A 1550 : 2000
(1)
まえがき
この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本サッシ協会 (JSMA)/財団法人
日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標
準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日本工業規格である
日本工業規格
JIS
A 1550
: 2000
サッシの開閉繰り返し試験方法
Windows
−Repeated opening and closing test
1.
適用範囲 この規格は,JIS A 1513 に規定する試験項目のうち,サッシの開閉繰り返し試験方法につ
いて規定する。
2.
引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。
)を適用する。
JIS A 1513
建具の性能試験方法通則
JIS A 1519
建具の開閉力試験方法
3.
定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
a)
スイング 主に枠の面外に戸が移動する開閉方式。
b)
スライディング 主に枠の面内を戸が移動する開閉方式。
4.
試験装置 試験装置は,主として a)及び b)の装置によって構成されるもので,図 1 及び図 2 に例示す
る。
a)
試験体取付装置 試験体取付装置は,試験体を通常の使用に準じた状態に取り付けられるものとし,
試験中に生じるあらゆる変形が試験結果に影響を与えないように,十分に剛性のあるものとする。
b)
開閉装置 開閉装置は,試験に十分に耐えられる剛性をもち,戸の連続開閉ができるものとする。
図 1 試験装置(例図:スイングサッシ)
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A 1550 : 2000
図 2 試験装置(例図:スライディングサッシ)
5.
試験体及び試験体取付枠
5.1
試験体 試験体は,使用状態に組み立てられた完成品とする。
5.2
試験体取付枠 試験体を試験体取付装置に取り付けにくい場合には,試験体取付枠を用いてもよい。
この場合,試験体取付枠は,試験の目的に適した十分に剛性のあるものでなければならない。
5.3
試験体用ガラス 試験体にガラスを用いる場合は,実際に使用が予定されているガラスとする。
なお,ガラス厚さが特定されていない場合は,仕様に定められているもののうち,最も重いガラスとす
る。
6.
試験
6.1
試験体の取付け 試験体は,水平・垂直を正しく,かつ,ねじれ及び曲がりのないように試験体取
付装置に取り付ける。
6.2
試験環境 試験の環境は,JIS A 1513 の 3.3(試験環境)に規定する標準状態とする。ただし,受渡
当事者間の協議による場合は,それによる。
6.3
試験手順
6.3.1
スイングの開閉繰り返し試験 試験は,a)∼g)までの試験手順で行う。
a)
開閉確認 戸が正常に作動することを確認する。
b)
開閉力の測定 試験前に,JIS A 1519 によって開閉力を測定する。
c)
開閉操作 戸の開閉操作は,次の条件とする。
− 戸の開閉は,1 分間当たり 5∼10 回とし,開き・閉じるをもって 1 回とする。
− 戸の開き角度は,80゜±5゜とする。
− 戸の開閉は,
図 1 に例示する試験装置のアームなどによって戸を押し引きして行う。
d)
試験中の開閉力の測定 試験中の開閉力の測定は,適切な回数の経過ごとに,b)開閉力の測定と同じ
方法によって行う。
e)
試験中の開閉確認 d)試験中の開閉力の測定の後に,戸を開閉し(
1
)
,異常の有無を調べる。
3
A 1550 : 2000
f)
試験終了後の開閉力の測定 規定された開閉回数(
2
)
終了後に,開閉力の測定を b)開閉力の測定と同じ
方法によって行う。
g)
試験終了後の開閉確認 f)試験終了後の開閉力の測定の後に,戸を開閉し(
1
)
,異常の有無を調べる。
注(
1
)
実際に手を添えて開閉する。また,施解錠操作を含む。
(
2
)
開閉回数は,製品規格による。
6.3.2
スライディングの開閉繰り返し試験 試験は,a)∼g)までの試験手順で行う。
a)
開閉確認 戸が正常に作動することを確認する。
b)
開閉力の測定 試験前に,JIS A 1519 によって開閉力を測定する。
c)
開閉操作 戸の開閉操作は,次の条件とする。
− 戸の開閉は,1 分間当たり 5∼10 回とし,開き・閉じるをもって 1 回とする。
− 戸の開き位置は,閉じ位置から戸の走行可能な距離の 80%以上離れた位置とする。
− 戸の開閉は,
図 2 に例示する試験装置のアームなどによって,戸を押し引きして行う。
d)
試験中の開閉力の測定 試験中の開閉力の測定は,適切な回数の経過ごとに,b)開閉力の測定と同じ
方法によって行う。
e)
試験中の開閉確認 d)試験中の開閉力の測定の後に,戸を開閉し(
1
)
,異常の有無を調べる。
f)
試験終了後の開閉力の測定 規定された開閉回数(
2
)
終了後に,開閉力の測定を b)開閉力の測定と同じ
方法によって行う。
g)
試験終了後の開閉確認 f)試験終了後の開閉力の測定の後に,戸を開閉し(
1
)
,異常の有無を調べる。
7.
試験結果の記録 試験結果は,次の a)∼e)の事項について記録する。
a)
開閉回数 試験に用いた開閉回数。
b)
開閉速度 1 分間当たりの開閉回数。
c)
開閉力 試験前後の開閉力。
d)
変形損傷 試験中及び試験終了後,試験体に生じた変形・損傷などの観察結果。
e)
開閉支障の有無及び程度 試験体の開閉支障の有無及び程度。
8.
報告書の記載事項 試験結果の報告書には,次の a)∼d)の事項を記載する。
a)
試験体の名称,形式,試験体に使用したガラス,試験体図及び必要な寸法
b)
試験結果
c)
試験機関名,担当者,日付
d)
その他必要と認められる事項
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A 1550 : 2000
JIS A 1550
(サッシの開閉繰り返し試験方法)原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
岩 井 一 幸
東京家政学院大学
橋 本 進
財団法人日本規格協会
勝 野 奉 幸
財団法人建材試験センター
吉 村 純 一
財団法人小林理学研究所
中 村 和 夫
株式会社中村設計
中 島 禎 男
株式会社フジタ
福 富 秀 雄
株式会社ミサワ総合研究所
奥 利 江
主婦連合会
中 村 正 實
全国建具組合連合会
南 野 恒 雄
板硝子協会
滝 口 武 志
プラスチック工業会
金 田 幸 作
社団法人日本サッシ協会
広 岡 三五夫
三協アルミニウム工業株式会社
井 出 辰一郎
新日軽株式会社
清 田 稔
三和シャッター工業株式会社
小 池 隆 允
新日軽株式会社
上 野 晃
不二サッシ株式会社
(事務局)
鈴 木 秀 昭
社団法人日本サッシ協会
(文責:鈴木 秀昭)