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A 1221:2020  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義··················································································································· 1 

4 試験装置························································································································· 2 

5 試験手順························································································································· 5 

5.1 装置の点検及び校正 ······································································································· 5 

5.2 試験準備 ······················································································································ 5 

5.3 試験手順 ······················································································································ 6 

5.4 試験終了後の作業 ·········································································································· 8 

6 試験結果························································································································· 8 

7 報告······························································································································· 8 

7.1 現場報告書 ··················································································································· 8 

7.2 試験報告書 ··················································································································· 9 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 11 

附属書JB(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表 ···························································· 19 

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(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,公益社団法人

地盤工学会(JGS)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を

改正すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本産業規格で

ある。これによって,JIS A 1221:2013は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。国土交通大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

日本産業規格          JIS 

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スクリューウエイト貫入試験方法 

Method for screw weight sounding test 

序文 

この規格は,2017年に第1版として発行されたISO 22476-10を基とし,我が国で使用されている試験

装置及び試験方法によって長年蓄積された地盤データに基づいて建築,土木などの設計体系が成り立って

いることを考慮し,技術的内容を変更して作成した日本産業規格である。この試験装置及び試験方法は元々

スウェーデンで開発されたものであるため,我が国では導入元である国名を考慮して旧規格までは“スウ

ェーデン式サウンディング試験方法”という名称としていた。しかし,対応国際規格ではスウェーデンと

いう国名が付けられていないこと,並びに我が国では試験装置及び試験方法が独自に発展し,対応国際規

格とは異なるものとなっていることから,規格名称を“スクリューウエイト貫入試験方法”と変更した。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。技術的差

異の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。また,技術上重要な改正に関する新旧対照表を附属

書JBに示す。 

適用範囲 

この規格は,自然地盤及び人工地盤を対象として,スクリューウエイト貫入試験装置を用いて,地盤の

硬軟,締まり具合及び土層構成を評価するための静的貫入抵抗を求める試験方法について規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 22476-10:2017,Geotechnical investigation and testing−Field testing−Part 10: Weight sounding 

test(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”こ

とを示す。 

引用規格 

次に掲げる引用規格は,この規格に引用されることによって,その一部又は全部がこの規格の要求事項

を構成している。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS A 0207 地盤工学用語 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次によるほか,JIS A 0207による。 

3.1 

自沈 

回転を与えずに静的に貫入する状態 

3.2 
静的貫入抵抗(weight sounding resistance) 

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静的貫入最小荷重(Wsw)及び換算半回転数(Nsw)で表される抵抗 

3.3 
静的貫入最小荷重,Wsw 

1 000 N以下で,自沈する最小荷重 

3.4 
測定半回転数,Na 

Wswが1 000 Nの荷重で自沈が停止した後,回転を与えて0.25 m貫入させるのに必要な回転180度ごと

の回転数 

3.5 
換算半回転数,Nsw 

Naを貫入量1 m当たりに換算した回転180度ごとの回転数 

3.6 
貫入長 

地盤中に貫入したスクリューポイントとロッドとの合計長さ 

注釈1 ロッドの鉛直性が保たれていない状態での貫入長は,地表面からの深度にはならない。 

試験装置 

4.1 

スクリューウエイト貫入試験装置 スクリューウエイト貫入試験装置は,スクリューポイント,ロ

ッド,載荷装置及び回転装置で構成する。載荷装置及び回転装置には,全ての操作が手動で行われる手動

式,回転だけが自動で行われる半自動式,及び回転・載荷・試験記録の全てが自動で行われる全自動式が

ある。 

手動式による試験装置の例を図1,半自動式による試験装置の例を図2,及び全自動式による試験装置の

例を図3に示す。 

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記号説明 

1: ハンドル(回転装置) 
2: おもり(0.25 kN) 
3: おもり(0.10 kN) 
4: クランプ(0.05 kN) 
5: 底板 
6: ロッドφ19 mm 
7: スクリューポイント 

図1−手動式による試験装置の例 

記号説明 

1: 回転装置 
2: チャック 
3: おもり(0.25 kN) 
4: ガイドレール 
5: ロッドφ19 mm 
6: スクリューポイント 
7: 昇降ウインチ 
8: 打撃用ジグ 

図2−半自動式による試験装置の例 

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A 1221:2020  

記号説明 

1: 昇降装置 
2: 回転装置 
3: 自動記録装置 
4: チャック 
5: ガイドレール 
6: ロッドφ19 mm 
7: スクリューポイント 
8: 打撃用ジグ 

図3−全自動式による試験装置の例 

4.2 

スクリューポイント スクリューポイントは鋼製とし,図4に示す形状及び寸法とする。寸法及び

角度の許容誤差は全て±1 %とする。 

単位 mm 

図4−スクリューポイント 

4.3 

ロッド ロッドは鋼製とし,径は19.0 mm±0.2 mmとする。ロッドの質量は2.0 kg/m±0.5 kg/mとす

る。手動式及び半自動式のロッドには,スクリューポイント先端から250 mmに目盛を付け,その後250 

mmごとに目盛を付けなければならない。 

記号説明 

α: 先端から最大径までの長さ,150 mm 
β: 全長で先端へ向かって1回の右ねじれの距離,

200 mm 

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直線軸からのずれは1 mm/mを超えてはならない。ロッド接合部でのロッド中心からのずれは,0.1 mm

を超えてはならない。ロッドをつな(繫)いだ状態での隣り合う2本のロッドの角度のずれは,0.005 rad

を超えてはならない。 

4.4 

載荷装置 

a) 手動式 おもりによって,ロッドに50 N,150 N,250 N,500 N,750 N及び1 000 Nの荷重をかける

ことができるもの。ただし,50 Nはクランプの自重による。 

b) 半自動式 おもり又はおもりと装置自重とを合わせたものによって,ロッドに50 N,150 N,250 N,

500 N,750 N及び1 000 Nの荷重をかけることができるもの。 

c) 全自動式 手動式と同等の荷重を機械的にロッドに自動でかけることができるもの。荷重計などによ

る制御装置を用いて力をかけなければならない。ただし,0 N〜1 000 Nの任意の荷重をかけることが

できるものであってもよい。 

なお,荷重の許容誤差は,それぞれの荷重の値に対して±2 %とする。 

4.5 

回転装置 1 000 Nの状態で自沈が止まった後,かけた荷重を保持したまま,モーターによってロッ

ドを右回りに回転させるもので,回転速度は1分間当たり15回転〜40回転の範囲にあるもの。半自動式

及び全自動式の回転装置だけがもつ。 

4.6 

自動記録装置 各載荷段階での荷重,半回転数及び貫入長を自動的に記録できるもの。全自動式だ

けがもつ。 

4.7 

引抜き装置 引抜き装置は,試験が終了した後,スクリューポイント付きのロッドを回収するため

に用いるもので,その回収に十分な引抜力をもつもの。 

試験手順 

5.1 

装置の点検及び校正 

試験前に,スクリューポイント,載荷装置及び回転装置が損傷していないこと,並びにロッド及びねじ

部の変形及び損傷がないことを目視によって点検する。摩耗によって最大径が30 mm以下又は全長が185 

mm以下となったスクリューポイントを用いてはならない。半自動式の回転装置,並びに全自動式の載荷

装置,回転装置及び自動記録装置が,正常に作動することを試験前に確認する。 

載荷装置及び回転装置の校正は,損傷を確認した場合,装置に過負荷を与えた場合又は修理した場合の

後に行う。自動記録装置の校正は,損傷を確認した場合,又は修理した場合の後に行う。ただし,校正の

必要がない場合でも,少なくとも6か月ごとに精度を確認しなければならない。装置ごとの校正記録及び

精度の確認記録は,保管しなければならない。 

5.2 

試験準備 

表層が硬質で貫入が困難な地盤の場合,又はロッドと地盤との間の周面摩擦力を低減させる場合には,

必要に応じて事前削孔してもよい。事前削孔の有無及び事前削孔深度は,記録して報告しなければならな

い。 

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5.3 

試験手順 

5.3.1 

手動式の試験 

手動式の試験は,次による。 

a) 貫入時にクランプが地盤にめり込むおそれがある場合には,あらかじめ底板を設置し,めり込みを防

止する。 

b) あらかじめスクリューポイントを取り付けたロッドにクランプ(50 N)を固定し,ハンドルを取り付

け,調査地点上に鉛直に立てる。 

c) かける荷重は,50 N,150 N,250 N,500 N,750 N及び1 000 Nとし,段階的に載荷する。 

d) 各載荷段階でロッドが自沈する場合は,目視で自沈が停止するのを確認し,その貫入長を測定し,こ

のときの荷重を静的貫入最小荷重Wswとして記録する。また,このときの貫入状況を記録する。 

e) 各載荷段階でロッドの自沈が停止した後,次の段階のおもりをクランプの上に載せてロッドに荷重を

かけ,d)の操作を繰り返す。 

f) 

荷重1 000 Nの段階で,ロッドの自沈が停止した場合は,鉛直方向に力を加えないようにハンドルを

手動で右回りに回転させ,0.25 mごとにロッドに付けた次の目盛まで貫入させるのに必要な測定半回

転数Na及び貫入長を測定し,記録する。また,このときの貫入音を記録する。その場合,回転速度は

1分間当たり30回転以下とする。以後の測定は,0.25 mごとに行う。 

ここで,地盤中のれき(礫),転石,異物などによって回転貫入が進まない場合には,回転を一旦停

止し,図1に示すハンドルの中心部をハンマー,おもりなどで打撃して,回転貫入が進まないことが

一時的ではないかどうかを確認する。その場合の打撃方法及び貫入長を記録する。 

g) クランプが底板又は地表面付近に達したら,全てのおもりを手動で取り除き,ハンドルを取り外す。

鉛直性を確認しながらロッドを継ぎ足す。クランプを引き上げて固定し,ハンドルを取り付け,c)〜f)

の操作を行う。 

h) 回転貫入の途中で,急激な貫入が生じた場合は,回転を与えずに貫入するかどうか確認する。その後,

1 000 Nの荷重だけで貫入する場合はd)に従って,貫入しない場合はf)に従って,以後の操作を行う。 

i) 

d)の操作の途中で急激な貫入が生じた場合又はh)の操作の途中で回転を与えなくても急激な貫入が生

じた場合は,そのまま貫入させ,貫入長及び貫入状況を記録し,c)に従って以後の操作を行う。 

j) 

次の状態が確認された場合は,試験を終了し,測定終了事由及び終了貫入長を記録する。 

1) 受渡当事者間の事前の取り決めによる貫入長に到達した場合 

2) スクリューポイントが硬質層に達し,半回転数50回に対して貫入量0.05 mに満たない場合 

3) ロッド回転時の抵抗が著しく大きくなる場合 

4) 地中障害物に当たり貫入不可となった場合 

5.3.2 

半自動式の試験 

半自動式の試験は,次による。 

a) 試験装置を調査地点上に水平に設置する。 

なお,エンジン及び発電機からの振動が,静的貫入抵抗に影響を与えないようにしなければならな

い。 

b) 試験装置にあらかじめスクリューポイントを取り付けたロッドを固定し,スクリューポイント先端が

地表面に接触するように鉛直に立てる。 

c) かける荷重は,50 N,150 N,250 N,500 N,750 N及び1 000 Nとし,段階的に載荷する。ただし,

受渡当事者間の事前の取り決めによって載荷段階を500 N,750 N及び1 000 Nとした場合には,載荷

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段階の値としてかけた荷重を必ず報告しなければならない。 

d) 各載荷段階でロッドが自沈する場合は,目視で自沈が停止するのを確認し,その貫入長を測定し,こ

のときの荷重を静的貫入最小荷重Wswとして記録する。また,このときの貫入状況を記録する。 

e) 各載荷段階でロッドの自沈が停止した後,次の段階の荷重を与え,d)の操作を繰り返す。 

f) 

荷重1 000 Nの段階で,ロッドの自沈が停止した場合は,鉛直方向に力を加えないように回転装置に

よってロッドを右回りに回転させ,0.25 mごとにロッドに付けた次の目盛まで貫入させるのに必要な

測定半回転数Na及び貫入長を測定し,記録する。また,このときの貫入音を記録する。その場合の回

転速度は,1分間当たり15回転〜40回転とするが,1分間当たり30回転が望ましい。以後の測定は,

0.25 mごとに行う。 

ここで,地盤中のれき(礫),転石,異物などによって回転貫入が進まない場合には,回転を一旦停

止し,図2に示す打撃用ジグをロッドに取り付けた状態でハンマー,おもりなどで打撃して,回転貫

入が進まないことが一時的ではないかどうかを確認する。その場合の打撃方法及び貫入長を記録する。 

g) 載荷装置及び回転装置の下端が地表面付近に達したら,ロッドとの固定を解除する。鉛直性を確認し

ながらロッドを継ぎ足し,c)〜f)の操作を行う。 

h) 回転貫入の途中で,急激な貫入が生じた場合は,回転を与えずに貫入するかどうか確認する。その後,

1 000 Nの荷重だけで貫入する場合はd)に従って,貫入しない場合はf)に従って,以後の操作を行う。 

i) 

d)の操作の途中で急激な貫入が生じた場合又はh)の操作の途中で回転を与えなくても急激な貫入が生

じた場合は,一旦貫入が停止するまでかけた荷重を段階的に除荷し,貫入長及び貫入状況を記録し,

c)に従って以後の操作を行う。 

j) 

次の状態が確認された場合は,試験を終了し,測定終了事由及び終了貫入長を記録する。 

1) 受渡当事者間の事前の取り決めによる貫入長に到達した場合 

2) スクリューポイントが硬質層に達し,半回転数50回に対して貫入量0.05 mに満たない場合 

3) ロッド回転時の抵抗が著しく大きくなる場合 

4) 地中障害物に当たり貫入不可となった場合 

5.3.3 

全自動式の試験 

全自動式の試験は,次による。 

a) 試験装置を調査地点上に水平に設置する。 

なお,エンジン及び発電機からの振動が,静的貫入抵抗に影響を与えないようにしなければならな

い。 

b) 試験装置にあらかじめスクリューポイントを取り付けたロッドを固定し,スクリューポイント先端が

地表面に接触するように鉛直に立てる。 

c) かける荷重は,50 N,150 N,250 N,500 N,750 N及び1 000 Nとし,段階的に載荷することを標準

とするが,0 N〜1 000 Nまでの任意の荷重を段階的にかけてもよい。 

ただし,受渡当事者間の事前の取り決めによって載荷段階を500 N,750 N及び1 000 Nとした場合

には,載荷段階の値としてかけた荷重を必ず報告しなければならない。 

d) 各載荷段階でロッドが自沈する場合は,自沈が停止するまでの貫入長を測定し,このときの荷重を静

的貫入最小荷重Wswとして自動記録する。また,このときの貫入状況を記録する。 

なお,貫入速度が5 mm/s以下を自沈停止とみなしてもよい。 

e) 各載荷段階でロッドの自沈が停止した後,次の段階の荷重をかけ,d)の操作を繰り返す。 

f) 

荷重1 000 Nの段階で,ロッドの自沈が停止した場合は,鉛直方向に力を加えないように回転装置に

A 1221:2020  

よってロッドを右回りに回転させ,次の0.25 mまで貫入させるのに必要な測定半回転数Na及び貫入

長を測定し,自動記録する。また,このときの貫入音を記録する。その場合の回転速度は,1分間当た

り15回転〜40回転とするが,1分間当たり30回転が望ましい。以後の測定は,0.25 mごとに行う。 

ここで,地盤中のれき(礫),転石,異物などによって回転貫入が進まない場合には,回転を一旦停

止し,図3に示す打撃用ジグをロッドに取り付けた状態でハンマーなどで打撃して,回転貫入が進ま

ないことが一時的ではないかどうかを確認する。その場合の打撃方法及び貫入長を記録する。 

g) 載荷装置の下端が地表面付近に達したら,載荷装置とロッドとの固定を解除する。鉛直性を確認しな

がらロッドを継ぎ足し,c)〜f)の操作を行う。 

h) 回転貫入の途中で,急激な貫入が生じた場合は,回転を与えずに貫入するかどうか確認する。その後,

1 000 Nの荷重だけで貫入する場合はd)に従って,貫入しない場合はf)に従って,以後の操作を行う。 

なお,貫入速度が80 mm/s以上を急激な貫入とみなしてもよい。 

i) 

d)の操作の途中で急激な貫入が生じた場合又はh)の操作の途中で回転を与えなくても急激な貫入が生

じた場合は,一旦貫入が停止するまでかけた荷重を段階的に除荷し,貫入長及び貫入状況を記録し,

c)の操作から始める。 

j) 

次の状態が確認された場合は試験を終了し,測定終了事由及び終了貫入長を記録する。 

1) 受渡当事者間の事前の取り決めによる貫入長に到達した場合 

2) スクリューポイントが硬質層に達し,半回転数50回に対して貫入量0.05 mに満たない場合 

3) ロッド回転時の抵抗が著しく大きくなる場合 

4) 地中障害物に当たり貫入不可となった場合 

5.4 

試験終了後の作業 

試験終了後,引抜き装置によってロッドを引き抜く。ロッドの直線性及び状態,並びにスクリューポイ

ントの摩耗及び損傷を目視によって点検し,記録する。 

試験結果 

試験結果は,貫入長に対する静的貫入最小荷重Wsw及び換算半回転数Nswとして報告とする。換算半回

転数Nswは,測定半回転数Naの記録をとった貫入長の増分から貫入量Lを求め,次の式(1)を用いて貫入量

1 m当たりに換算した値として算出し,小数点第1位をJIS Z 8401の規則Bによって丸めて表示する。 

Nsw=Na/L………………………………………………………………(1) 

ここで, 

Nsw: 換算半回転数 

Na: 貫入量Lに要した測定半回転数 

L: 貫入量(m) 

報告 

7.1 

現場報告書 

現場報告書には,次に示す事項を含まなければならない。 

なお,アスタリスク(*)を付けた事項は,必須の記録事項とする。その他の事項は,受渡当事者間の事

前の取り決めに応じて記録することが望ましい。 

a) 一般情報 

1) 調査件名* 

2) 試験実施組織名 

3) 地点番号* 

4) 試験者名* 

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5) 天気* 

b) 試験位置に関する情報 

1) 実際の現場又は地域を確認できるもの 

2) 試験年月日* 

3) 地盤高* 

4) 水深(試験が水域で実施されたとき) 

c) 使用試験装置に関する情報 

1) 試験装置の種類* 

2) 試験装置の製造業者,形式及び製造番号 

d) 試験手順に関する情報 

1) 事前削孔の有無,事前削孔したときはその深度 

2) 載荷段階の値* 

3) 次の試験結果* 

− 貫入長に対する静的貫入最小荷重Wsw 

− 貫入長に対する測定半回転数Na 

− 貫入長に対する換算半回転数Nsw 

− 貫入状況及び貫入音 

− 測定終了事由及び終了貫入長 

4) ロッドをハンマー,おもりなどで打撃した場合,打撃方法及び貫入長 

5) 試験中の中断事項 

6) 試験終了後のロッドの直線性及び状態,スクリューポイントの摩耗及び損傷 

7) その他特記すべき事項 

7.2 

試験報告書 

試験報告書は,7.1に規定する現場報告書の全てのデータを含まなければならない。 

加えて,試験報告書は,試験者以外の者でも内容を確認でき,理解できるものとするため,次に示す内

容も含まなければならない。 

a) 試験結果を図示化したもの 

− 横軸に静的貫入最小荷重Wsw,縦軸に貫入長をとった図 

− 横軸に換算半回転数Nsw,縦軸に貫入長をとった図 

b) 試験装置の校正記録及び精度の確認記録 

c) 試験結果解釈のための参考資料 

d) 現場管理者名 

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10 

A 1221:2020  

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS A 1221 

ISO 22476-10:2017,(MOD) 

a) JISの箇

条番号 

b) 対応国際

規格の対
応する箇
条番号 

c) 箇条ご

との評
価 

d) JISと対応国際規格との技術的差異の

内容及び理由 

e) JISと対応国際規格

との技術的差異に対
する今後の対策 

3.1 

− 

追加 

我が国の実務で一般に使用されている”自
沈”の用語を定義した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

3.3 

− 

追加 

3.2静的貫入抵抗を表す荷重の大きさとして
定義を追加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

3.4 

− 

追加 

3.5のNswを求めるための測定値として定義
を追加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

3.5 

− 

追加 

3.2静的貫入抵抗を表す180度ごとの回転数
として定義を追加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

− 

3.2 

削除 

4.1にてスクリューウエイト貫入試験装置の
種類として記載した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

− 

3.3 

削除 

4.1にてスクリューウエイト貫入試験装置の
種類として記載した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

3.6 

− 

追加 

この試験では必ずしも鉛直の深度とは一致
しないため,定義を追加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

4.1 

− 

追加 

対応国際規格の3.2及び3.3にある記載を含
めて,試験装置全体の構成を追加し,我が国
で使用されている試験装置の実情を鑑み
て,手動式,半自動式及び全自動式の試験装
置を説明し,図を追加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

4.2 

4.1 

変更 

対応国際規格では,高強度鉄製としている
のに対して,5.1で摩耗の許容値を記載した
ため,材質は高強度鉄製に限定する必要は
なく,単に鋼製と変更した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

4.2 

4.1 

変更 

対応国際規格では,外周円直径35 mm,長さ
200 mm,先端から55 mmの位置から上部
130 mmで左ねじれで1回転としているのに
対して,我が国で長年使用され,流通してい
るスクリューポイントの形状及び寸法を採
用し,外周円直径33 mm,長さ200 mm,全
長で先端へ向かって1回の右ねじれと変更
した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

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11 

A 1221:2020  

a) JISの箇

条番号 

b) 対応国際

規格の対
応する箇
条番号 

c) 箇条ご

との評
価 

d) JISと対応国際規格との技術的差異の

内容及び理由 

e) JISと対応国際規格

との技術的差異に対
する今後の対策 

− 

4.1 

削除 

この規格の5.1装置の点検として摩耗の許
容値を記載するようにしたため,この規格
の5.1に移した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

4.3 

4.3 

変更 

対応国際規格では,高強度鉄製としている
のに対して,材質は高強度鉄製に限定する
必要はなく,単に鋼製と変更した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

4.3 

4.3 

変更 

対応国際規格では,直径22 mmとしている
のに対して,我が国で長年使用され,流通し
ているロッド直径を採用し,19.0 mm±0.2 
mmと変更した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

4.3 

4.3 

変更 

対応国際規格では,質量2.5 kg/m±0.5 kg/m
としているのに対して,ロッド直径変更に
よって直径19 mmに対応する質量である2.0 
kg/m±0.5 kg/mに変更した。なお,種々の目
的で中空ロッドを用いる場合でもこの許容
値内に収まる。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

4.3 

− 

追加 

この規格では250 mmごとにNswを測定する
ため,“手動式及び半自動式のロッドには,
スクリューポイント先端から250 mmに目
盛を付け,その後250 mmごとに目盛を付け
なければならない。”を追加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

4.3 

4.3 

削除 

対応国際規格では,“長さ1.0 mから2.0 m
が望ましい”としているが,ロッドの長さを
特に限定する必要はないため,削除した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

4.3 

4.3 

削除 

対応国際規格では,測定精度±10 mm/mと
しているが,貫入長の測定精度を確認する
ことができないため,削除した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

4.4 

4.2 

変更 

対応国際規格では,許容誤差50 Nとしてい
るのに対して,最小荷重50 Nに対して許容
誤差50 Nでは過大なので,各荷重に対する
割合で誤差を記載することにし,それぞれ
の荷重に対して±2 %と変更した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

4.5 

− 

追加 

対応国際規格に回転装置についての記載が
ないため,回転装置に対する要求事項を追
加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

4.6 

− 

追加 

対応国際規格に自動記録装置についての記
載がないため,自動記録装置に対する要求
事項を追加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

4.7 

− 

追加 

対応国際規格に引抜き装置についての記載
がないため,引抜き装置に対する要求事項
を追加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

background image

12 

A 1221:2020  

a) JISの箇

条番号 

b) 対応国際

規格の対
応する箇
条番号 

c) 箇条ご

との評
価 

d) JISと対応国際規格との技術的差異の

内容及び理由 

e) JISと対応国際規格

との技術的差異に対
する今後の対策 

5.1 

5.1 

追加 

対応国際規格では4.1にて摩耗によって最
大径は32 mm未満,全長は最大許容短縮値
15 mmを超えるスクリューポイントを用い
ることができないとしているのに対し,試
験前に点検することとし,この規格の4.2で
記載されたスクリューポイントは直径33 
mm,全長200 mmなので,最大径は対応国
際規格と同じ摩耗量3 mmを採用して最大
径は30 mm以下,全長は対応国際規格と同
じ短縮値15 mmを採用して全長は185 mm
以下になったスクリューポイントは用いて
はならないとした。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.1 

5.3 

追加 

我が国で使用されている試験装置の実情を
鑑みて,試験方法を手動式,半自動式,全自
動式ごとに分け,5.3.1は手動式に限定して
試験手順を段階ごとに分けて詳細を追加し
た。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.1 d) 

5.3 

変更 

対応国際規格では,最低20 mm/s,最大50 
mm/sの貫入速度となるような荷重を与えな
ければならないとしているが,手動式では
貫入速度を正確に把握するのは困難なた
め,目視で自沈停止と急激な貫入を判断す
ることに変更した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.1 d) 

− 

追加 

我が国では,自沈の貫入状況を表すために
“ストン”,“スルスル”,“ユックリ”,“ジン
ワリ”などを記録するのが一般的であるた
め,自沈貫入する場合,“このときの貫入状
況を記録する。”を追加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

− 

5.3 

削除 

対応国際規格では,荷重1 000 Nにおける貫
入速度が20 mm/s未満である場合,ロッド
を回転しなければならないとしているが,
貫入速度20 mm/sは自沈停止ではなく,手
動式では目視で十分遅い速度となることが
判断できるため,削除した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.1 f) 

5.3 

変更 

対応国際規格では,0.20 m貫入ごとの半回
転数を計測するとしているのに対して,こ
の規格では0.25 mごとに測定半回転数を測
定することを基本としているため,最初は
次の目盛までの測定半回転数及び貫入長を
計測し,以降は0.25 mごとに行うことに変
更した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.1 f) 

− 

追加 

我が国では,回転貫入時の貫入音として砂
音“シャリシャリ”,“ジャリジャリ”,れき
(礫)音“ガリガリ”などを記録するのが一
般的であるため,ロッド回転時には,“この
ときの貫入音を記録する。”を追加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

background image

13 

A 1221:2020  

a) JISの箇

条番号 

b) 対応国際

規格の対
応する箇
条番号 

c) 箇条ご

との評
価 

d) JISと対応国際規格との技術的差異の

内容及び理由 

e) JISと対応国際規格

との技術的差異に対
する今後の対策 

5.3.1 f) 

− 

追加 

対応国際規格の自動式で推奨されている“1
分間当たり30回転以下”を手動式にも採用
することにし,ロッド回転時には,“回転速
度は1分間当たり30回転以下とする。”を
追加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.1 j) 

5.3 

追加 

試験終了時の必要な情報であるため,終了
条件に加えて,試験終了時には“測定終了事
由及び終了貫入長を記録する。”を追加し
た。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.1 j) 2) 

5.3 

変更 

対応国際規格では,半回転数が事前に決め
られた回数に増加したときとしていること
に対して,我が国での実情を鑑みて,規定を
明確化するため,半回転数50回に対して貫
入量0.05 mに満たない場合と変更した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.1 j) 3) 

5.3 

追加 

我が国での実情を鑑みて,終了条件を明確
化するため,“ロッド回転時の抵抗が著しく
大きくなる場合”を追加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.1 j) 4) 

5.3 

追加 

我が国での実情を鑑みて,終了条件を明確
化するため,“地中障害物に当たり貫入不可
となった場合”を追加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.2 

5.4 

追加 

対応国際規格では,自動式載荷貫入試験と
して記載しているのに対して,半自動式及
び全自動式の試験装置では試験方法が異な
るため,半自動式の試験及び全自動式の試
験とに分けた詳細を追加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.2 c) 

5.4 

追加 

500 N未満の小さい荷重による測定を行う
必要がない場合(砂層主体の地盤など)を考
慮し,“ただし,受渡当事者間の事前の取り
決めによって載荷段階を500 N,750 N及び
1 000 Nとした場合には,載荷段階の値とし
てかけた荷重を必ず報告しなければならな
い。”を追加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.2 d) 

5.4 

変更 

対応国際規格では,最低20 mm/s,最大50 
mm/sの貫入速度となるような荷重を与えな
ければならないとしているが,半自動式で
は貫入速度を正確に把握するのは困難なた
め,目視で自沈停止と急激な貫入を判断す
ることに変更した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.2 d) 

− 

追加 

我が国では,自沈の貫入状況を表すために
“ストン”,“スルスル”,“ユックリ”,“ジン
ワリ”などを記録するのが一般的であるた
め,静的貫入する場合,“このときの貫入状
況を記録する。”を追加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

background image

14 

A 1221:2020  

a) JISの箇

条番号 

b) 対応国際

規格の対
応する箇
条番号 

c) 箇条ご

との評
価 

d) JISと対応国際規格との技術的差異の

内容及び理由 

e) JISと対応国際規格

との技術的差異に対
する今後の対策 

− 

5.4 

削除 

対応国際規格では,荷重1 000 Nにおける貫
入速度が20 mm/s未満である場合,ロッド
を回転しなければならないとしているが,
貫入速度20 mm/sは自沈停止とはならず,
半自動式では目視で十分遅い速度となるこ
とが判断できるため,削除した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.2 f) 

5.4 

変更 

対応国際規格では,0.20 m貫入ごとの半回
転数を計測するとしているのに対して,こ
の規格では0.25 mごとに測定半回転数を測
定することを基本としているため,最初は
次の目盛までの測定半回転数及び貫入長を
計測し,以降は0.25 mごとに行うに変更し
た。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.2 f) 

5.4 

追加 

我が国では,回転貫入時の貫入音として砂
音“シャリシャリ”,“ジャリジャリ”,れき
(礫)音“ガリガリ”などを記録するのが一
般的であるため,ロッド回転時には,“この
ときの貫入音を記録する。”を追加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.2 f) 

5.4 

変更 

対応国際規格では,“回転速度は1分間当た
り15回転〜40回転が望ましい。推奨される
回転速度は1分間当たり30回転である。回
転速度は1分間当たり50回転を超えてはな
らない。”としているので,“1分間当たり50
回転を超えてはならない”と規定する必要
はないため,“回転速度は,1分間当たり15
回転〜40回転とするが,1分間当たり30回
転が望ましい。”と変更した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.2 j) 

5.4 

追加 

試験終了時の必要な情報であるため,終了
条件に加えて,試験終了時には“測定終了事
由及び終了貫入長を記録する。”を追加し
た。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.2 j) 2) 

5.4 

変更 

対応国際規格では,半回転数が事前に決め
られた回数に増加したときとしていること
に対して,我が国での実情を鑑みて,規定を
明確化するため,半回転数50回に対して貫
入量0.05 mに満たない場合に変更した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.2 j) 3) 

5.4 

追加 

我が国での実情を鑑みて,終了条件を明確
化するため,“ロッド回転時の抵抗が著しく
大きくなる場合”を追加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.2 j) 4) 

5.4 

追加 

我が国での実情を鑑みて,終了条件を明確
化するため,“地中障害物に当たり貫入不可
となった場合”を追加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.3 

5.4 

追加 

対応国際規格では,自動式載荷貫入試験と
して記載しているのに対して,半自動式及
び全自動式の試験装置では試験方法が異な
るため,半自動式の試験及び全自動式の試
験とに分けた詳細を追加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

background image

15 

A 1221:2020  

a) JISの箇

条番号 

b) 対応国際

規格の対
応する箇
条番号 

c) 箇条ご

との評
価 

d) JISと対応国際規格との技術的差異の

内容及び理由 

e) JISと対応国際規格

との技術的差異に対
する今後の対策 

5.3.3 c) 

5.4 

追加 

全自動式試験装置では自沈時に0 N〜1 000 
Nの任意の荷重を測定できるものもあるの
で,その測定も可能とすることにしたため,
“0 N〜1 000 Nまでの任意の荷重を段階的
にかけてもよい。”を追加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.3 c) 

5.4 

追加 

500 N未満の小さい荷重による測定を行う
必要がない場合(砂層主体の地盤など)を考
慮し,“ただし,受渡当事者間の事前の取り
決めによって載荷段階を500 N,750 N及び
1 000 Nとした場合には,載荷段階の値とし
てかけた荷重を必ず報告しなければならな
い。”を追加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.3 d) 

5.4 

変更 

対応国際規格では,最低20 mm/s,最大50 
mm/sの貫入速度となるような荷重を与えな
ければならないとしているが,我が国で普
及している全自動試験装置の実情を鑑み
て,自沈停止の貫入速度は5 mm/s以下と変
更した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.3 d) 

− 

追加 

我が国では,自沈の貫入状況を表すために
“スルスル”,“ストン”,“ユックリ”,“ジン
ワリ”などを記録するのが一般的であるた
め,静的貫入する場合,“このときの貫入状
況を記録する。”を追加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.3 d) 

5.4 

変更 

対応国際規格では,荷重1 000 Nにおける貫
入速度が20 mm/s未満である場合,ロッド
を回転しなければならないとしているのに
対して,貫入速度20 mm/sは自沈停止とは
ならず,我が国で普及している全自動試験
装置の実情を鑑みて,この規格では自沈停
止を貫入速度5 mm/s以下と変更した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.3 f) 

5.4 

変更 

対応国際規格では,0.20 m貫入ごとに対す
る半回転数を計測するとしているのに対し
て,この規格では0.25 mごとに測定半回転
数を測定することとしているため,自沈に
よる貫入量を含めて0.25 mごとに行うと変
更した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.3 f) 

− 

追加 

我が国では,回転貫入時の貫入音として砂
音“シャリシャリ”,“ジャリジャリ”,れき
(礫)音“ガリガリ”などを記録するのが一
般的であるため,ロッド回転時には,“この
ときの貫入音を記録する。”を追加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

background image

16 

A 1221:2020  

a) JISの箇

条番号 

b) 対応国際

規格の対
応する箇
条番号 

c) 箇条ご

との評
価 

d) JISと対応国際規格との技術的差異の

内容及び理由 

e) JISと対応国際規格

との技術的差異に対
する今後の対策 

5.3.3 f) 

5.4 

変更 

対応国際規格では,“回転速度は1分間当た
り15回転〜40回転が望ましい。推奨される
回転速度は1分間当たり30回転である。回
転速度は1分間当たり50回転を超えてはな
らない。”としているので,“1分間当たり50
回転を超えてはならない”と規定する必要
はないため,“回転速度は,1分間当たり15
回転〜40回転とするが,1分間当たり30回
転が望ましい。”と変更した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.3 h) 

− 

追加 

我が国で普及している全自動試験装置の実
情を鑑みて,“貫入速度が80 mm/s以上を急
激な貫入とみなしてもよい。”を追加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.3 j) 

5.4 

追加 

試験終了時の必要な情報であるため,終了
条件に加えて,試験終了時には“測定終了事
由及び終了貫入長を記録する。”を追加し
た。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.3 j) 2) 

5.4 

変更 

対応国際規格では,半回転数が事前に決め
られた回数に増加したときとしていること
に対して,我が国での実情を鑑みて,規定を
明確化するため,半回転数50回に対して貫
入量0.05 mに満たない場合に変更とした。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.3 j) 3) 

5.4 

追加 

我が国での実情を鑑みて,終了条件を明確
化するため,“ロッド回転時の抵抗が著しく
大きくなる場合”を追加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

5.3.3 j) 4) 

5.4 

追加 

我が国での実情を鑑みて,終了条件を明確
化するため,“地中障害物に当たり貫入不可
となった場合”を追加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

− 

削除 

対応国際規格では,貫入0.20 mごとの半回
転数としているが,この規格では0.25 mご
とに測定した180度ごとの回転数を貫入量
1 m当たりに換算することにしているため,
削除した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

− 

追加 

この規格では,測定半回転数から貫入量1 m
に対する換算半回転数Nswを計算して報告
することとし,Nswを求める式を明確に示し
たその算定式を追加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

7.1 

7.1 

追加 

記録する情報については重要性が異なるた
め,“なお,アスタリスク(*)を付けた事項
は,必須の記録事項とする。その他の事項
は,受渡当事者間の事前の取り決めに応じ
て記録することが望ましい。”と追加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

7.1 d) 2) 

− 

追加 

半自動式及び全自動式の試験装置を用いた
場合には,載荷段階を500 N以降とするこ
ともあるため,この規格では,載荷段階の値
を報告することを追加した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

background image

17 

A 1221:2020  

a) JISの箇

条番号 

b) 対応国際

規格の対
応する箇
条番号 

c) 箇条ご

との評
価 

d) JISと対応国際規格との技術的差異の

内容及び理由 

e) JISと対応国際規格

との技術的差異に対
する今後の対策 

7.1 d) 3) 

7.1 m) 

変更 

対応国際規格では,貫入量に対する半回転
数を記載するのに対して,この規格では貫
入量0.25 mに対する測定半回転数を記録
し,それを1 m換算した換算半回転数Nswを
貫入長(貫入量の累積値)として記載するた
め,貫入長に対する測定半回転数Na及び換
算半回転数Nswを記載することに変更した。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

7.2 

7.2 

追加 

試験報告として,貫入長とWsw,Nswとの関
係を示すのが一般的であるため,試験結果
を図示化したものを記載することを追加し
た。 

我が国の事情のため,
ISO規格への提案は行わ
ない。 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味を,次に示す。 

− 削除:対応国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
− 追加:対応国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更:対応国際規格の規定内容又は構成を変更している。 

注記2 JISと対応国際規格との対応の程度の全体評価の記号の意味を,次に示す。 

− MOD:対応国際規格を修正している。 

background image

18 

A 1221:2020  

附属書JB 

(参考) 

技術上重要な改正に関する新旧対照表 

現行規格 

旧規格 

改正理由 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 
及び題名 

内容 

試験名称 

スクリューウエイト貫入試験 

試験名称 

スウェーデン式サウンディング試験 

“スウェーデン”という国名
が規格名称に入っているよう
にスウェーデンで開発された
試験であるが,我が国では独
自の試験方法及び試験装置が
発展してきたこともあり,海
外での普及に当たっての混乱
を避けるため。 

2 引用規格 JIS A 0207 

JIS Z 8401 

2 引用規格 JIS G 4051 

スクリューポイント及びロッ
ドについては摩耗に対する規
定を追加したため,JIS G 4051
を引用する必要がなくなった
ため,削除した。地盤用語に関
する規格が制定されたため,
結果の表示方法について必要
なため,追加した。 

3.2 静的貫
入抵抗 

静的貫入最小荷重(Wsw)及び換算半回転数(Nsw)で
表される抵抗 

3.1 静的貫
入抵抗 

Wsw,Na及びNswの総称。 

定義を明確にした。 

3.3 静的貫
入最小荷
重,Wsw 

1 000 N以下で,自沈する最小荷重 

3.3 Wsw 

50 N,150 N,250 N,500 N,750 N,1 000 Nそれ
ぞれの載荷において貫入に用いた荷重で表した
もの。 

定義を明確にした。 

4.1 スクリ
ューウエイ
ト貫入試験
装置 

手動式による試験装置の例,半自動式による試験装置
の例,及び全自動式による試験装置の例を図に示し
た。 

4.4 載荷装
置 

手動による試験装置の例を図に示した。 

現在の我が国で使用されてい
る試験装置の実情を鑑みて追
加した。 

2

A

 1

2

2

1

2

0

2

0

background image

19 

A 1221:2020  

現行規格 

旧規格 

改正理由 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 
及び題名 

内容 

4.2 スクリ
ューポイン
ト 

スクリューポイントは鋼製とした。 

4.2 スクリ
ューポイン
ト 

スクリューポイントは,JIS G 4051に規定する
S50C及びこれと同等以上の性能をもつ材料とし
た。 

摩耗に対する規定を追加した
ことに伴い,材質については
必要最低限の要求事項として
鋼製であればよいとした。 

最大径までの長さを150 mmとした。 

規定なし。 

試験結果に影響を及ぼすた
め,明確にした。 

4.3 ロッド 

ロッドは鋼製とした。 

4.3 ロッド 

ロッドは,JIS G 4051に規定するS50C及びこれ
と同等以上の性能をもつ材料とした。 

ずれに対する規定を追加した
ことに伴い,材質については
必要最低限の要求事項として
鋼製であればよいとした。 

長さに対する規定なし。 

スクリューポイント連結ロッドは長さ800±0.8 
mm,継足しロッドは長さ750±0.8 mm又は1 000
±0.8 mmとした。 

長さについては限定する必要
がないため,削除した。 

ロッドの質量は2.0 kg/m±0.5 kg/mとした。 

規定なし。 

試験結果に影響を及ぼすた
め,明確にした。 

直線軸からのずれは1 mm/mを超えてはならない。ロ
ッド接合部でのロッド中心からのずれは,0.1 mmを超
えてはならない。ロッドをつな(繫)いだ状態での隣
り合う2本のロッドの角度のずれは,0.005 radを超え
てはならないとした。 

規定なし。 

試験結果に影響を及ぼすた
め,明確にした。 

4.4 載荷装
置 

手動式,半自動式,全自動式に分けて記載した。 

4.4 載荷装
置 

手動式について記載した。 

現在の我が国で使用されてい
る試験装置の実情を鑑みて追
加した。 

全自動式の場合,50 N,150 N,250 N,500 N,750 N
及び1 000 Nの荷重ではなく,0 N〜1 000 Nの任意の
荷重を載荷できるものであってもよいとした。 

記載なし。 

全自動式は制御装置を用いて
機械的に載荷するために手動
式及び半自動式より詳細な試
験結果を得られるという利点
を活用するため,追加した。 

4.5 回転装
置 

半自動式及び全自動式の回転装置はモーターによっ
てロッドを右回りに回転させるものとし,回転速度は
1分間当たり15回転〜40回転の範囲にあるものとし
た。 

4.5 回転装
置 

回転速度は1分間に60半回転数程度以下で制御
できるものとした。 

現在の我が国で使用されてい
る試験装置の実情を鑑みて,
下限側の規定も含めて追加し
た。 

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A

 1

2

2

1

2

0

2

0

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20 

A 1221:2020  

現行規格 

旧規格 

改正理由 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 
及び題名 

内容 

5.1 装置の
点検及び校
正 

摩耗によって最大径が30 mm以下又は全長が185 mm
以下となったスクリューポイントを用いてはならな
いとした。 

5 試験方法 全長に対する摩耗についての記載なし。 

試験結果に影響を及ぼすた
め,明確にした。 

載荷装置及び回転装置の校正は,損傷を確認した場
合,装置に過負荷を与えた場合又は修理した場合の後
に行う。自動記録装置の校正は,損傷を確認した場合,
又は修理した場合の後に行う。ただし,校正の必要が
ない場合でも,少なくとも6か月ごとに精度を確認し
なければならない。装置ごとの校正記録及び精度の確
認記録は,保管しなければならない。 

4.5 回転装
置 

機械化されたものについては,規定荷重又は回転
機能が検定された装置を使用するとした。 

我が国の実情を鑑みて,校正
することを要求事項とした。 

5.2 試験準
備 

表層が硬質で貫入が困難な地盤の場合,又はロッドと
地盤との間の周面摩擦力を低減させる場合には,必要
に応じて事前削孔してもよいとした。 

− 

記載なし。 

現場状況によって事前削孔が
必要なこともあるため,追加
した。 

5.3.1 手動
式の試験 

手動式,半自動式,全自動式に分けて,試験手順を順
序よく記載した。 

5 試験方法 手動式に対する試験手順を記載した。 

現在の我が国で使用されてい
る試験装置の実情を鑑みて追
加した。 

50 Nから段階的に載荷することとした。 

試験目的に応じて,最初に500 Nの荷重を載荷し
てもよいとした。 

試験本来の手順であること,
また手動式の試験では段階的
に載荷せざるを得ないため。 

ロッドが地中に自沈するときの荷重を静的貫入最小
荷重Wswとして記録することとした。 

Wswとして記録する荷重についての記載なし。 

記録する内容を明確にした。 

回転速度は1分間当たり30回転以下とした。 

回転速度は1分間に60半回転数程度以下とした。 規定値を明確にし,一般的な

表現方法に変更した。 

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A

 1

2

2

1

2

0

2

0

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21 

A 1221:2020  

現行規格 

旧規格 

改正理由 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 
及び題名 

内容 

5.3.2 半自
動式の試験 

半自動式に対する試験手順を記載した。 

記載なし。 

現在の我が国で使用されてい
る試験装置の実情を鑑みて追
加した。 

50 Nから段階的に載荷するが,受渡当事者間の事前の
取り決めによって500 Nから載荷した場合には,載荷
段階の値として必ず報告するものとした。 

報告についての記載なし。 

我が国の実情を鑑みて許容す
るが,試験結果解釈のために
必要であるため。 

ロッドが地中に自沈するときの荷重を静的貫入最小
荷重Wswとして記録することとした。 

Wswとして記録する荷重についての記載なし。 

記録する内容を明確にした。 

回転速度は1分間当たり15回転〜40回転とするが,
1分間当たり30回転が望ましいとした。 

回転速度は1分間に60半回転数程度以下とした。 規定値を明確にし,一般的な

表現方法に変更した。 

5.3.3 全自
動式の試験 

全自動式に対する試験手順を記載した。 

記載なし。 

現在の我が国で使用されてい
る試験装置の実情を鑑みて追
加した。 

50 Nから段階的に載荷するが,受渡当事者間の事前の
取り決めによって500 Nから載荷した場合には,載荷
段階の値として必ず報告するものとした。 

報告についての記載なし。 

我が国の実情を踏まえて許容
するが,試験結果解釈のため
に必要であるため。 

ロッドが地中に自沈するときの荷重を静的貫入最小
荷重Wswとして自動記録することとした。 

Wswとして記録する荷重についての記載なし。 

記録する内容を明確にした。 

貫入速度が5 mm/s以下を自沈停止とみなしてもよい
とした。 

記載なし。 

全自動式の試験の場合,試験
装置に設定しなければならな
いため。 

回転速度は1分間当たり15回転〜40回転とするが,
1分間当たり30回転が望ましいとした。 

回転速度は1分間に60半回転数程度以下とした。 規定値を明確にし,一般的な

表現方法に変更した。 

貫入速度が80 mm/s以上を急激な貫入とみなしてもよ
いとした。 

記載なし。 

全自動式の試験の場合,試験
装置に設定しなければならな
いため。 

2

A

 1

2

2

1

2

0

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0

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A 1221:2020  

現行規格 

旧規格 

改正理由 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 
及び題名 

内容 

6 試験結果 貫入長の増分が貫入量であることを記載した。 

6 記録及び
整理 

地表面からの貫入量,貫入深さ,貫入量が混在し
て記載されていた。 

表現を統一した。 

貫入長に対する静的貫入最小荷重Wsw及び換算半回転
数Nswを報告することとした。 

荷重,半回転数,貫入量1 m当たりの半回転数を
記録するとした。 

報告する内容を明確にした。 

Nsw=Na/L 

ここで, Nsw :換算半回転数 
 

Na :貫入量Lに要した測定半回転数 

L :貫入量(m) 

Nsw=Na/L 

ここに, Nsw :半回転数Naを貫入量1 m当

たりに換算した半回転数 

Na :貫入量Lに要した半回転数 

L :貫入量(m) 

記号の説明の誤りを修正し
た。 

7.1 現場報
告書 

試験装置の種類(手動式,半自動式,全自動式)を報
告することとした。 

7 報告 

記載なし。 

試験結果解釈のために必要で
あるため,追加した。 

試験結果として,貫入長に対する静的貫入最小荷重

Wsw,貫入長に対する測定半回転数Na,貫入長に対す

る換算半回転数Nsw,貫入状況及び貫入音,並びに測
定終了事由及び終了貫入長を報告することとした。 

測定記録,計算表,試験状況に関する記録とした。 報告する内容を明確にした。 

7.2 試験報
告書 

貫入長に対する静的貫入最小荷重Wsw及び換算半回転
数Nswの図を試験報告書に記載することとした。 

静的貫入抵抗(Wsw,Nsw)の深さ分布図を報告す
ることとした。 

報告する内容を明確にした。 

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