A 1414-4:2010
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目 次
ページ
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 引用規格 ························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 試験の一般条件 ················································································································ 2
5 試験方法 ························································································································· 2
5.1 継続荷重による破壊試験 ································································································· 2
5.2 曲げクリープ試験 ·········································································································· 4
5.3 繰返し曲げ試験 ············································································································· 5
5.4 接着耐久性に関する試験 ································································································· 6
5.5 防腐処理の影響に関する試験···························································································· 9
6 共通記録事項 ·················································································································· 10
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,財団法人建材試験センター(JTCCM)及び財団
法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業
標準調査会の審議を経て,経済産業大臣及び国土交通大臣が制定した日本工業規格である。これによって,
JIS A 1414:1994は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。
また,令和2年10月26日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標
準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣,国土交通大臣及び日本産業標準調査会は,
このような特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認に
ついて,責任はもたない。
JIS A 1414の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS A 1414-1 第1部:通則
JIS A 1414-2 第2部:力学特性に関する試験
JIS A 1414-3 第3部:温湿度・水分に対する試験
JIS A 1414-4 第4部:長期特性に関する試験
日本産業規格 JIS
A 1414-4:2010
建築用パネルの性能試験方法−
第4部:長期特性に関する試験
Performance test methods of panel components for building construction−
Part 4: Tests for long-term properties
1
適用範囲
この規格は,建築物の壁,床,屋根などの部位を構成するパネル(以下,“建築用パネル”という。)を
長期にわたって使用する場合に把握しておくべき材料特性のうち,長期荷重,繰返し荷重,接着耐久性に
関する特性などの試験方法について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 1414-1 建築用パネルの性能試験方法−第1部:通則
JIS A 1414-2 建築用パネルの性能試験方法−第2部:力学特性に関する試験
JIS A 1414-3 建築用パネルの性能試験方法−第3部:温湿度・水分に対する試験
JIS K 1570 木材保存剤
JIS K 6806 水性高分子−イソシアネート系木材接着剤
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 1414-1によるほか,次による。
3.1
破壊荷重継続時間
木材・木質材料は,通常の破壊荷重より小さい荷重が継続的にかかることによって破壊に至るが,この
破壊に至るまでの時間。
3.2
クリープ変形
継続荷重に対して進む変形。
3.3
常時湿潤環境
直接屋外にさらされるなどして常時湿潤状態となるおそれのある環境。例えば外壁,軒天井などで有効
な防水措置をしていないため,降雨水などの影響によって常時高湿度となる環境。
3.4
断続湿潤環境
2
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断続的に水を使用する水回りのうち,直接水掛かりはないが湿潤状態となるおそれのある環境。例えば,
断続的に水を使用する水回り室などの壁,床,天井などのうち直接水掛かりがない部分で,有効な防水措
置がなされていないため,断続的に高湿度となる環境。
3.5
乾燥環境
常時湿潤環境及び断続湿潤環境以外の環境。有効な防水措置を施した内側,水回り室以外の壁,床,天
井などで使用する場合など,湿潤状態になるおそれのない環境。
3.6
クロスヘッド
荷重を与える装置の先端部分で,材料に直接又は間接的に接する部分。
3.7
インサイジング処理
防腐処理の前加工として,のみ刃によって表面に適切な間隔でのみ目を切り込む方法。防腐剤を材中に
均一,かつ,深く浸透させることが目的。
4
試験の一般条件
試験体採取方法,試験体の寸法,試験体調湿方法,試験環境及び測定の精度は,各試験項目で規定のな
い限り,JIS A 1414-1による。
5
試験方法
5.1
継続荷重による破壊試験
5.1.1
試験の目的
粘弾性を示す材料では,一定以上の継続する荷重によって破壊に至る場合があり,建築パネル(以下“パ
ネル”という。)を荷重下で使用する期間が破壊荷重継続時間を超えないようにする必要がある。荷重が継
続的にかかった状態で長期連続使用するパネルを想定した継続荷重によって破壊が起こるまでの時間を測
定して,パネルの破壊荷重継続時間の影響係数を算出することを目的とする。
5.1.2
試験条件
木質系パネルの試験条件は,次による。
a) 試験体調湿方法 試験体は,通常,JIS A 1414-1の6.3 b) に規定する環境下で平衡状態となるまで静
置する。
b) 試験環境 試験は,通常,a) と同様の環境下で実施する。
c) 試験体の寸法 試験体の寸法は,次による。
1) 試験体の幅は,実大の製品の厚さの2倍以上とする。
2) JIS A 1414-2の5.3(曲げ試験)に規定する試験を行う場合の試験体の長さは,スパン(試験体の厚
さの12倍以上とする。)に50 mm又は試験体の厚さの1/2を加えた長さとする。ただし,スパン及
び実大の製品の厚さが試験に与えるせん断の影響を適切に考慮して,これと同等以上の精度で試験
の結果が得られる長さであることが確かめられた場合には,この限りでない。
5.1.3
試験装置
試験装置は,一定荷重を継続して載荷できるものとする。ただし,一つの試験体が破壊したときに他の
試験体の測定などに影響を与えないものとする。
3
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5.1.4
試験手順
試験手順は,次による。
a) 木質系パネルについては,サイドマッチング用試験体を用いて次の試験及び試験データの処理を行う。
1) JIS A 1414-2の5.1(面内圧縮試験)に規定する試験を行い,JIS A 1414-2のA.1 a) 1) に規定する面
内圧縮強さを求める。
2) JIS A 1414-2の5.2(局部圧縮試験)に規定する試験を行い,JIS A 1414-2のA.2 a) 1) に規定するめ
り込み強さを求める。
3) JIS A 1414-2の5.3(曲げ試験)に規定する試験を行い,JIS A 1414-2のA.3 a) の1) 又は2) に規定
する曲げ強さ(最大曲げモーメント)を求める。
4) 1) 〜 3) で求めたサイドマッチング用試験体の力学特性値に基づいて,1.0未満の荷重レベルを三つ
以上設定する。一つの荷重レベルに対して適切な数の本試験体を用意する。
b) 本試験体は,次の試験を行う。ただし,それぞれに対応するサイドマッチング用試験体の圧縮,めり
込み又は曲げ強さ(最大曲げモーメント)に荷重レベルを乗じた応力に相当する荷重を与え,破壊荷
重継続時間を測定する。
なお,ある荷重レベルで実施した試験体の半数以上の破壊荷重継続時間が,6か月以上となる荷重
レベルを一つ以上設定する。
1) JIS A 1414-2の5.1に規定する試験方法に準じて試験を行う。
2) JIS A 1414-2の5.2に規定する試験方法に準じて試験を行う。
3) JIS A 1414-2の5.3に規定する試験方法に準じて試験を行う。
5.1.5
試験データの処理
試験データの処理は,次による。
a) 5.1.4 b)で求めた本試験体の荷重レベルごとの破壊荷重継続時間の常用対数と荷重レベルとの関係を
図1に示すようにプロットし,回帰直線を求める。
b) 回帰直線上において,破壊荷重継続時間が50年に相当する荷重レベルの数値(1.0を超える場合は,
1.0とする。)を,各力学特性値に対する荷重継続時間の影響係数とする。
図1−破壊荷重継続時間の影響係数の求め方
5.1.6
結果の記録
試験結果には,次の事項を記録する。ただし,共通記録事項は,箇条6による。
a) サイドマッチング用試験体の力学特性値
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b) 各試験体に与えた荷重,荷重レベル及び破壊荷重継続時間
c) 変形の経過時間(経過時間と対数との変形関係)
d) 各力学特性値に対する荷重継続時間の影響係数
5.2
曲げクリープ試験
5.2.1
試験の目的
粘弾性を示す材料では,継続する荷重に対して変形が進む場合がある。荷重がかかった状態で長期連続
使用するパネルを想定した継続荷重による変形量を測定して,曲げ応力に対する変形増大率を算出するこ
とを目的とする。
5.2.2
試験条件
木質系パネルの試験条件は,次による。
a) 試験体調湿方法 試験体は,通常,JIS A 1414-1の6.3 b) に規定する環境下で平衡状態となるまで静
置する。
b) 試験環境 試験は,通常,a) と同様の環境下で実施する。
c) 試験体の寸法 試験体の寸法は,次による。
1) 試験体の幅は,実大の製品の厚さの2倍以上とする。
2) 試験体の長さは,JIS A 1414-2の5.3に規定するスパン(試験体の厚さの12倍以上とする。)に50 mm
又は試験体の厚さの1/2を加えた長さとする。ただし,スパン及び実大の製品の厚さが試験に与え
るせん断の影響を適切に考慮して,これと同等以上の精度で試験の結果が得られる長さであること
が確かめられた場合には,これによらなくてもよい。
5.2.3
試験装置
試験装置は,一定荷重を継続して載荷できるものとする。
5.2.4
試験手順
試験手順は,次による。
a) サイドマッチング用試験体は,JIS A 1414-2の5.3に規定する試験を行い,最大荷重を求める。
b) 本試験体は,JIS A 1414-2の5.3に規定する試験方法に準じて試験を行う。荷重は,試験するパネルの
長期荷重に対する許容応力に相当する荷重と自重の合計を継続して載荷する。ただし,木質系パネル
は,式(1)で求めた荷重 (P) を加え,その値を継続して載荷する。
3
2
'
dl
mc
×
×
×
=
K
K
P
P
··································································· (1)
ここに,
P: 本試験体に加える荷重 (N)
P′: a) で求めたサイドマッチング用試験体2体の最大荷重
の平均値
Kmc: JIS A 1414-3の5.3(含水率の影響に関する試験)によっ
て得られる含水率の曲げ弾性係数(曲げ剛性)に対する
影響係数
Kdl: 5.1によって得られる荷重継続時間の影響係数
c) 荷重を加え始めてから1分,5分,10分,100分及び500分後並びにその後24時間ごとに5週間以上
測定する。
5.2.5
試験データの処理
試験データの処理は,次による。
a) 本試験体は,クリープ変形比 (δ p /δ e) を算出する(図2参照)。
5
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なお,木質系パネルのクリープ変形比は,通常,次のb) 及びc) の方法で求める。
δ e: 初期変形 (mm)
δ p: クリープ変形 (mm)
(全体変形から初期変形を除いたもの)
図2−クリープ変形と日数の関係の例
b) 図3に示すようにa) によって算出した本試験体のそれぞれの時間に対応した初期変形 (δ e) を1分の
ものとして求めたクリープ変形比(1分及び5分に対応するものを除く。)の常用対数と,時間の常用
対数との関係について,回帰直線を求める。
c) b)で得られた回帰直線上の時間が50年に相当するクリープ変形比を各試験体ごとに算出(1.0を超え
る場合は1.0とする。)し,これらの平均値を曲げ応力に対する変形増大率とする。
図3−木質系パネルのクリープ変形比の求め方
5.2.6
結果の記録
試験結果には,次の事項を記録する。ただし,共通記録事項は,箇条6による。
a) 初期変形
b) 経過時間ごとの変形量
c) 変形の経時変化(経過時間の対数と変形との関係)
d) 曲げ応力に対する変形増大率
5.3
繰返し曲げ試験
5.3.1
試験の目的
パネルに繰返し荷重を与え,繰返し荷重によるパネル自体の疲労特性及び仕上材の劣化程度を確認する
ことを目的とする。
5.3.2
試験手順
試験手順は,次による。
a) 荷重は,曲げ荷重を片方向に繰り返して与える。
b) 荷重の繰返し速度は,通常,毎分100回〜150回とする。ただし,パネルの使用部位,用途などによ
って受渡当事者間で速度を決定してもよい。
6
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c) 繰返し荷重の下限値は,上限値の1/3以下とする。上限値は,そのパネルに作用することが予想され
る荷重に相当する荷重とする。
d) 荷重の繰返し回数は,通常,連続10万回とし,1万回ごとに試験体のたわみ,変形,表面材のはく離
などの外観を調べて記録する。ただし,パネルの使用部位,用途などによって受渡当事者間で繰返し
回数を決定してもよい。
e) d)の繰返しが終わった後,JIS A 1414-2の5.3によって曲げ破壊荷重を求める。
5.3.3
結果の記録
試験結果には,次の事項を記録する。ただし,共通記録事項は,箇条6による。
a) スパン
b) 繰返し荷重の上限値及び下限値
c) 繰返し回数
d) 1万回ごとの試験体のたわみ,変形,表面材のはく離状況など。
e) 繰返し荷重が終了後の曲げ破壊荷重
5.4
接着耐久性に関する試験
5.4.1
試験の目的
接着剤は,熱,水分,紫外線などによって経年変化し,その接着力が低下する場合があり,熱,水分な
どの劣化外力の程度によって,その経年変化の度合いも異なる。接着剤によって複合構成されたパネルの
使用環境に応じた劣化処理を施し,処理前後の接着強さの残存率をはく離強さを指標として測定すること
を目的とする。また,複合構成された要素の接着強さの残存率も同時に確認することとしている。
なお,接着強さの残存率は,建築物の構造設計等に使用する数値ではなく,使用環境に応じた特性をも
つ接着剤が使用されていることを確認するための数値である。
5.4.2
試験条件
木質系パネルの試験条件は,次による。
a) 試験体調湿方法 サイドマッチング用試験体は,通常,JIS A 1414-1の6.3 b) に規定する環境下で平
衡状態となるまで静置する。
b) 試験体の寸法 本試験体及びサイドマッチング用試験体の形状及び寸法は,次の条件を満たすものと
する。
1) 試験体の厚さは,実大の製品の厚さと同じとする。
2) 試験体の上面及び底面はく(矩)形とし,一辺の長さは25 mm以上とする。
5.4.3
試験手順
試験手順は,次による。
a) 本試験体は,パネルの使用環境に応じて,表1及び次の1)〜3) に示す劣化処理を行う。
表1−劣化処理の方法
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使用環境
劣化処理の方法
常時湿潤環境
1) 加熱冷却法を6回行う。
断続湿潤環境a)
2) 煮沸法を1回又は3) の減圧法を6回行う。
乾燥環境
3) 減圧法を1回行う。
注a) JIS K 6806に規定する1種1号に適合する接着剤を用いている場合は,3) の減圧法を6回行う。
1) 加熱冷却法 加熱冷却法は,次による。
1.1) 49 ℃±2 ℃の水中に1時間浸せきする。
1.2) 93 ℃±3 ℃の水蒸気中に3時間静置する。
1.3) −12 ℃±3 ℃の空気中に20時間静置する。
1.4) 99 ℃±2 ℃の乾燥空気中に3時間静置する。
1.5) 93 ℃±3 ℃の水蒸気中に3時間静置する。
1.6) 99 ℃±2 ℃の乾燥空気中に18時間静置する。
2) 煮沸法 煮沸法は,次による。
2.1) 沸騰水中に4時間以上浸せきする。
2.2) 常温水中に1時間以上浸せきする。
2.3) 70 ℃±3 ℃に設定した恒温乾燥器中で試験体の質量がサイドマッチング用試験体の質量を下回
るまで乾燥する。
3) 減圧法 減圧法は,次による。
3.1) 85 kPaに減圧した常温水中に30分間以上浸せきするか又は85 kPaに減圧した後,温度65 ℃の水
中に1時間以上浸せきする。
3.2) 常温水中に30分間以上浸せきする。
3.3) 70 ℃±3 ℃に設定した恒温乾燥器中で6時間以上(偶数サイクル及び最終サイクルは15時間以
上とする。)試験体の質量がサイドマッチング用試験体の質量を下回るまで乾燥する。
b) a) の劣化処理を行った本試験体及びサイドマッチング用試験体について,次に示す方法によってはく
離試験を行う。
1) 試験体の底面は,試験台又は引張用ジグに接着する。試験体の上面は,引張用ジグに接着する。
2) 引張用ジグは,試験機にピン接合する。底面を試験台に接着する場合は,図4 a) に例示するように
上面の引張用ジグは,全方向の回転が自由となるようにユニバーサルジョイントなどを介して荷重
を与える。試験体の上面・底面ともに引張用ジグに接着する場合は,図4 b) に例示するように引張
用ジグが試験機に接合されるピンの回転軸を上底面で直交させる。
3) 引張荷重は,試験体の厚さ方向に漸増させ,試験体が破壊するまで与える。このときの最大荷重を
読み取る。
単位 mm
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単位 mm
a) 底面を試験台に接着する場合
b) 試験体の上面底面ともに引張用ジグに接着する場合
図4−はく離試験方法(例)
5.4.4
試験データの処理
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試験データの処理は,次による。
a) はく離強さは,5.4.3 b) で得た最大荷重を受圧面積で除した数値とする。
b) 本試験体のはく離強さに対するサイドマッチング用試験体のはく離強さの平均値の比率を各組み合わ
せ,標本ごとに求める。
c) 接着耐久性に関するはく離強さの残存率は,すべての標本についてb) で求めた比率の平均値を求め
る。
5.4.5
結果の記録
試験結果には,次の事項を記録する。ただし,共通記録事項は,箇条6による。
a) 選択した劣化処理の方法
b) はく離試験前のサイドマッチング用試験体及び本試験体の質量
c) サイドマッチング用試験体及び本試験体のはく離強さ
5.5
防腐処理の影響に関する試験
5.5.1
試験の目的
木質系材料は,腐朽やシロアリによる食害など生物劣化を起こす場合があり,その使用部位などに応じ
て防腐,防ぎ(蟻),防虫処理などを行って建築物に使用することとなっている。防腐,防ぎ(蟻),防虫
処理などのうち,薬剤を加圧注入又は減圧注入した場合,インサイジング処理を行ったパネル,それらの
処理を施した材料を構成要素とするパネル又はパネル構成要素の材料の製造時にそのエレメントに対して
防腐処理などを行った場合は,その力学特性値がある一定の範囲で低下するため,この低下率を算出する
ことを目的とする。
5.5.2
試験条件
試験体は,防腐処理を施したパネル及び防腐処理を施していないパネルの2種類とする。
5.5.3
試験手順
試験手順は,次による。
a) JIS K 1570に規定する木材防腐剤を使用して,加圧又は減圧注入によってパネル若しくはパネルの木
質系構成要素の防腐処理を行う。ただし,パネルの構成要素製造時にそのエレメントに対して防腐処
理などを行った場合は,エレメントに対して防腐処理を行っていないパネルを防腐処理を施していな
い試験体とする。
b) 防腐処理を施した試験体及び防腐処理を施していない試験体について,それぞれ次の試験を行う。
1) JIS A 1414-2の5.1に規定する試験を行う。
2) JIS A 1414-2の5.2に規定する試験を行う。
3) JIS A 1414-2の5.3に規定する試験を行う。
4) JIS A 1414-2の5.5(面内せん断試験)に規定する試験を行う。
5.5.4
試験データの処理方法
試験データの処理方法は,次による。
a) 面内圧縮強さは,JIS A 1414-2のA.1 a) によって求める。
b) 局部圧縮強さは,JIS A 1414-2のA.2 a) によって求める。
c) 曲げ強さ(最大曲げモーメント)は,JIS A 1414-2のA.3 a) によって求める。
d) せん断強さは,JIS A 1414-2のA.4によって求める。
e) 防腐処理による力学的特性値の低下率は,防腐処理を施したパネルの力学特性値を防腐処理を施して
いないパネルの力学特性値で除して得られた数値(1.0を超える場合は1.0)とする。
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5.5.5
結果の記録
試験結果には,次の事項を記録する。ただし,共通記録事項は,箇条6による。
なお,注入処理に用いる木材防腐剤の種類及びその有効成分の含有量の測定は,JIS K 1570の箇条7に
よる。
a) 最大荷重
b) 荷重−変形関係図
c) 試験中に試験体に生じた状態の変化
d) 防腐処理に用いる木材防腐剤の名称
e) 加圧又は減圧注入処理,パネル構成要素製造時のエレメントの処理などの防腐処理の方法
f)
加圧又は減圧注入処理による場合は,木材防腐剤の有効成分の含有量
g) 防腐処理による力学的特性値の低下率
6
共通記録事項
試験結果には,必要に応じて次の事項を記録する。
a) 試験体の種類及び寸法(標本から採取した試験体の場合には,標本の寸法も同様に記録する。)
b) 試験体の断面図及び材料構成の詳細
c) 試験体数
d) 試験体質量
e) 試験体調湿方法及び試験体の含水状態
f)
試験環境
g) 試験体の取付方法(支持条件)及び変位センサ取付位置
h) 試験年月日
i)
試験機関