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A 1415:2013  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 試験方法の種類 ················································································································ 2 

5 試験条件························································································································· 2 

5.1 一般条件 ······················································································································ 2 

5.2 試験装置の設置場所 ······································································································· 2 

5.3 計測器の校正 ················································································································ 2 

5.4 ブラックパネル温度計及びブラックスタンダード温度計 ························································ 2 

5.5 放射計 ························································································································· 2 

5.6 試験片 ························································································································· 2 

5.7 暴露ステージ ················································································································ 3 

5.8 水質 ···························································································································· 3 

5.9 放射照度の均一性 ·········································································································· 3 

5.10 試験片の取付け ············································································································ 4 

6 試験方法························································································································· 4 

6.1 キセノンアークランプによる暴露試験方法 ·········································································· 4 

6.2 オープンフレームカーボンアークランプによる暴露試験方法 ·················································· 8 

6.3 紫外線カーボンアークランプによる暴露試験方法 ································································· 9 

7 評価······························································································································ 10 

7.1 一般条件 ····················································································································· 10 

7.2 評価項目 ····················································································································· 11 

7.3 評価方法 ····················································································································· 11 

8 報告事項························································································································ 11 

附属書A(参考)キセノンアークランプに用いるガラス製フィルタの分光透過率 ····························· 12 

附属書B(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表 ······························································ 13 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人建材

試験センター(JTCCM)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規

格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規

格である。 

これによって,JIS A 1415:1999は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

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高分子系建築材料の実験室光源による暴露試験方法 

Methods of exposure to laboratory light sources for  

polymeric material of buildings 

序文 

この規格は,1970年に制定され,その後4回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は1999年に

行われた。今回の改正は,その後の引用規格の改正に伴う試験方法の見直しへ対応するために改正した。

また,技術上重要な改正に関する旧規格との対照を附属書Bに示す。 

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。 

適用範囲 

この規格は,高分子系建築材料でプラスチック及び/又はエラストマーからなる材料を対象とした実験

室光源(キセノンアークランプ,オープンフレームカーボンアークランプ及び紫外線カーボンアークラン

プ)による暴露試験方法について規定する。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7751 紫外線カーボンアーク灯式の耐光性試験機及び耐候性試験機 

JIS K 7100 プラスチック−状態調節及び試験のための標準雰囲気 

JIS K 7350-1 プラスチック−実験室光源による暴露試験方法  第1部:通則 

JIS K 7350-2 プラスチック−実験室光源による暴露試験方法−第2部:キセノンアークランプ 

JIS K 7350-4 プラスチック−実験室光源による暴露試験方法−第4部:オープンフレームカーボン 

アークランプ 

JIS K 7362 プラスチック−アンダーグラス屋外暴露,直接屋外暴露又は実験室光源による暴露後の

色変化及び特性変化の測定方法 

JIS Z 8703 試験場所の標準状態 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

暴露ステージ 

試験片の評価試験を行う中間及び最終の暴露段階。試験時間(h)又は放射露光量(J/m2)で表す。 

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3.2 

保存試験片 

試験に使用する試験片と同一のロットから採取し,未暴露のままで保存する試験片。 

3.3 

比較試験片 

暴露後の試験片の傾向と比較する目的で,試験片と同時に暴露する耐候性レベルが既知である試験片。 

試験方法の種類 

実験室光源による暴露試験方法の種類は,表1による。 

表1−試験方法の種類 

試験方法(光源) 

記号 

概要 

適用試験箇条 

キセノンアークランプ 

WX-A 

直接屋外暴露のシミュレーションによる。 

6.1 

WX-B 

窓ガラスを透過した太陽光のシミュレーションによる。 

オープンフレームカーボ
ンアークランプa) 

WS-A 

直接屋外暴露のシミュレーションによる。 

6.2 

WS-B 

窓ガラスを透過した太陽光のシミュレーションによる。 

紫外線カーボンアークラ
ンプ 

WV-A 

照射及び水噴霧のサイクル試験による。 

6.3 

WV-B 

水噴霧なしの連続照射試験による。 

注a) サンシャインカーボンアークランプともいう。 

試験条件 

5.1 

一般条件 

この規格で規定する試験条件以外の共通事項は,JIS K 7350-1による。 

5.2 

試験装置の設置場所 

試験装置の設置場所は,JIS Z 8703に規定する常温・常湿の状態とする。 

注記 ランプの点灯によってオゾンが発生するおそれのある装置については,換気装置を設けること

が望ましい。 

5.3 

計測器の校正 

使用する計測器は,試験機関などで校正されたものとする。 

5.4 

ブラックパネル温度計及びブラックスタンダード温度計 

ブラックパネル温度計及びブラックスタンダード温度計は,JIS K 7350-1に規定するものを用いる。た

だし,ブラックスタンダード温度計は,金属板の厚さが0.5 mmのものとする。 

注記 ブラックパネル,ブラックスタンダード温度計は,約3か月に1回の頻度で比較用温度計を基

準として指示温度の誤差を確認する。光源に向けて並置し,両者の指示温度を読み取ったとき,

校正用の指示温度に対して測定用の指示は±2 ℃とすることが望ましい。 

5.5 

放射計 

放射計は,JIS K 7350-1に規定するものを用いる。 

注記 放射計によって,常時放射露光量のモニタを行っていない装置では,放射照度及び放射露光量

の校正を行う周期として,3か月に1回程度行うことが望ましい。 

5.6 

試験片 

試験片は,次による。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 試験片の形状及び寸法 試験片の形状及び寸法は,試験片ホルダに確実に取り付けられる形状・寸法

とする。試験片を製品から採取するときは,端部及び周辺部からの採取は避ける。 

b) 試験片の状態調節 試験片の状態調節は,試験前後においての試験の目的に即するようにJIS K 7100

によって行う。 

c) 試験片の数量 試験片の数量は,暴露ステージごとに3個以上とする。ただし,暴露後に引張強さな

どの物性を測定する場合は,必要な数量を追加する。 

d) 比較試験片の取扱い 比較試験片の取扱いは,受渡当事者間の協定によることとし,必要に応じて比

較試験片を同時に,同一条件で試験を行う。 

e) 保存試験片の取扱い 保存試験片は,JIS K 7100に規定する状態の暗室,又は光の入らない容器内に

保存し,光線,温度,湿度,ほこり,ごみなどの影響を避ける。 

5.7 

暴露ステージ 

暴露ステージは,材料が主として使用される地域,部位,暴露を受ける程度,交換補修の難易などを考

慮して,時間(h),又は放射露光量(J/m2)及び/又は分光放射露光量[J/(m2・nm)]の管理によって行う。 

なお,受渡当事者間の協定によって定めてもよい。 

5.8 

水質 

水噴霧に使用する水は,蒸留水又は脱イオン水(電気伝導率5 μS/cm以下)で,全固形分の含有が1 μg/g

未満であり,試験片に汚れ及び付着物を残さないものとする。 

注記1 シリカのレベルは0.2 μg/g未満が望ましい。電気伝導率,全固形分及びシリカレベルを測定

する場合は,JIS K 0101に規定する測定方法を参照する。 

注記2 噴霧圧力0.1 MPaに対してノズル1個当たりで0.53±0.10 L/min(ノズルの総数4個の場合は

2.1±0.10 L/min)又は0.080±0.011 L/min(ノズルの総数2個の場合は0.16±0.010 L/min)の

ものを使用するのがよい。ただし,受渡当事者間の協定によってこれを変えてもよい。 

5.9 

放射照度の均一性 

全ての試験片を均一に照射するため,定期的に試験片を配置替えする。配置替えの例を図1に示す。 

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図1−試験片の配置替え方法例 

5.10 試験片の取付け 

試験片は,試験槽内の試験片ホルダに取り付ける。試験片の取付けは,均一な暴露状態が確実に得られ

るよう暴露領域に空き部分がないように行う。暴露領域に空き部分がある場合は,ダミーの試験片を試験

片ホルダに取り付ける。他の試験片を汚染させる可能性がある場合は,同時に暴露を行ってはならない。 

試験方法 

6.1 

キセノンアークランプによる暴露試験方法 

キセノンアークランプによる暴露試験方法の主な試験条件を表2に示す。試験条件の詳細は,JIS K 

7350-2による。ただし,ブラックパネル温度は,JIS K 7350-2に規定する温度のうち,63±3 ℃の条件と

する。また,相対分光放射照度の分布を表3及び表4に示す。 

注記 各種フィルタの種類による分光透過率の例を,附属書Aに示す。 

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表2−キセノンアークランプによる暴露試験方法の試験条件 

WX-A法 

サイ
クル

No. 

暴露 

サイクルa) 

放射照度b) 

ブラック 

パネル温度c) 

℃ 

槽内温度 

 
 

℃ 

相対湿度d) 

 
 

広帯域 

(300 nm〜400 nm) 

W/m2 

狭帯域 

(340 nm) 

W/(m2・nm) 

102分間照射 

60±2 

0.51±0.02 

63±3 

38±3 

50±10 b) 

18分間照射 

及び水噴霧 

60±2 

0.51±0.02 

− 

− 

− 

102分間照射 

60±2 

0.51±0.02 

63±3 

制御なし 

50±10又は 

制御なし 

18分間照射 

及び水噴霧 

60±2 

0.51±0.02 

− 

− 

− 

WX-B法 

サイ
クル

No. 

暴露 

サイクルa) 

放射照度b) 

ブラック 

パネル温度c) 

℃ 

槽内温度 

 
 

℃ 

相対湿度d) 

 
 

広帯域 

(300 nm〜400 nm) 

W/m2 

狭帯域 

(420 nm) 

W/(m2・nm) 

連続照射 

50±2 

1.10±0.02 

63±3 

38±3 

50±10 b) 

連続照射 

50±2 

1.10±0.02 

63±3 

制御なし 

50±10又は 

制御なし 

注記 ±の範囲は,放射照度,ブラックパネル温度,槽内温度及び相対湿度の平衡状態における設定値からの許容

範囲である。これは,設定値を±の範囲で変更できることを意味しない。 

60±2を例に挙げると,60は設定値で変更することは許されず,±2は制御するときの許容範囲を示すもの

である。 

注a) 受渡当事者間の協定によって,その他のサイクルで実施してもよい。例えば,48分間照射後,12分間照射及

び水噴霧の条件などがある。 

b) 放射照度設定値は,歴史的に用いてきた値であり,この値は,290 nm〜800 nmにおいて550 W/m2に相当す

る。 

c) 受渡当事者間の協定によってその他の温度に変更してもよい。また,受渡当事者間の協定によって,ブラッ

クスタンダード温度によってもよい。この場合,ブラックパネル温度との相関を求めておく必要がある。 

d) 湿度に敏感な材質では,(65±10) %の相対湿度の条件とすることが望ましい。 

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表3−WX-A法の相対分光放射照度の分布a), b) 

分光波長域 

λ:波長(nm) 

最小値c) 

CIE No.85の表4 d), e) 

最大値c) 

λ<290 

− 

− 

0.15 

290≦λ≦320 

2.6 

5.4 

7.9 

320<λ≦360 

28.2 

38.2 

39.8 

360<λ≦400 

54.2 

56.4 

67.5 

注a) この表は,指定の波長域における放射照度を,290 nm〜400 nmの放射照度に対する百分率で示す。相

対分光放射照度の測定は,通常2 nmごとに行う。特殊フィルタを通したキセノンアークランプの相
対分光放射照度を求めるには,250 nm〜400 nmの分光放射照度を測定する。次いで,個々の波長域の
放射照度を集計し,250 nm〜400 nmの放射照度で除す。 

b) この表の最小値及び最大値は,異なる製造ロット及び各種経時変化したデイライトフィルタを通し

た,製造業者の推奨する水冷及び空冷のキセノンアークランプの100以上の分光放射照度分布のデー
タを基にしている(参考文献[4]参照)。さらに,多くの分光放射照度分布が得られれば,許容範囲の
小規模な変更は可能である。最小値及び最大値は,全ての測定値の平均値から3 σ以内である。 

c) 最小値及び最大値の欄は,測定値の最小値及び最大値を記載しているので,合計は必ずしも100 %に

ならない。個々の相対分光放射照度分布の百分率の合計は,この表の波長域で計算すると100 %にな
る。個々のデイライトフィルタを通したキセノンアークランプの放射照度の,各波長域中の計算され
た割合は,この表の最小値と最大値との間に入ることを確認する。許容範囲と異なる相対分光放射照
度分布のキセノンアーク装置での試験結果は,異なることがある。用いたキセノンアークランプ及び
フィルタの相対分光放射照度分布のデータについては,試験装置の製造業者から入手する。 

d) CIE No.85の表4(参考文献[3]参照)の値は,エアマス1.0,標準気圧での大気オゾン含有量0.34 cm,

下降水量1.42 cm及び500 nmでの混濁係数0.1のときにおける水平面全天放射照度である。これらは,
デイライトフィルタを通したキセノンアークランプの目標値である。これらの値を比較のために示
す。 

e) CIE No.85の表4に代表される太陽光について,290 nm〜800 nmの放射照度との百分率で示すと,紫

外放射(290 nm〜400 nm)は11 %で,可視放射(400 nm〜800 nm)は89 %である。キセノンアーク
ランプで暴露される試験片上の紫外放射照度及び可視放射照度の割合は,暴露される試験片の数及び
反射特性によって異なることがある。 

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表4−WX-B法の相対分光放射照度の分布a), b) 

分光波長域 

λ:波長(nm) 

最小値c) 

 
 

CIE No.85の表4の窓ガ
ラスフィルタの影響を加
えた値d), e) 

最大値c) 

 
 

λ<300 

− 

− 

0.29 

300≦λ≦320 

0.1 

1以下 

2.8 

320<λ≦360 

23.8 

33.1 

35.5 

360<λ≦400 

62.4 

66.0 

76.2 

注a) この表は,指定の波長域における放射照度を,290 nm〜400 nmの放射照度に対する百分率で示す。相

対分光放射照度の測定は,通常2 nmごとに行う。特殊フィルタを通したキセノンアークランプの相
対分光放射照度を求めるには,250 nm〜400 nmの分光放射照度を測定する。次いで,個々の波長域の
放射照度を集計し,290 nm〜400 nmの放射照度で除す。 

b) この表の最小値及び最大値は,異なる製造ロット及び各種経時変化したデイライトフィルタを通し

た,製造業者の推奨する水冷及び空冷のキセノンアークランプの30以上の分光放射照度分布のデー
タを基にしている(参考文献[4]参照)。さらに,多くの分光放射照度分布が得られれば,許容範囲の
小規模な変更は可能である。最小値及び最大値は,全ての測定値の平均値から3 σ以内である。 

c) 最小値及び最大値の欄は,測定値の最小値及び最大値を記載しているので,合計は必ずしも100 %に

ならない。個々の相対分光放射照度分布の百分率の合計は,この表の波長域で計算すると100 %にな
る。個々の窓ガラスフィルタを通したキセノンアークランプの放射照度の,各波長域中の計算された
割合は,この表の最小値と最大値との間に入ることを確認する。許容範囲と異なる相対分光放射照度
分布のキセノンアーク装置での試験結果は,異なることがある。用いたキセノンアークランプ及びフ
ィルタの相対分光放射照度分布のデータについては,試験装置の製造業者から入手する。 

d) このデータは,CIE No.85(参考文献[3]参照)の表4に窓ガラスの影響を加えた値である。3 mm厚さ

の窓ガラス(JIS K 5600-7-7参照)の分光透過率データをCIE No.85に乗じている。これらは,窓ガ
ラスフィルタを通したキセノンアークランプの目標値である。これらの値を比較のために示す。 

e) CIE No.85の表4に代表される太陽光について,300 nm〜800 nmの放射照度との百分率で示すと,紫

外放射(300 nm〜400 nm)は9 %で,可視放射(400 nm〜800 nm)は91 %である。キセノンアークラ
ンプで暴露される試験片上の紫外放射照度及び可視放射照度の割合は,暴露される試験片の数及び反
射特性によって異なることがある。 

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6.2 

オープンフレームカーボンアークランプによる暴露試験方法 

オープンフレームカーボンアークランプによる暴露試験の主な試験条件を表5に示す。試験条件の詳細

は,JIS K 7350-4による。ただし,試験に用いるフィルタは,表5に示すものとする。また,特定波長に

おけるガラス製フィルタの分光透過率を表6に示す。 

表5−オープンフレームカーボンアークランプによる暴露試験方法の試験条件 

項目 

暴露試験方法 

WS-A 

WS-B 

カーボンアーク電圧・電流 

交流電圧 許容範囲 48 V〜52 V 
 

設定値 

50±1 V 

交流電流 許容範囲 58 A〜62 A 
 

設定値 

60±1.2 A 

フィルタ 

表6のI形又はII形による。 

表6のIII形による。 

ブラックパネル温度a) 

63±3 ℃ 

相対湿度 

(50±5) %(照射安定時) 

試験片面への水噴霧サイクルb) 

噴霧時間18±0.5分間 
噴霧停止時間102±0.5分間 

水噴霧なし 

照射方法 

連続照射 

注記1 I形のフィルタは,従来から多くの試験で使用されているもので,昼光の立ち上がり波長より

も短い放射のエネルギーを透過させる。II形のフィルタは,通常,昼光には存在しない波長の
放射を吸収する。III形のフィルタは,単層ガラスの紫外線透過特性を示すように作られている。 

注記2 オープンフレームカーボンアークランプのガラス製フィルタは,2 000時間の使用を限度とし,

交換は,例えば,8枚の場合は,2枚ずつを500時間の間隔で交換するとよい。 

注a) 受渡当事者間の協定によって,ブラックスタンダード温度によってもよい。この場合,ブラック

パネル温度との相関を求めておく必要がある。 

b) 受渡当事者間の協定によって,その他のサイクルで実施してもよい。例えば,水噴霧サイクルは,

噴霧時間12±0.5分間後,噴霧停止時間48±0.5分間の条件などがある。 

表6−特定波長におけるガラス製フィルタの分光透過率(使用前) 

I形 

II形 

III形 

波長 

nm 

透過率 

波長 

nm 

透過率 

波長 

nm 

透過率 

255 

1以下 

275 

2以下 

295 

1以下 

302 

71〜86 

320 

65〜80 

320 

40以上 

360以上 

91以上 

400〜700 

90以上 

400〜700 

90以上 

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6.3 

紫外線カーボンアークランプによる暴露試験方法 

6.3.1 

一般事項 

紫外線カーボンアークランプによる暴露試験は,JIS B 7751に規定する試験機を用いて,表7に示す試

験条件によって行う。 

表7−紫外線カーボンアークランプによる暴露試験の試験条件 

項目 

暴露試験方法 

WV-A 

WV-B 

カーボンアーク電圧・電流 

交流電圧 許容範囲 125 V〜145 V 
 

設定値 

(135±2 %) V 

交流電流 許容範囲 

15 A〜17 A 

設定値 

(16±2 %) A 

フィルタ及びその分光透過率 

ガラスグローブ 
275 nmで2 %以下,400 nm〜700 nmで90 %以上 

ランプ 

2灯 

1灯 

試験片面の放射照度a) 

WV-B形の放射照度をもつラン
プ2灯を用いる試験片とランプ
との位置関係は,図2によるa)。 

500±100 W/m2(波長域300 nm〜
700 nm)(アーク中心から,水平
方向に254±1 mmの位置) 

試験片保持装置 

ドラム方式 

ラック方式 

ドラム内径又は枠外径 

ドラム内径 795±10 mm 

枠外径 508±3 mm 

回転速度 

約1 min−1(1 rpm) 

約3 min−1(3 rpm)又は 
1 min−1(1 rpm) 

ブラックパネル温度b) 

63±3 ℃ 

相対湿度 

(50±5) % 

(50±5) %が望ましい。 

試験片面への水噴霧サイクルc) 

102分間照射後,18分間照射及
び水噴霧 

水噴霧なし 

照射方法 

連続照射 

注a) 放射照度は,試験片とランプとの距離を一定にすることによって管理する。 

b) 受渡当事者間の協定によって,その他の温度に変更してもよい。 

c) 受渡当事者間の協定によって,その他のサイクルで実施してもよい。例えば,水噴霧サイクルは

48分間照射後,12分間照射及び水噴霧の条件などがある。 

6.3.2 

試験装置 

6.3.2.1 

発光部 

発光部は,空気密閉のグローブ形のフィルタを用い,カーボン棒電極間のアークによって,380 nm付近

にピークの波長域のある分光分布をもつものとする。フィルタは,2 000時間以内で交換する。カーボンで

は,20時間以上の運転が可能であり,灰分は有心3.0 %以下,無心0.5 %以下とする。 

6.3.2.2 

試験槽 

試験槽は,耐食性金属で構成され,試験片取付け用ドラム又は枠を装備し,温度調節のために試験片面

上を空気を通過させるための装置をもっているものとする。試験片取付け用ドラム又は枠は,光源の中心

軸(WV-A法では,2灯の中心軸間の中心)に沿って回転するものとする。 

6.3.2.3 

温度計 

温度計は,ブラックパネル温度計を用いる。 

6.3.3 

操作 

操作は,次による。 

a) ランプの上部カーボンホルダ及び下部カーボンホルダにカーボンを取り付ける。 

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A 1415:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 汚れ,破損がなく,洗浄されたフィルタを取り付ける。 

c) 測定用ブラックパネル温度計をドラム又は枠に取り付ける。 

d) 紫外線カーボンアークランプでは,グローブの紫外線透過率は最初の100時間位までは急激に低下す

るので短時間の試験では,100時間を経過したものを用いる。使用時間は,2 000時間を超えないよう

にする。発光部が2灯の場合は,交換時期をずらし,1 000時間に1灯交換する。再点灯する場合はグ

ローブを十分冷却するか,又は中の空気を入れ替える。グローブは,破損があってはならない。また,

ガスチェックプレートの密着面に,割れ又は欠けがあってはならない。 

e) タイムスイッチの時間を設定し,運転を開始する。 

f) 

放電電流電圧を表6に示すように調節し,試験機内の温度が安定したとき,ブラックパネル温度計が

63±3 ℃であることを確認する。 

g) WV-A法では,噴霧サイクルを設定し,試料への水噴霧が正常であることを確認する。ただし,受渡

当事者間の協定によって,これと異なったサイクルを用いることができる。 

h) 試験片は,定期的(例えば,カーボン取換え時)にその位置を5.9に従って入れ替え,試験片面に照

射する光エネルギーが均等になるようにする。試験片を入れ替え,取り外すときは,試験片を汚損し

たり,有害な外力を与えないようにする。 

i) 

各製品規格で定める試験時間に達するまで,操作を繰り返す。 

j) 

試験が終了した試験片は,JIS K 7100に規定する状態の暗室又は光の入らない容器内に保存する。 

単位 mm 

図2−WV-A法のランプの位置 

評価 

7.1 

一般条件 

試験片は,必要に応じて適切な方法で清浄にするとともに,JIS K 7100に規定する状態下で状態調節を

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A 1415:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

行う。性能の変化は,必要に応じて保存試験片又は比較試験片と比較して評価する。 

7.2 

評価項目 

試験結果の評価は,各対象材料の製品規格に従って行う。ただし,製品規格に規定がない場合は,次の

項目の中から選び,評価を行う。 

なお,試験の目的が製品規格に定める品質又は性能の評価でない場合には,その一部を省略してもよい。 

a) 形状・寸法変化 

b) 外観変化(色,光沢,光線透過率など) 

c) 物性変化(引張強さ,伸び率など) 

d) その他 

7.3 

評価方法 

劣化の程度を評価するための試験方法について規定のない場合は,JIS K 7362又は受渡当事者間の協定

による。 

報告事項 

次の事項を記載し,報告する。 

a) 試験方法の種類 

b) 装置の名称・形式 

c) 試験片 

1) 名称 

2) 寸法(mm) 

3) 数量 

4) 比較試験片の有無 

5) 受渡当事者間の協定によって定めた内容(例えば,形状,材質,採取・作製方法,比較試験片など

の情報) 

d) 試験条件 

1) 放射照度又は分光放射照度{波長域[W/m2又はW/(m2・nm)]を含むその測定方法} 

2) フィルタの使用条件及び種類 

3) ブラックパネル温度又はブラックスタンダード温度(℃) 

4) 相対湿度(%RH) 

5) 水噴霧の有無及び水噴霧サイクル 

6) 試験片位置及びその入替えの条件 

7) 試験後の試験片処理(水洗など) 

8) 槽内温度制御の有無及び槽内温度を制御したときはその温度(℃) 

9) 受渡当事者間の協定によって定めた試験条件 

e) 評価項目 

f) 

暴露ステージ{試験時間(h),放射露光量(J/m2)及び分光放射露光量[J/(m2・nm)]} 

g) 試験結果(形状・寸法変化,外観変化,物性変化など) 

h) 試験年月日及び期間 

i) 

その他必要事項 

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A 1415:2013  

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附属書A 

(参考) 

キセノンアークランプに用いるガラス製フィルタの分光透過率 

キセノンアークランプに用いるガラス製フィルタの種類による分光透過率の例を,表A.1に示す。 

なお,フィルタは,製造業者の指定する照射時間で交換する。 

注記 キセノンアークランプの装置製造業者は,種々のガラス製フィルタを所有しており,それらを

組み合わせて分光分布を調整している。 

表A.1−各種フィルタの種類による分光透過率の一例a)(使用前) 

フィルタの種類 

分光透過率 % 

注記 

275 nm 

300 nm 

320 nm 

400 nm 

700 nm 

1 000 nm 

石英ガラス 

90以上 

90以上 

90以上 

90以上 

90以上 

90以上 

内側フィルタ 

紫外線遮断用ガラ
ス製フィルタ(I) 

2以下 

35以上 

75以上 

90以上 

90以上 

90以上 

外側フィルタ 
(石英ガラスと組み合わ
せて屋外太陽光を模擬) 

紫外線遮断用ガラ
ス製フィルタ(II) 

20以下 

90以上 

90以上 

90以上 

外側フィルタ 
(石英ガラスと組み合わ
せて窓ガラス越し状の光
を模擬) 

注a) 使用前の分光透過率(常温)を示している。 

参考文献 

[1] JIS K 0101 工業用水試験方法 

[2] JIS K 5600-7-7 塗料一般試験方法−第7部:塗膜の長期耐久性−第7節:促進耐候性及び促進耐光

性(キセノンランプ法) 

[3] CIE No.85:1989,Technical Report−Solar spectral irradiance 

[4] ASTM G 155,Standard Practice for Operating Xenon Arc Light Apparatus for Exposure of Non-Metallic 

Materials 

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A 1415:2013  

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附属書B 

(参考) 

技術上重要な改正に関する新旧対照表 

現行規格(JIS A 1415:2013) 

旧規格(JIS A 1415:1999) 

改正理由 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 
及び題名 

内容 

1 適用範囲 

この規格は,高分子系建築材料でプラス
チック及び/又はエラストマーからな
る材料を対象とした実験室光源(キセノ
ンアークランプ,オープンフレームカー
ボンアークランプ及び紫外線カーボン
アークランプ)による暴露試験方法につ
いて規定する。 

1. 適用範囲 

この規格は,高分子系建築材料でプラス
チック及び/又はエラストマーからな
る材料を対象とした実験室光源(キセノ
ンアーク光源,紫外線蛍光ランプ,オー
プンフレームカーボンアークランプ及
び紫外線カーボンアークランプ)による
暴露試験方法について規定する。 

適用範囲の改正点は,次の2点である。 
a) 光源のうち,“キセノンアーク光源”について,

引用規格のJIS K 7350-2の改正に伴い,“キセノ
ンアークランプ”へ光源の名称を変更した。 

b) 紫外線蛍光ランプについては,引用規格のJIS K 

7350-3のほか,JIS K 5600-7-8が制定され,関連
規格へ適切に引用されていた。このため,この
規格で規定されていた紫外線蛍光ランプは,他
のJISへ引用されていないことが確認されたた
め,この規格から削除した。 


表1 試験方法
の種類 

“試験方法(光源)”として,“キセノン
アークランプ”,“オープンフレームカ
ーボンアークランプ”及び“紫外線カー
ボンアークランプ”を規定。 

4. 
表1 試験方法
の種類 

“試験方法(光源)”として,“キセノン
アーク光源”,“紫外線蛍光ランプ”,
“オープンフレームカーボンアークラ
ンプ”及び“紫外線カーボンアークラン
プ”を規定。 

試験方法(光源)の改正点は,次の2点である。 
a) 試験方法(光源)の名称について,箇条1と同

様に,“キセノンアーク光源”を“キセノンアー
クランプ”へ変更した。 

b) 紫外線蛍光ランプについて,箇条1と同様に削

除した。 

“概要”のうち,紫外線カーボンアーク
ランプについて,“WV-A”として“照射
及び水噴霧のサイクル試験による”と規
定。 
“WV-B”として,“水噴霧なしの連続照
射試験による”と規定。 

“概要”のうち,紫外線カーボンアーク
ランプについて,“WV-A”として,”直
接屋外暴露のシミュレーションによる”
と規定。 
“WV-B”として,“窓ガラスを透過した
太陽光のシミュレーションによる”と規
定。 

紫外線カーボンアークランプに関する試験方法の種
類について,直接屋外暴露と窓ガラスを透過した場
合を規定していた。しかし,これら二つの試験方法
に用いるフィルタは同一であり,試験方法の違いは
水噴霧の有無によることから,規定内容を変更した。 

5.1 一般条件 

この規格で規定する試験条件以外の共
通事項は,JIS K 7350-1による。 

− 

− 

旧規格の附属書について,記述内容の多くはJIS K 
7350-1と重複するものであった。このため,試験全
体の共通事項はJIS K 7350-1に従う旨をこの箇条へ
規定し,附属書から重複部分を削除した。 

3

A

 1

4

1

5

2

0

1

3

  

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A 1415:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

現行規格(JIS A 1415:2013) 

旧規格(JIS A 1415:1999) 

改正理由 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 
及び題名 

内容 

5.4 ブラック
パネル温度計
及びブラック
スタンダード
温度計 

ブラックパネル温度計及びブラックス
タンダード温度計は,JIS K 7350-1に規
定するものを用いる。ただし,ブラック
スタンダード温度計は,金属板の厚さが
0.5 mmのものとする。 
注記 ブラックパネル,ブラックスタン

ダード温度計は,約3か月に1回
の頻度で比較用温度計を基準と
して指示温度の誤差を確認する。
光源に向けて並置し,両者の指示
温度を読み取ったとき,校正用の
指示温度に対して測定用の指示
は±2 ℃とすることが望ましい。 

5.4 ブラック
パネル温度計
及びブラック
スタンダード
温度計 

ブラックパネル温度計及びブラックス
タンダード温度計は,JIS K 7350-1に規
定されているものを用いる。 

温度計に関する改正点は,次の2点である。 
a) 引用規格のJIS K 7350-2及びJIS K 7350-4では,

ブラックスタンダード温度計について,国内で
は金属板の厚さが0.5 mmのものが普及している
ことを踏まえ,0.5 mmのものを用いる旨を規定
しており,この規格においても同様の規定とし
た。 

b) 温度計の校正について,旧規格の附属書の10. e)

において記述していたが,注記として追加した。 

5.5 放射計 

放射計は,JIS K 7350-1に規定するもの
を用いる。 
注記 放射計によって,常時放射露光量

のモニタを行っていない装置で
は,放射照度及び放射露光量の校
正を行う周期として,3か月に1
回程度行うことが望ましい。 

5.5 放射照度
計 

放射照度計は,JIS K 7350-1に規定する
ものを用いる。 

放射計に関する改正点は,次の2点である。 
a) 旧規格の“放射照度計”について,引用規格の

JIS K 7350-2及びJIS K 7350-4では,ISO 
4892-1:1999に基づき,“放射計”へ改正しており,
同様に変更した。 

b) 放射照度及び放射露光量の校正周期について,

旧規格の附属書の10. d)において記述していた
が,注記として追加した。 

5.6 b) 試験片
の状態調節 

試験片の状態調節について,“JIS K 
7100”を引用。 

5.6 b) 試験片
の状態調節 

試験片の状態調節について,“JIS Z 
8703”を引用。 

試験片の状態調節について,JIS Z 8703は試験の実
施場所に関する規定であるため,試験片の状態調節
に関する規格(JIS K 7100)へ変更した。 

5.6 e) 保存試
験片の取扱い 

保存試験片の環境について,“JIS K 
7100”を引用。 

5.6 e) 保存試
験片の取扱い 

保存試験片の環境について,“JIS Z 
8703”を引用。 

5.6 b) に同じ。 

3

A

 1

4

1

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2

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1

3

  

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15 

A 1415:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

現行規格(JIS A 1415:2013) 

旧規格(JIS A 1415:1999) 

改正理由 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 
及び題名 

内容 

5.8 水質 

水噴霧に使用する水は,蒸留水又は脱イ
オン水(電気伝導率5 μS/cm以下)で,
全固形分の含有が1 μg/g未満であり,試
験片に汚れ及び付着物を残さないもの
とする。 
注記1 シリカのレベルは0.2 μg/g未満

が望ましい。電気伝導率,全固
形分及びシリカレベルを測定す
る場合は,JIS K 0101に規定す
る測定方法を参照する。 

注記2 噴霧圧力0.1 MPaに対してノズ

ル1個当たりで0.53±0.10 
L/min(ノズルの総数4個の場合
は2.1±0.10 L/min)又は0.080
±0.011 L/min(ノズルの総数2
個の場合は0.16±0.010 L/min)
のものを使用するのがよい。た
だし,受渡当事者間の協定によ
ってこれを変えてもよい。 

5.8 水質 

一般に水噴霧に使用する水は,蒸留水又
は脱イオン水(導電率5 μS/cm以下)で,
全固形分の含有が1 ppm以下であり,試
験片に汚れや付着物を残さないものと
する。 

水質及び水量に関する改正点は,次の2点である。 
a) 引用規格のJIS K 7350-2及びJIS K 7350-4では,

シリカのレベルが注記へ追加された。シリカな
どの不純物による試験への影響を考慮し,この
規格においても,シリカのレベルに関する記述
を注記1として追加した。 

b) 試験に用いる水の水量について,旧規格の附属

書の3.において記述していたが,注記2として
追加した。 

5.9 放射照度
の均一性 

全ての試験片を均一に照射するため,定
期的に試験片を配置替えする。配置替え
の例を図1に示す。 

− 

− 

放射照度の均一性を保つため,試験片の配置替えに
関する規定を追加した。 

図1 試験片の
配置替え方法
例 

試験片の配置替えについて,“5 試験条
件”において示している。 

図2 試験片の
入替え方法
(WV-A法の
例) 

試験片の配置替えについて,“6.4 紫外
線カーボンアークランプによる暴露試
験方法”において示している。 

旧規格では,紫外線カーボンアークランプに関する
試験片の入替え方法(例)として,図2として示し
ていたものを,共通事項としてこの箇条へ移した。
これに伴い,紫外線カーボンアークランプから図2
を削除した。 

3

A

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4

1

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2

0

1

3

  

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A 1415:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

現行規格(JIS A 1415:2013) 

旧規格(JIS A 1415:1999) 

改正理由 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 
及び題名 

内容 

5.10 試験片
の取付け 

試験片は,試験槽内の試験片ホルダに取
り付ける。試験片の取付けは,均一な暴
露状態が確実に得られるよう暴露領域
に空き部分がないように行う。暴露領域
に空き部分がある場合は,ダミーの試験
片を試験片ホルダに取り付ける。他の試
験片を汚染させる可能性がある場合は,
同時に暴露を行ってはならない。 

− 

− 

試験片の取付けに関する改正点は,次の2点である。 
a) 引用規格のJIS K 7350-2及びJIS K 7350-4では,

暴露時の不均一な状況を避けるため,新たに試
験片の取付けに関する規定が追加された。暴露
領域の空き部分の有無による試験結果への影響
を考慮し,この規格においても規定した。 

b) 他の試験片を汚染させる可能性がある場合の試

験片の取扱いについて,旧規格の附属書の10. a)
において記述していたが,本体への規定が必要
として追加した。 

6.1 キセノン
アークランプ
による暴露試
験方法 

キセノンアークランプによる暴露試験
方法の主な試験条件を表2に示す。試験
条件の詳細は,JIS K 7350-2による。た
だし,ブラックパネル温度は,JIS K 
7350-2に規定する温度のうち,63±3 ℃
の条件とする。また,相対分光放射照度
の分布を表3及び表4に示す。 
注記 各種フィルタの種類による分光

透過率の例を,附属書Aに示す。 

6.1 キセノン
アーク光源に
よる暴露試験
方法 

キセノンアークランプ光源による暴露
試験方法の主な試験条件を表2に示す。
試験条件の詳細は,JIS K 7350-2による。 

キセノンアークランプによる暴露試験方法の改正点
は,次の2点である。 
a) 旧規格では,暴露時のブラックパネル温度を,

“63±3 ℃”と規定していた。引用規格のJIS K 
7350-2では,従来の温度条件に加え,“89±3 ℃”
の条件も規定された。高温条件89±3 ℃は一般
的でないため採用せず,旧規格の条件のままと
した。 

b) ガラス製フィルタの分光透過率について,旧規

格の附属書では附属書表2として記述していた
が,注記へ附属書の引用を追加した。 

表2 キセノン
アークランプ
による暴露試
験方法の試験
条件 

試験条件として,“暴露サイクル”,“放
射照度”,“ブラックパネル温度”,“槽内
温度”及び“相対湿度”の項目を規定。 

表2 キセノン
アーク光源に
よる暴露試験
方法の試験条
件 

試験条件として,“ランプの相対分光放
射照度”,“フィルタ”,“試験片面の放射
照度”,“ブラックパネル温度”,“相対湿
度”,“試験片面への水噴霧サイクル”及
び“照射方法”の項目を規定。 

引用規格のJIS K 7350-2の改正に伴い,試験条件に
関する規定項目を整合させた。 

暴露サイクルについて,“102分間照
射”,“18分間照射及び水噴霧”又は“連
続照射”と規定。 

暴露サイクルについて,“102分間照射
後,18分照射及び水噴霧。又は受渡当事
者間の協定による”又は“水噴霧なし”
と規定。 

旧規格では,暴露サイクルについて“受渡当事者間
の協定による”旨を本文で規定していたが,注へ変
更した。 

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A

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0

1

3

  

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A 1415:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

現行規格(JIS A 1415:2013) 

旧規格(JIS A 1415:1999) 

改正理由 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 
及び題名 

内容 

表2 キセノン
アークランプ
による暴露試
験方法の試験
条件(続き) 

放射照度は,帯域別[“広帯域(300 nm
〜400 nm),狭帯域(340 nm)”]で規定。 

表2 キセノン
アーク光源に
よる暴露試験
方法の試験条
件(続き) 

放射照度は,“550 W/m2(波長域290〜
800 nm)”と規定。 

引用規格のJIS K 7350-2:2008では,紫外部の分光分
布が重要であるとの考えから,300 nm〜400 nmの波
長範囲における放射照度に変更された。JIS K 7350-2
の改正前後における規定内容は同等であるため,こ
の規格においても採用した。 

ブラックパネル温度について,“63±
3 ℃”と規定。 

ブラックパネル温度について,“63±
3 ℃”及び“受渡当事者間の協定によっ
て変更してもよい”と規定。 

旧規格では,暴露サイクルについて“受渡当事者間
の協定によって変更してもよい”旨を本文で規定し
ていたが,注へ変更した。 

槽内温度は,“38±3 ℃”及び“制御な
し”と規定。 

− 

引用規格のJIS K 7350-2では,新たに試験槽内の雰
囲気温度を制御する場合の試験条件が追加された。
槽内温度を規定することによって,より信頼性の高
い試験結果が得られることから,この規格へも追加
した。 

相対湿度は,“(50±10) %”,“(50±
10) %又は制御なし”と規定。 

相対湿度は,“(50±5) %”と規定。 

引用規格のJIS K 7350-2では,相対湿度の値が改正
された。相対湿度の変更について,JIS K 7350-2の改
正内容を採用しても問題ないため,この規格におい
ても変更した。 

表3 WX-A法
の相対分光放
射照度の分布 
表4 WX-B法
の相対分光放
射照度の分布 

各分光波長域における相対分光放射照
度の分布を,“最小値”,“CIE No.85の
表4”及び“最大値”で規定。 

表2 a) WX-A
法の相対分光
放射照度の分
布 
表2 b) WX-B
法の相対分光
放射照度の分
布 

各波長域における,“相対分光放射照度
の分布”を規定。 

相対分光放射照度に関する改正点は,次の2点であ
る。 
a) 引用規格のJIS K 7350-2では,従来,波長範囲

290 nm〜800 nmにおける放射照度を100 %とし
て波長別の分布が規定されていた。改正後のJIS 
K 7350-2:2008では,300 nm〜400 nmを100 %と
した分布へ変更された。この改正は,表示上の
違いによるもので,エネルギー量は変わらない
ため,JIS K 7350-2:2008と同様に変更した。 

b) JIS K 7350-2:2008では,分光放射照度が経時変

化することを考慮し,分光放射照度の測定デー
タに基づく相対分光放射照度の許容範囲が規定
されていた。この規定は,光源の性能を確保す
るために必要であるため,この規格においても
採用した。 

3

A

 1

4

1

5

2

0

1

3

  

background image

18 

A 1415:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

現行規格(JIS A 1415:2013) 

旧規格(JIS A 1415:1999) 

改正理由 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 
及び題名 

内容 

6.2 オープン
フレームカー
ボンアークラ
ンプによる暴
露試験方法 

オープンフレームカーボンアークラン
プによる暴露試験の主な試験条件を表5
に示す。試験条件の詳細は,JIS K 7350-4
による。ただし,試験に用いるフィルタ
は,表5に示すものとする。また,特定
波長におけるガラス製フィルタの分光
透過率を表6に示す。 

6.3 オープン
フレームカー
ボンアークラ
ンプによる暴
露試験方法 

オープンフレームカーボンアークラン
プによる暴露試験方法の主な試験条件
を表4に示す。試験条件の詳細は,JIS K 
7350-4による。 

引用規格のJIS K 7350-4の改正に伴い,改正前後に
おいて,試験に用いるガラス製フィルタの定義,種
類及び相対分光放射照度分布等が異なることが確認
された。また,オープンフレームカーボンアークラ
ンプに関連する規格(JIS B 7753)とJIS K 7350-4の
規定内容を比較したところ,規定内容が統一されて
いないことが明らかとなった。このような状況を踏
まえ,ガラス製フィルタについてはJIS K 7350-4の
改正内容を引用せず,旧規格の規定内容を踏襲する
こととした。 

表5 オープン
フレームカー
ボンアークラ
ンプによる暴
露試験方法の
試験条件 

− 

表4 オープン
フレームカー
ボンアークラ
ンプによる暴
露試験方法の
試験条件 

試験条件として,“試験片面の放射照
度”を規定。 

旧規格では,試験片面の放射照度を規定していた。
また,光源の仕様として,電圧値及び電流値を規定
していた。引用規格のJIS K 7350-4:2008では,放射
照度は規定せず,光源の仕様は電圧値及び電流値に
よる管理へ変更された。調査の結果,放射照度を規
定せずとも電圧値及び電流値による管理で問題がな
いことが確認されたため,放射照度に関する記述を
削除した。 

試験片面への水噴霧サイクルについて,
“噴霧時間18±0.5分間,噴霧停止時間
102±0.5分間”と規定。 

試験片面への水噴霧サイクルについて,
“102分照射後,18分照射及び水噴射。
又は48分照射後,12分照射及び水噴霧”
を規定。また,“受渡当事者間の協定に
よって他のサイクルを用いてもよい”と
規定。 

試験片面への水噴霧サイクルに関する改正点は,次
の2点である。 
a) 旧規格では,噴霧サイクルについて“48分照射

後,12分照射及び水噴霧”を規定していたが,
建築用ではあまり使われていないため削除し
た。 

b) 試験片面の水噴霧サイクルについて,本文で“受

渡当事者間の協定によってその他のサイクルを
用いてもよい”旨を規定していたが,注へ変更
した。 

注記1として,ガラス製フィルタに関す
る参考情報を記述。また,注記2として,
ガラス製フィルタの交換時期を記述。 

− 

オープンフレームカーボンアークランプに用いるガ
ラス製フィルタについて,旧規格の附属書の10. f) 3)
の記述内容を注記1及び注記2として追加した。 

3

A

 1

4

1

5

2

0

1

3

  

background image

19 

A 1415:2013  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

現行規格(JIS A 1415:2013) 

旧規格(JIS A 1415:1999) 

改正理由 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 
及び題名 

内容 

表7 紫外線カ
ーボンアーク
ランプによる
暴露試験の試
験条件 

ブラックパネル温度について,“63±
3 ℃”と規定。 

表6 紫外線カ
ーボンアーク
ランプによる
暴露試験の試
験条件 

ブラックパネル温度について,“63±
3 ℃”及び“受渡当事者間の協定によっ
て,変更してもよい”と規定。 

旧規格では,ブラックパネル温度について,“受渡当
事者間の協定によって,変更してもよい”旨を本文
で規定していたが,注へ変更した。 

試験片面への水噴霧サイクルについて,
“102分間照射後,18分間照射及び水噴
霧”又は“水噴霧なし”と規定。 

試験片面への水噴霧サイクルについて,
“102分照射後,18分照射及び水噴霧。
又は受渡当事者間の協定による”又は
“水噴霧なし”と規定。 

旧規格では,試験片面への水噴霧サイクルについて,
“受渡当事者間の協定による”旨を本文で規定して
いたが,注へ変更した。 

6.3.3 操作 
d) 

紫外線カーボンアークランプにおける
フィルタ(グローブ)の取扱い及び交換
時期等を規定。 

− 

− 

紫外線カーボンアークランプの光源の交換時期につ
いて,旧規格の附属書の10. f) 4)において記述してい
たが,本体への規定が必要として追加した。 

7.1 一般条件 

試験片の状態調節について,“JIS K 
7100”を引用。 

7.1 一般条件 

試験片の状態調節について,“JIS Z 
8703”を引用。 

5.6 b) に同じ。 

7.3 評価方法 

劣化の程度を評価するための試験方法
について規定のない場合は,JIS K 7362
又は受渡当事者間の協定による。 

7.3 評価方法 

劣化の程度を評価するための試験方法
が当該材料の日本工業規格に規定され
ている場合は,それによる。ただし,そ
の規定のない場合は,受渡当事者間の協
定又はISO 4582による。 

劣化の程度の評価に関し,旧規格で規定していた
ISO 4582に対応したJIS K 7362が制定されたため,
変更した。 

8 報告事項 

次の事項を記載し,報告する。 

8. 記録 

記録には,次の事項のうち必要なものを
記載する。 

旧規格では,記録内容について曖昧であったため,
必要事項を記録することとした。 

附属書A 
(参考) 

附属書A(参考)において,“キセノン
アークランプに用いるガラス製フィル
タの分光透過率”に関する参考情報を記
述。 

附属書 
(参考) 

附属書(参考)において,“光の放射”,
“試験温度”,“試験時の湿度及び水噴
霧”,“計測器”,“ブラックパネル温度
計”,“ブラックスタンダード温度計”,
“放射照度計”,“試験片の形状及び製
作”,“試験片の数量”,“操作”に関する
参考情報を記述。 

規定内容の多くは,JIS K 7350-1と重複していたた
め,5.1へJIS K 7350-1に従う旨を規定し,重複部分
は削除した。本体への規定内容が必要なものは,注
記等へ追加した結果,附属書A(参考)は,キセノ
ンアークランプに用いるガラス製フィルタの分光透
過率の参考情報だけとした。 

3

A

 1

4

1

5

2

0

1

3