A 1228:2020
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 試験装置及び器具 ············································································································· 1
5 試料······························································································································· 2
6 試験方法························································································································· 3
7 計算······························································································································· 3
8 報告······························································································································· 4
附属書A(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表 ······························································ 5
A 1228:2020
(2)
まえがき
この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,公益社団法人
地盤工学会(JGS)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を改正すべきとの申出があり,日本産業標
準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本産業規格である。これによって,JIS A 1228:2009は
改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。国土交通大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本産業規格 JIS
A 1228:2020
締固めた土のコーン指数試験方法
Test method for cone index of compacted soils
序文
この規格は,2000年に制定され,その後2回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は2009年に
行われたが,その後のJIS Z 8401に基づく表記,JIS A 0207に基づく表記,用語の変更などに対応するた
めに改正した。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。また,技術上重要な改正に関する旧規格との対照を
附属書Aに記載する。
1
適用範囲
この規格は,目開き4.75 mmのふるいを通過した土をモールド内に突固めによって締め固めた供試体に
ついて,コーン指数を求める貫入方法について規定する。この規格は,安定処理した土にも適用できる。
ただし,この規格が適用できる安定処理土のコーン指数は,1 MN/m2〜1.5 MN/m2程度以下とする。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 0207 地盤工学用語
JIS A 1201 地盤材料試験のための乱した土の試料調製方法
JIS A 1202 土粒子の密度試験方法
JIS A 1203 土の含水比試験方法
JIS A 1210 突固めによる土の締固め試験方法
JIS Z 8401 数値の丸め方
JIS Z 8801-1 試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 0207による。
4
試験装置及び器具
試験装置及び器具は,次による。
4.1
貫入装置 貫入装置は,一定の速度でコーンを押し込み,荷重とコーンの貫入量とを測定できる装
置をいう。貫入装置にはCBR試験装置の貫入ピストンをロッドとコーンに換えたものなどがあるが,コー
ンペネトロメーターがよく用いられる。
2
A 1228:2020
コーンペネトロメーターは,単管構造とし,先端コーン,ロッド,押込み用ハンドル,荷重計などから
なるもので,次の条件を満たすもの(図1参照)。
単位 mm
図1−コーンペネトロメーターの例
a) 先端コーン 先端コーンは,摩耗しにくく,かつ,さびにくい材料とし,先端部は,先端角30±0.3°
で底面積324±4 mm2とする。
b) ロッド ロッドは,鋼製の管からなり,上部からの最大貫入力の範囲で測定に支障をきたさないもの。
c) 押込み用ハンドル 押込み用ハンドルは,人力によって箇条6 e) に示す貫入速度で先端コーンを貫入
させるもの。
d) 荷重計 荷重計は,予想される土の硬軟に応じて0.5 kN又は1 kNの容量をもち,かつ,最大貫入抵
抗力の±1 %程度の許容差で測定できるもの。
4.2
100 mmモールド,カラー及び2.5 kgランマー 100 mmモールド,カラー及び2.5 kgランマーは,
JIS A 1210に規定するもの。
4.3
その他の器具 その他の器具は,次による。
a) はかり はかりは,最小読取値1 gまではかることができるもの。
b) ふるい ふるいは,JIS Z 8801-1に規定する金属製網ふるいで,目開き4.75 mmのもの。
c) 含水比測定器具 含水比測定器具は,JIS A 1203に規定するもの。
d) 試料押出し器及び直ナイフ 試料押出し器及び直ナイフは,JIS A 1210に規定するもの。
5
試料
試料は,次による。
a) 自然含水比状態の土を用いて,JIS A 1201に規定する方法によって得られた目開き4.75 mmふるいを
通過したものを試料とする。土が湿っていてふるいを通過させることができない場合は,粗大な粒子
を手で取り除いたものを試料とする。試料の含水比は,試料の目的に応じて調整してもよい。
b) 試料は,約3 kgずつ必要な組数を用意する。
3
A 1228:2020
c) 試料の含水比が変わらないように保存する。
6
試験方法
試験方法は,次による。
a) モールド及び底板の質量m1(g)をはかる。
b) 箇条5で準備した試料を用いて,JIS A 1210の突固め方法の呼び名Aによって供試体を作製する。突
固め回数は,試験の目的に応じて変更してもよい。
c) モールド及び底板の全体の質量m2(g)をはかる。
d) 貫入装置を鉛直につり下げ,荷重計のゼロ点を調整する。
e) 供試体上端面の中央に貫入装置を鉛直に立て,10 mm/sの速度で貫入させ,コーンの先端が供試体上
端面から50 mm,75 mm及び100 mm貫入したときの荷重計の値から,それぞれの貫入抵抗力を求め
る。
なお,上記の条件を満たす場合は,自動貫入装置を用いてもよい。
f)
試料押出し器を用いて試料をモールドから取り出し,含水比w(%)を求める。含水比測定用の試料
は,測定個数が1個の場合は突き固めた土の中心部から,2個の場合は上部及び下部の中心部から採
取する。突き固めた試料の全量で含水比を測定してもよい。
7
計算
計算は,次による。
a) 貫入量50 mm,75 mm及び100 mmに対する貫入抵抗力を平均して,平均貫入抵抗力Qc(N)を求め,
四捨五入によって有効数字3桁に丸める。
b) コーン指数を次の式によって算出し,四捨五入によって小数点以下1桁に丸める。
3
c
c
10
×
=A
Q
q
ここに,
qc: コーン指数(kN/m2)
Qc: 平均貫入抵抗力(N)
A: コーン先端の底面積(mm2)
c) 供試体の湿潤密度を次の式によって算出し,四捨五入によって小数点以下2桁に丸める。
3
1
2
t
10
×
−
=
V
m
m
ρ
ここに,
ρt: 供試体の湿潤密度(Mg/m3)
m2: 締固め後の質量(g)
m1: モールド及び底板の質量(g)
V: モールドの容量(1 000×103 mm3)
d) 供試体の飽和度及び空気間隙率を,次の式によって算出し,四捨五入によって小数点以下1桁に丸め
る。
s
w
d
w
r
ρ
ρ
ρ
ρ−
=
w
S
4
A 1228:2020
100
100
1
s
w
w
d
a
×
+
−
=
w
v
ρ
ρ
ρ
ρ
ただし,次の式は,四捨五入によって小数点以下2桁まで算出する。
100
1
t
d
w
+
=
ρ
ρ
ここに,
Sr: 供試体の飽和度(%)
w: 供試体の含水比(%)
ρw: 水の密度(Mg/m3)
ρs: JIS A 1202によって求めた土粒子の密度(Mg/m3)
ρd: 供試体の乾燥密度(Mg/m3)
ρt: 供試体の湿潤密度(Mg/m3)
注記 従来,密度の単位として用いられてきたg/cm3は,Mg/m3と同じ数値を示す。
8
報告
報告は,次による。
a) 突固め回数及びコーン指数(kN/m2)
b) 供試体の含水比(%)
c) 供試体の湿潤密度(Mg/m3)
d) その他報告事項
必要に応じて,供試体の飽和度(%)及び空気間隙率(%)を報告する。
5
A 1228:2020
附属書A
(参考)
技術上重要な改正に関する新旧対照表
現行規格(JIS A 1228:2020)
旧規格(JIS A 1228:2009)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
1 適用範囲
コーン指数を求める貫入方法について規定す
る。
1 適用範囲
コーンペネトロメーターを用いてコーン指数を
求める貫入方法について規定する。
現況を踏まえた変更。
2 引用規格
JIS A 0207 地盤工学用語
JIS A 1201 地盤材料試験のための乱した土の
試料調製方法
JIS A 1202 土粒子の密度試験方法
JIS A 1203 土の含水比試験方法
JIS A 1210 突固めによる土の締固め試験方法
JIS Z 8401 数値の丸め方
JIS Z 8801-1 試験用ふるい−第1部:金属製網
ふるい
2 引用規格
JIS A 1201 土質試験のための乱した土の試料
調製方法
JIS A 1202 土粒子の密度試験方法
JIS A 1203 土の含水比試験方法
JIS A 1210 突固めによる土の締固め試験方法
JIS Z 8801-1 試験用ふるい−第1部:金属製網
ふるい
JIS用語(JIS A 0207)の規格
制定等のため追加。
−
(削除)
3.1 コーン指数 コーンペネトロメーターを1 cm/sの貫入速度で
5 cm,7.5 cm及び10 cm連続的に押し込んだと
きに,コーン底面に作用する貫入抵抗力の平均
値を,貫入先端のコーンの底面積で除した値。
JIS A 0207で定義されている
ため削除。
4.1 貫入装置
4.1 貫入装置
4.1 コーンペネ
トロメーター
4.1 コーンペネトロメーター
現況を踏まえた変更。
4.1 貫入装置
貫入装置は,一定の速度でコーンを押し込み,
荷重とコーンの貫入量とを測定できる装置をい
う。貫入装置にはCBR試験装置の貫入ピストン
をロッドとコーンに換えたものなどがあるが,
コーンペネトロメーターがよく用いられる。
4.1 コーンペネ
トロメーター
−
現況を踏まえた変更。
4.1 貫入装置
a) 先端コーン
先端角30±0.3°で底面積324±4 mm2とする。
4.1 コーンペネ
トロメーター
a) 先端コーン
先端角30°で底面積3.24 cm2とする。
単位変更に伴う変更。
2
A
1
2
2
8
:
2
0
2
0
6
A 1228:2020
現行規格(JIS A 1228:2020)
旧規格(JIS A 1228:2009)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
4.1 貫入装置
c) 押込み用ハ
ンドル
押込み用ハンドルは,人力によって箇条6 e) に
示す貫入速度で先端コーンを貫入させるもの。
4.1 コーンペネ
トロメーター
c) 押込み用ハ
ンドル
人力によって所定の貫入速度で先端コーンを貫
入させるもので,所定の貫入後,…。
運用を踏まえ,定義を変更。
4.3 その他の
器具
a) はかり
はかりは,最小読取値1 gまではかることがで
きるもの。
4.3 その他の器
具
a) はかり
はかりは,5 gまではかることができるもの。
有効数字明記に伴う変更。
5 試料
a)
試料の含水比は,試験の目的に応じて調整して
もよい。
5 試料
a)
−
運用を踏まえた追加。
5 試料
c)
試料の含水比が変わらないように保存する。
−
−
試験方法の明確化のため追
加。
6 試験方法
d)
貫入装置
6 試験方法
d)
コーンペネトロメーター
現況を踏まえた変更。
6 試験方法
f)
突き固めた試料の全量で含水比を測定してもよ
い。
6 試験方法
f)
−
運用を踏まえた追加。
7 計算
a)
平均貫入抵抗力Qc(N)を求め,四捨五入によ
って有効数字3桁に丸める。
7 計算
a)
平均貫入抵抗力Qc(N)を求める。
有効数字明記に伴う変更。
7 計算
b)
コーン指数を次の式によって算出し,四捨五入
によって小数点以下1桁に丸める。
7 計算
b)
コーン指数を,次の式によって算出する。
有効数字明記に伴う変更。
7 計算
b)
3
c
c
10
×
=A
Q
q
7 計算
b)
10
c
c
×
=A
Q
q
単位変更に伴う変更。
7 計算
c)
湿潤密度を次の式によって算出し,四捨五入に
よって小数点以下2桁に丸める。
7 計算
c)
湿潤密度を,次の式によって算出する。
有効数字明記に伴う変更。
7 計算
d)
飽和度及び空気間隙率を,次の式によって算出
し,四捨五入によって小数点以下1桁に丸める。
7 計算
d)
飽和度及び空気間げき(隙)率を,次の式によ
って算出する。
有効数字明記に伴う変更。
7 計算
d)
ただし,次の式は,四捨五入によって小数点以
下2桁まで算出する。
7 計算
d)
−
有効数字明記に伴う変更。
7 計算
d)
注記 従来,密度の単位として用いられてきた
g/cm3は,Mg/m3と同じ数値を示す。
7 計算
d)
−
単位変更に伴う変更。
2
A
1
2
2
8
:
2
0
2
0