日本工業規格
JIS
A
1431
-1994
空気調和・換気設備の風量測定方法
Method of measurement of air quantity
for ventilation and air conditioning system
1.
適用範囲 この規格は,空気調和・換気設備の吹出口,吸込口における風量を実地において測定する
方法について規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 8330
送風機の試験及び検査方法
2.
用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。
(1)
風量 単位時間に吹出口又は吸込口を通過する空気量をいう。
(2)
風量の表示 風量は,単位時間当たりの空気体積 m
3
/min
又は m
3
/h
で表す。場合によっては,単位時
間当たりの空気質量 kg/min 又は kg/h を用いてもよい。
3.
測定器具 測定器具は,次のものを使用し,測定表には,使用した計器名を付記する。
(1)
ピトー管 JIS B 8330 に規定するもの。
(2)
熱線風速計 JIS B 8330 に規定する流量測定法によって検定したもの。
(3)
風車風速計 気象庁検定合格品
4.
測定方法 測定方法は,次の方法によるが,測定する室は,すべて使用状態(ドアを閉める)として
測定する。
(1)
吹出口における測定法 図 1(a)及び(b)に示すようなフード,直管ダクト部分及び風量可変送風機から
成る装置を吹出口に装着して測定する。測定の手順は,次のとおりとする。
(a)
吹出口から送風しつつ,風量可変送風機を調整してフード内の静圧が室内の静圧と等しくなるよう
にする。
(b)
直管ダクト部分において風速を測定する。測定点の数などは,JIS B 8330 の当該事項に準ずる。
(c)
測定した風速から次式によって風量を算定する。
Q
=60AU
ここに, Q: 測定風量 (m
3
/min)
A
: 直管ダクト部分の断面積 (m
2
)
U
: 直管ダクト部分の平均風速 (m/s)
備考 吹出口に装着する装置(図 1)(a)及び(b)について注意すべき事項。
(1)
フードは,可能な限り大きいことが望ましく,少なくとも風量をフード断面積で除した値(フ
ード内平均風速)が 1m/s 以下とする。
2
A 1431-1994
(2)
直管ダクト部分は,風速測定が行いやすいよう細くすること(ダクト内風速が少なくとも
4m/s
以上となるようにする。
)
。
図 1
(2)
吸込口における測定法 吸込口のうちのり(内法)と同断面のダクト(長さ:ダクトの直径又は長辺
の 2 倍)とを接続して風速を測定する。測定点は,ダクト入口の中央 1 点とし,測定した風速から次
式によって風量を算定する。
Q
=60AU
ここに, Q: 風量 (m
3
/min)
A
: ダクト断面積 (m
2
)
U
: 測定風速 (m/s)
(3)
定風量装置を設備する場合の測定法 定風量装置が設置されている場合は,JIS B 8330 で検定を行っ
た試験表を用いて風量を求めても差し支えない。
5.
測定結果の表示 測定表には,次の事項を記入する。
(1)
一般事項 測定者名,測定日時,天候,測定対象
(2)
測定関係
(a)
測定計器
(b)
測定場所
(c)
測定方法
(d)
測定風速及び風量
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A 1431-1994
建築部会 風量測定法専門委員会 構成表(昭和 49 年 4 月 15 日制定のとき)
氏名
所属
(委員会長)
勝 田 高 司
東京大学生産技術研究所
斉 藤 平 蔵
東京大学
野 村 豪
東京大学
井 上 宇 市
早稲田大学
鈴 木 茂 男
建設省大臣官房官庁営繕部
佐 藤 温
建設省住宅局
吉 沢 普
国立公衆衛生院
市 橋 利 明
工業技術院標準部
稲 生 宏
日本電信電話公社
阿 部 貞 市
株式会社大気社
岩 井 一 三
株式会社日建設計
小笠原 祥 五
三機工業株式会社
鈴 木 二 郎
日本設計株式会社
高 田 倶 之
東洋キャリア工業株式会社
徳 岡 実
大阪電気暖房株式会社
橋 口 敬
神奈川大学
藤 井 正 一
財団法人建材試験センター
中 村 平
高砂熱学工業株式会社
宮 川 清
株式会社桜井建築設備研究所
(事務局)
田 村 尹 行
工業技術院標準部材料規格課
松 本 大 治
工業技術院標準部材料規格課
小 林 秋 穂
工業技術院標準部材料規格課
(事務局)
根 岸 喜代春
工業技術院標準部材料規格課(平成 6 年 12 月 15 日改正のとき)
荒 井 淳
工業技術院標準部材料規格課(平成 6 年 12 月 15 日改正のとき)