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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

A 1451-1994 

建築材料及び建築構成部分の摩耗試験方法 

回転円盤の摩擦及び打撃による 

床材料の摩耗試験方法 

Method of abrasion test for building materials  

and part of building construction 

Method of abrasion test for flooring materials  

method with rotating disk fitted friction and impact  

1. 適用範囲 この規格は,摩擦及び打撃を与える回転円盤式摩耗試験機(付図1参照)による床材料の

摩耗試験に適用する。ただし,図4及び図5に示す摩擦ブラシ又は打撃びょうによって,甚だしい欠壊を

生じるおそれのある材質のもの,又はそれらを複合した材料には適用しない。 

備考1. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS A 5403 石綿スレート 

JIS G 3522 ピアノ線 

JIS G 4102 ニッケルクロム鋼鋼材 

JIS Z 8703 試験場所の標準状態 

2. この規格の中で { } を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,

参考値である。 

2. 試験体 

2.1 

試験体は,2.3に規定する下地材に試料を密に堅固に接着したものとする。ただし,試料が十分に厚

い場合には下地材を省略することができる。 

2.2 

試験体は,図1(a)に示すように,上底93mm,下底300mm,高さ250mmの台形で,厚さは2.3に規

定する下地材を含めて10〜30mmとする。台形全体を得がたい床材料にあっては数個を組み合わせて台形

とするか,又は図1(b)に示すように,図7に示した測定点の位置に測定範囲を十分に覆う大きさの試料を

堅固に下地材に取り付け,試験体とすることができる。ただし,この場合には試料以外の部分は,試料と

ほぼ等しい摩耗量をもつ材質のものを用いるものとする。 

2.3 

下地材は,JIS A 5403に規定する石綿セメント板の平板又はセメントモルタル板(質量調合比1 : 2,

フロー165±5,材令28日以上)を使用する。 

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A 1451-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3. 試験装置 

3.1 

この試験に使用する試験装置は,図2に示すように散布砂を落下させつつ,摩擦鋼板,摩擦ブラシ

及び打撃びょうの順序で,回転円盤上の試験体の摩耗を行うものとする。 

3.2 

回転円盤は,8個の試験体の試験面が同一平面上に水平に取り付け得るものとし,かつ,図5の打撃

びょうの落下高さを正確に保ち得るような試験体高さ調節装置をもち,また,回転円盤の回転中心を中心

とする半径113mmの円に試験体の上底が外接するよう試験体を固定させ得る装置をもつものとする。 

3.3 

回転円盤の回転数は,毎分1.0回とする。 

3.4 

摩擦鋼板の材質は,JIS G 4102に規定されたSNC631とし,摩擦面が径38mmの平たんな円形で,

3.6に示す回転と同時に図3に示す軸を中心として毎分6回,試験体の試験面上において回転円盤と同方向

の回転をするものとする。 

3.5 

摩擦ブラシは,図4に示すように,径50mmの範囲の30孔に,1孔78本のJIS G 3522に規定する

ピアノ線の径0.5mmを正確に長さ20mmに密に植えこんだものとし,3.4の摩擦鋼板と同様の回転を,試

験体の試験面上で行うものとする。 

3.6 

摩擦鋼板及び摩擦ブラシは,図2に示すように,回転円盤の軸心から250mmの距離にある軸を中心

として,回転半径100mmで回転円盤の回転方向に毎分18112回の回転をするものとする。 

3.7 

打撃びょう部分の材質は,JIS G 4102に規定するSNC631とし,図5に示すように,先端に径5mm,

長さ5mmの円形びょう3個をもつ径21mmの中空円筒27個からなり,各中空円筒の内部には鉛散弾を詰

め,それぞれの質量を310gに調節できるものとする。打撃びょうは,試験面から20mmの高さから毎分

4833

16回の割合で各試験面に落下し,回転円盤10回転の間に試験面をほぼ均等に打撃し得るものとする。 

3.8 

散布砂は,比重2.7,標準網ふるい600μmを通過し300μmに止まるもので,福島県相馬産の乾燥天

然けい砂から雑物を除き去ったものとし,散布装置は,1分間に約10gの割合で散布砂を試験面に一様に

散布できるものとする。 

4. 試験 

4.1 

数値の換算 従来単位の試験機又は計測器を用いて試験する場合の国際単位系 (SI) による数値へ

の換算は,次による。 

1kgf=9.80N 

4.2 

試験は,JIS Z 8703に規定する20±2℃・ (65±20) %によって行うものとする。ただし,湿度が80%

を超える場合は,試験を行ってはならない。 

試験体は,試験前少なくとも24時間以上,この状態に保ってから試験に供するものとする。 

4.3 

図7に示す試験体の5mm間隔の39点について,精度1001mm以上のダイヤルゲージを用いて試験体

の厚さを測定し,その平均値をもって試験前の試験体の厚さD1とする。下地材を用いた試験体にあっては,

下地材を含めた厚さを測定する。 

また,軟質の材料でダイヤルゲージの測定子の沈むおそれのあるものについては,図6に示す測定子を

用いるものとする。比較的平たんに摩耗する材料にあっては,図7に示す測定点の間隔を10mmとするこ

とができる。 

4.4 

試験体を回転円盤上の3.2の位置に,試験面が水平に,かつ,3.7の打撃びょうの落下高さが20mm

となるよう堅固に取り付ける。 

4.5 

摩擦鋼板は,摩擦面に対して常時71.5N {7.3kgf} の荷重が加わるようにする。 

4.6 

摩擦ブラシは,摩擦面に対して常時14.7N {1.5kgf} の荷重が加わるようにする。 

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4.7 

新しい摩擦ブラシは,原則としてこの装置によって8個の硬質繊維板試験体を約60回摩擦させた後,

試験に用いるものとする。 

4.8 

摩擦鋼板及び摩擦ブラシの使用限度は,回転円盤1 100回転以内とする。 

4.9 

打撃びょう先端の径が5.5mm以上となったものは用いてはならない。 

4.10 摩擦砂は回転円盤1回転ごとに,はけその他適当な除去装置を用いて取り除く。 

4.11 1 000回転後,試験体を回転円盤から取り外し,4.3と同様の方法で試験後の試験体の厚さD2を測定

する。 

5. 結果の表示 試験結果には,次の事項を記載する。 

(1) 摩耗量 (mm) =(試験前の試験体の厚さD1)−(試験後の試験体の厚さD2) 

なお,1 000回転に至る前に試験体の表層が摩耗し,下地が露出した場合には,下地露出時の回転数

を合わせて記載する。 

(2) 観察:試験後の試験体の表面の状態の変化。その他。 

図1 試験体 

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A 1451-1994  

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図2 摩耗試験装置 

図3 摩擦鋼板 

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図4 摩擦ブラシ 

図5 打撃びょう部分の例 

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図6 測定子 

図7 測定点 

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A 1451-1994  

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付図1 摩耗試験装置 

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建築部会 建築材料の摩耗試験方法専門委員会 構成表(昭和45年6月23日制定のとき) 

氏名 

所属 

(委員会長) 

西   忠 雄 

東京大学工学部 

狩 野 春 一 

工学院大学工学部 

仕 入 豊 和 

東京工業大学 

吉 岡   丹 

東京工業大学 

宇 野 英 隆 

千葉工業大学 

山 田 陽 保 

工業技術院製品科学研究所応用性能部 

鈴 木 正 治 

農林省林業試験場,社団法人木材加工技術協会 

前 川 喜 寛 

建設省住宅局 

倉 部 行 雄 

通商産業省化学工業局 

分 部 武 男 

工業技術院標準部 

高 山 常 雄 

日本国有鉄道鉄道技術研究所 

佐 藤 浩 司 

全国石材工業会(ヤマト石材工業株式会社) 

神 谷 高 枝 

全国タイル工業協会 

丸 一 俊 雄 

清水建設株式会社研究所 

富 岡 博 治 

鹿島建設株式会社技術研究所 

(専門委員) 

田 村 尹 行 

工業技術院標準部 

(事務局) 

土 屋   隆 

工業技術院標準部材料規格課 

若 木 和 雄 

工業技術院標準部材料規格課 

(事務局) 

牛 島 宏 育 

工業技術院標準部材料規格課(平成6年2月15日改正のとき) 

荒 井   淳 

工業技術院標準部材料規格課(平成6年2月15日改正のとき)