A 1521:2018
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 試験装置························································································································· 2
5 試験体···························································································································· 5
6 試験······························································································································· 5
6.1 試験体の取付け ············································································································· 5
6.2 試験環境 ······················································································································ 5
6.3 試験手順 ······················································································································ 5
7 試験結果の記録 ················································································································ 8
8 報告書の記載事項 ············································································································· 8
附属書JA(参考)面内変形追随性試験装置の詳細 ······································································ 9
附属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 12
附属書JC(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表 ···························································· 14
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(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
サッシ協会(JSMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を
改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格で
ある。これによって,JIS A 1521:1996は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
A 1521:2018
片開きドアセットの面内変形追随性試験方法
Doorsets-Diagonal deformation test under static load
序文
この規格は,日本からの提案によって2007年に第1版として発行されたISO 15822を基とし,国内事情
を反映するため,技術的内容を一部変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JBに示す。また,技術上重要な改正に関する旧規格との対照を,附属
書JCに示す。
1
適用範囲
この規格は,JIS A 1513に規定する試験項目のうち,静的荷重による片開きドアセットの面内変形追随
性試験方法について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 15822:2007,Test method of doorset opening performance in diagonal deformation−Seismic
aspects(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用
規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 1513 建具の性能試験方法通則
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
ドアセット
あらかじめ枠と戸とが製作・調整されていて,現場取付けに際して一つの構成材として扱うことができ
るもの。
3.2
面内変形追随性
ドアセットの枠を面内方向に変形させたときの戸の開閉可能な度合い。
2
A 1521:2018
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3.3
面内変位(in-plane displacement)
ドアセット枠部の外のり上端・下端の水平方向移動量差を,枠部の外のり高さ寸法で除した比(単位は
rad)。
3.4
正加力
相対的に見て,試験体の上枠が下枠に対して戸先側からつり(吊)元側へ移動する方向への加力(図1
参照)。
3.5
負加力
相対的に見て,試験体の上枠が下枠に対してつり(吊)元側から戸先側へ移動する方向への加力(図1
参照)。
3.6
開放力(opening force)
戸を開放させるのに要する力。
3.7
操作力
錠及びハンドルを操作するのに要する力又はトルク。
4
試験装置
試験装置は,主に次の機器及び装置によって構成し,その例を図1〜図4に示す。また,試験装置の詳
細を附属書JAに示す。
a) 試験体取付装置 試験体取付装置は,図1及び図2に示すように通常の使用に準じた状態に取り付け
られる構造とする。装置を構成する各部材は,試験加力に十分耐え得る剛性をもち,かつ,部材相互
間はピンジョイントで結合されるものとする。図1は,下水平材を固定して上水平材を動かす場合の
例であるが,逆に,上水平材を固定して下水平材を動かす方法を用いてもよい。
b) 加力装置 加力装置は,図1に示すように,油圧ジャッキなどを用いて,静的な力によって試験体取
付装置に面内方向への所定の変位を与えることができるものとする。
c) 変位測定装置 変位測定装置は,図5に示す各測定点の変位を0.1 mm以下の単位まで測定でき,定
期的に校正されたものとする。
d) 開放力測定装置 開放力測定装置は,閉鎖位置にある戸のハンドル付近を,戸の面に対し垂直に戸を
開く方向へ加力することができ,かつ,開放力を10 N以下の単位まで測定できるものとする。図3
は,油圧ジャッキとロードセルとを組み合わせた開放力測定装置の一例であるが,この規定を満足す
るものであれば,これに限定しない。
e) 操作力測定装置 操作力測定装置は,錠及びハンドルの操作力を1 N以下又は0.1 N・m以下の単位で
測定できるものとする。例えば,直線的に力を加えるものはプッシュプルスケール,ばねばかりなど
の力測定器を,サムターンのように回転操作を行うものは図4に示すようなトルクドライバーなどの
トルク測定器を用いることができるが,この規定を満足するものであれば,これらに限定しない。
3
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図1−試験体取付装置(例)
4
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a) 溶接止めによる方法
b) ねじ止めによる方法
図2−試験体取付装置 部分詳細図(例)
5
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a) トルクドライバー及び先端ジグ
b) ノブトルク測定用先端ジグ詳細
図3−開放力測定装置(例)
図4−解錠トルク値測定装置(例)
5
試験体
試験体は,使用状態に組み立てられた完成品とする。
なお,試験体にガラスを用いる場合は,実際に使用が予定されているガラスとする。
6
試験
6.1
試験体の取付け
試験体は,水平・垂直を正しく,かつ,ねじれ及び曲がりのないように試験体取付装置に取り付ける。
6.2
試験環境
試験の環境は,JIS A 1513の3.3(試験環境)による。ただし,受渡当事者間の協議によって,変更する
ことができる。
6.3
試験手順
試験手順は,次による(図6参照)。
a) 開閉確認 戸の開閉及び施解錠の一連の操作を5回行って正常に作動することを確認した後,戸を閉
鎖し施錠する。
b) 測定装置の取付け 開放力測定及び面内変位測定のための装置を,図3及び図5に示すように取り付
ける。ただし,変位測定点①〜④は図5に示すように,試験体枠の外側から各々約100 mmの位置と
する。変位測定装置は,戸の開閉に支障がないように取り付ける。開放力測定装置は,面内変位を与
えたときの試験体の動きを妨げないように,開放力測定時以外は試験体から切り離しておく。
c) 初期の操作力及び開放力の測定 次の手順によって,初期状態における操作力及び開放力を測定する。
1) 室内側から,解錠するときの錠の操作力を測定し,次に,ラッチを解除するときのハンドルの操作
6
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力を測定する。測定単位は,トルク値の場合は0.1 N・m,力の場合は1 Nとする。
なお,レバーハンドルなどのように,操作力を力又はトルクのいずれでも測定可能な場合は,ト
ルクを測定する。また,プッシュプル錠などのように,ラッチの解除及び戸の開放を一つの操作で
同時に行う機構のもので,操作力と開放力の区別が付かない場合は,ラッチを解除するための操作
力の測定を省略してもよい。ただし,その旨を報告書に記載する。
2) 解錠しラッチを解除した状態で,開放力測定装置を用いて室内側から戸の開放力を10 Nの単位で測
定する。加力点の位置は,ハンドルの中央部付近とする。ただし,外開き形式のドアセットの場合
は,ハンドルの中央部を中心とする半径100 mmの円の範囲内にあるハンドル以外の部位(面材な
ど)を加力点としてもよい。その際,加力点が局部変形するおそれのある場合,及び開放力測定装
置がハンドルと干渉して加力が困難な場合は,図3に示すように当て板を介して加力を行ってもよ
い。
d) 原位置の測定 戸を再び閉鎖し施錠した後,面内変位量測定のための原位置の測定を行う。
e) 加力 加力装置を用いて試験体取付装置の可動側の水平材を面内方向に水平移動させ,試験体枠に面
内変位を与える。面内変位(R)は,次の8段階とし,同一面内変位を3回繰り返しながら,小さい
面内変位から順次大きい面内変位に段階を上げていく。ただし,面内変位が製品仕様に定められてい
る場合は,定められた面内変位の2段階前1)から行ってよい。
60
1
,
75
1
,
90
1
,
120
1
,
150
1
,
200
1
,
300
1
,
400
1
±
±
±
±
±
±
±
±
注1) 例えば,定められた面内変位が±1/120の場合,±1/200から行ってよい。
面内変位(R)は,次の式によって求める。
b
δ
δ
h
δ
δ
R
4
3
2
1
−
−
−
=
ここに,
R: 面内変位(rad)
δ1: 水平測定点①(上枠)の水平変位(mm)
δ2: 水平測定点②(下枠)の水平変位(mm)
δ3: 鉛直測定点③(戸先側たて枠)の鉛直変位(mm)
δ4: 鉛直測定点④[つり(吊)元側たて枠]の鉛直変位(mm)
h: 測定点①と測定点②との距離(=枠の外のり高さ)(mm)
b: 測定点③と測定点④との距離(mm)
なお,δ1及びδ2は戸先側からつり(吊)元側への方向を正,δ3及びδ4は上向きを正とし,0.1 mm
以下の単位まで測定した値で計算する。また,h及びbは1 mm単位とする。
f)
変形・損傷の観察 各段階の1回目及び3回目に所定の面内変位を保持した状態で,曲がり,へこみ,
破損などの有無,状態などを目視によって観察する。
g) 測定及び確認 各段階の1回目及び3回目に所定の面内変位を保持した状態で,次の測定及び確認を
行う。
1) c) 1)と同様の手順によって,解錠時の錠及びハンドルの操作力を測定する。
2) c) 2)と同様の手順によって,戸の開放力を測定する。
3) 開放力の測定後,手で戸を更に開き,開放できることを確認する。
h) 戸の閉鎖 面内変位をゼロに戻した後,開放した戸を閉鎖し施錠して試験を継続する。
i)
終了 次のいずれかの事項に該当した時点で試験を終了する。
1) 試験体が,開閉不能,損傷などによって試験の継続が不可能になったとき。
7
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2) 面内変位が仕様によって規定されている試験体の場合は,その段階を終了したとき。
単位 mm
この図は,下枠を固定して上枠を動かす方法を用いる場合の測定位置を示す。これとは逆に,上枠を固定
して下枠を動かす方法を用いる場合,測定点③及び④は,上枠の上端から約100 mm下方の位置とする。
図5−変位測定位置
8
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
○:所定の面内変位を保持した状態の下で,6.3 f)の観察,並びに6.3 g)の測定及び確認を行う。
●:戸を閉じ,施錠する。
図6−試験手順
7
試験結果の記録
試験結果は,次の事項について記録する。
なお,a)〜d)の事項は,測定を行った段階ごとに記録する。
a) 面内変位 試験に用いた面内変位(R)
b) 操作力 解錠操作力の最大値及びハンドル操作力の最大値
c) 開放力 開放力の最大値
d) 変形・損傷 試験によって生じた試験体の変形・損傷及び開閉機能低下(附属部品の異常を含む。)の
位置及び程度
e) 試験環境 試験開始時の試験環境
8
報告書の記載事項
試験結果の報告書には,次の事項を記載する。
a) 試験体の名称,形式,試験体に使用したガラス,試験体図,必要な寸法など
b) 試験結果
c) 試験機関名,担当者名及び試験実施日
d) その他必要と認められる事項
9
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JA
(参考)
面内変形追随性試験装置の詳細
JA.1 面内変形追随性試験装置の詳細
構造例を,図JA.1〜図JA.3に示す。
A
図JA.2 a)参照
B
図JA.2 b)参照
C
図JA.2 c)参照
X-X 図JA.2 d)参照
図JA.1−試験体取付装置(例)
10
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
a) A部詳細
b) B部詳細
c) C部詳細
d) X-X断面図
図JA.2−試験体取付装置 部分詳細(例)
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
単位 mm
図JA.3−加力装置(例)
12
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附属書JB
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS A 1521:2018 片開きドアセットの面内変形追随性試験方法
ISO 15822:2007,Test method of doorset opening performance in diagonal deformation−
Seismic aspects
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲 静的荷重による片開きド
アセットの面内変形追随
性試験方法について規定。
1
JISとほぼ同じ
追加
通則のJISを追加した。
実質的な差異はない。
3 用語及び
定義
ドアセット,面内変形追随
性,面内変位,正加力,負
加力,開放力及び操作力を
定義。
3
面内変位,開放力及び
解錠トルク値を定義。
それ以外はISO 1804
を引用。
追加
JISでは試験を行う上で必要と考え
られる用語を追加している。
用語であり実質的な差異はない。
−
−
4
試験の原理
削除
ISO規格は簡単に記載。JISではこ
の箇条を設けていない。
試験の原理は,箇条6(試験)の
中に含まれているため,実質的な
差異はない。
4 試験装置 変位測定装置の仕様につ
いてc) で規定。
6.3
JISとほぼ同じ
追加
JISでは測定単位及び校正状態を追
加している。
実質的な差異はない。
開放力測定装置の仕様に
ついてd) で規定。
6.4
JISとほぼ同じ
追加
JISでは測定単位を追加している。 実質的な差異はない。
操作力測定装置の仕様に
ついてe) で規定。
6.5
解錠トルク値測定装置 追加
JISでは測定単位及び力を測定する
装置を追加している。
操作方法の多様化に対応させた。
5 試験体
試験体の状態と使用する
ガラスについて規定。
5
JISとほぼ同じ
削除
JISではガラス厚さが特定されてい
ない場合のガラス厚さの規定を削
除している。
試験方法規格の中で規定すべきで
はないと判断し削除した。次回の
ISO見直し時に削除を提案する。
6 試験
6.2試験環
境
JIS A 1513の標準状態(温
度5〜35 ℃,相対湿度45
〜85 %,気圧860〜1 060
hPa)を規定。
−
−
追加
ISO規格には試験環境が規定され
ていない。
国内の試験環境に合わせて規定を
追加した。
6
A
1
5
2
1
:
2
0
1
8
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
6.3 試験手
順
試験の一連の手順を規定。
7.2
JISとほぼ同じ
変更
1) 解錠トルク値の単位をJISでは
0.1 N・mと規定しているのに対
し,ISO規格は0.1 Nとしてい
る(ISO規格の単位は誤りであ
る。)。
左記の1)及び2)については,次回
のISO見直し時に修正を提案す
る。
左記の3)は,試験手順には影響し
ないため,実質的な差異はない。
追加
2) ISO規格には開放力の測定位
置が明確に規定されていない。
削除
3) JISでは内開きと外開きの場合
の図を例示していない。
7 試験結果
の記録
記録する事項を規定。
8
JISとほぼ同じ
変更
追加
JISでは解錠トルクを操作力に変更
し,試験環境を追加している。
次回のISO見直し時に修正を提案
する。
8 報告書の
記載事項
報告書の記載事項を規定。
9
JISとほぼ同じ
削除
JISでは,試験装置の概要及び試験
体の設置方法を削除。
試験装置の概要などについて必要
な場合は,その他の事項でカバー
できる。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 15822:2007,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
6
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1
5
2
1
:
2
0
1
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JC
(参考)
技術上重要な改正に関する新旧対照表
現行規格(JIS A 1521:2018)
旧規格(JIS A 1521:1996)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
1 適用範囲
対応国際規格としてISO 15822を記載。 1. 適用範囲
対応国際規格の記載なし。
旧規格票の様式によって,引用規格
(JIS A 1513)をこの箇条に記載。
旧規格を基に,2007年にISO 15822が制定されたた
め,対応国際規格として記載した。
3 用語及び
定義
2. 用語の定
義
3.1 ドアセ
ット
“あらかじめ枠と戸とが製作・調整さ
れていて,現場取付けに際して一つの
構成材として扱うことができるもの。”
と定義。
(1) ドアセッ
ト
“戸,枠,丁番,錠前などによって建
物の部材として構成されたもの。”と
定義。
2015年に改正されたJIS A 4702(ドアセット)の定
義に合わせて,改正した。
3.4 正加力
“相対的に見て,試験体の上枠が下枠
に対して戸先側からつり(吊)元側へ
移動する方向への加力。”と定義。
(4) 正加力
“試験体の戸先側からつり元側への
加力。”と定義。
旧規格では上枠を動かす方法に限定した規定であっ
たが,下枠を動かす方法にも対応できる規定に改め
た。
3.5 負加力
“相対的に見て,試験体の上枠が下枠
に対してつり(吊)元側から戸先側へ
移動する方向への加力。”と定義。
(5) 負加力
“試験体のつり元側から戸先側への
加力。”と定義。
旧規格では上枠を動かす方法に限定した規定であっ
たが,下枠を動かす方法にも対応できる規定に改め
た。
3.7 操作力
“錠及びハンドルを操作するのに要す
る力又はトルク。”と定義。
−
規定なし。
試験手順を理解しやすくするため,新たに“操作力”
を定義した。
4 試験装置
“試験装置の詳細を附属書JAに示
す。”ことを記載。
3. 試験装置
左記の記載なし。
試験装置の図を対応国際規格に合わせて記載した
が,旧規格の試験装置の図を試験装置を製作する際
の参考として附属書JA(参考)に残したため,その
ことを記載した。
c) 変位測定
装置
“図5に示す各測定点の変位を0.1 mm
以下の単位まで測定でき,定期的に校
正されたもの”と規定。
(3) 変位測定
装置
“図2に示す測定点①(δ1),②(δ2)
の水平方向変位及び測定点③(δ3),
④(δ4)の鉛直方向変位が測定できる
もの”と規定。
測定精度を明確にするため,少なくとも0.1 mmの単
位まで測定可能なものを使用することを規定した。
また,測定精度を担保するため,定期的に校正され
たものを使用することとした。
6
A
1
5
2
1
:
2
0
1
8
15
A 1521:2018
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 1521:2018)
旧規格(JIS A 1521:1996)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
d) 開放力測
定装置
“閉鎖位置にある戸のハンドル付近
を,戸の面に対し垂直に戸を開く方向
へ加力することができ,かつ,開放力
を10 N以下の単位まで測定できるも
の”と規定。また,“図3は,(中略)
この規定を満足するものであれば,こ
れに限定しない。”ことを規定。
(4) 開放力測
定装置
“図3に示すように油圧ジャッキ及び
ロードセルからなり,試験体面に対し
垂直に加力できるもの又はこれに代
わり得る装置とする”と規定。
規定をより明確に示すとともに,使用する機器も油
圧ジャッキ及びロードセルに限定しない表現に改め
た。
e) 操作力測
定装置
“錠及びハンドルの操作力を1 N以下
又は0.1 N・m以下の単位で測定できる
もの”と規定。また,“例えば,(中略)
この規定を満足するものであれば,こ
れらに限定しない。”ことを規定。
(5) 解錠トル
ク値測定装置
“図4に示すようなトルク測定器(ト
ルクドライバーなど)又はこれに代わ
り得る装置”と規定。
昨今の多様な操作方法のものに対応するため,“解
錠トルク値測定装置”を“操作力測定装置”に変更
し,回転トルクだけでなく,直線的な動きをする装
置にも対応した内容に改めた。
図1−試験体
取付装置
(例)
斜視図とし,試験体の図も加えて,装
置にどのように取り付けられるかを示
した。さらに,加力方向の説明も加え
た。
図1 (a) 試験
体取付装置
(例図)
装置だけの正面図及び側面図を記載。 対応国際規格と同様の図に改めた。また,箇条4 a)
に上枠又は下枠のどちらを動かす方法を用いてもよ
い旨の説明文を追加した。
なお,旧規格の図は,附属書JA(参考)に記載した。
図2−試験体
取付装置
部分詳細図
(例)
枠の固定は,溶接止めによる方法[a)]
及びねじ止めによる方法[b)]を記載。
図1 (b) 部分
詳細図(例図)
枠の固定は,溶接による方法だけを記
載。
対応国際規格と同様の図に改めた。また,ねじ止め
による方法の例図を追加した。
なお,旧規格の図は,附属書JA(参考)に記載した。
−
加力装置の図の記載なし。
図2 加力装置
(例図)
加力装置及び変位測定位置を記載。
加力方法を図1に,変位測定位置を図5に記載した
ことで,加力装置の図は不要となったため削除した。
なお,旧規格の図は,附属書JA(参考)に記載した。
5 試験体
“試験体にガラスを用いる場合は,実
際に使用が予定されているガラスとす
る。”ことだけを規定。
4. 試験体
4.2 試験体用
ガラス
“試験体にガラスを用いる場合は,実
際に使用が予定されているガラスと
する。”ことを規定し,更に“ガラス
厚さが特定されていない場合は,仕様
に定められたもののうち,最小厚さの
ガラスとする。”ことを規定。
試験結果はあくまでも試験時に使用されたガラスと
の組合せにおける結果として扱われ,ガラスの選定
は受渡当事者に委ねられることから,ガラス厚さが
特定されていない場合の規定は削除した。
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A
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:
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A 1521:2018
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 1521:2018)
旧規格(JIS A 1521:1996)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
6 試験
6.3試験手順
a) 開閉確認からi) 終了までの試験手
順を規定。
5. 試験
5.3 試験手順
(1) 開閉確認から(7) 終了までの試験
手順を規定。
試験手順を分かりやすくするため,より詳細な規定
に改めた。
a) 開閉確認
“戸の開閉及び施解錠の一連の操作を
5回行って正常に作動することを確認
した後,戸を閉鎖し施錠する。”ことを
規定。
(1) 開閉確認
“戸が正常に作動することを確認の
うえ,施錠する。”ことを規定。
戸の開閉だけでなく施解錠も行うことを明確にする
とともに,戸の開閉及び施解錠の一連の操作の回数
を5回と規定した。
b) 測定装置
の取付け
旧規格の規定に加えて,“変位測定装
置は,戸の開閉に支障がないように取
り付ける。開放力測定装置は,面内変
位を与えたときの試験体の動きを妨げ
ないように,開放力測定時以外は試験
体から切り離しておく。”ことを規定。
(2) 測定装置
の取付け
“面内変位及び開放力測定のための
装置は,図2及び図3に示すように取
り付ける。”こと,及び“測定点①,
②,③及び④は図2に示すように,試
験体枠の外側から各々約100 mmの位
置とする。”ことを規定。
旧規格の規定に加えて,変位測定装置及び開放力測
定装置の取付けに関する注意事項を記載した。
c) 初期の操
作力及び開
放力の測定
初期状態における操作力及び開放力の
測定手順を規定。操作力は,操作方法
によってトルク又は力のいずれかを測
定することとし,トルク値の単位はJ
からN・mに改めた。
開放力の測定における加力位置を,外
開き形式と内開き形式のそれぞれにつ
いて明確化し,当て板の使用について
も規定。
−
初期の操作力及び開放力の測定の規
定なし。
操作力及び開放力の測定手順は,(6)
測定に規定。
初期の操作力及び開放力の測定を行うことを明確に
示した。
操作力は,操作方法の多様化に対応した内容に改め
るとともに,手順をより詳細に記述し,分かりやす
くした。
開放力は,外開き形式だけでなく,内開き形式にも
適用できる規定に改めた。
d) 原位置の
測定
“戸を再び閉鎖し施錠した後,面内変
位量測定のための原位置の測定を行
う。”ことを規定。
(3) 原位置及
び開放力測定
位置の確認
“面内変位量測定のための原位置の
測定及び開放力測定のための設定位
置の確認をする。”ことを規定。
6.3 c)で開放力測定を行うこととしたため,この手順
では,原位置の測定だけを行うこととした。
e) 加力
面内変位(R)の算定式を規定。
b
δ
δ
h
δ
δ
R
4
3
2
1
−
−
−
=
δ1及びδ2は戸先側からつり(吊)元側
への方向を正,δ3及びδ4は上向きを正
とする。
(4) 加力
面内変位(R)の算定式を規定。
b
δ
δ
h
δ
δ
R
3
4
2
1
−
−
−
=
δ1,δ2は正加力方向,δ3,δ4は下向き
を正とする。
面内変位(R)の算定式を対応国際規格と同一にする
ため,対応国際規格と逆に定義されていたδ3及びδ4
の符号の向きを対応国際規格に合わせて変更した。
また,上枠又は下枠のどちらを動かす方式において
も面内変位(R)の算定式が変わらないようにするた
め,δ1及びδ2の符号の定義を修正した。
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A
1
5
2
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A 1521:2018
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 1521:2018)
旧規格(JIS A 1521:1996)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
g) 測定及び
確認
“各段階の1回目及び3回目に所定の
面内変位を保持した状態で,次の測定
及び確認を行う。”ことを規定。
1) 解錠時の錠及びハンドルの操作力
を測定する。
2) 戸の開放力を測定する。
3) 開放力の測定後,手で戸を更に開
き,開放できることを確認する。
(6) 測定
“各段階の1回目,3回目に所定の面
内変位を保持した状態で次の測定を
行う。”ことを規定。
a) 解錠トルク値(サムターン・ノブ
トルク値)又はこれに代わるもの
を0.1 Jの単位で測定する。
b) 開放力を10 Nの単位で測定する。
人が通過できる程度まで戸を開放可能なことを確認
するため,開放力測定後に手で戸を開放する手順を
追加した。
h) 戸の閉鎖
“面内変位をゼロに戻した後,開放し
た戸を閉鎖し施錠して試験を継続す
る。”ことを規定。
−
戸の閉鎖に関する規定なし。
旧規格では図5(試験手順)に示すだけであったが,
より明確にするため,戸の閉鎖タイミングを規定し
た。
図5−変位測
定位置
対応国際規格と同様の図を記載し,上
枠を固定して下枠を動かす方法を用い
る場合の鉛直変位測定点の位置に関す
る規定を追加。
−
変位測定位置は,図2加力装置(例図)
の中に記載し,現行規格に相当する記
載なし。
対応国際規格との整合化を図るとともに,加力方法
に応じた変位測定位置を明確にした。
7 試験結果
の記録
“試験結果は,次の事項について記録
する。なお,a)〜d)の事項は,測定を行
った段階ごとに記録する。”ことを規
定。
a) 面内変位 (略)
b) 操作力 解錠操作力の最大値及び
ハンドル操作力の最大値
c) 開放力 (略)
d) 変形・損傷 (略)
e) 試験環境 試験開始時の試験環境
6. 試験結果
の記録
“試験結果は,測定を行った段階ごと
に次の事項について記録する。”こと
を規定。
(1) 面内変位 (略)
(2) 解錠トルク 解錠トルクの最大
値。
(3) 開放力 (略)
(4) 変形・損傷 (略)
“解錠トルク”を“操作力”に変更し,解錠操作力
とハンドル操作力の両方を記録することを明確にし
た。
“試験環境”を追加し,記録する必要があることを
明確化した。
8 報告書の
記載事項
“試験結果の報告書には,次の事項を
記載する。”ことを規定。
a) (略)
b) (略)
c) 試験機関名,担当者名及び試験実
施日
d) (略)
7. 報告書の
記載事項
試験結果の報告書には,次の事項を記
載する。
a) (略)
b) (略)
c) 試験機関名,担当者名及び日付
d) (略)
c)の“日付”を“試験実施日”に改め明確にした。
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A 1521:2018
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 1521:2018)
旧規格(JIS A 1521:1996)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
附属書JA
(参考)
面内変形追
随性試験装
置の詳細
面内変形追随性試験装置の詳細を記
載。
−
面内変形追随性試験装置の詳細を図1
(a),図1 (b)及び図2に記載。
試験装置の図を対応国際規格に合わせて本体の箇条
4に記載したため,旧規格の試験装置の図は試験装置
を製作する際の参考として附属書JA(参考)に残し
た。
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