A 1806:2011
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 試験用器具 ······················································································································ 2
4.1 はかり ························································································································· 2
4.2 ピクノメータ ················································································································ 2
5 試料······························································································································· 2
5.1 スラッジ水の濃度試験に用いる試料··················································································· 2
5.2 スラッジ水濃度換算係数の決定に用いる試料 ······································································· 2
6 試験方法························································································································· 2
6.1 スラッジ水濃度換算係数の決定 ························································································ 2
6.2 スラッジ水の濃度試験 ···································································································· 3
7 計算······························································································································· 3
8 精度······························································································································· 3
9 報告······························································································································· 3
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,全国生コンクリート工業組合連合会
(ZENNAMA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,団体規格(ZKT-105)を基に作成した工業標準原
案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣
が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
A 1806:2011
コンクリート生産工程管理用試験方法−
スラッジ水の濃度試験方法
Methods of test for production control of concrete-
Method of test for concentration of sludge water
序文
この規格は,ピクノメータを用いて測定した密度に換算係数を乗じて,迅速にスラッジ水の濃度を測定
するための簡易試験方法であり,その結果を直ちに生産工程に反映させるために作成した日本工業規格で
ある。
1
適用範囲
この規格は,主としてコンクリートの生産工程管理に適用するもので,練混ぜに使用するスラッジ水の
濃度試験方法について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 0203 コンクリート用語
JIS A 1134 構造用軽量細骨材の密度及び吸水率試験方法
JIS A 5308 レディーミクストコンクリート
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 0203によるほか,次による。
3.1
回収水
レディーミクストコンクリート工場又はコンクリート製品工場で,フレッシュコンクリートの洗浄によ
って発生する排水のうち,運搬車,プラントのミキサ,ホッパなどに付着したコンクリート及び戻りコン
クリートの洗浄排水(以下,コンクリートの洗浄排水という。)を処理して得られるスラッジ水及び上澄水
の総称。
3.2
スラッジ水
コンクリートの洗浄排水から,粗骨材及び細骨材を取り除いて,回収した懸濁水。
3.3
スラッジ水濃度換算係数
2
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容積一定の条件下で計量したスラッジ水の質量と上水道水などの清浄な水の質量の差を,スラッジ水の
濃度の値に換算するための係数。
4
試験用器具
4.1
はかり
はかりは,ひょう量2 kg以上で,目量が0.1 g又はこれより小さいものとする。
4.2
ピクノメータ
ピクノメータは,JIS A 1134に規定する容量700 mL以上のものを標準とする。
5
試料
5.1
スラッジ水の濃度試験に用いる試料
スラッジ水の濃度試験に用いる試料は,管理システムがバッチ濃度調整方法の場合はスラッジ水濃度調
整槽から代表的なものを採取し,連続濃度測定方法の場合はスラッジ水還流槽,又は自動濃度計の近傍か
ら材料分離を生じないよう採取する。
試料の量は5 L以上とする。
5.2
スラッジ水濃度換算係数の決定に用いる試料
スラッジ水濃度換算係数の決定に用いる試料は,5.1と同じ方法によって採取した15 L以上のスラッジ
水1) を,次のように調整した3種類とする。
注1) 試料採取時に三つの容器に5 L以上ずつ採取し,その中の一つを5.2のa) の試料としてもよい。
a) 採取したスラッジ水をかくはんした後,その全容積の約1/3を一つの容器に分取したもの。
b) a) の試料を分取した後に残るスラッジ水を一つの容器に入れて静置し,上澄水の水深がスラッジ水全
体の深さの10〜20 %程度になった時期に,分離させた状態のまま,上澄水を含む全スラッジ水の上側
約1/2の部分をひしゃくなどで静かにすくい取って,別の容器に分取したもの。
c) b) の試料を分取した後に残ったもの。
6
試験方法
6.1
スラッジ水濃度換算係数の決定
スラッジ水の濃度の計算に用いるスラッジ水濃度換算係数は,次の手順によって決定する。
a) 上水道水などの清浄な水をピクノメータ容器に満杯になるまで注いだ後,これに栓をして,気泡及び
過剰の水を追い出したときの質量(Aw)を0.1 gまではかる。また,水温をはかる。
b) 5.2で調整した3種類のスラッジ水を対象にして,それぞれの試料を,分離させないようひしゃくなど
でかくはんしながら,上記a) に用いたものと同一のピクノメータ容器に満杯になるまで注ぎ,a) と
同じ方法によって気泡及び過剰の試料を追い出したときの質量(Bi)2) を0.1 gまではかる。また,試
料温度をはかる。
注2) 記号Bi,fi,CSiなどの添字iは,i番目の試料の値であることを意味し,6.1の中では,iは1,
2及び3になる。
c) 上記b) の質量測定に用いた試料の全量をそれぞれの元の容器に戻し,容器に残っている試料と均一
に混ぜ合わせる。混ぜ合わせを終えた3種類のスラッジ水のそれぞれを試料として,JIS A 5308の
C.8.2.6(スラッジ水の濃度の試験)の方法に準じ,スラッジ水の濃度(CSi)を求める。
d) 試料ごとのスラッジ水濃度換算係数(fi)を次の式によって算出し,四捨五入によって小数点以下3
3
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桁に丸める。
w
i
si
i
A
B
C
f
−
=
ここに,
fi: 試料ごとのスラッジ水濃度換算係数(%/g)
Aw: ピクノメータに清浄な水を満たしたときの質量(g)
Bi: ピクノメータに各試料を満たしたときの質量(g)
Csi: JIS A 5308のC.8.2.6による各試料の濃度(%)
e) スラッジ水の濃度の計算に用いるスラッジ水濃度換算係数(f)は,3種類の試料ごとに求めたfiの最
大値と最小値の差が0.02以下であることを確認した後3),fiの平均値を計算し,四捨五入によって小
数点以下3桁に丸める。
注3) fiの最大値と最小値の差が0.02を超える場合は,上記a)〜d) の操作を繰り返す。
6.2
スラッジ水の濃度試験
スラッジ水の濃度試験は,次による。
a) 6.1で用いたものと同一のピクノメータを使用し,6.1のa) と同じ要領によって,ピクノメータに上
水道水などの清浄な水を満たしたときの質量(A)を0.1 gまではかる4)。また,水温をはかる。
注4) 使用ピクノメータに対するスラッジ水濃度換算係数を決定してから3か月を超えない期間
は,6.1で求めたAwをAの値としてもよい。
b) 6.1のb) と同じ要領によって,5.1の試料をピクノメータに満たしたときの質量(B)を0.1 gまでは
かる。また,試料温度をはかる。
c) 試験は,上水道水などの清浄な水に対しては1回行い,スラッジ水に対しては同時に採取した試料に
ついて2回行う。
7
計算
a) スラッジ水の濃度(C'S)は,次の式によって算出し,四捨五入によって小数点以下1桁に丸める。
(
)f
A
B
CS
×
−
=
′
ここに,
C'S: スラッジ水の濃度(%)
A: ピクノメータに清浄な水を満たしたときの質量(g)
B: ピクノメータに試料を満たしたときの質量(g)
f: 6.1で決定したスラッジ水濃度換算係数(%/g)
b) 2回の試験の平均値をスラッジ水の濃度の値とする。
8
精度
2回の測定値の差は,0.4 %以下でなければならない。
9
報告
報告は,次の事項を記載する。
a) 試験日時
b) 試料の採取場所
c) スラッジ水濃度換算係数(%/g)及びその決定日
d) 使用ピクノメータの容量(mL)及び識別番号など
e) スラッジ水の濃度(%)
4
A 1806:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
f)
水温及び試料温度(℃)