A 1424-1:2015
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語,定義及び記号 ·········································································································· 2
4 原理······························································································································· 3
5 試験装置························································································································· 3
5.1 試験装置の基本構成 ······································································································· 3
5.2 試験室 ························································································································· 3
5.3 試験室内の暗騒音 ·········································································································· 4
5.4 音響放射壁 ··················································································································· 4
5.5 測定用給水管 ················································································································ 4
5.6 供試給水器具の接続 ······································································································· 5
5.7 給水装置 ······················································································································ 5
5.8 試験装置の安定性及び測定状態の確認のための装置 ······························································ 5
5.9 試験装置の自己雑音の測定 ······························································································ 6
6 測定装置························································································································· 6
6.1 測定器 ························································································································· 6
6.2 給水圧及び流量測定計器 ································································································· 7
7 INSの構造及び用途 ·········································································································· 7
7.1 構造 ···························································································································· 7
7.2 用途 ···························································································································· 9
8 測定手順及び計算 ············································································································ 10
8.1 一般事項 ····················································································································· 10
8.2 測定方法及び計算 ········································································································· 10
8.3 給水器具発生音レベルLapの算出 ····················································································· 11
9 測定精度························································································································ 12
10 結果の表示 ··················································································································· 12
11 試験報告書 ··················································································································· 13
附属書A(参考)給水システム内残留空気を放出するための手順(試験給水管,一対の分岐管など) ·· 14
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 16
附属書JB(参考)技術上重要な事項に関する新旧対照表 ···························································· 18
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人建材
試験センター(JTCCM)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規
格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規
格である。これによって,JIS A 1424-1:2008は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS A 1424の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS A 1424-1 第1部:試験装置及び測定方法
JIS A 1424-2 第2部:給水栓及び混合水栓の取付け方法並びに作動条件
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日本工業規格 JIS
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給水器具発生音の実験室測定方法−
第1部:試験装置及び測定方法
Method for laboratory tests on noise emission from appliances and
equipments used in water supply installations
序文
この規格は,1999年に第3版として発行されたISO 3822-1及びAmendment 1:2008を基とし,規格利用
者の利便性の向上を図るため技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。ただし,追補
(Amendment)については,編集し,一体とした。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。また,技術上重要な改正に関する旧規格との対照を附属書
JBに示す。
1
適用範囲
この規格は,給水設備に使われる給水器具の中を流れる水流によって発生した音・振動が管路を伝搬し
て,管路から建物く(躯)体・仕上などに伝搬し,室内に放射される音を実験室において測定する方法に
ついて規定する。
対象とする器具には,給水栓,配管路途中に取り付ける弁並びに給湯器具及び装置を含む(以下,給水
器具という。)。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 3822-1:1999,Acoustics−Laboratory tests on noise emission from appliances and equipment used
in water supply installations−Part 1: Method of measurement及びAmendment 1:2008(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 1424-2 給水器具発生音の実験室測定方法−第2部:給水栓及び混合水栓の取付け方法並びに作
動条件
注記 対応国際規格:ISO 3822-2,Acoustics−Laboratory tests on noise emission from appliances and
equipment used in water supply installations−Part 2: Mounting and operating conditions for
draw-off taps and mixing valves(MOD)
JIS B 0202 管用平行ねじ
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JIS B 0203 管用テーパねじ
注記 対応国際規格:ISO 7-1,Pipe threads where pressure-tight joints are made on the threads−Part 1:
Dimensions, tolerances and designation(MOD)
JIS B 0401-2 寸法公差及びはめあいの方式−第2部:穴及び軸の公差等級並びに寸法許容差の表
JIS B 0601 製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメ
ータ
JIS B 2301 ねじ込み式可鍛鋳鉄製管継手
注記 対応国際規格:ISO 49,Malleable cast iron fittings threaded to ISO 7-1(MOD)
JIS B 2401-1 Oリング−第1部:Oリング
JIS C 1509-1 電気音響−サウンドレベルメータ(騒音計)−第1部:仕様
JIS C 1513 音響・振動用オクターブ及び1/3オクターブバンド分析器
JIS G 3452 配管用炭素鋼鋼管
JIS Z 8106 音響用語
JIS Z 8401 数値の丸め方
3
用語,定義及び記号
この規格で用いる主な用語,定義及び記号は,JIS Z 8106によるほか,次による。
3.1
オクターブバンド音圧レベル(octave band sound pressure level)
オクターブの周波数バンドにおける重み付けをしない音圧レベル(dB)。
3.2
A特性音圧レベル(A-weighted sound pressure level)
JIS C 1509-1に規定されるA特性の周波数重み付けをした音圧レベル(dB)。
3.3
オクターブバンドごとの給水器具発生音レベル(appliance sound pressure level for octave bands),Lapn
給水器具による発生音のオクターブバンド音圧レベル(dB)。式(1)で定義される。
(
)
srn
sn
n
apn
L
L
L
L
−
−
=
·································································· (1)
ここに, Lapn: 給水器具による発生音のオクターブバンドnにおける音圧レ
ベル(dB)
Ln: 規定の試験条件で給水器具によって試験室内に生じる発生音
のオクターブバンドnにおける音圧レベル(dB)
Lsn: 0.3 MPaの給水圧で標準水流音発生器によって試験室内に生
じる発生音のオクターブバンド音圧レベル(dB)
Lsrn: 0.3 MPaの給水圧で標準水流音発生器によって発生するオク
ターブバンドnにおける音圧レベルの基準値(dB)
3.4
給水器具発生音レベル(appliance sound pressure level),Lap
給水器具による発生音のA特性音圧レベル(dB)。式(2)で定義される。
[
]
=
∑
=
+
6
1
10
)
A
(
10
ap
apn
10
log
10
n
k
L
n
L
······················································ (2)
ここに,
Lap: 給水器具による発生音のA特性音圧レベル(dB)
n: 中心周波数125 Hz〜4 000 Hzのオクターブバンド
3
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k(A)n: 125 Hz〜4 000 Hzの六つの中心周波数についてJIS C 1509-1
に規定するA特性補正値
125 Hz〜4 000 Hzのオクターブバンド中心周波数において,標準水流音発生器の発生音とその基準値と
の音圧レベル差(Lsn−Lsrn)が±2 dB以内で一定であれば,供試給水器具発生音レベルはA特性音圧レベ
ルから直接に式(3)によって求められる。
(
)
sr
s
ap
L
L
L
L
−
−
=
······································································ (3)
ここに,
L: 規定の試験条件で供試給水器具によって生じる発生音による
試験室内のA特性音圧レベル(dB)
Ls: 0.3 MPaの給水圧で標準水流音発生器によって生じる発生音
による試験室内のA特性音圧レベル(dB)
Lsr: 0.3 MPaの給水圧における標準水流音発生器の基準A特性音
圧レベル(dB)
3.5
給水器具発生音の単発暴露音圧レベル(sound exposure level),LE
瞬時音圧の二乗を全測定時間にわたって積分した値を,基準音圧の二乗で除した値の常用対数の10倍で
表した音圧レベルをいい,式(6)によって求められる値(dB)。
4
原理
供試給水器具は,測定用給水管の管末に設置する。測定用給水管は,試験室の音響放射壁に支持金具を
用いて堅固に取り付ける。
供試給水器具によって発生した音は,測定用給水管から音響放射壁に伝えられ,音響放射壁から試験室
内に放射される空気伝搬音を供試給水器具によって生じた発生音として測定する。
さらに,異なった試験装置,実験室及び試験機関間において比較可能な測定結果を得るために,供試給
水器具で生じた発生音を標準水流音発生器(以下,INSという。)による発生音によって基準化する。
5
試験装置
5.1
試験装置の基本構成
試験装置は,音源装置,音響放射壁,試験室及び測定装置から構成する。給水器具発生音試験装置の例
を,図1に示す。
図1−給水器具発生音試験装置例
5.2
試験室
試験室は,次の条件を満たすものとする。
4
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a) 試験室は,30 m3以上の容積をもつものとする。試験室を新設する場合には,約50 m3の容積が推奨さ
れる。
b) 試験室の二つの対向壁面間の内のり寸法は,2.3 m以上とする。
c) 試験室の残響時間は,125 Hz〜4 000 Hzのオクターブバンド中心周波数において1〜5秒とし,周波数
特性はできるだけ平たんであることが望ましい。
d) 試験室内の音場は,できるだけ拡散性が得られるようにする。
5.3
試験室内の暗騒音
屋外の騒音が試験室内へ透過する空気伝搬音,給水装置など他からの固体伝搬音,及び受音装置の自己
雑音の影響も検討しなければならない。
試験室での給水器具発生音のレベルと暗騒音レベルとの差が6 dB以上で15 dB以下の場合には,暗騒音
の影響を除去した給水器具発生音による音圧レベルを式(4)によって求める。その差が6 dBよりも小さい
場合には,この補正を行わず,音圧レベル測定結果を参考値として記録する。
(
)
10
10
10
b
sb
10
10
log
10
L
L
L
−
=
··························································· (4)
ここに,
L: 補正された音圧レベル(dB)
Lsb: 暗騒音の影響を含む供試給水器発生音の音圧レベルの測定値
(dB)
Lb: 暗騒音の音圧レベル(dB)
5.4
音響放射壁
音響放射壁は,8 m2〜12 m2の面積とする。音響放射壁の材質は,コンクリート造又は組積造の一重壁で,
100 kg/m2〜250 kg/m2の面密度をもつものとし,組積造の場合はモルタルで表面を仕上げることが望ましい。
経年変化による剝離などには注意する。
5.5
測定用給水管
測定用給水管は,次のとおりとする。
a) 測定用給水管とは,流量計又は消音装置を出たところから音響放射壁への取付け部を経てINS又は供
試給水器具の取付け用分岐管端に至るまでの図3の⑥に示す給水管をいう。
b) 測定用給水管には,JIS G 3452に規定する管の呼び径25Aの亜鉛めっき配管用炭素鋼鋼管を用いる。
c) 測定用給水管は,試験室の外側で音響放射壁に流れの方向に僅かに上向きに傾斜させ,壁のほぼ全長
にわたって不等間隔に配置した4か所で,緩衝材などを巻くことなく支持金具によって壁のほぼ中央
線上に堅固に取り付ける。測定用給水管の支持方法は,図2を参考とする。測定用給水管と音響放射
壁との間には,支持金具以外で接触するところがないようにし,取付け状態を定期的に検査できるよ
うに設置する。
d) 測定用給水管は,混合水栓のような給水器具が取り付けられるように図3のCに示す二つの吐出口を
もつものとする。二つの吐出口の各分岐の管末には,JIS B 2301に規定する継手を設ける。これらの
継手は,測定用給水管の管末とみなす。これらの継手と音響放射壁の第一固定点の間の測定用給水管
の長さは,2 m〜10 mとする。
e) 測定用給水管の二つの主分岐は,直管部分の長さを700 mmとしJIS G 3452に規定する呼び径25Aの
亜鉛めっき配管用炭素鋼鋼管とする。それらは垂直上向き又は垂直下向きの流れになるように配置す
る。二つの主分岐のすぐ上流に,圧力計を接続するための分岐を設ける。二つの主分岐には,それぞ
れ5.8に示すように,試験装置の安定性及び測定状態の確認のための分岐を備えるものとする。供試
給水器具を取り付ける二つの吐出口は,音響放射壁以外の重量壁に六つの支持金具で剛に固定するも
5
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のとする。この重量壁は,少なくとも厚さ100 mmのコンクリート造で,少なくとも1.5 m×1.8 mの
寸法をもつものとする。それは,建築く(躯)体構造から固体伝搬音の影響がないようにしなければ
ならない。
図2−音響放射壁への測定用給水管の取付け例
5.6
供試給水器具の接続
供試給水器具の測定用給水管への取付けは,JIS A 1424-2による。
流量計は,供試給水器具位置から音響放射壁に固定する前までの測定用給水管との間に取り付ける。ま
た,音響放射壁又は試験室のその他の壁に接してはならない。
5.7
給水装置
給水装置は,供試給水器具が通常使用する範囲の給水圧及び流量において試験ができるものとする。
給水装置の自己雑音は,試験中の測定用給水管中の流水音を含めて,供試給水器具の発生音測定に支障
を生じない程度まで低減しなければならない。
試験に用いる水は,濁り及び浮遊物のない清水とする。また,一般に使用される給水栓を考慮したとき,
給水圧は0.5 MPa,流量は2 L/sの範囲とし,水温は25 ℃を超えてはならない。
5.8
試験装置の安定性及び測定状態の確認のための装置
試験装置の安定性及び測定状態確認のために次の装置を設ける。
a) 給水器具及びINSの交換時に測定用給水管に圧力低下が生じないように止水するために,給水器具及
びINS取付け継手に隣接したところに玉形弁を取り付ける。
b) 測定用給水管洗浄のために給水器具の継手近傍に水抜口を設ける。
c) 二つの供試給水器具及びINS取付吐出口の各主分岐に,試験装置の測定管理のためにINSを取り付け
る。
d) 二つの吐出口でそれぞれ測定したINS発生音のA特性音圧レベルは,1 dB以上違ってはならない。ま
た,オクターブバンド音圧レベルは,2 dB以上違ってはならない。混合水栓のような給水器具につい
ての試験の場合には,二つの吐出口についてのINS発生音レベルの平均値を適用する。
e) 給水装置内に空気だ(溜)まりができないように残留空気を抜く(附属書Aを参照。)。
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単位 mm
注a) 支持金具とロングベンド間の距離。
A: 測定管理用INS取付け管
B: 測定用分岐管を取り付ける独立壁
C: 2系統の測定用分岐管
D: 管中心からの寸法
E: 測定用給水管からの給水管
① C形ユニオン
② ニップル
③ めすおすロングベンド
④ T
⑤ めすおすショートベンド
⑥ 測定用給水管(呼び径25A)
⑦ 支持金具
⑧ 玉形弁(管径25 mm)
⑨ 圧力計の接続
⑩ 径違いT
⑪ ピッチャーT
図3−二つの吐水口及び測定管理用INS接続吐水口
5.9
試験装置の自己雑音の測定
試験装置(給水装置,測定用給水管,給水器具継手)の自己雑音を測定しなければならない。自己雑音
の測定は,給水器具取付位置にJIS A 1424-2の附属書1(流量を校正した低騒音流れ抵抗)に規定する低
騒音流れ抵抗装置を取り付ける。測定は,少なくとも数段階の流速で行うものとする。
試験室内の自己雑音のオクターブバンド音圧レベルは,供試給水器具の発生音のオクターブバンド音圧
レベルよりも少なくとも15 dB以上小さくなるようにしなければならない。
6
測定装置
6.1
測定器
測定器は,次による。
a) 音圧レベル測定器 音圧レベル測定器は,JIS C 1509-1に規定するクラス1のサウンドレベルメータ
(騒音計),又はこれと同等以上の性能をもつものとする。
b) 周波数分析器 周波数分析器は,3.4に規定する周波数を中心周波数とするオクターブバンドの分析機
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能をもち,それぞれのオクターブバンドにおいて,JIS C 1513に規定するフィルタ特性がクラス2の
オクターブバンドフィルタの減衰特性,又はこれと同等以上の性能をもつものとする。
c) 音圧レベル測定器及び周波数分析器 音圧レベル測定器及び周波数分析器は,測定周波数及び測定音
圧レベルの範囲で,総合的に十分な安定性と直線性をもつものとする。
6.2
給水圧及び流量測定計器
給水圧測定計器は,±1 %の精度をもつ圧力計とする。また,流量測定計器は,±2 %の精度をもつ流量
計とするが,流量計の精度は設置条件に大きく依存するので,精度は実際の試験装置に取り付けて確認し
なければならない。
7
INSの構造及び用途
7.1
構造
INSの構造及び寸法は図4に示すものとし,次のa)〜e)の条件を満たすものとする。
a) INS本体(①)のテーパおねじ(R1)及び平行めねじ(Rp3/4)は,JIS B 0203による。
b) 水流音発生部の円板(②)のr6及び胴(③)のH7は,JIS B 0401-2による。
c) 水流音発生部押さえ(④)の平行おねじ(G3/4)の基準山形及び基準寸法は,JIS B 0202による。
d) Oリングは,JIS B 2401-1に規定するVMQ-70の呼び番号P18を用いる。
e) 表面粗さは,JIS B 0601による。
単位 mm
a) 全体
図4−INSの構造
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単位 mm
b) 本体
単位 mm
c) 水流音発生部の円板
d) 水流音発生部の胴
e) 水流音発生部押さえ
図4−INSの構造(続き)
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7.2
用途
供試給水器具によって生じる発生音は,試験装置の総合的物理特性を含んだものであるので,異なった
試験室での測定結果とそのまま比較することはできない。比較を可能にするためには,各試験室における
INSの発生音を供試給水器具の代わりに測定用給水管の管末に取り付けて測定する必要がある。
INSの発生音の測定には,供試給水器具の試験に使うものと同じ吐出口に,図5に示す接続方法の一つ
を用いて取り付ける。
INSの正常な吐水を保持するために,吐水口の排水ノズルに長さ約500 mmのたわみやすいホースを接
続することが望ましい。
INSの0.3 MPaの給水圧におけるオクターブバンド音圧レベルLsrnの基準値を表1に示す。また,基準A
特性音圧レベルLsrは,45 dBである。
表1−0.3 MPaの給水圧におけるINSのオクターブバンド音圧レベル
オクターブバンド中心周波数
Hz
基準オクターブバンド音圧レベルLsrn
dB
125
35
250
39
500
42
1000
42
2000
37
4000
25
a) INSを水平に取り付けた場合
b) INSを垂直に取り付けた場合
図5−INSの取付図
10
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8
測定手順及び計算
8.1
一般事項
8.1.1
試験装置内の空気
試験装置に含まれている空気は,例え少量でも測定結果に重大な影響を与えるため,試験前及び必要な
らば試験中を通して,空気が混入していないことを確認しなければならない。試験装置の空気を抜くため
に必要箇所に空気抜弁を取り付ける。
単水栓のような流入口1か所の給水器具を試験するときには,二つの吐出口の使用しない方を完全に塞
がなければならない。
8.1.2
マイクロホンの位置
必要な測定精度を得るためには,複数位置にマイクロホンを設置して測定する必要がある。これは試験
室における予備測定によって決定する。
なお,マイクロホン設置位置は,試験室の壁面から1 m以上離さなければならない。
8.1.3
供試給水器具の数
評価の目的に給水器具発生音レベルの値を求めるときは,同一型式の製品系列の中から,3体を選定す
る。
8.2
測定方法及び計算
8.2.1
測定条件
供試給水器具のハンドル開度などの設定は,JIS A 1424-2による。
8.2.2
発生音が定常的な場合
供試給水器具の発生音が定常的な場合又はINSの発生音である場合は,対象音のある吐水時間内におけ
る等価音圧レベルを測定する。等価音圧レベルは,式(5)で与えられる。
なお,音圧レベル測定器の時間重み付け特性は,Fとする。
=
=
∫
∫
dt
T
dt
P
t
P
T
L
t
t
t
L
t
t
2
1
2
1
10
)
(
10
2
0
2
10
eq
10
1
log
10
)
(
1
log
10
···························· (5)
ここに,
Leq: 等価音圧レベル(dB)
T: 測定時間(t1〜t2)(s)
P(t): 発生音の瞬時音圧(Pa)
P0: 基準音圧(20 μPa)
L(t): 瞬時音圧レベル(dB)
注記 発生音が定常的な給水器具の例としては,単水栓,混合水栓などの給水栓がある。
8.2.3
発生音が大きく変動する場合
供試給水器具の発生音の変動が大きい場合は,単発暴露音圧レベル,又は吐水時間内における瞬時最大
音圧レベルLF,max及び吐水継続時間を測定する。単発暴露音圧レベルは,式(6)で与えられる。
なお,音圧レベル測定器の時間重み付け特性は,Fとする。
=
=
∫
∫
dt
T
dt
P
t
P
T
L
t
t
t
L
t
t
2
1
2
1
10
)
(
0
2
0
2
0
E
10
1
log
10
)
(
1
log
10
······························· (6)
ここに,
LE: 給水器具発生音の単発暴露音圧レベル(dB)
t1〜t2: 測定時間(瞬時最大音圧レベルより10 dB低いレベル以上の区
間)(s)
T0: 基準時間(1s)
11
A 1424-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
P(t): 発生音の瞬時音圧(Pa)
P0: 基準音圧(20 μPa)
L(t): 瞬時音圧レベル(dB)
注記 作動サイクル中の発生音の変動が大きい給水器具の例としては,ボールタップ,洗浄弁などの
給水栓がある。
8.2.4
試験室内の平均音圧レベルの算出
試験室内のオクターブバンド音圧レベル平均値及びA特性音圧レベルの平均値は,式(7)で与えられる。
=
∑
=
n
i
Li
n
L
1
10
10
10
1
log
10
································································ (7)
ここに,
L: オクターブバンド音圧レベルの平均値又はA特性音圧レベル
の平均値(dB)
Li: 測定点iにおけるオクターブバンド音圧レベル又はA特性音
圧レベル(dB)
n: 測定点の数
8.3
給水器具発生音レベルLapの算出
3.4に示したように,Lapは125 Hz〜4 000 Hzの中心周波数のオクターブバンドで,当該試験装置におけ
る音圧レベル差(Lsn−Lsrn)が±2 dB以内で一定であれば,式(3)を使って平均A特性音圧レベルL及びLs
の測定から算出できる。
上の条件が成り立たない試験装置では,次の方法のいずれかを用いる。
a) オクターブバンド音圧レベルの平均値Ln及びLsnの測定を,125 Hz〜4 000 Hzの中心周波数で順次行
い,Lapを式(2)によって計算する。
b) a)のような順次測定ではなく,調整可能な等価フィルタ(すなわち,オクターブバンド加算フィルタ)
を用いてもよい。このフィルタは,(Lsn−Lsrn)が125 Hz〜4 000 Hzの中心周波数のオクターブバンド
で,±1 dB以内で一定であるように調整し,LapをL及びLsから式(3)を使って計算する。
また,(Lsn−Lsrn)の値が125 Hz〜4 000 Hzの中心周波数のオクターブバンドにおいて±1 dB以内で
あれば,INS発生音のA特性音圧レベルが,Ls=45 dBになるように等価フィルタを調整することに
よって簡易に測定することができる。この場合,供試給水器具のA特性音圧レベルLは,給水器具発
生音レベルLapと等しい。
c) コンピューターを利用して,等価フィルタに対応した数値補正(試験の前又は試験中に決定された
125 Hz〜4 000 Hzのオクターブバンドに対応する数値補正値による。)を行うことができる。
さらに,1/3オクターブバンド分析装置(例えば,実時間分析器)でLnとLsnを測定することが可能
である。この場合,補正(Lsn−Lsrn)及びA特性重み付けk(A)nを適用する前に,測定結果をエネルギ
ー和によってオクターブバンド音圧レベルに合成すれば,オクターブバンド測定と等価な値を得るこ
とが可能である。
1/3オクターブバンド測定結果にA特性重み付けを直接適用すれば,僅かな誤差は生じるがLapの値
を得ることができる。このときの1/3オクターブバンドにおけるINSの基準値は,表2で与えられる。
12
A 1424-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2−0.3 MPaの給水圧におけるINSの1/3オクターブバンド音圧レベルa)
1/3オクターブバンド中心周波数
Hz
基準1/3オクターブバンド音圧レベル
dB
100
28.0
125
30.0
160
31.8
200
33.0
250
34.0
315
35.4
400
36.6
500
37.5
630
37.5
800
37.5
1000
37.5
1250
36.6
1600
34.6
2000
32.0
2500
27.4
3150
23.2
4000
19.0
5000
14.4
注a) A特性音圧レベルが45 dBに等しく,三つの隣接する1/3オクターブ
バンド値のエネルギーベースによる和が,オクターブバンド基準値
を(0.025 dB以内の精度で)与えるという条件で,滑らかな補完(外
挿)特性を用いて,表1に与えられる基準値から計算された。
給水器具発生音レベルLapは,JIS Z 8401によって整数に丸める。
9
測定精度
表3に,オクターブバンドごとの給水器具発生音レベルLapnの再現性に関する標準偏差の推定値を示す。
給水器具発生音レベルLapの再現性に関する標準偏差SRは,0.5 dBとする。発生音が小さい通常の給水器
具は,再現性に関する標準偏差を1.5 dBと大きくすることができる。
表3−再現性の標準偏差,SR
オクターブバンド中心周波数
Hz
再現性の標準偏差,SR
dB
125
1.5
250
1.0
500
1.0
1000
1.0
2000
1.0
4000
1.0
10 結果の表示
試験室の音響特性がINS及び供試給水器具の測定中に変化しなければ,給水器具の発生音は3.4に定義
するように給水器具発生音レベルLapによって表示する。
13
A 1424-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
評価の目的に使われる給水器具発生音レベルの値は,次によって算出する。
a) 三つの供試給水器具の任意の一試料のLapの最大値が,全ての試料のLapの最大値の算術平均から3 dB
以上違わなければ,この平均値を使用する。
b) a)に規定した条件が満たされない場合,全ての試料のLapのうち最大値を使用する。
11 試験報告書
試験報告書には,次の項目について記載する。
a) 試験年月日
b) 測定実施機関の名称及び住所
c) 試験室容積
d) 125 Hz〜4 000 Hzの中心周波数のオクターブバンドにおける試験室の残響時間
e) 音響放射壁の寸法,面密度及び種類
f) Lapの算出方法
g) 供試給水器具と測定用給水管との継手の種類についての詳細
h) 評価目的のためのLapの値及び供試給水器具の三つの試料のそれぞれに対するLap
i)
供試給水器具の名称,製造業者,形式及び品番
j)
測定条件に関する特記事項。給水温度,吐水時間・発生音の継続時間など,その他必要事項。
測定結果を表示するときの図の目盛は,次の規則を適用する。給水器具発生音レベルの周波数特性を図
で示す場合は,横軸に周波数を1オクターブ幅=15 mmにとり,横軸には音圧レベルを10 dB=20 mmに
なるようにとる。
給水器具発生音レベルと給水圧又は流量との関係を図で示す場合は,横軸に試験給水圧又は流量を対数
目盛で10 : 1=50 mmにとり,縦軸には音圧レベルを10 dB=20 mmになるようにとる。
14
A 1424-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A
(参考)
給水システム内残留空気を放出するための手順
(試験給水管,一対の分岐管など)
A.1 INSを取り付けた場合
INSを取り付けた場合の測定は,次による。
a) 一対の右手側分岐管吐水口端部にC形ユニオンのおすを用いて図4に示したINSを取り付ける。
b) ユニオンナットを締める。
c) 給水圧力を約0.3 MPaに調整する。
d) ゆっくりと僅かに,左側分岐管のボールバルブを開き,水が流れ出るようにする。
e) ゆっくりと右分岐管のボールバルブを完全に開く。
f)
ボールバルブが開いている間,右側のユニオンナットを緩める。少しの間ユニオン部分を傾け,管内
の水を流出させる(必要であれば,飛散を防止するためにカバーを設ける。)。
g) 右側のユニオンナットを締めて,左分岐管のボールバルブを閉じる。
h) 給水圧力を約0.5 MPaに調整する。
i)
急激に右分岐管のボールバルブの開閉を繰り返し,ボールバルブを閉じる。
j)
試験給水管に空気抜き管を設け,高い位置で端部を大気開放とする。
k) 給水圧力を0.3 MPaに調整する。
l)
右側のINSのLsn値を測定する。簡易計測によって数回再現性を確かめる。
m) Lsn値に再現性がない場合は,再現性の良い値が得られるまで,この手順を繰り返す。
n) INSを取り外し(ユニオンナットを締める。),もう一方の左側分岐管端にC形ユニオンのおすユニオ
ンを用いてINSを取り付ける。
o) 左側分岐管に取り付けたINSによって同様の手順を繰り返す。
A.2 供試給水器具を取り付けた場合
供試給水器具を取り付けた場合の測定は,次による。
a) 挿入式取付給水器具は,C形ユニオンのめすユニオンを用いて取り付ける。
b) ねじ込み式給水器具の場合,ユニオンの組立てはC形ユニオンのおすユニオンのねじ山部分を分岐管
端に当て,ユニオンナットを手で締め付ける。
c) 給水器具の取付けには,不必要な力が加わらないように一直線上に,そしてどの形式のユニオンでも
手で締め付けられるようにする。
d) 給水器具のアイソレーターを開放した状態で,低騒音流量抵抗を接続しなくとも自由に流量調整がで
きるようにする。
e) ユニオンナットを手で締め付けたままで,給水圧力を約0.3 MPaに調整する。
f)
少しボールバルブを開く。
g) 水を流しながらC形ユニオンナットを締め付ける(交互に)。
h) 水を流しながら給水器具接続部とユニオンを取り付け,完全に締め付ける。
i)
給水圧力を0.5 MPaに調整する。
15
A 1424-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
j)
装置のバルブを繰り返し開閉し,必要ならば急激に開閉し,気泡を追い出す。
k) 給水圧力を0.3 MPaに調整する。
l)
ボールバルブを一部閉じる。
m) 吐水を続けた状態で測定するので,低騒音流れ抵抗を取り付ける。
n) 空気抜き管を設け,高い位置で端部を大気開放とする。
o) Lnを数回測定し,再現性を確かめる。
p) 再現性が得られない場合には,再現性が得られるまで繰り返す(これは,Lnの変化が2 000 Hz及び
4 000 Hzのオクターブバンドで0.5 dBより小さくなる必要がある。)。
16
A 1424-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS A 1424-1:2015 給水器具発生音の実験室測定方法−第1部:試験装置及び測
定方法
ISO 3822-1:1999 Acoustics−Laboratory tests on noise emission from appliances and
equipment used in water supply installations−Part 1: Method of measurement,
Amendment 1:2008
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
3 用語,定
義及び記号
3.5 給水器具発生音の
単発暴露音圧レベル
−
−
追加
JISとして必要な用語を規定した。 この規格で用いる物理量の定義を
追加規定した。
5 試験装置 5.1 試験装置の基本構
成
5
JISとほぼ同じ
変更
図の変更。
技術的差異はないが,理解しやす
いように装置例及び図を変更して
いる。
5.4 音響放射壁
5.4
JISとほぼ同じ
追加
ISO規格ではコンクリート造だけ
が規定されているが,JISでは組積
造を追加している。
JISでは我が国の実情を踏まえて
組積造を追加した。
6 測定装置 6.1 測定器
6.1
JISとほぼ同じ
変更
JISに規定する測定器に変更した。 内容は対応しており,技術的差異
はない。
8 測定手順
及び計算
8.1.3 供試給水器具の
数
8.1
JISとほぼ同じ
変更
JISでは,ISO規格のAnnex C
(normative)に規定しているものを,
この細分箇条で規定した。
技術的差異はない。
8.2 測定方法及び計算
−
−
追加
JISとして必要なため,測定方法を
追加した。
この規格で用いる物理量の定義を
追加規定した。
8.3 給水器具発生音レ
ベルLapの算出
8.2及び
Annex B
JISとほぼ同じ
追加
数値の丸め方を規定した。
内容に関する技術的差異はない。
11 試験報
告書
10
JISとほぼ同じ
追加
i)及びj)を追加した。
規格使用者の利便を考慮し,追加。
−
−
Annex C
供試給水器具の選定
削除
Annex Cを削除した。
国内製品の場合と適合しないため
削除。
2
A
1
4
2
4
-1
:
2
0
1
5
17
A 1424-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 3822-1:1999,Amd. 1:2008,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
2
A
1
4
2
4
-1
:
2
0
1
5
18
A 1424-1:2015
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JB
(参考)
技術上重要な事項に関する新旧対照表
現行規格(JIS A 1424-1:2015)
旧規格(JIS A 1424-1:1998)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
5.3 試験室
内の暗騒音
給水器具発生音レベルと暗騒音レベルとの差が6
dB以上で15 dB以下の場合には,“暗騒音補正”を
行うこととした。また,その差が6 dBより小さい
場合は,補正を行わず測定結果を参考値とすること
とした。
5.3 暗騒
音
試験室の暗騒音のオクターブバンド音圧レベルは,
供試給水器具によって生じるレベルよりも,少なく
とも10 dB以上低くする。差が10 dB以下の場合は
補正する。
他の音響測定規格や関連ISO規
格の内容に整合させた。
5.9 試験装
置の自己雑
音の測定
試験装置から発生する自己雑音が,試験室内で供試
給水器具の発生音より少なくとも15 dB以下となる
ようにしなければならないとした。
5.9 試験
装置の自
己発生音
の測定
試験装置から発生する自己雑音が,試験室内で供試
給水器具の発生音より少なくとも10 dB以下となる
ようにしなければならないとした。
5.3の暗騒音補正の場合に対応
させた。
8.3給水器
具発生音レ
ベルLapの
算出
コンピューターを利用して,等価フィルタに対応し
た数値補正を行うことができるとした。
−
なし
ISO 3822-1:1999の附属書B(参
考)に同内容の記載があるの
で,その内容の主要な部分を本
体に記載した。
9 測定精度 測定値の再現性に関する標準偏差を“測定の不確か
さ”として示した。
−
なし
ISO 3822-1:2008の附属書D(参
考)にある内容の主要な部分を
本体に記載した。
附属書A
(参考)給
水システム
内残留空気
を放出する
ための手順
INSを取り付けたとき及び供試給水器具を設置した
ときの給水システム内残留空気を放出するための
手順を示した。
−
なし
ISO 3822-1:1999の附属書A(参
考)で記載しており,内容から
みて必要なものと判断された
ため,その内容を変更すること
なく,参考として記載した。
2
A
1
4
2
4
-1
:
2
0
1
5