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A 1515 : 1998  

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって,JIS A 1515 : 1994は改正され,この規格に置き換えられる。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

A 1515 : 1998 

建具の耐風圧性試験方法 

Windows and Doorsets−Wind resistance test 

序文 この規格は,1980年第1版として発行されたISO 6612, Windows and door height windows−Wind 

resistance testsを元に作成した日本工業規格であるが,規格の名称を“建具の耐風圧性試験方法”とし,規

格内容の一部を我が国の実情に即して変更した。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,規定内容の一部を我が国の実情に即して変更した箇所

又は原国際規格にはない事項である。 

1. 適用範囲 この規格は,JIS A 1513に規定する試験項目のうち,圧力箱方式による建具の耐風圧性試

験方法について規定する。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

ISO 6612 : 1980 Windows and door height windows−Wind resistance tests 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。この引用規格は,その最新版を適用する。 

JIS A 1513 建具の性能試験方法通則 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 

a) 圧力箱方式 建具の室外側に,加圧・減圧するための箱を取り付け,建具の室内・室外に圧力差が生

じるようにした方式。 

b) 圧力差 (pressure differential)  建具の室外側の圧力と室内側の圧力との差。建具の室外側の圧力が室

内側の圧力より高い状態を正圧,低い状態を負圧とする。 

c) 残留変形 (permanent residual deformation)  圧力を取り去った後,建具に残っている変形。 

d) 面外変位 (frontal displacement)  建具が移動した量を含んだ原位置からの面外移動量。 

e) 面外たわみ (frontal deflection)  建具の同一部材における面外変位の最大差。 

f) 

変位率 建具面における開口部の長辺内のり寸法又は短辺内のり寸法と面外変位との比。 

g) たわみ率 (relative frontal deflection)  建具面における標線間距離と,その間における面外たわみとの

比。 

4. 試験装置 試験装置は,主としてa)〜e)の機器,装置によって構成されるもので,図1に例示する。 

a) 圧力箱 圧力箱は,試験に際して内部圧力を一定に保つことができるもの。 

b) 送風機 送風機は,試験に必要な圧力まで試験体に加圧できるもの。 

c) 圧力調節機 圧力調節機は,圧力箱内を所定の圧力に調節できるもの。 

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A 1515 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

d) 圧力差測定器 圧力差測定器は,圧力箱内外の圧力差を測定できるもの。 

e) 変位測定装置 変位測定装置は,試験体及び試験体取付枠の原位置からの面外方向の移動量を測定で

きるもの。 

図1 試験装置(例図) 

5. 試験体及び試験体取付枠 

5.1 

試験体 試験体は,使用状態に組み立てられた完成品とする。 

5.2 

試験体取付枠 試験体取付枠は,試験体を使用状態に準じた方法で正しく取り付けることができ,

試験の圧力に耐え得る十分な剛性をもつものとする。ただし,試験体を直接圧力箱に取り付けることがで

きる場合には,試験体取付枠を用いなくてもよい。 

5.3 

試験体用ガラス 試験体にガラスを用いる場合は,実際に使用が予定されているガラスとする。 

なお,ガラス厚さが特定されていない場合は,仕様に定められたもののうち,最小厚さのガラスとする。 

6. 試験 

6.1 

試験体の取付け 試験体は,水平,垂直を正しく,かつ,圧力箱との間にすき間が生じないように

取り付け,ねじれ及び曲がりのないように圧力箱に固定する。開閉操作条件が分かっているときはそれを

配慮して行う。取付枠と圧力箱は,できるだけ気密にして,空気の漏れがないようにする。 

6.2 

試験環境 試験の環境は,JIS A 1513の3.3(試験環境)に規定する標準状態とする。ただし,受渡

当事者間で協定のある場合は,それによる。 

6.3 

加圧困難な場合の処置 試験体からの漏気が多く加圧が困難な場合は,試験結果に影響しない程度

にめばりするなど,加圧可能な処置を適切に施す。 

6.4 

試験手順 試験は,図2及び図3に示されている順序で行う。正圧及び負圧で建具の状況を調べる

場合は,次の3試験とも,まず正圧で,次に負圧で行う。 

a) 変形試験 試験は,次の1)〜7)の手順で行う(図2及び図3参照)。 

1) 予備加圧 圧力P0 (1) (500Pa以上)を3秒以上保持し3回加える。 

なお,圧力を変化させる時間は,1秒以上とする。 

2) 開閉確認 戸の開閉繰返しを5回行い,その後施錠する。 

3) 変位測定装置の取付け 変位測定装置の取付けは,それぞれ個々の製品規格で規定された箇所に取

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

り付けるものとする。 

4) 加圧 加圧は最高圧力P1(1)まで段階的に行い,各段階での保持時間は10秒以上とする。 

なお,圧力段階は,100, 200, 300, 400, 500Paとし,500Pa以上の圧力が要求される場合は,250Pa

を超えない範囲で圧力を増加させる。ただし,最高圧力が設計段階で決められた製品についての圧

力段階は,最高圧力を4等分した圧力で順次加圧してもよい。 

5) 変位測定 各圧力段階で,所定の面外変位を測定する。 

6) 開閉確認 戸の開閉繰返しを5回行う。 

7) 残留変形の確認 残留変形及び機能上の支障の有無を調べる。 

b) 繰返し試験 試験は,次の1)〜3)の手順で行う(図2及び図3参照)。 

1) 加圧 加圧は圧力0から試験圧力P2(1)の振幅の断続圧をn(1)回各3秒以上保持する。 

なお,圧力を変化させる時間は,1秒以上とする。 

2) 開閉確認 戸の開閉繰返しを5回行う。 

3) 残留変形の確認 残留変形及び機能上の支障の有無を調べる。 

c) 安全性試験 試験は,次の1)〜2)の手順で行う(図2及び図3参照)。 

1) 加圧 加圧は試験圧力P3(1)に,できるだけ早く昇圧させて3秒以上保持する。ただし,圧力を変化

させる時間は,1秒以上とする。 

2) 残留変形の確認 残留変形及び機能上の支障の有無を調べる。 

注(1) P0〜P3及びnは製品規格による。 

7. 試験結果の記録 

7.1 

変形試験 試験結果は,次の事項について記録する。 

− 面外変位,面外たわみ,変位率,たわみ率など,それぞれ個別の製品規格に規定された項目の各圧

力段階ごとの値 

− 試験開始から終了までの建具の変化の有無 

− 開閉を確認したときの変化の有無 

− 残留変形の有無 

7.2 

繰返し試験 試験結果は,次の事項について記録する。 

− 試験開始から終了までの建具の変化の有無 

− 開閉を確認したときの変化の有無 

− 残留変形の有無 

7.3 

安全性試験 試験結果は,次の事項について記録する。 

− 試験終了後の建具の変化の有無 

8. 報告書の記載事項 試験結果の報告書には,次のa)〜d)の事項を記載する。 

a) 試験体の名称,形式,試験体に使用したガラス,試験体図及び必要な寸法 

b) 試験結果 

c) 試験機関名,担当者名及び日付 

d) その他必要と認められる事項 

関連規格 JIS Z 8401 数値の丸め方 

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図2 加圧線図(正圧) 

図3 加圧線図(正圧・負圧) 

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A 1515(建具の耐風圧性試験方法)改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

坂 田 種 男 

坂田研究室 

福 水 健 文 

通商産業省生活産業局 

大 嶋 清 治 

工業技術院 

橋 本 繁 晴 

財団法人日本規格協会 

勝 野 奉 幸 

財団法人建材試験センター 

奥   利 江 

主婦連合会 

中 村 和 夫 

社団法人日本建築士事務所協会連合会 

中 村 正 實 

全国建具組合連合会 

永 井 順 一 

日本住宅パネル工業協同組合 

中 島 禎 男 

株式会社フジタ 

福 富 秀 雄 

株式会社ミサワホーム 

滝 川   信 

板硝子協会 

三 浦 俊 英 

社団法人日本サッシ協会 

山 本 良 平 

近畿工業株式会社 

広 岡 三五夫 

三協アルミニウム工業株式会社 

井 出 辰一郎 

新日軽株式会社 

高 橋 利 博 

YKKアーキテクチュラルプロダクツ株式会社 

(事務局) 

小 沢 祥 浩 

社団法人日本サッシ協会