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日本工業規格

JIS

 A

1161

-1994

気泡コンクリートのかさ比重,

含水率,吸水率及び圧縮強度試験方法

Testing methods for bulk specific gravity, water content,

absorption and compressive strength of cellular concrete

1.

適用範囲

1.1

この規格は,常圧養生した気泡コンクリート(以下,気泡コンクリートという。

)のかさ比重,含水

率,吸水率及び圧縮強度の試験方法について規定する。

なお,高圧養生した気泡コンクリートについては,JIS A 5416 による。

1.2

ここでいう気泡コンクリート(

1

)

とは,セメントペースト中に微細な気泡(

2

)

をセメントペーストに対

する容積比で 25%以上均等に含ませて作ったもので,6.3 によって求めたかさ比重が 1.2 以下の常圧養生し

たものをいう。

(

1

)

気泡コンクリートには,骨材などを含むものもある。

(

2

)

気泡は,セメントペーストに発泡剤若しくは起泡剤を混ぜるか,又は,あらかじめ用意した安

定な泡まつ(沫)を用いるなどして作る。

備考1.  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS A 1132

  コンクリートの強度試験用供試体の作り方

JIS A 5416

  軽量気泡コンクリートパネル(ALC パネル)

2.

この規格の中で{  }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,

参考値である。

2.

供試体の寸法,形状及び数

2.1

供試体は,直径 10cm,高さ 20cm の円柱形とする。ただし,必要に応じて直径 15cm,高さ 30cm の

円柱形としてもよい。

2.2

同一条件の試験に対する供試体の数は,3 個以上とする。

3.

型枠

3.1

型枠の品質及び寸法精度は,JIS A 1132 の 4.2 (1)(2)及び(3)の規定による。

3.2

型枠を組み立てる際には,継ぎ目に油土,硬いグリースを薄く挟みつけ,水漏れのないようにする。

型枠の内面には鉱物性の油を塗るなどして,気泡コンクリートが硬化後容易に取外しできるようにする。

4.

供試体の製造


2

A 1161-1994

4.1

気泡コンクリートは,硬化後に型枠の高さよりやや高く(

3

)

なる程度に,型枠の中に打ち込む。この

際,気泡コンクリート中に粗大な空げきが残ったり,分離が起こったりしないようにする。

(

3

)

型枠の中で発泡膨張する気泡コンクリートでは,頂部が型枠の上端面よりも約2cm 高く,また,

型枠の中で発泡膨張しない気泡コンクリートでは,約1cm 高くなる程度を目標とする。

4.2

気泡コンクリートは,型枠に打ち終わった後,直射日光を避け,水分の蒸発を防ぐようにして,実

際施工に近い状態で養生する。余盛りは,適当な時期に,供試体をいためないようにして削り去り,供試

体の上面を平らにする。余盛りを削り去る時期は,打ち込んでから 24 時間内外がよい。

4.3

型枠は,気泡コンクリートが型枠の取外しに支障のない程度に硬化してから,できるだけ早い時期

に取り外す。型枠の取外し時期は,打ち込み後,夏期は 48 時間内外,冬期は 72 時間内外がよい。

4.4

圧縮強度試験用の供試体に必要に応じてキャッピングを行う場合は,脱型前又は強度試験の約 3 時

間前に JIS A 1132 の 4.4 (3)によってキャッピングを行う。

5.

供試体の養生と材齢

5.1

かさ比重及び吸水率を測定するための供試体は,型枠を取り外してから静水中で養生する。この場

合,供試体の全面が水中に没するようにする。

圧縮強度を試験するための供試体は,型枠を取り外し,試験直前まで飽和湿気中又は容積が供試体の体

積の約 2 倍のビニル袋,ポリエチレン袋などの密閉した袋中で養生する。ただし,試験直前にキャッピン

グする場合の養生は,試験前約 3 時間までとする。

養生中の温度は,いずれも原則として 18∼24℃とする。

5.2

試験時の供試体の材齢は 4 週とする。ただし,圧縮強度試験の場合は,必要に応じて材齢 1 週又は

材齢 13 週のものを加える。

6.

試験

6.1

数値の換算  従来単位の試験機又は計測器を用いて試験する場合の国際単位系 (SI) による数値への換

算は,次による。

1kgf

=9.80N

6.2

はかり  はかりは,1g まで計量できるものを用いる。

6.3

かさ比重  かさ比重は,絶乾かさ比重で示すものとし,次によって求める。

(a)  5.

に示した養生の終わった供試体を 105±5℃中で一定質量になるまで乾燥し,デシケータ内で室温

になるまで冷やしたときの質量 m

0

 (g)

を測定する。

(b)

絶乾かさ比重は,次の式によって小数点以下 2 けたまで計算し,平均値をもって示す。

絶乾かさ比重

V

m

0

=

 (1)

ただし,

V

 (cm

3

)

は供試体の体積で,その体積は原則として実寸法を測定し算出する。

6.4

含水率  含水率は,容積百分率で表すものとし,次によって求める。

(a)

供試体の質量を測定し,これを

m

1

 (g)

とする。

(b)

次に,6.3(a)の操作によって

m

0

(g)

を測定する。

(c)

含水率は,次の式によって 1%まで計算し,平均値をもって示す。

含水率%

100

0

1

×

=

V

m

m

 (2)


3

A 1161-1994

ただし,

V (cm

3

)

は供試体の体積で,その体積は原則として実寸法を測定し算出する。

6.5

吸水率  吸水率は,5.に示した養生の終わった直後における含水率をもって示す。

6.6

圧縮強度  圧縮強度は,次によって求める。

(a)

供試体は,試験機の加圧板の上に,気泡コンクリートの打ち込み方向を加圧方向にして,偏心しな

いように据える。

(b)

試験機の一方の加圧板は,球接面をもつものとする。

(c)

試験機の加圧板と供試体の端面とは直接密着させ,その間にクッション材を入れてはならない。

(d)

荷重は,供試体に衝撃を与えないように一様に加えなければならない。荷重速度は,原則として毎

9.8

19.6N/cm

2

 {1

2kgf/cm

2

}

とする。

(e)

圧縮強度は,供試体が破壊したときに試験機が示す最大荷重

 (N)

{kgf}

を供試体の断面積

 (cm

2

)

(

4

)

で割った値とし,平均値をもって示す。

(

4

)

圧縮強度の計算に用いる供試体の断面積は,直径

10cm

のものでは

78.5cm

2

,直径

15cm

のもので

177cm

2

とする。

7.

報告  報告には,次の事項を記載する。

(1)

供試体の記号

(2)

供試体の寸法及び形状

(3)

養生の状況及び試験時の温度,湿度

(4)

各供試体の試験結果及び平均値

なお,圧縮強度については,材齢,キャッピングの有無及び供試体の破壊状況を付記する。


4

A 1161-1994

建築学会  キャスタブルコンクリート試験方法専門委員会  構成表(昭和 48 年 2 月 1 日制定のとき)

氏名

所属

(委員会長)

狩  野  春  一

工学院大学

仕  入  豊  和

東京工業大学理工学部

重  倉  祐  光

東京理科大学

笠  井  芳  夫

日本大学

向  井      毅

明治大学工学部

金  子  勇次郎

建設省住宅局

原  野  律  郎

通商産業省化学工業局

西  村      一

工業技術院標準部

川  瀬  清  孝

建設省建築研究所

近  藤  基  樹

株式会社竹中工務店

加  賀  秀  治

大成建設株式会社

有  馬  啓  人

麻生フォームコンクリート株式会社

前  田  敏  夫

株式会社ヒーロー化学工業所

庄  川  選  男

日本サーモコン株式会社

(事務局)

田  村  尹  行

工業技術院標準部材料規格課

松  本  大  治

工業技術院標準部材料規格課

(事務局)

牛  島  宏  育

工業技術院標準部材料規格課(平成 6 年 2 月 15 日改正のとき)

荒  井      淳

工業技術院標準部材料規格課(平成 6 年 2 月 15 日改正のとき)