A 1902-2:2015
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 サンプルの採取 ················································································································ 2
5 試験片の作製及び養生 ······································································································· 3
5.1 試験片の作製 ················································································································ 3
5.2 試験片の養生 ················································································································ 3
6 測定条件························································································································· 3
7 試験片の設置 ··················································································································· 4
8 測定方法························································································································· 4
9 報告······························································································································· 4
附属書A(参考)接着剤成分試験方法−接着剤中の揮発性有機化合物(VOC)含有量の測定例 ··········· 6
附属書B(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表 ······························································ 10
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(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本
工業規格である。
これによって,JIS A 1902-2:2006は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS A 1902の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS A 1902-1 第1部:ボード類,壁紙及び床材
JIS A 1902-2 第2部:接着剤
JIS A 1902-3 第3部:塗料及び建築用仕上塗材
JIS A 1902-4 第4部:断熱材
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日本工業規格 JIS
A 1902-2:2015
建築材料の揮発性有機化合物(VOC),
ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物
放散量測定におけるサンプル採取,試験片作製
及び試験条件−第2部:接着剤
Determination of the emission of volatile organic compounds and aldehydes
by building products-Sampling, preparation of test specimens and
testing condition-Part 2: Adhesives
序文
この規格は,建築材料としての接着剤について,JIS A 1901(以下,小形チャンバー法という。)に基づ
き,具体的な試験条件などについて定めるものである。
この規格は,2006年に制定され,今後,建築材料の個別製品規格に揮発性有機化合物(以下,VOCと
いう。),ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物などの放散に関する性能規定を導入する場合,この
規格及び小形チャンバー法を引用することによって,迅速な対応が可能となることを目的として,改正し
た。技術上重要な改正に関する新旧対照表を附属書Bに示す。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。
1
適用範囲
この規格は,建築材料としての接着剤から放散するVOC,ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物
の放散速度を小形チャンバー法によって測定する場合のサンプルの採取,保管,試験片の作製,試験条件
など放散に影響する事項について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 1901 建築材料の揮発性有機化合物(VOC),ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散
測定方法−小形チャンバー法
JIS A 5536 床仕上げ材用接着剤
JIS A 5537 木れんが用接着剤
JIS A 5538 壁・天井ボード用接着剤
JIS A 5547 発泡プラスチック保温板用接着剤
JIS A 5548 陶磁器質タイル用接着剤
2
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JIS A 5549 造作用接着剤
JIS A 5550 床根太用接着剤
JIS A 6922 壁紙施工用及び建具用でん粉系接着剤
JIS K 6804 酢酸ビニル樹脂エマルジョン木材接着剤
JIS K 6806 水性高分子−イソシアネート系木材接着剤
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 1901によるほか,次による。
3.1
接着剤
建築物の接着用途に使用される蒸散支配形建築材料。
なお,接着剤には,製品規格として,JIS A 5536,JIS A 5537,JIS A 5538,JIS A 5547,JIS A 5548,JIS
A 5549,JIS A 5550,JIS A 6922,JIS K 6804,JIS K 6806などがある。
3.2
サンプル
ステンレス板又はガラス板の表面に塗布するために準備された接着剤で,かつ,有効期限内の未開封製
品で,母集団からその特性を調べる目的で取ったもの。
3.3
試験片
試験対象となる製品の放散特性についてチャンバー内で試験を行うために,試料負荷率から求めた塗布
面積に合わせてサンプルをステンレス板又はガラス板の表面に塗布したもの。
3.4
ロットサンプル
製造時に製品と同時に採取した少量サンプル。
3.5
試料負荷率
サンプルの塗布面積とチャンバー容積との比。
3.6
養生期間
試験片の作製終了から試験開始(チャンバー内に試験片を設置した)時点までの試験片を放置している
時間。
4
サンプルの採取
サンプルの採取は,接着剤の製品から次によって行う。
a) サンプルの採取は,試験対象製品の有効期限内の未開封製品とする。
注記 倉庫などの製品の保管場所にある製品(又はロットサンプル)から採取する。
b) サンプルの数量は,製品規格の検査方法による。
なお,サンプルを試験場所(測定機関など)まで移送し,試験片の作製を行うような場合において
も,移送時にサンプルを開封し,別の容器に移し替えてはならない。試験場所へのサンプルの移送及
び保管は,サンプルからの化学物質の放散に影響を及ぼさないように直射日光を避け,密閉性のほか,
3
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温度及び湿度にも注意する。
サンプルを採取する単位は,缶数又は本数とし,最小サンプル数はそれぞれ1缶又は1本とする。
5
試験片の作製及び養生
5.1
試験片の作製
試験片の作製は,次のように行う。
a) 試験片は,通常,標準状態(23±2.0)℃でステンレス板又はガラス板の表面にサンプルを均一に塗布
する。サンプルの塗布量は,(300±15)g/m2とする。標準状態で試験片を作製できない場合には,作
業場所の温度を報告書に記録する。ただし,28 ℃を超えてはならない。サンプルの塗布は,はけ又は
くし目ごてを使用するなどの工夫を施し,できるだけ短時間で行う。試験片の作製時間は,5分を超
えてはならない。試験片として使用するステンレス板又はガラス板は,あらかじめイオン交換水で水
洗し,200 ℃以上(280 ℃以上が望ましい。)で一晩乾燥後使用する。 壁紙施工用及び建具用でん
粉系接着剤は,標準塗布量130〜180 g/m2及び接着剤表面の硬化又は接着剤の形状維持の観点から,
サンプルの塗布量は(180±10)g/m2とする。
b) サンプルの塗布面積は,箇条6 e) の試料負荷率との関係によって決定する。
c) 試験片を作製する環境は,特に他の試験片などからの化学物質の放散に注意し,試験片に化学汚染物
質が吸着しないようにできるだけ清浄な状態にする。
注記 試験片の作製は,VOCの放散源となり得るものから影響を受けないように,換気のある恒温
恒湿室又は空調された室で行うことが望ましい。
5.2
試験片の養生
サンプルから作製した試験片は,通常,標準状態23±2.0 ℃で60±10分〜24±3時間の養生期間を確保
する。養生期間はVOC放散状態が安定し,かつ,試験片から接着剤が流れ落ちないように接着剤表面が
硬化又は接着剤が形状維持できる時間とする。試験片を養生する環境は,特に他の試験片などからの化学
物質の放散に注意し,試験片に化学汚染物質が吸着しないようにできるだけ清浄な状態にする。標準状態
での養生を確保できない場合には,養生する環境の温度を報告書に記録する。養生中の温度が変動する場
合には,最高値と最低値との幅を記録する。ただし,28 ℃を超えてはならない。試験片を養生する環境で
は,VOCの放散源となり得るものから影響を受けないように,例えば風速0.3 m/sが一定になるようにド
ラフト内で養生するなどの工夫を施して,空気が自由に接触できるようにする。
注記 養生期間は,5.2に示した養生期間の範囲内であれば接着剤表面が硬化又は接着剤が形状維持で
きる時間を選択してもよい。
6
測定条件
接着剤の標準的な測定条件は,次のとおりとする。
a) 温度 (28±1.0)℃
b) 相対湿度 (50±5)%
c) チャンバー出口濃度 通常,チャンバー出口濃度は,厚生労働省のガイドライン値以下とする。
注記 厚生労働省のガイドライン値は,次のとおり。ホルムアルデヒドは100 μg/m3,トルエンは
260 μg/m3,キシレンは870 μg/m3,p-ジクロロベンゼンは240 μg/m3,エチルベンゼンは3 800
μg/m3及びスチレンは220 μg/m3である。
d) 換気回数 (0.5±0.05)回/h
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e) 試料負荷率 0.4〜2.2 m2/m3
注記 個別製品規格で規定される場合には,この標準条件範囲を超えて測定を行ってもよい。
f)
空気捕集間隔,経過時間 チャンバー出口濃度の捕集間隔は,試験開始後1日,3日及び7日とする。
通常,3日目の値を放散速度として採用する。ただし,定量下限以下となった時点で測定を終了する
ことができる。3日目の値を放散速度とする場合,空気捕集は1日目及び3日目とする。通常,報告
書には3日目の放散速度を記録する。
注記 試験の目的によって7日目の値を放散速度とする場合,空気捕集は3日目及び7日目でよい。
通常,報告書には3日目及び7日目の放散速度を記録する。
g) 空気捕集回数 ある空気捕集時の空気捕集回数は,通常,2回以上とする。
注記 チャンバー出口濃度の測定系の精度が確保されていることを確認している場合は,2回捕集
して,1回分を分析し,もう1回分は予備とすることができる。
7
試験片の設置
試験片は,チャンバー内の気流に沿うように設置する。試験片が2枚の場合には,試験片どうしを平行
にして設置する。ただし,試験片が自立することができない場合は,固定ジグに置くなどの工夫をして適
切なジグで固定する。また,清浄空気の吹き出し位置を考慮し,試験片がチャンバー内で片寄らないよう
に設置する。試験片の設置はできるだけ速やかに行い,外部空気の混入を極力少なくする。試験中は,換
気量及び温湿度が規定範囲内であることを適宜確認する。
8
測定方法
測定方法は,JIS A 1901による。
注記 JIS A 1901の測定を行う前に行うスクリーニング法として,附属書Aを参照とする。
9
報告
報告事項には,サンプル採取,試験片作製,試験条件に関わる次の事項を主として記載し,その他の項
目に関するものはJIS A 1901に規定する報告事項による。
a) サンプル
・ 一般名称
・ 製造業者名又は申請者
・ 製品名
・ 種類及び/又は形式
・ ロット番号又は製造年月日
・ 採取年月日
・ 形状,寸法
・ 包装,保管の方法
b) 試験片の作製
・ 大きさ(寸法)
・ 厚さ
・ 数量
・ 塗布量
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・ 塗布面積
・ 基材の種類
・ 試験片作製年月日
・ 試験片の作製場所の温度
c) 試験片の養生
・ 試験片の養生場所の温度(温度幅)
・ 養生期間
d) 試験片の設置方法
e) 試験条件
・ チャンバー条件(温度,湿度,換気回数,物質伝達率)
・ 試料負荷率,放散面積
・ 対象化学物質の空気捕集に関する情報(使用した捕集管,空気捕集量,チャンバーに入れてからの
空気捕集時間の長さ及び回数など)
f)
その他
・ 試験の結果に影響を及ぼす可能性のあるその他の事項
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附属書A
(参考)
接着剤成分試験方法−
接着剤中の揮発性有機化合物(VOC)含有量の測定例
この測定例は,建築材料としての接着剤について揮発性有機化合物(以下,VOCという。)の含有量を
測定するもので,この規格記載の試験方法を実施する前にチャンバーを使用せず大まかなVOC濃度を知
ることができるスクリーニング法として有用である。この方法を活用することで試験回数の削減ができ,
更にランニングコストの高いGC/MSを必要とせず一般的なGCで簡便に測定可能であることから試験費用
の節約にも効果的である。この附属書にてこのスクリーニング法の具体的な試験条件などを紹介する。
A.1 適用範囲
この測定例は,接着剤及びそれらの原料のVOC含有量の測定方法について紹介する。
なお,この測定方法は水性接着剤及び水性接着剤以外の接着剤に適用する。
A.2 引用規格
次に掲げる規格は,この測定例に引用されることによって,この測定例の規定の一部を構成する。これ
らの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0114 ガスクロマトグラフィー通則
JIS K 0123 ガスクロマトグラフィー質量分析通則
A.3 用語,定義
A.3.1 用語及び定義
A.3.1.1 揮発性有機化合物
ガスクロマトグラフィーにおける評価において無極性カラムでの分離条件でn-へキサン(n-C6,b.p.
69 ℃)とn-ヘキサデカン(n-C16,b.p. 287 ℃)の間で溶出する有機物。
注記 今試験方法においては,主にトルエン,キシレン,エチルベンゼン,スチレン(以下,4VOC
という。)を対象とする。
A.3.1.2 内部標準物質
機器分析において,試料に含まれない既知濃度の物質を加え,目的物質との信号強度比から定量を行う
際に使用する物質。
A.3.1.3 回収率(recovery)
今試験方法において標準物質を添加し試験を行ったときに,試験結果として得られる絶対量を添加量で
除した値。回収率は,この試験方法に基づいて行った試験の精度に関する情報とされる。
A.3.1.4 含有量
対象接着剤に含まれる対象VOCの量。
A.4 原理
サンプルを調整後,VOC類をガスクロマトグラフ法及びガスクロマトグラフ/質量分析法によって分離
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する。化合物が特定された後,内部標準を用いてピーク面積から個々のVOCを定量する。この結果に基
づき,サンプルの含有量を算出する。
A.5 装置
A.5.1 ガスクロマトグラフ
装置はスプリット方式若しくはスプリットレス方式でキャピラリーカラムを用いる。装置は,製造業者
の指示に従って設定し,使用しなければならない。試料に接する全ての装備部品は,試料に対して耐久性
があり,化学変化させない材質のものでなければならない。
A.5.2 試料導入部
試料導入部は温度可変であり,注入温度は1 ℃の精度で設定できるものとする。スプリット注入では,
スプリット比は調整及び監視可能でなければならない。
A.5.3 カラム槽
カラム槽は,40〜300 ℃の間で等温的に,かつ,プログラム化した温度制御のもとに加熱でき,槽内温
度は1 ℃以内で設定できるものとする。温度プログラムの最終温度は,カラムの使用可能温度を超えては
ならない。
A.5.4 検出器
次の2種類の検出器のいずれも使用できる。
a) 水素炎イオン化検出器(FID) 水素炎イオン化検出器は,温度300 ℃まで使用できるものとする。
b) 質量分析計(MS) 質量分析計の概要は,JIS K 0123による。
A.5.5 キャピラリーカラム
キャピラリーカラムは,内径0.25 mm〜0.32 mm,長さ15 m〜60 mの溶融シリカ製であって,内面にメ
チルシリコン又は5 %フェニルメチルシリコンを0.1 μm〜1.5 μmの膜厚で被覆したものを使用する。
A.5.6 注入シリンジ
注入シリンジは,ガスクロマトグラフに注入されるサンプルの少なくとも2倍の容量をもつもの。
A.5.7 ガス
A.5.7.1 キャリヤーガス
キャリヤーガスは,ヘリウム,窒素又は水素で,容量で少なくとも99.996 %純度のもの。
A.5.7.2 燃焼ガス及び助燃ガス
燃焼ガス及び助燃ガスは,容量で少なくとも99.999 %の純度の水素及び空気であり,有機化合物を含ま
ないもの。
A.5.7.3 付加ガス
付加ガスは,キャリヤーガスと同品質の窒素又はヘリウムとする。
A.6 試薬
A.6.1 内部標準
内部標準は,サンプル中に存在せず,クロマトグラム中で他の成分と完全に分離する化合物を選択する。
さらに,サンプル中の成分と反応せず,所要の温度範囲で安定であり,純度既知のもの。
A.6.2 希釈溶媒
サンプル希釈に適した有機溶媒を用いる。その純度は,少なくとも99 %又は純度既知であり,測定対象
成分とクロマトグラムでピークの重なりを生じるような測定を妨害する物質を一切含まないもの。不純物
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の存在及び妨害ピークの可能性を見るため,希釈溶媒単独での試験を行う。
A.7 サンプリング
試験に供する製品の代表サンプルを本文の規定によって採取する。
A.8 操作
A.8.1 ガスクロマトグラフ条件
ガスクロマトグラフの使用条件は,分析する製品に依存し,その都度,最適化しなければならない。注
入量及びスプリット比は,カラムの容量を超えず,検出器の直線性が保たれる範囲内に調整する。非対称
ピークは,ガスクロマトグラフシステムへの過負荷を示す。
A.8.2 サンプル調整
A.8.2.1 水性接着剤のサンプル調整
エマルション形などの水性接着剤0.5 gを遠沈管に採取し,メタノール25 mLを添加する。
その後,3時間マグネチックスターラーにてかくはん抽出後内部標準物質を添加し,遠心分離器12 000
rpm 5分間で樹脂分を沈殿除去,上澄みを分取する。
A.8.2.2 水性接着剤以外の接着剤のサンプル調整
エポキシ樹脂系・変成シリコーン樹脂系などの水性接着剤以外の接着剤0.5 gを遠沈管に採取しクロロホ
ルム10 mLを添加,3時間マグネチックスターラーにてかくはん抽出後メタノール15 mL及び内部標準物
質を添加し,遠心分離器12 000 rpm 5分間で樹脂分を沈殿除去,上澄みを分取する。
A.8.3 化合物含有量の定量測定
化合物含有量の定量測定は,次による。
a) 装置パラメーターを,校正時に最適化した条件に設定する。
b) 試験サンプル0.1〜1 μLをガスクロマトグラフに注入し,クロマトグラムを記録する。それぞれの化
合物のピーク面積を測定し,接着剤中の化合物の質量を算出する。
A.8.4 分析
A.8.4.1 一般
所定の分析条件を設定したガスクロマトグラフに上澄み液を導入し4VOCの定量を行う。検出器は水素
炎イオン化検出器(FID)を使用するが,きょう(夾)雑物のピークが測定対象4VOC成分との分離困難
な場合は質量分析計(MS)にて測定する。
A.8.4.2 GC/FID分析条件
使用機器 :水素炎イオン化検出器付きガスクロマトグラフ
カラム :メチルシリコン系又は5 %フェニルメチルシリコン系カラム
カラム長さ:30〜60 m
カラム膜厚:0.25〜1.5 μm
温度 :カラム 40 ℃ 5 min→7 ℃/min→300 ℃
注入口 250 ℃
検出器 250 ℃
キャリアー:ヘリウム 24 psi
定量法 :内部標準法(内部標準物質例:ナフタレン)
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A.8.4.3 GC/MS測定条件
使用機器 :ガスクロマトグラフ/質量分析計
カラム :メチルシリコン系又は5 %フェニルメチルシリコン系カラム
カラム長さ:30〜60 m
カラム膜厚:0.25〜1.5 μm
温度 :カラム 40 ℃ 5 min→7 ℃/min→300 ℃
注入口 250 ℃
トランスファーライン 280 ℃
キャリアー:ヘリウム 24 psi
イオン化条件:EI 70 ev
定量法 :内部標準法(内部標準物質例:ナフタレン,トルエンD体)
サンプルを分取し希釈溶媒にて希釈し,内部標準を添加する。サンプル調整に関しては,試料量と希釈
溶媒量によって1〜5 %程度の濃度に調整するのが望ましい。
例 サンプルを約0.5 g程度試験管に分取。その後溶媒を25 mL加え密閉しかくはんを行う。内部標
準物質を添加し遠心分離を行い,上澄み液を分析装置に供する。
A.9 含有量の計算
次に規定する方法によって,対象VOCの含有量を計算する(質量%)。
含有量(質量%)=調整液中の対象VOC絶対量(g)÷試料採取量(g)×100
A.10 試験報告
試験報告書には,次の内容を記載する。
a) 試験機関
b) 製品の種類
c) 試験結果
d) 附属書Aと異なる場合の条件
e) 試験年月日
10
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附属書B
(参考)
技術上重要な改正に関する新旧対照表
現行規格(JIS A 1902-2:2015)
旧規格(JIS A 1902-2:2006)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
3 用語及び
定義
JIS A 1901を引用することとし,JIS A 1901と重複す
る用語は削除した。
3. 用語の
定義
この規格で用いる用語全てについて規定。
室内空気関係のJISの
中には同一の用語が異
なった定義で使用され
ている箇所があったた
め,用語の統一化を行っ
たJISを引用すること
とした。
3 用語及び
定義
3.1 接着剤
建築物の接着用途に使用される蒸散支配形建築材
料。
なお,接着剤には,製品規格として,JIS A 5536,JIS
A 5537,JIS A 5538,JIS A 5547,JIS A 5548,JIS A 5549,
JIS A 5550,JIS A 6922,JIS K 6804,JIS K 6806など
がある。
3. 用語の
定義
a) 接着剤
建築物の接着用途に使用される蒸散支配形建築材料。
備考 接着剤には,材料規格として次の日本工業規
格(以下,JISという。)がある。
JIS A 5536
JIS A 5537
JIS A 5538
JIS A 5547
JIS A 5548
JIS A 5549
JIS A 5550
JIS A 6922
JIS K 6804
JIS K 6806
JIS Z 8301に従い,“備
考”を本文へ盛り込んだ
文章に変更した。
6 測定条件
−
6. 測定条
件
h) 空気捕集量 VOCの場合には,空気捕集量1〜3.2 L
を目安とし,ホルムアルデヒド及びカルボニル化合
物の場合には,空気捕集量10〜15 Lを目安とする。
他JISとの共通化のた
め,削除した。
8 測定方法
測定方法は,JIS A 1901による。
注記 JIS A 1901の測定を行う前に行うスクリー
ニング法として,附属書Aを参照とする。
8. 測定方
法
測定方法は,JIS A 1901による。
附属書Aを追加したた
め,参照について“注記”
として追記した。
2
A
1
9
0
2
-2
:
2
0
1
5
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 1902-2:2015)
旧規格(JIS A 1902-2:2006)
改正理由
附属書A(参
考)接着剤成
分試験方法
−接着剤中
の揮発性有
機化合物
(VOC)含有
量の測定例
接着剤中のVOC含有量の測定例を記載
−
−
附属書として,接着剤中
のVOC含有量の測定例
を追加した。
2
A
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