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(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 用語及び定義 ··················································································································· 1
3 試験装置························································································································· 3
4 試験方法························································································································· 5
4.1 装置の検査及び校正 ······································································································· 5
4.2 試験準備 ······················································································································ 6
4.3 試験手順 ······················································································································ 6
5 試験結果························································································································· 7
6 報告······························································································································· 7
6.1 現場報告書 ··················································································································· 7
6.2 試験報告書 ··················································································································· 8
附属書JA(参考)動的コーン貫入試験装置の例 ········································································· 9
附属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 10
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(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,公益社団法人地盤工学会(JGS)及び一般財
団法人日本規格協会(JSA)から団体規格(JGS 1437:2014)を基に作成した工業標準原案を具して日本工
業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が制定した日本工
業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
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動的コーン貫入試験方法
Method for dynamic cone penetration test
序文
この規格は,2005年に第1版として発行されたISO 22476-2を基とし,対応国際規格では1打撃当たり
の単位面積エネルギーEnによって4種類に分類して規定されている動的コーン貫入試験方法のうち,国内
で使用されている試験装置に対応した2種類の試験方法に限定して,技術的内容を変更して作成した日本
工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JBに示す。
1
適用範囲
この規格は,土及び軟岩へのコーンの動的貫入抵抗を測定する方法について規定する。コーンを打ち込
むために,規定の質量及び落下高さをもつハンマーを使用する。
この規格は,次の中型動的コーン貫入試験及び大型動的コーン貫入試験に適用する。
− 中型動的コーン貫入試験:1打撃当たりの単位面積エネルギーが,98 kJ/m2となるもの。
− 大型動的コーン貫入試験:1打撃当たりの単位面積エネルギーが,196 kJ/m2となるもの。
動的コーン貫入試験は,深さ方向に関して連続的な記録を得ることができるが,土試料を採取すること
はできない。ハンマーの打撃回数Ndを動的貫入抵抗として,地盤の硬軟及び締まり具合の判定に適用する
ことができる。
この規格による試験結果は,支持層の深さを決定することに利用できる。また,非常に緩い地盤,空洞
をもつ地盤,埋戻し地盤及び埋立て地盤を見つけることにも利用できる。さらに,直接的な地盤調査結果
(例 土のサンプリング)を伴うことで地盤性状を決定することもできる。
注記1 中型は対応国際規格のDPM(dynamic probing medium)に,大型は対応国際規格のDPSH-A
(dynamic probing super heavy-A)に相当する。
注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 22476-2:2005,Geotechnical investigation and testing−Field testing−Part 2: Dynamic probing
(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。
2
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2.1
動的コーン貫入試験装置
ロッド先端に取り付けたコーンを一定の打撃エネルギーで地盤に打ち込む試験装置。
2.2
打撃装置
ハンマー,ハンマーガイド,アンビル及び自動落下機構からなる装置。
2.3
ハンマー
コーンを打ち込むために必要なエネルギーを与えるための打撃装置の一部。
2.4
ハンマーガイド
自由落下するハンマーをアンビルに導く打撃装置の一部。
2.5
アンビル
ハンマーが自由落下したときのエネルギーをロッドへ伝える打撃装置の一部。
2.6
緩衝材
試験時のハンマーの衝突音の低減及び装置の損傷を最小化する目的のためにアンビル上に設置する部材。
2.7
自動落下機構
自動的にハンマーを自由落下させる機能をもつ装置。
2.8
落下高さ
ハンマーの自由落下の高さ。
2.9
ロッド
アンビルとコーンとを継ぐもの。
2.10
コーン
ロッド先端に付ける円すい形部分及びその円柱延長部。円柱延長部をマントルという。
2.11
Nd値
コーンを200 mm打ち込むのに必要な打撃回数。
注記 大型動的コーン貫入試験と中型動的コーン貫入試験とでは1打撃当たりの単位面積エネルギー
が異なるために,得られるNd値は異なる。
2.12
1打撃当たりの単位面積エネルギー,En
コーン単位面積に与えられる理論的な打撃エネルギーで,次の式で計算される値。
En=m×gn×h/A
ここに,
m: ハンマーの質量
3
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gn: 標準重力加速度
h: 落下高さ
A: コーン直径Dから計算される断面積
2.13
トルク,Mv
地盤中に貫入したロッドを回転させたときに計測される最大トルク。
2.14
自動測定装置
ハンマーの打撃回数,貫入長及びトルクを自動的に測定するためのセンサー,並びに記録装置。
2.15
貫入長
地盤中に貫入したコーンとロッドとの合計長さ。ただし,コーン先端の円すい形部分は含まない。
注記 ロッドの鉛直性が完全に保たれない場合は,貫入長は地表面からの深度にはならない。
3
試験装置
3.1
一般
a) 数字の丸め方は,表1の寸法及び質量の桁数になるように四捨五入する。
b) 動的コーン貫入試験装置の例を,附属書JAに示す。
3.2
打撃装置 打撃装置は,次による。また,その寸法及び質量は,表1による。
a) ハンマーは,落下中の抵抗を最小限にするように,ハンマーガイドを用いるものとする。
b) 自動落下機構は,ハンマーの開放時にほぼ静止し,ロッドの揺れなどを引き起こさずに,一定の落下
高さを確保できるものとする。
c) アンビルは,高強度鋼製とし,ロッドの頂部にきつく締め付ける剛結型,又はアンビル下部にロッド
頂部をはめ込む非剛結型とする。
d) 緩衝材は,アンビルの上に設置してもよい。
3.3
コーン コーンは鋼製とし,図1及び表1に示す寸法をもち,先端角90°の円すい形部分及び円柱
状のマントル部からなるものとする。
なお,コーンには回収型及び捨て型があるが,それらの寸法は同一である。捨て型を使用する場合は,
打撃中に脱落しない程度にロッドを差し込む。
注記 回収型では,試験終了後にロッドを引き抜くとコーンも一緒に引き抜かれ,回収される。ただ
し,トルク測定でロッドを回転させる場合には,コーンは回転せず,ロッドだけが回転する機
構になっていることが望ましい。捨て型では,試験終了後にロッドを引き抜くと,コーン部分
は分離し地中に取り残される。
3.4
ロッド ロッドは,表1に示す寸法及び質量をもち,直線性をもつものとする。ロッド材料は,過
度な変形及び磨耗を生じずに作業が行える高強度鋼製のものとする。ロッドの直線性は,ロッド長に対す
るたわみの割合で判断し,その割合は0.1 %(例 1 m当たり1 mm)を超えてはならない。ロッドは,レ
ンチがけ用の平たん部があってもよい。
3.5
トルク測定装置 トルク測定装置は,地盤中に貫入したロッドを回転させたときに生じるトルクを
トルクレンチ又はトルクレンチと同等以上の精度で計測できるものとする。トルクレンチを用いる場合に
は,レンチがけ用の平たん部を使用できる。トルク測定装置は,中型の場合,100 Nm以上のトルクが計測
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でき,5 Nm以下の読取り精度をもつものとする。大型の場合,200 Nm以上のトルクが計測でき,10 Nm
以下の読取り精度をもつものとする。
表1−中型及び大型動的コーン貫入試験装置の寸法及び質量
動的コーン貫入試験装置
記号
単位
寸法及び質量
種類
仕様
中型
大型
打撃装置
ハンマー質量
m
kg
30.0±0.3
63.5±0.5
落下高さ
h
mm
350±10
500±10
最大総質量a)
−
kg
70
115
アンビル
直径b)
D
mm
50<d<Dh
50<d<0.5 Dh
最大質量c)
ma
kg
18
18
コーン
公称断面積
A
mm2
1 052
1 590
底部直径
D
mm
36.6±2.0
45.0±2.0
マントル長さ
L
mm
69.0±3.0
90.0±2.0
円すい形部分長さ
Lc
mm
18.3±2.0
22.5±2.0
ロッド
最大質量
mr
kg/m
5.0
6.7
外径
dr
mm
28.0±0.4
32.0±0.4
長さ当たりの最大たわみの割合
−
%
0.1
0.1
注a) 打撃終了後にロッドに作用する質量
b) Dhはハンマー外径
c) ハンマーガイドを含む最大質量
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a) 回収型
b) 捨て型
図1−動的コーン貫入試験に用いるコーン
3.6
附帯装置
必要に応じて,次の附帯装置を用いることができる。
a) 自動測定装置
1) ハンマーの打撃回数を記録するために,機械式又は電気式の記録装置を用いてもよい。
2) 貫入長の測定の場合は,分解能2 mm以下のセンサーを用いてもよい。
3) トルクの測定の場合は,センサーを用いてもよい。
b) ロッドの鉛直性保持装置 ロッドの鉛直性を確保するための装置又はガイドを設置することが望まし
い。
c) ロッドの引抜き装置 ロッドの引抜き装置は,貫入したロッドを回収するために用いるもので,その
回収に十分な引抜力をもつものとする。
4
試験方法
4.1
装置の検査及び校正
新規調査前に,試験装置の寸法及び質量が表1に適合することを確認する。
なお,ロッドの直線性の確認は,新規調査前,及び少なくとも20か所の貫入試験ごとに実施する。
現場において,試験装置を適切に作動させるために,1分間当たりの打撃回数,落下高さ,自動落下機
2
1
4
3
90°
D
dr
凡例
1 :円すい形部分
2 :マントル
3 :自由回転接続
又は固定接続
4 :ロッド
L :マントル長さ
Lc:円すい形部分長さ
D:底部直径
dr:ロッド外径
90°
D
dr
2
1
4
凡例
1 :円すい形部分
2 :マントル
3 :差込み接続
4 :ロッド
L :マントル長さ
Lc:円すい形部分長さ
D:底部直径
dr:ロッド外径
3
凡例
1: 円すい形部分
2: マントル
3: 自由回転接続
又は固定接続
4: ロッド
L: マントル長さ
Lc: 円すい形部分長さ
D: 底部直径
dr: ロッド外径
凡例
1: 円すい形部分
2: マントル
3: 差込み接続
4: ロッド
L: マントル長さ
Lc: 円すい形部分長さ
D: 底部直径
dr: ロッド外径
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構の作動,及びハンマー底面とアンビル受圧面とが平滑に接していることを確認する。自動測定装置を用
いる場合には,記録装置が正常に作動することを確認する。
自動測定装置に損傷,過負荷,若しくは修理が生じた場合,又は少なくとも6か月に1回の頻度で測定
装置の精度を確認する。損傷した部品は交換する。校正記録をその装置とともに保管する。
4.2
試験準備
試験準備は,次による。
a) 動的コーン貫入試験装置は,試験中に水平方向に変位しないように地表面に設置する。ロッドの鉛直
性が2 %以下となるよう,打撃装置を据え付ける。ただし,試験結果が構造物,くい(杭),掘削孔な
どの影響を受けないように試験装置を設置する。
b) 車載した動的コーン貫入試験装置で試験を行う場合には,車のサスペンション(緩衝装置)が試験に
影響しないように,アウトリガーで車を支持する。
c) ロッドが水平方向に自由に動けるような水上又は掘削孔内で動的コーン貫入試験を行う場合は,打撃
中のロッドの曲げを防止するために,ロッドに摩擦が生じない保持材を用いなければならない。
4.3
試験手順
4.3.1
打撃回数の測定
打撃回数の測定は,次による。
a) コーンを1分間に15〜30回の打撃で,地盤に連続的に打ち込み,200 mmの貫入ごとの打撃回数をNd
値として記録する。打撃中の貫入量の測定は,ロッドに付けた目盛によって目視で確認するか,又は
自動測定装置による。
なお,5分間以上の試験の中断は,全て記録する。
b) ハンマーの上昇中にアンビル及びロッドに荷重を加えてはならない。
c) ロッドは,ロッドに不適切な曲げが生じないように,鉛直に打ち込む。ロッドを継ぎ足したとき,そ
のロッドの鉛直性が2 %以下であることが望ましい。鉛直性が5 %を超えた場合には,報告しなけれ
ばならない。
d) 軟弱粘土の場合は,必要に応じて1打撃当たりの貫入量を記録することが望ましい。打撃前に自沈が
生じた場合は,自沈量を記録する。
注記 打撃中に自沈が生じるような場合には,1打撃後の自沈がほぼ収まったことを確認した上で,
次の打撃を行うことが望ましい。
e) 中型で200回,大型で100回の打撃を行っても,貫入量が200 mmに達しない場合は,その貫入量を
記録して,試験を終了してもよい。また,200 mmの貫入に対して中型で100回以上,大型で50回以
上の打撃回数が5回連続した場合,試験を終了してもよい。
4.3.2
ロッドのトルク測定
ロッドのトルク測定は,次による。
a) ロッドのトルク測定は,少なくとも1 mの貫入ごとにロッドを1.5回以上回転させるか,又は最大ト
ルクに達するまで回転させて行う。トルクは,トルクレンチ又はこれと同等以上の精度をもつ装置で
計測し,記録する。
b) トルク測定後,ロッド間の緩みが生じないように,50回の打撃ごとにロッドを1.5回以上回転させる。
4.3.3
試験終了後の点検
試験終了後,打撃装置を外し,引抜き装置によってロッドを引き抜き,ロッドの直線性及び状態を目視
によって点検する。
7
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5
試験結果
試験結果は,貫入長に対する打撃回数Nd及びトルクMvを報告する。
6
報告
6.1
現場報告書
6.1.1
一般
現場報告書は,調査現場において作成し,計測値及び試験結果を記録する。
現場報告書に記載された全ての情報は,第三者1)が結果を確認でき,理解できるように記録しなければ
ならない。
注1) 第三者は,試験者以外の全ての者をいう。
6.1.2
計測値及び試験結果の記録
調査現場にて,試験ごとに次の情報を記録する。
なお,*が付いている情報は,必須の記録事項である。その他の情報は,必要に応じて記録を行えばよい。
a) 一般情報
1) 発注者名
2) 受注者名
3) 作業又は現場番号
4) 現場の名前及び場所
5) 試験者名*
b) 試験位置に関する情報
1) 試験実施日及び試験番号*
2) 調査位置図(縮尺は問わない)
3) 基準点に対する地盤高*
4) 試験地点の平面位置
5) 陸上作業又は水上作業の区別
c) 使用試験装置に関する情報
1) 動的コーン貫入試験の種類(中型又は大型)*
2) 試験装置の製造業者,形式及び製造番号
3) コーンの種類(回収型又は捨て型)
4) アンビルの種類(剛結型又は非剛結型)
5) 緩衝材の使用の有無,並びにその材質及び寸法
d) 試験手順に関する情報
1) 天気
2) 4.1によって実施した装置の検査及び校正に関する書類
3) 次の試験結果*
− 貫入長に対するNd値
− 貫入長に対するトルクMv
− 測定した場合は,1打撃当たりの貫入量
− 貫入量が200 mmに達せずに試験を終了した場合は,その貫入量
− 打撃前に自沈が生じた場合は,自沈量
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4) ロッド周面摩擦低減対策の有無
5) 先行掘削の有無
6) 1分間当たりの打撃回数
7) 測定している場合には,地下水状況
8) 想定外事項(装置動作不良など)*
9) 試験後のコーン及びロッドの状況
10) 試験中の中断事項*
11) 途中で試験を中止した理由*
12) 試験孔埋戻しの有無
13) 試験中にロッドの鉛直性が5 %を超えた場合の状況(貫入長,理由など)*
6.2
試験報告書
試験結果の品質を確認するために,試験報告書には6.1に記載した情報に加えて,次に示す項目を含ま
なければならない。試験結果は,第三者1)が確認でき,理解できるものとする。
a) 現場報告書(印刷物)
b) 試験結果を図化したもの
− 横軸に打撃回数Nd,縦軸に貫入長をとった図
− 横軸にトルクMv,縦軸に貫入長をとった図
c) この規格と部分的に異なる試験方法を用いた場合には,その内容
d) 現場責任者名
9
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附属書JA
(参考)
動的コーン貫入試験装置の例
図JA.1に,動的コーン貫入試験装置の例を示す。
図JA.1−動的コーン貫入試験装置の例
マスト
ハンマーガイド
ハンマー
打撃カウンター
アンビル
ロッド
ガイドローラー
貫入量スケールパイプ
(200 mm間隔)
レベル
コーン
緩衝材
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附属書JB
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS A 1230:2018 動的コーン貫入試験方法
ISO 22476-2:2005,Geotechnical investigation and testing−Field testing−Part 2:
Dynamic probing
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの
評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲 動的貫入抵抗を測定
すると規定。
1
規定長さコーンを貫入
させるに必要な打撃回
数を規定。
削除
用語及び定義の2.11(Nd値)に記
載されているため。
この規格で規定する
試験として,中型及び
大型動的コーン貫入
試験について規定。
1
JISとほぼ同じ
変更
対応国際規格ではDPL(dynamic
probing light)及びDPH(dynamic probing
heavy)の方法が規定されているが,JIS
では,削除した。
国内で使用されている試験装置に
限定した。
2 用語及び
定義
2.4 ハンマーガイド
−
−
追加
対応国際規格にないハンマーガイドの
定義を追加した。
JIS A 1219(標準貫入試験方法)と
の整合を図った。
2.7 自動落下機構
−
−
追加
対応国際規格にない自動落下機構の定
義を追加した。
JIS A 1219との整合を図った。
−
3.10
実打撃エネルギー
削除
−
我が国では,エネルギー測定方法
などが検証されていないため。
−
3.11
理論エネルギー
削除
−
この規格の2.12 En(1打撃当たり
の単位面積エネルギー)の項目に
含まれるため。
−
3.12
エネルギー比
削除
我が国では,エネルギー測定方法
などが検証されていないため。
2.11 Nd値
3.13
JISとほぼ同じ
変更
貫入長の具体的数値を記載した。
我が国では,中型及び大型の両者
とも200 mm貫入する打撃回数を
記録しているため,明確にした。
4
A
1
2
3
0
:
2
0
1
8
11
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(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの
評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
2 用語及び
定義(続き)
2.12 1打撃当たりの
単位面積エネルギー,
En
3.14
JISとほぼ同じ
追加
式だけでなく,文章でも記載した。
対応国際規格で定義されている理
論エネルギーの定義を削除したた
め。
2.13 トルク,Mv
−
−
追加
対応国際規格にないトルクの定義を追
加した。
定義を明確化するため。
2.14 自動測定装置
−
−
追加
対応国際規格にない自動測定装置の定
義を追加した。
定義を明確化するため。
2.15 貫入長
−
−
追加
対応国際規格にない貫入長の定義を追
加した。
定義を明確化するため。
3 試験装置 3.1 一般
−
−
追加
“数字の丸め方は,表1の寸法及び質
量の桁数になるように四捨五入する。”
とした。
有効数字を規定した。
試験装置の例を附属書JAにて示すこ
とを追加した。
規格使用者の便益を考慮したこと
による。
3.2 打撃装置
4.1
JISとほぼ同じ。
追加
アンビルについて,対応国際規格の4.2
にある記載を追加した。
分散している記載位置を統合した
ことによる。
JISとほぼ同じ。
追加
緩衝材について,対応国際規格の4.2
にある記載を追加した。
分散している記載位置を統合した
ことによる。
−
鉛直保持装置について
記載
削除
この規格の3.6 b)に移した。
附帯装置に関連する内容のため。
−
ハンマー上昇に油圧装
置を用いた場合につい
て記載
削除
対応国際規格では,油圧装置を用いる
場合は,EN 10204に規定する検査書類
を満たさなければならないと規定。
我が国ではEN 10204は適用され
ていないため。
−
4.2
アンビルについて記載
削除
−
この規格の3.2に記載位置を統合
したため。
3.3 コーン
4.3
JISとほぼ同じ
追加
回収型及び捨て型の機構を記載し,回
収型では“コーンは回転せず,ロッド
だけが回転する機構になっていること
が望ましい”とした。
ロッドだけに作用するトルクを測
定するために望ましい機構である
ため。
3.4 ロッド
4.4
レンチがけ用の平たん
部について記載
追加
対応国際規格の4.5にある記載を追加
した。
ロッドに対する規定であることに
よる。
4
A
1
2
3
0
:
2
0
1
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(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの
評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
3 試験装置
(続き)
−
4.4
中空ロッドについて記
載
削除
対応国際規格から削除した。
我が国では泥水注入は実際行われ
ていないため。
表1
Table
1
JISとほぼ同じ
変更
対応国際規格からDPL及びDPHの規
定を削除した。また,それぞれの数値
を変更した。
国内で流通している試験装置の実
情に合わせるため。
3.5 トルク測定装置
4.5
JISとほぼ同じ
追加
トルク測定装置の測定対象を記載し
た。
測定対象を明確化した。
4.5
JISとほぼ同じ
変更
“トルク測定装置は,中型の場合,100
Nm以上のトルクが計測でき,5 Nm以
下の読取り精度をもつものとする。大
型の場合,200 Nm以上のトルクが計測
でき,10 Nm以下の読取り精度をもつ
ものとする。”とした。
対応国際規格では,試験装置によらず
少なくとも200 Nmの計測ができ,5 Nm
以下の読取り精度としている。
国内で流通している試験装置の実
情に合わせるため。
−
4.5
センサーを用いたトル
ク測定について記載
削除
この規格の3.6 a)に移した。
自動測定装置を使用した場合に対
応する規定であるため。
−
4.5
レンチがけ用の平たん
部について記載
削除
この規格の3.4に移した。
ロッドに対する規定であるため。
3.6 a) 自動測定装置
4.6.1
4.6.2
JISとほぼ同じ
変更
対応国際規格で4.6.1“Blow Counter”
と4.6.2”Penetration length measuring
device”に分かれていたものを,この規
格の3.6 a)“自動測定装置”としてまと
めた。また,対応国際規格の4.5にある
“トルクの測定の場合は,センサーを
用いてもよい。”という記載を追加し
た。
我が国では,打撃回数及び貫入長
測定は,自動測定装置を用いた試
験装置が流通しているため。
−
4.6.3
泥水注入について記載
削除
対応国際規格では,中空ロッド及びポ
ンプを用いた泥水注入について記載し
ている。
我が国では,泥水注入は,実際に
は行われていないため。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの
評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
3 試験装置
(続き)
−
4.6.4
コーン寸法測定器具に
ついて記載
削除
対応国際規格では,ノギスによってコ
ーンの直径及び長さを測定する。
試験装置に対する附帯装置ではな
いため。
3.6 c) ロッドの引抜
き装置
−
−
追加
“貫入したロッドを回収するために用
いるもので,その回収に十分な引抜力
をもつものとする。”とした。
試験を円滑に実施するために規定
した。
4 試験方法 4.1 装置の検査及び
校正
5.1
JISとほぼ同じ
変更
対応国際規格から試験後の目視確認に
関する記載を削除した。
試験手順を考慮して記載位置を変
更したため。
−
5.1
打撃エネルギー測定に
ついて記載
削除
対応国際規格では,空気圧貫入装置の
確認のために打撃ごとのエネルギーを
測定しなければならない,また,打撃
効率を算出することが望ましいとして
いる。
エネルギーの測定方法など検証が
されていないため。
4.2 試験準備
5.2
試験中止条件を記載
削除
この規格の4.3に移した。
試験準備ではなく,試験開始後に
関する規定であるため。
−
5.2
ロッド保持について記
載
削除
2.0 m未満の間隔という規定を削除。
対応方法によって異なるため,限
定する必要がないため。
4.3.1 打撃回数の測
定 a)
−
追加
“打撃中の貫入量の測定は,ロッドに
付けた目盛によって目視で確認する
か,又は自動測定装置による。”とした。
打撃中の貫入量の測定について記
載がないことによる。
5.3
JISとほぼ同じ
変更
“200 mmの貫入ごとの打撃回数をNd
値として記録する。”とした。ISO規格
では,DPL,DPM及びDPHでは100
mm,DPSH-A及びDPSH-Bでは100 mm
又は200 mm貫入ごとの打撃回数を記
録することになっている。
国内では,中型及び大型とも200
mm貫入に対する打撃回数を記録
しているため,明確化した。
4.3.1 打撃回数の測
定 c)
5.3
ロッド鉛直性について
記載
追加
対応国際規格の5.2の記載内容“ロッド
を継ぎ足したとき,そのロッドの鉛直
性が2 %以下であることが望ましい。
鉛直性が5 %を超えた場合には,報告
しなければならない。”とした。
記載位置を変更したことによる。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの
評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
4 試験方法
(続き)
−
5.3
泥水注入について記載
削除
対応国際規格では周面摩擦力低減のた
めに泥水注入してもよいとしている。
国内では泥水注入は実際行われて
いないため,規定しない。
−
打撃回数の範囲につい
て記載
削除
対応国際規格では,一般的な打撃回数
範囲として,DPL,DPM及びDPHでは
貫入100 mmに対して3〜50回,
DPSH-A及びDPSH-Bでは貫入200 mm
に対して5〜100回が望ましいとしてい
る。また,この範囲を超えてもよいと
もある。
試験終了条件を記載している位置
に記載位置を変更したことによ
る。
4.3.1 打撃回数の測
定 d)
−
追加
“打撃前に自沈が生じた場合は,自沈
量を記録する。”とした。
国内の地盤特性を考慮したことに
よる。
4.3.1 打撃回数の測
定 e)
JISとほぼ同じ
変更
“中型で200回,大型で100回の打撃
を行っても貫入量が200 mmに達しな
い場合は,その貫入量を記録して,試
験を終了してもよい。また,200 mmの
貫入に対して中型で100回以上,大型
で50回以上の打撃回数が5回連続した
場合,試験を終了してもよい。”とした。
我が国では,中型及び大型の両者
とも,200 mm貫入させる打撃回数
を記録しているため,明確にした。
また,中型及び大型の総打撃エネ
ルギーが同一となるようにしたこ
とによる。
4.3.3 試験終了後の
点検
−
追加
“試験終了後,打撃装置を外し,引抜
き装置によってロッドを引き抜き,ロ
ッドの直線性及び状態を目視によって
点検する。”とした。
対応国際規格の5.1で記載してい
る内容を試験手順に合わせて移動
した。
−
5.4
影響要因について記載
削除
対応国際規格では,土質又は装置に関
する要因が装置の選択並びに操作,及
び試験結果に影響を及ぼすとしてい
る。
試験方法に関する記載内容ではな
いため。
−
5.5
安全規則について記載
削除
対応国際規格では,国家安全規則に従
わなければならないとしている。
試験方法を規定する内容ではない
ため。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの
評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5 試験結果
6
JISとほぼ同じ
追加
“トルクMv”も報告することとした。 対応国際規格の5.3ではトルクを
必ず計測し,記録するという記載
があるため。
−
6
試験結果の解釈に対す
る他の可能性について
記載
削除
対応国際規格では,試験結果の他の解
釈は動的先端抵抗の使用であるとして
いる。
解釈についての内容であり,試験
結果でないため。
−
記録した打撃回数へ及
ぼす影響の検討につい
て記載
削除
対応国際規格では,土の付着及び挫屈
によるロッドの周面摩擦を検討しなけ
ればならないとしている。
解釈についての内容であり,試験
結果でないため。
−
実打撃エネルギー確認
を推奨する記載
削除
対応国際規格では,定量的な評価目的
の試験の場合,実エネルギー効率を計
測することを推奨している。
エネルギーについての内容であ
り,この規格では規定しないため。
6 報告
6.1.2 計測値及び試
験結果の記録
7.1.2
JISとほぼ同じ
変更
“*が付いている情報は,必須の記録事
項である。その他の情報は,必要に応
じて記録を行えばよい。”とした。
記録する情報については重要性が
異なるため。
−
7.1.2
b) 2)
試験実施場所の地名
削除
対応国際規格では,試験実施場所内又
は近傍の地名を記録することにしてい
る。
この規格の6.1.2 a) 4)の内容と重
複するため。
d) 13) 試験中にロッ
ドの鉛直性が5 %を
超えた場合の状況(貫
入長,理由など)
−
追加
“試験中にロッドの鉛直性が5 %を超
えた場合の状況(貫入長,理由など)”
を記録することとした。
対応国際規格の5.2で記録すると
いう記載があることによる。
6.2 試験報告書
7.2
b)
5分以上中断時
削除
対応国際規格では,作業中,5分間以上
の中断事項全てを深度について図で表
現することになっている。
図で表す必要がないこと,また,
対応国際規格の7.1.2 d) 10)の内容
と重複するため。
−
7.2
c)
データ補正
削除
対応国際規格では,提出データにおけ
る補正について報告することになって
いる。
補正に関する内容の記載がないた
め。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 22476-2:2005,MOD
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
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