A 1470-1:2014
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語,記号及び単位·········································································································· 1
3.1 用語及び定義 ················································································································ 1
3.2 記号及び単位 ················································································································ 2
4 試験体···························································································································· 3
5 試験装置························································································································· 3
6 試験体表面湿気伝達抵抗の設定 ··························································································· 4
7 吸放湿性試験方法············································································································· 4
8 結果の算出······················································································································ 5
9 報告······························································································································· 7
附属書A(規定)試験体表面湿気伝達抵抗の測定方法 ································································· 8
附属書B(参考)その他の試験装置の構成及び試験手順 ····························································· 10
附属書C(参考)湿気浸透率の計算方法 ·················································································· 13
附属書JA(規定)周期定常吸放湿試験 ···················································································· 16
附属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 18
附属書JC(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表 ···························································· 26
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人建材
試験センター(JTCCM)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規
格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規
格である。これによって,JIS A 1470-1:2008は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS A 1470の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS A 1470-1 第1部:湿度応答法
JIS A 1470-2 第2部:温度応答法
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日本工業規格 JIS
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建築材料の吸放湿性試験方法−第1部:湿度応答法
Determination of water vapour adsorption/desorption properties for building
materials-Part 1: Response to humidity variation
序文
この規格は,2008年に第1版として発行されたISO 24353を基とし,国内の実情を反映させるため,技
術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JBに示す。また,技術上重要な改正に関する旧規格との対照
を附属書JCに示す。
1
適用範囲
この規格は,主として内装材などの湿度変動による建築材料の1日周期(12時間吸湿,12時間放湿)に
おける吸放湿性の試験方法について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 24353:2008,Hygrothermal performance of building materials and products−Determination of
moisture adsorption/desorption properties in response to humidity variation(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 0202 断熱用語
JIS A 1324 建築材料の透湿性測定方法
JIS Z 8704 温度測定方法−電気的方法
JIS Z 8806 湿度−測定方法
3
用語,記号及び単位
3.1
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 0202によるほか,次による。
3.1.1
吸放湿性(water vapour adsorption/desorption property)
材料がもつ吸湿量及び吸湿速度並びに放湿量及び放湿速度の性能。
2
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3.1.2
吸湿過程(water vapour adsorption process)
材料が雰囲気中の水蒸気を吸収する過程。
3.1.3
放湿過程(water vapour desorption process)
材料が雰囲気中に水蒸気を放出する過程。
3.1.4
吸湿量(water vapour adsorption content)
吸湿過程で材料に吸収した水蒸気の量。
3.1.5
放湿量(water vapour desorption content)
放湿過程で材料から放出した水蒸気の量。
3.1.6
表面湿気伝達抵抗(water vapour surface resistance)
材料表面と雰囲気との境界層での水蒸気移動の抵抗。
3.1.7
湿気貫流抵抗(resistance of water vapour transmission)
材料の両表面に接する空気中の水蒸気が材料を介して,高湿側から低湿側へ移動するときの水蒸気移動
の抵抗。
3.1.8
吸湿勾配(water vapour adsorption rate)
吸湿過程での吸湿量の1時間当たりの変化量を,そのときの単位時間で除したもの。
3.1.9
放湿勾配(water vapour desorption rate)
放湿過程での放湿量の1時間当たりの変化量を,そのときの単位時間で除したもの。
3.1.10
蓄湿量(residual water vapour content)
吸湿過程終了時での吸湿量と放湿過程終了時の放湿量との差。
3.2
記号及び単位
記号及び単位は,表1による。
3
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表1−記号及び単位
記号
説明
単位
wa
吸湿過程終了時の単位面積当たりの試験体吸湿量
g/m2
wd
放湿過程終了時の単位面積当たりの試験体放湿量
g/m2
ws
蓄湿量
g/m2
ma
吸湿過程終了時の試験体の質量a)
g
md
放湿過程終了時の試験体の質量a)
g
m0
養生後の試験体の質量a)
g
GT
T時点における吸湿勾配及び放湿勾配
g/(m2・h)
mT
T時点における試験体の質量a)
g
mT−1
T−1時点における試験体の質量a)
g
A
試験体の吸放湿面積
m2
t
時間
h
1/β
表面湿気伝達抵抗
m2・h・Pa/μg
R1
1枚の試料における湿気貫流抵抗
m2・h・Pa/μg
R2
2枚の試料における湿気貫流抵抗
m2・h・Pa/μg
注a) 試験体の質量mはいずれも断湿処理を施した後のものとする。
4
試験体
試験体の大きさ,厚さ及び試験体数は,次による。
a) 大きさ 試験体の大きさは,通常,(250±10) mm×(250±10) mmとする。
なお,面積の小さなタイルなどの試験体の寸法は,複数枚を組み合わせたものとする。
b) 厚さ 試験体の厚さは,通常,製品の厚さとする。
なお,塗材などのように製品の厚さとして明記しにくい試験体は,吸湿性のない下地板に,標準施
工としての厚さを施したものとする。
c) 試験体数 試験体の数は,通常,各試験条件に対して1体とする。
5
試験装置
試験装置は,図1に示すように主に電子天びん,恒温恒湿槽,温度測定器,湿度測定器及び温湿度調整
装置で構成し,次による。ただし,必要な測定精度が満足できれば,ほかの構成にしてもよい(附属書B
参照)。
a) 電子天びん 電子天びんは,0.01 gまで測定できるものとする。
b) 恒温恒湿槽 恒温恒湿槽は,規定の温湿度に設定でき,次の条件を満たすものとする。
1) 恒温恒湿槽の大きさは,試験体を収容するのに十分な容量をもつものとする。
2) 槽内温度は,試験体の吸放湿面中央から約50 mm離れた位置で,設定した温度に対して±0.5 ℃の
条件で一定に保つものとする。
3) 槽内湿度は,試験体の吸放湿面中央から約50 mm離れた位置で,設定した相対湿度に対して±2 %
の条件で一定に保つものとする。
注記 加湿に際しては試験体に水滴が付着しないように留意する。
4) 湿度を変化させた場合,設定湿度に到達して安定するまでの時間は,10分以内を標準とする。
c) 温度測定器 温度測定器は,±0.1 ℃の精度をもつものとする。
なお,温度の測定は,JIS Z 8704による。
4
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d) 湿度測定器 湿度測定器は,JIS Z 8806に規定するものとし,±2 %の精度をもつものとする。
単位 mm
注記 温湿度調整装置からの気流が測定結果に影響を及ぼす場合は,風防を設置することが望ましい。
図1−装置の構成例
6
試験体表面湿気伝達抵抗の設定
試験体表面の湿気伝達抵抗は附属書Aに従って測定し,表面湿気伝達抵抗が(13±2)×10−6 m2・h・Pa/μg
となるように,試料表面の気流を槽内かくはん用ファンなどによって調整する。
7
吸放湿性試験方法
吸放湿性試験方法は,次による。
a) 試験体の断湿 試験体の吸放湿面以外は,図2に示すようにアルミテープなどによって断湿する。
単位 mm
図2−試験体の断湿
b) 試験体養生の設定条件 試験体養生の設定条件は,次による。
1) 養生時の雰囲気温度は,23±0.5 ℃とする。
2) 養生時の雰囲気相対湿度は,表2に示す養生時の湿度条件に対して±2 %とする。
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3) 養生時の雰囲気中で試験体を吸湿させ,恒量となるまで養生する。
注記 養生における恒量とは,24時間ごとに行う質量測定において,その前後の試験体の質量差
が0.1 %以下となった時点とする。
表2−吸放湿試験の設定相対湿度
単位 %
湿度条件
養生時
吸湿過程
放湿過程
相対湿度差
ステップ1
ステップ2
低湿域
30±2
55
30
25±2
中湿域
50±2
75
50
25±2
高湿域
70±2
95
70
25±2
広範域
40±2
80
40
40±2
c) 試験手順 試験手順は,次による。
なお,試験時の恒温恒湿槽内の雰囲気温度は,23±0.5 ℃とする。
1) 表2に示す湿度条件から,湿度領域を選択する。
2) 養生した試験体を,附属書Aの湿気伝達抵抗調整時の試験体測定と同じ状態の下で速やかに設置し,
試験体の質量(m0)を測定する。
3) 表2に示す湿度条件に基づいて,槽内の雰囲気相対湿度をステップ1の設定相対湿度に至るように
速やかに加湿制御し,その状態を12時間保持する。その後,槽内の雰囲気相対湿度をステップ2
の設定相対湿度に至るように速やかに除湿制御し,その状態を12時間保持する。
なお,ステップ1への変化及びステップ1からステップ2へ変化させた場合の相対湿度差は,広
範域40±2 %,それ以外25±2 %とする。試験時の槽内の雰囲気相対湿度は,ステップ1及びステ
ップ2の設定相対湿度に対して±2 %の精度で制御する。
4) 試験体の質量測定は,ステップ1開始時から連続して行う。測定の間隔は10分を標準とし,質量は
0.01 gまで測定する。
5) ステップ1終了後の試験体の質量をmaとし,ステップ2終了後の質量をmdとする。
6) ステップ2終了時の蓄湿量がステップ1の吸湿量の30 %を上回る材料は,附属書JAに規定する周
期定常吸放湿試験を行う。このとき,周期定常吸放湿試験終了時の蓄湿量が終了時のサイクルでの
吸湿量の30 %以下となるまでサイクルを繰り返す。ただし,サイクル数は3以上とする。
7) b)で規定する試験体養生において4週間の養生後も恒量とならない材料は,恒量となる前に附属書
JAに規定する周期定常吸放湿試験を行うことができる。このとき,サイクル数は3サイクルを基本
とするが周期定常吸放湿試験終了時の蓄湿量が終了時のサイクルでの吸湿量の30 %以下となるま
でサイクルを繰り返す。
8
結果の算出
結果の算出は,次による。参考として,湿気浸透率を求める方法を,附属書Cに示す。
a) 吸湿量,放湿量及び蓄湿量 吸湿量は式(1),放湿量は式(2),蓄湿量は式(3)によってそれぞれ小数点
以下1桁まで算出する。また,測定結果を図3及び図4に示すようにグラフで表す。
A
m
m
w
0
a
a
−
=
··········································································· (1)
6
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A
m
m
w
d
a
d
−
=
··········································································· (2)
d
a
s
w
w
w
−
=
············································································· (3)
ここに,
wa: 吸湿過程終了時の吸湿量(g/m2)
wd: 放湿過程終了時の放湿量(g/m2)
ws: 蓄湿量(g/m2)
ma: 吸湿過程終了時の試験体の質量(g)
md: 放湿過程終了時の試験体の質量(g)
m0: 養生後の試験体の質量(g)
A: 吸放湿面積(m2)
図3−吸湿過程及び放湿過程における試験体質量の変化(例)
a) 吸湿過程
b) 放湿過程
注a) 12時間吸湿させたときの吸湿量を,試験体の吸放湿面積で除した値。
b) 注a)の値をゼロとして,放湿量と放湿時間との関係をグラフ化したもの。
図4−吸湿量及び放湿量の測定結果(例)
b) 吸湿勾配及び放湿勾配 箇条7 c)における吸湿量及び放湿量の測定結果から,1時間ごとの吸湿勾配
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及び放湿勾配を式(4)によって小数点以下1桁まで算出する。
A
m
m
G
1
T
T
T
−
−
=
········································································ (4)
ここに,
GT: T時点における吸湿勾配及び放湿勾配[g/(m2・h)]
mT: T時点における試験体の質量(g)
mT−1: T−1時点における試験体の質量(g)
A: 吸放湿面積(m2)
吸湿勾配及び放湿勾配の経時変化を,図5に示すようにグラフで表す。
図5−吸湿勾配及び放湿勾配の経時変化(例)
9
報告
次の項目について報告する。
a) 試験体の名称,種類及び商品名
b) 試験体の大きさ(mm)及び厚さ(mm)
c) 試験体の見掛け密度(試験開始前)
d) 試験条件 温度(℃),湿度条件(低・中・高・広範域の区別)(%),養生条件,吸湿過程の相対湿度
(%)及び放湿過程の相対湿度(%)
e) 試験結果
1) 試験体質量(g),吸湿量及び放湿量の経時変化(g)
2) 吸湿勾配及び放湿勾配[g/(m2・h)]の経時変化
f)
試験期間
g) 試験機関名
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附属書A
(規定)
試験体表面湿気伝達抵抗の測定方法
A.1 測定
試験体表面湿気伝達抵抗の測定方法は,次による。
a) 校正試料 試験体表面での気流による湿気伝達抵抗を設定するための校正試料は,次の条件を満たす
もので同一のものを2枚用意する。
1) 透湿抵抗が6.7〜26.7×10−6 m2・h・Pa/µgのもの。
2) 表面が平滑なもの。
注記 これらの条件に合うものとしては,紙(厚さ0.5±0.2 mm)がある。
b) 取付け用カップ 校正試料を取り付けるカップは,図A.1に示す形状とし,その材質など1)はJIS A
1324による。また,カップ内にはJIS A 1324に規定する吸湿剤を,図A.1に示すように充塡する。
注1) カップの材質の透湿抵抗が校正試料に対して十分に大きなものとして,塩化ビニル樹脂,ア
クリル樹脂などがある。
c) 校正用試験体の取付け 図A.1に示すように,a)で規定する校正試料をb)に規定するカップに取り付
ける。また,透湿面以外からの透湿がないようにJIS A 1324に規定するシール材で断湿し,校正試料
の透湿面積は試験体の面積と同じにする。
単位 mm
a) 1枚の試料
b) 2枚の試料
図A.1−湿気伝達抵抗設定用校正試料
d) 湿気伝達抵抗の測定 湿気伝達抵抗の測定は,次による。
1) c)で作成した1枚の試料及び2枚の試料を,吸放湿試験の試験体設置状態と同様な水平状態に保持
する。
2) JIS A 1324に規定するカップ法の測定手順によって,湿気貫流抵抗を測定する。測定終了後,式(A.1)
によって試料の表面湿気伝達抵抗を算出する。ただし,このときの吸湿剤側の湿気伝達抵抗は,反
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対側の湿気伝達抵抗よりも十分に小さいものとみなす。
2
1
2
1
R
R−
=
β
········································································ (A.1)
ここに,
1/β: 表面湿気伝達抵抗(m2・h・Pa/μg)
R1: 1枚の試料における湿気貫流抵抗(m2・h・Pa/μg)
R2: 2枚の試料における湿気貫流抵抗(m2・h・Pa/μg)
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附属書B
(参考)
その他の試験装置の構成及び試験手順
B.1
試験装置
B.1.1 機械式恒温槽を用いる場合
機械式恒温槽の構成例を,図B.1に示す。測定機器などの要求事項は,箇条5による。
単位 mm
図B.1−機械式恒温槽を用いる場合(例)
B.1.2 湿度発生装置を用いる場合
湿度発生装置を用いる場合の装置の構成例を,図B.2に示す。測定機器などの要求事項は,箇条5によ
る。
単位 mm
図B.2−湿度発生装置を用いる場合(例)
B.1.3 飽和塩水溶液を用いる場合
飽和塩水溶液を用いる場合の装置の構成例を,図B.3に示す。測定機器などの要求事項は,箇条5によ
る。
なお,塩の種類は,JIS A 1475で規定する附属書4表1の塩類を使用する。
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単位 mm
図B.3−飽和塩水溶液を用いる場合(例)
表B.1−使用塩類及び相対湿度
単位 %
使用塩類
相対湿度
MgCl2・6H2O
33
K2CO3
43
Mg(NO3)2・6H2O
53
KI
69
NaCl
75
KCl
85
KNO3
93
B.2
試験手順
B.2.1 機械式恒温槽を用いる場合
機械式恒温槽を用いる場合の試験手順は,箇条7による。
B.2.2 湿度発生装置を用いる場合
湿度発生装置を用いる場合の試験手順は,箇条7による。
B.2.3 飽和塩水溶液を用いる場合
飽和塩水溶液を用いる場合の試験手順は,次による。
a) 図B.3に示すように,デシケータを2台用意し,それぞれのデシケータに各々異なる種類の飽和塩水
溶液を設置して,各々規定の相対湿度となるようにする。
b) 低湿用のデシケータで恒量となるまで養生した試験体を,速やかに高湿用のデシケータに設置し,試
験体の質量を連続して12時間測定する(ステップ1)。
c) ステップ1終了後,速やかに試験体及び電子天びんを低湿用のデシケータに移動し,試験体の質量を
連続して12時間測定する(ステップ2)。
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B.3
報告
報告は,箇条9による。ただし,飽和塩水溶液を使用した場合は,試験条件として,使用塩類を明記す
る。
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附属書C
(参考)
湿気浸透率の計算方法
C.1 湿気浸透率
湿気浸透率は,表面湿気伝達抵抗が0である半無限固体を仮定した試験体に対して求められる値であり,
この値から,任意の相対湿度条件における材料の吸湿量及び放湿量の経時変化を求めることができる。
C.2 湿気浸透率の算出方法
試験体が半無限かつ均一な状態であると仮定した場合,雰囲気の絶対湿度を段階的に上昇させたときの
試験体の吸湿量Mは,式(C.1)によって算出することができる。
κ
λ
κ
×
×
×
×
=
π
2
mt
ΔX
M
······························································ (C.1)
ここに,
M: 試験体の単位面積当たりの吸湿量(g/m2)
κ: 絶対湿度変化に対する容積基準質量含水率の変化
{g /[m3・(g /kg')]}
ΔX: ステップ1とステップ2との絶対湿度の差(g /kg')
t: 時間(h)
λm: 湿気伝導率{g /[m・h・(g /kg')]}
π: 円周率
式(C.1)を書き換えると,式(C.2)のようになる。
t
C
M
×
=
············································································ (C.2)
ここに,
C: Mとtとの関係における回帰直線の傾き
試験体の湿気浸透率は,式(C.3)によって算出することができる。
C
ΔX×
×
=
×
2π
mκ
λ
································································ (C.3)
ここに,
κ
λ×
m
: 湿気浸透率{g /[m2・h1/2 (g /kg')]}
C.3 回帰直線
試験体の吸湿量M及び時間tの平方根による回帰直線を求める。回帰直線の傾きCは,式(C.2)によって
算出することができる。
C.4 湿気浸透率の応用例
雰囲気絶対湿度の変動が正弦波変動と仮定すると,図C.1のように表面での湿度変動は,材料内部を進
むにつれて振幅が減衰していく。材料のもつ吸放湿性によってこの減衰の仕方は異なる。角速度ω (rad/h),
変動振幅1(g/kg)とした場合,1周期内の表面での吸湿量及び放湿量は,式(C.4)によって算出することが
できる(参考文献[1]を参照)。
ω
κ
λ×
=
m
Q
·········································································· (C.4)
ここに,
Q: 試験体の単位面積・単位励振当たりの吸湿量及び放湿
量[g/m2(g/kg')]
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ω: 角速度(rad/h)
また,材料内部での振幅比が5 %となる深さを“湿気の侵入深さ:d ”と定義すると,dは,式(C.5)によ
って算出することができる。
κ
ω
λ
×
=
m
2.4
d
········································································ (C.5)
ここに,
d: 湿気の侵入深さ(m)
λm: 湿気伝導率{g /[m・h・(g /kg')]}
ω: 角速度(rad/h)
κ: 絶対湿度変化に対する容積基準質量含水率の変化
{g /[m3・(g /kg')]}
湿気伝導率が分かっていれば,式(C.5)によって湿気の侵入深さが算出され,式(C.4)の吸湿量及び放湿量
とともに検討することで,ある周期の湿度変動に対する必要な材料厚さの検討が可能となる。
図C.1−湿気の侵入深さ
代表的な建築材料の湿気物性値及び各周期における吸湿量及び放湿量並びに湿気の侵入深さは,表C.1
に示す。
参考文献 [1] 荒井良延,権藤尚:“吸放湿材の評価と利用”,日本建築学会環境工学委員会熱環境小委
員会第26回熱シンポジウムテキスト,1996
[2] JIS A 1475 建築材料の平衡含水率測定方法
注記 対応国際規格:ISO 12571:2000,Hygrothermal performance of building materials
and products−Determination of hygroscopic sorption properties(MOD)
15
A 1470-1:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表C.1−材料の湿気物性値及び各周期の吸湿量及び放湿量Q並びに湿気の侵入深さd
建築材料
湿気伝導率
g/[m・h・(g /kg')]
絶対湿度変化に対する
容積基準質量含水率の
変化a){g /[m3・(g /kg')]}
各周期ごとの吸湿量及び放湿量Q [g/m2(g/kg')]並びに湿気の侵入深さd [mm]
1日
1週(7日)
1か月(30日)
1年(365日)
λm
κ
Q
d
Q
d
Q
d
Q
d
コンクリート
0.001 7
2 682
4.17
6.54
11.04
17.29
22.86
35.80
79.72
124.87
モルタル
0.004 1
1 829
5.35
12.29
14.16
32.52
29.31
67.31
102.25
234.79
ALC
0.041 0
622
9.87
66.62
26.12
176.27
54.08
364.91
188.62
1 272.84
石炭プラスター
0.001 1
1 027
2.08
8.50
5.50
22.48
11.38
46.53
39.69
162.30
木材
0.003 8
4 876
8.41
7.25
22.26
19.17
46.08
39.69
160.72
138.45
軟質繊維板
0.023 6
2 539
15.13
25.02
40.03
66.21
82.87
137.06
289.05
478.09
半硬質繊維板
0.003 5
6 376
9.23
6.08
24.43
16.09
50.57
33.31
176.39
116.19
岩綿
0.086 1
30
3.15
439.05
8.32
1 161.61
17.23
2 404.77
60.11
8 388.01
石綿スレート
0.000 2
677
0.72
4.46
1.90
11.80
3.94
24.43
13.74
85.23
石こうボード
0.014 0
971
7.20
31.18
19.06
82.48
39.46
170.75
137.64
595.60
ゼオライト系ボード
0.001 0
8 231
5.61
2.86
14.84
7.57
30.71
15.67
107.13
54.66
注a) 20 ℃,60 % (8.7 g/kg')を基準状態とした。
3
A
1
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-1
:
2
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JA
(規定)
周期定常吸放湿試験
JA.1 周期定常吸放湿試験
周期定常吸放湿試験の手順及び方法は,次による。
a) 試験体の養生 試験体は,試験条件によって表JA.1に示す雰囲気中で平衡となるまで箇条7 b)に従っ
て養生する。ただし,平衡となるまでに4週間以上の期間を要する材料にあっては,養生を4週間で
終了してもよい。
b) 試験体の断湿 試験体の吸放湿面以外は,図2に示すように,アルミテープなどによって断湿する。
c) 試験手順 試験は,表JA.1に示す湿度条件から選択して行う。箇条7 c)と同様に試験体を設置し,雰
囲気を表JA.1に示すステップ1に12時間保持した後,ステップ2に変化させて12時間保持する。こ
れを1サイクルとし,3サイクル以上繰り返し,試験体の質量変化を測定する。質量及び温湿度の測
定は,箇条7 c)による。
表JA.1−周期定常吸放湿試験の設定相対湿度
単位 %
湿度条件
養生時
吸湿過程
放湿過程
相対湿度差
ステップ1
ステップ2
低湿域
30±2
55
30
25±2
中湿域
50±2
75
50
25±2
高湿域
70±2
95
70
25±2
広範域
40±2
80
40
40±2
d) 周期定常時吸放湿量 JA.1 c)の質量計算結果から,周期定常時での吸湿量は式(JA.1),放湿量は式
(JA.2)及び蓄湿量は式(JA.3)によって算出する。蓄湿量の算出可能な条件は,箇条8 a)と同様とする。
A
m
m
w
1
dn
an
ac
−
−
=
···································································· (JA.1)
A
m
m
w
dn
an
dc
−
=
····································································· (JA.2)
dc
ac
sc
w
w
w
−
=
······································································· (JA.3)
ここに,
wac: nサイクル目の吸湿過程終了時の吸湿量(g/m2)
wdc: nサイクル目の放湿過程終了時の放湿量(g/m2)
wsc: nサイクル目終了時の蓄湿量(g/m2)
man: nサイクル目の吸湿過程終了時の試験体の質量(g)
mdn−1: n−1サイクル目の放湿過程終了時の試験体の質量(g)
mdn: nサイクル目の放湿過程終了時の試験体の質量(g)
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A 1470-1:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
また,図JA.1に示すように吸湿量及び放湿量の経時変化を,グラフで表す。
図JA.1−吸湿量及び放湿量の経時変化例
e) 試験結果の報告 試験結果の報告は,箇条9によるほか,試験条件としてサイクル数,試験結果とし
て,周期定常時の吸湿量,放湿量及び畜湿量並びに吸湿量及び放湿量の経時変化を報告する。
18
A 1470-1:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JB
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS A 1470-1:2014 建築材料の吸放湿性試験方法−第1部:湿度応答法
ISO 24353:2008 Hygrothermal performance of building materials and products−Determination of
moisture adsorption/desorption properties in response to humidity variation
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術
的差異の箇条ごとの評価及び
その内容
(V)JISと国際規格との
技術的差異の理由及び
今後の対策
箇条番
号及び
題名
内容
箇条番
号
内容
箇条ご
との評
価
技術的差異の内容
1 適用
範囲
建築材料の湿度変動による1日周期に
おける吸放湿性の試験方法について
規定
1
建築材料の湿度変動による吸放湿試験方
法について規定
追加
湿度変動の周期を具
体的に追加した。
試験の対象及び得られ
る結果をより明確にさ
せるために,1日周期を
追加した。
2 引用
規格
3 用語,
記号及
び単位
3.1 用語及び定義
3.1
JISとほぼ同じ
変更
追加
・ISO
規格で
“moisture”と表記
されている用語に
ついては,JISで
は“water vapour”
に変更したが,技
術的な差異はな
い。
・用語に“蓄湿量”
を追加し,定義し
た。
試験体中の水蒸気量を
指す用語が必要であっ
たため,これを“蓄湿量”
として追加し,定義し
た。
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:
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術
的差異の箇条ごとの評価及び
その内容
(V)JISと国際規格との
技術的差異の理由及び
今後の対策
箇条番
号及び
題名
内容
箇条番
号
内容
箇条ご
との評
価
技術的差異の内容
3 用語,
記号及
び単位
(続き)
3.2 記号及び単位
wa :吸湿過程終了時の単位面積当た
りの試験体吸湿量(g/m2)
wd :放湿過程終了時の単位面積当た
りの試験体放湿量(g/m2)
ws :蓄湿量(g/m2)
ma :吸湿過程終了時の試験体の質量
(g)
md :放湿過程終了時の試験体の質量
(g)
m0 :養生後の試験体の質量(g)
GT :T時点における吸湿勾配及び放
湿勾配[g/(m2・h)]
mT :T時点における試験体の質量(g)
mT−1:T−1時点における試験体の質量
(g)
3.2
ρA,a :吸湿過程終了時の吸湿量(kg/m2)
ρA,d :放湿過程終了時の放湿量(kg/m2)
ρA,s :吸湿過程終了時での吸湿量と放湿
過程終了時の放湿量の差(kg/m2)
ma :吸湿過程終了時の試験体の質量
(kg)
md :放湿過程終了時の試験体の質量
(kg)
m0 :養生後の試験体の質量(kg)
Gn :n時点における吸湿勾配及び放湿
勾配[kg/(m2・h)]
mn :n時点における試験体の質量(kg)
mn−1 :n−1時点における試験体の質量
(kg)
ma4 :4サイクル目の吸湿過程終了時の
試験体の質量(kg)
md3 :3サイクル目の放湿過程終了時の
試験体の質量(kg)
md4 :4サイクル目の放湿過程終了時の
試験体の質量(kg)
ρA,ac :4サイクル目の吸湿過程終了時の
吸湿量(kg/m2)
ρA,dc :4サイクル目の放湿過程終了時の
放湿量(kg/m2)
ρA,sc :4サイクル目の吸湿過程終了時で
の吸湿量と放湿過程終了時の放湿
量の差(kg/m2)
変更
削除
・単位のkgをgに変
更した。
・ρA,a,ρA,d及びρA,s
をwa,wd及びws
に変更したが,技
術的な差異はな
い。
・ma4,md3,md4,ρA,ac,
ρA,dc及びρA,scを削
除した。
・kgで表現すると小数点
で表現されることに
なり,有効数字が曖昧
となるため単位のkg
をgに変更した。
・JISでは,周期定常吸
放湿試験のサイクル
数を4と限定せず,3
サイクル以上繰り返
すよう規定している
ため,ma4,md3,md4,
ρA,ac,ρA,dc及びρA,scを
削除した。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術
的差異の箇条ごとの評価及び
その内容
(V)JISと国際規格との
技術的差異の理由及び
今後の対策
箇条番
号及び
題名
内容
箇条番
号
内容
箇条ご
との評
価
技術的差異の内容
4 試験
体
−
4.1
概略
削除
概略を削除したが,
技術的な差異はな
い。
−
a) 大きさ
通常,(250±10)mm×(250±10)mm
とする。
4.2
250 mm×250 mmを標準とし,小さくと
も100 mm×100 mmを超えるものでなく
てはならない。
削除
最小寸法の規定を削
除した。
吸放湿特性は寸法の違
いによって性能が異な
る可能性があるため,通
常,(250±10)mm×(250
±10)mmで試験を行う
こととした。
b) 厚さ
4.3
追加
製品の厚さを明記し
にくい試験体の扱い
について追記した。
実質的な差異はない。
c) 試験体数
4.4
一致
−
−
5 試験
装置
a) 電子天びん
0.01 gまで測定できるものとする。
5.1
試験体質量が6 kg以下の場合は,0.01 g
まで測定できるものとする。試験体質量
が6 kgを超える場合は,0.1 gまで測定で
きるものでよい。
削除
試験体質量が6 kgを
超える場合について
の規定を削除した。
(250±10)mm×(250
±10)mmの試験体が
6 kgを超える製品が国内
に存在する可能性は極
めて低いと考えられる
ため,試験体質量が6 kg
を超える場合について
の規定を削除した。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術
的差異の箇条ごとの評価及び
その内容
(V)JISと国際規格との
技術的差異の理由及び
今後の対策
箇条番
号及び
題名
内容
箇条番
号
内容
箇条ご
との評
価
技術的差異の内容
5 試験
装置
(続き)
b) 恒温恒湿槽
1) 大きさ
2) 槽内温度
3) 槽内湿度
4) 槽内湿度の調整
5.2
5.2.1槽内温度
5.2.2槽内湿度
5.2.3槽内湿度の調整
5.2.4風防
変更
・1)の恒温恒湿槽の
大きさに関する規
定を細別化した
が,技術的な差異
はない。
・3)の槽内湿度に対
する許容値を,±
3 %から±2 %に
変更した。
・ISO規格の風防の
記述は,JISでは
図1の注記として
記述したが,技術
的な差異はない。
槽内湿度の変動は,測定
結果に影響を与えるた
め,JISではより厳しい
数値で対応することと
した。
c) 温度測定器
d) 湿度測定器
5.3
5.4
追加
・温度の測定法の
JISを引用
・湿度測定器のJIS
を引用
実質的な差異はない。
6 試験
体表面
湿気伝
達抵抗
の設定
表面湿気伝達抵抗が(13±2)×10−6
m2・h・Pa/μgとなるように
6
表面湿気伝達抵抗が(13.3±1.3) m2・h・
Pa/μgとなるように
変更
表面湿気伝達抵抗の
値の表記を変更し
た。
表面湿気伝達抵抗の値
の表記を修正した。
ISO規格の改正時に修正
することを提案する。
7 吸放
湿性試
験方法
−
a) 試験体の断湿
7.1
7.2
7.2.2
試験条件
吸放湿性試験方法
試験体の断湿
削除
変更
試験条件の細別を削
除し,細別の内容に
ついて,順番を変更
したが,技術的な差
異はない。
−
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術
的差異の箇条ごとの評価及び
その内容
(V)JISと国際規格との
技術的差異の理由及び
今後の対策
箇条番
号及び
題名
内容
箇条番
号
内容
箇条ご
との評
価
技術的差異の内容
7 吸放
湿性試
験方法
(続き)
b) 試験体養生の設定条件
7.2.1
試験体養生の設定条件
追加
・“広範域”を追加し
た。
・測定中の相対湿度
の変動幅を±2 %
とした。
・測定精度及びこれまで
の当該規格の国内で
の使用実態を踏まえ,
“広範域”を追加し
た。
・国内の測定装置に要求
される精度との整合
を図り,測定中の相対
湿度の変動幅を±2 %
とした。
c) 試験手順
7.2.3
試験手順
追加
変更
・周期定常吸放湿試
験を行う場合の条
件を明らかにし,
追記した。
・養生期間について
規定を追加した。
・JISでは,吸放湿
性試験方法だけを
本体で規定し,周
期定常吸放湿試験
は,附属書JA(規
定)とした。
・ヒステリシスの大きな
材料は1サイクルの測
定では吸放湿性能を
適切に評価できない
こともあり,蓄湿量が
大きな材料について
は周期定常吸放湿試
験を行うことを規定
した。
・長期にわたって質量変
化を生じる材料につ
いて,養生期間を明確
にした。
・周期定常吸放湿試験方
法は,国内活用度が低
いことから,附属書扱
いとした。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術
的差異の箇条ごとの評価及び
その内容
(V)JISと国際規格との
技術的差異の理由及び
今後の対策
箇条番
号及び
題名
内容
箇条番
号
内容
箇条ご
との評
価
技術的差異の内容
8 結果
の算出
a) 吸湿量,放湿量及び蓄湿量
8.1
吸湿量,放湿量及び蓄湿量
追加
測定結果(例)につ
いて,吸湿過程と放
湿過程とを分割した
図を追加した。技術
的な差異はない。
−
b) 吸湿勾配及び放湿勾配
A
m
m
G
1
T
T
T
−
−
=
···············(4)
ここに,
GT:T時点における吸湿勾配及び放湿
勾配[g/(m2・h)]
mT: T時点における試験体の質量(g)
mT−1: T−1時点における試験体の質
量(g)
A:吸放湿面積(m2)
8.2
t
m
m
G
n
n
n
∆
−
=
−1 ··············· (4)
ここに,
Gn:n時点における吸湿勾配及び放湿勾
配[kg/(m2・h)]
mn: n時点における試験体の質量(kg)
mn−1: n−1時点における試験体の質量
(kg)
Δt:時間分割(h)
追加
削除
・式に吸放湿面積A
を追加した。
・Δtを削除した。
・式に吸放湿面積Aがな
かったため追加した。
・Δt=1であるためΔtを
削除した。
ISO規格の改正時に修
正することを提案す
る。
−
8.3
周期定常吸放湿試験の結果
変更
周期定常吸放湿試験
方法は,附属書JA
(規定)とした。
周期定常吸放湿試験方
法は,国内活用度が低い
ことから,附属書扱いと
した。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術
的差異の箇条ごとの評価及び
その内容
(V)JISと国際規格との
技術的差異の理由及び
今後の対策
箇条番
号及び
題名
内容
箇条番
号
内容
箇条ご
との評
価
技術的差異の内容
9 報告
a) 試験体の名称,種類及び商品名
b) 試験体の大きさ及び厚さ
c) 試験体の見掛け密度(試験開始前)
d) 試験条件
e) 試験結果
1) 試験体質量,吸湿量及び放湿量の経
時変化
2) 吸湿勾配及び放湿勾配の経時変化
f) 試験期間
g) 試験機関名
9
JISとほぼ同じ
追加
削除
試験結果として,試
験体質量の経時変化
を追加し,吸湿勾配
及び放湿勾配を削除
したが,技術的な差
異はない。
−
附属書
A(規定)
試験体表面湿気伝達抵抗の測定方法
附属書A
(規定)
JISとほぼ同じ
一致
−
附属書
B(参考)
附属書
C(参考)
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A
1
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:
2
0
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術
的差異の箇条ごとの評価及び
その内容
(V)JISと国際規格との
技術的差異の理由及び
今後の対策
箇条番
号及び
題名
内容
箇条番
号
内容
箇条ご
との評
価
技術的差異の内容
附属書
JA(規定)
周期定常吸放湿試験
−
−
変更
・JISでは,吸放湿
性試験方法だけを
本体で規定し,周
期定常吸放湿試験
は,附属書JA(規
定)とした。
・JISでは,周期定
常吸放湿試験のサ
イクル数を4と限
定せず,3サイク
ル以上繰り返すよ
う記述を変更し
た。
・周期定常吸放湿試験方
法は,国内活用度が低
いことから,附属書扱
いとした。
・特に4サイクルに限定
する必要はないため
サイクル数を4と限定
せず,3サイクル以上
繰り返すよう記載内
容を変更した。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 24353:2008,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 一致……………… 技術的差異がない。
− 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD…………… 国際規格を修正している。
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A 1470-1:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JC
(参考)
技術上重要な改正に関する新旧対照表
現行規格(JIS A 1470-1:2014)
旧規格(JIS A 1470-1:2008)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
3.1.7
湿気貫流
抵抗
材料の両表面に接する空気中の水蒸気が材料を
介して,高湿側から低湿側へ移動するときの水蒸
気移動の抵抗。
3.1.7
湿気貫流
抵抗
材料の両表面に接する空気中の水蒸気が部材
を介して,一方から他方へ移動するときの水
蒸気移動の抵抗。
“一方から他方へ”の表現を,“高湿側から
低湿側へ”に変更し,明確化した。
3.1.8
吸湿勾配
吸湿過程での吸湿量の1時間当たりの変化量を,
そのときの単位時間で除したもの。
3.1.8
吸湿こう
(勾)配
吸湿過程での吸湿量の変化量を,そのときの
経過時間で除したもの。
定義の表現を明確化した。
3.1.9
放湿勾配
放湿過程での放湿量の1時間当たりの変化量を,
そのときの単位時間で除したもの。
3.1.9
放湿こう
(勾)配
放湿過程での放湿量の変化量を,そのときの
経過時間で除したもの。
定義の表現を明確化した。
3.1.10
蓄湿量
吸湿過程終了時での吸湿量と放湿過程終了時の
放湿量との差。
3.1.10
残留水分
量
吸湿・放湿過程終了時の試験体に蓄えられた
水蒸気の量。
水蒸気量を指すものであり,水分という表
現では誤解を招きやすいため“残留水分量”
を“蓄湿量”に変更した。
なお,本文中で“残留水分量”となってい
た箇所は,“蓄湿量”に置き換えた。
表1
記号及び
単位
記号及び単位を表に規定。wa及びwdの用語の説
明を明確にした。また,単位を“kg”から“g”
に変更した。表は,割愛。
表1
記号及び
単位
記号及び単位を表に規定。表は,割愛。
・wa及びwdの用語の説明を明確化した。
・kgで表現すると小数点で表現されること
になり,有効数字が曖昧となるため単位
のkgをgに変更した。
・注a)にて,試験体の質量mはいずれも断
湿処理を施した後のものであることを明
記した。
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A 1470-1:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 1470-1:2014)
旧規格(JIS A 1470-1:2008)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
4
試験体
試験体の大きさ,厚さ及び試験体数は,次による。
4
試験体
試験体の大きさ,厚さ,試験体数及び質量は,
次による。
なお,試験体が次の条件に該当しない場合は,
吸放湿性を評価することができるような形状
とする。
注記 例えば,面積の小さなタイルなどは,
何枚かのタイルを組み合わせて試験体
寸法とする。また,塗材などは,吸放
湿性のない下地板に,実際に施工され
る厚さのものを試験体とすることが望
ましい。
材料が条件に該当しないものについては,
a)及びb)の各々にて対処を示すこととした
ため,旧規格の“なお書き”及び“注記”
を削除した。
4 a)
大きさ
試験体の大きさは,通常,(250±10)mm×(250
±10)mmとする。
なお,面積の小さなタイルなどの試験体の寸法
は,複数枚を組み合わせたものとする。
4 a)
大きさ
試験体の大きさは,通常,250 mm×250 mm
の正方形とする。
注記 標準寸法に調整できない場合は,最低
100 mm×100 mm以上の寸法が確保さ
れればよい。この場合,校正も同一の
寸法で行うことが望ましい。
・吸放湿特性は寸法の違いによって性能が
異なる可能性もあり試験体の大きさを,
通常,(250±10)mm×(250±10)mm
とすることを規定した。
・面積の小さいものについては,ばらつき
が生じやすいため,複数枚を組み合わせ
たものとする旨を追記した。
4 b)
厚さ
なお,塗材などのように製品の厚さとして明記し
にくい試験体は,吸湿性のない下地板に,標準施
工としての厚さを施したものとする。
4 b)
厚さ
−
塗材などのように製品の厚さとして明記さ
れにくい試験体については,標準施工厚さ
を施す旨をなお書きとして追記した。
−
−
4 d)
試験体の
質量
試験体の質量は,養生終了後及び試験終了後
のものとする。
試験体質量測定は試験手順で規定してあ
り,ここで測定する必要はないため箇条4
のd)を削除した。
5 b) 3)
注記
注記 加湿に際しては試験体に水滴が付着しな
いように留意する。
5 b) 4)及
び5)
4) 加湿源は,水蒸気だけとし,超音波加湿
器,円心分離形加湿器などの水滴を噴霧
する加湿方法は避ける。
5) 湿度をステップ的に変化させた場合の設
定湿度への到達は,速やかに行うものと
し,到達時間は,10分以内を標準とする。
・試験中に試験体に水滴が付着することが
なければ加湿方法を規定する必要はない
ことから,旧規格の4)を削除し,注記と
してその旨を示した。
・旧規格の5)は試験手順に入れるべき項目
であることから削除した。
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A 1470-1:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 1470-1:2014)
旧規格(JIS A 1470-1:2008)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
6
試験体表
面湿気伝
達抵抗の
設定
試験体表面の湿気伝達抵抗は附属書Aに従って
測定し,表面湿気伝達抵抗が(13±2)×10−6 m2・h・
Pa/μgとなるように,試料表面の気流を槽内かく
はん用ファンなどによって調整する。
6
試験体表
面気流の
設定
試験体表面の気流状態を一定に調整するため
の方法は,附属書Aによる。
ISO 24353と整合させ,附属書A(規定)
に記されていた表面湿気伝達抵抗の値を本
文に示した。
7 b)
試験体養
生の設定
条件
試験体養生の設定条件は,次による。
1) 養生時の雰囲気温度は,23±0.5 ℃とする。
2) 養生時の雰囲気相対湿度は,表2に示す養生
時の湿度条件に対して±2 %とする。
3) 養生時の雰囲気中で試験体を吸湿させ,恒量
となるまで養生する。
7 b)
試験体の
設定条件
試験体の設定条件は,次による。
1) 養生時の温度は,23±0.5 ℃とする。
2) 養生時の湿度は,表2に示す養生時の雰
囲気中で恒量となるまで養生する。ただ
し,試験体は吸湿させて恒量にする。ま
た,養生時の雰囲気相対湿度は,養生時
の湿度条件に対して±2 %で制御する。
なお,a) の作業を養生時と同一の湿度条
件のもとで行うことができる場合は,養
生後にa) の作業を行ってもよい。
・温度及び湿度の表現を明確化した。
・養生の終了時期を3)として追記し明確に
した。
表2
吸放湿試
験の設定
相対湿度
湿度条件として広範域を追加
表2
吸放湿試
験の設定
相対湿度
−
測定精度及びこれまでの当該規格の使用実
態を踏まえ,“広範域”を新たに設けた。
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A 1470-1:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 1470-1:2014)
旧規格(JIS A 1470-1:2008)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
7 c)
試験手順
2)
養生した試験体を,附属書Aの湿気伝達抵抗調整
時の試験体測定と同じ状態の下で速やかに設置
し,試験体の質量(m0)を測定する。
3)
表2に示す湿度条件に基づいて,槽内の雰囲気相
対湿度をステップ1の設定相対湿度に至るように
速やかに加湿制御し,その状態を12時間保持する。
その後,槽内の雰囲気相対湿度をステップ2の設
定相対湿度に至るように速やかに除湿制御し,そ
の状態を12時間保持する。
なお,ステップ1への変化及びステップ1からス
テップ2へ変化させた場合の相対湿度差は,広範
域40±2 %,それ以外25±2 %とする。試験時の槽
内の雰囲気相対湿度は,ステップ1及びステップ2
の設定相対湿度に対して±2 %の精度で制御する。
4)
試験体の質量測定は,ステップ1開始時から連続
して行う。測定の間隔は10分を標準とし,質量は
0.01 gまで測定する。
5)
ステップ1終了後の試験体の質量をmaとし,ステ
ップ2終了後の質量をmdとする。
6)
ステップ2終了時の蓄湿量がステップ1の吸湿量
の30 %を上回る材料は,附属書JAに規定する周
期定常吸放湿試験を行う。このとき,周期定常吸
放湿試験終了時の蓄湿量が終了時のサイクルでの
吸湿量の30 %以下となるまでサイクルを繰り返
す。ただし,サイクル数は3以上とする。
7)
b)で規定する試験体養生において4週間の養生後
も恒量とならない材料は,恒量となる前に附属書
JAに規定する周期定常吸放湿試験を行うことがで
きる。このとき,サイクル数は3サイクルを基本
とするが周期定常吸放湿試験終了時の蓄湿量が終
了時のサイクルでの吸湿量の30 %以下となるまで
サイクルを繰り返す。
7 c)
試験手順
2) 養生が終了した試験体を,附属書Aに従
って湿気伝達抵抗調整時の試験体と同じ
状態で速やかに設置し,試験体の質量
(m0)を測定する。
3) 槽内の相対湿度を表2に示すステップ1
の湿度条件で12時間保持する。ステップ
1終了後の試験体質量(ma)を測定し,
速やかに槽内の相対湿度をステップ2の
湿度条件に変化させ12時間保持し,その
ときの試験体の質量(md)の変化を測定
する。
なお,ステップ1への変化及びステップ
1からステップ2へ変化させた場合の相
対湿度差は,(25±2) %以内とする。
4) 測定は,ステップ1開始時の質量を0 g
とし,以後連続して行う。測定の間隔は
10分を標準とし,質量は0.01 gまで測定
する。
なお,試験時の槽内の雰囲気相対湿度は,
吸湿過程及び放湿過程のそれぞれの湿度
条件に対して,±2 %の精度で制御する。
・表2において“広範域”を新たに設定し
たことに伴い,3)に広範域の相対湿度差
を追記した。
・手順を分かりやすく明記した。
・試験の簡便性などの理由から旧規格は1
サイクルの試験を基本としていた。しか
し,ヒステリシスの大きな材料は1サイ
クルの測定では吸放湿性能を適切に評価
できないこともあり,このため,6)に蓄
湿量が大きな材料については周期定常吸
放湿試験を行うことを規定した。
・一般的な建築材料であれば2週間程度で
平衡状態に達するものが多いが,材料に
よっては化学反応等により長期にわたっ
て質量変化を生じるものもある。こうい
った材料の場合,平衡とならなくても試
験が可能となるように7)を規定した。こ
の場合,これまでの実測結果,及び他規
格の規定などを参考にして養生期間を最
低4週間と規定した。
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A 1470-1:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 1470-1:2014)
旧規格(JIS A 1470-1:2008)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
8 a)
吸湿量,放
湿量及び
蓄湿量
吸湿量,放湿量及び蓄湿量を小数点以下1桁まで
算出する方法を規定。単位を“kg”から“g”に
変更した。式は,割愛。
8 a)
吸湿量,
放湿量及
び残留水
分量
吸湿量,放湿量及び残留水分量の算出方法を
規定。式は,割愛。
・旧規格では有効数字が不明確であったた
め計算式において,小数点以下1桁まで
算出する旨を追記した。
・3.2の記号及び単位の変更に伴い,単位の
kgをgに変更した。
図3
吸湿過程
及び放湿
過程にお
ける試験
体質量の
変化(例)
吸湿過程及び放湿過程における試験体質量の変
化の測定結果のグラフの例を記載。単位を“kg”
から“g”に変更した。また,蓄湿量を図中でも
示した。図は,割愛。
図3
吸湿過程
及び放湿
過程にお
ける試験
体質量の
変化(例)
吸湿過程及び放湿過程における試験体質量の
変化の測定結果のグラフ例を記載。図は,割
愛。
・3.2の記号及び単位の変更に伴い,単位の
kgをgに変更した。
・“蓄湿量”を定義したことに伴い,蓄湿量
を図中でも分かりやすく示した。
図4
吸湿量及
び放湿量
の測定結
果(例)
吸湿量及び放湿量の測定結果の例を記載。単位を
“kg”から“g”に変更し,軸の表記を修正した。
また,b)放湿過程の横軸(測定時間)の数値を変
更した。図は,割愛。
図4
吸湿量及
び放湿量
の測定結
果(例)
吸湿量及び放湿量の測定結果の例を記載。図
は,割愛。
・3.2の記号及び単位の変更に伴い,単位の
kgをgに変更した。
・単位をkgからgへ変更したことに伴い,
軸の表記を修正した。
・箇条1の“1日周期(12時間吸湿,12時
間放湿)”と意味合いを合わせるために,
b)放湿過程の横軸(測定時間)の数値を
変更した。
・本文中の用語表現と合わせるために注の
用語を変更した。
8 b)
吸湿勾配
及び放湿
勾配
吸湿勾配及び放湿勾配を小数点以下1桁まで算出
する方法を規定。式に吸放湿面積Aを追加し,Δt
を削除した。また,単位を“kg”から“g”に変
更した。式は,割愛。
8 b)
吸湿こう
配及び放
湿こう配
吸湿こう配及び放湿こう配の算出方法を規
定。式は,割愛。
・式に吸放湿面積Aがなかったため追加し
た。
・Δt=1であるためΔtを削除した。
図5
吸湿勾配
及び放湿
勾配の経
時変化(例)
吸湿勾配及び放湿勾配の経時変化のグラフの例
を記載。単位を“kg”から“g”に変更し,軸の
表記を修正した。図は,割愛。
図5
吸湿こう
配及び放
湿こう配
の経時変
化(例)
吸湿こう配及び放湿こう配の経時変化のグラ
フの例を記載。図は,割愛。
・3.2の記号及び単位の変更に伴い,単位の
kgをgに変更した。
・単位をkgからgへ変更したことに伴い,
軸の表記を修正した。
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A 1470-1:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 1470-1:2014)
旧規格(JIS A 1470-1:2008)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
9 c)
見掛け密度
9 c)
密度
試験体は複合材料がほとんどであるため
“見掛け密度”へ変更した。
9 d)
湿度条件に広範域の区別を追加。
9 d)
−
表2の湿度条件を変更したことに伴い,条
件の規定を変更した。
9 e)
2) 吸湿勾配及び放湿勾配[g/(m2・h)]の経時
変化
9 e)
2) 吸湿こう配及び放湿こう配,並びに吸湿
こう配及び放湿こう配の経時変化
勾配の経時変化を示すことで性能の評価に
は十分であることから吸湿勾配及び放湿勾
配の規定を削除した。
附属書A
(規定)
試験体表
面湿気伝
達抵抗の
測定方法
A.1 測定
試験体表面湿気伝達抵抗の測定方法は,次によ
る。
附属書A
(規定)
試験体表
面気流の
設定方法
序文
この附属書は,試験に用いる試験体表面での
気流による湿気伝達抵抗の設定方法について
規定する。
A.1 校正方法
試験体の校正方法は,次による。
附属書Aは,試験体表面湿気伝達抵抗の測
定方法を規定しているため,規定内容に合
わせた名称及び箇条名に変更した。
A.1 c)
校正用試
験体の取
付け
透湿面以外からの透湿がないようにJIS A 1324
に規定するシール材で断湿し,校正試料の透湿面
積は試験体の面積と同じにする。
A.1 c)
校正用試
験体の取
付け
湿気の漏れがないようにJIS A 1324に規定す
るシール材で断湿する。
校正試料の透湿面積を明確化した。
A.1 d) 2)
ただし,このときの吸湿剤側の湿気伝達抵抗は,
反対側の湿気伝達抵抗よりも十分に小さいもの
とみなす。
A.1 d) 2)
−
湿気貫流抵抗の定義を変更したことに伴
い,表現を追記した。
C.2
湿気浸透
率の算出
方法
“雰囲気の絶対湿度を段階的に上昇させたとき
の”を追加。
C.2
湿気浸透
率の算出
方法
−
湿気浸透率の試験条件を明確にするために
規定を変更した。
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A 1470-1:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 1470-1:2014)
旧規格(JIS A 1470-1:2008)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
式(C.1)
試験体の吸湿量の算出式を記載。単位を“kg”か
ら“g”に変更し,記号ζを記号κに変更した。
また,Mの定義を“質量変化”から“吸湿量”に
変更した。式は,割愛。
式(C.1)
試験体の吸湿量の算出式を記載。式は,割愛。 ・Mは,式(1)のwaと同じ単位であり,本
文と同じ概念で表現した方が分かりやす
いと判断したため,Mの定義を“試験体
の質量”から“吸湿量”に変更した。
・建築環境工学分野においてはκを用いる
のが一般的であるため記号ζを記号κに
変更した。
・3.2の記号及び単位の変更に伴い,単位の
kgをgに変更した。
式(C.3)
湿気浸透率の算出式を記載。単位を“kg”から“g”
に変更し,記号ζを記号κに変更した。式は,割
愛。
式(C.3)
湿気浸透率の算出式を記載。式は,割愛。
・3.2の記号及び単位の変更に伴い,単位の
kgをgに変更した。
・式(C.1)の記号の変更に伴い,ζをκに変
更した。
式(C.4)
1周期内の表面での吸湿量及び放湿量の算出式を
記載。
単位を“kg”から“g”に変更し,記号ζを記号κ
に変更した。また,M値をQ値に変更した。式
は,割愛。
式(C.4)
1周期内の表面での吸湿量及び放湿量の算出
式を記載。式は,割愛。
・式(C.1)のM値と式(C.4)のQ値では,単
位が異なるため,M値をQ値に変更した。
・3.2の記号及び単位の変更に伴い,単位の
kgをgに変更した。
・式(C.1)の記号の変更に伴い,ζをκに変
更した。
図C.1
湿気の侵
入深さ
湿気の侵入深さについて図示。単位を“kg”から
“g”に変更した。また,図中の“表面での吸湿
量及び放湿量”を求める式を削除した。図は,割
愛。
図C.1
湿気の侵
入深さ
湿気の侵入深さについて図示。図は,割愛。 ・式(C.4)がQ値(表面での吸湿量及び放湿
量)を求める式に変更されたため,図中
の“表面での吸湿量及び放湿量”を求め
る式を削除した。
・3.2の記号及び単位の変更に伴い,単位の
kgをgに変更した。
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A 1470-1:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格
(JIS A
1470-1:2014)
表C.1
材料の湿気物
性値及び各周
期の吸湿量及
び放湿量Q並
びに湿気の侵
入深さd
代表的な建築材料の湿気物性値及び各周期の吸湿量及び放湿量Q並びに湿気の侵入深さdを表に示した。
各建築材料の“絶対湿度変化に対する容積基準質量含水率の変化”を表C.1に示し,注b)を削除した。また,単位を“kg”から“g”
に変更した。
変更箇所を抜粋した表を,次に示す。
建築材料
湿気伝導率
g/[m・h・(g /kg')]
絶対湿度変化に対する
容積基準質量含水率の変化a)
{g /[m3・(g /kg')] }
λm
κ
コンクリート
0.001 7
2 682
モルタル
0.004 1
1 829
ALC
0.041 0
622
石炭プラスター
0.001 1
1 027
木材
0.003 8
4 876
軟質繊維板
0.023 6
2 539
半硬質繊維板
0.003 5
6 376
岩綿
0.086 1
30
石綿スレート
0.000 2
677
石こうボード
0.014 0
971
ゼオライト系ボード
0.001 0
8 231
旧規格
(JIS A
1470-1:2008)
表C.1
材料の湿気物
性値及び各周
期の吸湿量及
び放湿量Q並
びに湿気の侵
入深さd
代表的な建築材料の湿気物性値及び各周期の吸湿量及び放湿量Q並びに湿気の侵入深さdを表に示した。
変更箇所に関連した箇所を抜粋した表を,次に示す。
建築材料
湿気伝導率
kg/[m・h・(kg/kg')]
湿気容量a)
相対湿度
基準
絶対湿度
基準
乾球温度
基準
λ'
コンクリート
0.001 7
35.6
2 682
1 436
モルタル
0.004 1
24.3
1 829
979
ALC
0.041 0
8.3
622
333
石炭プラスター
0.001 1
13.7
1 027
550
木材
0.003 8
64.8
4 876
2 610
軟質繊維板
0.023 6
33.8
2 539
1 359
半硬質繊維板
0.003 5
84.7
6 376
3 413
岩綿
0.086 1
0.4
30
16
石綿スレート
0.000 2
9.0
677
363
石こうボード
0.014 0
12.9
971
520
ゼオライト系ボード
0.001 0
109.4
8 231
4 407
改正理由
混乱を招くおそれがあるため,各建築材料の“絶対湿度変化に対する容積基準質量含水率の変化”を表C.1に示し,注b)を削除した。
3
A
1
4
7
0
-1
:
2
0
1
4
34
A 1470-1:2014
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
現行規格(JIS A 1470-1:2014)
旧規格(JIS A 1470-1:2008)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
附属書JA
(規定)
周期定常
吸放湿試
験
−
附属書
JA
(参考)
周期定常
吸放湿試
験
序文
この附属書は,本体及び附属書(規定)につ
いて補足するものであって,規定の一部では
ない。
ISO 24353と整合させ,規定とした。
JA.1 a)
試験体の
養生
試験体は,試験条件によって表JA.1に示す雰囲
気中で平衡となるまで箇条7 b)に従って養生す
る。ただし,平衡となるまでに4週間以上の期間
を要する材料にあっては,養生を4週間で終了し
てもよい。
JA.1 a)
試験体の
養生
試験体は,試験条件によって表JA.1に示す雰
囲気中で恒量になるまで養生する。
注記 養生における恒量とは,24時間ごと
に行う質量測定において,その前後
の試験体の質量差が0.1 %以下とな
った時点とする。
周期定常吸放湿試験の場合,箇条7 c) 7)の
規定で最大で4週間の養生期間で試験体質
量が平衡に達していなくても試験可能とし
たことを受け内容を変更した。
JA.1 c)
試験手順
これを1サイクルとし,3サイクル以上繰り返し,
試験体の質量変化を測定する。
JA.1 c)
試験手順
これを1サイクルとし,4サイクル繰り返し,
試験体の質量変化を測定する。
特に4サイクルに限定する必要はないた
め,サイクル数を4と限定せず,3サイク
ル以上繰り返すよう規定内容を変更した。
表JA.1
周期定常
吸放湿試
験の設定
相対湿度
湿度条件として広範域を追加
表JA.1
周期定常
吸放湿試
験の設定
相対湿度
−
表2との整合を図るために,湿度条件を変
更した。
JA.1 d)
周期定常
時吸放湿
量
周期定常時吸放湿量の算出式を記載。必要なサイ
クル数をnとし,単位を“kg”から“g”に変更
した。式は,割愛。
JA.1 d)
周期定常
時吸放湿
量
周期定常時吸放湿量の算出式を記載。式は,
割愛。
・必要なサイクル数をnとした。
・3.2の記号及び単位の変更に伴い,単位の
kgをgに変更した。
図JA.1
吸湿量及
び放湿量
の経時変
化例
吸湿量及び放湿量の経時変化例を記載。試験開始
時の試験体質量(m0)の0時での質量を変更し,
サイクル数の規定の変更に合わせた図に変更し
た。また,単位を“kg”から“g”に変更した。
図は,割愛。
図JA.1
吸湿量及
び放湿量
の経時変
化例
吸湿量及び放湿量の経時変化例を記載。図は,
割愛。
・表JA.1の変更に伴い旧規格での試験開始
時の試験体質量(m0)の0時での質量を
変更した。
・サイクル数の規定の変更に伴い,図を変
更した。
・3.2の記号及び単位の変更に伴い,単位の
kgをgに変更した。
3
A
1
4
7
0
-1
:
2
0
1
4