日本工業規格
JIS
A
1525
-1996
ドアセットの開閉繰返し試験方法
Doorsets
−Repeated opening and closing test
1.
適用範囲 この規格は,JIS A 1513 に規定する試験項目のうち,スイングドアセットの開閉繰返し試
験方法について規定する。ただし,自動開閉機能付きのドアセット及び自閉機能を有する金具付きのドア
セットは除く。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS A 1513
建具の性能試験方法通則
JIS A 1519
建具の開閉力試験方法
2.
この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 9379 : 1989
Doorsets−Repeated opening and closing test
2.
用語の定義 この規格に用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。
(1)
スイングドアセット 戸,枠,丁番,錠前などによって,建物の部材として構成されるもののうち,
主に枠の面外に戸が移動する開閉形式のもの。
(2)
面内残留変位 試験後の戸の原位置からの面内移動量。
3.
試験装置 試験装置は主として(1)∼(3)の機器,装置によって構成されるもので,図 1 に例示する。
(1)
試験体取付装置 試験体取付装置は,試験体を通常の使用に準じた状態に取り付けられるものとし,
試験中に生じるあらゆる変形が試験結果に影響を与えないように,十分に剛性のあるものとする。
(2)
開閉装置 開閉装置は,試験に十分耐えられる剛性をもち,戸の連続開閉ができるものとする。
(3)
変位測定装置 変位測定装置は,測定点における枠に対する戸の面内変位を測定できるものとする。
2
A 1525-1996
図 1 試験装置(例図)
4.
試験体及び試験体取付枠
4.1
試験体 試験体は,使用状態に組み立てられた完成品とする。
3
A 1525-1996
4.2
試験体取付枠 試験体を試験体取付装置に取り付けにくい場合には,試験体取付枠を用いてもよい。
この場合,試験体取付枠は,試験の目的に適した十分に剛性のあるものでなければならない。
4.3
試験体用ガラス 試験体にガラスを用いる場合は,実際に使用が予定されているガラスとする。
なお,ガラスの厚さが特定されていない場合は,仕様に定められているもののうち,最も重いガラスと
する。
5.
試験
5.1
試験体の取付け 試験体は,水平・垂直を正しく,かつ,ねじれや曲がりのないように試験体取付
装置に取り付ける。
5.2
試験環境 試験の環境は,JIS A 1513 の 3.3(試験環境)に規定する標準状態とする。ただし,受渡
当事者間で協定のある場合は,それによる。
5.3
試験手順 試験は,次の(1)∼(7)までの試験手順で行う(図 1 参照)。
(1)
開閉確認 戸が正常に作動することを確認する。
(2)
開き力又は閉じ力の測定 試験前に,JIS A 1519 によって開き力又は閉じ力を測定する。
(3)
原位置の確認 戸を 5 回開閉後,閉じ位置で図 1 に示す変位測定点の原位置を測定する。
なお,変位測定点は,戸先の上端・下端の各端面から 50mm の位置とする。
(4)
開閉操作 戸の開閉操作は,以下の条件とする。
(a)
戸の開閉速度は,1 分間最大 15 回とし,開き・閉じるをもって 1 回とする。
(b)
戸の開き角度は,80±5゜とし,スプリングラッチボルトは,各開閉ごとにストライクプレートに収
める。
(c)
戸を開くときは,取っ手を用いて行う。
(d)
戸を閉じるときは,
図 1 に例示する試験装置のアームなどによって戸を押して行うが,アームなど
は戸が枠に当たる前に戸から離れていること。
(5)
面内変位の測定 試験中の面内変位の測定は,適当な回数の経過ごとに,閉じ位置にて 0.1mm の単位
で行う。
(6)
開閉確認 (5)の面内変位の測定の後に,戸を開閉し,異常の有無を調べる。
(7)
面内残留変位の測定 面内残留変位の測定は,規定された開閉回数(
1
)
終了後,閉じ位置にて 0.1mm の
単位で行う。
(8)
開閉確認 (7)の面内残留変位の測定の後に,戸を開閉し,異常の有無を調べる。
(9)
開き力又は閉じ力の測定 試験終了後に,(2)と同じ方法によって開き力又は閉じ力を測定する。
注(
1
)
開閉回数は製品規格による。
6.
試験結果の記録 試験結果は,次の事項について記録する。
(1)
開閉回数 試験に用いた開閉回数。
(2)
開閉速度 1 分間当たりの開閉回数。
(3)
開き力又は閉じ力 試験前後の開き力又は閉じ力。
(4)
面内変位及び面内残留変位 試験中の面内変位及び試験終了後の面内残留変位。
(5)
変形・損傷 試験中及び試験終了後,試験体に生じた変形・損傷などの観察結果。
(6)
開閉支障の有無及び程度 試験体の開閉支障の有無及び程度。
4
A 1525-1996
7.
報告書の記載事項 試験結果の報告書には,次の事項を記載する。
(1)
試験体の名称,形式,試験体に使用したガラス,試験体図及び必要な寸法
(2)
試験結果
(3)
試験機関名,担当者名及び日付
(4)
その他必要と認められる事項
原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
坂 田 種 男
坂田研究室
富 田 育 男
通商産業省生活産業局
稗 田 祐 史
建設省住宅局
瀬 川 昌 弥
建設大臣官房官庁営繕部
高 木 譲 一
工業技術院標準部
天 野 徹
工業技術院標準部
勝 野 奉 幸
財団法人建材試験センター
奥 利 江
主婦連合会
中 村 和 夫
社団法人日本建築士事務所協会連合会(株式会社中村設計)
中 島 禎 男
株式会社フジタ
佐 川 英 明
株式会社ミサワホーム
佐 藤 太 郎
全国陶器瓦工業組合連合会
中 村 正 實
全国建具組合連合会(株式会社双葉商会)
滝 川 信
板硝子協会
古 谷 誠 吉
社団法人日本サッシ協会
広 岡 三五夫
三協アルミニウム工業株式会社
高 橋 利 博 YKK アーキテクチュラルプロダクツ株式会社
山 本 良 平
近畿工業株式会社
堀 角 秀 哉
トステム株式会社
(事務局)
市 川 淳
社団法人日本サッシ協会
小 沢 祥 浩
社団法人日本サッシ協会