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A 1203:2020  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 試験器具························································································································· 1 

5 試料······························································································································· 2 

6 試験方法························································································································· 2 

7 計算······························································································································· 2 

8 報告······························································································································· 3 

附属書A(参考)校正及び点検 ······························································································· 4 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 5 

附属書JB(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表 ····························································· 8 

A 1203:2020  

(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,公益社団法人

地盤工学会(JGS)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を改正すべきとの申出があり,日本産業標

準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本産業規格である。これによって,JIS A 1203:2009は

改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。国土交通大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

日本産業規格          JIS 

A 1203:2020 

土の含水比試験方法 

Test method for water content of soils 

序文 

この規格は,2014年に第1版として発行されたISO 17892-1を基とし,日本国内においては土層構成が

複雑であること,及び軟弱地盤を含めた地盤全体に対してこの規格から得られた試験結果に基づく設計体

系が成り立っていることを考慮し,技術的内容を変更して作成した日本産業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。また,技術上重要な改正に関する旧規格との対照を附属書

JBに記載する。 

適用範囲 

この規格は,恒温乾燥炉を用いて土の含水比を求める試験方法について規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 17892-1:2014,Geotechnical investigation and testing−Laboratory testing of soil−Part 1: 

Determination of water content(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS A 0207 地盤工学用語 

JIS R 3503 化学分析用ガラス器具 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 0207による。 

試験器具 

試験器具は,次による。 

注記 試験器具の校正及び点検は,附属書Aを参照。 

a) 容器 容器は,繰り返して試験に使用しても試験中に質量の変化を生じない,耐熱性及び耐腐食性を

もつもの。蓋付き容器を使用する場合の蓋は,湿潤土の質量を測定する直前の試料の乾燥及び乾燥土

の空気中の水分を吸収するのを防ぐために用いる。 

background image

A 1203:2020  

b) 恒温乾燥炉 恒温乾燥炉は,空気循環式で炉内の温度を(110±5)℃に保持できるもの。 

c) はかり はかりは,表1に示す最小読取値まではかることができるもの。 

表1−試料の質量測定に用いるはかりの最小読取値 

単位 g 

試料の質量 

最小読取値 

10未満 

0.001 

10以上 

100未満 

0.01 

100以上 1 000未満 

0.1 

1 000以上 

d) デシケーター デシケーターは,JIS R 3503に規定するもの,又はこれと同等の機能をもつ容器で,

シルカゲル,塩化カルシウムなどの吸湿剤を入れたもの。 

試料 

試料は,次による。 

試験に必要とする試料1回当たりの量は,試料の最大粒径に応じて表2に示す質量を目安とする。 

表2−含水比の測定に必要な試料の最大粒径に応じた質量の目安 

試料の最大粒径 

mm 

試料の質量 

75 

5 000 

37.5 

1 000 

19 

150 

4.75 

30 

10 

0.425 

試験方法 

試験方法は,次による。 

a) 容器の質量mc(g)をはかる。 

b) 試料を容器に入れ,全質量ma(g)をはかる。 

c) 試料を容器ごと恒温乾燥炉に入れ,(110±5)℃で一定の質量になるまで炉乾燥する。 

なお,一定の質量とは,1時間乾燥させたときに,乾燥前後の質量変化が0.1 %未満であればよい。 

d) 炉乾燥試料を容器ごとデシケーターに移すか蓋付き容器の蓋をし,おおむね室温になるまで冷ました

後,全質量mb(g)をはかる。 

e) 試験は,対象とする試料について最低1回行う。 

計算 

計算は,次による。 

含水比は,次の式を用いて算出して,四捨五入によって,小数点以下1桁に丸める。 

対象とする試料について複数回行った場合の代表値は,算術平均値を採用する。平均値は四捨五入によ

A 1203:2020  

って,小数点以下1桁に丸めて代表値とする。 

100

c

b

b

a

×

=

m

m

m

m

w

ここに, 

w: 含水比(%) 

ma: 試料及び容器の質量(g) 

mb: 炉乾燥試料及び容器の質量(g) 

mc: 容器の質量(g) 

報告 

報告は,次による。 

a) 供試体の含水比(%) 

b) その他報告事項 

A 1203:2020  

附属書A 

(参考) 

校正及び点検 

A.1 一般 

この附属書は,土の含水比試験に用いる試験器具の校正及び点検のために必要な事項について示す。 

A.2 試験器具 

A.2.1 恒温乾燥炉 

恒温乾燥炉の点検は,次による。 

a) 点検 恒温乾燥炉を空の状態にして,炉内の中央付近で温度を測定する。温度は,校正された温度計

を用いることとし,1年に1回測定する。 

A.2.2 はかり 

はかりの校正及び点検は,次による。 

a) 校正 はかりは,最初に使用するとき,及びその後少なくとも1年に1回は,標準分銅を用いて校正

する。標準分銅は,JIS B 7609に規定するもので,はかりを使用する範囲の質量のものを用いる。 

b) 点検 はかりは,使用する前にゼロ点及び最も使用する質量の標準分銅を載せたときの表示を確認す

る。 

参考文献 JIS B 7609 分銅 

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A 1203:2020  

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS A 1203:2020 土の含水比試験方法 

ISO 17892-1:2014,Geotechnical investigation and testing−Laboratory testing of soil−
Part 1: Determination of water content 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

3 用語及び
定義 

この規格で用いる主
な用語及び定義は,
JIS A 0207による。 

For the purposes of this 
document, 

the 

following 

terms and definitions apply. 
3.1 water content 

ratio of the mass of free water 
to the mass of dry soil 

変更 

規格に用いられる用語を,引用規格
であるJIS A 0207 地盤工学用語に
よって確認するよう変更した。 

規格に用いられる用語に関しては
JIS A 0207に示されているため,
引用規格であるJIS A 0207を確認
するように変更した。 

3.2 

fluid content 

Wfl  

ratio of the mass of free water 
including dissolved solids to 
the mass of dry soil 

削除 

fluid contentを定義。 

日本では明確に定義されていない
現状を考慮。 

4 c) はかり はかりは,表1に示す

最小読取値まではか
ることができるもの。 

4.3 

accurate to 0.01g or 0.1% of 
the weighed mass whichever 
value is the greater. 

追加 

試料質量によって最小読取値を明
確化して追加した。 

試料質量及び最小読取値を表に整
理し明確化。 

5 試料 

試験に必要とする試
料1回当たりの量は,
試料の最大粒径に応
じて表2に示す質量を
目安とする。 

− 

− 

変更 

ふるい目の相違に対応した試料の
最少質量の規定に変更した。 

対応国際規格と異なるふるい目に
よる設計体系が成り立っている日
本の現状を考慮し,旧JISと同様
のふるい目に対応した試料の最少
質量に規定。 

 
 
 

3

A

 1

2

0

3

2

0

2

0

background image

A 1203:2020  

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

6 試験方法 a) 容器の質量mc(g)

をはかる。 
b) 試料を容器に入
れ,全質量ma(g)を
はかる。 

5.2 
5.2.1 

Place the moist test specimen 
in a clean, dry container of 
known mass (mc, including 
the mass of the lid, if one is 
to be used) and determine its 
total mass. This value shall 
be recorded (m1). 

追加 

試験時に容器の質量を測定するこ
とを追加した。 

試験時に容器の質量を測定するこ
とを明記。 

c) 試料を容器ごと恒
温乾燥炉に入れ,
(110±5)℃で一定の
質量になるまで炉乾
燥する。 

5.2.2 

The lid (if used) shall be 
removed, the container with 
the moist test specimen shall 
be placed in a drying oven 
maintained at 105 ℃ to 
110 ℃ 

変更 

国内の実態に合わせて,恒温乾燥炉
の設定温度を変更した。 

設計体系が成り立っている日本の
現状を考慮し,旧JISの設定温度
と規定した。 

− 

5.2.3 

Coarse soils may often be 
dried to constant mass in a 
period of about 4h at this 
temperature, when a forced- 
draft oven is used. 

削除 

粗粒な試料の場合の乾燥時間を削
除した。 

設計体系が成り立っている日本の
現状を考慮し,削除した。 

e) 試験は,対象とす
る試料について最低1
回行う。 

− 

− 

追加 

試験回数を追加した。 

試験回数について明記。 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

3

A

 1

2

0

3

2

0

2

0

background image

A 1203:2020  

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

7 計算 

含水比は,次の式を用
いて算出して,四捨五
入によって,小数点以
下1桁に丸める。 
対象とする試料につ
いて複数回行った場
合の代表値は,算術平
均値を採用する。平均
値は四捨五入によっ
て,小数点以下1桁に
丸めて代表値とする。 

7 c) 

water content of the test 
specimen, below 100 % to 
one decimal place and above 
100 % to the nearest whole 
percent; 

変更 

含水比の値の表示方法を変更した。 含水比の値の表示方法について検

証が必要であり,値の大小にかか
わらず,小数点以下1桁に丸める
こととした。 

附属書A 
(参考) 
校正及び点
検 

この附属書は,土の含
水比試験に用いる試
験器具の校正及び点
検のために必要な事
項について示す。 

Annex 

(normative) 
Calibration, maintenance, and 
checks 

変更 

校正及び点検の内容について,参考
として明記した。 

設計体系が成り立っている日本の
現状を考慮し,校正及び点検の内
容については参考とした。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 17892-1:2014,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 























 

3

A

 1

2

0

3

2

0

2

0

background image

A 1203:2020  

附属書JB 

(参考) 

技術上重要な改正に関する新旧対照表 

現行規格(JIS A 1203:2020) 

旧規格(JIS A 1203:2009) 

改正理由 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 
及び題名 

内容 

2 引用規格 

JIS A 0207 地盤工学用語 
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具 

2 引用規格 

JIS R 3503 化学分析用ガラス器具 

本文中に引用する規格を掲
載。 

3 用語及び定
義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 
0207による。 

3 用語及び定
義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次によ
る。 
3.1 含水比 
(110±5)℃の炉乾燥によって失われる土中水
の質量の,土の炉乾燥質量に対する比。質量百
分率で表す。 

JIS A 0207に掲載されている
定義を記載しない。 

4 試験器具 
a) 容器 

容器は,繰り返して試験に使用しても試験中に
質量の変化を生じない,耐熱性及び耐腐食性を
もつもの。蓋付き容器を使用する場合の蓋は,
湿潤土の質量を測定する直前の試料の乾燥及び
乾燥土の空気中の水分を吸収するのを防ぐため
に用いる。 

4 試験器具 
a) 容器 

容器は,試験中に質量の変化を生じないもの。 

ISO 17892-1:2014との整合。 

b) 恒温乾燥炉 

恒温乾燥炉は,空気循環式で炉内の温度を(110
±5)℃に保持できるもの。 

b) 恒温乾燥炉 

恒温乾燥炉は,温度を(110±5)℃に保持でき
るもの。 
注記 恒温乾燥炉は,電動ファンによって,炉
内空気を強制的に循環させる循環送風式のもの
が望ましい。 

ISO 17892-1:2014との整合。 

 
 
 
 
 
 
 
 

3

A

 1

2

0

3

2

0

2

0

background image

A 1203:2020  

現行規格(JIS A 1203:2020) 

旧規格(JIS A 1203:2009) 

改正理由 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 
及び題名 

内容 

5 試料 

試料は,次による。 
試験に必要とする試料1回当たりの量は,試料
の最大粒径に応じて表2に示す質量を目安とす
る。 
表2−含水比の測定に必要な試料の最大粒径に
応じた質量の目安 

試料の最大粒径 

mm 

試料の質量 

75 

5 000 

37.5 

1 000 

19 

150 

4.75 

30 

10 

0.425 

5 試料 

試料は,試験の目的及び試料の粒径に応じて適
量をとる。試料として必要な最少質量の目安を,
表2に参考として示す。粗粒分が多い土ほど多
めにとる。 
表2−含水比測定に必要な試料の最少質量の目
安(参考) 

試料の最大粒径 

mm 

試料の最少質量 

75 
37.5 
19 

4.75 

0.425 

5 kg〜30 kg 

1 kg〜5 kg 

150 g〜300 g 

30 g〜100 g 

10 g〜30 g 

5 g〜10 g 

試料の最少質量の記載内容を
変更。 

6 試験方法 

c) 試料を容器ごと恒温乾燥炉に入れ,(110±
5)℃で一定の質量になるまで炉乾燥する。 
なお,一定の質量とは,1時間乾燥させたとき
に,乾燥前後の質量変化が0.1 %未満であればよ
い。 
d) 炉乾燥試料を容器ごとデシケーターに移し,
おおむね室温になるまで冷ました後,全質量mb
(g)をはかる。 

6 試験方法 

c) 試料を容器ごと恒温乾燥炉に入れ,(110±
5)℃で一定質量になるまで炉乾燥する。 
d) 炉乾燥試料を容器ごとデシケーターに移し,
ほぼ室温になるまで冷ました後,全質量mb(g)
をはかる。 
なお,一定質量になるまでの時間は,一般には
18時間〜24時間程度である。 

一定質量の定義を明確化。 

6 試験方法 

e) 試験は,対象とする試料について最低1回行
う。 

6 試験方法 

記載なし。 

試験回数について明記。 

7 計算 

対象とする試料について複数回行った場合の代
表値は,算術平均値を採用する。平均値は四捨
五入によって,小数点以下1桁に丸めて代表値
とする。 

7 計算 

記載なし。 

試験結果の有効桁数について
明記。 

附属書A 
(参考) 
校正及び点検 

土の含水比試験に用いる試験器具の校正及び点
検のために必要な事項について記載。 

− 

記載なし。 

ISO 17892-1:2014との整合。 

3

A

 1

2

0

3

2

0

2

0