A 1156:2006
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本コンクリート工学協会(JCI)か
ら,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,
国土交通大臣が制定した日本工業規格である。
JIS A 1156には,次に示す附属書がある。
附属書(参考)温度計の取扱い方法
A 1156:2006
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 試験用器具 ····················································································································· 1
4. 試料 ······························································································································ 1
5. 測定方法 ························································································································ 1
6. 測定結果 ························································································································ 1
7. 報告 ······························································································································ 2
附属書(参考)温度計の取扱い方法 ························································································· 3
1. ガラス製棒状温度計による測定 ·························································································· 3
2. 抵抗温度計等による測定 ··································································································· 3
3. 熱電温度計による測定 ······································································································ 3
4. バイメタル式温度計による測定 ·························································································· 4
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
A 1156:2006
フレッシュコンクリートの温度測定方法
Method of measurement for temperature of fresh concrete
1. 適用範囲 この規格は,フレッシュコンクリートの温度を測定する方法について規定する。ただし,
粗骨材の最大寸法が40㎜を超えるコンクリートへの適用は除外する。
備考 温度計の安全な使用方法については,使用者が別途定めて温度測定を行う。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 1115 フレッシュコンクリートの試料採取方法
JIS Z 8710 温度測定方法通則
3. 試験用器具
a) 温度計 温度計は,接触方式の温度計とし,0〜50℃の測定範囲の目量が1℃以下のものとする。なお,
温度計の校正は,JIS Z 8710に規定する「接触式温度計の校正方法」によって行う。
備考 接触方式とは,測定対象と温度計の検出部(感温部)とを物理的によく接触させて同じ温
度に保ち,温度を測定する方法をいう。また、温度計の検出部とは,測定対象に接触し,
その温度と同一温度になるべき部分をいう(JIS Z 8710参照)。
b) 容器 試料を受ける容器は,水密なものとし,内径(一辺)および高さが14㎝以上かつ容量が2L以
上とする(1)。
注(1) 容器として一輪車を用いてもよい。
4. 試料 試料は,JIS A 1115の規定によって2L以上採取する。
5. 測定方法
a) 試料を容器に入れ,直射日光や風などが当たらない平らな場所に静置する。
b) 温度計は,容器の中央部からほぼ垂直に挿入する。その際,温度計の検出部全体が試料に浸没するま
で挿入する。温度計を挿入した後,温度計周囲の試料表面を軽く押し均す。
c) 温度計は,示度が安定するまで静置し,試料に挿入した状態で示度を読み取り記録する。
参考 各温度計の取扱い方法は附属書(参考)による。
d) 試料の採取から示度を読み取るまでの時間は,5分以内とする。
6. 測定結果 温度は,1℃単位で表示する。
2
A 1156:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7. 報告 報告は,次の事項について行う。
a) 必ず報告する事項
1) 日時
2) 天候
3) フレッシュコンクリートの温度(℃)
4) 温度計の種類
5) 容器(種類と容量)
6) 温度測定場所(屋内または屋外)
b) 必要に応じて報告する事項
1) バッチ番号または運搬車番号
2) 試験室の温度または気温(℃)
3) 温度計の校正年月日
3
A 1156:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書(参考)温度計の取扱い方法
この附属書(参考)は,フレッシュコンクリートの温度測定方法における温度計の取扱い方法の標準を
示すものであり,規定の一部ではない。
1. ガラス製棒状温度計による測定 ガラス製棒状温度計を用いてフレッシュコンクリートの温度測定を
行う場合は,JIS Z 8705(ガラス製温度計による温度測定方法)によって行う。
ガラス製棒状温度計は,JIS B 7411(一般用ガラス製棒状温度計)に規定される全浸没温度計または浸
没線付温度計を用いる。
全浸没温度計を用いて温度測定を行う場合には,JIS B 7411の4.2項に従い,その液柱頂部がフレッシ
ュコンクリートの表面と同一面又は2目盛以上,上方にならないように挿入する。
浸没線付温度計を用いて温度測定を行う場合は,球部(ガラス製棒状温度計の先端部分で,感温液が封
入されている部分)から浸没線までをフレッシュコンクリート試料中に挿入するとともに,その時の挿入
深さは60mm以上とする。
温度計の示度の読み取りは,上記条件に従って温度計をフレッシュコンクリートに挿入し,両者が熱的
平衡に達した後,目盛面に垂直な方向から見て行う。なお,熱的平衡に達するまでの時間(示度が安定す
るまでの時間)は,2分以上とする。
全浸没温度計を感温液柱の一部を露出した状態で使用する場合,又は浸没線付温度計を正しくない浸没
状態(浸没線まで挿入していない状態)で使用する場合には,温度計の示度に大きな誤差を生じることが
あるので,浸没条件を満足しなければならない。
なお,温度計破損による怪我や試料へのガラス片混入等を防止するため,保護管の使用,又は飛散防止
シート付きの温度計を使用することが望ましい。
2. 抵抗温度計等による測定 白金抵抗温度計やサーミスタ温度計等の抵抗式測温体による温度計を用い
てフレッシュコンクリートの温度測定を行う場合は,JIS Z 8704(温度測定方法−電気的方法)によって
行う。抵抗温度計は,JIS C 1603(指示抵抗温度計)などのJIS C 1604(測温抵抗体),JIS C 1606(シー
ス測温抵抗体)及びJIS C 1611(サーミスタ測温体)に規定された抵抗式測温体を用いたものとする。温
度計の示度の読み取りは,検出部をフレッシュコンクリートに挿入し,両者が熱的平衡に達した後に行う。
なお,その時の挿入深さは,ガラス製棒状温度計による測定と同様,60㎜以上とする。
3. 熱電温度計による測定 熱電温度計を用いてフレッシュコンクリートの温度を測定する場合は,JIS Z
8704(温度測定方法−電気的方法)によって行う。熱電温度計は,JIS C 1601(指示熱電温度計)などの
JIS C 1602(熱電対)及びJIS C 1605(シース熱電対)に規定された熱電対を用いたものとする。温度計
の示度の読み取りは,検出部をフレッシュコンクリートに挿入し,両者が熱的平衡に達した後に行う。な
お,その時の挿入深さは,ガラス製棒状温度計による測定と同様,60㎜以上とする。
4
A 1156:2006
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4. バイメタル式温度計による測定 バイメタル式温度計を用いてフレッシュコンクリートの温度を測定
する場合は,JIS Z 8707(充満式温度計及びバイメタル式温度計による温度測定方法)によって行う。温
度計の示度の読み取りは,感温部全体をフレッシュコンクリートに挿入し,両者が熱的平衡に達した後に
行う。なお,熱的平衡に達するまでの時間(示度が安定するまでの時間)は,3分以上とする。