A 1429:2007
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人建材試験センター(JTCCM)/財団法
人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標
準調査会の審議を経て,国土交通大臣が制定した日本工業規格である。
制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日
本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 16032:2004,Acoustics−
Measurement of sound pressure level from service equipment in buildings−Engineering methodを基礎として用い
た。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
JIS A 1429には,次に示す附属書がある。
附属書A(規定)A特性及びC特性補正値
附属書B(規定)最大音圧レベル及び等価音圧レベル測定における測定対象機器の作動条件及び作動
サイクル
附属書1(参考)隅角部及び拡散音場に設定した測定点による音圧レベルの測定方法
附属書2(規定)残響時間の測定方法及び基準音源を用いた等価吸音面積レベルの測定方法
附属書3(参考)JISと対応する国際規格との対比表
A 1429:2007
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 2
4. 測定器 ··························································································································· 4
5. 試験方法 ························································································································ 5
6. 測定手順 ························································································································ 5
6.1 一般事項 ······················································································································ 5
6.2 室内均等に分布する測定点の設置方法 ················································································ 6
6.3 音圧レベルの測定方法 ···································································································· 6
6.4 音圧レベルの室内平均値の算出方法 ··················································································· 6
6.5 暗騒音の補正 ················································································································ 6
6.6 オクターブバンド音圧レベルの標準化又は規準化 ································································· 6
6.7 A特性及びC特性値の算出 ······························································································ 7
6.8 部屋の中に存在する音源(追加の測定) ············································································· 7
7. 残響時間又は等価吸音面積の測定 ······················································································· 7
8. 暗騒音の補正 ·················································································································· 7
9. 測定精度 ························································································································ 8
10. 測定報告 ······················································································································ 8
附属書A(規定)A特性及びC特性補正値 ··············································································· 10
附属書B(規定)最大音圧レベル及び等価音圧レベル測定における
測定対象機器の作動条件及び作動サイクル ········································································· 11
附属書1(参考)隅角部及び拡散音場に設定した測定点による音圧レベルの測定方法 ······················· 17
附属書2(規定)残響時間の測定方法及び基準音源を用いた等価吸音面積レベルの測定方法··············· 19
附属書3(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ·································································· 22
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日本工業規格 JIS
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建築物の現場における給排水設備騒音の測定方法
Field measurement of sound pressure level from appliances and equipment
used in water supply and drainage installations in buildings
序文 この規格は,2004年に第1版として発行されたISO 16032,Acoustics−Measurement of sound pressure
level from service equipment in buildings−Engineering methodを元に作成した日本工業規格であるが,原国際
規格では建築設備一般が測定対象として示されているのに対し,日本工業規格の作成に当たっては給排水
設備だけを測定対象としているため,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変
更の一覧表をその説明を付けて,附属書3(参考)に示す。
1. 適用範囲 この規格は,建築物に設置された給排水設備の作動によって,室内に発生する音の音圧レ
ベルを測定する方法について規定する。この規格で対象とする給排水設備は,水栓,シャワー室,浴室,
流し台,便所,ポンプ,給湯器,気泡浴槽,ディスポーザ及び浄化槽である。
この方法は,例えば住居,ホテル,学校,事務所,病院などにおけるおよそ300 m3以下の容積の部屋に
適用できる。この規格は,容積の大きい講堂及びコンサートホールなどの大空間における測定には一般的
に適用できない。また,附属書Bでは給排水設備の作動条件及び作動サイクルを規定する。
給排水設備の作動によって室内に発生する音の音圧レベルは,供試設備の作動サイクル中のA特性最大
音圧レベル及び追補的にC特性最大音圧レベルとして,又はある特定時間内の等価音圧レベルとして測定
する。
参考 給排水設備の作動によって室内に発生する音とは,給排水設備が設置されている以外の他の室
に影響する主に設備機器の振動に起因したいわゆる固体伝搬音を対象としているが,この規格
の測定法は給排水設備が設置されている室内又は屋外の静ひつ性能を測定する場合にも用いて
よい。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD
(修正している),NEQ(同等でない)とする。
ISO 16032:2004,Acoustics−Measurement of sound pressure level from service equipment in buildings
−Engineering method (MOD)
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 1417 建築物の空気音遮断性能の測定方法
JIS C 1509-1 電気音響−サウンドレベルメータ(騒音計)−第1部:仕様
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備考 IEC 61672-1:2002,Electroacoustics−Sound level meters−Part 1: Specifications が,この規格と
一致している。
JIS C 1514 オクターブ及び1/Nオクターブバンドフィルタ
備考 IEC 61260:1995,Electroacoustics−Octave-band and fractional-octave-band filtersが,この規格と
一致している。
JIS C 1515 電気音響−音響校正器
備考 IEC 60942:2003,Electroacoustics−Sound calibratorsが,この規格と一致している。
JIS Z 8401 数値の丸め方
JIS Z 8732 音響−音圧法による騒音源の音響パワーレベルの測定方法−無響室及び半無響室におけ
る精密測定方法
JIS Z 8734 音響−音圧法による騒音源の音響パワーレベルの測定方法−残響室における精密測定方
法
JIS Z 8736-1 音響−音響インテンシティによる騒音源の音響パワーレベルの測定方法−第1部:離散
点による測定
ISO 3382 Acoustics−Measurement of the reverberation time of rooms with reference to other acoustical
parameters
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
3.1
音圧レベル (sound pressure level) L JIS C 1509-1に定義されている時間重み特性又は周波数重み
特性によって測定された音圧の2乗p2(t) を基準音圧の2乗p02で除した値の対数をとって10倍したもの。
単位は,デシベル (dB),基準音圧p0は20 μPa。
3.2
平均音圧レベル (average sound pressure level) L 単位は,デシベル (dB)。
∑
=
=
n
10
log
10
n
1
i
1.0
10
iL
L
······························································· (1)
ここに,
Li: 平均されるi番目の測定点における音圧レベル (dB)
3.3
63〜8 000 Hzの周波数範囲におけるオクターブバンドの値から算出されるA特性音圧レベル
(A-weighted sound pressure level calculated from octave-band values in the frequency range 63 Hz to 8 000
Hz) LA 単位は,デシベル (dB)。
∑
=
=
+
n
1
i
)
(1.0
10
A
i
i
10
log
10
A
L
L
························································· (2)
ここに,
Li: i番目の周波数のオクターブバンドにおける音圧レベル
Ai: i番目の周波数のオクターブバンドのA特性補正値(附属書
A参照)
Liの値は測定による。また,3.6に示すすべての値に適用される。
備考 この規格では,周波数重み特性Aを通した全帯域の音圧レベルの値もA特性音圧レベルLAと
する。我が国では,広く周波数重み特性Aを通して直接測定した値もA特性音圧レベルLAと
して用いられている。過去のデータと比較検討を容易にするために,この規格では,特に規準
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化音圧レベル又は標準化音圧レベルの算出を必要としない場合は,この値も規定に加えた。
3.4
31.5〜8 000 Hzの周波数範囲におけるオクターブバンドの値から算出されるC特性音圧レベル
(C-weighted sound pressure level calculated from octave-band values in the frequency range 31.5 Hz to 8 000
Hz) LC 単位は,デシベル (dB)。
∑
=
+
=
n
1
i
)
(1.0
10
C
i
i
10
log
10
C
L
L
···························································· (3)
ここに,
Li: i番目の周波数のオクターブバンドにおける音圧レベル
Ci: i番目の周波数のオクターブバンドのC特性補正値(附属書
A参照)
Liの値は測定による。また,3.6に示すすべての値に適用される。
備考 この規格では,周波数重み特性Cを通した全帯域の音圧レベルの値もC特性音圧レベルLCと
する。我が国では,広く周波数重み特性Cを通した値もC特性音圧レベルLCとして用いられ
てきた。過去のデータと比較検討を容易にするために,この規格では,特に規準化音圧レベル
又は標準化音圧レベルの算出を必要としない場合は,この値も規定に加えた。
3.5
単発暴露音圧レベル (sound exposure level) LE 単発音の単発暴露音圧レベルは,次の式によって
与えられる。単位は,デシベル (dB)。
dt
p
t
p
t
L
t
t∫
=
2
1
2
0
2
0
10
E
)
(
1
log
10
······················································ (4)
ここに,
p(t): 瞬時音圧 (Pa)
t2〜t1: 対象事象のすべての主要な音の部分を含んでいる十分に長
い継続時間 (s)
p0: 基準音圧 (2×10−5 Pa)
t0: 基準継続時間 (t0=1 s)
3.6
設備騒音の31.5〜8 000 Hzの周波数帯域におけるオクターブの音圧レベル (service equipment sound
pressure level in octave-bands in the frequency range 31.5 Hz to 8 000 Hz) 次に,3.6.1〜3.6.9にわたり,こ
の規格によって測定できるオクターブバンドの値を定義する。表1を参照。
3.6.1
LSmax 時間重み特性Sで測定したオクターブバンドにおける最大音圧レベル。
3.6.2
LSmax,nT 時間重み特性Sで測定し,残響時間0.5秒で標準化したオクターブバンドにおける最大
音圧レベル[3.8の式(5)]。
3.6.3
LSmax,n 時間重み特性Sで測定し,等価吸音面積10 m2で規準化したオクターブバンドにおける最
大音圧レベル[3.8の式(6)]。
3.6.4
LFmax 時間重み特性Fで測定したオクターブバンドにおける最大音圧レベル。
3.6.5
LFmax,nT 時間重み特性Fで測定し,残響時間0.5秒で標準化したオクターブバンドにおける最大
音圧レベル[3.8の式(5)]。
3.6.6
LFmax,n 時間重み特性Fで測定し,等価吸音面積10 m2で規準化したオクターブバンドにおける最
大音圧レベル[3.8の式(6)]。
3.6.7
Leq 等価音圧レベル。
3.6.8
Leq,nT 残響時間0.5秒で標準化したオクターブバンドにおける等価音圧レベル[3.8の式(5)]。
3.6.9
Leq,n 等価吸音面積10 m2で規準化したオクターブバンドにおける等価音圧レベル[3.8の式(6)]。
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3.7
残響時間 (reverberation time) T 音源を停止した後,音圧レベルが60 dB減衰するのに要する時間
(s)。
3.8
標準化音圧レベル・規準化音圧レベル (standardized/normalized sound pressure level) 式(5)によっ
て残響時間0.5秒で標準化したオクターブバンド音圧レベルを標準化音圧レベル,式(6)によって等価吸音
面積10 m2で規準化したオクターブバンド音圧レベルを規準化音圧レベルと定義する。単位は,デシベル
(dB)。
0
10
nT
log
10
T
T
L
L
−
=
·································································· (5)
ここに, LはLS max,LF max又はLeq を示す。
T: 測定した残響時間 (s)
T0= 0.5 s
0
10
n
log
10
A
A
L
L
+
=
··································································· (6)
ここに, LはLS max,LF max又はLeq を示す。
A: 等価吸音面積 (m2)
T
V
A
16
.0
=
0.16: s/mの単位をもつ値
V: 室容積 (m3)
T: 測定した残響時間 (s)
A0: 基準の等価吸音面積 (m2) A0=10 m2
備考 基準の残響時間を0.5秒として標準化することは,次の式で示される値を基準の等価吸音面積
(m2)として式(6)で計算することに相当する。
A0=0.32 V
また,基準の等価吸音面積10 m2で規準化することは,次の式で示される基準の残響時間(s)
として式(5)で計算することに相当する。
0
0
16
.0
A
V
T=
4. 測定器 この規格による最大音圧レベルの測定では,オクターブバンドリアルタイム分析器の使用を
前提とする。分析器は,供試機器の指定された作動サイクル中に発生するA特性最大音圧レベル又はC特
性最大音圧レベルの測定と同時に,オクターブバンド音圧レベルの値が測定できなければならない。この
規格に従って使用される測定器が上述の必要条件を満たすことを確認することが重要である。建築音響の
分野で一般的に使用されているほとんどの測定器は,この機能をもっている。
備考1. マイクロホンとケーブルとを含む測定システムは,JIS C 1509-1に規定するものを用いる。
2. オクターブバンドの測定に関して,フィルタはJIS C 1514に規定するものを用いる。
3. 測定の始めと終わりに,JIS C 1515に規定する音響校正器を用いて,測定器の感度を確認す
る。
5
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5. 試験方法 給排水設備機器の音圧レベルは,供試機器の指定された作動サイクルの間に生じるA特性
音圧レベル又はC特性音圧レベルに対応した31.5 Hz/63 Hz〜8 000 Hzを中心周波数とするオクターブバン
ドで測定する。時間重み特性はS又はFを用いる。
給排水設備機器の発生音の評価は,A特性最大音圧レベル又はC特性最大音圧レベルで行う。代わりに,
又は補足的に,規定された積分平均時間におけるA特性等価音圧レベル又はC特性等価音圧レベルによる
こともできる。
オクターブバンド音圧レベルの測定結果は,暗騒音で補正する。さらに必要に応じて0.5秒の残響時間
で標準化するか,又は10 m2の等価吸音面積で規準化する。A特性音圧レベル又はC特性音圧レベルは,
オクターブバンド音圧レベルから算出する。
この規格によって測定される単一数値評価量は,3.6.1〜3.6.9で定義されたオクターブバンドの値から計
算される。表1の記号は,測定結果を報告するときに用いる。
備考1. 強制法規などがある場合には,他の評価量を組み合わせてもよい。
2. A特性音圧レベル及びC特性音圧レベルは,通常,オクターブバンド音圧レベルの測定結果
から算出する。ただし,規準化音圧レベル又は標準化音圧レベルの算出を必要としない場合
には,周波数重み特性A及び周波数重み特性Cを通した値を直接測定してもよい。
表 1 各種の最大音圧レベル,等価音圧レベル (dB) を表す記号
A特性値(63〜8 000 Hzの周波
数帯域のオクターブバンド値
から計算する。)
C特性値(31.5〜8 000 Hzの周
波数帯域のオクターブバンド
値から計算する。)
最大音圧レベル,
時間重み特性S
ASmax
L
nT
ASmax,
L
(1)
n
ASmax,
L
(1)
CSmax
L
nT
CSmax,
L
(1)
n
CSmax,
L
(1)
最大音圧レベル,
時間重み特性F
AFmax
L
nT
AFmax,
L
(1)
n
AFmax,
L
(1)
CFmax
L
nT
CFmax,
L
(1)
n
CFmax,
L
(1)
等価音圧レベル
Aeq
L
nT
Aeq,
L
(1)
n
Aeq,
L
(1)
Ceq
L
nT
Ceq,
L
(1)
n
Ceq,
L
(1)
注(1) 6.6参照
表1に示す記号による単一数値評価量は,同じ評価量の場合は比較することができるが,異なる評価量
間で比較することはできない。
法的な要求に応じて測定結果の比較をするときは,同じ評価量を比較していることを確認する。また,
明確に感知される音色的な特徴がある場合は,この旨を測定報告書に記載する。
窓及び扉は,測定中は閉めておく。さらに,測定担当者も測定中はなるべく測定室から退出する。
6. 測定手順
6.1
一般事項 給排水設備からの発生音は,ここで規定する作動条件及び作動サイクルの条件下で測定
する。この測定は,強制法規などがある場合で,やむを得ない場合を除いて,この規定によって行う。
6
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給排水設備からの発生音の測定では,6.2〜6.8に従い,室内の空間的に均等に配置された3〜5点の箇所
のマイクロホン位置において音圧レベルを測定する。
参考 原国際規格では,室内の隅角部の1か所と拡散音場とみなされる室内の2か所との計3か所の
マイクロホン位置において音圧レベルを測定する方法を規定しているが,我が国では,室内の
騒音を評価する場合,以前から空間的に均等に配置された3〜5点の箇所において測定する方法
が広く用いられているため,この方法を規定した。原国際規格で規定しているマイクロホンの
設置位置による測定方法については,附属書1に参考として示す。
6.2
室内均等に分布する測定点の設置方法
a) 固定マイクロホンによる場合 室内で,壁,床,天井から0.7 m以上離れた空間内に,互いに0.7 m
以上離れた3〜5点の測定点を空間的に均等に分布させる。
b) 移動マイクロホンによる場合 音源の発音性状が定常的な場合は,0.7 m以上の回転半径をもつマイ
クロホン移動装置を用いて,受音室内の天井,周壁,床面などから50 cm以上離れた空間内で,回転
面は床面に対して傾斜させ,かつ,各壁面に対しても10°以上の角度となるようにして,また,回転
周期が30 秒以上となるようにして,マイクロホンを移動させる方法を用いてもよい。ただし,1移動
周期の間の最大レベルと最小レベルとの差が10 dBを超えていないことを確認する。
6.3
音圧レベルの測定方法
a) 固定マイクロホンによる場合 最大音圧レベルの測定は,各測定点において,必要に応じて,A特性
最大音圧レベルLAmax,C特性最大音圧レベルLCmax,中心周波数63〜8 000 Hzのオクターブバンドの
最大音圧レベルLmax,単発騒音暴露レベルLAEなどを測定する。また,等価音圧レベルの測定は,各
測定点において,必要に応じて,A特性等価音圧レベルLAeq,C特性等価音圧レベルLCeq,中心周波
数63〜8 000 Hzのオクターブバンドの等価音圧レベルLeqなどを測定する。各測定点において,3回以
上の測定を行う。
b) 移動マイクロホンによる場合 必要に応じて,A特性等価音圧レベルLAeq,C特性等価音圧レベルLCeq,
及び中心周波数63〜8 000 Hzのオクターブバンドの等価音圧レベルLeqを測定する。ただし,この方
法による場合は,必ず積分平均機能を備えた騒音計を用いて,その平均化時間はマイクロホン移動装
置の回転周期の整数倍とする。
なお,この方法は最大音圧レベルの測定には用いてはならない。
6.4
音圧レベルの室内平均値の算出方法 固定マイクロホンによる場合は,3.2で定義されている算出方
法で,各測定点のA特性最大音圧レベルLAmax,C特性最大音圧レベルLCmax,中心周波数63〜8 000 Hzの
オクターブバンドの最大音圧レベルLmax,単発騒音暴露レベルLAE,A特性等価音圧レベルLAeq,C特性等
価音圧レベルLCeq,中心周波数63〜8 000 Hzのオクターブバンドの等価音圧レベルLeqなどの室内平均レ
ベルを算出する。室内平均値は小数点以下1けたに丸める。ただし,測定点の最大値と最小値との差が10
dBを超える場合は,平均値は算出せずに,最大値及び最小値を報告書に記載する。
6.5
暗騒音の補正 暗騒音を8.に従い測定し,給排水設備騒音のオクターブバンド音圧レベルを補正す
る。
6.6
オクターブバンド音圧レベルの標準化又は規準化 必要に応じ,暗騒音の補正されたオクターブバ
ンド音圧レベルは,部屋の吸音特性について標準化又は規準化を行う。残響時間は,7. に従い測定する。
次に3.8の式(5)を用いて標準化音圧レベルを,また,式(6)を用いて規準化音圧レベルの算出を行う。A特
性及びC特性の算出値は整数位に丸める。
また,必要に応じ,A特性等価音圧レベルLAeq,又はC特性等価音圧レベルLCeqの標準化又は規準化し
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た値を求める場合は,それぞれ標準化又は規準化した63〜8 000 Hzまでのオクターブバンドの値から計算
する値とする。もし,31.5 Hzのオクターブバンドの値がC特性音圧レベルに大きく寄与している場合に
は,この旨を報告書に記載する。
暗騒音のために,8 000 Hzオクターブバンドの残響時間測定において,問題が生じる場合がある。給排
水設備騒音の8 000 Hzのオクターブバンド音圧レベルがオクターブバンドスペクトルの中の最も高いバン
ドレベルより15 dB以上低いならば,8 000 Hzのオクターブバンドにおいては,標準化又は規準化は行わ
ない。
備考1. 標準化音圧レベル及び規準化音圧レベルは,附属書2に規定する基準音源を用いた等価吸音
面積レベルの測定結果から算出することもできる。
2. 標準化音圧レベル及び規準化音圧レベルは,小数点以下2けた目をJIS Z 8401によって丸め,
小数点以下1けたまで表す。
6.7
A特性及びC特性値の算出 6.5又は6.6で得られる値から,3.3の定義に従い,63〜8 000 Hzまでの
オクターブバンドの値からA特性値を算出する。また,3.4の定義に従い,31.5〜8 000 Hzまでのオクター
ブバンドの値からC特性値を算出する。A特性,C特性の算出値は整数位に丸める。
6.8
部屋の中に存在する音源(追加の測定) 部屋の中に音源がある場合−例えば,壁又は天井の換気
口など−それぞれの音源に対して追加の測定を行う。壁にある音源の場合は,測定点は音源正面から水平
距離1 m,床上から1.5 m高さの点とする。天井にある音源の場合は,測定点は音源直下で床上1.5 m高さ
の点とする。これらの追加の測定値は標準化又は規準化は行わない。また,室内均等に分布する測定点の
測定値の平均値とは別に報告する。
7. 残響時間又は等価吸音面積の測定 残響時間は,ISO 3382に従い,63〜8 000 Hzを中心周波数とする
オクターブバンド帯域で測定する。
備考 規準化,標準化のための部屋の残響時間又は等価吸音面積の測定は,附属書2に規定する方法
によってもよい。
8. 暗騒音の補正 暗騒音の測定は,給排水設備騒音を対象とした音圧レベル測定の直前又は直後に,給
排水設備騒音の音圧レベル測定と同じ位置において行う。暗騒音は,約30秒間の等価音圧レベルとして,
オクターブバンドで測定する。各測定点における暗騒音のオクターブバンド音圧レベルを3.2で定義され
ている算出方法でエネルギー平均して,その値によって給排水設備騒音のオクターブバンド音圧レベルの
補正を行う。
この方法は,暗騒音が定常的とみなせる場合に限り有効である。暗騒音レベルが給排水設備騒音の音圧
レベルより10 dB又はそれ以上に小さければ,補正は行わない。
暗騒音レベルが給排水設備騒音の音圧レベルより4〜10 dB小さい場合は,測定した音圧レベルは次の式
(7)〜式(9)を用いて補正する。
K
L
L
−
=
1
······················································ (7)
)
(
L
K
∆
×
−
−
−
=
1.0
10
10
1
log
10
······················································ (8)
2
1L
L
L
−
=
∆
······················································ (9)
ここに,
L: 補正音圧レベル (dB)
L1: 暗騒音を含んだ給排水設備騒音のオクターブバンド音圧レベ
ル測定値 (dB)
8
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
L2: 暗騒音のオクターブバンド音圧レベル (dB)
K: オクターブバンド補正値 (dB)
4 dBの差は,2.2 dBの補正値に対応する。差が4 dB未満の場合は,補正値は2.2 dBを限度とし,報告
書に測定値が暗騒音の影響を受けていることを記載する。
測定限界値との比較によって,測定値を給排水設備騒音の音圧レベルの上限限界とみなすことができる。
暗騒音が設備のA特性及びC特性音圧レベルに影響を及ぼしているかいないかを報告書に記載する。
備考 暗騒音が時間とともに変動する場合で例えば,道路交通騒音の場合には,信頼性の高い補正は
できない。暗騒音の最大音圧レベルは,1か所のマイクロホン位置で10〜15分の測定時間で決
定できる。最大値が給排水設備騒音の音圧レベルより10 dB又はそれ以上小さければ結果は補
正せずに妥当とみなすことができる。
測定時間中の適切な時間幅を選び,時間波形を監視することも,測定対象とするすべてのオ
クターブバンド値の妥当性を調べることに有効である。
9. 測定精度 表2に,再現性に関する標準偏差の推定値を示す。数値は,定常的な音源における最小測
定回数を基礎に推定されている。音源の音圧レベルの変動は,特に最大音圧レベル測定に関しては,測定
の不確かさを増大させる。
表 2 再現性に関する標準偏差
オクターブバンド中心周波数
(Hz)
再現性の標準偏差
(dB)
31.5
63
125
250
500
1 000〜8 000
1.5
1.5
1.5
1.5
1.2
1.0
A特性
0.8(2)
C特性
1.1(2)
注(2) 100〜8 000 Hz帯域において比較的平たんなスペクトル特性をもつ定
常音で,設備機器音圧レベルと暗騒音レベルとの差が少なくとも10
dBの場合に成り立つ。
10. 測定報告 報告書には,次の情報を含める。
a) 測定機関の名称及び住所
b) 測定の依頼機関又は依頼者の名称及び住所
c) 測定年月日
d) 測定はこの規格によったこと
e) 給排水設備騒音の音圧レベル測定を行った室の情報
f)
建物の構造に関する図面
g) 測定対象設備の正確な詳細
h) 附属書Bからの逸脱がある場合は,作動条件及び作動サイクル(例えば,サイクルの時間的長さ)に
関する詳細な情報
9
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i)
給水設備に関しては,
1) 必す(須)
− 水栓の位置
− 給水設備の形状に関する詳細な記述及び作動条件
2) 追加
− 給水圧(冷水及び温水系共)
− タンクへの流量及び給水時間
− 弁又は器具の製造業者名及び連絡先
− 弁又は器具の種類,音の等級及び流量
− 測定中の弁の流量,静圧及び給水圧
− (可能ならば)フラッシュタンクの容積及び給水時間
j)
マイクロホンの位置
k) Leqの周波数重み特性
l)
測定結果(表1に示した記号による表示を行う。)。A特性又はC特性の値に関しては,暗騒音の補正
を行った周波数重み特性のオクターブバンド分析値を記述する。また,A特性値及びC特性値に関し
ては,周波数帯域63〜8 000 Hzの値から算出した値であるか,又は周波数重み特性A若しくは周波数
重み特性Cを通して直接測定した値であるかを記述する。発生音に,聴力上明らかな音色的特徴があ
る場合には,報告書に記載する。
m) 測定した場合は,オクターブバンドの残響時間
n) オクターブバンドの暗騒音
o) 使用器材,認証機関によって最後に検定を受けた日付
p) この測定方法からの逸脱点
q) 関係する規格に関して,最新の更新日付を記述する。
10
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附属書A(規定)A特性及びC特性補正値
附属書A表 1 A特性及びC特性の補正値
31.5 Hz
63 Hz
125 Hz
250 Hz
500 Hz
1 000 Hz
2 000 Hz
4 000 Hz
8 000 Hz
A (dB)
−
−26.2
−16.1
−8.6
−3.2
0
+1.2
+1.0
−1.1
C (dB)
−3.0
−0.8
−0.2
0
0
0
−0.2
−0.8
−3.0
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附属書B(規定)最大音圧レベル及び等価音圧レベル測定における
測定対象機器の作動条件及び作動サイクル
B.1
一般的な原則 この附属書では,建築物に設置されたほとんどの給排水設備に共通する作動条件及
び作動サイクルを示す。これらは,強制法規などがある場合を除いて,この規定を用いる。また,ここに
規定のない給排水設備については,この規格に示した原則に従って測定することができる。選択した作動
条件及び作動サイクルについては詳細に報告する。
B.1.1 最大音圧レベル (Lmax) この附属書におけるLmaxは,本体の表1に示した最大音圧レベルの個々の
測定量に適用される。最大音圧レベル測定における基本原則は,測定下にある給排水設備が測定時間内に
おいて,一般的な実用範囲(自動,手動に関係なく)内で動作していることである。ほぼ定常的な音を発
生する給排水設備については,最大音圧レベルはおよそ30秒の測定時間内で決定される値を測定する。一
方,時間とともに発生音が変化する給排水設備機器に対しては,最大音圧レベルは典型的な作動,例えば,
水栓の開閉の間に測定する。
B.1.2 等価音圧レベル (Leq) この附属書におけるLeqは,本体の表1に示した等価音圧レベルの個々の測
定量に適用される。等価音圧レベル測定における基本原則は,その積分時間が測定下にある設備機器の典
型的な作動サイクルに対応することである。例えば,水栓に関しては,等価音圧レベルは,最も音圧レベ
ルが高くなるハンドル開度に水栓を固定した状態で測定する。
B.2
給排水設備
B.2.1 一般作動条件 水栓を対象とした測定では,通常,水を水栓からシャワー室,浴室(浴槽),又は
流し台内に放出した状態で測定を行う。
参考1. 原国際規格では,シャワーからの水の落下に起因する衝撃音が影響する場合には,落下音が
生じないように衝撃を吸収するなどして排水し,水栓から発生する音を抽出して測定する。
測定においては,すべての機能が標準的な作動状態(給水圧,流量など)にあることが重要である。給
水設備においては,給水栓の状態(開度)を記述する。水栓の給水圧又は流量についての測定及び報告は
任意とする。
参考2. 温水を使用した給水設備の測定では,給湯温度を測定することが望ましい。
通常,給排水設備から発生する音圧レベルの測定は,設備が設置された(音源)部屋ではなく,その周
囲の部屋において行う(例えば,隣接する住居など)。
Lmax:各マイクロホン位置における最大音圧レベルは,B.2.2〜B.2.6に規定するそれぞれの設備の作動条
件及び作動サイクルにおいて測定する。
給水設備における測定は,設備が作動する前に始まり,作動サイクルが完了し,設備が停止するまで行
う。
Leq:水栓における測定は,最も音圧レベルが高くなるハンドル開度に水栓を固定した状態で測定する
(B.2.2等価音圧レベル測定における作動サイクルを参照)。
B.2.2 水栓
a) 作動条件
Lmax及びLeq:
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もし,水栓又は弁の吐出口が可動である場合には,吐出口を流し台などの中央に最も近い位置に配置
する(作動条件の詳細についてはB.2.1参照)。
b) 作動サイクル
1) Lmax:
水栓作動時の最大音圧レベルは,次に示す作動サイクルにおいて連続的に測定し,最大値を求め
る。
1.1) 単水栓:水栓のハンドルを全閉の状態から徐々に全開にし,数秒待って,それからハンドルを徐々
に全閉にする。
1.2) 温水及び冷水流量をそれぞれのハンドルで調節する機構をもつ混合水栓:温水側水栓のハンドル
を全閉の状態から徐々に全開にし,次に冷水側水栓のハンドルを全閉の状態から徐々に全開にす
る。数秒待ってから,温水側水栓のハンドルを全閉にし,次に冷水側水栓のハンドルを全閉にす
る。
1.3) 温水及び冷水流量の混合比率を一つのレバーハンドルで調節する機構をもつ混合水栓:レバーハ
ンドルを水,湯が同量となる(通常の使用温度となる)位置に設定した状態でレバーハンドルを
全開にする。この状態から,レバーハンドルを温度が最低値となる位置まで回転した後,レバー
ハンドルを温度が最高値となる位置まで回転し,次にハンドル開度を全閉にする。
参考 レバーハンドルを水,湯が同量となる位置に設定した場合,温度は一般的に40〜42 ℃程
度になる。
1.4) 流量及び温度それぞれの独立の調節機構をもつ混合水栓:温度調節ダイヤルなどを通常の使用温
度に設定した状態で水栓のハンドルを全閉の状態から徐々に全開にする。その後,温度設定を徐々
に最低値までに下げてから最高値まで上げ,次にハンドル開度を徐々に全閉にする。
参考 ここでは,通常の使用温度を40〜42 ℃程度とする。
1.5) 自動温度調節の混合水栓:温度調節ボタンなどを通常の使用温度に設定した状態で水栓のハンド
ルを全閉の状態から徐々に全開にする。その後,温度設定を徐々に最低値まで下げてから最高値
まで上げ,次にハンドル開度を徐々に全閉にする。
参考 ここでは,通常の使用温度を40〜42 ℃程度とする。
2) Leq:
水栓作動時の等価音圧レベルは,次に示す作動サイクルにおいて音圧レベルが最大となる条件を
設定して測定する。測定時間は約30秒間とする。
2.1) 単水栓:水栓のハンドル開度を調節し,最も音圧レベルが大きくなるハンドル開度を抽出し,設
定する。
2.2) 温水及び冷水流量をそれぞれのハンドルで調節する機構をもつ混合水栓:温水側水栓及び冷水側
水栓の両方のハンドル開度を調節し,最も音圧レベルが大きくなるハンドル開度を抽出し,設定
する。
2.3) 温水及び冷水流量の混合比率を一つのレバーハンドルで調節する機構をもつ混合水栓:レバーハ
ンドルを水,湯が同量となる(通常の使用温度となる)位置に設定した条件,レバーハンドルを
温度が最低値となる位置まで回転した条件,レバーハンドルを温度が最高値となる位置まで回転
した各条件において,レバーハンドル開度を調節し,最も音圧レベルが大きくなるハンドル開度
を抽出する。それぞれの設定において,等価音圧レベルを測定し,この内最も大きいレベルを測
定値とする。
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2.4) 自動温度調節の混合水栓:温度調節ボタンなどを通常の使用温度,最高温度,最低温度に設定し,
それぞれの設定において,水栓のハンドル開度を調節し,最も音圧レベルが大きくなるハンドル
開度を抽出し,設定する。それぞれの作動サイクルにおいて,等価音圧レベルを測定し,この内
最も大きいレベルを測定値とする。
B.2.3 シャワー室
a) 作動条件
Lmax及びLeq:
シャワーを床上の最も高い位置にある壁付け位置に設置し,吐出口を床に向けて放出する(作動条
件の詳細は,B.2.1参照)。
シャワー室の床へのシャワーからの水の落下に起因する衝撃音が影響する場合には,落下音が生じ
ないように衝撃を吸収するなどして排水し,水栓から発生する音だけを抽出して測定する。
b) 作動サイクル
給水時の測定はB.2.2に準じて行う。
シャワーの測定では,測定時間は約30秒間とする。
B.2.4 浴室
a) 作動条件
Lmax及びLeq:
浴室の水栓が浴槽の水を満たすためのノズルとシャワーのためのノズルとの切替え水栓の場合は,
二つの機能は別個とみなし,それぞれの機能において測定を行う。
浴槽の給水時と排水時に発生する音圧レベルを別個に測定する場合は,次に示す作動条件をとる。
給水時の測定は,浴槽の排水栓を閉じ,満水の半分まで水を満たすまでの間に行う(作動条件の詳
細は,B.2.1参照)。
排水時の測定は,水栓を閉じた状態で,排水栓を開け,空になるまでの間に行う。
シャワーの測定では,壁にシャワーの据付器具がなければ,シャワーは浴室(浴槽)の底から約1.5
mの高さに支持する(作動条件の詳細は,B.2.1参照)。また,シャワーの測定は,排水栓を開けたま
まの条件で行う。
浴室の床へのシャワーからの水の落下に起因する衝撃音が影響する場合には,落下音が生じないよ
うに衝撃を吸収するなどして排水し,水栓から発生する音だけを抽出して測定する。
b) 作動サイクル
Lmax及びLeq:
給水時の測定では,浴槽の排水栓を閉じ,満水の半分まで水を満たすまでの間を作動サイクルとす
る(作動サイクルの詳細は,B.2.2参照)。
排水時の測定では,水栓を閉じた状態で,排水栓を開け,空になるまでの間を作動サイクルとする。
B.2.5 流し台
a) 作動条件:
Lmax及びLeq:
排水栓がある流し台において,流し台の給水時と排水時に発生する音圧レベルを別個に測定する場
合は,次に示す作動条件をとる。
給水時の測定は,排水栓を閉じ,満水の半分まで水を満たすまでの間に行う(作動条件の詳細は,
B.2.1参照)。
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排水時の測定は,満水の半分で水栓を閉じた状態で,排水栓を開け,空になるまでの間に行う。
排水栓がない流し台においては,給水時の測定を行う。
参考 ここでいう流し台とは,台所流し台,掃除用流し台,洗面器を指す。
b) 作動サイクル
Lmax及びLeq:
排水栓がある流し台における給水時の測定では,流し台の排水栓を閉じ,満水の半分まで水を満た
すまでの間を作動サイクルとする(作動サイクルの詳細は,B.2.2参照)。
排水時の測定では,水栓を閉じた状態で,排水栓を開け,空になるまでの間を作動サイクルとする。
排水栓がない流し台においては,給水時の30秒間程度を作動サイクルとする。
B.2.6 便所
a) 作動条件
Lmax,Leq及びLE:
便所からの音は,水洗便器から水を流す(排水する)ときの音と,貯水タンクに給水するときに発
生する音からなる。
洗浄弁(フラッシュバルブ)と洗浄貯水タンク(フラッシュタンク)方式では,ともに作動が完了
するまでとする。
洗浄貯水タンク(フラッシュタンク)方式の場合には,音圧レベルは給水弁が全開から全閉まで測
定する(作動条件の詳細は,B.2.1参照)。
b) 作動サイクル
Lmax:
最大音圧レベルの測定は,完全な洗い流しと貯水タンクに給水する作動サイクルにおいて行う。
備考 洗い流し音だけに起因する最大音圧レベルは,ばけつに入れた7 Lの水を3秒以内に直接
便器に流入することで測定可能である。
Leq:
等価音圧レベルの測定は,積分時間を洗い流しと貯水タンクへの給水における一連の作動サイクル
において行う。
備考 水洗便器については,等価音圧レベルの測定とともに,B.2.6に準拠した方法でA特性最
大音圧レベルの測定も行うべきである。
LE:
単発暴露音圧レベルの測定は,洗い流しと貯水タンクへの給水における一連の作動サイクルにおい
て行う。
参考 水洗便器の作動による発生音は,洗浄音,給水音及び排水音に分けられる。特に洗浄音に
関しては,ボールタップ又はフラッシュバルブを用いた場合には発生音が単発事象とみな
せるため,発生音レベルの最大値より10 dB低いレベル以上を示す時間を測定時間として
単発暴露音圧レベルを測定することを加えた。
B.3
ポンプ
a) 作動条件 流量,温度など通常使用する条件において機器を作動する。
b) 作動サイクル
Lmax及びLeq:
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発停スイッチによって,又は自動制御によって発停を行う場合,また,回転数制御を行う場合は,
起動から停止までの間を作動サイクルとする。ただし,定常的な作動が長時間継続する場合には,起
動,定常作動,停止の3サイクルに分け,それぞれのサイクルごとに測定を実施する。
なお,この場合の定常作動では,30秒間程度を作動サイクルとする。
B.4
給湯器
a) 作動条件 給湯器は,最大燃焼となるように作動する。
給湯栓の開閉によって発停する給湯器の場合は,燃焼及び流量が最大となるように,接続されてい
る給湯栓のハンドル開度を調節する。複数の給湯栓が接続されているシステムにおいては,燃焼を最
大にするために複数の給湯栓を開ける必要がある場合には,必要数だけハンドル開度を調節する。
制御盤(リモコンスイッチ)による自動制御の給湯器の場合は,温度設定を最大にして極力燃焼が
行われるようにする。
制御盤(リモコンスイッチ)による自動制御の浴槽用給湯器で,追いた(焚)きモードが併設され
ている場合には,給湯モード,追いたきモードともに温度設定を最大にして極力燃焼が行われるよう
にする。
b) 作動サイクル
Lmax及びLeq:
給湯栓の開閉によって発停する給湯器の場合は,給湯栓を開き,調節し,最大燃焼となった状態に
おいて,30秒間程度を作動サイクルとする。制御盤(リモコンスイッチ)による自動制御の場合は,
起動し定常燃焼となった状態において,30秒間程度を作動サイクルとする。また,浴槽用の給湯器で,
追いたきモードが併設されている場合は,給湯モードと追いたきモードの両運転に分け,それぞれに
おいて起動し定常燃焼となった状態において,30秒間程度を作動サイクルとする。
B.5
気泡浴槽
a) 作動条件 気泡浴槽は,気泡を噴出する機能のほか,一般の浴槽としての機能がある。ここでは,浴
槽に水を75 %程度の高さまで満たした状態において,気泡を噴出した条件を対象として測定を行う。
b) 作動サイクル
Lmax及びLeq:
発停スイッチによって気泡浴槽の起動,停止を行う制御の場合は,起動し定常状態になった後,30
秒間程度を作動サイクルとする。また,制御盤(リモコンスイッチ)による自動制御の場合は,運転
モードごとに起動(スイッチ投入)し定常状態になった後,30秒間程度を作動サイクルとする。
参考 気泡浴槽は,空気だけを浴槽内に噴射する方式,空気を誘引して水を噴出する方式,それら二
つの方式を兼ね備えたものなど多くの種類がある。それらを組み合わせたモード,空気噴出量
を変えるモードなど運転モードも様々である。それぞれの発生音・振動は異なることが想定さ
れるため,それぞれの運転モードごとに測定を行うこととした。
B.6
ディスポーザ
a) 作動条件
Lmax及びLeq:
模擬ちゅうかい(厨芥)による作動条件を規定する。この模擬ちゅうかいは,直径30〜50 mm程度
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のほぼ球体状の氷とし,一回の投入量は約150 gとする。模擬ちゅうかいをディスポーザに投入し,
機器の稼動と同時に製造業者が推奨する吐水量で給水を開始し,模擬ちゅうかいを完全に搬出する。
b) 作動サイクル
Lmax及びLeq:
機器を稼動してから,模擬ちゅうかいが完全に搬出されるまでを作動サイクルとする。
B.7
浄化槽
a) 作動条件 標準の作動条件において機器を作動する。
b) 作動サイクル
Lmax及びLeq:
ブロアの起動から停止までの間を作動サイクルとする。ただし,定常的な作動が長時間継続する場
合には,起動,定常作動,停止の3サイクルに分け,それぞれのサイクルごとに測定を実施する。
なお,この場合の定常作動では,30秒間程度を作動サイクルとする。
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附属書1(参考)隅角部及び拡散音場に設定した測定点による
音圧レベルの測定方法
この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
なお,この附属書は原国際規格に規定している内容を,附属書(参考)としたものである。
1. 適用範囲 この附属書は,この規格の本体で規定されていない隅角部及び拡散音場に設定した測定点
による室内平均音圧レベルの測定方法について記述する。
2. 引用規格 本体と同じ
3. 隅角部のマイクロホン設置位置の選定 室内の隅角部においてC特性等価音圧レベルLCeqが最大であ
る位置を抽出し,これを隅角部の受音点位置(位置1)とする。この受音点位置の選定においては,時間
重み特性を“S”又は“F”で,最大音圧レベルを測定する。これによって得られた計測量は,いかなる補
正も施さないで,最終結果の一つとなる。この測定は,本体の6.1で規定している作動条件及び作動サイ
クルにおいて行う。
隅角部におけるマイクロホン位置は,壁から0.5 m,床上0.5 m離れた位置にとる。もし隅角部に家具又
は障害物がある場合には,床上からの高さは1 mまで,必要であれば床上1.5 mまでは許容する。このマ
イクロホン位置は,すべての隅角部で同じ高さとする。もし必要であれば,マイクロホンの設置に邪魔に
なる突起物は撤去する。マイクロホン位置は障害物から少なくとも0.2 m以上離す。隅角部における音圧
レベルが室内にある音源−例えば,空調の吹出し口−からの直接音の影響を受ける場合には,この隅角部
は除外する。
隅角部の位置の選定では,C特性音圧レベルは携帯形の積分形騒音計によって測定してよい。すなわち,
C特性音圧レベルは,オクターブバンド音圧レベルからの計算によらなくてもよい。この隅角部の位置の
選定は,この規格によるすべての測定の中で,最初に実施する。
4. 拡散音場におけるマイクロホン位置の選定 拡散音場とみなされる室内の位置(位置2及び位置3)
を選定する。位置1(隅角部の位置),位置2及び位置3の各マイクロホン間距離は少なくとも1.5 m以上
とする。室内に音源がある場合,位置2及び位置3の点はその音源から1.5 m以上離す。位置2及び位置
3の点はすべての室内表面から0.75 m以上離す。この要求が満たされないような小さな部屋では,距離は
0.5 mまで許容する。床からの高さは0.5 m〜1.5 mまでとする。
5. 各マイクロホン位置における測定回数の決定
5.1
A特性等価音圧レベルの測定 隅角部において,A特性等価音圧レベルLAeqを測定する。この測定
は,本体の6.1の規定による作動条件及び作動サイクルにおいて行う(3.の隅角部の選定と同様に,携帯
形の積分形騒音計で測定してよい。)。測定を2回実施し,この二つの測定結果が等しいか,又は差が1.0 dB
以下の場合には,マイクロホン位置1,2,3における測定は1回でよい。もし差が1.0 dBを超える場合に
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は,それぞれのマイクロホン位置での測定回数は,差のdB値(整数位に切り上げた値)と等しい数字の
回数とする(例えば,切り上げた数字が3 dBの場合には,それぞれの位置の測定回数は3回となる。)。
5.2
最大音圧レベルの測定 最大音圧レベルを計測する場合は,5.1と同様の手順でA特性最大音圧レベ
ルを測定し,各マイクロホン位置での測定回数を決定する。この測定は,本体の6.1の規定による作動条
件及び作動サイクルにおいて行う。ただし,特に音の継続時間が短いときは,最大音圧レベルの代わりに
単発暴露音圧レベルLAEを測定して,各マイクロホン位置の測定回数を決めてもよい。
6. 音圧レベルの平均方法 附属書Bの規定による作動条件及び作動サイクルにおいて,マイクロホン位
置3か所における(周波数重み特性のない)オクターブバンド音圧レベルを5.によって決定した測定回数
測定する。次に,すべてのバンドにおいて測定回数分の本体の3.2で定義する平均音圧レベルを計算する。
また,本体の6.5の規定に従い暗騒音の補正を行ったマイクロホン位置3か所におけるオクターブバンド
音圧レベルの平均音圧レベルを計算する。オクターブバンド音圧レベルは,小数点以下1けたに丸める。
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附属書2(規定)残響時間の測定方法及び基準音源を用いた
等価吸音面積レベルの測定方法
1. 適用範囲 この附属書は,本体の7.に規定する残響時間の測定方法とは別の方法について記載する。
また,オクターブバンド音圧レベルの標準化及び規準化に必要となる受音室の等価吸音面積のレベル表示
値を基準音源を用いて測定する方法を示す。
2. 定義 この附属書で用いる主な用語の定義は,本体によるほか,次による。
2.1
基準音源 JIS A 1417の附属書1の1.3に規定する要件を満たす音源で,本体の3.3及び3.4に規定
する測定周波数帯域ごとの音響パワーレベルが校正されているもの。
備考 基準音源の音響パワーレベルの校正はJIS Z 8732,JIS Z 8734又はJIS Z 8736-1に規定されて
いる精密級の測定方法によって行う。音響パワーレベルの校正は定期的に行う必要がある。
2.2
等価吸音面積レベル
abs
L:室の等価吸音面積の基準の面積に対する比の常用対数の10倍で,次の式
で表される。単位は,デシベル (dB)。
0
10
abs
log
10
a
A
L
=
······································································ (1)
ここに,
A: 等価吸音面積 (m2)
0a: 基準の面積 (1 m2)
3. 残響時間の測定方法
a) 室内の1点に音源スピーカを設置し,室内に均等な分布となるように3点以上の測定点を設ける。す
べての測定点は,音源スピーカ,壁などの室の境界面から1 m以上離す。
b) ISO 3382に規定するノイズ断続法 (interrupted noise method) 又はインパルス応答積分法 (integrated
impulse response method) によって,オクターブバンドごとに残響減衰曲線を求める。測定周波数帯域
ごとの測定回数は,ノイズ断続法による場合は各測定点において3回以上とする。
c) 測定された残響減衰曲線の傾きから残響時間を読み取る。そのとき,残響減衰曲線の初期レベルに対
して−5 dBから少なくとも−25 dBまでの減衰に最小2乗法による直線回帰などの手法を適用して残
響時間を求める。
4. 等価吸音面積レベルの測定方法
4.1
一般事項 本体の規定による測定に合わせて,オクターブバンド又は1/3オクターブバンドごとに,
受音室内で基準音源を作動させたときの室内平均音圧レベルを次の方法で測定する。
4.2
基準音源の設置 全指向性をもつ基準音源を使用する場合には,受音室内で壁・床・天井などの面,
家具などの反射物から1 m以上離れた位置に設置する。床置形の基準音源を使用する場合には,壁,家具
などの反射物から1 m以上離して床上に設置する。
4.3
室内平均音圧レベルの測定 次に示すいずれかの方法によって,基準音源を作動させたときの受音
室内の室内平均音圧レベルを測定する。
a) 固定マイクロホン法による場合 基準音源から1 m以上離れ,室境界から0.5 m以上離れた空間内に,
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A 1429:2007
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互いに0.7 m以上離れた5点以上の測定点を空間的に均一に分布させる。
b) 移動マイクロホン法による場合 0.7 m以上の回転半径をもつマイクロホン移動装置を用いて測定を
行う。その場合,基準音源から1 m以上離れ,かつ,室境界から0.5 m以上離れた空間内で連続的に
回転させる。その回転面は,床面に対して傾斜させ,また,各壁面に対しても10°以上の角度となる
ようにする。回転周期は15秒以上とする。
4.3.1
平均化時間
a) 固定マイクロホン法による場合 各マイクロホン設置位置における音圧レベルの平均化時間は,オク
ターブバンド中心周波数が250 Hz以下の周波数帯域では3秒以上,500 Hz以上の周波数帯域では2
秒以上とし,その間の等価音圧レベルを測定する。
b) 移動マイクロホン法による場合 平均化時間は,マイクロホン移動装置の周期以上,かつ,30秒以上
とし,回転周期の整数倍とする。
備考 この方法による場合,必ず積分平均機能を備えた騒音計を用いて平均化時間における等価音圧
レベルを測定する。
4.4
測定周波数範囲 本体の3.3及び3.4による。
4.5
等価吸音面積レベルの算出
a) 固定マイクロホン法による場合 測定周波数帯域ごとに,すべての測定点において測定された音圧レ
ベルのエネルギー平均値 (L) を,次の式によって算出する。
=
∑
=
n
1
i
10
/
10
i
10
n
1
log
10
L
L
··························································· (2)
ここに,
iL: i番目の固定測定点における音圧レベルの測定値 (dB)
n: 固定測定点の数
算出された室内平均音圧レベル (L) と基準音源の音響パワーレベルの校正値 (
W
L) とから,測定
周波数帯域ごとに,次の式によって等価吸音面積レベル (
abs
L) を算出する。
6
8
1
log
10
r
10
W
abs
+
×
+
−
−
=
V
S
L
L
L
λ
·············································· (3)
ここに,
rS: 受音室の室内総表面積 (m2)
λ: 測定周波数帯域の中心周波数の音の波長 (m)
V: 受音室の容積 (m3)
b) 移動マイクロホン法による場合 マイクロホンを移動することによって測定された室内平均音圧レベ
ル (L) と基準音源の音響パワーレベルの校正値 (
W
L) とから,測定周波数帯域ごとに,式(3)によっ
て等価吸音面積レベル (
abs
L) を算出する。
備考 等価吸音面積レベルは,小数点以下2けた目をJIS Z 8401によって丸め,小数点以下1けたま
で表す。
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5. 標準化音圧レベルの算出 本体の6.に規定する方法で求められた音圧レベルとこの附属書の5.に示す
方法で求めた等価吸音面積レベル (
abs
L) とから,次の式によって標準化音圧レベル (
nT
L) を算出する。
単位は,デシベル (dB)。
0
10
abs
nT
32
.0
log
10
V
V
L
L
L
−
+
=
······················································· (4)
ここに,
V: 受音室の容積 (m3)
0
V: 基準の容積 (1 m3)
6. 規準化音圧レベルの算出 本体の6.に規定する方法で求められた音圧レベルとこの附属書の5.に示す
方法で求めた等価吸音面積レベル (
abs
L) とから,次の式によって規準化音圧レベル (
n
L) を算出する。
単位は,デシベル (dB)。
10
abs
n
−
+
=
L
L
L
······································································· (5)
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附属書3(参考)JISと対応する国際規格との対比表
JIS A 1429:2007,建築物の現場における給排水設備騒音の測定方法
ISO 16032:2004,音響−建築設備機器からの音圧レベルの測定
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体及び附属書
表示方法:側線又は点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術
的差異の理由及び今後の対策
項目番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
1.適用範
囲
対象:給排水設備(水栓,シ
ャワー室,浴室,流し台,便
所,ポンプ,給湯器,気泡浴
槽,ディスポーザ及び浄化
槽)
1
対象:衛生設備,機械式換
気設備,加熱・冷却装置,
昇降機,ごみ落下装置,ボ
イラー,送風機,ポンプと
他の補助装置,電動機駆動
の駐車場扉,その他の建築
設備機器
MOD/削除
MOD/追加
JISでは,ISO規格に規定
された設備のうち,給排水
設備に絞った。
JISでは,給湯器,気泡浴
槽,ディスポーザ及び浄化
槽を追加した。
JISは,建築物の現場における
給排水設備騒音の測定方法を
規定したため。
我が国で普及している機器も
対象とし,追加した。
測定:A特性最大音圧レベ
ル,C特性最大音圧レベル
(追補)及び等価音圧レベル
JISと同じ
IDT
2.引用規
格
JIS A 1417
JIS C 1509-1
JIS C 1514
JIS C 1515
JIS Z 8401
JIS Z 8732
JIS Z 8734
JIS Z 8736-1
ISO 3382
IEC 61672-1
IEC 61260
IEC 60942
ISO 3382
IEC 61672-2
MOD/追加
IDT
IDT
IDT
MOD/追加
MOD/追加
MOD/追加
MOD/追加
IDT
MOD/削除
JISとして必要なため追
加。
JISとして必要なため追
加。
技術的差異はない。
2
2
A
1
4
2
9
:
2
0
0
7
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体及び附属書
表示方法:側線又は点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術
的差異の理由及び今後の対策
項目番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
3. 定義
3.1 音圧レベル
3.1
JISと同じ
IDT
3.2 平均音圧レベル
3.2
JISと同じ
IDT
3.3 A特性音圧レベル
3.3
JISとほぼ同じ
MOD/追加
JISでは周波数重み特性A
を通した値もA特性音圧
レベルとした。
我が国では,広く周波数重み
特性A(C)を通した値もA(C)
特性音圧レベルとして用いら
れてきた。過去のデータと比
較検討を容易にするために,
この規格では,特に規準化又
は標準化を必要としない場合
は,この値も参考として追加
した。
3.4 C特性音圧レベル
3.4
JISとほぼ同じ
MOD/追加
JISでは周波数重み特性C
を通した値もC特性音圧
レベルとした。
3.5 単発暴露音圧レベル
3.5
JISと同じ
IDT
3.6 機器音圧レベル
3.6
JISと同じ
IDT
3.7 残響時間
3.7
JISと同じ
IDT
3.8 標準化,規準化音圧レベ
ル
3.8
JISとほぼ同じ
MOD/追加
備考を追加
規格使用者の利便を考慮し,
追加。
4. 測定器
4
JISと同じ
IDT
5.試験方
法
5
JISとほぼ同じ
MOD/追加
JISでは周波数重み特性
A(C)を通した値もA(C)特
性音圧レベルとした。
3.定義の理由を参照
6.測定手
順
6.1 一般事項
6.1
JISとほぼ同じ
MOD/変更
附属書1の内容を参照
本体6.1の参考を参照
6.2 室内均等に分布する測
定点の設置方法
6.2
隅角部のマイクロホン設
置位置の選定
MOD/変更
JISでは,室内均等に分布
する測定点又は移動測定
点による音圧レベルの測
定方法を規定した。ISO規
定部分は附属書1に参考
として示した。
我が国では,室内の騒音を評
価する場合,以前から空間的
に均等に配置された3〜5点の
箇所において測定される方法
が広く用いられている。そこ
で,この方法を規定した。
6.3
拡散音場におけるマイク
ロホン設置位置の選定
2
3
A
1
4
2
9
:
2
0
0
7
24
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体及び附属書
表示方法:側線又は点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術
的差異の理由及び今後の対策
項目番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
6.測定手
順(続き)
6.3 音圧レベルの測定方法
6.4
各マイクロホン位置にお
ける測定回数の決定
MOD/変更
附属書1の内容を参照
本体6.1の参考を参照
6.4 音圧レベルの室内平均
値の算出方法
6.5
音圧レベルの平均方法
MOD/変更
附属書1の内容を参照
本体6.1の参考を参照
6.5 暗騒音の補正
6.6
JISと同じ
IDT
6.6 オクターブバンド音圧
レベルの標準化又は規準化
6.7
JISとほぼ同じ
MOD/追加
備考を追加
規格使用者の利便を考慮し,
追加。
6.7 A特性及びC特性値の
算出
6.8
JISと同じ
IDT
6.8 部屋の中に存在する音
源(追加の測定)
6.9
JISと同じ
IDT
7.残響時
間又は等
価吸音面
積の測定
7
JISとほぼ同じ
MOD/追加
備考を追加
附属書2の内容を記載
規格使用者の利便を考慮し,
追加。
8.暗騒音
の補正
8
JISと同じ
IDT
9. 測定精
度
9
JISと同じ
IDT
10. 測定
報告
10
JISとほぼ同じ
MOD/追加
周波数重み特性A(C)を通
した値も記載できる。
3.定義の理由を参照
附属書A
(規定)
A特性及びC特性補正値
附属書
A
JISと同じ
IDT
2
4
A
1
4
2
9
:
2
0
0
7
25
A 1429:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体及び附属書
表示方法:側線又は点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術
的差異の理由及び今後の対策
項目番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
附属書B
(規定)
最大音圧レベル及び等価音
圧レベル測定における測定
対象機器の作動条件及び作
動サイクル
附属書
B
一般的な原則及び給排水
設備のうち,水栓,シャワ
ー室及び便所は,IDTだ
が,浴室,流し台及びポン
プを変更した。
また,給湯器,気泡浴槽,
ディスポーザ及び浄化槽
をJISでは追加した。
我が国における機器の使用状
況をかんがみ,変更した。
B.1一般的な原則
B.1
一般的な原則
IDT
B.2給排水設備(水栓,シャ
ワー室,浴室,流し台,便所)
B.2
衛生設備(水栓,シャワー
室,浴槽,浴槽・シンクへ
の給水・排水,便器)
MOD/変更
B.3ポンプ
B.7
ボイラー,送風機,ポンプ,
他の補助装置
MOD/変更
B.4給湯器
MOD/追加
B.5気泡浴槽
B.6ディスポーザ
B.7浄化槽
B.3
機械式換気設備
MOD/削除
B.4
加熱・冷却装置
B.5
昇降機
B.6
ごみ落下装置
B.8
電動機駆動の駐車場扉
B.9
その他の建築設備機器
附属書1
(参考)
隅角部及び拡散音場に設定
した測定点による音圧レベ
ルの測定方法
ISO規格は本体で規定。
MOD/変更
2
5
A
1
4
2
9
:
2
0
0
7
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A 1429:2007
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ) JISの規定
(Ⅱ) 国際
規格番号
(Ⅲ) 国際規格の規定
(Ⅳ) JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体及び附属書
表示方法:側線又は点線の下線
(Ⅴ) JISと国際規格との技術
的差異の理由及び今後の対策
項目番号
内容
項目
番号
内容
項目ごと
の評価
技術的差異の内容
附属書2
(規定)
残響時間の測定方法及び基
準音源を用いた等価吸音面
積レベルの測定方法
−
ISO規格には規定がない。 MOD/追加
JISでは,残響時間の測定
方法及び基準音源を用い
た等価吸音面積レベルの
測定方法を規定として追
加した。
ISO規格では,標準化音圧レ
ベルと規準化音圧レベルを算
出するために必要な残響時間
の測定をISO 3382に準拠する
ことを記述しているが,その
具体的な方法を追加規定する
とともに,基準音源を用いた
等価吸音面積レベルの測定方
法及びその測定結果から標準
化音圧レベル及び規準化音圧
レベルを算出する方法を追加
規定した。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
− IDT ················ 技術的差異がない。
− MOD/削除 ······· 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− MOD/追加 ······· 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− MOD/変更 ······· 国際規格の規定内容を変更している。
2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。
− MOD ·············· 国際規格を修正している。
2
6
A
1
4
2
9
:
2
0
0
7