2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
A 1529 : 1997
ドアセットの静的荷重試験方法
Doorsets−Static loading test
序文 この規格は,1985年第1版として発行されたISO 8269 (Doorsets−Static loading test) を翻訳し,原
国際規格の様式によって作成した日本工業規格であるが,規格の名称を“ドアセットの静的荷重試験方法”
とし,規定内容の一部を我が国の実情に即して変更した。
なお,この規格で下線(点線)を施してある箇所は,規定内容の一部を我が国の実情に即して変更した箇
所又は原国際規格にない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,片開きドアセットに適用し,静的荷重下でのドアセットの挙動を試験する方
法について規定する。これは防盗性に関するような特別な要求に基づく静荷重にも適用される。
なお,ドア枠自身のように固定されている部分は除く。
2. 引用規格
JIS A 1526 ドア用語
備考 ISO 1804 : 1972 Doors−Terminologyの規定は,この規格の該当事項と同等である。
3. 定義 この規格の定義は,JIS A 1526ドア用語の定義を適用する。
4. 原理 ドアを解錠して侵入しようとする行為に対応して,鋼製厚板やシャックルを用いて,聞く方向
の戸の表面やドア枠に,垂直及び平行な圧縮力を加えて評価する。
5. 装置 装置は,次による。
a) 調整可能な試験架台は,種々の寸法のドアセットを通常の取付け方法に準じて設置できるものとする。
なお,架台には,試験中に生じる架台のすべての変形がその試験結果への影響を無視できる程度の
十分な剛性がなければならない。
b) ジャッキ又は他の載荷装置
c) 長方形の剛性のある鋼製厚板は,長さ100mmとし,幅 “d” は少なくとも戸の厚さと同じものとする
(図1参照)。
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図1 鋼製厚板
d) 剛性のある鋼製シャックルは,錠やボトル(かんぬき)をまたぐときに用いる(図2参照)。
図2 鋼製シャックル
e) 数個の変位計。
f)
2個の時計は,試験時間及び何らかの技術上の理由で生じた中断時間を測定するために用いる。
6. 手順
6.1
ドア枠の固定 ドア枠は,調整できる固定具又は必要に応じてブロックを用いて試験架台に強固に
固定する。
なお,ドア枠の固定は,その試験結果に影響しないように強固に固定する。
6.2
載荷方法 載荷方法は,次による。
a) 荷重F1は,戸の縁の所定の位置又は弱点となるところに,5.c)に示す鋼製厚板若しくは5.d)に示すシ
ャックルを用いて垂直に加える(図3参照)。
b) 荷重F2は,図4に示すように戸の自由な隅部又はそれのなるべく近い位置に加える。
c) 荷重F3は,すべての丁番の高さの位置に,図5E−E断面図に示す軸線上で5.c)に示す鋼製厚板の幾何
学的中心位置又はそれのなるべく近い位置に加える。
d) 荷重F4は,閉鎖状態のもとで,錠又はボルト(かんぬき)の位置に,5.c)に示す鋼製厚板若しくは5.d)
に示すシャックルを用いて図6に示す軸線上に加える。
6.3
載荷 載荷は,それぞれの荷重をショックや極端なスピードを与えることなく,1分間で最大圧力に
なるように徐々に加圧し,この圧力を1分間保持する。
6.4
記録 試験中及び試験後,次の事項を記録する。
− 荷重
− 最大たわみ
− 残留たわみ
− 変位
− 最終に残った損傷
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7. 試験報告書 試験報告書には,次の事項を記載する。
a) 戸とドア枠の材質,形式,寸法,形状,構造及び仕上げに関する詳細な情報並びに使用されている金
具に関する記述。
b) 荷重F1,F2,F3及びF4とその載荷位置。
c) 試験の結果生じた損傷の程度と位置の詳細。
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図3 戸の縁の試験
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図4 戸の自由隅の試験
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図5 戸の丁番側の試験
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図6 戸の錠側の試験
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原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
坂 田 種 男
坂田研究室
富 田 育 男
通商産業省生活産業局
稗 田 祐 史
建設省住宅局
天 野 徹
通商産業省工業技術院
石 井 嘉 昭
建設省大臣官房
勝 野 奉 幸
財団法人建材試験センター
奥 利 江
主婦連合会
中 村 和 夫
社団法人日本建築士事務所協会連合会
中 村 正 實
全国建具組合連合会
滝 川 信
板硝子協会
永 井 順 一
日本住宅パネル工業共同組合
中 島 禎 男
株式会社フジタ
福 富 秀 雄
株式会社ミサワホーム
古 谷 誠 吉
社団法人日本サッシ協会
三 浦 俊 秀
トステム株式会社
山 本 良 平
近畿工業株式会社
広 岡 三五夫
三協アルミニウム工業株式会社
高 橋 利 博
YKKアーキテクチュラルプロダクツ株式会社
(事務局)
小 沢 祥 浩
社団法人日本サッシ協会