A 1701:2006
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本建築
設備・昇降機センター(BEEC)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日
本工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。
これによってJIS A 1701:1994は改正され,また,JIS A 1714:1995,JIS A 1715:1995,JIS A 1716:1995及
びJIS A 1717:1995は廃止・統合され,この規格に置き換えられる。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 検査項目 ························································································································ 1
4. 検査器具 ························································································································ 1
5. 検査方法及び判定基準 ······································································································ 2
5.1 構造部 ························································································································· 2
5.2 軌条など ······················································································································ 3
5.3 駆動装置及び伝動装置 ···································································································· 3
5.4 巻上装置 ······················································································································ 4
5.5 安全装置 ······················································································································ 6
5.6 乗物 ···························································································································· 7
5.7 油圧装置・空圧装置・揚水装置など ··················································································· 8
5.8 電気設備 ······················································································································ 9
5.9 負荷試験 ····················································································································· 11
5.10 その他の設備 ·············································································································· 11
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日本工業規格 JIS
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遊戯施設の検査標準
Inspection standard of amusement ride
序文 この規格は,1994年に改正されたJIS A 1701[遊戯施設(コースター)の検査標準]を基に,次の
日本工業規格の廃止に伴い,これらの規格との統合化を考慮し,改正した日本工業規格である。
JIS A 1714 遊戯施設(観覧車)の検査標準
JIS A 1715 遊戯施設(飛行塔)の検査標準
JIS A 1716 遊戯施設(ウォーターシュート)の検査標準
JIS A 1717 遊戯施設(メリーゴーランド)の検査標準
1. 適用範囲 この規格は,建築基準法に基づく遊戯施設の安全について検査するための検査項目,検査
器具,及び検査方法について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 7507 ノギス
JIS B 7510 精密水準器
JIS B 7512 鋼製巻尺
JIS B 7516 金属製直尺
JIS B 7522 繊維製巻尺
JIS C 1102-2 直動式指示電気計器 第2部:電流計及び電圧計に対する要求事項
JIS C 1302 絶縁抵抗計
JIS C 1304 接地抵抗計
JIS G 3525 ワイヤロープ
3. 検査項目 検査項目は,次による。
a) 完了検査 完了検査では,設計図書に記載している各項目に適合しているかどうかを検査するほか,
5. に規定する項目のうち当該遊戯施設において該当する項目について検査する。
b) 定期検査 維持管理のための定期検査では,5. に規定する項目のうち負荷試験を除き,当該遊戯施設
において該当する項目について検査する。
4. 検査器具
4.1
絶縁抵抗測定には,JIS C 1302に規定する500 V 100 MΩの絶縁抵抗計を用いる。ただし,半導体,
電解コンデンサ,電子管などの電子機器を含む回路については,回路に応じた絶縁抵抗計又は4.3に規定
する電圧計を用いる。
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4.2
接地抵抗測定には,JIS C 1304に規定する電位差計式接地抵抗計又は電圧降下式接地抵抗計を用い
る。
4.3
負荷試験には,次の規格に規定する電流計,電圧計及び速度計を用いる。
a) 電流計及び電圧計は,JIS C 1102-2に規定する2.5級以上の精度のもの,又は同程度のディジタル式の
ものとする。
b) 速度計は,瞬間式回転速度計(タコメータ)又は電子式速度表示装置(エンコーダー,加速度変換式,
パルスカウント式など)とする。
4.4
探傷試験には,磁粉探傷機,超音波探傷機又は探傷試験用浸透液を用いる。
4.5
その他の検査には,ストップウォッチ及び片手ハンマ並びに次の規格に規定する巻尺,直尺,ノギ
ス及び水準器を用いる。
a) 巻尺は,JIS B 7512又はJIS B 7522に規定する巻尺とする。
b) 金属製直尺は,JIS B 7516に規定する直尺とする。
c) ノギスは,JIS B 7507に規定するノギスとする。
d) 水準器は,JIS B 7510に規定する呼び300の水準器とする。
5. 検査方法及び判定基準
5.1
構造部
5.1.1
地盤 地盤は,次による。
a) 施設の地盤に不同沈下などの変化がないこととする。
b) 施設付近の地盤の状況に,変更,改造などで変化があった場合でも,安全であることとする。
5.1.2
基礎 基礎は,次による。
a) 基礎コンクリートに構造上支障のあるき裂及び破損がないこととする。
b) 基礎周囲に土砂の流出及び陥没がないこととする。
c) 基礎に不同沈下,傾斜及び移動がないこととする。
5.1.3
道床 道床は,次による。
a) 土砂の流出及び陥没がないこととする。
b) 不同沈下,傾斜及び移動がないこととする。
5.1.4
構造体の定着(アンカーボルトなど) 構造体の定着は,次による。
a) アンカーボルト,ベースプレートなどに,著しいさび(錆)及び腐食がないこととする。
b) ボルト,ナットの締付けが強固であり,かつ,二重ナット,溶接止めなどの緩み止めを施してある。
c) 根巻きコンクリートにき裂,すき間及びはく離がないこととする。
5.1.5
構造物,支柱及びはり 構造物,支柱及びはりは,次による。
a) 構造部材及び補助部材は取付状態が強固で,著しいさび(錆)及び腐食がないこととする。
b) 各部材には,変形,偏位,き裂及び破損がないこととする。
c) 構造部材を緊結又は接合するリベット,ピン,ボルト,ナット,当て板類及び溶接部には,緩み,き
裂などがないこととする。
d) 支柱の基礎に接する部分及び地表に近い部分には,著しいさび(錆)及び腐食がないこととする。
e) 支柱には,設計図書記載の荷重(当初荷重)以外の外力及び荷重を受けるものがないこととする。
5.1.6
舞台,床及び天井 舞台,床及び天井は,次による。
a) 舞台の構造材,床及び天井には,破損,腐食などがなく,接合部に緩みがないこととする。
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b) 安全さく(柵),手すりなどの取付状態は強固で,損傷がないこととする。
c) 回転舞台と接する床面のすき間及び段差は,設計図書などに記載の寸法と同等とする。
5.2
軌条など
5.2.1
軌条,走路,水路及び滑走路 軌条,走路,水路及び滑走路は,次による。
a) 軌条,走路,水路及び滑走路には,き裂,変形がなく,著しいさび(錆)及び腐食がないこととする。
b) 軌条,走路及び水路の摩耗状態は,摩耗の最も甚だしい部分で,表1の規定に,滑走路にあっては表
2の規定に適合していることとする。
表 1 軌条,走路,水路の摩耗量
軌条,走路,水路の種類
摩耗部分
摩耗量の基準
形鋼軌条
踏面
当初厚さの20 %以下
側面
鋼管軌条
踏面
当初厚さの15 %以下
側面
鋼板走路,鋼板水路
踏面
当初厚さの10 %以下
側面
表 2 ウォータースライド滑走路の摩耗量及び表面の状態
材質
摩耗部分
摩耗量の基準及び表面の状態
繊維強化プラスチック,その他こ
れらに類するもの
表面
繊維が露出していないこと
金属製その他これらに類するもの
表面
塗装のはく離及びさび(錆)がなく,摩
耗は当初厚さの10 %以下であること
コンクリートその他これらに類す
るもの
表面
塗装のはく離がないこと
c) 軌条,走路,水路及び滑走路の接合部は,その接合状態は強固であり,き裂がないこととする。
d) 軌条,走路,水路及び滑走路と支持部材との取付け及び支持部材と支柱との取付けは強固であり,溶
接部分にあっては,き裂がないこととする。
e) 軌条,走路,水路及び滑走路と,支持部材又は支柱との部分に緩衝用のゴム材(防振ゴムなど)を挿
入した場合,取付状態が良好で,ゴム材に劣化及びき裂がないこととする。
f)
軌条の軌間の許容誤差は,設計図書などに記載された数値とする。
g) 滑走路の滑走部分における接合部分は,滑りに支障のない表面であることとする。
h) 滑走路の飛出防止壁は,取付けに緩みがなく,き裂,破損又は著しい変形がないこととする。
i)
水路及び滑走路にあっては,その接合部には,甚だしい漏水のないこととする。
5.2.2
支持部材及びまくら(枕)木 支持部材及びまくら(枕)木は,次による。
a) 支持部材及びまくら(枕)木には,き裂及び変形がなく,かつ,著しいさび(錆)及び腐食がないこ
ととする。
b) 支持部材の取付けは強固であり,ボルト,ナットなどの締付けに緩みのないこととする。
5.3
駆動装置及び伝動装置
5.3.1
電動機及び制動機 電動機及び制動機は,次による。
a) 電動機及び制動機の取付状態は強固であることとする。
b) 電動機の軸受部の給油状態は,良好であることとする。
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c) 電動機の運転状態は,異音,振動及び発熱がなく,無負荷及び全負荷時において良好であることとす
る。
d) 制動機は,ブレーキドラム及び制動片に摩耗,偏摩耗,きずなどがなく,動力が遮断したとき,電動
機を安全に停止させることができることとする。
5.3.2
軸継手 軸継手は,次による。
a) 取付状態は良好であり,運転状態は,異音,振動及び間欠運動がないこととする。
b) 油又は粉体により動力を伝達する軸継手にあっては,その油又は粉体の量は適切であり,甚だしい油
の劣化又は粉体の摩耗,さび(錆),固着などがないこととする。
c) 歯車,ローラチェーン,ゴムなどにより動力を伝達する軸継手にあっては,取付けが良好で,各部品
に甚だしい摩耗,変形,劣化などがないこととする。
d) クラッチの取付けは良好であり,摩擦板に甚だしい摩耗及び損傷がなく,動力の伝達及び遮断が確実
であることとする。
5.3.3
減速機 減速機は,次による。
a) 取付状態は強固であることとする。
b) 歯車の歯面は,片当たり及び偏摩耗がなく,かつ,歯の厚さは当初厚さの7/8以上とする。
c) 回転は正常であり,異音がないこととする。
d) 軸受部に異常な発熱がないこととする。
e) 使用する油の量及び成分は,適切であることとする。
5.3.4
伝動装置 伝動装置は,次による。
a) 取付状態は良好であり,かつ,給油が適切であることとする。
b) 伝動用ローラチェーン,Vベルトなどの摩耗が少なく,かつ,緊張は適切であることとする。
c) 可動部分は,摩耗が少なく損傷がないこととする。
5.3.5
軸及び軸受装置 軸及び軸受装置は,次による。
a) 取付けは確実で,ボルト及びナットは腐食及び破損がなく,かつ,著しいさび(錆)のないこととする。
b) 回転が良好であり,かつ,給油が適切であることとする。
c) 損傷及び甚だしい摩耗がないこととする。
5.3.6
駆動用歯車装置 駆動用歯車装置は,次による。
a) 取付状態は強固で,著しいさび(錆)及び腐食がないこととする。
b) 歯車の歯面は,片当たり及び偏摩耗がなく,かつ,歯の厚さは当初厚さの7/8以上とする。
c) 回転は正常であり,給油が適切で,異音及び異常発熱がないこととする。
5.3.7
駆動車輪装置 駆動車輪装置は,次による。
a) 車輪装置は回転状態が良好であり,かつ,軸受部の給油は適切であることとする。
b) 車輪の軸受は,損傷及び甚だしい摩耗がないこととする。
c) 車輪には,甚だしいきず,摩耗及び偏摩耗がなく,スリップあと(痕)がないこととする。
d) 車輪が空気入りタイヤの場合には,その空気圧が適切であることとする。
e) 車輪の取付金具及び接合ボルト類には,き裂,破損及び著しいさび(錆)がないこととする。
f)
車軸には,き裂及び甚だしい摩耗がないこととする。
5.4
巻上装置
5.4.1
チェーンコンベア巻上装置 チェーンコンベア巻上装置は,次による。
a) 巻上用チェーン及びスプロケットには,さび(錆)及び腐食がなく,給油状態が良好であることとす
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る。
b) 巻上用チェーンの伸び率及び摩耗状態は,最も甚だしい部分で表3の規定に適合していることとする。
表 3 巻上用チェーンの伸び率及び摩耗量
状態
基準
備考
チェーンの伸び量
当初チェーンの取付け長さの
1.5 %以下
毎年1回以上測定を行う。
リンク,軸,孔などの直
径の摩耗量
当初直径の10 %以下
a) 毎年1回以上抜取検査を
行う。
b) 抜取りは2リンク以上と
する。
リンク板の厚さ及び幅の
摩耗量
当初厚さ及び幅の10 %以下
c) スプロケットと軸の取付けは確実であることとする。また,スプロケットの歯面は,片当たり及び偏
摩耗がないこととする。
d) 軸受金具の取付けは,強固であることとする。
e) 軸受の給油は良好で,回転が円滑であることとする。
f)
チェーンガイドは取付けが強固で,甚だしい摩耗及び変形がないこととする。
5.4.2
ベルトコンベア巻上装置 ベルトコンベア巻上装置は,次による。
a) 巻上用ベルトの張り具合は適切であり,駆動用プーリとの間に滑りがないこととする。
b) 巻上用ベルトの表面及び耳部に破損,劣化及び摩耗がないこととする。
c) 巻上用ベルトの接合部は,き裂及びはく離がないこととする。
d) 駆動用プーリは,き裂及び腐食がなく,ベルト摩擦面には,甚だしい摩耗がないこととする。
e) 駆動用プーリと軸の取付けは,強固であることとする。
f)
軸受金具の取付けは,強固であることとする。
g) 軸受の給油は良好であり,回転が円滑であることとする。
h) キャリヤローラ,リターンローラ,サイドローラなどは回転が円滑であり,著しい腐食及び甚だしい
摩耗がないこととする。また,各ローラなどの受け金具との結合は確実であり,かつ,受け金具の取
付けは強固であることとする。
5.4.3
ワイヤロープ巻上装置 ワイヤロープ巻上装置は,次による。
a) 巻上機の取付けは強固で,駆動ドラムには,著しいさび(錆)及び腐食がなく,ロープ溝に摩耗及び
偏摩耗がないこととする。
b) 主索は,さび(錆)がなく給油状態が良好であることとする。
c) 主索には,形崩れ,よりの狂い,キンク,より戻りなどの異常がないこととする。
d) 主索端部の止め金具は緩みがなく,著しいさび(錆)及び腐食がないこととする。
e) 主索の引止め金具は,異常がなく,かつ,取付部に緩みがないこととする。
f)
主索の疲労破壊及び摩損の状態は,次の規定に適合していることとする。
1) 疲労破壊については,素線の破断が表4の規定に適合していることとする。
2) 摩損については,摩耗部分の鋼索の直径は,摩耗していない部分の直径の90 %以上であり,かつ,
素線の摩耗長さが表5の数値以下とする。
なお,ロープ心入りワイヤロープ(鋼心ロープ)で鋼心部分を設計強度に含む場合は,ロープ損傷検出
器(ロープテスタ)を併用して検査する。
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表 4 素線の破断数
素線の破断
破断数
素線の破断が平均に分布している場合
1構成より(ストランド)の1よりピッチ
内での破断数3以下
破断素線の断面積が,元の素線の断面積の
80 %以下となっているか,又はさび(錆)
が甚だしい場合
1構成より(ストランド)の1よりピッチ
内での破断数2以下
素線の破断が1か所又は特定のよりに集中
している場合
素線の破断総数が1よりピッチ内で6より
鋼索では10以下,8より鋼索では12以下
備考 破断素線の断面積が80 %以下かどうかは,図1 lの摩耗面の長さを測定し表5
の数値以上であることで判定できる。
表 5 素線の摩耗長さ
図 1 摩耗長さ
g) 主索が複数本ある場合,各主索はほぼ均等な張力を受けていることとする。
h) 綱車の配列は,鋼索中心との甚だしいずれがないこととする。
i)
綱車には,欠損,き裂及び甚だしい摩耗がなく,主索との間に滑りがないこととする。
j)
綱車の脱索防止装置は,取付けが確実で,その機能は良好であることとする。
k) 綱車の軸受装置は,損傷及び甚だしい摩耗がないこととする。
l)
綱車の回転状態は良好であり,かつ,給油が適切であることとする。
m) 綱車の取付けは確実で,取付金具(ピン,ボルト,ナット類など)は,さび(錆),腐食,き裂及び破
損がないこととする。
5.4.4
緊張装置 緊張装置は,次による。
a) 著しいさび(錆)及び腐食がなく,変形,偏位,き裂及び破損がないこととする。
b) 取付けは確実で,作動状態は良好であり,かつ,張りすぎ又は甚だしい緩みがないこととする。
5.5
安全装置
5.5.1
非常止め装置 非常止め装置の取付けは確実で,さび(錆),腐食などがなく,作動は確実で,機
能は良好に維持されていることとする。
5.5.2
緩衝装置 緩衝装置は,次による。
a) 緩衝材及び緩衝器の取付けは強固で,かつ,作動は確実で,機能は良好に維持されていることとする。
b) ばね緩衝器はさび(錆),腐食などがなく,かつ,油入緩衝器にあっては,油量も適切であることと
単位 mm
主索直径
ロープの構成記号及び摩耗長さ(l)
8×S(19)
8×Fi(25)
10
3.5
3.1
12
4.3
3.8
14
4.9
4.4
16
5.6
5.1
18
6.3
5.6
20
7.1
6.2
22.4
7.8
6.9
25
8.8
7.8
備考 ロープの構成記号は,JIS G 3525による。
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する。
5.5.3
乗物逆行防止装置 乗物逆行防止装置は,次による。
a) 乗物の逆行を防止する装置の取付けは強固で,著しいさび(錆),腐食,変形などがなく,作動は確実
であることとする。
b) 逆行防止装置の可動部分は,取付けが確実で,き裂及び変形がなく,かつ,甚だしい摩耗,腐食など
がないこととする。
5.5.4
乗物急激降下防止装置 配管,ゴムホースその他機器類が破損した場合には,乗物の急激な降下を
防止する装置(流量調整弁,落下防止弁など)は,取付けが強固で,さび(錆)及び腐食がなく,作動は
確実で,その機能は良好に維持されていることとする。
5.5.5
制動装置 制動装置は,次による。
a) 制動装置の取付けは,確実で,本体及び制動片などに著しいさび(錆),腐食,変形などがないことと
する。
b) 制動装置は,急激な制動作用及び不確実な制動作用のないよう十分調整されていることとする。
c) 制動体に使用するブレーキライニング,乗物取付制動板の摩耗量は,設計図書などに記載された数値
とする。
d) ブレーキライニングの制動体への取付けは確実で,制動面に異常がなく,取付用リベット又はねじ類
の頭部は,甚だしい摩耗がないこととする。
e) 制動用ばねを固定するボルト及びナットの締付けは強固で,かつ,緩み止めがなされており,その制
動力は適切であることとする。
f)
制動装置の可動部の軸,軸受などの給油は適切で,かつ,摩耗が少なく作動状態が良好であることと
する。
g) 制動装置に使用するセンサーは取付けが強固で,破損がなく,作動が良好であることとする。
h) 制動のための作動装置は取付けが強固で,変形及び破損がなく,著しいさび(錆),腐食などがなく,
作動が良好であることとする。
5.5.6
速度制御装置 速度制御装置は,次による。
a) 速度制御装置は取付けが強固で,変形及び破損がなく,著しいさび(錆)及び腐食がないこととする。
b) 速度制御装置は,作動が良好であることとする。
5.5.7
追突防止装置 追突防止装置は,次による。
a) 一つの走路(又は水路)に二台以上の乗物が走行する施設における乗物の追突を防止する装置は,確
実に作動するよう十分に調整がなされていることとする。
b) 追突防止に使用するセンサーの取付けは強固で,破損がなく,作動が良好であることとする。
5.5.8
水位検出装置 ウォーターシュートのシュート部などの水位を一定に保つための,水位検出装置の
取付けは確実であり,破損,腐食などがなく,作動が良好であることとする。
5.6
乗物
5.6.1
乗物 乗物は,次による。
a) 乗物の座席部の構造及び寸法は適切であり,骨組み,外板,床などには変形がなく,き裂及び破損並
びに著しいさび(錆)及び腐食がないこととする。
b) 乗物の組立状態は確実であり,結合部に緩み,著しいさび(錆),腐食及び破損がないこととする。
c) 乗物の座席,手すり,握り棒,安全棒などには破損がなく,取付けは確実であることとする。
d) 座席部の身体保持装置(ひざ押さえ,ハーネス,シートベルトなど)の取付けは強固で,損傷及び破
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損がなく,作動状態は良好で,かつ,ロック状態は確実であることとする。
e) 乗物の扉及び窓は破損がなく,取付けは確実で,作動状能は良好であり,かつ,施錠及び掛金は確実
であることとする。
f)
乗物には見やすい場所に,定員その他使用の制限に関する事項が掲示してあることとする。
5.6.2
乗物取付装置 乗物取付装置は,次による。
a) 乗物と取付台の固定は強固で,取付部に著しいさび(錆),腐食などがないこととする。
b) 乗物を回転させる軸及び軸受に損傷及び甚だしい摩耗がなく,回転状態が良好であり,かつ,給油が
適切であることとする。
c) 乗物をつる丸鋼,リンクチェーンには,著しいさび(錆),腐食及び摩損がないこととする。
d) 乗物をつるワイヤロープは,著しいさび(錆),腐食,素線切れなどがなく,損傷の最も甚だしい部分
で表4の規定に適合していることとする。
5.6.3
車輪装置など 車輪装置などは,次による。
a) 車輪装置は,回転状態が良好であり,取付部に緩み及び著しいさび(錆),腐食がないこととする。
b) 車輪の軸受(ベアリング)は,給油が適切で,損傷又は甚だしい摩耗がないこととする。
c) 車輪軸は,き裂及び甚だしい摩耗がないこととする。
d) 車輪軸は,一年に一回以上の探傷試験を行うこととする。
e) 車輪には,欠損及びき裂がなく,その摩耗量は設計図書などに記載の数値とする。
f)
空気入タイヤの空気圧は,適切であることとする。
g) 車輪を取り付けるピン,ボルト,ナットなどの締付けは適正で,かつ,緩み止めが施してあることと
する。
h) 走行台車及びその取付部は,腐食,き裂,破損及び著しいさび(錆)がないこととする。
5.6.4
その他の諸装置 その他の諸装置は,次による。
a) 乗物の引上げ金具などの取付けは強固で,その作動は確実であり,取付けのピン,ボルト,ナットに
緩み止めが施してあることとする。
b) 車両連結器の取付状態は強固であり,給油は適切であることとする。
c) 車両連結器の連結軸,軸受金具,補助ワイヤなどは,さび(錆),摩耗,欠損及びき裂がないこととす
る。
d) 乗物を巻上用ベルト表面の摩擦力で引上げるものにあっては,乗物の滑りがないこととする。
e) 乗物の駆動装置について,検査方法の詳細は5.3に準じるものとする。
f)
乗物の安全装置について,検査方法の詳細は5.5に準じるものとする。
5.7
油圧装置・空圧装置・揚水装置など
5.7.1
油圧装置 油圧装置は,次による。
a) 油圧パワーユニットは取付けが確実で,各部に油漏れがなく,運転状態が良好であることとする。
b) 運転中に圧力が異常に増大した場合,定格圧力の1.25倍を超えないように,自動的に安全弁が作動す
ることとする。
c) 運転中の油圧作動油の温度は,5 ℃以上で60 ℃以下に保たれることとする。5 ℃未満又は60 ℃を超え
ることが予測される場合は,これを抑制する装置が設けられており,冷却装置に水を使用する場合に
は,配管を飲料水系統に直結していないこととする。
d) 油圧作動油は,その量及び質が適切であることとする。
e) 油タンクは,著しいさび(錆)及び腐食がなく,容易に水,異物などが浸入しない構造とする。
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5.7.2
空圧装置 空圧装置は,次による。
a) エアコンプレッサーの取付状態は確実で,かつ,運転状態は良好であり,異音,振動などがないこと
とする。
b) 運転中に圧力が異常に増大した場合に,定格圧力の1.25倍を超えないように,自動的に安全弁が作動
することとする。
c) エアコンプレッサーの潤滑油の量及び質は,適切であることとする。
d) エアタンクは空気漏れがなく,著しいさび(錆),腐食などがないこととする。
5.7.3
揚水装置 揚水装置は,次による。
a) ポンプの取付状態は強固であり,運転に際して異音,振動などがないこととする。
b) 軸受部の給油状態は良好であり,異常な発熱がないこととする。
c) グランドパッキンは,甚だしい摩耗,水漏れなどがないこととする。
5.7.4
アクチュエーター アクチュエーターは,次による。
a) 取付けが確実で,作動は良好であることとする。
b) プランジャーには,きず,著しいさび(錆)及び腐食がないこととする。
c) 異音及び油漏れがないこととする。
d) シリンダに設けられたプランジャーの離脱を防止する装置は,その作動が確実であることとする。
5.7.5
機器及び計器 機器及び計器は,次による。
a) 取付けが強固であり,かつ,作動が良好であることとする。
b) 破損及び漏れがないこととする。
c) 計器の指針は正常に作動し,表示の数値が正確に読み取れることとする。
5.7.6
配管 配管は,次による。
a) 取付状態は,強固であることとする。
b) 各継手の接続は,確実で,油,空気,水などの漏れがないこととする。
c) 著しいさび(錆)及び腐食がないこととする。
d) 配管用ゴムホースには,劣化,き裂,変形などがなく,接続は確実で漏れがないこととする。
e) 地震その他の震動及び衝撃を緩和するための措置が,とられていることとする。
f)
有効な圧力計が,取り付けられていることとする。
5.7.7 その他の装置 その他の装置は,次による。
a) 集毛器の取付状態は強固であり,水漏れがないこととする。また,内部にさび(錆)及び腐食がなく,
集毛かごに破損及び変形がないこととする。
b) 弁類の取付状態は強固であり,漏れがなく,開閉の状態が良好であることとする。
5.8
電気設備
5.8.1
受電盤,制御盤及び操作盤 受電盤,制御盤及び操作盤は,次による。
a) 受電盤主開閉器は,通常,運転室近くに設置され,安全かつ容易に操作できることとする。
b) 各盤の取付けは強固で,雨水の浸入,著しいさび(錆)及び腐食がないこととする。
c) 各盤の開閉器,接触器,継電器,抵抗器などの接点に甚だしい摩耗及び汚損がなく,またヒューズ,
ブレーカーなどに緩みがないこととする。
d) 各盤の電流計,電圧計,表示灯などは,取付けに緩みがなく,指示,動作,点灯が確実であることと
する。
e) 操作盤の押ボタン,スイッチなどは破損がなく,作動が良好であることとする。
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f)
絶縁抵抗は各回路ごとに,それぞれ表6の規定に適合していることとする。ただし,絶縁抵抗は,開
閉器又は過電流遮断器で区切ることのできる電路ごとに検査ができる。
表 6 回路の絶縁抵抗
単位 MΩ
回路の用途
回路の使用電圧
絶縁抵抗
電動機主回路
300 V以下のもの
300 Vを超えるもの
0.2以上
0.4以上
制御回路
信号回路
照明回路
150 V以下のもの
150 Vを超え300 V以下のもの
0.1以上
0.2以上
備考1. 電動機主回路の絶縁抵抗は,制御盤の各過電流遮断器を“切り”
の状態において検査する。
2. 電圧計を用いて絶縁抵抗を算出する場合には,次の式による。
×
−
×
1
000
000
1
M
x
m
e
e
E
R
=
Ω)
絶縁抵抗(
ここに, Rm: 使用電圧計の1 V当たりの抵抗値(Ω)
E: 使用電圧計のそのときの測定範囲(V)
e: 測定回路の常用操作電源の電圧(V)
ex: 当該測定箇所での電圧計の指示電圧(V)
この場合,電源のマイナス側を接地し,プラス側に電圧計のプ
ラス端子を,測定箇所に電圧計のマイナス端子をつなぐ。
5.8.2
配電線及び配管 配電線及び配管は,次による。
a) 接続及び取付状態は,確実であることとする。
b) 接地線の取付けは確実であり,かつ,接地抵抗は表7の規定に適合していることとする。
表 7 回路の接地抵抗
単位 Ω
回路の使用電圧
接地抵抗
300 V以下のもの
100以下
300 Vを超えるのもの
10以下
c) その他の電気設備については,経済産業省令による電気設備に関する技術基準に適合していることと
する。
5.8.3
避雷設備 避雷設備は,建築基準法施行令に規定する技術基準に適合し,突針,支持金物,引下げ
導線などの取付状態は,良好であることとする。
5.8.4
照明及び電飾 照明及び電飾は,次による。
a) 照明器具の取付けに緩みがなく,灯管球に破損がないこととする。
b) 変圧器などの取付けは強固であり,感電などの危険性がないこととする。
c) 配電線及び配管については,5.8.2の規定に準じるものとする。
d) 設計図書記載の荷重(当初荷重)以外の外力及び荷重を,構造物に与えていないこととする。
5.8.5
その他の設備 その他の設備は,次による。
a) 給電線の取付けは強固で,緩みがなく,破損又は甚だしい摩耗,汚損のないこととする。
b) 集電装置の取付けは良好で,破損又は甚だしい摩耗,接触不良などがないこととする。
c) 給電線,集電装置は,感電などの危険性がないこととする。
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d) 各リミットスイッチ,センサー類の取付けは確実で,破損などがなく,その作動は良好であることと
する。
5.9
負荷試験
5.9.1
観覧車の負荷試験 観覧車の負荷試験は,次の二つの場合につき,それぞれ定格電圧及び定格周波
数のもとで,つりかごの回転速度及び電流を測定し,表8の規定に適合していることとする。
a) 無負荷の場合
b) 定格積載量の50 %を片負荷とした場合
表 8 速度及び電流
項目
無負荷の場合
定格積載量の50 %を片負荷とした場合
速度
設計図書に記載された
速度の110 %以下
設計図書に記載された速度の90 %以上
105 %以下
電流
電動機の定格電流値の
100 %以下
電動機の定格電流値の110 %以下
5.9.2
観覧車を除く遊戯施設の負荷試験 観覧車を除く遊戯施設の負荷試験は,次の二つの場合につき,
それぞれ定格電圧及び定格周波数のもとで,走行速度又は回転速度及び電流を測定し,表9の規定に適合
していることとする。
a) 無負荷の場合
b) 定格積載量の100 %を負荷とした場合
表 9 速度及び電流
項目
無負荷の場合
定格積載量の100 %を負荷とした場合
速度
設計図書に記載された
速度の110 %以下
設計図書に記載された速度の90 %以上
105 %以下
電流
電動機の定格電流値の
100 %以下
電動機の定格電流値の110 %以下
5.9.3
揚水ポンプを使用する遊戯施設の電動機の作動試験 揚水ポンプを使用する遊戯施設の電動機の
作動試験は,運転時の電圧及び電流を測定し,電流は電動機の定格電流値の100 %以下とする。
5.10 その他の設備
5.10.1 乗降場及び点検用歩廊 乗降場及び点検用歩廊は,次による。
a) 乗降場は,床,階段などに腐食,破損及び著しいさび(錆)がないこととする。
b) 軌条,走路,水路などの点検歩廊は,取付けが強固で,腐食,破損及び著しいさび(錆)がないこと
とする。
c) 点検用はしご及び踊場は,取付けが強固で,腐食,破損及び著しいさび(錆)がないこととする。
d) 乗り場には,その施設の定員,その他使用の制限に関する事項が掲示されていることとする。
5.10.2 安全さく(柵)及び整理さく(柵) 安全さく(柵)及び整理さく(柵)は,次による。
a) 構造及び寸法が適切であり,取付けは強固で,腐食,破損及び著しいさび(錆)がないこととする。
b) 扉には腐食,破損及び著しいさび(錆)がなく,開閉及び施錠の状態が良好であることとする。
5.10.3 運転室及び機械室 運転室及び機械室は,次による。
a) さび(錆),腐食及び部分的な破損がなく,窓及び扉の施錠が確実であることとする。
b) 運転室は,利用者の乗降及び運転時の状況を監視できる状態が保持されていることとする。
c) 運転室には,運行管理者,運転者,定期検査報告済証その他必要な注意事項など,正しく掲示されて
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いることとする。
d) 運転開始,運転終了又は警報のためのベル,ブザーなどの音量は適切であり,信号灯においては,そ
の点灯状態が良好であることとする。
e) 非常停止ボタンは,係員が速やかに作動させることができる場所に設置し,その作動状態は良好であ
ることとする。
f)
放送設備の取付けは強固で,破損などがなく,かつ,音量が適切であり,雑音がなく放送が明りょう
に聞き取れることとする。
g) 人の乗降及び運転中の施設の状態を監視するためのカーブミラー,モニターテレビなどは,破損がな
く,良好な状態に維持されていることとする。
5.10.4 風速計 風速計は,次による。
a) 発信器の取付けは強固で,感知及び作動は確実であることとする。
b) 指示器は作動が良好で,警報設定値が適切であり,確実に警報されることとする。
5.10.5 ウォータースライドの着水部 ウォータースライドの着水部は,次による。
a) 着水部は,出口先端からの距離,水深が確実に保たれており,水深の表示が正しくなされていること
とする。
b) 着水部本体は,構造上支障のあるき裂及び破損がないこととする。
c) 着水部の床,側壁表面にきず又は塗装のはく離がないこととする。
d) 着水部本体及び配管接続部から,水漏れがないこととする。
5.10.6 非常救出装置 緊急時に使用する非常救出装置は,次による。
a) 予備動力に用いる原動機又は自家発電装置の据付けは確実で,十分整備が行われ,運転状態は良好で
あり,切替えが円滑,かつ,確実に行われることとする。
b) 手動装置は,作動が確実で,十分整備されていることとする。
c) バッテリーは,液及び充電量が適切に維持されていることとする。
d) 移動式のものにあっては,破損がなく,良好な状態で,定められた場所に正しく保管されていること
とする。
5.10.7 装飾物 装飾物は,次による。
a) 取付状態は強固であり,取付部に腐食,破損などがないこととする。
b) 設計図書記載の荷重(当初荷重)以外の外力及び荷重を,構造物に与えていないこととする。
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