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A 1150:2020  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義··················································································································· 1 

4 試験器具························································································································· 2 

5 試料······························································································································· 2 

6 試験方法························································································································· 2 

7 結果······························································································································· 3 

8 報告······························································································································· 3 

附属書JA(参考)コンクリートの500 mmフロー到達時間の測定方法 ··········································· 5 

附属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 6 

附属書JC(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表 ····························································· 9 

A 1150:2020  

(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,公益社団法人

日本コンクリート工学会(JCI)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を改正すべきとの申出があ

り,日本産業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本産業規格である。これによって,
JIS A 1150:2014は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。国土交通大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

日本産業規格          JIS 

A 1150:2020 

コンクリートのスランプフロー試験方法 

Method of test for slump flow of concrete 

序文 

この規格は,2016年に第2版として発行されたISO 1920-2を基とし,技術的内容を変更して作成した

日本産業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。技術的差

異の一覧表にその説明を付けて,附属書JBに示す。また,技術上重要な改正に関する新旧対照表を,附

属書JCに示す。 

適用範囲 

この規格は,粗骨材の最大寸法が40 mm以下の,高強度コンクリート,高流動コンクリート,水中不分

離性コンクリートなどのスランプフロー試験の方法について規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 1920-2:2016,Testing of concrete−Part 2: Properties of fresh concrete(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”こと

を示す。 

引用規格 

次に掲げる引用規格は,この規格に引用されることによって,その一部又は全部がこの規格の要求事項

を構成している。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS A 0203 コンクリート用語 

JIS A 1101 コンクリートのスランプ試験方法 

JIS A 1115 フレッシュコンクリートの試料採取方法 

注記 対応国際規格における引用規格:ISO 1920-1:2004,Testing of concrete−Part 1: Sampling of fresh 

concrete 

JIS A 1138 試験室におけるコンクリートの作り方 

JIS B 7512 鋼製巻尺 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 0203による。 

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A 1150:2020  

試験器具 

4.1 

スランプコーン スランプコーンは,JIS A 1101に規定するもの。 

4.2 

突き棒 突き棒は,JIS A 1101に規定するもの。 

4.3 

平板 平板は,十分な水密性及び剛性をもつ,板厚3.0 mm以上の鋼などの金属製とし,表面が平滑

なもの。その大きさは,スランプフロー試験ができる余裕をもった寸法とする。取っ手を付ける場合には,
スランプフローの測定の障害にならない位置に取り付ける。 

4.4 

ノギス又はメジャー ノギス,JIS B 7512のコンベックスルール又はこれに相当するメジャーで,1 

mmまで読み取れるもの。 

4.5 

測定用補助器具 測定用補助器具1) は,図1に示すように,スランプフローの測定に用いるもの。 

注1) 例えば,山形鋼などを切断加工したものがある。 

4.6 

受け容器 受け容器は,容量約10 L以上のバケツなどとし,必要に応じて用意する。 

4.7 

ストップウオッチ ストップウオッチは,0.1秒まで計測できるもの。 

図1−試験器具の使用例 

試料 

試料は,JIS A 1115の規定によって採取するか,又はJIS A 1138の規定によって作る。 

試験方法 

試験方法は,次による。また,参考としてコンクリートの500 mmフロー到達時間の測定方法を,附属

A 1150:2020  

書JAに示す。 

a) スランプコーン及び平板の設置 スランプコーンは使用前に汚れ,きず及びへこ(凹)みがないこと

を目視によって確認する。スランプコーンの内面及び平板の上面は,あらかじめ湿布などで拭いてお
く。スランプコーンは,水平に設置した平板上に置く。なお,水平の確認は,水準器を用いて行う。 

b) 試料の詰め方 試料は,材料の分離を生じないように注意して詰め,スランプコーンに詰め始めてか

ら,詰め終わるまでの時間は2分以内とする。 

高強度コンクリート及び高流動コンクリートの場合,JIS A 1101の箇条6 b)に従って3層に分けて

詰め,各層5回突き棒で一様に突く,又は必要に応じて適切な受け容器にためておいて偏りがないよ

うに流し込み,突固め若しくは振動を与えない1層詰めとする。 

水中不分離性コンクリートの場合,JIS A 1101の箇条6 b)に従って3層に分けて詰め,各層25回突

き棒で一様に突く。 

c) スランプフローの測定 スランプコーンに詰めたコンクリートの上面をスランプコーンの上端に合

わせてならす。突固めによって試料の上面がスランプコーンの上端よりも低くなった場合は,少量の
同じコンクリートの試料を足して上面をならす。その後,平板にこぼれた試料を湿布などで取り除き,

直ちにスランプコーンを静かに鉛直方向に連続して引き上げる。スランプコーンを引き上げる時間は,
JIS A 1101の箇条6 c)に従って高さ300 mmで2秒〜3秒とする。ただし,試料がスランプコーンとと

もに持ち上がって落下するおそれのある場合は,試料が落下しない程度にゆっくり引き上げる。この
後,スランプコーンの内側に多量の試料が付着している場合には,これをかき落として試料の中心部
に静かに加える。 

コンクリートの動きが止まった後に,広がりが最大と思われる直径と,その直交する方向の直径と

を1 mm単位で測る。コンクリートの広がりが著しく円形からはずれ,スランプフローの両直径の差

が50 mm以上となった場合には,同一バッチの別の試料によって新たに試験する。 

なお,スランプを測定する場合には,JIS A 1101の箇条6 c)に従ってコンクリートの中央部におい

て下がりを0.5 cm単位で測る。 

d) フローの流動停止時間の測定 フローの流動停止時間を求める場合には,スランプコーン引上げ開始

から,目視によって停止が確認されるまでの時間を,ストップウオッチを用いて0.1秒単位で計る。 

結果 

スランプフローは,両直径の平均値を5 mm又は0.5 cm単位に丸めて表示する。 

報告 

報告は,次の事項について行う。 

a) 必ず報告する事項 

1) 試験年月日 

2) バッチ番号又は運搬車番号 

3) 粗骨材の最大寸法(mm) 

4) スランプフロー(mm又はcm) 

b) 必要に応じて報告する事項 

1) 天候 

A 1150:2020  

2) 気温又は試験室の温度(℃) 

3) 試料の詰め方(層数及び突き数) 

4) 500 mmフロー到達時間(秒) 

5) フローの流動停止時間(秒) 

6) スランプ(cm) 

7) 目視による材料分離の有無 

A 1150:2020  

附属書JA 

(参考) 

コンクリートの500 mmフロー到達時間の測定方法 

JA.1 一般 

この附属書は,粗骨材の最大寸法が40 mm以下の,高強度コンクリート,高流動コンクリート,水中不

分離性コンクリートなどの500 mmフロー到達時間の測定方法について記載する。 

JA.2 試験器具 

試験器具は,箇条4による。ただし,4.3の平板には,その表面に,直径200 mm及び直径500 mmの同

心円を描いておく2)。より明確にスランプコーンの設置位置を示すためには,使用するスランプコーンの

底部外形を示す線を,直径500 mmの円と同心となるように描くのがよい。 

注2) 直径200 mmの円は,スランプコーンの設置位置を示している。 

JA.3 試料 

試料は,箇条5による。 

JA.4 500 mmフロー到達時間の測定 

スランプコーン及び平板の設置,並びに試料の詰め方は,箇条6 a)及びb)による。箇条6 c)に従ってス

ランプコーンを引き上げ,スランプコーン引上げ開始時からコンクリートの広がりが平板に描いた直径
500 mmの円に最初に達したときまでの時間を,ストップウオッチを用いて0.1秒単位で計る。 

JA.5 報告 

500 mmフロー到達時間(秒)を必ず報告する。 

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A 1150:2020  

附属書JB 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS A 1150 

ISO 1920-2:2016,(MOD) 

a) JISの 

箇条 
番号 

b) 対応国際

規格の対
応する箇
条番号 

c) 箇条ご

との評
価 

d) JISと対応国際規格との技術的差異の内容及

び理由 

e) JISと対応国際規格

との技術的差異に
対する今後の対策 

4.7.1 

変更 

高流動コンクリート及び水中不分離性コンクリ
ート以外にISO規格では,スランプが210 mmを
超えるコンクリートを対象としているが,JISで
は,粗骨材の最大寸法が40 mm以下の高強度コ
ンクリートを対象としている。 

国内の実状に合わせて
の変更で,対応国際規格
の変更の予定はない。 

変更 

JISでは,JIS A 0203を引用した。 

実質的な差異はなし。 

4.1 

4.7.3.1 

変更 

JISでは,JIS A 1101を引用した。 

国内の実状に合わせて
の変更で,対応国際規格
の変更の予定はない。 

4.2 

4.7.3.2 

変更 

JISでは,JIS A 1101を引用した。 

国内の実状に合わせて
の変更で,対応国際規格
の変更の予定はない。 

4.3 

4.7.3.3 

変更 

JISでは,平面の剛性,大きさ,表面について,
十分な水密性及び剛性をもつ,板厚3.0 mm以上
の鋼などの金属製とし,表面が平滑なものとし,
スランプフロー試験ができる余裕をもった寸法
としている。また,附属書JA(参考)に,500 mm
フロー到達時間の測定を行う場合には,平板へ二
つの円を描くのがよいことを規定。 
ISO規格では,800 mm×800 mm以上とし,表面
にスランプコーンの位置を示す200 mmの円及び
500 mmフロー到達時間を測定するために,二つ
の円を平板の表面に描いたものと規定。 

国内の実状に合わせて
の変更で,対応国際規格
の変更の予定はない。 

4.4 

4.7.3.4 

追加 

JISでは,JIS B 7512を引用した。 

国内の実状に合わせて
の追加で,対応国際規格
の変更の予定はない。 

4.6 

4.7.3.6 

変更 

JISでは約10 L以上,ISO規格では約12 L以上
と規定。 

実質的な差異はなし。 

4.2 

追加 

JISでは,JIS A 1115及びJIS A 1138を引用した。 実質的な差異はなし。 

background image

A 1150:2020  

a) JISの 

箇条 
番号 

b) 対応国際

規格の対
応する箇
条番号 

c) 箇条ご

との評
価 

d) JISと対応国際規格との技術的差異の内容及

び理由 

e) JISと対応国際規格

との技術的差異に
対する今後の対策 


b) 

4.7.4.2 

変更 

JISでは,高強度コンクリート及び高流動コンク
リートの場合,3層に分けて詰め,各層5回突き
棒で一様に突く,又は必要に応じて適切な受け容
器にためておいて偏りがないように流し込み,突
固め若しくは振動を与えない1層詰めとするよ
う規定。 
ISO規格では,同様の詰め方を標準とするが,高
流動コンクリートの場合,突固め又は振動を与え
ない1層詰めとするよう規定。 
水中不分離性コンクリートについては,ISO規格
及びJIS共に,3層に分けて詰め,各層25回突
き棒で一様に突くよう規定。 

国内の実状に合わせて
の変更で,対応国際規格
の変更の予定はない。 


c) 

4.7.4.3 

変更 

スランプフローの測定について,ISO規格では,
試料の直径を5 mm単位で測ることを規定。JIS
では,測定器具の最小単位と測定する単位とを合
わせて,1 mm単位で測ることを規定。 
また,スランプコーンの内側に多量の試料が付着
している場合に,ISO規格では,無効として報告
し,理由を明記するとともに同一バッチの別の試
料によって新たに試験することを規定。JISでは,
かき落として試料の中心部に静かに加えること
を規定。 

国内の実状に合わせて
の変更で,対応国際規格
の変更の予定はない。 

追加 

JISでは,突固めによって試料の上面がスランプ
コーンの上端よりも低くなった場合は,少量の同
じコンクリートの試料を足して上面をならし,そ
の後,平板にこぼれた試料を湿布などで取り除く
と規定。また,スランプを測定する場合には,コ
ンクリートの中央部において下がりを0.5 cm単
位で測ると規定。 

国内の実状に合わせて
の追加で,対応国際規格
の変更の予定はない。 

4.7.4.3 

変更 

ISO規格では,二つの測定値の平均値を10 mm又
は5 mm単位(国内規格で要求される場合)に丸
めて表示。JISでは5 mm又は0.5 cm単位に丸め
て表示。 

国内の実状に合わせて
の変更で,対応国際規格
の変更の予定はない。実
質的な差異はない。 

4.7.5 

変更 

ISO規格では,報告事項に区分は設けていない
が,JISでは,二つの報告事項に分けて報告。ま
た,JISでは,必ず報告する事項として,粗骨材
の最大寸法を追加。必要に応じて報告する事項
に,天候,気温又は試験室の温度及びスランプを
追加。 

国内の実状に合わせて
の変更で,対応国際規格
の変更の予定はない。 

附属書JA 
(参考) 

4.7.4.4 

変更 

500 mmフロー到達時間の測定は,誤差を生じや
すく,管理項目として利用されていないと考えら
れることから,JISでは,附属書JA(参考)に記
載。 

技術的な差異はなし。 

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A 1150:2020  

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味を,次に示す。 

− 追加:対応国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更:対応国際規格の規定内容又は構成を変更している。 

注記2 JISと対応国際規格との対応の程度の全体評価の記号の意味を,次に示す。 

− MOD:対応国際規格を修正している。 

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A 1150:2020  

附属書JC 

(参考) 

技術上重要な改正に関する新旧対照表 

現行規格(JIS A 1150:2020) 

旧規格(JIS A 1150:2014) 

改正理由 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号
及び題名 

内容 

2 引用規
格 

JIS A 0203 コンクリート用語 
JIS A 1101 コンクリートのスランプ試験方法 
JIS A 1115 フレッシュコンクリートの試料採

取方法 

注記 対応国際規格における引用規格:ISO 

1920-1:2004,Testing of concrete−Part 1: 
Sampling of fresh concrete 

JIS A 1138 試験室におけるコンクリートの作

り方 

JIS B 7512 鋼製巻尺 

2 引用規
格 

JIS A 1101 コンクリートのスランプ試験方法 
JIS A 1115 フレッシュコンクリートの試料採

取方法 

JIS A 1138 試験室におけるコンクリートの作

り方 

JIS A 1156 フレッシュコンクリートの温度測

定方法 

JIS B 7512 鋼製巻尺 

各種試験方法が細分化され,フレッシュ
コンクリートの品質管理を網羅してし
まう方向にいくことと,JIS A 1156(フレ
ッシュコンクリートの温度測定方法)で
の報告との重複を避けるため,コンクリ
ートの温度の規定を削除した。 
また,用語及び定義(箇条3)を追加し
たことによって,JIS A 0203を追加した。 

3 用語及
び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 
0203による。 

− 

− 

“3 用語及び定義”が追加された。 

4 試験器
具 
4.3 平板 

平板は,十分な水密性及び剛性をもつ,板厚3.0 
mm以上の鋼などの金属製とし,表面が平滑な
もの。その大きさは,スランプフロー試験がで
きる余裕をもった寸法とする。 

3 試験用
器具 
3.3 平板 

平板は,十分な水密性及び剛性をもつ,板厚3.0 
mm以上の鋼製のものとし,大きさが0.8 m×0.8 
m以上で,表面が平滑なものとする。 

平板の大きさを定性的な記載に変更す
ることによって(平板の)選択範囲を広
げた。 

5 試料 

試料は,JIS A 1115の規定によって採取するか,
又はJIS A 1138の規定によって作る。 

4 試料 

4.1 

試料の準備 

試料は,JIS A 1115の規定によって採取する

か,又はJIS A 1138の規定によって作る。 
4.2 

コンクリートの温度 

コンクリートの温度はJIS A 1156の規定によ

って測定する。 

各種試験方法が細分化され,フレッシュ
コンクリートの品質管理を網羅してし
まう方向にいくことと,JIS A 1156での
報告との重複を避けるため,コンクリー
トの温度の規定を削除した。 

 
 

2

A

 1

1

5

0

2

0

2

0

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10 

A 1150:2020  

現行規格(JIS A 1150:2020) 

旧規格(JIS A 1150:2014) 

改正理由 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号
及び題名 

内容 

6 試験方
法 
b) 試料の
詰め方 

高強度コンクリート及び高流動コンクリートの
場合,JIS A 1101の箇条6 b)に従って3層に分
けて詰め,各層5回突き棒で一様に突く,又は
必要に応じて適切な受け容器にためておいて偏
りがないように流し込み,突固め若しくは振動
を与えない1層詰めとする。 
水中不分離性コンクリートの場合,JIS A 1101の
箇条6 b)に従って3層に分けて詰め,各層25回
突き棒で一様に突く。 

5試験方
法 
b) 試料の
詰め方 

高強度コンクリート及び高流動コンクリートの
場合,適切な受け容器にためておいて偏りがな
いように流し込み,突き固めや振動を与えない
一層詰めとするか,又は3層に分けて詰め,各
層5回突き棒で一様に突く。 
水中不分離性コンクリートの場合,3層に分けて
詰め,各層25回突き棒で一様に突く。 

“適切な受け容器にためておいて偏り
がないように流し込み,”が“3層に分け
て詰め,各層5回突き棒で一様に突く。”
に掛かるのか不明瞭であること,また,
試料の詰め方及び突き方は,JIS A 1101
の規定に従っていることから,文章の順
序及び表現を修正した。 

6 試験方
法 
c) スラン
プフロー
の測定 

スランプコーンに詰めたコンクリートの上面を
スランプコーンの上端に合わせてならす。突固
めによって試料の上面がスランプコーンの上端
よりも低くなった場合は,少量の同じコンクリ
ートの試料を足して上面をならす。その後,平
板にこぼれた試料を湿布などで取り除き,直ち
にスランプコーンを静かに鉛直方向に連続して
引き上げる。スランプコーンを引き上げる時間
は,JIS A 1101の箇条6 c)に従って高さ300 mm
で2秒〜3秒とする。ただし,試料がスランプコ
ーンとともに持ち上がって落下するおそれのあ
る場合は,試料が落下しない程度にゆっくり引
き上げる。 

5 試験方
法 
c) スラン
プフロー
の測定 

スランプコーンに詰めたコンクリートの上面を
スランプコーンの上端に合わせてならした後,
直ちにスランプコーンを鉛直方向に連続して引
き上げる。スランプコーンを引き上げる時間は,
JIS A 1101の規定によって高さ30 cmで2〜3秒
とする。ただし,試料がスランプコーンととも
に持ち上がって落下するおそれのある場合は,
10秒でゆっくり引き上げる。 

フロー測定のコンクリートの試料の量
を一定値とするため,追記した。また,
ペースト及びモルタル成分の多い部分
を意図的に追加した場合,スランプフロ
ーの測定値に影響する可能性も否定で
きないため,追加する試料は,“同じコン
クリートの試料”であること,足した後
に上面をならすことを明示した。 
平板にこぼれた試料の有無によって測
定値が変わるため,湿布などで取り除く
具体的な内容を追記した。また,JIS A 
1101の箇条6 c)の記述と整合させ,スラ
ンプコーンを“静かに”引き上げるとし
た。 
さらに,試料がスランプコーンとともに
持ち上がって落下するおそれのある場
合の引き上げる時間を10秒に特定でき
ないため,表現を修正した。 

2

A

 1

1

5

0

2

0

2

0

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11 

A 1150:2020  

現行規格(JIS A 1150:2020) 

旧規格(JIS A 1150:2014) 

改正理由 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号
及び題名 

内容 

8 報告 
a) 必ず報
告する事
項 

1) 試験年月日 
2) バッチ番号又は運搬車番号 
3) 粗骨材の最大寸法(mm) 
4) スランプフロー(mm又はcm) 

7 報告 
a) 必ず報
告する事
項 

1) 試験年月日 
2) バッチ番号 
3) 粗骨材の最大寸法(mm) 
4) コンクリートの温度(℃) 
5) 試料の詰め方 
6) スランプフロー(mm又はcm) 

試料の詰め方の記載内容が不明確であ
ったため,報告事項を具体的な記載と
し,b)(必要に応じて報告する事項)に
移行した。 
JIS A 1156が制定されたことによって,
コンクリート温度の報告が両規格で重
複することを避け,この試験規格では,
スランプフローの試験方法に特化する
ため,コンクリートの温度を削除した。 

8 報告 
b) 必要に
応じて報
告する事
項 

1) 天候 
2) 気温又は試験室の温度(℃) 
3) 試料の詰め方(層数及び突き数) 
4) 500 mmフロー到達時間(秒) 
5) フローの流動停止時間(秒) 
6) スランプ(cm) 
7) 目視による材料分離の有無 

7 報告 
b) 必要に
応じて報
告する事
項 

1) 天候 
2) 気温(℃) 
3) フローの流動停止時間(秒) 
4) スランプ(cm) 
5) 目視による材料分離の有無 

附属書JAにおいて,必ず報告する事項
のため,500 mmフロー到達時間を追記
した。 

2

A

 1

1

5

0

2

0

2

0