A 1225:2020
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 試験方法の種類 ················································································································ 2
5 試験器具························································································································· 2
5.1 ノギス法の試験器具 ······································································································· 2
5.2 パラフィン法の試験器具及びパラフィン············································································· 3
6 供試体···························································································································· 3
6.1 供試体の形状 ················································································································ 3
6.2 供試体の作製 ················································································································ 3
7 試験方法························································································································· 4
7.1 供試体の質量及び含水比の測定 ························································································ 4
7.2 供試体体積の測定 ·········································································································· 4
8 計算······························································································································· 5
8.1 供試体の体積 ················································································································ 5
8.2 供試体の湿潤密度 ·········································································································· 7
9 報告······························································································································· 8
附属書A(参考)校正及び点検 ······························································································· 9
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 10
附属書JB(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表 ···························································· 13
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まえがき
この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,公益社団法人
地盤工学会(JGS)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を改正すべきとの申出があり,日本産業標
準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本産業規格である。これによって,JIS A 1225:2009は
改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。国土交通大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本産業規格 JIS
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土の湿潤密度試験方法
Test method for bulk density of soils
序文
この規格は,2014年に第1版として発行されたISO 17892-2を基とし,日本国内においては土層構成が
複雑であること,及び軟弱地盤を含めた地盤全般に対してこの規格から得られた試験結果に基づく設計体
系が成り立っていることを考慮し,技術的内容を変更して作成した日本産業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。また,技術上重要な改正に関する旧規格との対照を附属書
JBに記載する。
1
適用範囲
この規格は,自立する塊状の土の湿潤密度を求める試験方法について,次の方法を規定する。
a) ノギス法
b) パラフィン法
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 17892-2:2014,Geotechnical investigation and testing−Laboratory testing of soil−Part 2:
Determination of bulk density(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 0207 地盤工学用語
JIS A 1203 土の含水比試験方法
注記 対応国際規格:ISO 17892-1,Geotechnical investigation and testing−Laboratory testing of soil−
Part 1: Determination of water content
JIS B 7507 ノギス
JIS B 7514 直定規
JIS B 7526 直角定規
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 0207による。
2
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4
試験方法の種類
試験方法は,次による。
a) ノギス法 ノギス法は,成形できる直円柱供試体及び直方供試体に用いる。
b) パラフィン法 パラフィン法は,成形できない場合に用いる。
5
試験器具
5.1
ノギス法の試験器具
ノギス法の試験器具は,次による。
注記 試験器具の校正及び点検は,附属書Aを参照。
a) 供試体作製器具 供試体作製器具は,次による(図1参照)。
1) トリマー トリマーは,試料を載せる台座と試料固定板とが回転する構造をもつもので,外側の支
柱に沿わせて,ワイヤソー又は直ナイフで試料を削ることによって,直円柱の供試体に成形できる
もの。
2) マイターボックス マイターボックスは,二つ割りにできて,その内径が供試体の直径より僅かに
大きいものとし,両面が平行で,かつ,軸方向に対して直角なもの。
3) ワイヤソー ワイヤソーに使用する鋼線の直径は,0.2 mmから0.3 mm程度までのもの。
4) 直ナイフ 直ナイフは,鋼製で片刃の付いた辺の長さが250 mm以上のもの。
1 トリマー
2 マイターボックス
3 ワイヤソー
4 直ナイフ
図1−供試体作製器具の例
b) 直定規及び直角定規 直定規及び直角定規は鋼製で,JIS B 7514及びJIS B 7526に規定するもので,
最小読取値が0.5 mm以下のもの。
c) はかり はかりは,表1に示す最小読取値まではかることができるもの。
3
1
4
2
支柱
回転台座
試料固定板
3
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表1−試料の質量測定に用いるはかりの最小読取値
単位 g
試料の質量
最小読取値
10未満
0.001
10以上
100未満
0.01
100以上 1 000未満
0.1
1 000以上
1
d) 含水比測定器具 含水比測定器具は,JIS A 1203に規定するもの。
e) ノギス ノギスは,JIS B 7507に規定するもので,最小読取値が0.05 mm以下のもの。
5.2
パラフィン法の試験器具及びパラフィン
パラフィン法の試験器具などは,次による。
注記 試験器具の校正及び点検は,附属書Aを参照。
a) はかり 5.1 c) に規定するもので,かつ,水中における供試体の見掛けの質量が測定できるもの。
b) 含水比測定器具 含水比測定器具は,JIS A 1203に規定するもの。
c) 水中の供試体質量測定用の器具 水中の供試体質量測定用の器具は,水を入れる容器及び供試体を載
せるつり皿をもつもの(図2参照)。
d) 温度計 温度計は,0.1 ℃まで判読できるもの。
e) パラフィン パラフィンは,常温で固形状のもの。
f)
パラフィン溶融用容器及び加熱装置
図2−水中の供試体質量測定用器具の例
6
供試体
6.1
供試体の形状
供試体の形状は,ノギス法では直円柱又は直方体,パラフィン法では任意の形状とする。
6.2
供試体の作製
供試体の作製は,次による。
a) 乱れた部分は,ワイヤソーなどで取り除く。
b) 試料の含水比を変化させないように行い,試料に乱れを与えないように十分に注意する。
4
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c) ノギス法は,サンプリングチューブから試料を押し出し,適切な長さに切ったままの状態の試料を供
試体としてもよい。
d) 直円柱に成形する場合は,側面が所定の直径になるように,トリマー,ワイヤソーなどを用いて成形
する。また,両端面はマイターボックス,ワイヤソーなどを用いて成形する。
e) 直方体に成形する場合は,両端面が平行になるように,ワイヤソー,直ナイフなどを用いて切り出し,
その他の4面が端面に対して直角になるように成形する。平行及び直角の確認には,直定規又は直角
定規などを用いる。
7
試験方法
7.1
供試体の質量及び含水比の測定
供試体の質量m(g)をはかり,JIS A 1203に規定する方法に従い削りくずから含水比w(%)を求める。
なお,体積測定後の供試体を用いて含水比を求めてもよい。
7.2
供試体体積の測定
供試体体積の測定は,次の方法による。
a) ノギス法
1) 直円柱の場合は,供試体の直径D(mm)及び高さH(mm),直方体の場合は,供試体の縦A(mm),
横B(mm)及び高さH(mm)をノギスで測定する。直円柱を測定する場合,直径は供試体の上,
中,下の直交する2方向ではかり,算術平均値を求める。高さは円周を等分した3か所以上ではか
り,算術平均値を求める。直方体を測定する場合,供試体の縦A(mm),横B(mm),高さH(mm)
を上,中,下の3か所以上ではかり,算術平均値を求める(図3及び図4参照)。
2) 試験は,対象とする試料について最低1回行う。
a) 直円柱
b) 直方体
図3−供試体寸法の測定箇所の例
5
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a) 直円柱
b) 直方体
図4−ノギス法の測定例
b) パラフィン法
1) パラフィン溶融用容器及び加熱装置を用いて,パラフィンを溶融する。
2) 供試体を溶融したパラフィン液中に浸し,供試体表面に被膜を作る。供試体は,溶融したパラフィ
ン液中に何度か繰り返し浸して不透水の被膜を作った後,室温になるまで放置する。はけでパラフ
ィンを塗ってもよい。
3) パラフィン塗布後の供試体の質量m1(g)をはかる。
4) はかりに取り付けたつり皿の水中での見掛けの質量m2(g)をはかる。
5) パラフィンを塗布した供試体をつり皿に載せて水中につるし,水中での見掛けの質量m3(g)をは
かる。その際,つり皿及び供試体は完全に水中に入るようにし,両方とも容器に触れないようにす
る。
6) 水温T(℃)をはかる。水温は室温とおおむね同じにする。
7) 試験は,対象とする試料について最低1回行う。
8
計算
8.1
供試体の体積
供試体の体積は,次の式を用いて算出し,四捨五入によって小数点以下2桁に丸める。
注記 従来,密度の単位として用いられていたg/cm3は,Mg/m3と同じ数値を示す。
a) ノギス法 ノギス法における供試体の体積は,次の式によって算出する。
1) 直円柱の場合
H
D
V
2
4
π
=
ここに,
V: 供試体の体積(mm3)
D: 供試体の平均直径(mm)
H: 供試体の平均高さ(mm)
2) 直方体の場合
H
B
A
V
×
×
=
6
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ここに,
A: 供試体の縦の平均長さ(mm)
B: 供試体の横の平均長さ(mm)
b) パラフィン法 パラフィン法における供試体の体積は,次の式によって算出する。
なお,パラフィンの密度は,あらかじめ測定しておく。
(
)(
)
3
p
1
w
3
2
1
10
×
−
−
−
+
=
ρ
ρ
m
m
m
m
m
V
ここに,
m: 供試体の質量(g)
m1: パラフィン塗布後の供試体の質量(g)
m2: 水中でのつり皿の見掛けの質量(g)
m3: 水中での供試体及びつり皿の見掛けの質量(g)
ρw: 温度T(℃)での水の密度で表2に示す値(Mg/m3)
ρp: パラフィンの密度(Mg/m3)
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表2−蒸留水の密度
単位 Mg/m3
温度
T(℃)
温度T(℃)の小数点1桁の値
0.0
0.1
0.2
0.3
0.4
0.5
0.6
0.7
0.8
0.9
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
0.999 97
0.999 96
0.999 94
0.999 90
0.999 85
0.999 78
0.999 70
0.999 61
0.999 49
0.999 38
0.999 24
0.999 10
0.998 94
0.998 77
0.998 60
0.998 41
0.998 20
0.997 99
0.997 77
0.997 54
0.997 30
0.997 04
0.996 78
0.996 51
0.996 23
0.995 94
0.995 65
0.995 34
0.995 03
0.994 70
0.994 37
0.994 03
0.993 68
0.993 33
0.992 96
0.992 59
0.999 97
0.999 96
0.999 94
0.999 90
0.999 84
0.999 77
0.999 69
0.999 59
0.999 48
0.999 36
0.999 23
0.999 08
0.998 92
0.998 76
0.998 57
0.998 38
0.998 18
0.997 97
0.997 75
0.997 51
0.997 27
0.997 02
0.996 76
0.996 48
0.996 20
0.995 91
0.995 62
0.995 31
0.994 99
0.994 67
0.994 34
0.994 00
0.993 65
0.993 29
0.992 93
0.992 55
0.999 97
0.999 96
0.999 93
0.999 89
0.999 84
0.999 76
0.999 68
0.999 58
0.999 47
0.999 36
0.999 21
0.999 07
0.998 91
0.998 74
0.998 56
0.998 36
0.998 16
0.997 95
0.997 72
0.997 49
0.997 24
0.996 99
0.996 73
0.996 46
0.996 17
0.995 88
0.995 58
0.995 28
0.994 96
0.994 64
0.994 30
0.993 96
0.993 61
0.993 25
0.992 89
0.992 52
0.999 97
0.999 96
0.999 93
0.999 89
0.999 83
0.999 76
0.999 67
0.999 57
0.999 46
0.999 34
0.999 20
0.999 05
0.998 89
0.998 72
0.998 54
0.998 34
0.998 14
0.997 92
0.997 70
0.997 46
0.997 22
0.996 97
0.996 70
0.996 43
0.996 15
0.995 85
0.995 55
0.995 25
0.994 93
0.994 60
0.994 27
0.993 93
0.993 58
0.993 22
0.992 85
0.992 48
0.999 97
0.999 96
0.999 93
0.999 88
0.999 82
0.999 75
0.999 66
0.999 56
0.999 46
0.999 32
0.999 19
0.999 04
0.998 88
0.998 70
0.998 52
0.998 32
0.998 12
0.997 90
0.997 68
0.997 44
0.997 19
0.996 94
0.996 67
0.996 40
0.996 12
0.995 83
0.995 52
0.995 21
0.994 90
0.994 57
0.994 23
0.993 89
0.993 54
0.993 18
0.992 82
0.992 44
0.999 97
0.999 95
0.999 92
0.999 88
0.999 82
0.999 74
0.999 65
0.999 55
0.999 44
0.999 31
0.999 17
0.999 02
0.998 86
0.998 68
0.998 50
0.998 30
0.998 10
0.997 88
0.997 65
0.997 42
0.997 17
0.996 91
0.996 65
0.996 37
0.996 09
0.995 80
0.995 49
0.995 18
0.994 86
0.994 54
0.994 20
0.993 86
0.993 51
0.993 15
0.992 78
0.992 40
0.999 97
0.999 95
0.999 92
0.999 87
0.999 81
0.999 73
0.999 64
0.999 54
0.999 43
0.999 30
0.999 16
0.999 01
0.998 84
0.998 67
0.998 48
0.998 28
0.998 08
0.997 86
0.997 63
0.997 39
0.997 14
0.996 89
0.996 62
0.996 34
0.996 06
0.995 77
0.995 46
0.995 15
0.994 83
0.994 50
0.994 17
0.993 82
0.993 47
0.993 11
0.992 74
0.992 37
0.999 97
0.999 95
0.999 91
0.999 87
0.999 80
0.999 72
0.999 63
0.999 53
0.999 41
0.999 28
0.999 14
0.998 99
0.998 82
0.998 65
0.998 46
0.998 26
0.998 05
0.997 84
0.997 61
0.997 37
0.997 12
0.996 86
0.996 59
0.996 32
0.996 03
0.995 74
0.995 43
0.995 12
0.994 80
0.994 47
0.994 13
0.993 79
0.993 43
0.993 07
0.992 70
0.992 33
0.999 97
0.999 95
0.999 91
0.999 86
0.999 79
0.999 72
0.999 62
0.999 52
0.999 40
0.999 27
0.999 13
0.998 97
0.998 81
0.998 63
0.998 44
0.998 24
0.998 03
0.997 81
0.997 58
0.997 34
0.997 09
0.996 83
0.996 57
0.996 29
0.996 00
0.995 71
0.995 40
0.995 09
0.994 77
0.994 44
0.994 10
0.993 75
0.993 40
0.993 04
0.992 67
0.992 29
0.999 97
0.999 94
0.999 91
0.999 85
0.999 79
0.999 71
0.999 61
0.999 51
0.999 39
0.999 26
0.999 11
0.998 96
0.998 79
0.998 61
0.998 42
0.998 22
0.998 01
0.997 79
0.997 56
0.997 32
0.997 07
0.996 81
0.996 54
0.996 26
0.995 97
0.995 68
0.995 37
0.995 06
0.994 73
0.994 40
0.994 06
0.993 72
0.993 36
0.993 00
0.992 63
0.992 25
注記 表の見方の例 4.1 ℃の場合の蒸留水の密度は,縦軸で4を,横軸で0.1を選択し,縦横で交差した数値
0.999 97 Mg/m3とする。
8.2
供試体の湿潤密度
供試体の湿潤密度は,次の式を用いて算出し,四捨五入によって小数点以下2桁に丸める。
なお,対象とする試料について複数回行った場合の代表値は,算術平均値を採用する。
3
t
10
×
=Vm
ρ
ここに,
ρt: 供試体の湿潤密度(Mg/m3)
8
A 1225:2020
a) 供試体の乾燥密度は,次の式を用いて算出し,四捨五入によって小数点以下2桁に丸める。
100
1
t
d
w
+
=
ρ
ρ
ここに,
ρd: 供試体の乾燥密度(Mg/m3)
w: 供試体又は削りくずの含水比(%)
b) 土粒子の密度が既知の場合は,供試体の間隙比e及び飽和度Sr(%)を,次の式を用いて算出し,四
捨五入によって,間隙比は小数点以下2桁,飽和度は小数点以下1桁に丸める。
1
100
1
1
t
s
d
s
−
+
=
−
=
w
e
ρ
ρ
ρ
ρ
w
s
r
ρ
ρ
e
w
S=
ここに,
e: 供試体の間隙比
Sr: 飽和度(%)
ρs: 土粒子の密度(Mg/m3)
9
報告
報告事項は,次による。
a) 試験方法の種類
b) 供試体の体積(mm3)
c) 供試体の質量(g)
d) 供試体の含水比(%)
e) 供試体の湿潤密度(Mg/m3)
f)
供試体の乾燥密度(Mg/m3)
g) その他報告事項
なお,必要に応じて供試体の間隙比及び飽和度(%)を報告する。
9
A 1225:2020
附属書A
(参考)
校正及び点検
A.1 一般
この附属書は,土の湿潤密度試験に用いる試験器具の校正及び点検のために必要な事項について示す。
A.2 試験器具
A.2.1 はかり
はかりの校正及び点検は,次による。
a) 校正 はかりは,最初に使用するときと,その後少なくとも1年に1回は,標準分銅を用いて校正す
る。標準分銅は,JIS B 7609に規定するもので,はかりを使用する範囲の質量のものを用いる。標準
分銅の等級は,表1に示す最小読取値に見合ったものとする。
b) 点検 はかりは,使用する前にゼロ点の確認,及び最も使用する質量の標準分銅を載せて表示を確認
する。
A.2.2 温度計
温度計の校正及び点検は,次による。
a) 校正 温度計は,5年以内に校正又は交換する。熱電対を使用する場合は,最初に使用するとき,及
びその後少なくとも1年に1回は校正又は交換する。
b) 点検 温度計は,使用する範囲の温度とゼロ℃の点検を,最初に使用してから6か月後,及び1年に
1回行う。
A.2.3 ノギス
ノギスの校正は,次による。
a) 校正 ノギスは,内側と外側との両方を,基準となるブロックゲージ又は校正用のノギスを用いて,
少なくとも1年に1回校正する。基準となるブロックゲージ又は校正用ノギスは,少なくとも5年以
内に校正する。
A.2.4 寸法を確認する器具
寸法を確認する器具の点検は,次による。
a) 点検 直定規又は直角定規は使用日ごとに目視で損傷があるかを確認し,少なくとも1年に1回は基
準の直定規又は直角定規と比較して確認する。その他の器具,例えば,マイターボックス又は直角に
成形するためのジグなどは,寸法又は角度を確認するために,少なくとも1年に1回は点検する。
参考文献 JIS B 7609 分銅
10
A 1225:2020
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS A 1225:2020 土の湿潤密度試験方法
ISO 17892-2:2014,Geotechnical investigation and testing−Laboratory testing of soil−
Part 2: Determination of bulk density
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲 この規格は,自立する
塊状の土の湿潤密度
を求める試験方法に
ついて,次の方法を規
定する。
1
This International Standard
specifies three methods for the
determination of the bulk
density of soils, comprising.
削除
国内の実態に合わせて水置換法に
よる湿潤密度の測定を削除した。
設計体系が成り立っている日本の
現状を考慮した。
3 用語及び
定義
この規格で用いる主
な用語及び定義は,
JIS A 0207による。
3
−
変更
規格に用いられる用語を引用規格
であるJIS A 0207 地盤工学用語に
よって確認するよう変更した。
規格に用いられる用語に関しては
JIS A 0207に示されているため,
引用規格であるJIS A 0207を確認
するように変更した。
5.1 ノギス
法の試験器
具
a) 供試体作
成器具
3) ワイヤ
ソー
ワイヤソーに使用す
る鋼線の直径は,0.2
mmから0.3 mm程度
までのもの。
4.1.1 Cutting and trimming tools
(e.g. a sharp knife, wire saw,
spatula, cutting ring, soil
lathe)
追加
説明を追加した。
利用者にとって活用しやすくする
目的で追加した。
5.1
a) 供試体作
成器具
4) 直ナイ
フ
直ナイフは,鋼製で片
刃の付いた辺の長さ
が250 mm以上のも
の。
4.1.1 Cutting and trimming tools
(e.g. a sharp knife, wire saw,
spatula, cutting ring, soil
lathe)
追加
説明を追加した。
利用者にとって活用しやすくする
目的で追加した。
4
A
1
2
2
5
:
2
0
2
0
11
A 1225:2020
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5.1
b) 直定規
及び直角定
規
直定規及び直角定規
は鋼製で,JIS B 7514
及びJIS B 7526に規
定するもので,最小読
取値が0.5 mm以下の
もの。
4.1.2 Steel straight edge, with a
maximum
deviation
from
straight of 0,1 % of its length.
変更
JISを追加した。
利用者にとって活用しやすくする
目的で追加した。
5.1
c) はかり
はかりは,表1に示す
最小読取値まではか
ることができるもの。
4.1.5 Balance, accurate to 0.01 g or
0.1 % of the weighed mass,
whichever value is the greater.
変更
測定質量の有効数字を変更した。
表1を追加し,JIS A 1203及びJIS
A 1204と記載方法を統一。
5.1
e) ノギス
ノギスは,JIS B 7507
に規定するもので,最
小読取値が0.05 mm
以下のもの。
4.1.4 Callipers, either analogue or
digital, readable to 0.1 mm or
0.1 % of the measured length,
whichever value is the greater.
変更
測定精度を変更した。
旧規格では従来から最小読取値が
0.05 mm以下と規定されている。
5.2
a) はかり
5.1 c) に規定するも
ので,
4.2.2 Balance, accurate to 0.01 g or
0.1 % of the weighed mass,
whichever is the greater.
変更
測定質量の有効数字を変更した。
表1を追加し,JIS A 1203及びJIS
A 1204と記載方法を統一。
水中における供試体
の見掛けの質量が測
定できるもの。
−
−
追加
国内の実態に合わせて,追加した。 設計体系が成り立っている日本の
現状を考慮。
5.2
d) 温度計
温度計は,0.1 ℃まで
判読できるもの。
4.2.3 Thermometer or temperature
measuring device, accurate to
1 °C.
変更
対応国際規格では1 ℃としている
が,JISでは0.1 ℃まで判読できる
ものに変更した。
JIS A 1202及びJIS A 1204との整
合。
5.2
e) パラフ
ィン
パラフィンは,常温で
固形状のもの。
4.2.5 Materials: modelling clay or
putty and a suitable coating, to
prevent fluid penetration (if
used, e.g. paraffin wax).
削除
国内の実態に合わせて模型用粘土
やパテによるコーティングを削除
した。
従来法ではパラフィンを用いた方
法が適用されており,設計体系が
成り立っている日本の現状を考
慮。
7.2
a) ノギス
法
2)
試験は,対象とする試
料について最低1回
行う。
5
−
追加
試験回数を追加した。
試験回数について明記。
4
A
1
2
2
5
:
2
0
2
0
12
A 1225:2020
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
7.2
b) パラフ
ィン法
7)
試験は,対象とする試
料について最低1回
行う。
5
−
追加
試験回数を追加した。
試験回数について明記。
8.1 供試体
の体積
供試体の体積は,次の
式を用いて算出し,四
捨五入によって小数
点以下2桁に丸める。
6.1
Volume
追加
体積算出の有効桁数は明記して追
加した。
他のJISと整合。
8.1
b) パラフ
ィン法
パラフィン法におけ
る供試体の体積は,次
の式によって算出す
る。
なお,パラフィンの密
度は,あらかじめ測定
しておく。
6.1.2 Immersion in fluid method
追加
水の密度を追加した。
JIS A 1202との整合。
附属書A
(参考)
校正及び点
検
この附属書は,土の湿
潤密度試験に用いる
試験器具の校正及び
点検のために必要な
事項について示す。
Annex
A
(normative)
Calibration, maintenance and
checks
変更
校正及び点検の内容について,参考
として明記した。
設計体系が成り立っている日本の
現状を考慮し,校正及び点検の内
容については参考とした。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 17892-2:2014,MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
4
A
1
2
2
5
:
2
0
2
0
13
A 1225:2020
附属書JB
(参考)
技術上重要な改正に関する新旧対照表
現行規格(JIS A 1225:2020)
旧規格(JIS A 1225:2009)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
2 引用規格
JIS A 0207 地盤工学用語
JIS B 7507 ノギス
JIS B 7514 直定規
JIS B 7526 直角定規
2 引用規格
記載なし。
本文中に引用する規格を掲
載。
5.1
a) 供試体作製
器具
1) トリマー
トリマーは,試料を載せる台座と試料固定板と
が回転する構造をもつもので,外側の支柱に沿
わせて,ワイヤソー又は直ナイフで試料を削る
ことによって,直円柱の供試体に成形できるも
の。
5.1
a) 供試体作製
器具
1) トリマー
記載なし。
供試体の作成に必要な試験器
具(トリマー)の概要を明記。
5.1
b) 直定規及び
直角定規
直定規及び直角定規は鋼製で,JIS B 7514及び
JIS B 7526に規定するもので,最小読取値が0.5
mm以下のもの。
−
記載なし。
直方体の供試体成形時に使用
するため追記。
5.1
c) はかり
はかりは,表1に示す最小読取値まではかるこ
とができるもの。
5.1
b) はかり
はかりは,ひょう量100 g未満の場合は0.01 g,
ひょう量100 g以上1 kg未満の場合は0.1 g及び
ひょう量1 kg以上の場合は1 gまではかること
ができるもの。
表1を追加し,JIS A 1201,JIS
A 1203,JIS A 1204及びJIS A
1223と記載方法を統一。
5.1
e) ノギス
ノギスは,JIS B 7507に規定するもので,最小
読取値が0.05 mm以下のもの。
5.1
d) ノギス
最小読取りが0.05 mm以下のもの。
JIS B 7507のノギスの使用を
明記。
5.2
d) 温度計
温度計は,0.1 ℃まで判読できるもの。
5.2
d) 温度計
温度計は,最小目盛1 ℃以下のもの。
JIS A 1202及びJIS A 1204と
の整合。
5.2
e) パラフィン
パラフィンは,常温で固形状のもの。
5.2
e) パラフィン
記載なし。
説明の追記。
6.1 供試体の
形状
供試体の形状は,ノギス法では直円柱又は直方
体,パラフィン法では任意の形状とする。
6.1 供試体の
形状
供試体の形状は,ノギス法では円柱体,パラフ
ィン法では任意の形状とする。
ISO 17892-2:2014との整合。
4
A
1
2
2
5
:
2
0
2
0
14
A 1225:2020
現行規格(JIS A 1225:2020)
旧規格(JIS A 1225:2009)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
6.2 供試体の
作製
e)
直方体に成形する場合は,両端面が平行になる
ように,ワイヤソー,直ナイフなどを用いて切
り出し,その他の4面が端面に対して直角にな
るように成形する。平行及び直角の確認には,
直定規又は直角定規などを用いる。
−
記載なし。
直方体の供試体作製方法を追
記。
7.2 供試体体
積の測定
a) ノギス法
1)
直円柱の場合は,供試体の直径D(mm)及び高
さH(mm),直方体の場合は,供試体の縦A(mm),
横B(mm)及び高さH(mm)をノギスで測定
する。直円柱を測定する場合,直径は供試体の
上,中,下の直交する2方向ではかり,算術平
均値を求める。高さは円周を等分した3か所以
上ではかり,算術平均値を求める。直方体を測
定する場合,供試体の縦A(mm),横B(mm),
高さH(mm)を上,中,下の3か所以上ではか
り,算術平均値を求める。
7.2 供試体体
積の測定
a) ノギス法
ノギスを用いて供試体の平均直径D(cm)及び
平均高さH(cm)を求める。供試体の直径は供
試体の上,中,下のそれぞれの位置で直交する
2方向をはかり,高さは円周を等分した2か所
以上のそれぞれの位置ではかる。
ISO 17892-2:2014との整合。
7.2
a) ノギス法
2)
試験は,対象とする試料について最低1回行う。 −
記載なし。
適正な試験回数を明記。
7.2
b) パラフィン
法
1)
パラフィン溶融用容器及び加熱装置を用いて,
パラフィンを溶融する。
−
記載なし。
パラフィン溶融方法の追記。
7.2
b) パラフィン
法
7)
試験は,対象とする試料について最低1回行う。 −
記載なし。
適正な試験回数を明記。
8 計算
8.1 供試体の
体積
供試体の体積は,次の式を用いて算出し,四捨
五入によって小数点以下2桁に丸める。
注記 従来,密度の単位として用いられていた
g/cm3は,Mg/m3と同じ数値を示す。
8 計算
記載なし。
湿潤密度試験における適正な
有効数字の明記と,単位の統
一。
4
A
1
2
2
5
:
2
0
2
0
15
A 1225:2020
現行規格(JIS A 1225:2020)
旧規格(JIS A 1225:2009)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
8.1 供試体の
体積
a) ノギス法
2) 直方体の場
合
H
B
A
V
×
×
=
ここに, A:供試体の縦の平均長さ(mm)
B:供試体の横の平均長さ(mm)
8.1 供試体の
体積
a) ノギス法
記載なし。
直方体の計算方法を追記。
8.2 供試体の
湿潤密度
供試体の湿潤密度は,次の式を用いて算出し,
四捨五入によって小数点以下2桁に丸める。
なお,対象とする試料について複数回行った場
合の代表値は,算術平均値を採用する。
8.2 供試体の
湿潤密度
供試体の間隙比e及び飽和度Sr(%)を,次の
式によって算出することができる。
適正な表示桁数を明記。
附属書A
(参考)
校正及び点検
土の湿潤密度試験に用いる試験器具の校正及び
点検のために必要な事項について記載。
−
記載なし。
ISO 17892-2:2014との整合。
4
A
1
2
2
5
:
2
0
2
0