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A 1453:2015  

(1) 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 摩耗試験装置 ··················································································································· 1 

3.1 構成 ···························································································································· 1 

3.2 構造 ···························································································································· 1 

3.3 回転盤に対する摩耗輪の取付位置······················································································ 3 

4 試験用ゴム輪及び研磨紙 ···································································································· 3 

4.1 試験用ゴム輪 ················································································································ 3 

4.2 研磨紙 ························································································································· 4 

5 試験······························································································································· 4 

5.1 試験片 ························································································································· 4 

5.2 試験の一般条件 ············································································································· 4 

5.3 試験手順 ······················································································································ 4 

6 試験結果の表し方 ············································································································· 5 

6.1 一般 ···························································································································· 5 

6.2 外観の変化 ··················································································································· 6 

6.3 質量変化及び/又は摩耗深さの求め方················································································ 6 

7 報告······························································································································· 6 

附属書A(規定)研磨紙法に使用する研磨紙及びその品質の検定方法 ············································· 8 

附属書B(参考)計算式による外観の変化率及び摩耗終点の求め方 ··············································· 11 

附属書C(参考)質量変化及び摩耗深さの求め方(計算式による方法) ········································· 12 

附属書D(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表 ····························································· 13 

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(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人建材

試験センター(JTCCM)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規

格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣及び国土交通大臣が改

正した日本工業規格である。これによって,JIS A 1453:1973は改正され,この規格に置き換えられた。 

また,令和2年10月26日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標

準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣,国土交通大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の

特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

日本産業規格          JIS 

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建築材料及び建築構成部分の 

摩耗試験方法(研磨紙法) 

Methods of abrasion test for building materials and part of building 

construction (Abrasive-paper method) 

適用範囲 

この規格は,建築材料及び建築構成部分を対象とし,研磨紙による摩耗の程度を評価する試験方法につ

いて規定する。 

注記 技術上重要な改正に関する新旧対照表を附属書Dに示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7502 マイクロメータ 

JIS B 7503 ダイヤルゲージ 

JIS B 7507 ノギス 

JIS K 6253-3 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第3部:デュロメータ硬さ 

JIS K 6503 にかわ及びゼラチン 

JIS K 6902 熱硬化性樹脂高圧化粧板試験方法 

JIS P 8124 紙及び板紙−坪量の測定方法 

JIS R 6010 研磨布紙用研磨材の粒度 

JIS R 6111 人造研削材 

JIS R 6252 研磨紙 

JIS Z 1528 両面粘着テープ 

JIS Z 8703 試験場所の標準状態 

摩耗試験装置 

3.1 

構成 

摩耗試験装置の構成例を,図1に示す。 

3.2 

構造 

摩耗試験装置の各部の構造は,表1による。 

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 1 摩耗輪 

 2 摩耗輪取付軸 

 3 摩耗輪締め付けノブ 

 4 おもり 

 5 摩耗輪及びおもり取付アーム 

 6 試験片固定枠 

 7 回転盤 

 8 試験片締め付けノブ 

 9 座金 

10 吸引口 

11 アーム支点 

12 吸取装置上下ノブ 

13 摩耗粉吸取装置連結口 

14 駆動スイッチ 

15 プリセットカウンター 

16 摩耗粉吸取装置 

17 吸取量調整器 

図1−摩耗試験装置の構成(例) 

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表1−摩耗試験装置の各部の構造 

各部 

規定 

アーム 
(摩耗輪,おもり取付用) 

アーム他端に250 gのおもりを載せて完全にバランスがとれるもの。 

摩耗輪取付軸 

外径15.87

03

.00

 mmとし,軸方向の遊び及び回転振れがあってはならない。 

回転盤 

回転速度 

60±2回転min−1 

回転振れ 

外周において回転盤上面の上下方向の振れが,0.08 mm以下とする。 

おもり 

その呼称質量に対して許容差が±0.1 %のもの。 

サイクルカウンター 
(又はプリセットカウンター) 

回転数の積算指示が可能で,正確に作動し,かつ,自動停止機構が確実に作動す
るもの。 

装置の駆動 

回転盤上に試験片の代わりにゴムシートを取り付けて固定し,その上にゴム輪を
載せ,試験荷重を9.8 Nとして,円滑かつ正確な駆動を示すもの。 

摩耗粉吸取装置 

吸込口 

内径が8±0.1 mmのもの。 

風量 

試験片と吸込口との間隔を3±0.2 mmとしたときの吸取装置による風量は,0.5
±0.1 m3/minとする。 

3.3 

回転盤に対する摩耗輪の取付位置 

回転盤及び摩耗輪の関係寸法は,図2による。 

a1=a2=39.4±0.15 mm 
D=19.0±0.2 mm 

図2−回転盤及び摩耗輪の関係寸法 

試験用ゴム輪及び研磨紙 

4.1 

試験用ゴム輪 

試験用ゴム輪は,次による。 

a) 試験用ゴム輪の形状・寸法及び構成は,図3のとおりとする。 

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単位 mm 

図3−試験用ゴム輪の形状・寸法及び構成 

b) 図3に示す各部の材料は,次のとおりとする。 

A:JIS K 6253-3によるタイプAデュロメータの測定値が50〜60のゴム 

B:硬質ゴム 

c) 試験用ゴム輪を摩耗輪取付軸に取り付けたとき,がたがなく,面振れが生じないもの。ただし,面振

れはダイヤルゲージで測定して,±0.05 mmとする。 

4.2 

研磨紙 

研磨紙は,附属書Aによる。 

試験 

5.1 

試験片 

5.1.1 

試験片の形状 

試験片は,直径約120 mmの円形又は試験に支障のない形状で試験片3個を作製する。試験片の中央に

は,回転盤に取り付けるための直径約6 mmの孔をあける。 

5.1.2 

試験片の調整 

試験片は,適切な方法でその表面を拭い,清浄した後,通常,JIS Z 8703に規定する温度20±5 ℃,相

対湿度(65±20)%の条件に保った室内又は恒温恒湿槽に静置する。その期間は当該材料の日本産業規格

によるものとし,特にその規定のないものについては,24時間以上とする。 

また,塗装を施した試験片の試験面に塗膜厚さのむら,くぼみ,膨れなどの欠点があった場合は,試験

前に試験対象面の予備研磨を行い,滑らかに調整する。予備研磨を行った場合は,その回転数を報告する。 

5.2 

試験の一般条件 

試験を行う場所の環境は,JIS Z 8703に規定する温度20±5 ℃,相対湿度(65±20)%の条件を備える

ものとする。 

5.3 

試験手順 

5.3.1 

摩耗輪の準備 

研磨紙を図A.1のようにしたのち,研磨紙面に手油などの汚れを付けないよう注意しながら研磨紙裏面

の保護紙を取り,試験用ゴム輪の円周に沿ってちょうど1回転するよう正確に,かつ滑らかに巻き付ける。 

研磨紙の幅がゴム輪と一致せず,はみ出すような場合は,一組のゴム輪が取り付けられる試験装置の位

置の条件に応じて,それぞれ外側の縁の線に合わせて巻き付ける。これを試験用摩耗輪とし,4.1 c)によっ

てそれぞれの摩耗輪取付軸の所定箇所に正しく取り付ける。 

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5.3.2 

試験片の着脱 

試験片は,試験対象面を上にして,回転盤の試験片取付箇所の位置に正確に固定する。取付けに当たり,

試験過程中の観察及び測定のための試験片位置のずれなどを生じないよう,その着脱のための位置決めマ

ークを施しておく。 

柔軟な材料の取り付けに当たっては,ひだ,しわなどが生じないように試験片固定枠を用いて正確に固

定する必要がある。 

5.3.3 

試験荷重 

摩耗輪及びおもりによって試験片に加える荷重は,試験の種類(材質)によって表2に示す2種類のい

ずれかとする。また,試験荷重は,関連する材料(又は製品)の規格によるものとし,規定がない場合は,

通常,2類で試験する。 

表2−試験荷重 

種類 

試験荷重 N 

材料の種類(参考) 

1類 

2.75±0.05 

レザー,壁布など 

2類 

5.20±0.05 

合板,繊維板,プラスチック板など 

5.3.4 

試験装置の駆動 

摩耗輪取付軸におもりを取り付けて規定の試験荷重とし,これを試験片面に載せる。 

摩耗粉吸取装置を準備し,その吸込口を試験片面より3±0.2 mm上方に調整して取り付ける。吸取装置

の吸引する風量が,表1の規定値となるように吸取装置の目盛を設定して,これを作動させる。 

試験片と摩耗輪との位置関係が,3.3の規定に保たれていることを確認して摩耗試験装置の運転を開始す

る。回転盤の回転速度は,60±2回転min−1とする。 

試験に用いる研磨紙は,試験片が100回転するごとに,適切なブラシ,はけなどで付着した摩耗粉を取

り除かなければならない。また,研磨紙は500回転ごとに新品と交換する。試験中に摩耗粉が研磨紙の目

に詰まるなど,その付着が甚だしく,容易に除去することができなくなった場合,又は研磨紙の損耗が著

しい場合には,試験を改めて初めからやり直し,新品との交換頻度を適宜増やして行う。ただし,この場

合は試験結果にこの旨を明記する。 

5.3.5 

試験回転数 

試験結果の判定のための総回転数は,測定項目が関連する材料(又は製品)の日本産業規格によるもの

とする。ただし,その規定がなく,かつ,質量変化によって摩耗程度を評価する場合は,500回転,1 000

回転又は受渡当事者間の協定による。 

試験結果の表し方 

6.1 

一般 

測定項目は,関連する材料(又は製品)規格において,次の事項から規定する。ただし,その規定がな

い場合は,次のいずれかによる。 

a) 外観の変化 

b) 質量変化及び/又は摩耗深さ 

注記 外観の変化率及び摩耗終点を求める必要がある場合は,附属書Bによるのがよい。また,質

量変化及び/又は摩耗深さは,附属書Cによっても求められる。 

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6.2 

外観の変化 

試験片は25回転ごとに,次の事項について,その表面の状況を目視などによって観察する。また,試験

片にその他の異常が認められた場合は,必要に応じて報告する。 

a) 模様の切れ 

b) 繊維又は下地の露呈 

c) 色層の消失の程度 

6.3 

質量変化及び/又は摩耗深さの求め方 

6.3.1 

質量変化の測定 

試験片の質量は,目量1 mgのはかりで試験前に1 mgまで正確に測定する。箇条5によって試験した後,

試験装置から試験片を取り外して,清浄な布で摩耗粉などの異物を試験片から除去し,試験片の質量を1 

mgまで正確に測定する。 

質量変化wn'は,式(1) によって求め,整数で表す。試験結果は,3個の平均値を四捨五入によって丸め,

整数で表す。 

wn' = W0−Wn ············································································· (1) 

ここに, 

W0: 試験開始前の質量(mg) 

Wn: n回転後の質量(mg) 

6.3.2 

摩耗深さの測定 

試験開始前の試験片厚さt0及び移転後の試験片厚さtnは,摩耗輪による摩耗を受ける部分4か所につい

てJIS B 7502に規定するマイクロメータ又はJIS B 7503に規定する最小目盛0.01 mmのダイヤルゲージで

0.01 mm単位まで測定する。摩耗深さの測定例を図4に示す。 

摩耗深さdn'は,式(2) によって小数点以下2桁まで求める。試験結果は,3個の平均値を四捨五入によ

って数値を丸め,小数点以下2桁で表す。 

dn' = t0−tn ················································································· (2) 

ここに, 

t0: 試験開始前の試験片厚さ(mm) 

tn: n回転後の試験片厚さ(mm) 

図4−摩耗深さの測定例 

報告 

次の事項について報告する。 

a) 試験片の名称 

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b) 適用した試験規格の番号 

c) 試験片の製造方法 

d) 試験片の状態調節方法 

e) 試験室の雰囲気状態 

f) 

試験した試験片の数 

g) 試験片の厚さ 

h) 試験荷重の種類 

i) 

試験回転数 

j) 

使用研磨紙の名称・補正係数(附属書A参照) 

k) 試験結果(個々の測定値,平均値及び外観変化) 

l) 

試験年月日 

m) 予備摩耗の有無及び回転数 

n) その他必要と思われる事項 

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附属書A 

(規定) 

研磨紙法に使用する研磨紙及びその品質の検定方法 

この附属書は,建築材料の耐摩耗性を研磨紙を用いて評価する試験方法に使用する標準摩擦材料(研磨

紙)の品質の検定方法について規定する。 

A.1 研磨紙の仕様及び品質 

A.1.1 研磨紙 

a) 基材 研磨紙に使用する基材はJIS R 6252の6.1(基材)によるクラフト紙(Cw)又はこれに準じる

紙とし,坪量は95 g/m2以上,140 g/m2未満とする。基材の坪量の試験方法は,JIS P 8124による。研

磨紙の長辺は,基材の抄造方向に対し,直角方向とする。 

b) 研磨材 研磨材は,次による。 

1) 研磨材の種類は,JIS R 6111によるアルミナ質研削材Aとする。ただし,研磨材の粒度は,JIS R 6010

に規定するP180とする。 

2) 研磨材の塗付量は,5.0 mg/cm2以上,6.0 mg/cm2以下とする。 

c) 接着剤 研磨材の塗装に使用する接着剤は,JIS K 6503によるにかわ又はゼラチンとする。 

d) 両面粘着テープ 研磨紙の裏面に貼り付ける両面粘着テープは,試験用ゴム輪に接着しやすく,JIS Z 

1528に規定する両面粘着テープ又はそれと同等の品質のものとする。 

A.1.2 寸法 

研磨紙及び両面粘着テープの寸法は,図A.1のとおりとする。 

単位 mm 

図A.1−研磨紙の寸法 

A.1.3 品質 

研磨紙は,A.4に規定する検定方法による検定の結果,亜鉛標準板の減量が130±20 mgになるものを用

いる。 

A.2 研磨紙の準備 

A.2.1 試料の抜き取り 

試験に用いる研磨紙は,定められたロットからランダムに予備研磨用4枚及び本試験用4枚を抜き取り,

これを検定に用いる試料とする。 

A.2.2 試料の状態調整 

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研磨紙は,温度20±2 ℃の試験室などに静置した炭酸カリウム飽和溶液を入れたデシケータ中に試験前

少なくとも24時間以上,保存してコンディショニングを施したものを用いる。 

A.2.3 試験用ゴム輪への取付け 

5.3.1による。 

A.2.4 試験用摩耗輪の装着 

研磨紙を取り付けた試験用摩耗輪一組を試験機の摩耗輪取付軸の所定の位置に正しく,遊び及び振れの

ないように締め付けノブで堅固に装着する。 

A.3 亜鉛標準板の準備 

A.3.1 亜鉛標準板 

亜鉛標準板は,JIS K 6902の6.1.2.1[圧延した亜鉛校正板(テーバーS-34又は同等品)]に規定するも

のを用いる。 

A.3.2 亜鉛標準板の調整 

亜鉛標準板は,研磨紙と同様にA.2.2の規定によって調整を行う。 

A.3.3 亜鉛標準板の装着 

亜鉛標準板の表面をアセトンで清浄にした後,試験装置の回転盤上の所定位置に正しく装着する。装着

に際し,常に回転盤上の同じ位置に亜鉛標準板が取り付けられるように位置決めのマークを付ける(図A.2

参照)。 

図A.2−亜鉛標準板の装着方法 

A.4 検定方法 

A.4.1 試験 

試験は次による。 

a) アームを倒して試験用摩耗輪を亜鉛標準板上に静かに載せる。5.3.3〜5.3.5の規定に従って試験装置を

駆動させる。 

b) 100回転の予備研磨の後,亜鉛標準板の質量をはかりで測定し,研磨紙を新たにして本試験を行う。 

c) 摩耗輪及び亜鉛標準板を,100回転ごとに適切なブラシ,はけなどで軽く払い,付着した微細な摩耗

粉を除去する。 

d) 500回転の摩耗試験の後,これを取り外し,付着した摩耗粉を除去する。 

A.4.2 検定の方法 

検定の方法は,次による。 

10 

A 1453:2015  

a) 研磨紙の検定は,亜鉛標準板の摩耗による質量の減量によって行う。 

b) 試験前後の亜鉛標準板の質量をはかりで1 mgまで正確に測定し,その質量の差から減量Wを求める。 

c) 二組の研磨紙によって求めた亜鉛標準板の減量が,いずれもA.1.3に示す130±20 mgの規定に適合す

れば,そのロットの研磨紙は合格とし,式(A.1) によるそれぞれの補正係数Fを四捨五入によって小

数点第2位に丸めて算出して,その平均値を記録する。 

130

W

F=

 ··············································································· (A.1) 

また,二組の研磨紙がA.1.3の規定に適合しないときは,そのロットの研磨紙は不合格とする。 

d) 二組の研磨紙によって求めた亜鉛標準板の減量のいずれか一つがA.1.3に示す規定値の範囲に適合し

ないときは,同一ロットから更に予備研磨用2枚及びこの試験用2枚の試料をランダムに抜き取り,

a)〜c) の操作を繰り返す。 

e) 再検査を行った場合は,その成績が上記の減量の規定に適合すれば合格とし,c) 及びd) による三組

の補正係数を式(A.1) によって算出し,その平均値を記録する。適合しない場合には,そのロットの

研磨紙は不合格として試験に用いてはならない。 

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11 

A 1453:2015  

附属書B 

(参考) 

計算式による外観の変化率及び摩耗終点の求め方 

B.1 

外観の変化率及び摩耗終点 

研磨紙によって試験片が摩耗した部分の外径(A-A',B-B')及び内径(a-a',b-b')をJIS B 7507に規定

するノギスで0.1 mmまで測定し,二つの平均値をその直径とする(図B.1参照)。 

摩耗を受ける部分の総面積A(mm2)は,式(B.1) によって算出し,四捨五入によって整数に丸める。 

A=π(R2−r2) ······································································ (B.1) 

ここに, 

R: 外径の半径(mm) 

r: 内径の半径(mm) 

図B.1−外径及び内径の測定位置 

外観の変化率Pa(%)は,式(B.2) による。 

なお,n回転後,摩擦によって生じた下地層の面積anは,試験片の上にトレース用の1 mm方眼紙を当

て,摩擦によって生じた下地層の面積を1 mm2単位で読み取る。 

100

=A

a

Pa

 ········································································· (B.2) 

ここに, 

A: 摩耗輪による摩擦を受ける部分の総面積(mm2) 

an: n回転後,摩擦によって生じた下地層の面積(mm2) 

模様材では外観の変化率が50 %に達したとき,また,無地材では色の層が最初に切り取られたときを摩

耗終点に達したものとみなし,その回転数で示す。 

12 

A 1453:2015  

附属書C 
(参考) 

質量変化及び摩耗深さの求め方(計算式による方法) 

C.1 質量変化の測定 

質量変化の測定は,6.3.1による。 

C.2 質量変化及び摩耗深さ(計算による方法) 

質量変化wn(mg/mm2)は式(C.1) に,摩耗深さdn(mm)は式(C.2) によって求める。 

また,摩耗輪による摩耗を受ける部分の総面積 A(mm2)は,式(B.1) によって算出し,四捨五入によ

って整数に丸める。 

A

W

W

w

n

0

n

=

 ········································································· (C.1) 

ここに, W0: 試験開始前の質量(mg) 
 

Wn: n回転後の質量(mg) 

A: 摩耗輪による摩耗を受ける部分の総面積(mm2) 

β

=

A

W

W

d

n

0

n

 ········································································· (C.2) 

ここに, 

β: 試験片の密度(mg/mm3) 

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13 

A 1453:2015  

附属書D 
(参考) 

技術上重要な改正に関する新旧対照表 

現行規格(JIS A 1453:2015) 

旧規格(JIS A 1453:1973) 

改正理由 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 
及び題名 

内容 

規格の名称 建築材料及び建築構成部分の摩耗試験方法(研

磨紙法) 

規格の名称 建築材料及び建築構成部分の摩耗試験方法(研

摩紙法) 

JIS R 6252(研磨紙)と同じ表記とした。 

2 引用規格 JIS B 7502 マイクロメータ 

JIS B 7503 ダイヤルゲージ 
JIS B 7507 ノギス 
JIS K 6253-3 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬
さの求め方−第3部:デュロメータ硬さ 
JIS K 6503 にかわ及びゼラチン 
JIS K 6902 熱硬化性樹脂高圧化粧板試験方
法 
JIS P 8124 紙及び板紙−坪量の測定方法 
JIS R 6010 研磨布紙用研磨材の粒度 
JIS R 6111 人造研削材 
JIS R 6252 研磨紙 
JIS Z 1528 両面粘着テープ 
JIS Z 8703 試験場所の標準状態 

関連規格 

JIS H 4321(亜鉛板) 
JIS K 6301(加硫ゴム物理試験方法) 
JIS K 6503(にかわおよびゼラチン) 
JIS P 8124(紙のメートル坪量測定方法) 
JIS R 6111(人造研削材) 
JIS Z 8703(試験場所の標準状態) 

JISの廃止に伴う削除。 
引用規格を新たに追加。 

3 摩耗試験
装置 

・回転速度:60±2回転 min−1 
・試験荷重:9.8 N 

2.摩耗試験
装置 

・回転速度:60±2 rpm 
・試験重量:1 000 g 

SI単位及びJIS Z 8301に基づく修正。 

4 試験用ゴ
ム輪及び研
磨紙 

JIS K 6253-3によるタイプAデュロメータの
測定値が50〜60のゴム 

3.試験用ゴ
ム輪及び研
摩紙 

JIS K 6301(加硫ゴム物理試験方法)によるか
たさ50〜60のゴム 

JISの廃止に伴う変更。 

2

A

 1

4

5

3

2

0

1

5

background image

14 

A 1453:2015  

現行規格(JIS A 1453:2015) 

旧規格(JIS A 1453:1973) 

改正理由 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 
及び題名 

内容 

5.3.5 試験
回転数 

500回転,1 000回転又は受渡当事者間の協定
による。 

5.3.4 試験
装置の駆動 

500回転 

実情に合わせて変更。 

6 試験結果
の表し方 
6.1 一般 

a) 外観の変化 
b) 質量変化及び/又は摩耗深さ 
注記 外観の変化率及び摩耗終点を求める必
要がある場合は,附属書Bによるのがよい。
また,質量変化及び/又は摩耗深さは,附属書
Cによっても求められる。 

6.試験結果
の評価方法 
6.1 評価項
目 

(1) 外観の変化率または摩耗終点 
(2) 重量変化または摩耗深さ 

実情に合わせて変更。 

6.2 外観の
変化 

試験片は25回転ごとに,その表面の状況を次
のa)〜c)について目視によって観察する。 
a) 模様の切れ 
b) 繊維又は下地の露呈 
c) 色層の消失の程度 

6.2 外観の
変化または
摩耗終点の
求め方 
6.2.1 試験
片の目視観
察 

試験片を25回転ごとに,表面の擦傷及び離脱
の状況を次について記録をとり,減耗部の面積
を測る。 
(1)模様の切れ,(2)繊維の露呈,(3)色層の消失
の程度 など 

実情に合わせて変更。 

附属書A 
(規定)研
磨紙法に使
用する研磨
紙及びその
品質の検定
方法 

関連規格の改正及び廃止に伴う見直し,用語の
変更などの修正を行った。 

付属書 研
摩紙法に使
用する研摩
紙及びその
品質の検定
方法 

研摩紙法に使用する研摩紙及びその品質の検
定方法について規定。 

実情に合わせて変更。 

附属書B 
(参考)計
算式による
外観の変化
率及び摩耗
終点の求め
方 

旧規格の6.2外観の変化または摩耗終点の求め
方を附属書B(参考)とした。 
摩耗輪による摩擦を受ける部分の総面積及び

n回転後,摩擦によって生じた下地層の面積の

求め方について記載した。 

6.2 外観の
変化または
摩耗終点の
求め方 

外観の変化または摩耗終点の求め方について
規定。 

実情に合わせて変更。 

2

A

 1

4

5

3

2

0

1

5

background image

15 

A 1453:2015  

現行規格(JIS A 1453:2015) 

旧規格(JIS A 1453:1973) 

改正理由 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 
及び題名 

内容 

附属書C
(参考)質
量変化及び
摩耗深さの
求め方(計
算式による
方法) 

旧規格の6.3重量変化または摩耗深さの求め方
を附属書C(参考)とした。 

6.3 重量変
化または摩
耗深さの求
め方 

重量変化または摩耗深さの求め方について規
定。 

実情に合わせて変更。 

2

A

 1

4

5

3

2

0

1

5