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A 1152:2018  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 測定用装置及び器具 ·········································································································· 1 

4 試薬······························································································································· 1 

5 測定方法························································································································· 2 

5.1 測定面の準備 ················································································································ 2 

5.2 中性化深さの測定 ·········································································································· 2 

6 計算······························································································································· 3 

7 報告······························································································································· 4 

7.1 試験室又は現場で作製されたコンクリート供試体の場合 ························································ 4 

7.2 コンクリート構造物(コア又ははつり)の場合 ···································································· 4 

附属書A(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表 ······························································ 6 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,公益社団法人日本

コンクリート工学会(JCI)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本

工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。これによって,JIS A 1152:2011

は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

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コンクリートの中性化深さの測定方法 

Method for measuring carbonation depth of concrete 

適用範囲 

この規格は,コンクリートの中性化深さの測定方法について規定する。 

この規格の測定方法は,試験室又は現場で作製し,屋内又は屋外に保存されたコンクリート供試体,コ

ンクリート構造物又はコンクリート製品から採取されたコア供試体,コンクリート構造物をはつった部分

などに適用できる。 

なお,技術上重要な改正に関する新旧対照表を附属書Aに示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7507 ノギス 

JIS B 7516 金属製直尺 

JIS K 8001 試薬試験方法通則 

測定用装置及び器具 

測定用装置及び器具は,次のうち必要なものを用いる。 

a) 供試体を割裂できる圧縮試験機,曲げ試験機,ハンマーなどの装置又は器具 

b) 供試体を切断できるコンクリートカッタなどの装置 

c) コンクリート構造物をはつることのできるたがね,ドリル,コンクリートカッタなどの器具 

d) 測定面に付着するコンクリートの小片,粉などを除去できるはけ(刷毛),電気掃除機などの器具 

e) ドライヤ 

f) 

噴霧器 

g) JIS B 7507に規定するノギス又はJIS B 7516に規定する金属製直尺で0.5 mmまで読み取れるもの。 

注記 構造物のはつり面で測定する場合は,JIS B 7516に規定する金属製直尺又はJIS B 7512に規定

する鋼製巻尺で1 mmまで読み取れるものを用いてよい。また,JIS S 6032に規定する直線定

規で,目量1 mmの目盛付きのものを用いてもよい。 

試薬 

中性化深さを測定するときに用いる試薬には,JIS K 8001のJA.5(指示薬)に規定するフェノールフタ

レイン溶液又はこれと同等の性能をもつ試薬を用いる。 

JIS K 8001のJA.5に規定するフェノールフタレイン溶液は,フェノールフタレイン1.0 gをはかりとり

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

エタノール(95)90 mLに溶かし,水で100 mLにしたものである。 

注記 供試体が乾燥している場合には,エタノール(95)の量を70 mL程度にするなどして,加える

水の量を多くすることができる。 

測定方法 

5.1 

測定面の準備 

測定面の準備は,次のいずれかによる。 

なお,a)〜c) において測定面がぬれている場合は,測定面を自然乾燥させるか,ドライヤを用いるなど

して乾燥させる。 

a) 試験室又は現場で作製されたコンクリート供試体を用いる場合 割裂面を測定面とする場合は,圧縮

試験機などで供試体を割裂し,割裂面に付着するコンクリートの小片,粉などをはけ,電気掃除機な

どで除去する。 

切断面を測定面とする場合は,コンクリートカッタなどで供試体を切断する。切断時に散水しない

場合は切断面に付着するコンクリートの粉をはけ,電気掃除機などで除去し,散水する場合は切断面

に付着する のろを水洗いによって除去する。 

注記 散水しない場合は切断面が過度に高温にならないように注意する。また,散水の有無にかか

わらず,コンクリートの粉,のろなどが切断面に付着していると中性化深さの測定が正確に

行われないことがある。 

b) コア供試体を用いる場合 割裂面を測定面とする場合は,a) による。側面を測定面とする場合は,コ

ア供試体採取後,その側面に付着する のろを水洗いによって除去する。 

注記 圧縮強度試験に供するコア供試体を用いて中性化深さの測定を行う場合には,圧縮強度試験

時に最大荷重に到達した後できるだけ速やかに除荷して供試体の破損を避けるのが望ましい。 

圧縮強度試験に供するコア供試体に研磨による端面処理を行う場合,中性化した部分が削

られ,中性化深さの測定が正確に行われないことがある。このため,研磨前にコアの任意の

位置に印を付け,端面からの距離を測定しておくなど,研磨による中性化深さの欠損量が分

かるような対策を事前に行うことが望ましい。 

c) コンクリート構造物のはつり面で測定する場合 はつり面は,a) によってコンクリートの小片,粉な

どを除去する。 

注記 コンクリートをはつるとき,あらかじめはつり面の周囲にコンクリートカッタで切れ込みを

入れておくと,はつり及び中性化深さの測定が容易になる。 

5.2 

中性化深さの測定 

中性化深さの測定は,次による。 

a) 測定面の処理が終了した後,直ちに測定面に試薬を噴霧器で液が滴らない程度に噴霧する。 

測定面を空気中に長時間放置しておくと,測定面が中性化して正確な中性化深さが測定できなくな

るおそれがある。このため,測定面の処理が終了した後,直ちに測定ができない場合には,ラッピン

グフィルムなどで測定面を密封する。 

b) 測定箇所1)について,コンクリート表面から赤紫色に呈色した部分までの距離を0.5 mm2)の単位で測

定する。測定は,呈色した部分が安定してから行う3)。 

コンクリートが著しく乾燥していて赤紫色の呈色が不鮮明な場合には,試薬を噴霧した測定面に噴

霧器で水を少量噴霧するか,試薬を再度噴霧するなどして,発色が鮮明になってから測定を行う。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

測定位置に粗骨材の粒子がある場合又はあった場合には,図1に示すように,粒子又は粒子の抜け

たくぼみの両端の中性化位置を結んだ直線上で測定する。 

図1−測定箇所に粗骨材の粒子がある場合の測定例 

注記 鮮明な赤紫色に呈色した部分より浅い部分に薄赤紫色の部分が現れる場合がある。このよう

な場合は,鮮明な赤紫色の部分までの距離を中性化深さとして測定するとともに,薄赤紫色

の部分までの距離も測定するとよい。 

注1) 供試体の割裂面及び切断面を測定面とする場合は,中性化の状況に応じて10〜15 mm間隔ご

とに1か所,コア供試体の側面を測定面とする場合は5か所以上とするのがよい。中性化し

た部分の面積を測定するとより正確に平均中性化深さを算出することができる。 

コンクリート構造物のはつり面の場合には,はつり面の大きさに応じて4〜8か所程度とす

るのがよい。 

いずれの場合も,これらの測定値とは別に最大値を測定する。最大値を示した箇所に施工

欠陥などの異常が認められる場合は,その旨記録する。 

2) 中性化深さが浅い場合は,測定単位を0.5 mm以下としてよい。 

コンクリート構造物のはつり面で測定する場合は,測定単位を1 mmとしてよい。 

3) 時間の経過とともに呈色する部分が拡大する場合は,呈色した部分が安定するまで放置する

か,再度試薬を噴霧して直ちに測定するとよい。数分から3日程度放置するか,又はドライ

ヤなどで測定面を乾燥させると呈色した部分が安定する場合もある。 

計算 

平均中性化深さは,測定値の合計を測定箇所数で除して求め,四捨五入によって小数点以下1桁に丸め

る。 

注記 中性化の速さを表す方法として,中性化深さ(mm)を養生終了時からの期間(年)の平方根

で除して求めた中性化速度係数(mm/年)が用いられることがある。促進試験では,期間の

単位に週などが用いられる。 

中性化深さの
測定位置 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

報告 

7.1 

試験室又は現場で作製されたコンクリート供試体の場合 

試験室又は現場で作製されたコンクリート供試体の場合の報告は,次による。 

a) 必ず報告する事項 

1) 試験年月日 

2) コンクリートの配合 

3) 養生方法及び期間(標準養生,材齢28日までなど) 

4) 保管条件(屋外の場合は,方位,水平面に対する測定面の角度,雨がかりの有無,また,屋内の場

合は,温度,相対湿度) 

5) コンクリートの材齢 

6) 測定面の種類(角柱供試体の割裂面など) 

7) 試薬 

8) 測定器具(ノギスなど) 

9) 試薬の噴霧から中性化深さの測定までの時間 

10) 中性化深さの測定箇所と各測定値,平均値,最大値 

11) 薄赤紫色に呈色した部分の有無(ありの場合は,その状況を写真などで記録する。) 

b) 必要に応じて報告する事項 

1) 保管条件の詳細(温度,相対湿度,降水量,炭酸ガス濃度,風速,日射量) 

2) 中性化の状況の写真 

3) 中性化速度係数 

7.2 

コンクリート構造物(コア又ははつり)の場合 

コンクリート構造物(コア又ははつり)の場合の報告は,次による。 

a) 必ず報告する事項 

1) 構造物の名称 

2) 構造物の経過年数 

3) コア採取又ははつりを行った年月日及び試験日 

4) コア採取又ははつりを行った位置(屋内,屋外,部位,方位,高さなど) 

5) 使用骨材の種類(普通骨材,軽量骨材など) 

6) 測定面の種類(コアの側面,コアの割裂面,構造物のはつり面など) 

7) 試薬 

8) 測定器具(鋼製巻尺など) 

9) 試薬の噴霧から中性化深さの測定までの時間 

10) 中性化深さの測定箇所と各測定値,平均値,最大値 

11) 薄赤紫色に呈色した部分の有無(ありの場合は,その状況を写真などで記録する。) 

b) 必要に応じて報告する事項 

1) コア採取又ははつりを行った位置の雨がかりの有無 

2) 構造物周辺の炭酸ガス濃度 

3) コンクリートの圧縮強度(設計基準強度又はコア強度など) 

4) 中性化の状況の写真 

5) 鉄筋のかぶり厚さ 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6) 中性化速度係数 

参考文献 JIS B 7512 鋼製巻尺 

JIS S 6032 プラスチック製定規 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(参考) 

技術上重要な改正に関する新旧対照表 

現行規格(JIS A 1152:2018) 

旧規格(JIS A 1152:2011) 

改正理由 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 
及び題名 

内容 

3 測定用装置
及び器具 

g) JIS B 7507に規定するノギス又はJIS B 
7516に規定する金属製直尺で0.5 mmまで読み
取れるもの。 

注記 構造物のはつり面で測定する場合

は,JIS B 7516に規定する金属製直尺
又はJIS B 7512に規定する鋼製巻尺
で1 mmまで読み取れるものを用い
てよい。また,JIS S 6032に規定する
直線定規で,目量1 mmの目盛付きの
ものを用いてもよい。 

3 測定用装
置及び器具 

g) JIS B 7507に規定するノギス又はJIS 
B 7516に規定する金属製直尺で0.5 mmま
で読み取れるもの。ただし,構造物のはつ
り面で測定する場合は,JIS B 7516に規定
する金属製直尺又はJIS B 7512に規定する
鋼製巻尺で1 mmまで読み取れるものを用
いてよい。JIS S 6032に規定する直線定規
で,目量1 mmの目盛付きのものを用いて
もよい。 

JIS S 6032の目量1 mmの目盛付き直線
定規の使用が,構造物のはつり面に限定
されることを明確に読み取れない表現で
あったため,記載を改めた。また,構造
物のはつり面で特に使用が許される器具
については,注記による記載とした。 

4 試薬 

 中性化深さを測定するときに用いる試薬に
は,JIS K 8001のJA.5(指示薬)に規定するフ
ェノールフタレイン溶液又はこれと同等の性能
をもつ試薬を用いる。 
 JIS K 8001のJA.5に規定するフェノールフ
タレイン溶液は,フェノールフタレイン1.0 g
をはかりとりエタノール(95)90 mLに溶かし,
水で100 mLにしたものである。 

4 試薬 

 中性化深さを測定するときに用いる試薬
には,JIS K 8001のJA.4(指示薬)に規定
するフェノールフタレイン溶液又はこれと
同等の性能をもつ試薬を用いる。 
 JIS K 8001のJA.4に規定するフェノー
ルフタレイン溶液は,95 %エタノール90 
mLにフェノールフタレインの粉末1 gを溶
かし,水を加えて100 mLとしたものであ
る。 

フェノールフタレイン溶液が規定されて
いるJIS K 8001(試薬試験方法通則)の
附属書JA(試験用溶液類の調製方法及び
滴定用溶液類の調製及び標定)の項目番
号変更に合わせて改正した。また,フェ
ノールフタレイン溶液の作り方に関する
記載をJIS K 8001に合わせた。 

2

A

 1

1

5

2

2

0

1

8

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

現行規格(JIS A 1152:2018) 

旧規格(JIS A 1152:2011) 

改正理由 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 
及び題名 

内容 

5 測定方法 

注2) 中性化深さが浅い場合は,測定単位を0.5 

mm以下としてよい。 

コンクリート構造物のはつり面で測定

する場合は,測定単位を1 mmとしてよ
い。 

注3) 時間の経過とともに呈色する部分が拡大

する場合は,呈色した部分が安定するま
で放置するか,再度試薬を噴霧して直ち
に測定するとよい。数分から3日程度放
置するか,又はドライヤなどで測定面を
乾燥させると呈色した部分が安定する場
合もある。 

5 測定方法 

注2) 中性化深さが浅い場合は0.5 mm以

下としてよい。 

コンクリート構造物のはつり面で

測定する場合は1 mmとしてよい。 

注3) 数分から3日程度放置するか,又は

ドライヤなどで測定面を乾燥させる
と呈色した部分が安定する。時間の
経過とともに呈色する部分が拡大す
る場合は,呈色した部分が安定する
まで放置するか,再度試薬を噴霧し
て直ちに測定するとよい。 

 旧規格の表現では,“0.5 mm以下とし
てよい”又は“1 mmとしてよい”とす
る対象が,測定値であるか,又は測定単
位であるか不明確であったため,測定単
位であることが明確になるように表現を
改めた。 
 旧規格では,数分から3日程度の放置,
又はドライヤなどによる測定面の乾燥に
より呈色した部分が“安定する”として
いたが,呈色が安定しない場合もあり,
今回の改正では,“安定する場合もある”
との記載に改めた。 

2

A

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