A 1517:2020
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 試験装置························································································································· 2
5 試験体及び試験体取付枠 ···································································································· 3
5.1 試験体 ························································································································· 3
5.2 試験体取付枠 ················································································································ 3
6 試験方法························································································································· 3
6.1 試験体の取付け ············································································································· 3
6.2 試験環境 ······················································································································ 3
6.3 試験手順 ······················································································································ 3
7 試験結果の記録 ················································································································ 5
8 報告書の記載事項 ············································································································· 6
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 7
附属書JB(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表 ···························································· 10
A 1517:2020
(2)
まえがき
この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人
日本サッシ協会(JSMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規
格を改正すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産業規
格である。これによって,JIS A 1517:1996は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
注記 工業標準化法に基づき行われた申出,日本工業標準調査会の審議等の手続は,不正競争防止法
等の一部を改正する法律附則第9条により,産業標準化法第12条第1項の申出,日本産業標準
調査会の審議等の手続を経たものとみなされる。
日本産業規格 JIS
A 1517:2020
建具の水密性試験方法
Windows and doorsets-Watertightness test under dynamic pressure
序文
この規格は,2007年に第1版として発行されたISO 15821を基とし,国内事情を反映するため,技術的
内容を変更して作成した日本産業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。また,技術上重要な改正に関する新旧対照表を附
属書JBに示す。
1
適用範囲
この規格は,JIS A 1513に規定する試験項目のうち,圧力箱方式による建具の水密性試験方法について
規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 15821:2007,Doorsets and windows−Water-tightness test under dynamic pressure−Cyclonic
aspects(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用
規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 1513 建具の性能試験方法通則
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
3.1
水密性(water tightness)
風雨による建具の室内側への水の浸入を防ぐ程度を表す性能。
3.2
漏水(water penetration)
水が建具の室内側に,連続して,又は繰り返し浸入すること。
3.3
圧力箱方式
2
A 1517:2020
建具の室外側に加圧・減圧するための箱を取り付け,建具の室内・室外に圧力差が生じるようにした方
式。
3.4
圧力差(pressure differential)
建具の室外側の圧力と室内側の圧力との差。
注記 建具の室外側の圧力が室内側の圧力より高い状態を正圧,低い状態を負圧という。
3.5
静圧
圧力が一定で変動しない圧力。
3.6
脈動圧(dynamic pressure)
圧力差が近似正弦波で周期的に変動する圧力。
3.7
上限値(upper limit value)
脈動圧の上限圧力値。
3.8
中央値(median value)
脈動圧の中央圧力値。
3.9
下限値(lower limit value)
脈動圧の下限圧力値。
3.10
水噴霧量
試験体全面に向かって均一に噴霧される毎分1 m2当たりの水量。
4
試験装置
試験装置は,主としてa)〜f)の機器又は装置によって構成するもので,図1に例示する。
a) 圧力箱 圧力箱は,試験に際して内部圧力を一定に保つことができ,かつ,箱内に水噴霧ノズルを設
置したものとする。
b) 送風機 送風機は,試験圧力まで加圧箱内の空気を加圧又は減圧できる能力をもつものとする。
c) 圧力調節機 圧力調節機は,圧力箱内を所定の圧力に調節できるものとする。
d) 圧力差測定器 圧力差測定器は,圧力箱内外の圧力差を測定できるもので,±3 %の精度をもつもの
とする。
e) 脈動圧発生装置 脈動圧発生装置は,図2に規定する脈動圧を発生でき,試験中に脈動圧周期を変動
せず維持できるものとする。
f)
水噴霧装置 水噴霧装置は,試験体に所定の水量を均一に噴霧できるものとする。
なお,流量計の精度は±10 %とする。
3
A 1517:2020
1
試験体
2
試験体取付枠
3
圧力箱
4
圧力差測定器
5
送風機
6
圧力調節機
7
脈動圧発生装置
8
水噴霧装置
図1−試験装置(例)
5
試験体及び試験体取付枠
5.1
試験体
試験体は,使用状態に組み立てられた完成品とする。ただし,附属部品については,受渡当事者間の協
議によって試験結果に影響を及ぼさないと判断できるものは省略してもよい。
5.2
試験体取付枠
試験体取付枠は,試験体と圧力箱との間を埋め,試験体を通常の使用に準じた方法で正しく取り付ける
ことができ,試験の圧力に耐え得る十分な剛性をもち,かつ,圧力箱との間に隙間がないように取り付け
る。ただし,試験体を直接圧力箱に取り付けることができる場合には,試験体取付枠を用いなくてもよい。
6
試験方法
6.1
試験体の取付け
試験体は,水平及び垂直を正しく,かつ,ねじれ及び曲がりがないように圧力箱に固定する。取付枠及
び圧力箱は,できるだけ気密にして,空気の漏れがないようにする。
6.2
試験環境
試験環境は,JIS A 1513の3.3(試験環境)による。ただし,受渡当事者間の協議によって,変更しても
よい。
6.3
試験手順
試験手順は,図2及び次による。
a) 開閉確認 戸の開閉及び施解錠の一連の操作を5回行って正常に作動することを確認した後,戸を閉
鎖し施錠する。
b) 予備加圧 脈動加圧に先立ち,上限値に等しい静圧を1分間加える。昇圧速度は,1秒当たり100 Pa
4
1
2
3
7
8
5
5
6
4
A 1517:2020
程度とする。
c) 噴霧 水噴霧量は,試験体全面に毎分4 L/m2の水量を均一に噴霧する。
d) 加圧 加圧を行う手順は,次による。
1) 水噴霧が必要量に達してから加圧準備時間内(30秒以内)に加圧を開始する。
2) 中央値P(Y2)まで加圧する。昇圧速度は,1秒当たり20 Pa程度とする。
なお,中央値Pは,製品規格による。製品規格によらない場合は,受渡当事者間の協議による。
3) 昇圧した後,脈動を開始し,表1に規定する脈動圧を設定する。
なお,脈動圧の過程は規定しないが,できるだけ速やかに安定させる。
4) 規定の脈動圧に達した後,10分間継続する。
e) 観察 試験体の漏水状況を目視によって観察する。
記号
X 試験経過時間
X1 脈動圧(近似正弦波) 周期:2±0.2秒
X2 予備加圧保持時間:1分
X3 加圧準備時間:30秒以内
X4 昇圧時間
X5 脈動圧設定時間
X6 脈動圧継続時間:10分
Y 圧力差
Y1 下限値
Y2 中央値P
Y3 上限値
1
開閉確認
2
予備加圧開始
3
予備加圧終了
4
観察開始
5
水噴霧開始
6
設定水量安定到達時
7
加圧開始
8
脈動圧制御開始
9
脈動圧制御終了
10 加圧終了,観察終了
11 水噴霧終了
図2−試験手順
X2
X5
X4
X3
X6
Y3
Y2
圧力差
(Y)
試験経過時間
(X)
4
1 2
3
6
7
0
8
5
9
10 11
X1
Y1
(P)
5
A 1517:2020
表1−試験に用いる圧力差
単位 Pa
脈動圧
区分
中央値が1 500 Pa
以下の場合
中央値が1 500 Pa
を超える場合
中央値
P
P
上限値
P×1.5
P+750
下限値
P×0.5
P−750
7
試験結果の記録
試験結果は,次の事項について記録する。
a) 試験に用いた圧力差 試験に用いた圧力差P(中央値)。
b) 漏水状況 試験体の室内側の面1)への漏水の位置及び程度。
なお,漏水現象の程度は,表2による。
注1) 構成部材及びガラスの室内に面する箇所。
c) 試験環境 試験開始時の試験環境。
表2−漏水現象の程度
漏水現象の程度
現象の詳細
記号
枠内a)にとど
まるもの
にじみ出し
室内側表面に水がにじみ出てくる状態。
泡立ち
室内側に水が気泡となって出る状態。
流れ出し
室内側に水が流れ出る状態。
吹き出し
室内側に水が空気と一緒になって吹き出
る状態。
しぶき
室内側の下枠などにたまった水が空気の
漏れと一緒に水滴となって飛散する状態。
枠外b)に達す
るもの
枠外への流れ出し
流れ出しが枠外まで及ぶ状態。
枠外への吹き出し
吹き出しが枠外まで及ぶ状態。
枠外へのしぶき
しぶきが枠外まで飛散する状態。
枠外へのあふれ出し
室内側の下枠などにたまった水が枠外へ
あふれ出る状態。
その他
上記以外の記録すべき事項。
注a) “枠内”とは,基本的に建具の枠の内側を意味し,建具の構造上,水にぬれても問題のない部分。
b) “枠外”とは,基本的に建具の枠より屋内側を意味し,実用上,水でぬれてはならない部分。
6
A 1517:2020
8
報告書の記載事項
この規格に基づいて試験した試験結果の報告書には,次の事項を記載する。
a) この規格の番号
b) 試験体の名称,形式,試験体に使用したガラスの種類及び厚さ,試験体図,必要な寸法など
c) 試験結果
d) 試験機関名,担当者名及び試験実施日
e) その他必要と認められる事項
7
A 1517:2020
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS A 1517:2020 建具の水密性試験方法
ISO 15821:2007,Doorsets and windows−Water-tightness test under dynamic pressure−Cyclonic aspects
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲 圧力箱方式による建具の水
密性試験方法について規定。
1
脈動圧下での水密性を判
定するための試験方法を
規定。
追加
JISでは,関連する通則の規格(JIS A
1513)を追加した。
我が国の実状に合わせて
JISでは規定した。
実質的な差異はない。
3 用語及び
定義
水密性,漏水,圧力箱方式,
圧力差,静圧,脈動圧,上限
値,中央値,下限値,水噴霧
量を定義。
3
圧力差,脈動圧,上限値,
中央値,下限値,水密性,
漏水を定義。それ以外は
ISO 1804を引用。
追加
JISでは,試験を行う上で必要となる
用語を追加した。
用語であり実質的な差異
はない。
−
−
4
試験の原理
削除
JISでは,試験の原理を箇条6(試験
方法)の中に含めたため,削除した。
実質的な差異はない。
4 試験装置 b) 送風機
送風機の仕様を規定。
6.3
加圧機
変更
JISでは,試験を行う上で必要となる
送風機の説明を追加し,変更した。
実質的な差異はない。
e) 脈動圧発生装置
脈動圧発生装置の仕様を規
定。
6.5
脈動圧発生装置
変更
ISO規格では,脈動圧の許容範囲を
規定しているが,JISでは,試験体の
剛性又は気密性によって脈動圧に変
動が生じ,基準を満たすことが困難
な場合があるため,脈動圧の許容範
囲を設けないこととし,変更した。
我が国の実状に合わせて
JISでは規定した。
なお,次回のISO規格見直
し時に修正を提案する。
5 試験体及
び試験体取
付枠
5.1 試験体
試験結果に影響を及ぼさな
い附属部品は省略してもよ
いことを規定。
−
−
追加
JISでは,試験結果に影響を及ぼさな
い附属部品の扱いを追加した。
実質的な差異はない。
7
A
1
5
1
7
:
2
0
2
0
8
A 1517:2020
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技
術的差異の理由及び今後
の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5 試験体及
び試験体取
付枠(続き)
−
5.2
ガラスの厚さが指定され
ていない場合は,製造業
者が指定する最小ガラス
の厚さで試験を実施する
ことを規定。
削除
JISでは,使用状態に組み立てられた
完成品にガラスも含まれており,ま
た,試験体用ガラスについては,製
品規格に記載すべき内容なので削除
した。
我が国の実状に合わせて
JISでは規定した。
なお,次回のISO規格見直
し時に削除を提案する。
5.2 試験体取付枠
試験体取付枠について規定。
−
−
追加
JISでは,試験体を直接圧力箱に取り
付けることができる場合は,試験体
取付枠を用いなくてもよいことを追
加した。
我が国の実状に合わせて
JISでは規定した。
実質的な差異はない。
6 試験方法 6.2 試験環境
JIS A 1513の3.3に規定する
試験環境(標準状態の温度5
〜35 ℃,相対湿度45〜85 %,
気圧860〜1 060 hPa)を引用
し,規定。
−
−
追加
ISO規格では,試験環境が規定され
ていないため,JISでは追加した。
国内の試験環境に合わせ
て規定を追加した。
6.3 試験手順
試験の一連の手順を規定。
7.2
JISとほぼ同じ
追加
ISO規格では,予備加圧時の昇圧速
度が規定されていないため,JISでは
追加した。
試験方法にばらつきが出
ないように記載した。
変更
ISO規格では,水噴霧量を毎分3〜4
L/m2としているが,JISでは,毎分4
L/m2と規定した。
我が国の気候風土を鑑み,
ISO規格の規定範囲の最
大値をJISでは規定した。
6.3 試験手順
図2−試験手順
試験の一連の手順を規定。
6.5
Figure
2
JISとほぼ同じ
追加
JISでは,予備加圧及び脈動圧制御の
開始及び終了を追加した。
実質的な差異はない。
7 試験結果
の記録
表2−漏水現象の程度
漏水現象の程度及びそれを
表す記号を規定。
−
−
追加
JISでは,試験時の漏水現象の判断に
ついて,試験担当者によるばらつき
を無くするために説明を追加した。
実質的な差異はない。
8 報告書の
記載事項
報告書の記載事項を規定。
9
JISとほぼ同じ
追加
JISでは,規格番号を追加した。
実質的な差異はない。
8
A
1
5
1
7
:
2
0
2
0
9
A 1517:2020
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 15821:2007,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
8
A
1
5
1
7
:
2
0
2
0
10
A 1517:2020
附属書JB
(参考)
技術上重要な改正に関する新旧対照表
現行規格(JIS A 1517:2020)
旧規格(JIS A 1517:1996)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
1 適用範囲
対応国際規格としてISO 15821を記載。
1 適用範囲
対応国際規格の記載なし。
旧規格票の様式によって,引用規格(JIS
A 1513)をこの箇条の備考で記載。
日本からの提案によって2007年に第1版とし
て発行されたISO 15821を対応国際規格とし
て記載した。引用規格は,規格票の様式の変更
によって,備考から箇条2に記載を移した。
3 用語及び
定義
3.1 水密性
“風雨による建具の室内側への水の浸入を
防ぐ程度を表す性能。”と定義。
−
規定なし。
対応国際規格に合わせて用語を追加した。
3.2 漏水
“水が建具の室内側に,連続して,又は繰り
返し浸入すること。”と定義。
−
規定なし。
対応国際規格に合わせて用語を追加した。
4 試験装置
d) 圧力差測
定器
旧規格の規定内容に加えて,“±3 %の精度
をもつものとする。”ことを規定。
3. 試験装置
(4) 圧力差
測定器
“圧力差測定器は,圧力箱内外の圧力差
を測定できるもの。”と規定。
対応国際規格との整合化を図った。
e) 脈動圧発
生装置
旧規格の規定内容に加えて,“試験中に脈動
圧周期を変動せず維持できるものとする。”
ことを規定。
(5) 脈動圧
発生装置
“脈動圧発生装置は,図2に規定する脈
動圧を発生できるもの。”と規定。
対応国際規格との整合化を図った。
f) 水噴霧装
置
旧規格の規定内容に加えて,“なお,流量計
の精度は±10 %とする。”ことを規定。
(6) 水噴霧
装置
“水噴霧装置は,試験体に所定の水量を
均一に噴霧できるもの。”と規定。
対応国際規格との整合化を図った。
図1−試験装
置(例)
対応国際規格と同様の図を記載し,分かりや
すい図とした。
図1 試験装
置(例図)
日本独自の図を記載。
対応国際規格との整合化を図った。
5 試験体及
び試験体取
付枠
5.1 試験体
旧規格の規定内容に加えて,“ただし,附属
部品については,受渡当事者間の協議によっ
て試験結果に影響を及ぼさないと判断でき
るものは省略してもよい。”ことを規定。
4.1 試験体
“試験体は,使用状態に組み立てられた
完成品とする。”ことを規定。
試験結果に影響を及ぼさない附属部品の扱い
は,旧規格では解説に記載されていたが,規定
事項であるため,本文に記載した。
8
A
1
5
1
7
:
2
0
2
0
11
A 1517:2020
現行規格(JIS A 1517:2020)
旧規格(JIS A 1517:1996)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
−
試験体用ガラスの記載なし。
4.3 試験体
用ガラス
“試験体にガラスを用いる場合は,実際
に使用が予定されているガラスとする。
なお,ガラス厚さが特定されていない場
合は,仕様に定められたもののうち,最
小厚さのガラスとする。”ことを規定。
使用状態に組み立てられた完成品にはガラス
も含まれており,また試験体用ガラスについて
は,製品規格に記載すべき内容なので削除し
た。
6.3 試験手
順
a) 開閉確認
“戸の開閉及び施解錠の一連の操作を5回
行って正常に作動することを確認した後,戸
を閉鎖し施錠する。”ことを規定。
5.3 試験手
順(1) 開閉
確認
“戸を5回開閉し,施錠する。
なお,気密性試験終了後,継続して水密
性試験を行う場合は,開閉確認を省略で
きる。”ことを規定。
戸の開閉だけでなく,施解錠も行うことを明確
にした。また,旧規格にあった“気密性試験終
了後,継続して水密性試験を行う場合は,開閉
確認を省略できる。”という規定は,製品規格
で規定すべき事項であるため削除した。
6.3 試験手
順
d) 加圧
“加圧を行う手順は,次による。”ことを規
定。
1) “水噴霧が必要量に達してから加圧準
備時間内(30秒以内)に加圧を開始す
る。”ことを規定。
2) “中央値P(Y2)まで加圧する。昇圧速
度は,1秒当たり20 Pa程度とする。
なお,中央値Pは,製品規格による。
製品規格によらない場合は,受渡当事者
間の協議による。”ことを規定。
3) “昇圧した後,脈動を開始し,表1に規
定する脈動圧を設定する。
なお,脈動圧の過程は規定しないが,
できるだけ速やかに安定させる。”こと
を規定。
4) “規定の脈動圧に達した後,10分間継
続する。”を規定。
(4) 加圧
“噴霧を継続したまま,表1に従い脈動
圧を10分間加える。中央値Pまでの昇
圧速度は1秒当たり20 Pa程度とし,近
似正弦波設定の過程は,特に規定しな
い。”ことを規定。
試験手順を分かりやすくするため,より詳細な
規定内容に改めた。また,中央値Pは,旧規格
では“製品規格による”としていたが,建築物
の仕様によっては,製品規格に規定されている
試験圧力を適用できない場合もあることから,
それらにも適用できるように,製品規格によら
ない場合の対応方法を追記した。
図2−試験手
順
対応国際規格と同様の図を記載し,分かりや
すい図とした。
図2 試験手
順
日本独自の図を記載。
試験手順を分かりやすくするため,より詳細な
図に改めた。また対応国際規格に合わせた記号
を記載した。
8
A
1
5
1
7
:
2
0
2
0
12
A 1517:2020
現行規格(JIS A 1517:2020)
旧規格(JIS A 1517:1996)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
表2−漏水現
象の程度
漏水現象を“枠内にとどまるもの”と“枠外
に達するもの”に分類し整理した。また,枠
内及び枠外の説明を記載。
表2 漏水現
象の程度
漏水現象を,枠内と枠外との区分をせず
に記載。
試験時の漏水現象の判断について,試験担当者
によるばらつきをなくするために,現象及び現
象の詳細をより分かりやすい表に改め,また枠
内,枠外の説明を追加した。
7 試験結果
の記録
“試験開始時の試験環境”を追加
−
−
試験環境を測定し記録しなければならないこ
とを明確にした。
8 報告書の
記載事項
“規格番号”を追加
−
−
規格番号を記載しなければならないことを明
確にした。
8
A
1
5
1
7
:
2
0
2
0