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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

A 1518-1996 

ドアセットの砂袋による 

耐衝撃性試験方法 

Doorsets−Soft heavy body impact test 

1. 適用範囲 この規格は,JIS A 1513に規定する試験項目のうち,砂袋を用いた振り子方式によるドア

セットの耐衝撃性試験方法について規定する。 

備考1. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS A 1513 建具の性能試験方法通則 

2. この規格の対応国際規格を,次に示す。 

ISO 8270 : 1985 Doorsets−Soft heavy body impact test 

2. 用語の定義 この規格に用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。 

(1) 落下高さ 砂袋の鉛直方向の移動量。 

(2) 残留変形 衝撃を受けた後,建具に残っている変形。 

3. 試験装置 試験装置は,主として(1)〜(3)の機器,装置によって構成されるもので,図1及び図2に例

示する。 

(1) 試験体取付装置 試験体取付装置は,試験体を通常の使用に準じた状態に取り付けられるものとし,

試験中に生じるあらゆる変形が試験の結果に影響を与えないように,十分に剛性のあるものとする。 

(2) 砂袋 試験体に衝撃を加えるための砂袋は,図2に示すように直径約350mmの球状の皮革袋(1)を用

い,その中に,乾燥砂(2)を充てんし,その頂点及び底面の中央を貫くリングボルトで締め付けたもの

であって,総質量は30±1kgとする。 

注(1) 皮革袋は,厚さ1.5mmの皮革片又はこれと同等以上の強さをもつ人工皮革片,若しくは帆布片

(以下,皮革片という。)8枚を縫製したもので,砂を充てんしたときに,直径約350mmの球で

包絡される円すい形になるようにする。袋の頂点はしぼめられた状態で,包絡球の中心から約

350mmの位置とし,直径約80mmの穴があくようにする。袋の底面は直径約150mmの円形の皮

革片などで補強し,中心に穴をあけ,これに直径約5mmのリングボルトを取り付ける。頂点の

開口部分は底面と同様に皮革片などで補強し,ホースバンドなどで締め付ける。 

(2) 砂は,かさ比重約1 500kg/m3で,2mmのふるいを通過し,0.6mmのふるいにとどまるものを使

用する。 

(3) 砂袋つり上げ装置 砂袋つり上げ装置は,滑車(3),ロープ(4),切り放し装置及び調整機(5)によって構

成され,図1に示すように,ロープの先端に付けた砂袋を所定の位置までつり上げてからこれを切り

放し,自重による振り子運動によって試験体の所定の位置に当てる装置とする。ロープの長さは,砂

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A 1518-1996  

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袋を所定の高さにつり上げたときのロープの角度が65°以下となるように調整する。 

注(3) 滑車(6)は,ロープを支えるもので,試験中に位置が移動しないように固定されているものとす

る。 

(4) ロープは,砂袋をつるためのもので,麻製の直径約10mm又はこれと同等以上の強度をもつも

のとする。 

(5) 切り放し装置及び調整機(6)は,砂袋を所定の落下高さに保持し,切り放すことが可能な装置・

機器とする。 

(6) 滑車,切り放し装置及び調整機は,それらを用いずに試験可能な場合は使用しなくてもよい。 

図1 試験装置(例図) 

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A 1518-1996  

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図2 砂袋(例図) 

4. 試験体及び試験体取付枠 

4.1 

試験体 試験体は,使用状態に組み立てられた完成品とする。 

4.2 

試験体取付枠 試験体を試験体取付装置に取り付けにくい場合には,試験体取付枠を用いてもよい。 

この場合の試験体取付枠は,試験の目的に適した十分に剛性のあるものでなければならない。 

4.3 

試験体用ガラス 試験体にガラスを用いる場合は,実際に使用が予定されているガラスとする。 

なお,ガラス厚さが特定されていない場合は,仕様に定められたもののうち,最小厚さのガラスとする。 

5. 試験 

5.1 

試験体の取付け 試験体は,所定の衝撃方向を与えられるように,試験体の四周を試験体取付装置

に固定し取り付ける。ただし,試験体の構造又は使用上の条件で,四周固定が適当でないと判断されるも

のについては実態に応じて試験結果に影響を及ぼさない範囲で,他の固定の方法を採用してもよい。 

5.2 

試験環境 試験の環境は,JIS A 1513の3.3(試験環境)に規定する標準状態とする。ただし,受渡

当事者間で協定のある場合は,それによる。 

5.3 

試験手順 試験は,次の(1)〜(6)の試験手順で行う(図1参照)。 

(1) 開閉確認 戸が正常に作動することを確認のうえ,施錠する。 

(2) 衝撃を加える所定の位置(7)の確認 衝撃を加えるための所定の位置の確認をする。 

(3) 衝撃試験 図1に示すように,砂袋を調整機によって試験体の所定の位置(7)に接するようにつるす。

A 1518-1996  

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次に,砂袋つり上げ装置によって規定の落下高さ(8)になるまでロープがたわまないようにつり上げる。

さらに,砂袋を切り放し,砂袋の自重による振り子運動によって,試験体の所定の位置に衝撃を加え

る。このとき,砂袋が跳ね返って,2回目の衝撃が加わらないようにする。 

(4) 残留変形・損傷の観察 へこみ,割れ,はがれ,曲がりなどの有無,状態等を目視によって調べる。 

(5) 開閉確認 戸を開閉し,異常の有無を調べる。 

(6) 繰り返し試験 衝撃試験を繰り返し行う場合は,上記(2)〜(5)の手順を繰り返し行う。 

注(7) 位置は原則として戸の中央とする。 

(8) 落下高さは,製品規格による。 

6. 試験結果の記録 試験結果は,次の事項について記録する。 

残留変形・損傷 試験によって生じた試験体の残留変形・損傷,開閉機能低下(附属部品の異常を含む。)

の位置及び程度。 

7. 報告書の記載事項 試験結果の報告書には,次の事項を記載する。 

(1) 試験体の名称,形式,試験体に使用したガラス,試験体図及び必要な寸法 

(2) 試験で実施した落下高さ,衝撃回数,衝撃の位置及び衝撃方向 

(3) 試験結果 

(4) 試験機関名,担当者名,日付,気温及び湿度 

(5) その他必要と認められる事項 

原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

坂 田 種 男 

坂田研究室 

富 田 育 男 

通商産業省生活産業局 

稗 田 祐 史 

建設省住宅局 

瀬 川 昌 弥 

建設大臣官房官庁営繕部 

高 木 譲 一 

工業技術院標準部 

天 野   徹 

工業技術院標準部 

勝 野 奉 幸 

財団法人建材試験センター 

奥   利 江 

主婦連合会 

中 村 和 夫 

社団法人日本建築士事務所協会連合会(株式会社中村設計) 

中 島 禎 男 

株式会社フジタ 

佐 川 英 明 

株式会社ミサワホーム 

佐 藤 太 郎 

全国陶器瓦工業組合連合会 

中 村 正 實 

全国建具組合連合会(株式会社双葉商会) 

滝 川   信 

板硝子協会 

古 谷 誠 吉 

社団法人日本サッシ協会 

広 岡 三五夫 

三協アルミニウム工業株式会社 

高 橋 利 博 

YKKアーキテクチュラルプロダクツ株式会社 

山 本 良 平 

近畿工業株式会社 

堀 角 秀 哉 

トステム株式会社 

(事務局) 

市 川   淳 

社団法人日本サッシ協会 

小 沢 祥 浩 

社団法人日本サッシ協会