A 1409 : 1998 (ISO 354 : 1985)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによって,JIS A 1409 : 1977は改正され,この規格に置き換えられる。
JIS A 1409には,次に示す附属書がある。
附属書A(規定) 残響室における音場の拡散性
附属書B(参考) 8.1.2.3及び8.1.3の計算式の解説的な注意事項
附属書C(参考) 反復性の評価
附属書D(規定) 吸音率試験のための試料の取付方法
附属書E(参考) 残響室内の温度及び相対湿度の変化の残響時間に対する影響の補正方法
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
A 1409 : 1998
(ISO 354 : 1985)
残響室法吸音率の測定方法
Method for measurement of sound absorption coefficients
in a reverberation room
序文 この規格は1985年に第1版として発行されたISO 354, Acoustics−Measurement of sound absorption in
a reverberation room及び1997年に追補された附属書のAMENDMENT1 : Annex D (normative) −Test
specimen mountings for sound absorption testsを翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作
成した日本工業規格である。
なお,この規格で,点線の下線を施した箇所は,原国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,残響室内に設置した,壁・天井仕上げとして用いられる音響材料の吸音率,
又は家具,人,吸音体などの物体を対象とする等価吸音面積の測定方法を規定する。共鳴特性の鋭い共鳴
器の吸音率特性の測定は意図していない。
得られた結果は,吸音特性の相互比較の目的や室内音響及び騒音制御に関する設計のための計算に利用
される。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格のうちで発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成
するものであって,その後の改正版・追補はそれに適用しない。発効年(発行年)を付記していない引用
規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
ISO 5725-2 : 1994 Accuracy (trueness and precision) of measurement methods and results−Part 2 : Basic
method for the determination of repeatability and reproducibility of a standard measurement method
IEC 61260 : 1995 Electroacoustics−Octave-band and fractional-octave-band filters
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。
3.1
残響時間 (reverberation time) T 音が停止した後,音圧レベルが60dB減衰するのに要する時間。単
位は秒 (s)。
備考 この定義は,音圧レベルと時間の間に線形な関係があり,暗騒音が十分に低いという理想的な
場合の仮定に基づいている。
3.2
室の等価吸音面積 (equivalent sound absorption area of a room) A1, A2 回折効果はないものとし,室
内にある吸音要素だけがあるとして,これと同じ残響時間を与える全吸音面(吸音率:1.0)の仮想的な面
積。試料を入れない状態における残響室の等価吸音面積はA1の記号で表し,試料を入れた状態における残
響室の等価吸音面積はA2の記号で表す。単位は平方メートル (m2)。
2
A 1409 : 1998 (ISO 354 : 1985)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3.3
試料の等価吸音面積 (equivalent sound absorption area of a test specimen) A 試料を入れた状態と入
れない状態における残響室の等価吸音面積の差。単位は,平方メートル (m2)。
参考 等価吸音面積は,吸音力ともいう。
3.4
残響室法吸音率 (sound absorption coefficient in a reverberation room) αs 残響室に試料を設置する
ことによる等価吸音面積の変化量を試料の面積で除した値。平面吸音材料にだけ定義される。
備考 残響室における測定によって吸音率を算出する場合は,その結果は添え字 “S” によって表す。
この添え字の使用は平面波が平らな壁に,ある特定の入射角で入射する場合の入射音エネルギ
ーに対する反射しない(吸収,透過する)エネルギーの割合,として定義される吸音率(例え
ば,垂直入射吸音率)との混同を避けることになる。この“幾何学的な”吸音率は,通常1よ
りも小さく,したがって,百分率 (%) で表してもよいが,残響時間を測定して算出される残響
室法吸音率は,例えば,回折効果によって1よりも大きい値になる場合もあるので,αsは百分
率で表してはならない。
参考 原国際規格では,単に吸音率 (sound absorption coefficient) と称しているが,垂直入射吸音率と
の混同を避けるため,残響室法吸音率 (sound sbsorption coefficient in a reverberation room) αsとし
た。
3.5
反復性 (repeatability) r 測定者,装置,残響室及び測定時期のいずれもが同じ条件の下で,同じ材
料について同じ方法を用いて得られた二つの独立した試験結果の間の絶対的な違いが,指定された確率に
なるように期待される値。特別の指示のない場合にその確率は95%である。
3.6
再現性 (reproducibility) R 測定者,装置,残響室又は測定時期のいずれかが異なる条件の下で,同
じ材料について同じ方法を用いて得られた二つの独立した試験結果の間の絶対的な違いが,指定された確
率になるように期待される値。特別の指示のない場合にその確率は95%である。
4. 測定原理 残響室に試料を入れた状態と入れない状態における残響時間を測定し,それらの残響時間
から,試料の等価吸音面積Aを算出する。
平面吸音材料の場合,試料の表面積SでAを除すことによって,吸音率を算出する。
試料が幾つかの同一の試験体からなる場合,個々の試験体の等価吸音面積は試験体の数でAを除すこと
によって算出する。
5. 測定装置 測定装置は,7.の要求事項に適合したものを使用する。
6. 残響室及び測定条件
6.1
残響室及び音場の拡散
6.1.1
残響室の容積 残響室の容積は,150m3以上とし,新設する場合は,200m3程度にする。
6.1.2
残響室の形状 残響室の形状は,次の条件を満足することが望ましい。
lmax<1.9V 1/3
ここに,
lmax: 室の境界に内挿する最も長い直線の長さ(例えば,直方体
室の場合は長い方の対角線)
V: 室の容積
固有周波数の,特に低い周波数帯域での一様な分布状態を得るために,室の二つの寸法の比率が小さい
整数にならないようにする。
3
A 1409 : 1998 (ISO 354 : 1985)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
備考 非直方体室の床面に試料を設置した場合,内側に傾けた非鉛直壁によって,その結果は直方体
室で得られた結果によって良く一致する。
参考 不整形残響室の多い我が国では,上記備考に記述された実験的傾向は十分に確かめられていな
い。
6.1.3
音場の拡散 室内の音の減衰過程での音場は,十分に拡散させる。室の形にかかわらず,満足のい
く拡散状態を達成するために,一般に,静止つり下げ拡散板又は回転翼の使用が要求される(附属書A参
照)。
6.1.4
室の等価吸音面積 1/3オクターブバンドごとに測定した,試料を入れない状態における残響室の
等価吸音面積A1は,表1で与えられる値を超えないものとする。
表1 容積200m3の室の最大等価吸音面積
周波数 (Hz)
125
250
500
1 000
2 000
4 000
等価吸音面積 (m2)
6.5
6.5
6.5
7.0
9.5
13.0
室容積が200m3と異なる場合は,表1で与えられる値を (V/200)2/3倍する。
試料を入れない状態における残響室の等価吸音面積の周波数特性を示すグラフは滑らかな曲線になり,
1/3オクターブバンドでの両隣りの値の平均値から15%以上のピーク又はディップを生じないのが望まし
い。
6.2
試料
6.2.1
平面吸音材料
参考 平面吸音材料は,原国際規格のPlane absorbersを訳した用語で,6.2.2の個別吸音体に対して,
その投影面積で特定することができる吸音材料を総称する。
6.2.1.1
試料は,10m2と12m2の間の面積をもつものとする。室の容積が250m3よりも大きい場合には,
試料面積を (V/250)2/3倍する。
備考 非常に小さい吸音率の材料の試験では,測定される残響時間T1とT2(8.1.2参照)の間の有効
な差異を得るために,規定より大きい試料面積とすることが望ましい。
6.2.1.2
試料は,幅と長さの比率が0.7〜1になる長方形にするのが望ましい。試料は室の境界面の任意の
端(縁又はへり又は辺)まで1mより近付くことがないように設置する。試料の端の辺は,室の最も近い
辺に平行にならないようにするのが望ましい。
6.2.1.3
試料は,製造業者が支給する関連仕様書,使用者が支給する適用詳細などに従って設置する。
試料を室の表面に直接設置する場合,試料の端は一般には長方形の断面で,かつ,厚さが2cm以下の反
射性の材料による枠によって,全体を確実に覆う。その枠は試料の表面より上にはみ出さないようにする
とともに,設置される室の表面にしっかりと密着させる。
例えば,つり天井をシミュレートして,試料の背後に空気層をとる場合は,空気層枠の側面は試料面に
対して垂直に構成し,空気層と試料の端の両方を覆い,かつ,十分反射性にする。
備考1. 試料を入れない状態における残響時間の測定は,枠及び/又は空気層枠がない状態で測定す
るのが望ましい。
2. 試料の背後に空気層をとる場合は,上記の方法の代わりに残響室の壁か床にくぼみを設けて
そこに試料を設置することができる。この方法は,規定された方法と同じ結果は得られない
可能性がある。
6.2.2
個別吸音体
参考 個別吸音体は,原国際規格のDiscrete sound absorbersを訳した用語で,6.2.1の平面吸音材料に
4
A 1409 : 1998 (ISO 354 : 1985)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
対して,面積で特定できない分離した吸音体を総称する。
6.2.2.1
例えば,いす,人間,吸音体などの個別の試験体は,試験に際してもそれらの実際の代表的な配
置方法と同じように設置する。例えば,いす又は自立するついたてなどは床の上に据え置き,それらはあ
らゆる他の境界に1m以上離して配置する。吸音体は,あらゆる境界又は拡散板から1m以上,かつ,マ
イクロホンからも1m以上離して設置する。
6.2.2.2
1m2以上で12m2を超えない程度の,測定し得る室の等価吸音面積の変化を与えるために,一つの
試料は,個々の試験体(通常は少なくとも三つ)の十分な数を用いるのが望ましい。室の容積が250m3よ
りも大きい場合は,それらの値は12 (V/250)2/3倍する。
通常,個別のものとして取り扱われる試験体は,2m以上離してランダムに配列するのが望ましい。試
料がただ一つの試験体からなっている場合,互いに2m以上離れた3か所以上で測定し,その結果を平均
するのが望ましい。
6.2.2.3
試料が連なった試験体(例えば,劇場いす,騒音吸収体)からなる場合,試験に際してそれらは
その配列どおりに設置する。人が座った座席の配列群として試験する場合は,配列の端は反射性の材料で
覆い,その囲いは1mの高さまでとするのが望ましい。他の場合は,囲いの高さは試料の高さに合わせる
のが望ましい。
6.2.3
カーテン 壁に沿って設置されるカーテンは,閉じてあれば平面吸音材料 (6.2.1) とし,また,開
けてあれば個別吸音体 (6.2.2) として取り扱う。前者の場合,試料の端は囲う必要がある。壁又は室の端
からの最小距離を1mとする要求事項は,カーテンの場合には適用しない。
6.3
温度及び相対湿度 室内の相対湿度は40%より大きいものとする。残響時間T1とT2(8.1.2参照)の
一連の測定の間,相対湿度と温度は可能な限り一定にし,少なくとも表2で与えられる環境を満たすこと
が望ましい。
表2 T1とT2の測定中の温度及び相対湿度の許容変化範囲
相対湿度の範囲 測定中の相対湿度の許容変化範囲 測定中の温度の許容変化範囲 測定温度の下限
40〜60%
3%
3℃
10℃
>60%
5%
5℃
10℃
試験を実施する前に,室内の温度と相対湿度と試料とが平衡状態になるようにするのが望ましい。
備考 8.1.2に従って算出される等価吸音面積Aに対して,空気の音響吸収係数を考慮して補正を適用
してもよいが,補正は等価吸音面積にして0.5m2を超えてはならない。残響室内の温度及び相
対湿度の変化に対する等価吸音面積及び吸音率の補正方法を附属書Eに示す。補正を行った場
合は,補正量を試験報告書に記載するのが望ましい。
7. 試験の手順
7.1
音の発生 残響室の中における音は,できる限り全指向性の放射パターンの一つ以上の数のスピー
カーによって発生する。300Hz以下の周波数帯域では,測定は音源を少なくとも2か所(少なくとも3m
離れて)に順次設置して,又は等価の複数の音源装置などによってなすものとし,その音源は,別個の(互
いに無相関な)ノイズ源によって駆動するのでなければ同時には音を発生しないのが望ましい。
試験信号は,少なくとも1/3オクターブの帯域幅の連続した周波数特性をもつ帯域制限ノイズによって
構成する。
減衰する前の定常励起信号のレベルは,7.2.2で規定している減衰曲線の読み取りを可能にするために,
暗騒音のレベルより十分高くする。
5
A 1409 : 1998 (ISO 354 : 1985)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
停止される前の励起信号は,室内の音圧レベルが時間的に定常状態になるのに十分長いものとするのが
望ましい。
備考1. 1/3オクターブよりも大きい帯域幅の信号を用いる場合,隣り合った周波数帯域の長い残響時
間が減衰曲線の低い部分に影響する。隣接する帯域の長い方の残響時間が短い残響時間の1.5
倍以上である場合は,1/3オクターブフィルタでろ波した音源を用いて個別に測定するのが望
ましい。
2. 広帯域ノイズと計算機でコントロールされた実時間分析器を用いて,備考1.に言及された係
数に従うことで,すべての周波数帯域に対する測定を同時に行うことが許容される。広帯域
ノイズによるこれらの測定では,室内の平均音圧スペクトルは,隣り合った1/3オクターブ
の間で音圧レベルの違いが6dB以下である近似的なピンク又はホワイトノイズにするのが望
ましい。
7.2
残響時間の測定
7.2.1
受音装置 受音装置は,全指向性の1本以上のマイクロホン,必要な増幅器,フィルタ及び残響時
間の記録システムなどからなる。
測定は,互いにλ/2以上離れた3か所以上のマイクロホン位置で行う。λは対象とする周波数帯域の中心
周波数の音の波長である。
同時に一つのマイクロホンだけを用いる。マイクロホンは試料から少なくとも1m,室の表面及び拡散
板から1m以上及びいずれの音源からも2m以上離した位置に設置する。
記録システムは,残響時間に対応する減衰曲線の平均的傾きを求めるためのレベルレコーダと同等又は
それ以上の記録精度をもつ装置とする。
音圧レベルの減衰過程を記録するための装置(及び表示,及び/又は評価のための)は,次のいずれか
の方法によるものを用いてもよい。
a) 指数平均型 出力として一様な曲線が得られるもの。
b) 指数平均型 出力として継続的な平均から連続的にサンプルした離散的データによるもの。
c) リニア平均型 出力として連続した離散的リニア平均,ある場合には平均値算出の間にかなりの長さ
の休止時間をもつもの。
指数平均型(又はこれと同等の装置,備考2.参照)の平均化時間Tは,T/20以下とし,できる限りこれ
に近付けるものとする。
リニア平均型の平均化時間Tは,T/7以下とする。
減衰記録が連続した離散データとして形作られるような装置については,記録のデータ間の時間間隔は,
装置の時定数の1.5倍より少なくする。
減衰記録を視覚的に評価する場合は,表示の時間尺度を調節して,減衰の傾きができるだけ45°に近づ
くようにするのが望ましい。
備考1. 指数応答型の時定数は,その装置の減衰率 (dB/s) によって8.69を割った値に等しい。
2. 市販されているレベルレコーダには,音圧レベルを時間の関数としてグラフで記録するもの
があるが,指数応答型とおおむね同等品である。
3. 指数応答型を使用する場合は,平均化時間をT/20より非常に小さい値に設定するのに多少有
利である。リニア平均型を使用する場合は,データ間の間隔をT/7より非常に小さく設定す
るにはあまり有利ではない。幾つかの一連の測定手順において,各々の周波数帯域ごとに適
切な時定数を設定することが必要である。他の測定手順ではこれは適切ではなく,時定数又
6
A 1409 : 1998 (ISO 354 : 1985)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
は上で述べたようにあらゆる周波数帯域における最小の残響時間に関する選定された時間間
隔は,すべての帯域の測定に用いるのが望ましい。
1/3オクターブバンドフィルタを受音装置に含めるものとする。フィルタのろ波特性は,
IEC 61260による。
7.2.2
残響時間の読み取り 減衰曲線からの残響時間の読み取りは,音源を停止した後の−5dBから−
35dBまでの範囲に直線を当てはめる (T30) こととし,やむを得ない場合は−25dBまで (T20) を用いる。
読み取りに使う範囲は20dB以上とし,その範囲を広くして減衰曲線に直線が近似できなくならないよう
に配慮する。この読み取り範囲の下端は,各1/3オクターブバンドでの残響室及び記録装置に表示される
暗騒音レベルよりも少なくとも15dB高くなるようにする。
減衰曲線の二つの傾きの読み取り値(一方を他方よりも音圧レベルで10dB以上低い方へ延長しても,
それぞれ10dB以上の範囲を代表するような値)が10%以上異ならなければ,その減衰曲線は,おおむね
直線とみなしてもよい。
各周波数帯域及びマイクロホンとスピーカー設置位置とのそれぞれの組合せにおいて,音の発生を何度
か繰り返すことによって重畳した音圧レベルの集合平均値の時間特性を求め,この方法による一本の減衰
曲線から残響時間を算出してもよい。
7.3
測定周波数 測定は,次の中心周波数 (Hz) の1/3オクターブバンドで実施する。
100
125
160
200
250
315
400
500
630
800
1 000
1 250
1 600
2 000
2 500
3 150
4 000
5 000
7.4
測定回数 それぞれの周波数帯域に必要な測定回数の最小数は,次のとおりとする。
a)
12回
100〜250Hz(例えば,音源位置2×マイクロホン位置3×回数2)
b)
9回
315〜800Hz(例えば,音源位置1×マイクロホン位置3×回数3)
c)
6回
1 000〜5 000Hz(例えば,音源位置1×マイクロホン位置3×回数2)
8. 結果の算出
8.1
算出方法
8.1.1
残響時間T1とT2の算出 各周波数帯域における室の残響時間は,その周波数帯域における残響時
間測定値の全数の算術平均によって表すものとする。
各周波数帯域における平均残響時間T1及びT2は,少なくとも小数点第2位まで,計算し表示する。
8.1.2
A1,A2及びAの算出
8.1.2.1
試料を入れない状態における室の等価吸音面積A1は,次の式によって算出する。
A1=55.3V/cT1
ここに,
V: 試料を入れない状態における残響室の容積 (m3)
c: 空気中の音速 (m/s)
T1: 試料を入れない状態における残響室の残響時間 (s)
備考 15〜30℃の温度範囲では,空気中の音速cは,次の式によって算出する。
c=331+0.6t
ここに,
t: 気温 (℃)
参考 算出結果に与える影響を考慮すると,上記の温度範囲外に気温の範囲を広げてもよい。
8.1.2.2
試料を入れた状態における室の等価吸音面積A2は,次の式によって算出する。
A2=55.3V/cT2
ここに,
c及びV: 8.1.2.1と同じ
7
A 1409 : 1998 (ISO 354 : 1985)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
T2: 試料を入れた状態における残響室の残響時間 (s)
8.1.2.3
試料の等価吸音面積Aは,次の式によって算出する。
−
=
1
2
1
1
3.
55
T
T
c
V
A
ここに,
c,V及びT1: 8.1.2.1と同じ
A: 8.1.2.2と同じ
備考 この式には,試料で覆われる室表面の面積は考慮されていない(附属書B参照)。
8.1.3
αsの算出(附属書Bも参照) 平面吸音材料の吸音率αsは,次の式を用いて算出する。
αs=A/S
ここに,
A: 8.1.2.3によって算出した等価吸音面積 (m2)
S: 試料の面積 (m2)
8.1.4
個別吸音体の等価吸音面積の算出 個別吸音体の結果は,通常,測定した等価吸音面積Aを試験
体の数で除することによって1試験体当たりの等価吸音面積で表すのが望ましい。
特定の配置方法を定めた吸音体の結果は,全体の等価吸音面積として表すのが望ましい。
8.2
測定精度 試験手順の精度は,ISO 5725に記述される,反復性(3.5参照)と再現性(3.6参照)に
よって定義される。多くの残響室による持ち回り試験の結果によって,図1に示したような吸音率の測定
値の再現性の概略の評価が与えられる。
備考 吸音率の周波数特性が極端な変動を示す場合は,再現性は,図1に示した値をかなり超えるこ
ともある。差し当たり,この規格における評価結果を与えるために,十分ではないが反復性に
関する情報が利用できる。単一の実験室において反復性をチェックする場合,附属書Cに記述
される方法を用いて評価してもよい。
反復性及び再現性の信頼できる数値は,ISO 5725に規定される持ち回り試験の手順に従うこ
とによってだけ得られる。
8
A 1409 : 1998 (ISO 354 : 1985)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図1 αsの再現性Rの評価
8.3
結果の表示 すべての測定周波数について,次の測定結果を図及び表で示すものとする。
a) 平面吸音材料については,吸音率αs
b) 個別の試験体については,1試験体当たりの等価吸音面積
c) 特定の配置方法を定めた吸音体については,全体の等価吸音面積
1試験体当たりの等価吸音面積は0.1m2ごとに,平面吸音材料の吸音率は0.01ごとに丸める。
備考 結果を丸めるこの方法は,グラフ上での滑らかな曲線による表示となりやすいが,結果の精度
が上記の丸めのけたよりも少なくなることに配慮する必要がある。
図による表示では,横軸を対数スケールの周波数,縦軸をリニアスケールの等価吸音面積又は吸音率の
いずれかとし,測定値の点は直線で結ぶのが望ましい。縦軸のA=0〜10m2又はαs=0.0〜1.0の間隔と横軸
の5オクターブに相当する間隔の割合を2 : 3にするのが望ましい。
試験材料又は設置の状況の物理的特性によって説明できないほどの極端なピーク又はディップを示す結
果は,疑わしいことを指摘する。
9. 試験報告書 試験報告書には,次の事項を記載する。
a) 測定を実施した試験機関の名称
b) 試験年月日
c) 面積S,残響室内の試料の設置位置,取付け方法(図面によるのが望ましい。)などを含む試料の詳細
d) 残響室の形状,拡散方策(拡散板の数及び寸法),マイクロホン及びスピーカーの設置点数
e) 残響室の寸法,室容積V,室内全表面積(壁,床及び天井)St
9
A 1409 : 1998 (ISO 354 : 1985)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
f)
使用ノイズの種類
g) 温度及び相対湿度
h) 各周波数における平均残響時間T1とT2
10
A 1409 : 1998 (ISO 354 : 1985)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A(規定) 残響室における音場の拡散性
1. 拡散板 許容される拡散性は,静止拡散板及び/又は回転翼を用いて試験する。それらの拡散装置は,
面密度が5kg/m2以上で吸音性の低い制振された板状材とするのが望ましい。拡散板の大きさは,おおよそ
0.8〜3m2の面積(片側)の範囲に分布して変化させるのが望ましい。その板状材はほんのわずか湾曲させ,
ランダムな方向に室内に一様に設置する。
もし,回転翼を用いるならば,音の発生の繰り返し周期と翼の回転数との比率が小さい整数倍にならな
いようにする。
2. 拡散性のチェック 適切な試料,すなわち,最適な条件の下に500〜4 000Hzの周波数範囲で0.9より
大きい吸音率をもつ厚さ5〜10cmの均質な多孔質吸音材料(グラスウール,ロックウール,ウレタンフォ
ームなどがこの基準を満たす)を選定する。
本体の6.2に従って試料を設置する。
次のように試料の吸音率測定を実施する。
a) 拡散板なし
b) 少ない数(面積にしておおむね5m2)の静止拡散板を設置
c) 面積にしておおむね5m2の静止拡散板の量を段階的に増加する
それぞれの測定ケースに対して500〜4 000Hzの範囲の吸音率の平均値を計算し,各々のケースに使用し
た拡散板の数に対する値をプロットする。
拡散板の数の増加に伴って,平均吸音率が最大値に近付いてその後一定になるのを確認する。静止拡散
板の最適な数は,最初にこの一定値に到達したときの数とする。
備考1. 直方体の室では,測定に十分な拡散性を達成するのに必要な拡散板の面積(両面の)は経験
的に,室の全表面積のおおむね15〜25%である。
2. 回転翼を使用する場合,結果的な拡散性が上に記述した手順で成し遂げたのと等価になるこ
とを確認するのが望ましい。
11
A 1409 : 1998 (ISO 354 : 1985)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書B(参考) 8.1.2.3及び8.1.3の計算式の解説的な注意事項
この参考は,本体及び附属書の規定に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。
通常の吸音材料については,試料によって覆われる面の吸音率を無視した計算値にわずかな誤差があり,
その計算値は多少小さくなり過ぎる。
しかしながら,覆われる面の吸音率は,試料を入れない状態における残響室の残響時間から計算される
ので,ある結果に対しては大きな誤差となる。なぜならば,その残響時間は壁の吸収によるだけでなく,
多分それより大きい吸収であろう他の物(ドア,スピーカー,照明器具のような),空気の音響エネルギー
の消費(空気吸収),それらが吸音材料によって覆われても邪魔されない壁,天井の振動などに依存するか
らである。
12
A 1409 : 1998 (ISO 354 : 1985)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書C(参考) 反復性の評価
反復性は,この規格に規定された手順に従って,同じ試料について短い期間に繰り返して行う試験によ
って評価され,その機関内(それぞれの試験のためのマイクロホン位置,音の発生,減衰曲線の記録及び
残響時間の評価のいずれもが同じ条件によって)で用いられる。
できる限り安定した状態で少なくとも5回の試験を行う。
試験と試験の間で試料の取付け取外しを繰り返すことで,試料が変化しないように特別に注意するのが
望ましい。
その試験機関内の反復性rは,次の式で算出される。
(
)
∑
=
−
−
=
n
i
i
n
t
r
1
2
1
1
2
α
α
ここに,
αi: i番目の測定値
α: n個の測定値の算術平均値,α1, …, αi, …, αn
t: 95%信頼区間と適切な自由度(表3参照)の数に対するスチ
ューデント分布(t分布)から導かれる係数
表3 係数“t”
v=n−1
4
5
6
7
8
9
10
20
∞
t
2.78
2.57
2.45
2.37
2.31
2.26
2.23
2.09
1.96
備考 反復性の評価は,できれば吸音率の異なる材料について実施する。最小の数として2回の反復
性試験を実施する場合,それらの1回は高い吸音性の材料を用いる。
13
A 1409 : 1998 (ISO 354 : 1985)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書D(規定) 吸音率試験のための試料の取付方法
1. 一般事項 材料の吸音特性は,試験の際にその材料がどのように設置されていたかに影響される。こ
の附属書は,吸音試験のための幾つかの異なる標準の取付方法を規定する。通常,試料はここに指定され
る取付方法の一つだけを用いて試験する。
タイプEとタイプG取付けの名称には,数値で示した添え字,例えば,E-200,G-100を含む。その添
え字は,取付けのミリメートルでの距離の標数で,最も近い5mmに丸める。
備考 各タイプの取付方法に使われる名称は,この附属書を作成したときに既に存在した規格,ASTM
E 795(吸音試験の間の試料の取付けのための実践規格)で用いられている名称に整合するよう
選定された。
2. タイプAの取付け 試料を残響室の床のような室表面に直接取り付け又は設置する方法である。平面
的な部材(例えば間仕切り壁)は,床に設置して測定する。試料を装着するのに接着剤又は機械的締付金
具システムを必要とする場合,試料の背後に空気層が残らないようにする。試験報告書には,その締付金
具及びその位置又は試料を保持するのに用いる表面処理の方法,接着剤などを明記する。
2種類以上の材料(又は,別々のパネル)が試料を形成するのに一緒に突き当てられる場合,製造業者
が何らかの他の方法を推薦していないのであれば,両者の間にすき間がないことを確認するために端部を
切断する。隣接する部材の継ぎ目は,テープ,コーキング材,非吸音性の材料などで覆うことが必要にな
る。継ぎ目を覆う理由は,個々の部材の側端での音の吸収を防ぐためである。その継ぎ目を覆った場合,
試験報告書にその方法と使用した材料を記述する。
その材料が実際の適用において設置される場合,端部が露出されないのであれば,その部分での音の吸
収を防ぐため端部をシール又は密封する必要がある露出される場合は,試料の端部はシール又は密封して
はならない。試料の端部の処置を試験報告書に明記する。その端部を覆わない場合,その部分の面積を報
告する必要はあるが,試料面積の算定には含めない。
試料の周辺端部を覆う場合,音響的に反射性の枠を使用する。その枠は固く空洞部がないものとし,試
料と枠との間及び室表面と枠との間にいかなる空気層も生じないようにする。厚さ1.0mmの鋼板,12.5mm
の石こうボード又は12.5mm以上の木製の枠を用いる。枠は,試料にしっかりと突きつけ,室表面に密着
する。枠のさらされる面は,試料の表面に面一にしなければならない。
試料の表面に,エキスパンドメタル又は材料表面を露出する他の材料が使用されている場合,試験報告
書に表面材料の仕様を明記する。
3. タイプEの取付け 試料の背後に空気層を設けて取り付ける方法である。取付け名称の添え字(例え
ば,タイプE-200)は,試料の表面と室表面との間の距離を,最も近い5mmの整数倍の数値に丸めて表す
ものとする。タイプEの取付けを用いる場合,E-200構成で試験する。E-200構成が実際的な用途に適合し
ない場合には,代わりにE-300かE-400構成を用いる。200mm,300mm又は400mmのいずれかに加えて
他の空気層を用いてもよいが,その距離を5mmの整数倍の数値とする。
取付けジグは,10kg/m2以上の面密度をもつ金属,木材又は他の非多孔質材で構成する。また,空気層
内隔壁が試料の一部として提供されるのでなければ,いかなる内部隔壁をももたない試料背後の空気層を
14
A 1409 : 1998 (ISO 354 : 1985)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
囲むものとする。ジグと室表面との間の間げきは,囲われた空間と外部との空気の出入りを防ぐために密
封する。取付けジグは試料の周辺端部をも覆い,残響室の壁と平行に設置してはならない。平行な取付け
ジグパネルはできる限り避ける。
4. タイプGの取付け カーテン,掛け布,窓の日除け又はブラインドのような試料を,室表面と平行に
つり下げる方法である。取付け名称の添え字(例えばタイプG-100)は,試料の取付けシステムの中心線
(例えば,レール)から室表面までの距離とする。通常タイプGの取付けを適用する試料は,G-100構成
で試験する。100mmの距離で実施するのに加えて別の距離を用いてもよいが,製造業者がその数値を推薦
していなければ,50mmの整数倍の数値を用いる。周辺フレームのあり又はなしが結果に影響するような
試料は,実際に使われる状態で試験する。周辺フレームを用いる場合,試料に突きつけ,かつ,室表面に
密着する。
全く別のカーテン配列で試験してもよい。タイプGの取付けが実際の特定の試験対象には用いられない
場合以外は,その試験はG-100構成に加えて実施する。報告書には特定の配列を詳細に記述する。
5. タイプIの取付け プラスターのようなスプレー仕上げ又はこて仕上げの材料についての取付方法で
ある。製造業者による特別の指定がなければ,その材料は,12.5mm厚の石こうボード上に仕上げる。そ
の仕上げ材料の養生の間は,石こうボードがひずまないように注意する。材料の付いた石こうボードは,
試料周りの枠とともにタイプA取付けで試験する。やむを得ない試料のひずみについては,試験報告書に
注記する。
15
A 1409 : 1998 (ISO 354 : 1985)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書E(参考) 残響室内の温度及び相対湿度の変化の
残響時間に対する影響の補正方法
1. 適用範囲 この附属書は,試料を入れた状態と入れない状態との残響室内空気の温湿度条件の変化が
大きい場合の,試料の吸音率αs又は等価吸音面積Aの算出結果を補正する方法を示す。
2. 補正方法
2.1
空気の音響吸収係数の算出 測定周波数帯域の中心周波数の音波に対する空気の音響吸収係数は,
残響室の残響時間の測定時における温度及び相対湿度の測定値から,次の式によって算出する。
(
)
(
)
2
,
2
,
2
/
5
0
2
2
2
/1
0
11
/
/1.
2239
exp
10
556
.2
10
68
.3
f
f
f
f
t
t
t
f
t
t
m
O
r
o
r+
−
×
+
×
=
−
−
−
(
)
(
)
2
,
2
,
2
/5
0
1
/
/
352
3
exp
10
136
.2
f
f
f
f
t
t
t
N
r
N
r
+
−
×
+
−
−
··································· (1)
h
h
h
fO
r
+
+
×
+
=
391
.0
05
.0
10
41
.4
24
4
,
······················································ (2)
−
−
+
×
=
−
−
1
142
.6
exp
350
9
3/1
0
2/1
0
,
t
t
h
t
t
fN
r
······················ (3)
h=hr×10K ················································································ (4)
−
−
=
01
10
01
log
081
028
.5
1
861
795
.
10
t
t
t
t
K
+1.504 74×10-4 [1−
)1
/
(
92
296
.3
01
10
−
−
t
t
]
+0.428 73×10-3 [−1+
)
/
1(
55
769
.4
01
10
t
t
−
] −2.219 598 3 ························ (5)
ここに,
m: 空気の音響吸収係数 (m-1)
t: 絶対温度 (K)
t0: 基準温度 (=293.15K)
f: 周波数 (Hz)
h: 水蒸気のモル濃度 (%)
hr: 相対湿度 (%)
t01: 水の三重点 (=273.16K)
2.2
空気の温湿度条件による補正 試料を入れた状態と入れない状態との残響室内空気の温湿度条件の
変化が,本体の6.3の表2の許容変化範囲を超えた場合,2.1によって求めたそれぞれの空気の音響吸収係
数から,試料の吸音率αs又は等価吸音面積Aを次の式によって算出する。
−
−
−
−
−
=
0
1
2
0
1
1
2
2
1
4
1
1
1
3.
55
S
S
m
m
S
V
S
S
T
c
T
c
S
V
S
α
···················· (6)
16
A 1409 : 1998 (ISO 354 : 1985)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(
)
1
2
1
1
2
2
4
1
1
3.
55
m
m
V
T
c
T
c
V
A
−
−
−
=
··········································· (7)
ここに,
V: 残響室の容積 (m3)
S0: 残響室の表面積 (m2)
S: 試料の面積 (m2)
c1, c2: T1及びT2を測定したときのそれぞれの残響室内空気の温
湿度条件における音速 (m/s)
m1, m2: T1及びT2を測定したときのそれぞれの残響室内空気の音
響吸収係数 (m-1)
ほとんどの残響室の場合,S/S0は非常に小さいので,式(6)は,次の式のように近似してもよい。
(
)
1
2
1
1
2
2
4
1
1
3.
55
m
m
S
V
T
c
T
c
S
V
S
−
−
−
=
α
········································ (8)
備考 式(6)及び(7)は,試料を入れた状態と入れない状態との残響室内空気の温湿度条件の変化によっ
て,残響室表面の吸音特性が変化しないと仮定して算出される。また,空気の温湿度条件の変
化による補正量は,残響室の容積に大きく依存するので,残響室の容積が200m3を超える場合
は,温湿度条件の変化が本体の6.3の表2の許容変化範囲内であっても測定結果に与える影響
をあらかじめ確認しておくことが望ましい。
JIS A 1409(残響室法吸音率の測定方法)の改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
安 岡 正 人
東京理科大学工学部
○ 子 安 勝
千葉工業大学情報工学科
井 上 勝 夫
日本大学理工学部
藤 井 弘 義
東洋大学工学部
福 水 健 文
通商産業省生活産業局
松 野 仁
建設省住宅局
大 嶋 清 治
通商産業省工業技術院
○ 橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会
大 川 平一郎
株式会社音環境研究所
福 島 寛 和
建設省建築研究所
○ 十 倉 毅
財団法人日本建築総合試験所
○ 吉 村 純 一
財団法人小林理学研究所
○ 米 澤 房 雄
財団法人建材試験センター
清 水 則 夫
財団法人ベターリビング
鎌 田 一 夫
住宅・都市整備公団
宮 尾 健 一
社団法人建築業協会
岡 島 舜 治
社団法人日本音響材料協会
(事務局)
勝 野 奉 幸
財団法人建材試験センター
関 根 茂 夫
財団法人建材試験センター
氏名に○印を付記してあるものは,分科会委員を兼ねる。その
他の分科会委員は,次のとおりである。
氏名
所属
小 田 聡
住宅・都市整備公団
大 島 敏
東京都立産業技術研究所
杉 野 潔
東急建設株式会社
飛 松 幸 彦
株式会社奥村組
中 川 清
清水建設株式会社