A 1118:2017
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 試験用器具 ······················································································································ 1
3.1 空気量測定器 ················································································································ 1
3.2 突き棒 ························································································································· 2
3.3 振動機 ························································································································· 3
3.4 メスシリンダー ············································································································· 3
3.5 木づち(槌)その他 ······································································································· 3
4 試料······························································································································· 3
5 容器のキャリブレーション ································································································· 3
6 骨材修正係数の測定 ·········································································································· 3
7 コンクリートの空気量の測定 ······························································································ 4
8 計算······························································································································· 5
9 報告······························································································································· 6
附属書A(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表 ······························································ 7
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(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,公益社団法人日本
コンクリート工学会(JCI)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本
工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。これによって,JIS A 1118:
2011は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格 JIS
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フレッシュコンクリートの空気量の
容積による試験方法(容積方法)
Method of test for air content of fresh concrete by volumetric method
1
適用範囲
この規格は,フレッシュコンクリートの空気量を容積によって求める試験方法について規定する。
この規格は,粗骨材の最大寸法が40 mm以下の場合を対象とする。粗骨材の最大寸法が40 mmを超え
る場合には,ウェットスクリーニングした40 mm以下の試料を用いて測定し,計算によって求めるとよい。
この規格は,人工軽量骨材コンクリートのような多孔質の骨材を用いたコンクリートに対しても適用で
きる。
なお,技術上重要な改正に関する新旧対照表を附属書Aに示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 1115 フレッシュコンクリートの試料採取方法
JIS A 1116 フレッシュコンクリートの単位容積質量試験方法及び空気量の質量による試験方法(質量
方法)
JIS A 1138 試験室におけるコンクリートの作り方
JIS A 8610 建設用機械及び装置−コンクリート内部振動機
3
試験用器具
3.1
空気量測定器
空気量測定器は,次のとおりとする。
a) 空気量測定器の構成 空気量測定器の構成を図1に示す。また,容器,かきならし定規などの詳細を,
図2に示す。
2
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図1−空気量測定器及びその他の器具の例
図2−容器,かきならし定規などの例
b) 容器 フランジ付きの円筒状容器で,その材質は金属製とし,水密で十分強固なものとする1)。また,
容器の直径はその深さとほぼ等しくし,その最小容積は12 Lとする。さらに,容器は,内面及びフラ
ンジの上面を平滑に機械加工仕上げしたものとする。
注1) 容器は,8 mm以上の厚さとするのが望ましい。
c) 蓋 フランジ付きの円すい形で,その材質は容器と同様なものとする。蓋の内面は水平に対して30
度以上の傾きをもち,平滑に機械加工仕上げしたものとする。蓋のフランジの下面も同様に仕上げる。
蓋の頂部は,その内面の上縁に平行な標線を付け,かつ,キャップが水密に取り付けられるものとす
る。
d) かきならし定規 金属製とし,容器に詰めたコンクリートの容積が所定の量となるようにかきならす
ことができるものとする。かきならし定規は,これを容器にあてがった場合,容器のフランジの平面
と定規の下端面とが平行になるものでなければならない。
なお,かきならし定規でかきならした場合の,かきならし定規の下端面から下の容器の容積(V)
は,箇条5によって定める。
3.2
突き棒
突き棒は,その先端を半球状とした直径16 mm,長さ500〜600 mmの鋼又は金属製丸棒とする。
3
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3.3
振動機
振動機は,JIS A 8610に規定するものとする。
3.4
メスシリンダー
メスシリンダーは,最小目盛が1 mLのものとする。
3.5
木づち(槌)その他
木づち(槌)その他は,容器を軽くたたくための小さいもの及び激しくたたくための大きいものの2種
類とする。
4
試料
試料は,JIS A 1115の規定によって採取するか,又はJIS A 1138の規定によって作製する。
5
容器のキャリブレーション
容器のフランジを水平に据え付けてかきならし定規をあてがい,かきならし定規の下端に接するまで静
かに水を満たし,満たした水の質量を1 gの桁まで測定する。また,水温をはかる。
この水の質量を試験時の水の密度で除して,かきならし定規の下端面から下の容器の容積(V)を1 mL
の桁まで算出する。
なお,かきならし定規の下端面から下の容器の容積(V)は,容器の容積の約1/2とする。
6
骨材修正係数の測定
骨材修正係数の測定は,次のとおり行う。
a) 空気量を求めようとする容積(V)のコンクリートの試料中にある細骨材及び粗骨材の質量を,次の
式によって,それぞれ1 gの桁まで算出する。
f
f
M
B
V
m
×
=
c
c
M
B
V
m
×
=
ここに,
mf: 容積(V)のコンクリート試料中の細骨材の質量(kg)
V: コンクリート試料の容積(かきならし定規の下端面から下の
容器の容積)(L)
B: 1バッチのコンクリートの出来上がり容積(L)
Mf: 1バッチに用いる細骨材の質量(kg)
mc: 容積(V)のコンクリート試料中の粗骨材の質量(kg)
Mc: 1バッチに用いる粗骨材の質量(kg)
b) 細骨材及び粗骨材の代表的試料を,それぞれ質量でmf及びmcだけ採取する。試料骨材粒の含水状態
をコンクリート試料中の骨材粒の含水状態と同様にするため,細骨材及び粗骨材を別々に水に浸す2)。
約1/3まで水を満たした容器の中に骨材を入れる。骨材を入れるには,スコップ1杯の細骨材を入れ,
次にスコップ2杯の粗骨材を入れるようにして,全ての骨材が水に浸されるようにする。骨材を入れ
るときには,できるだけ空気が入らないようにし,出てきた泡は手早く取り去らなければならない。
空気を追い出すために,容器の側面を木づち(槌)などで軽くたたき,また細骨材を加えるごとに,
約25 mmの深さに達するまで突き棒で約10回突くものとする。
注2) 水に浸す時間は,5分間程度が望ましい。
4
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c) 全部の骨材を容器に入れた後,水面の泡を全て取り去り,容器のフランジと蓋のフランジとの間にゴ
ムパッキンを入れ,漏水しないように蓋と容器とを締め具を用いて締め付ける。
d) 箇条7のd)〜f)に規定する操作を行う。
e) 骨材修正係数(G)は,次の式によって算出する。結果は四捨五入によって小数点以下1桁に丸める。
10
1
02
.1
a×
×
=
V
V
G
ここに,
G: 骨材修正係数(コンクリートの容積に対する骨材の質量分率)
(%)
Va: 容器を転がした後,下がった水面を標線に一致させるために
用いた水の全量(mL)[図3のc)及びd) 参照]
V: かきならし定規の下端面から下の容器の容積(L)
注記 この骨材修正係数(G)は,コンクリートの空気量を測定している間における骨材粒の吸水
が試験結果に及ぼす影響を補正するためのものである。
7
コンクリートの空気量の測定
コンクリートの空気量の測定は,次のとおり行う。
a) 試料を箇条5によって求めた容積(V)の約1/3まで入れ,ならした後,容器の底を突かないように突
き棒で25回均等に突く。突き穴がなくなり,コンクリートの表面に大きな泡が見えなくなるようにす
るため,容器の側面を10〜15回木づち(槌)などでたたく。
次に,試料を容積(V)の約2/3まで入れ,前回と同様な操作を行う。最後に容器中のコンクリート
の全量が箇条5によって求めた容積(V)より少し多くなる程度に試料を入れ,同様の操作を行った
後,容器のフランジを水平に据え,金属製のかきならし定規でかきとって平たんにならす。突き棒で
締め固める場合は,突き棒の突き入れ深さは,ほぼ各層の厚さとする。振動機で締め固める場合は,
JIS A 1116の5.2(振動機で締め固める場合)によって行う。
なお,内部振動機の大きさは,容器の容積に比べて大きすぎるものであってはならない。
b) コンクリートの表面を乱さないようにしながら,漏斗及び散水管を用いて容器のフランジのやや下方
まで静かに水を入れる。
なお,試験に用いる水の温度は,コンクリートの温度に対して±3 ℃以内でなければならない。
c) 容器のフランジと蓋のフランジとの間にゴムパッキンを入れ,漏水しないように蓋と容器とを締め具
を用いて締め付ける。
d) 容器にb)で用いたものと同じ温度の水を満たして木づち(槌)で蓋を軽くたたき,蓋の内面に付着し
ている泡を追い出す。その後,蓋の上縁が水平となるように装置を据え付けて,図3 a) に示すように
水面を蓋の標線と一致させる。
e) キャップを締め付けた後,コンクリートと水とをかき混ぜてコンクリート中の空気を追い出すため,
図4に示すような方法によって容器を激しく転がす3)。約20回転がしてから,容器を立て,空気の泡
を消すために側面を木づち(槌)で激しくたたく。キャップを外して蓋の上縁を正しく水平に据え付
ける。次に,図3 d) に示すメスシリンダーなどの正しく計量できる容器に入れた水4)を加えて,水面
を標線に一致させる。
注3) この操作は,機械装置で行ってもよい。
4) 空気が消えにくく注水しにくい場合は,アルコール及び消泡剤を用いるとよい。
f)
水面に出てくる泡がなくなり,容器を転がしても水面の高さが変化しなくなるまでe)の操作を繰り返
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す。容器を転がした後水面を標線と一致させるために追加する水量が,容器の容積(V)の0.05 %以
内となれば,この操作をやめてよい。
g) f)の操作の完了までに要した注水量(Va)を,1 mLの桁まで求める。
図3−空気量測定方法
図4−空気の追い出し方法の例
8
計算
コンクリートの空気量(A)は,次の式によって算出する。結果は四捨五入によって小数点以下1桁に
丸める。
なお,普通の骨材を用いた場合は,骨材修正係数(G)の測定を省略してもよい。
G
V
V
A
−
×
×
=
10
1
02
.1
b
ここに,
A: コンクリートの空気量(%)
Vb: 容器を転がした後,下がった水面を標線に一致させるために
用いた水の全容量(mL)[図3のc)及びd) 参照]
V: かきならし定規の下端面から下の容器の容積(L)
G: 骨材修正係数(%)
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報告
報告は,次による。
a) 必ず報告する事項
1) 空気量(%)
2) コンクリートの配合
3) スランプ又はスランプフロー(cm)
4) 締固め方法
b) 必要に応じて報告する事項
1) 混和剤の種類
2) コンクリートの温度(℃)
3) 骨材修正係数
4) ウェットスクリーニングの有無
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附属書A
(参考)
技術上重要な改正に関する新旧対照表
現行規格(JIS A 1118:2017)
旧規格(JIS A 1118:2011)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
1 適用範囲
この規格は,フレッシュコンクリートの空気
量を容積によって求める試験方法について規
定する。
この規格は,粗骨材の最大寸法が40 mm以下
の場合を対象とする。粗骨材の最大寸法が40
mmを超える場合には,ウェットスクリーニ
ングした40 mm以下の試料を用いて測定し,
計算によって求めるとよい。
この規格は,人工軽量骨材コンクリートのよ
うな多孔質の骨材を用いたコンクリートに対
しても適用できる。
1 適用範囲 この規格は,フレッシュコンクリートの空気
量を容積によって求める試験方法について規
定する。
この規格は,粗骨材の最大寸法が50 mm以下
の場合を対象とする。粗骨材の最大寸法が50
mmを超える場合には,ウェットスクリーニ
ングした試料を用いて測定し,計算によって
求めるとよい。
この規格は,人工軽量骨材コンクリートのよ
うな多孔質の骨材を用いたコンクリートに対
しても適用できる。
粗骨材の最大寸法50 mmが,JIS A 5308
(レディーミクストコンクリート)の附
属書A(レディーミクストコンクリート
用骨材)及びJIS A 5005(コンクリート用
砕石及び砕砂)にないこと,並びに他の
空気量試験方法であるJIS A 1128(フレッ
シュコンクリートの空気量の圧力による
試験方法−空気室圧力方法)の適用範囲
に規定する最大寸法40 mm以下に合わせ
て改正した。
7 コンクリ
ートの空気
量の測定
図3−空気量測定方法
7 コンクリ
ートの空気
量の測定方
法
図3−空気量測定方法
d)“空気量 mL”を“注水量[(Va)又は
(Vb)]”に修正。
c) 及びd) の水(Va)の矢印を両側に付け
た。
9 報告
b) 必要に応じて報告する事項
1) 混和剤の種類
2) コンクリートの温度(℃)
3) 骨材修正係数
4) ウェットスクリーニングの有無
9 報告
b) 必要に応じて報告する事項
1) 混和剤の種類
2) コンクリートの温度(℃)
必要に応じて報告する事項に“骨材修正
係数”及び“ウェットスクリーニングの
有無”を追加した。
2
A
1
11
8
:
2
0
1
7