2103:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
Rint: 室内側表面熱伝達抵抗
(m2・K/W)
R1: 屋外側ガラスの熱抵抗
(m2・K/W)
R2: 室内側ガラスの熱抵抗
(m2・K/W)
また,二枚の板ガラスからなる複層ガラスの多重反射後の日射透過率(τ),屋外側及び室内側のガラス
の多重反射後の日射吸収率(α1,α 2)の計算は,JIS R 3106の6.(日射透過率,日射反射率及び日射吸収
率の算定)による。複層ガラスを構成する板ガラスの分光特性が得られない場合には,式(H.6)〜式(H.8)
によって算出する。
1
2
2
1
1
ρ
ρ
τ
τ
τ
′
−
=
········································································· (H.6)
(
)
(
)
1
2
1
1
2
1
1
1
1
1
1
1
ρ
ρ
ρ
τ
ρ
τ
ρ
τ
α
′
−
′
−
−
+
−
−
=
·············································· (H.7)
(
)
1
2
2
2
1
2
1
1
ρ
ρ
ρ
τ
τ
α
′
−
−
−
=
·································································· (H.8)
ここに,
τ1: 屋外側ガラスの日射透過率
τ2: 室内側ガラスの日射透過率
ρ1: 屋外側ガラスの日射反射率
ρ'1: 屋外側ガラスの室内側入射に対する日射反射率
ρ2: 室内側ガラスの日射反射率
H.4 二枚の板ガラスからなる複層ガラスと室内側に設置される日射遮蔽物の組合せの場合
二枚の板ガラスからなる複層ガラスと室内側に設置される,厚みが無視できる日射遮蔽物の組合せの場
合のグレージング複合体の日射熱取得率(ηglz)は,式(H.9)によって算出する。
3
3
2
2
1
1
glz
α
α
α
τ
η
+
+
+
=
N
N
N
················································· (H.9)
ここに,
ηglz: グレージング複合体の日射熱取得率
τ: グレージング複合体の多重反射後の日射透過率
α1: 屋外側ガラスの多重反射後の日射吸収率
α2: 室内側ガラスの多重反射後の日射吸収率
α3: 日射遮蔽物の多重反射後の日射吸収率
N1: 屋外側ガラスの吸収日射熱が室内側へ再放出される割合
N2: 室内側ガラスの吸収日射熱が室内側へ再放出される割合
N3: 日射遮蔽物の吸収日射熱が室内側へ再放出される割合
なお,N1,N2及びN3は,式(H.10),式(H.11)及び式(H.12)によって算出する。
int
3,2
2
2,1
1
ex
1
ex
1
2
1
R
R
R
R
R
R
R
R
N
+
+
+
+
+
+
=
·············································(H.10)
int
3,2
2
2,1
1
ex
2
2,1
1
ex
2
2
1
R
R
R
R
R
R
R
R
R
R
N
+
+
+
+
+
+
+
+
=
············································· (H.11)
int
3,2
2
2,1
1
ex
3,2
2
2,1
1
ex
3
R
R
R
R
R
R
R
R
R
R
R
N
+
+
+
+
+
+
+
+
+
=
·············································(H.12)
ここに,
R1,2: 複層ガラスの中空層の熱伝達抵抗
(m2・K/W)
R2,3: 複層ガラスと日射遮蔽物とに挟まれた中空層の熱伝達
抵抗
(m2・K/W)
34
A 2103:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
Rex: 屋外側表面熱伝達抵抗
(m2・K/W)
Rint: 室内側表面熱伝達抵抗
(m2・K/W)
R1: 屋外側ガラスの熱抵抗
(m2・K/W)
R2: 室内側ガラスの熱抵抗
(m2・K/W)
日射遮蔽物の熱抵抗は,R3=0とする。ただし,密閉性が保てない日射遮蔽物(ブ
ラインド,ロールスクリーンなど)の場合は,N3=1とする。
また,グレージング複合体の多重反射後の日射透過率(τ)及び屋外側及び室内側のガラスの多重反射後
の日射吸収率(α1,α2),日射遮蔽物の多重反射後の日射吸収率(α3)の計算は,JIS R 3106の6.による。
複層ガラスを構成する板ガラス及び日射遮蔽物の分光特性が得られない場合には式(H.13)〜式(H.16)によ
って算出する。
1,2
3
3
2,1
1
ρ
ρ
τ
τ
τ
′
−
=
·······································································(H.13)
(
)
(
)
3,2
1
1
1
3,2
1
1
1
1
1
1
1
ρ
ρ
ρ
τ
ρ
τ
ρ
τ
α
′
−
′
−
−
+
−
−
=
···········································(H.14)
(
)
(
)
3
1,2
2
2
3
2,1
3,2
1
2
2
1
2
1
1
1
1
ρ
ρ
ρ
τ
ρ
τ
ρ
ρ
ρ
τ
τ
α
′
−
′
−
−
+
′
−
−
−
=
·····································(H.15)
(
)
3
1,2
3
3
2,1
3
1
1
ρ
ρ
ρ
τ
τ
α
′
−
−
−
=
·······························································(H.16)
ここに,
1
2
2
1
2,1
1
ρ
ρ
τ
τ
τ
′
−
=
······································································(H.17)
1
2
1
2
2
2
1,2
1
ρ
ρ
ρ
τ
ρ
ρ
′
−
′
+
′
=
′
································································(H.18)
2
3
3
2
2
2
3,2
1
ρ
ρ
ρ
τ
ρ
ρ
′
−
+
=
·······························································(H.19)
ここに,
τ1: 屋外側ガラスの日射透過率
τ2: 室内側ガラスの日射透過率
τ3: 日射遮蔽物の日射透過率
ρ1: 屋外側ガラスの屋外側入射に対する日射反射率
ρ'1: 屋外側ガラスの室内側入射に対する日射反射率
ρ2: 室内側ガラスの屋外側入射に対する日射反射率
ρ'2: 室内側ガラスの室内側入射に対する日射反射率
ρ3: 日射遮蔽物の屋外側入射に対する日射反射率
H.5 一枚の板ガラスと室内側に設置される日射遮蔽物の組合せの場合
一枚の板ガラスと室内側に設置される,厚みが無視できる日射遮蔽物の組合せの場合のグレージング複
合体の日射熱取得率(ηglz)は,式(H.20)によって算出する。
2
2
1
1
glz
α
α
τ
η
+
+
=
N
N
···························································(H.20)
ここに,
ηglz: グレージング複合体の日射熱取得率
τ: グレージング複合体の多重反射後の日射透過率
α1: 板ガラスの多重反射後の日射吸収率
α2: 日射遮蔽物の多重反射後の日射吸収率
N1: 板ガラスの吸収日射熱が室内側へ再放出される割合
N2: 日射遮蔽物の吸収日射熱が室内側へ再放出される割合
35
A 2103:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
なお,N1及びN2は,式(H.21)及び式(H.22)によって算出する。
int
2,1
1
ex
1
ex
1
2
1
R
R
R
R
R
R
N
+
+
+
+
=
··························································(H.21)
int
2,1
1
ex
2,1
1
ex
2
R
R
R
R
R
R
R
N
+
+
+
+
+
=
··························································(H.22)
ここに,
R1,2: 板ガラスと日射遮蔽物とに挟まれた中空層の熱伝達抵抗
(m2・K/W)
Rex: 屋外側表面熱伝達抵抗
(m2・K/W)
Rint: 室内側表面熱伝達抵抗
(m2・K/W)
R1: 板ガラスの熱抵抗
(m2・K/W)
日射遮蔽物の熱抵抗はR2=0とする。ただし,密閉性が保てない日射遮蔽物(ブライ
ンド,ロールスクリーンなど)の場合は,N2=1とする。
また,グレージング複合体の多重反射後の日射透過率(τ),板ガラス及び日射遮蔽物の多重反射後の日
射吸収率(α1,α2)の計算は,JIS R 3106の6.(日射透過率,日射反射率及び日射吸収率の算定)による。
板ガラス及び日射遮蔽物の分光特性が得られない場合には,式(H.23)〜式(H.25)によって算出する。
1
2
2
1
1
ρ
ρ
τ
τ
τ
′
−
=
········································································(H.23)
(
)
(
)
1
2
1
1
2
1
1
1
1
1
1
1
ρ
ρ
ρ
τ
ρ
τ
ρ
τ
α
′
−
′
−
−
+
−
−
=
·············································(H.24)
(
)
1
2
2
2
1
2
1
1
ρ
ρ
ρ
τ
τ
α
′
−
−
−
=
·································································(H.25)
ここに,
τ1: 板ガラスの日射透過率
τ2: 日射遮蔽物の日射透過率
ρ1: 板ガラスの日射反射率
ρ'1: 板ガラスの室内側入射に対する日射反射率
ρ2: 日射遮蔽物の日射反射率
H.6 二枚の板ガラスとその中に設置される日射遮蔽物の組合せの場合
二枚の板ガラスとその中に設置される,厚みが無視できる日射遮蔽物の組合せの場合のグレージング複
合体の日射熱取得率(ηglz)は,式(H.26)によって算出する。
3
3
2
2
1
1
glz
α
α
α
τ
η
+
+
+
=
N
N
N
················································(H.26)
ここに,
ηglz: グレージング複合体の日射熱取得率
τ: グレージング複合体の多重反射後の日射透過率
α1: 屋外側ガラスの多重反射後の日射吸収率
α2: 日射遮蔽物の多重反射後の日射吸収率
α3: 室内側ガラスの多重反射後の日射吸収率
N1: 屋外側ガラスの吸収日射熱が室内側へ再放出される割合
N2: 日射遮蔽物の吸収日射熱が室内側へ再放出される割合
N3: 室内側ガラスの吸収日射熱が室内側へ再放出される割合
なお,N1,N2及びN3は,式(H.27),式(H.28)及び式(H.29)によって算出する。
int
3
3,2
2,1
1
ex
1
ex
1
2
1
R
R
R
R
R
R
R
R
N
+
+
+
+
+
+
=
·············································(H.27)
36
A 2103:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
int
3
3,2
2,1
1
ex
2,1
1
ex
2
R
R
R
R
R
R
R
R
R
N
+
+
+
+
+
+
+
=
·············································(H.28)
int
3
3,2
2,1
1
ex
3,2
2,1
1
ex
3
R
R
R
R
R
R
R
R
R
R
N
+
+
+
+
+
+
+
+
=
·············································(H.29)
ここに,
R1,2: 屋外側ガラスと日射遮蔽物とに挟まれた中空層の熱伝
達抵抗
(m2・K/W)
R2,3: 日射遮蔽物と室内側ガラスに挟まれた中空層の熱伝達
抵抗
(m2・K/W)
Rex: 屋外側表面熱伝達抵抗
(m2・K/W)
Rint: 室内側表面熱伝達抵抗
(m2・K/W)
R1: 屋外側ガラスの熱抵抗
(m2・K/W)
R3: 室内側ガラスの熱抵抗
(m2・K/W)
日射遮蔽物の熱抵抗はR2=0とする。
また,グレージング複合体の多重反射後の日射透過率(τ)及び屋外側及び室内側のガラスの多重反射後
の日射吸収率(α1,α3),日射遮蔽物の多重反射後の日射吸収率(α2)の計算は,JIS R 3106の6.による。
複層ガラスを構成する板ガラス及び日射遮蔽物の分光特性が得られない場合には式(H.30)〜式(H.33)によ
って算出する。
1,2
3
3
2,1
1
ρ
ρ
τ
τ
τ
′
−
=
·······································································(H.30)
(
)
(
)
3,2
1
1
1
3,2
1
1
1
1
1
1
1
ρ
ρ
ρ
τ
ρ
τ
ρ
τ
α
′
−
′
−
−
+
−
−
=
···········································(H.31)
(
)
(
)
3
1,2
2
2
3
2,1
3,2
1
2
2
1
2
1
1
1
1
ρ
ρ
ρ
τ
ρ
τ
ρ
ρ
ρ
τ
τ
α
′
−
′
−
−
+
′
−
−
−
=
·····································(H.32)
(
)
3
1,2
3
3
2,1
3
1
1
ρ
ρ
ρ
τ
τ
α
′
−
−
−
=
·······························································(H.33)
ここに,
1
2
2
1
2,1
1
ρ
ρ
τ
τ
τ
′
−
=
······································································(H.34)
1
2
1
2
2
2
1,2
1
ρ
ρ
ρ
τ
ρ
ρ
′
−
′
+
′
=
′
································································(H.35)
2
3
3
2
2
2
3,2
1
ρ
ρ
ρ
τ
ρ
ρ
′
−
+
=
·······························································(H.36)
ここに,
τ1: 屋外側ガラスの日射透過率
τ2: 日射遮蔽物の日射透過率
τ3: 室内側ガラスの日射透過率
ρ1: 屋外側ガラスの屋外側入射に対する日射反射率
ρ'1: 屋外側ガラスの室内側入射に対する日射反射率
ρ2: 日射遮蔽物の屋外側入射に対する日射反射率
ρ'2: 日射遮蔽物の室内側入射に対する日射反射率
ρ3: 室内側ガラスの屋外側入射に対する日射反射率
H.7 一枚の板ガラスと屋外側に設置される日射遮蔽物の組合せの場合
一枚の板ガラスと屋外側に設置される日射遮蔽物の組合せの場合のグレージング複合体の日射熱取得率
(ηglz)は,式(H.37)によって算出する。
37
A 2103:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
2
2
1
1
glz
α
α
τ
η
+
+
=
N
N
···························································(H.37)
ここに,
ηglz: グレージング複合体の日射熱取得率
τ: グレージング複合体の多重反射後の日射透過率
α1: 日射遮蔽物の多重反射後の日射吸収率
α2: 板ガラスの多重反射後の日射吸収率
N1: 日射遮蔽物の吸収日射熱が室内側へ再放出される割合
N2: 板ガラスの吸収日射熱が室内側へ再放出される割合
なお,N1及びN2は,式(H.38)及び式(H.39)によって算出する。
int
2
2,1
1
ex
1
ex
1
2
1
R
R
R
R
R
R
R
N
+
+
+
+
+
=
·····················································(H.38)
int
2
2,1
1
ex
2
2,1
1
ex
2
2
1
R
R
R
R
R
R
R
R
R
N
+
+
+
+
+
+
+
=
····················································(H.39)
ここに,
R1,2: 日射遮蔽物と板ガラスとに挟まれた中空層の熱伝達抵抗
(m2・K/W)
Rex: 屋外側表面熱伝達抵抗
(m2・K/W)
Rint: 室内側表面熱伝達抵抗
(m2・K/W)
R1: 日射遮蔽物の熱抵抗
(m2・K/W)
R2: 板ガラスの熱抵抗
(m2・K/W)
ただし,密閉性が保てない日射遮蔽物(ブラインド,ロールスクリーンなど)の場
合は,N1=0とする。
また,グレージング複合体の多重反射後の日射透過率(τ),日射遮蔽物及び板ガラスの多重反射後の日
射吸収率(α1,α2)の計算は,JIS R 3106の6.による。日射遮蔽物及び板ガラスの分光特性が得られない
場合には,式(H.40)〜式(H.42)によって算出する。
1
2
2
1
1
ρ
ρ
τ
τ
τ
′
−
=
········································································(H.40)
(
)
(
)
1
2
1
1
2
1
1
1
1
1
1
1
ρ
ρ
ρ
τ
ρ
τ
ρ
τ
α
′
−
′
−
−
+
−
−
=
·············································(H.41)
(
)
1
2
2
2
1
2
1
1
ρ
ρ
ρ
τ
τ
α
′
−
−
−
=
·································································(H.42)
ここに,
τ1: 日射遮蔽物の日射透過率
τ2: 板ガラスの日射透過率
ρ1: 日射遮蔽物の日射反射率
ρ'1: 日射遮蔽物の室内側入射に対する日射反射率
ρ2: 板ガラスの日射反射率
38
A 2103:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書I
(参考)
ブラインドの光学特性の計算例
I.1
概要
ブラインドの光学特性について,附属書Cの計算方法を用いて求めたスラットのタイプ,スラット角度,
プロファイル角度(入射角度)等の各条件における計算結果を例示する。これらは5.4の計算に用いるこ
とができる。
I.2
光学特性の計算例
I.2.1
スラットのタイプ及び条件
I.2.1.1
スラットの形状
ブラインドのタイプ別スラット形状を表I.1に示す。
表I.1−スラットの形状(図I.1参照)
単位 mm
タイプ
スラット幅
W
スラット高さ
d
スラット間隔
S
15 mm幅
15.8
1.1
12.0
25 mm幅
24.6
2.2
21.5
35 mm幅
34.0
3.8
30.0
50 mm幅
48.0
5.0
43.0
注記 スラット材は全てアルミニウム合金に表面塗装(不透明素材)とする。
図I.1−スラット形状
39
A 2103:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
I.2.1.2
スラット角度及びプロファイル角度
ブラインドのスラット角度及びプロファイル角度(入射角度)を表I.2に示す。
表I.2−スラット角度及びプロファイル角度(図I.2参照)
項目
角度
スラット角度
ψ
0°(水平)
45°
75°(全閉)
プロファイル角度
φ
0°(垂直入射)
30°
60°
図I.2−スラット角度及びプロファイル角度
I.2.1.3
スラット材の光学特性
JIS R 3106によってスラット材の平面を測定及び算出した代表的な光学特性の値を表I.3に示す。
ここに記載のないものは同様にJIS R 3106によって測定及び算出された値を用いることができる。
表I.3−スラット材の光学特性
色(慣用色名)
艶
日射反射率(全反射)
ρ
鏡面(正)反射率
ρS
拡散反射率
ρD
ホワイト
あり
0.73
0.03
0.70
なし
0.75
0.02
0.73
アイボリー
あり
0.66
0.05
0.61
なし
0.69
0.05
0.64
グレイ
あり
0.54
0.05
0.50
なし
0.56
0.03
0.53
ブラック
あり
0.05
0.04
0.01
なし
0.05
0.01
0.04
表ホワイト/裏ブラック
あり
表0.73/裏0.05
表0.03/裏0.04
表0.70/裏0.01
表ブラック/裏ホワイト
あり
表0.05/裏0.73
表0.04/裏0.03
表0.01/裏0.70
40
A 2103:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
I.2.2
ブラインドの光学特性計算結果
表I.4〜表I.7にI.2.1の各条件によるブラインドの光学特性の計算結果を示す。これらの値は5.4の計算
に用いることができる。
41
A 2103:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表I.4−ブラインドの光学特性:15 mm幅タイプ
色
艶
光学特性
種別a)
プロファイル角度
0°
30°
60°
スラット角度
スラット角度
スラット角度
0°
(水平)
45°
75°
(全閉)
0°
(水平)
45°
75°
(全閉)
0°
(水平)
45°
75°
(全閉)
ホワイト
あり
τdir(φ)
0.924
0.211
0.033
0.433
0.092
0.019
0.140
0.051
0.010
ρdir(φ)
0.039
0.416
0.655
0.232
0.541
0.689
0.411
0.624
0.710
τdir-0(φ)
0.910
0.070
0.000
0.240
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.924
0.204
0.030
0.433
0.680
0.047
0.140
0.545
0.369
ρ'dir(φ)
0.039
0.388
0.626
0.232
0.148
0.552
0.411
0.156
0.321
なし
τdir(φ)
0.924
0.220
0.036
0.441
0.100
0.022
0.152
0.056
0.011
ρdir(φ)
0.041
0.434
0.675
0.247
0.559
0.708
0.434
0.642
0.729
τdir-0(φ)
0.910
0.070
0.000
0.240
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.924
0.213
0.033
0.441
0.682
0.052
0.152
0.550
0.373
ρ'dir(φ)
0.041
0.410
0.646
0.247
0.157
0.578
0.434
0.169
0.340
アイボリー
あり
τdir(φ)
0.923
0.185
0.024
0.409
0.070
0.014
0.108
0.039
0.007
ρdir(φ)
0.032
0.363
0.590
0.191
0.481
0.623
0.344
0.564
0.642
τdir-0(φ)
0.910
0.070
0.000
0.240
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.923
0.178
0.022
0.409
0.672
0.035
0.108
0.525
0.358
ρ'dir(φ)
0.032
0.325
0.560
0.191
0.123
0.477
0.344
0.121
0.269
なし
τdir(φ)
0.924
0.195
0.027
0.420
0.077
0.016
0.118
0.043
0.008
ρdir(φ)
0.034
0.382
0.618
0.204
0.505
0.652
0.366
0.591
0.671
τdir-0(φ)
0.910
0.070
0.000
0.240
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.924
0.187
0.025
0.420
0.677
0.039
0.118
0.536
0.362
ρ'dir(φ)
0.034
0.346
0.588
0.204
0.131
0.503
0.366
0.132
0.285
グレイ
あり
τdir(φ)
0.920
0.152
0.016
0.368
0.048
0.009
0.077
0.026
0.005
ρdir(φ)
0.025
0.291
0.481
0.147
0.389
0.509
0.269
0.459
0.525
τdir-0(φ)
0.910
0.070
0.000
0.240
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.920
0.147
0.015
0.368
0.655
0.023
0.077
0.481
0.345
ρ'dir(φ)
0.025
0.256
0.452
0.147
0.096
0.382
0.269
0.086
0.212
なし
τdir(φ)
0.920
0.157
0.018
0.372
0.053
0.011
0.085
0.029
0.005
ρdir(φ)
0.027
0.306
0.500
0.158
0.405
0.528
0.288
0.475
0.544
τdir-0(φ)
0.910
0.070
0.000
0.240
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.920
0.152
0.017
0.372
0.656
0.026
0.085
0.484
0.347
ρ'dir(φ)
0.027
0.275
0.469
0.158
0.103
0.403
0.288
0.095
0.227
ブラック
あり
τdir(φ)
0.914
0.080
0.000
0.261
0.001
0.000
0.001
0.000
0.000
ρdir(φ)
0.000
0.017
0.044
0.002
0.034
0.049
0.006
0.048
0.050
τdir-0(φ)
0.910
0.070
0.000
0.240
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.914
0.076
0.000
0.261
0.622
0.000
0.001
0.350
0.323
ρ'dir(φ)
0.000
0.005
0.044
0.002
0.002
0.019
0.006
0.001
0.004
なし
τdir(φ)
0.911
0.075
0.000
0.251
0.001
0.000
0.003
0.001
0.000
ρdir(φ)
0.002
0.024
0.044
0.009
0.035
0.047
0.019
0.043
0.049
τdir-0(φ)
0.910
0.070
0.000
0.240
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.911
0.074
0.000
0.251
0.614
0.000
0.003
0.336
0.321
ρ'dir(φ)
0.002
0.019
0.041
0.009
0.007
0.031
0.019
0.003
0.016
表ホワイト
/裏ブラック
あり
τdir(φ)
0.917
0.117
0.004
0.365
0.020
0.002
0.058
0.009
0.000
ρdir(φ)
0.031
0.381
0.648
0.162
0.511
0.685
0.320
0.607
0.708
τdir-0(φ)
0.910
0.070
0.000
0.240
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.917
0.077
0.000
0.365
0.623
0.001
0.058
0.508
0.323
ρ'dir(φ)
0.031
0.005
0.045
0.162
0.002
0.019
0.320
0.054
0.004
表ブラック
/裏ホワイト
なし
τdir(φ)
0.914
0.081
0.001
0.262
0.002
0.000
0.002
0.001
0.000
ρdir(φ)
0.001
0.017
0.044
0.003
0.034
0.049
0.007
0.048
0.050
τdir-0(φ)
0.910
0.070
0.000
0.240
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.914
0.117
0.006
0.262
0.637
0.005
0.002
0.350
0.324
ρ'dir(φ)
0.001
0.327
0.595
0.003
0.120
0.505
0.007
0.002
0.275
注a) τdir(φ):透過率,ρdir(φ):反射率,τdir-0(φ):直接透過率
τ'dir(φ):室内側からの反射日射に対する透過率,ρ'dir(φ):室内側からの反射日射に対する反射率
42
A 2103:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表I.5−ブラインドの光学特性:25 mm幅タイプ
色
艶
光学特性
種別a)
プロファイル角度
0°
30°
60°
スラット角度
スラット角度
スラット角度
0°
(水平)
45°
75°
(全閉)
0°
(水平)
45°
75°
(全閉)
0°
(水平)
45°
75°
(全閉)
ホワイト
あり
τdir(φ)
0.915
0.308
0.048
0.505
0.107
0.030
0.152
0.057
0.015
ρdir(φ)
0.045
0.391
0.646
0.217
0.534
0.681
0.418
0.626
0.705
τdir-0(φ)
0.900
0.190
0.000
0.340
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.915
0.306
0.038
0.505
0.707
0.116
0.152
0.597
0.439
ρ'dir(φ)
0.045
0.360
0.635
0.217
0.145
0.545
0.418
0.150
0.319
なし
τdir(φ)
0.915
0.315
0.052
0.512
0.116
0.033
0.164
0.062
0.017
ρdir(φ)
0.048
0.406
0.665
0.230
0.552
0.699
0.440
0.643
0.724
τdir-0(φ)
0.900
0.190
0.000
0.340
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.915
0.312
0.041
0.512
0.710
0.120
0.164
0.602
0.442
ρ'dir(φ)
0.048
0.380
0.654
0.230
0.153
0.568
0.440
0.161
0.336
アイボリー
あり
τdir(φ)
0.915
0.287
0.036
0.485
0.083
0.023
0.120
0.043
0.012
ρdir(φ)
0.038
0.344
0.581
0.180
0.476
0.617
0.355
0.567
0.638
τdir-0(φ)
0.900
0.190
0.000
0.340
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.915
0.286
0.029
0.485
0.700
0.105
0.120
0.580
0.431
ρ'dir(φ)
0.038
0.304
0.571
0.180
0.121
0.474
0.355
0.118
0.271
なし
τdir(φ)
0.915
0.295
0.040
0.494
0.091
0.025
0.130
0.047
0.013
ρdir(φ)
0.041
0.361
0.608
0.192
0.499
0.645
0.376
0.593
0.667
τdir-0(φ)
0.900
0.190
0.000
0.340
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.915
0.294
0.032
0.494
0.703
0.108
0.130
0.589
0.434
ρ'dir(φ)
0.041
0.322
0.599
0.192
0.129
0.499
0.376
0.128
0.287
グレイ
あり
τdir(φ)
0.911
0.260
0.025
0.450
0.058
0.016
0.087
0.029
0.008
ρdir(φ)
0.030
0.277
0.475
0.139
0.385
0.504
0.279
0.461
0.522
τdir-0(φ)
0.900
0.190
0.000
0.340
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.911
0.259
0.019
0.450
0.686
0.093
0.087
0.540
0.421
ρ'dir(φ)
0.030
0.241
0.461
0.139
0.095
0.381
0.279
0.085
0.216
なし
τdir(φ)
0.911
0.264
0.028
0.454
0.064
0.017
0.095
0.033
0.009
ρdir(φ)
0.032
0.291
0.493
0.150
0.401
0.522
0.297
0.477
0.541
τdir-0(φ)
0.900
0.190
0.000
0.340
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.911
0.263
0.022
0.454
0.687
0.096
0.095
0.543
0.422
ρ'dir(φ)
0.032
0.258
0.478
0.150
0.102
0.402
0.297
0.093
0.230
ブラック
あり
τdir(φ)
0.904
0.199
0.000
0.357
0.001
0.000
0.001
0.000
0.000
ρdir(φ)
0.001
0.018
0.042
0.002
0.033
0.049
0.011
0.048
0.050
τdir-0(φ)
0.900
0.190
0.000
0.340
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.904
0.198
0.000
0.357
0.658
0.071
0.001
0.417
0.402
ρ'dir(φ)
0.001
0.004
0.048
0.002
0.002
0.019
0.011
0.001
0.004
なし
τdir(φ)
0.901
0.194
0.001
0.350
0.002
0.000
0.004
0.001
0.000
ρdir(φ)
0.002
0.024
0.043
0.009
0.034
0.047
0.021
0.043
0.048
τdir-0(φ)
0.900
0.190
0.000
0.340
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.901
0.194
0.000
0.350
0.653
0.070
0.004
0.405
0.401
ρ'dir(φ)
0.002
0.018
0.043
0.009
0.007
0.031
0.021
0.004
0.016
表ホワイト
/裏ブラック
あり
τdir(φ)
0.908
0.233
0.008
0.449
0.029
0.005
0.071
0.011
0.002
ρdir(φ)
0.038
0.367
0.640
0.160
0.508
0.678
0.333
0.611
0.704
τdir-0(φ)
0.900
0.190
0.000
0.340
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.908
0.199
0.000
0.449
0.659
0.071
0.071
0.569
0.403
ρ'dir(φ)
0.038
0.005
0.048
0.160
0.004
0.020
0.333
0.058
0.005
表ブラック
/裏ホワイト
なし
τdir(φ)
0.904
0.199
0.001
0.358
0.002
0.000
0.002
0.001
0.000
ρdir(φ)
0.001
0.018
0.042
0.003
0.033
0.049
0.012
0.048
0.050
τdir-0(φ)
0.900
0.190
0.000
0.340
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.904
0.235
0.005
0.358
0.671
0.074
0.002
0.417
0.403
ρ'dir(φ)
0.001
0.312
0.608
0.003
0.118
0.510
0.012
0.002
0.286
注a) τdir(φ):透過率,ρdir(φ):反射率,τdir-0(φ):直接透過率
τ'dir(φ):室内側からの反射日射に対する透過率,ρ'dir(φ):室内側からの反射日射に対する反射率
43
A 2103:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表I.6−ブラインドの光学特性:35 mm幅タイプ
色
艶
光学特性
種別a)
プロファイル角度
0°
30°
60°
スラット角度
スラット角度
スラット角度
0°
(水平)
45°
75°
(全閉)
0°
(水平)
45°
75°
(全閉)
0°
(水平)
45°
75°
(全閉)
ホワイト
あり
τdir(φ)
0.889
0.312
0.049
0.499
0.106
0.031
0.141
0.053
0.016
ρdir(φ)
0.059
0.396
0.646
0.227
0.539
0.680
0.436
0.633
0.704
τdir-0(φ)
0.870
0.200
0.000
0.350
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.889
0.309
0.035
0.499
0.694
0.112
0.141
0.564
0.411
ρ'dir(φ)
0.059
0.359
0.634
0.227
0.151
0.545
0.436
0.170
0.331
なし
τdir(φ)
0.889
0.319
0.053
0.505
0.115
0.033
0.152
0.058
0.017
ρdir(φ)
0.063
0.411
0.665
0.241
0.557
0.699
0.457
0.650
0.723
τdir-0(φ)
0.870
0.200
0.000
0.350
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.889
0.315
0.039
0.505
0.697
0.115
0.152
0.568
0.414
ρ'dir(φ)
0.063
0.379
0.653
0.241
0.160
0.570
0.457
0.183
0.349
アイボリー
あり
τdir(φ)
0.887
0.293
0.037
0.479
0.082
0.023
0.110
0.040
0.012
ρdir(φ)
0.050
0.350
0.582
0.189
0.481
0.616
0.373
0.573
0.637
τdir-0(φ)
0.870
0.200
0.000
0.350
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.887
0.290
0.027
0.479
0.686
0.102
0.110
0.547
0.403
ρ'dir(φ)
0.050
0.303
0.569
0.189
0.126
0.472
0.373
0.134
0.279
なし
τdir(φ)
0.888
0.300
0.041
0.487
0.089
0.026
0.120
0.044
0.013
ρdir(φ)
0.053
0.367
0.609
0.201
0.505
0.644
0.395
0.600
0.666
τdir-0(φ)
0.870
0.200
0.000
0.350
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.888
0.297
0.029
0.487
0.689
0.105
0.120
0.556
0.406
ρ'dir(φ)
0.053
0.321
0.597
0.201
0.134
0.497
0.395
0.145
0.296
グレイ
あり
τdir(φ)
0.882
0.267
0.026
0.448
0.057
0.016
0.079
0.027
0.008
ρdir(φ)
0.040
0.283
0.475
0.147
0.390
0.503
0.294
0.467
0.521
τdir-0(φ)
0.870
0.200
0.000
0.350
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.882
0.265
0.018
0.448
0.673
0.091
0.079
0.510
0.393
ρ'dir(φ)
0.040
0.240
0.458
0.147
0.099
0.379
0.294
0.097
0.221
なし
τdir(φ)
0.882
0.271
0.028
0.451
0.063
0.018
0.087
0.030
0.009
ρdir(φ)
0.042
0.296
0.493
0.158
0.406
0.521
0.312
0.483
0.539
τdir-0(φ)
0.870
0.200
0.000
0.350
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.882
0.269
0.020
0.451
0.674
0.094
0.087
0.512
0.394
ρ'dir(φ)
0.042
0.256
0.475
0.158
0.106
0.400
0.312
0.106
0.236
ブラック
あり
τdir(φ)
0.874
0.209
0.000
0.364
0.001
0.000
0.001
0.000
0.000
ρdir(φ)
0.001
0.019
0.042
0.002
0.034
0.049
0.016
0.048
0.050
τdir-0(φ)
0.870
0.200
0.000
0.350
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.874
0.208
0.000
0.364
0.646
0.071
0.001
0.395
0.373
ρ'dir(φ)
0.001
0.004
0.048
0.002
0.002
0.017
0.016
0.001
0.004
なし
τdir(φ)
0.871
0.204
0.001
0.358
0.002
0.000
0.004
0.001
0.000
ρdir(φ)
0.003
0.024
0.043
0.010
0.035
0.047
0.023
0.044
0.048
τdir-0(φ)
0.870
0.200
0.000
0.350
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.871
0.204
0.000
0.358
0.642
0.070
0.004
0.384
0.371
ρ'dir(φ)
0.003
0.017
0.042
0.010
0.007
0.030
0.023
0.004
0.016
表ホワイト
/裏ブラック
あり
τdir(φ)
0.879
0.241
0.009
0.444
0.028
0.006
0.061
0.009
0.002
ρdir(φ)
0.049
0.376
0.642
0.172
0.516
0.678
0.354
0.620
0.703
τdir-0(φ)
0.870
0.200
0.000
0.350
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.879
0.208
0.000
0.444
0.648
0.071
0.061
0.535
0.377
ρ'dir(φ)
0.049
0.005
0.048
0.172
0.006
0.017
0.354
0.070
0.006
表ブラック
/裏ホワイト
なし
τdir(φ)
0.874
0.209
0.001
0.365
0.002
0.000
0.002
0.001
0.000
ρdir(φ)
0.001
0.019
0.042
0.003
0.034
0.049
0.017
0.048
0.050
τdir-0(φ)
0.870
0.200
0.000
0.350
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.874
0.243
0.004
0.365
0.657
0.074
0.002
0.395
0.373
ρ'dir(φ)
0.001
0.309
0.604
0.003
0.120
0.508
0.017
0.002
0.284
注a) τdir(φ):透過率,ρdir(φ):反射率,τdir-0(φ):直接透過率
τ'dir(φ):室内側からの反射日射に対する透過率,ρ'dir(φ):室内側からの反射日射に対する反射率
44
A 2103:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表I.7−ブラインドの光学特性:50 mm幅タイプ
色
艶
光学特性
種別a)
プロファイル角度
0°
30°
60°
スラット角度
スラット角度
スラット角度
0°
(水平)
45°
75°
(全閉)
0°
(水平)
45°
75°
(全閉)
0°
(水平)
45°
75°
(全閉)
ホワイト
あり
τdir(φ)
0.899
0.322
0.050
0.512
0.108
0.032
0.148
0.055
0.018
ρdir(φ)
0.053
0.390
0.644
0.220
0.536
0.678
0.429
0.630
0.701
τdir-0(φ)
0.880
0.210
0.000
0.360
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.899
0.319
0.038
0.512
0.704
0.133
0.148
0.587
0.431
ρ'dir(φ)
0.053
0.356
0.635
0.220
0.147
0.540
0.429
0.159
0.325
なし
τdir(φ)
0.899
0.328
0.055
0.519
0.117
0.035
0.159
0.060
0.020
ρdir(φ)
0.056
0.405
0.663
0.233
0.553
0.697
0.450
0.647
0.720
τdir-0(φ)
0.880
0.210
0.000
0.360
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.899
0.325
0.041
0.519
0.707
0.136
0.159
0.591
0.434
ρ'dir(φ)
0.056
0.375
0.654
0.233
0.156
0.563
0.450
0.172
0.343
アイボリー
あり
τdir(φ)
0.897
0.303
0.039
0.493
0.084
0.025
0.116
0.042
0.014
ρdir(φ)
0.045
0.344
0.580
0.183
0.478
0.614
0.366
0.570
0.635
τdir-0(φ)
0.880
0.210
0.000
0.360
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.897
0.301
0.029
0.493
0.697
0.123
0.116
0.570
0.423
ρ'dir(φ)
0.045
0.301
0.570
0.183
0.123
0.470
0.366
0.126
0.276
なし
τdir(φ)
0.898
0.310
0.042
0.501
0.092
0.027
0.126
0.046
0.015
ρdir(φ)
0.048
0.362
0.607
0.195
0.502
0.642
0.388
0.597
0.664
τdir-0(φ)
0.880
0.210
0.000
0.360
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.898
0.308
0.032
0.501
0.700
0.127
0.126
0.579
0.426
ρ'dir(φ)
0.048
0.319
0.598
0.195
0.131
0.495
0.388
0.137
0.292
グレイ
あり
τdir(φ)
0.893
0.277
0.026
0.461
0.059
0.017
0.084
0.028
0.009
ρdir(φ)
0.036
0.278
0.474
0.142
0.387
0.502
0.288
0.464
0.519
τdir-0(φ)
0.880
0.210
0.000
0.360
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.893
0.276
0.019
0.461
0.684
0.113
0.084
0.533
0.413
ρ'dir(φ)
0.036
0.238
0.460
0.142
0.097
0.378
0.288
0.091
0.219
なし
τdir(φ)
0.893
0.281
0.029
0.465
0.065
0.019
0.092
0.032
0.010
ρdir(φ)
0.038
0.292
0.492
0.153
0.403
0.520
0.306
0.480
0.538
τdir-0(φ)
0.880
0.210
0.000
0.360
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.893
0.279
0.022
0.465
0.685
0.115
0.092
0.535
0.414
ρ'dir(φ)
0.038
0.255
0.477
0.153
0.104
0.399
0.306
0.100
0.234
ブラック
あり
τdir(φ)
0.884
0.219
0.000
0.375
0.001
0.000
0.001
0.000
0.000
ρdir(φ)
0.001
0.019
0.042
0.002
0.033
0.049
0.014
0.048
0.050
τdir-0(φ)
0.880
0.210
0.000
0.360
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.884
0.218
0.000
0.375
0.657
0.092
0.001
0.415
0.393
ρ'dir(φ)
0.001
0.004
0.048
0.002
0.002
0.020
0.014
0.001
0.004
なし
τdir(φ)
0.881
0.214
0.001
0.369
0.002
0.000
0.004
0.001
0.000
ρdir(φ)
0.003
0.024
0.043
0.010
0.035
0.047
0.022
0.044
0.048
τdir-0(φ)
0.880
0.210
0.000
0.360
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.881
0.214
0.000
0.369
0.653
0.091
0.004
0.404
0.391
ρ'dir(φ)
0.003
0.017
0.042
0.010
0.007
0.031
0.022
0.004
0.016
表ホワイト
/裏ブラック
あり
τdir(φ)
0.890
0.252
0.009
0.459
0.030
0.006
0.067
0.010
0.003
ρdir(φ)
0.044
0.369
0.640
0.165
0.512
0.676
0.346
0.616
0.700
τdir-0(φ)
0.880
0.210
0.000
0.360
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.890
0.219
0.000
0.459
0.659
0.092
0.067
0.559
0.397
ρ'dir(φ)
0.044
0.005
0.048
0.165
0.005
0.020
0.346
0.065
0.006
表ブラック
/裏ホワイト
なし
τdir(φ)
0.884
0.219
0.001
0.376
0.002
0.000
0.002
0.001
0.000
ρdir(φ)
0.001
0.019
0.042
0.003
0.034
0.049
0.015
0.048
0.050
τdir-0(φ)
0.880
0.210
0.000
0.360
0.000
0.000
0.000
0.000
0.000
τ'dir(φ)
0.884
0.253
0.004
0.376
0.668
0.095
0.002
0.416
0.393
ρ'dir(φ)
0.001
0.309
0.607
0.003
0.118
0.507
0.015
0.002
0.287
注a) τdir(φ):透過率,ρdir(φ):反射率,τdir-0(φ):直接透過率
τ'dir(φ):室内側からの反射日射に対する透過率,ρ'dir(φ):室内側からの反射日射に対する反射率
45
A 2103:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
参考文献 [1] JIS A 4702 ドアセット
[2] JIS A 4706 サッシ
[3] ISO 10211,Thermal bridges in building construction−Heat flows and surface temperatures−
Detailed calculations
[4] ISO 15099,Thermal performance of windows, doors and shading devices−Detailed calculations