A 1201:2020
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目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 2
4 調製器具························································································································· 2
5 試料の分取 ······················································································································ 2
5.1 分取方法 ······················································································································ 2
5.2 試料の分取量 ················································································································ 2
6 試料の含水比調整 ············································································································· 4
6.1 一般事項 ······················································································································ 4
6.2 非乾燥法 ······················································································································ 4
6.3 空気乾燥法 ··················································································································· 4
6.4 炉乾燥法 ······················································································································ 4
7 試料の粒度調整 ················································································································ 4
7.1 一般事項 ······················································································································ 4
7.2 ふるい分け ··················································································································· 4
7.3 裏ごし ························································································································· 4
附属書A(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表 ······························································ 6
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(2)
まえがき
この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,公益社団法人
地盤工学会(JGS)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を改正すべきとの申出があり,日本産業標
準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本産業規格である。これによって,JIS A 1201:2009は
改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。国土交通大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本産業規格 JIS
A 1201:2020
地盤材料試験のための乱した土の試料調製方法
Practice for preparing disturbed soil samples for geotechnical laboratory
tests
序文
この規格は,1950年に制定され,その後6回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は2009年に
行われたが,その後のJIS A 0207に基づく表記,用語の変更などに対応するために改正した。
なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。また,技術上重要な改正に関する旧規格との対照を
附属書Aに記載する。
1
適用範囲
この規格は,地盤材料試験のために採取した乱した土(粒径75 mm未満)の試料調製方法について規定
する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 0207 地盤工学用語
JIS A 1202 土粒子の密度試験方法
JIS A 1203 土の含水比試験方法
JIS A 1204 土の粒度試験方法
JIS A 1205 土の液性限界・塑性限界試験方法
JIS A 1209 土の収縮定数試験方法
JIS A 1210 突固めによる土の締固め試験方法
JIS A 1211 CBR試験方法
JIS A 1218 土の透水試験方法
JIS A 1223 土の細粒分含有率試験方法
JIS A 1224 砂の最小密度・最大密度試験方法
JIS A 1226 土の強熱減量試験方法
JIS A 1228 締固めた土のコーン指数試験方法
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
JIS Z 8801-1 試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい
2
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3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 0207による。
4
調製器具
調製器具は,次による。
a) はかり はかりは,表1に示す最小読取値まではかることができるもの。
表1−試料の質量測定に用いるはかりの最小読取値
単位 g
試料の質量
最小読取値
10未満
0.001
10以上
100未満
0.01
100以上 1 000未満
0.1
1 000以上
1
b) ふるい ふるいは,JIS Z 8801-1に規定する金属製網ふるい。
c) ときほぐし器具 ときほぐし器具は,乳鉢及び乳棒,又は土粒子を破損せずに土の塊をときほぐすの
に適したもの。
d) ゴムへら
e) 恒温乾燥炉 恒温乾燥炉は,空気循環式で炉内の温度を(110±5)℃に保持できるもの。
f)
デシケーター デシケーターは,JIS R 3503に規定するもの,又はこれと同等の機能をもつ容器で,
シリカゲル,塩化カルシウムなどの吸湿剤を入れたもの。
5
試料の分取
5.1
分取方法
試験に用いる試料を必要量取り出すときは,四分法を用いる。四分法の要領を,図1に示す。
なお,目視によって均一な試料とみなせる場合は,四分法を省略してもよい。
図1−四分法
5.2
試料の分取量
試験に用いる試料の分取量は,各試験方法で規定されている試料の最少質量に適切な余裕量を加えた量
とする。試験項目ごとの試験1回当たりに必要な試料の最大粒径に応じた最少分取量の目安を,表2に示
3
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す。
表2−試験1回当たりに必要な試料の最大粒径に応じた最少分取量の目安
単位 g
規格番号
試験方法
試料の最大粒径(mm)
0.425
2
4.75
9.5
19
26.5
37.5
75
JIS A 1202 土粒子の密度試験方法
10 a),25 b)
−
JIS A 1203 土の含水比試験方法
5
10
30
150
1 000
5 000
JIS A 1204 土の粒度試験方法
200
400
1 500
6 000
30 000
JIS A 1223 土の細粒分含有率試験方法
200
400
1 500
6 000
30 000
JIS A 1205 土の液性限界・塑性限界試験方法
230
−
JIS A 1209 土の収縮定数試験方法
30
−
JIS A 1224 砂の最小密度・最大密度試験方法
500
−
JIS A 1226 土の強熱減量試験方法
2〜10 c),2 d)
−
JIS A 1210
突
固
め
に
よ
る
土
の
締
固
め
試
験
方
法
内
径
モ
ー
ル
ド
組
合
せ
の
呼
び
名
a 乾燥・繰返し法
5 000
−
b 乾燥・非繰返し法
3 000 e)
−
100 mm
c 湿潤・非繰返し法
3 000 e)
−
内
径
モ
ー
ル
ド
a 乾燥・繰返し法
8 000
−
a 乾燥・繰返し法
15 000
−
b 乾燥・非繰返し法
6 000 e)
150 mm
c 湿潤・非繰返し法
6 000 e)
JIS A 1228 締固めた土のコーン指数試験方法
3 000 e)
−
JIS A 1211 CBR試験方法
5 000 e)
−
JIS A 1218 土の透水試験方法
3 000
−
注記1 各地盤材料試験に用いる試料の必要量は,試験回数,土の粒度,含水比状態などによって変わる。
注記2 最少分取量は,湿潤又は空気乾燥試料の質量である。
注記3 一つの試験で複数の供試体を用いる場合,試料の最少分取量に供試体数を乗じた量が必要である。
注記4 JIS A 1210における湿潤法は,乾燥又は加水によって試料を自然含水比から所要の含水比に調整する方法で
ある。乾燥法は,試料の全量を最適含水比が得られる含水比まで空気乾燥し,突固めに際して加水によっ
て所要の含水比に調整する方法である。
注a) 呼び容量100 mL以下のピクノメーターを用いる場合の炉乾燥質量。
試料をピクノメーターに入れたとき,水中のかさ高さで,ピクノメーター実質部分の下から1/4程度が望ま
しい。
b) 呼び容量100 mLより大きいピクノメーターを用いる場合の炉乾燥質量。
試料をピクノメーターに入れたとき,水中のかさ高さで,ピクノメーター実質部分の下から1/4程度が望ま
しい。
c) るつぼ容量50 mLを用いる場合の炉乾燥質量。
d) るつぼ容量30 mLを用いる場合の炉乾燥質量。
e) 最少分取量×必要組数。
4
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6
試料の含水比調整
6.1
一般事項
試料は,各地盤材料試験方法及び土の種類に応じて,6.2〜6.4に規定する非乾燥法,空気乾燥法及び炉
乾燥法のうち,いずれかの方法を用いて含水比を調整する。
なお,非乾燥法は,風化の進んだれき(礫)及び貝殻片などの壊れやすい粒子を含む土,並びに湿潤状
態の粘性土(特に,火山灰質粘性土,アロフェン,加水ハロイサイトなどの粘土鉱物を含む土),有機質土
など乾燥によって著しく性質が変化する土に適用する。空気乾燥法及び炉乾燥法は,れき(礫)分及び砂
分の多い粗粒土,原位置でかなり乾燥している粘性土など,土の性質が乾燥によってあまり変化しない土
に適用する。
6.2
非乾燥法
採取したときの含水比状態のまま,試料をよく混合した後,含水比が変わらないように保存する。
6.3
空気乾燥法
試料を室内で所要の含水比まで乾燥させる。乾燥中にときどき試料をかき混ぜ,よく混合する。大きな
塊がある場合には,手又はときほぐし器具で細かくときほぐす。乾燥した試料は,含水比が変わらないよ
うに保存する。
なお,試料の乾燥を急ぐ手段として,恒温乾燥炉を利用してもよい。この場合,恒温乾燥炉の温度を50 ℃
以下とする。
6.4
炉乾燥法
試料を(110±5)℃の恒温乾燥炉に入れて,一定質量になるまで炉乾燥した後,デシケーターに移し,
おおむね室温になるまで冷ます。
7
試料の粒度調整
7.1
一般事項
各試験方法に規定された粒径以上の土粒子を含む土は,7.2に規定するふるい分けによって粒度を調整す
る。
非乾燥法によるとき,土が非常に湿っていてふるい分けができない場合には,7.3に規定する裏ごしによ
って粒度を調整する。粒度調整に用いる金属製網ふるいは,各試験方法に規定された最大粒径に対応する
公称目開きのふるいとする。
なお,規定された最大粒径以上の土粒子が含まれていても,試験結果に影響を及ぼさないと考えられる
場合,特に目立つ粗大粒子を手で取り除く程度とし,ふるい分け又は裏ごしを省略してもよい。また,土
粒子がぜい弱で破砕しやすい土は,次の方法でときほぐした後,ふるい分けによって調整するとよい。す
なわち,空気乾燥した試料を500 gずつビニール袋に入れ,ゴムひもで縛った後,1.5 mの高さからコンク
リートの床面に30回落下させる。
7.2
ふるい分け
所定の金属製網ふるいを用いてふるい分けを行い,その通過分を試料とする。
7.3
裏ごし
蒸留水を加えるなどして,裏ごしをしやすい軟らかさに練り合わせる。これをゴムヘらを用いて金属製
網ふるいで裏ごしを行い,その通過分を試料とする。裏ごし操作の例を,図2に示す。
5
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図2−裏ごし操作の例
6
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附属書A
(参考)
技術上重要な改正に関する新旧対照表
現行規格(JIS A 1201:2020)
旧規格(JIS A 1201:2009)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
規格名称
地盤材料試験のための乱した土の試料調製方法
規格名称
土質試験のための乱した土の試料調整方法
土質試料に限らず,岩石試料な
どにも適用されている実態を
鑑み,名称を変更。
4 調整器具
a) はかり
はかりは,表1に示す最小読取値まではかること
ができるもの。
4 調整器具
a) はかり
はかりは,測定質量の約0.1 %まではかることが
できるもの。
表1を追加し,JIS A 1203,JIS
A 1204,JIS A 1223,JIS A 1225
と記載方法を統一。
4 調整器具
e) 恒温乾燥
炉
恒温乾燥炉は,空気循環式で炉内の温度を(110
±5)℃に保持できるもの。
4 調整器具
e) 恒温乾燥
炉
恒温乾燥炉は,温度を(110±5)℃に保持できる
もの。
JIS A 1202,JIS A 1203,JIS A
1204と記載方法を統一。
5.2 試料の分
取量
表2−試験1回当たりに必要な試料の最大粒径に
応じた最少分取量の目安
5.2 試料の分
取量
表1−試験1回当たりに必要な試料の最少分取量
の目安(参考)
表の質量単位をgに統一。
2
A
1
2
0
1
:
2
0
2
0