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(1)
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人建材試験センター (JTCCM)/財団法
人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業
標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 12567-2 : 2005,Thermal performance
of windows and doors−Determination of thermal transmittance by hot box method−Part 2 : Roof windows and
other projecting windowsを基礎として用いた。
また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標
準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。
JIS A 1492には,次に示す附属書がある。
附属書A(規定) 環境温度の求め方
附属書B(規定) 端部の線熱貫流率
附属書1(規定) 伝熱面積の算定
附属書2(参考) JISと対応する国際規格との対比表
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 2
4. 原理 ······························································································································ 2
5. 試験体及び試験装置 ········································································································· 4
5.1 一般 ···························································································································· 4
5.2 試験体の取付位置 ·········································································································· 4
5.3 校正板 ························································································································· 5
5.4 バッフルの位置 ············································································································· 5
6. 試験方法 ························································································································ 6
6.1 一般 ···························································································································· 6
6.2 校正方法 ······················································································································ 6
6.3 試験体の測定 ················································································································ 6
6.4 結果の算出 ··················································································································· 7
7. 報告 ······························································································································ 7
附属書A (規定) 環境温度の求め方 ························································································ 8
附属書B (規定) 端部の線熱貫流率 ······················································································· 12
附属書1 (規定) 伝熱面積の算定 ·························································································· 17
附属書2 (参考) JISと対応する国際規格との対比表 ································································ 19
日本産業規格 JIS
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出窓及び天窓の断熱性試験方法
Measurement of thermal transmittance for projecting windows
and other roof windows
序文 この規格は,2005年に発行されたISO 12567-2 Thermal performance of windows and doors−
Determination of thermal transmittance by hot box method−Part 2 : Roof windows and other projecting windowsを
翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本産業規格である。また,この規格は,建具の断熱性評価に用
いる試験方法規格JIS A 4710の個別規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変
更の一覧表をその説明を付けて,附属書2(参考)に示す。
1. 適用範囲 この規格は,出窓及び天窓の熱貫流率の測定方法について規定する。ただし,この規格で
は,次のことは含めない。
a) 試験体の周囲の外側に生じる端部効果
b) 試験体への日射によるエネルギー移動
c) 試験体のすき間からの漏気の影響
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 12567-2 : 2005,Thermal performance of windows and doors−Determination of thermal
transmittance by hot box method−Part 2 : Roof windows and other projecting windows (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 0202 断熱用語
備考 ISO 7345 : 1987 Thermal insulation−Physical quantities and definitionsからの引用事項は,この
規格の該当事項と同等である。
JIS A 1420 建築用構成材の断熱性測定方法−校正熱箱法及び保護熱箱法
備考 ISO 8990 : 1994 Thermal insulation−Determination of steady-state thermal transmission properties
−Calibrated and guarded hot boxからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
JIS A 4710 建具の断熱性試験方法
備考 ISO 12567-1 : 2000 Thermal performance of windows and doors−Determination of thermal
transmittance by hot box method−Part 1 : Complete windows and doorsからの引用事項は,この
規格の該当事項と同等である。
2
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3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS A 0202及びJIS A 4710によるほか,次による。
3.1
出窓 (Projecting windows) ガラス窓が建物外皮(断熱層)の表面より外側に突き出ているもので,
ガラス板類をはめ込んで一体に枠組みした製品。出窓には,次の二つのタイプがある。
a) Aタイプ 出窓の枠(フレーム)を建物外皮の外気側に取り付けるタイプ。枠が建物外皮の外側に完
全に出る場合と外皮内に入る場合とがある。ただし,出窓部分は,外皮の外気側表面から枠(フレー
ム)の外面が180 mm以内のものとする。
b) Bタイプ 窓の四周が屋根,側壁及び出窓受台の枠で構成され,外皮の外側に取り付けるタイプ。た
だし,出窓部分は500 mm未満とする。
3.2
天窓 (Roof windows) 傾斜又は水平の建物外皮に取り付ける,ガラス板類をはめ込んで一体に枠組
みした製品。
備考 天窓の屋根面からの出寸法の種類は,出窓と同様に低い寸法のものから高い寸法のものまであ
る。
4. 原理 この規格においては,次の例外事項を除いて,JIS A 4710に規定する測定方法に従い,出窓及
び天窓の測定を行う。
備考 ここでは,通常,校正熱箱法(CHB法)によって測定することとする。
a) 出窓及び天窓は,実際の取付けと同様に低温(外気)側に同じ高さ[図1 a) に示す枠,図1 b) に示
す屋根又は出窓受台の位置]になるように,取付パネルに取り付ける。
b) 校正方法及び試験体の測定は,通常,同じ条件で行う。
備考 図1 b) の出窓Bタイプのような場合は,校正方法及び試験体の測定を同一条件で行うことが
困難なので,近似した条件で行うことができる。
c) 天窓は,通常,水平[又は屋根こう(勾)配]で測定する。ただし,測定結果に影響が少ない場合は,
便宜的に試験体を垂直に取り付けることができる。
d) 製品間比較を目的で測定する場合は,同じ条件で行う。
3
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単位 mm
2
4
低温側
高温側
100≦ X ≦250
180以内
2
0
0
以
上
7
3
1:熱箱境界
2:取付パネル(λ≦0.04W/m・K)
3:非金属製のテープ
4:窓ガラス
5:内部枠 500
6:外部枠
7:せき止め板
6
5
1
1
X
a) 出窓Aタイプ(内部枠及び外部枠)及び天窓
単位 mm
2
低温側
高温側
100≦ X ≦250
500未満
4
5
1:熱箱境界
2:取付パネル(λ≦0.04W/m・K)
3:屋根
4:出窓受台
5:非金属製のテープ
6:窓ガラス
3
6
X
1
1
b) 出窓Bタイプ(屋根,側壁及び出窓受台)
図 1 取付パネル並びに出窓及び天窓
4
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5. 試験体及び試験装置
5.1
一般 試験装置の構成及び機能は,この規格及びJIS A 4710の規定によるほか,JIS A 1420に規定
する要求事項を満足しなければならない。
備考 図2に校正熱箱法(CHB法)による試験装置の構成図を示す。
電力計
高温室
低温室
データロガー
気流吹出装置
試験体
取付パネル
T熱電対
熱箱
安
定
化
電
源
バッフル
ヒータ
バッフル
ファン
電力計
a) 出窓・天窓を垂直に取り付ける場合
1
2
3
4
8
6
5
5
7
9
10
12
11
1熱箱 2取付パネル 3試験体又は校正板
4気流吹出装置 5バッフル 6ファン
7電気ヒータ 8温度測定装置,熱電対
9電力計 10電力調整器 11安定化電源
12恒温室
b) 天窓を水平に取り付ける場合
図 2 校正熱箱法(CHB法)による試験装置(断面)
5.2
試験体の取付位置 出窓及び天窓の試験体は,実際の施工方法に従って取付パネルの開口部に取り
付ける。ただし,熱箱に天窓を取り付ける方法が,正確に決められていない場合は,試験体を図1 a) 及び
図1 b) に示すように取り付ける。通常,せき止め板,枠(縁)などは,天窓の一部として試験体に含む。
5
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5.3
校正板 校正板は,図 3 a) に示すAタイプの場合は,取付パネルの低温側の表面と同じ面になるよ
うに,取付パネル開口部に取り付ける。また,図3 b) のBタイプの場合は,屋根,側壁及び出窓受台の
部分の4周を断熱材[熱伝導率が0.04 W/(m・K) 以下,厚さ100 mm]で囲み,低温側に最も突き出た外側
の位置に校正板を取り付ける。ただし,この場合は,端部の通過熱量Φedgeの補正は行わない。
5.4
バッフルの位置 低温側のバッフルと試験体の窓ガラスとの間の距離は,50 mm以上離す(図4参
照)。
なお,低温側の送風は,Bタイプの場合,正面の主要なガラス窓とする。
備考 風速を1.5 m/s以上にするので,バッフルと試験体との間の距離は,自由な流れ状態とするため
に50 mm以上とする必要がある。
単位 mm
単位 mm
Φsur
Φcal
低温側
高温側
1
2
500未満
断熱材:厚さ100
X
Φsur
Φcal
Φedge
低温側
高温側
1
2
0<d<240
100≦ X ≦250
1:取付パネル
2:校正板
X
d
100≦ X ≦250
1:取付パネル
2:校正板
a) Aタイプの場合
b) Bタイプの場合
図 3 取付パネル開口部への校正板の取付け
Φsur
Φedge
Φcal
Φcal
Φsur
6
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150mm以上
50mm以上
≧1.5m/s
A-A断面図(Bタイプ)
5
5
150mm以上
50mm以上
≧1.5m/s
A-A断面図(Aタイプ)
1
5
5
4
3
100mm以上
A
A
5
6
6
6
2
1
2
7
7
×:T熱電対 ○:風速計
1:低温側バッフル 2:高温側バッフル 3:取付パネル 4:校正板
5:風速計は,平行流の中央に取り付ける。
6:取付パネルの熱電対は,それぞれ中央に取り付ける。
7:空気温度計は,校正板を9分割し,それぞれの中央に取り付ける。
図 4 温度及び風速の測定位置
6. 試験方法
6.1
一般 測定は,6.2〜6.4によるほか,JIS A 4710に規定する条件に従って行う。
6.2
校正方法 JIS A 4710による出窓及び天窓の環境温度の算出の記号を,附属書A図1及び附属書A
図2に示す。校正板と取付パネルとの間の端部からの通過熱量Φedge[JIS A 4710の式 (11)]及び端部の線
熱貫流率Ψedgeは,附属書B表1による。
6.3
試験体の測定 試験体を取り付けた後に,低温側の風速は,合計表面熱伝達抵抗Rs.tを設定した校正
板を取り付けたときと同じ風速(±10 %又はJIS A 4710の6.2.2.1による。)に調整する。試験体と取付パ
ネルとの間の端部からの通過熱量Φedge[JIS A 4710の式 (11)]及び端部の線熱貫流率Ψedgeは,附属書B表
2(内部枠)及び附属書B表3(外部枠)による。ただし,出窓Bタイプの場合は,試験体と取付パネル
との間の端部からの通過熱量Φedgeの補正は行わない。また,取付パネル通過熱量Φsurは,次の式によって
求める。
sur
sur
sur
s
sur
R
A
Δθ
Φ =
,
ここに, Φsur: 取付パネル通過熱量 (W)
∆θs, sur: 取付パネルの表面温度差 (K)
Asur: 取付パネルの面積 (m2)(図5参照。取付パネルに接す
る屋根,側壁及び出窓受台の面積を除く。)
Rsur: 取付パネルの熱抵抗 (m2・K/W)
50 mm以上 150 mm以上
50 mm以上
150 mm以上
100 mm以上
A-A断面図(Aタイプ)
A-A断面図(Bタイプ)
7
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ただし,取付パネルの熱抵抗Rsurは,出窓AタイプとしてJIS A 4710の式 (9) で求める。
なお,試験体の伝熱面積Aspは,試験体のタイプによって,次による。
a) 出窓Aタイプ及び天窓の場合は,JIS A 4710の附属書3の外付けサッシの伝熱開口寸法から算出した
面積(取付パネル開口面積)とする。
b) 出窓Bタイプの場合は,試験体見付け面積及び試験体の実面積とする。
備考 附属書1に伝熱面積の算定方法を示す。
低温側
高温側
熱箱境界
熱箱境界
Asur
Asur
試
験
体
外
枠
寸
法
Φsur
図 5 Bタイプの場合の取付パネル面積Asur
6.4
結果の算出 結果は,JIS A 4710の6.4によって算出する。
なお,出窓Bタイプにおいては,JIS A 4710の6.4に規定する合計表面熱伝達抵抗Rs.tの通過熱流密度q
の影響による修正を行わない。
出窓Bタイプの場合は,試験体見付け面積で算出したものと試験体の実面積で算出したものとを併記す
る。
7. 報告 試験報告は,JIS A 4710に規定する項目及び次に示す項目について記載する。
a) この規格に基づいて試験した旨
b) 試験した天窓のこう(勾)配(傾斜)
c) 取付パネルへの試験体の取付詳細
d) 試験結果
1) 取付パネル開口面積及び試験体見付け面積で算出した場合
2) 実面積で算出した場合
備考 1) 取付パネル開口面積又は試験体見付け面積で算出した場合は,一般に建物の熱負荷計算,熱
損失係数の計算などに用いられる値であり,2) 実面積で算出した場合は,製品の断熱性評価に
用いられる。
Asur
Asur
Φsur
8
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附属書A(規定) 環境温度の求め方
この附属書は,環境温度の求め方について規定する。
1. 一般 この附属書で使用する記号は,附属書A図1による。
高温側バッフル
低温側バッフル
d
θb,e
θc,e
θsi,cal
θc,i
θse,cal
θb,i
θp,i
θp,e
校正板又は試験体
θb
θc
θs,cal
θp
:校正板表面平均温度(℃)
:取付パネル見込み部表面(上,下,左右)平均温度(℃)
:バッフル表面平均温度(℃)
:空気平均温度(℃)
d:枠見込み深さ
附属書A図 1 校正板において環境温度θnを求めるときの記号
2. 環境温度の計算 環境温度θnは,放射温度θrと空気温度θcとの加重平均で求め,環境温度θn (℃) は,
式 (A.1) によって求める。
r
c
c
c
r
c
r
r
c
c
n
F
F
h
h
h
h
θ
θ
θ
θ
θ
)
1(−
+
=
+
+
=
・
・
・
············································ (A.1)
ここに,
h: 表面熱伝達率 [W/(m2・K)]
c: 平均空気温度を表す添字
r: 平均放射温度を表す添字
対流成分比Fcは,熱流密度qcalの関数として校正結果から求める。
3. 放射温度 試験体(校正板又は窓)に相対する面の放射温度θr (℃) は,次の式のいずれか一つを用い
て求める。
低温側の平均放射温度は,試験体に相対するすべての面の面積による加重平均として求める。バッフル
9
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が,取付け枠に平行であれば,バッフルの温度を平均放射温度としてもよい。
校正板又は試験体の高温側では,附属書A図2に示すように,放射熱伝達に対する理想的な平面を仮定
する。このときの熱伝達量は,JIS A 4710の附属書1に従って算出する。
a) |θb−θp|≦5 Kならば,式 (A.2) による。
cp
cb
p
cp
b
cb
r
α
α
θ
α
θ
α
θ
+
+
=
・
・
································································ (A.2)
b) それ以外の場合は,式 (A.3) による。
cp
cp
cb
cb
p
cp
cp
b
cb
cb
r
h
h
h
h
・
・
・
・
・
・
α
α
θ
α
θ
α
θ
+
+
=
······················································· (A.3)
放射熱伝達率hr [W/(m2・K)] は,式 (A.4) による。
cp
cp
cb
cb
r
h
h
h
・
・
α
α
+
=
································································ (A.4)
ここに, hcb, hcp: 黒体の放射熱伝達率 それぞれ,式 (A.5) 及び式
(A.6) による。
(
)(
)
b
cal
b
cal
cb
T
T
T
T
h
+
+
=
2
2
σ
························································ (A.5)
(
)(
)
p
cal
p
cal
cp
T
T
T
T
h
+
+
=
2
2
σ
························································ (A.6)
ここに,
σ: ステファンボルツマン定数σ=5.67×10-8 [W/(m2・K4)]
αcb, αcp: バッフルから校正板又は試験体への放射熱伝達率及び
取付パネルの見込み部から校正板又は試験体への放射
伝達率[JIS A 4710の附属書1の式 (1.8) 及び (1.9)]
による。
すなわち,放射伝達率αcb,αcpは,再放射を無視して,次に示すJIS A 4710の附属書1の式 (1.8) 及び (1.9)
による。
(
)
[
]
pb
cp
p
cb
b
cal
cb
f
f
f
・
−
+
・
ε
ε
ε
α
1
≈
····················································· (1.8)
(
)
(
)
[
]
pp
cp
p
bp
cb
b
cb
p
cal
cp
f
f
f
f
f
・
−
+
・
−
+
・
ε
ε
ε
ε
α
1
1
≈
·································· (1.9)
ここに,
f: 両表面間の形態係数
ε: 放射率
次の添字は,放射熱の方向を表す。
cb: 校正板からバッフルを表す添字
cp: 校正板から取付パネルの見込み部を表す添字
pb: 取付パネルからバッフルを表す添字
bp: バッフルから取付パネルの見込み部を表す添字
pp: 取付パネルの見込み部から取付パネルの見込み部を表
す添字
hcb,hcpの値は,校正板のデータから得られ,低温側空気温度条件が等しいすべての試験体に適用できる。
標準的な試験開口に対する,取付パネルの見込み深さdの違いによる形態係数は,JIS A 4710の附属書
1表1及び附属書1表2に示されているが,1 400 mm×1 140 mmの開口に対する形態係数を附属書A表1
に示す。
附属書A表 1 1 400 mm×1 140 mmの開口に対する形態係数
形態係数
見込み厚さ
10
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50 mm
100 mm
150 mm
200 mm
250 mm
fcb
0.926
0.859
0.798
0.742
0.691
fpp
0.065
0.113
0.155
0.191
0.225
fcp=fbp(1)
0.074
0.141
0.202
0.258
0.309
Fpb(2)
0.467
0.443
0.423
0.404
0.387
注(1) JIS A 4710 附属書1 式 (1.11) すなわち,
cb
bp
cp
f
f
f
−
=
=
1
(2) JIS A 4710 附属書1 式 (1.12) すなわち,
(
)
2
1
pp
pb
f
f
−
=
また,次に示す近似式を用いてもよい。
d
fcb
×
−4.1
1
=
d
fpp
×
1.1
=
4. 対流熱伝達率 高温側及び低温側の対流熱伝達率hcは,式 (A.7) によって算出する。
cal
c
cal
r
r
cal
c
h
q
h
θ
θ
θ
θ
−
−
−
=
····························································· (A.7)
ここに, qcal: 校正板を通過する熱流密度 (W/m2)
d
×
×
100〜250mm
4
4
1
1
1
2
3
×
1:試験体と放射伝熱が生じる低温側表面温度
2:カバー
3:カバー
4:バッフル
附属書A図 2 試験体において環境温度を求めるときの記号
5. 環境温度の簡易的な算出法 試験時の状態が,次の条件を満たす場合は,環境温度を簡易的に算出し
てもよい。
100〜250 mm
11
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a) 空気温度とバッフル表面温度との差が2 ℃以内
b) 校正時の周囲パネル見込み面の表面温度とバッフル表面温度との差が2 ℃以内
このとき,バッフル温度だけを測定して,次のような方法で環境温度を求めることができる。
1) 平均放射温度 バッフルの平均温度とし,θr=θb
2) 放射熱伝達率 形態係数fcb=1,fpp=0とし,
hr=hcp
hcpは,式 (A.6) から求める。
3) 対流熱伝達率 hcは,式 (A.7) によって算出する。
4) 環境温度 θnは,式 (A.1) によって算出する。
12
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附属書B(規定) 端部の線熱貫流率
この附属書は,端部の線熱貫流率について規定する。
1. 校正板の線熱貫流率
1 取付パネル
2 校正板
3 低温側
4 高温側
附属書B図 1 厚さdcalの両面ガラスではさんだ校正板
附属書B表 1 校正板の線熱貫流率
Ψedge
dcal=60 mmのときのΨedge
[W/(m・K)]
dcal=100 mmのときのΨedge
[W/(m・K)]
d
(mm)
λsur
0.030
[W/(m・K)]
λsur
0.035
[W/(m・K)]
λsur
0.040
[W/(m・K)]
λsur
0.030
[W/(m・K)]
λsur
0.035
[W/(m・K)]
λsur
0.040
[W/(m・K)]
0
−
−
−
0.000 1
0.000 2
0.000 2
20
−
−
−
0.001 3
0.001 5
0.001 7
40
0.004 6
0.005 3
0.006 0
0.003 0
0.003 4
0.003 9
60
0.007 2
0.008 3
0.009 4
0.004 6
0.005 3
0.005 9
80
0.009 5
0.011 0
0.012 4
0.006 0
0.007 1
0.007 9
100
0.011 7
0.013 5
0.015 2
0.007 4
0.008 8
0.009 8
120
0.013 7
0.015 8
0.017 7
0.008 8
0.010 4
0.011 6
140
0.015 6
0.018 0
0.019 9
0.010 0
0.012 0
0.013 3
160
0.017 3
0.019 9
0.021 9
−
−
−
180
0.019 0
0.021 7
0.023 7
−
−
−
備考 λsur,dcal,dの中間値に対応するΨedge値は,線形補間で求める。
1
λsur
Ψedge
3
2
4
d
d cal
λsur
Ψedge
dcal
d
13
A 1492:2006
2. 内部枠試験体の場合の線熱貫流率
1
λsur
Ψedge
3
2
4
d
W
1 取付パネル
2 試験体
3 低温側
4 高温側
附属書B図 2 枠見込みwの内部枠試験体
λsur
Ψedge
d
W
14
A 1492:2006
附属書B表 2 内部枠試験体の線熱貫流率
w
(mm)
d
(mm)
Ψedge
[W/(m・K)]
λsur
0.030
[W/(m・K)]
λsur
0.035
[W/(m・K)]
λsur
0.040
[W/(m・K)]
0
100
0.035 9
0.040 0
0.044 1
150
0.042 8
0.047 6
0.052 5
200
0.047 4
0.053 3
0.058 9
250
0.051 4
0.057 8
0.064 0
10
90
0.026 7
0.030 1
0.033 2
140
0.033 4
0.037 7
0.041 9
190
0.038 3
0.043 4
0.048 2
240
0.042 2
0.047 9
0.053 3
20
80
0.021 6
0.024 8
0.027 3
130
0.028 1
0.031 8
0.035 4
180
0.033 0
0.037 5
0.041 8
230
0.037 0
0.042 0
0.046 9
30
70
0.019 0
0.021 3
0.023 5
120
0.025 5
0.028 7
0.031 9
170
0.030 3
0.034 4
0.038 2
220
0.034 2
0.038 8
0.043 3
40
60
0.017 1
0.019 1
0.020 9
110
0.023 6
0.026 5
0.029 3
160
0.028 4
0.032 0
0.035 6
210
0.032 3
0.036 5
0.040 7
50
50
0.016 2
0.018 0
0.019 7
100
0.022 5
0.025 2
0.027 9
150
0.027 3
0.030 8
0.034 1
200
0.031 3
0.035 3
0.039 2
60
40
0.014 6
0.016 3
0.017 8
90
0.020 9
0.023 4
0.025 8
140
0.025 6
0.028 8
0.032 0
190
0.029 6
0.033 4
0.037 1
備考 λsur,dの中間値に対応するΨedge値は線形補間で求める。
15
A 1492:2006
3. 外部枠試験体の場合の線熱貫流率
1
λsur
Ψedge
3
2
4
d
W
1 取付パネル
2 試験体
3 低温側
4 高温側
附属書B図 3 枠幅wの外部枠試験体
Ψedge
λsur
W
d
16
A 1492:2006
附属書B表 3 外部枠試験体の線熱貫流率
w
(mm)
d
(mm)
Ψedge [W/(m・K)]
λsur
0.030
[W/(m・K)]
λsur
0.035
[W/(m・K)]
λsur
0.040
[W/(m・K)]
0
100
0.029 0
0.032 4
0.035 7
150
0.035 3
0.039 8
0.044 0
200
0.040 4
0.045 6
0.050 7
250
0.044 4
0.050 3
0.055 9
20
100
0.020 5
0.022 9
0.025 1
150
0.026 1
0.030 9
0.034 8
200
0.031 1
0.036 9
0.041 8
250
0.035 6
0.041 5
0.046 8
30
100
0.014 0
0.015 7
0.017 4
150
0.021 8
0.024 3
0.027 0
200
0.027 1
0.030 4
0.033 9
250
0.030 7
0.034 7
0.038 9
40
100
0.008 9
0.010 1
0.011 1
150
0.015 6
0.018 3
0.020 4
200
0.021 0
0.024 5
0.027 4
250
0.025 3
0.029 2
0.032 7
50
100
0.003 6
0.004 1
0.005 1
150
0.011 2
0.012 9
0.014 5
200
0.016 9
0.019 4
0.021 8
60
100
0.000 7
0.000 7
0.000 7
150
0.008 6
0.009 7
0.010 9
200
0.014 3
0.016 3
0.018 3
17
A 1492:2006
附属書1(規定) 伝熱面積の算定
この附属書は,伝熱面積の算出方法について規定する。
1. 出窓Aタイプ及び天窓 JIS A 4710の附属書3の外付けサッシの伝熱開口寸法の取り方に準じて,伝
熱面積を算出する。
2. 出窓Bタイプの場合 次の二通りの方法で伝熱面積を算出する。
a) 試験体の見付け面積とする場合
W
H
Asp
×
=
ここに,
sp
A: 試験体の伝熱面積 (m2)
H, W: 附属書1図1に示す寸法 (m)
b) 試験体の実面積とする場合
1
2
2
1
1
1
)
(2
)
(2
H
W
W
W
H
W
Asp
×
+
×
+
×
=
ここに,
1
H,
1
W,
2
W: 附属書1図1に示す寸法 (m)
H
H 1
〈縦断面〉
附属書1図 1 出窓断面図
18
A 1492:2006
W
W 2
W 1
〈横断面〉
附属書1図 1 出窓断面図(続き)
19
A 1492:2006
附属書2(参考) JISと対応する国際規格との対比表
JIS A 1492 : 2006 出窓及び天窓の断熱性試験方法
ISO 12567-2 : 2005 窓及び戸の耐熱性能―ホットボックス法による熱貫流率の求め方―第2部:出窓及び天窓
(Ⅰ) JISの規格
(Ⅱ) 国
際規格
番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示方法:側線又は点線の下線
表示箇所:本体及び附属書
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
項目番号
内容
項目番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
1. 適用範囲 出窓及び天窓の熱貫流率
の測定方法について規定。
ISO
12567-2
1
適用範囲
JISに同じ。
IDT
−
−
2. 引用規格 JIS A 0202
JIS A 1420
JIS A 4710
2
ISO 7345
ISO 8990
ISO 12567-1
MOD/変更 JISからの引用事項は,対
応ISO規格の該当事項と
同等である。
−
3. 定義
3.1出窓
3.2天窓
3
用語及び定義
出窓
天窓
MOD/追加 ISOのタイプ(Aタイプ)
について,枠の詳細を追
記。出窓については,我が
国のタイプ(Bタイプ)を
追加。
我が国で使われている出窓の形状
を追加。
次回ISO規格改正時に追加するこ
とを検討する。
4. 原理
例外事項を除いてJIS A
4710に規定された方法に
よる。
4
JISとほぼ同じ。
MOD/変更 例外事項に一部追加。
天窓は,ISO規格に規定の
重さではなく,通常,水平
で測定する。ただし,結果
に影響しない場合は垂直
でもよい,と変更。また,
測定は,通常,校正熱箱法
で行う旨を追記。
天窓の空気層が厚いものがあるの
で対流の影響がでやすいため。ISO
規格の改正時に追加提案を検討す
る。
2
A
1
4
9
2
:
2
0
0
6
2
A
1
4
9
2
:
2
0
0
6
20
A 1492:2006
(Ⅰ) JISの規格
(Ⅱ) 国
際規格
番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示方法:側線又は点線の下線
表示箇所:本体及び附属書
(Ⅴ) JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
項目番号
内容
項目番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
5. 試験体及
び試験装置
5.1一般
5.2試験体の取付位置
5.3校正板
5.4バッフルの位置
5
5.1
5.2
5.3
5.4
JISとほぼ同じ。
MOD/追加 5.1の備考に,垂直と水平
のCHB法を例示した。ま
た,5.3でBタイプの場合
の校正板の取付け方法を
追加。
Bタイプの出窓は,我が国独自の
形状なので,ISO規格に適合でき
ないため。ISO規格の改正時に追
加提案を検討する。
6. 試験方法
6.1一般
6.2校正方法
6.3試験体の測定
6.4結果の算出
6
6.1
6.2
6.3
6.4
試験方法
JISとほぼ同じ。
MOD/追加 6.3及び6.4にタイプBの
試験方法を追加。試験体の
伝熱面積の取り方を通常,
取付パネルの開口面積と
試験体の実面積の二とお
りにした。
熱貫流率の評価として,開口部の
面積にした場合は熱負荷計算に,
実面積とする場合は製品の断熱性
能を表す。ISO規格の改正時に追
加提案を検討する。
7. 報告
試験報告の項目を規定
7
試験報告書
JISとほぼ同じ。
MOD/追加 試験結果の報告を,場合分
けして規定。
試験方法に合った内容に変更して
いるが,技術的差異はない。
附属書A
(規定)
環境温度の求め方
附属書A
(規定)
JISとほぼ同じ。
MOD/追加 放射熱伝達率の求め方の
補足及び環境温度の簡易
的な算出方法の規定を追
加。
ISO規格の改正時に追加提案を検
討する。
附属書B
(規定)
端部の線熱貫流率
附属書B
(規定)
JISに同じ。
IDT
−
−
附属書1
(規定)
伝熱面積の算定
−
−
MOD/追加 面積の取り方によって,結
果の値が変わるが,日本の
今までの方法を踏襲する
ことにした。
ISO規格の改正時に追加提案を検
討する。
−
−
附属書C
(参考)
天窓の校正及び測定例
MOD/削除 ISO規格の測定例は日本
の製品と違うので参考と
はならないため削除した。
参考なので技術的差異はない。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
2
A
1
4
9
2
:
2
0
0
6
2
A
1
4
9
2
:
2
0
0
6
21
A 1492:2006
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― IDT……………… 技術的差異がない。
― MOD/削除……… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
― MOD/追加……… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
― MOD/変更……… 国際規格の規定内容を変更している。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
― MOD…………… 国際規格を修正している。
2
A
1
4
9
2
:
2
0
0
6
2
A
1
4
9
2
:
2
0
0
6