A 1114:2011
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 装置······························································································································· 1
3.1 圧縮試験機 ··················································································································· 1
3.2 圧縮板 ························································································································· 1
3.3 載荷装置を備えた試験機の加圧板······················································································ 1
3.4 ノギス ························································································································· 2
3.5 はかり ························································································································· 2
4 角柱供試体の採取時期及び方法 ··························································································· 2
5 供試体の寸法 ··················································································································· 2
6 試験の準備及び供試体の測定 ······························································································ 2
7 試験方法························································································································· 3
7.1 曲げ強度試験方法 ·········································································································· 3
7.2 折片による圧縮強度試験方法 ··························································································· 3
8 計算······························································································································· 4
9 報告······························································································································· 5
9.1 必ず報告する事項 ·········································································································· 5
9.2 必要に応じて報告する事項 ······························································································ 5
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本コン
クリート工学協会(JCI)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工
業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS A 1114:2002は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
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日本工業規格
JIS
A 1114:2011
コンクリートからの角柱供試体の
採取方法及び強度試験方法
Method of sampling and testing for strength of sawed prism of concrete
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適用範囲
この規格は,コンクリートからの角柱供試体の採取時期及び方法並びに採取した供試体の曲げ強度及び
その折片による圧縮強度の試験方法について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 1106 コンクリートの曲げ強度試験方法
JIS A 1132 コンクリート強度試験用供試体の作り方
JIS B 7507 ノギス
JIS B 7721 引張試験機・圧縮試験機−力計測系の校正方法及び検証方法
3
装置
3.1
圧縮試験機
圧縮試験機は,JIS B 7721の箇条7(試験機の等級)に規定する1等級以上のものとする。また,上部
耐圧盤は球座式のものとする。図1に示すように,球面座の直径は供試体の幅の2 倍より大きく,かつ,
3倍を超えないものを用いる。
3.2
圧縮板
圧縮板は,形状が長方形で,厚さが20 mm以上の鋼板1)とし,短辺の長さが供試体の幅2)と同一のもの
とする。
圧縮板の圧縮面は,磨き仕上げとする。その平面度3)は,試験時に0.05 mmを超えてはならない。
注記 圧縮板は,図2に示すように,加圧の軸線にずれが生じないようにできる側板をもつものが望
ましい。
注1) 鋼板の硬さは,HRC55以上が望ましい。
2) ここでいう供試体の幅は,公称寸法100 mm又は150 mmである。
3) ここでいう平面度は,平面部分の最も高いところと最も低いところを通る二つの平行な平面を
考え,この平面間の距離をもって表す。
3.3
載荷装置を備えた試験機の加圧板
載荷装置を備えた試験機の加圧板は,3.2に示される圧縮板の規定を満足するものとする。
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3.4
ノギス
ノギスは,JIS B 7507に規定するものとする。
3.5
はかり
はかりは,供試体質量の0.1 %以下の目量をもつものとする。
4
角柱供試体の採取時期及び方法
角柱供試体の採取時期及び方法は,次のとおりとする。
a) 角柱供試体の採取は,コンクリートが十分に硬化して,粗骨材とモルタルとの付着が切取り作業によ
って害を受けなくなった時期4)に行う。また,切り取る際,供試体が破損したり,粗骨材が緩んだり
しないようにする。
注4) 一般に材齢14日以降とするか,圧縮強度が15 N/mm2以上に達した後とするのがよい。
b) 角柱供試体を作るためにコンクリート片を切り取る場合は,切取り作業で害を受けない部分から,所
要の寸法の供試体を作ることができるように,十分に大きくこれを切り取る。切り取ったコンクリー
ト片から,角柱供試体を切り取る5)には,コンクリート用カッタを用いる。
注5) 供試体の側面が互いに平行で,断面は正方形になるように特に注意する。
c) 角柱供試体の採取は,打継ぎ面,型枠近傍を避け,鉄筋がないか最少となる位置から行う。やむを得
ず鉄筋を含む場合は,強度への影響が最も少ない位置とする。
5
供試体の寸法
採取した供試体の寸法は,次のとおりとする。
a) 供試体は,断面が正方形の角柱体とし,その一辺の長さは,粗骨材の最大寸法の4倍以上とし,かつ,
100 mm以上とする。
なお,粗骨材最大寸法が40 mmの場合は,一辺の長さを150 mmとしてもよい。
b) 曲げ試験に用いる供試体の長さは,断面の一辺の長さの3倍より80 mm以上長いものとする。ただ
し,1個の供試体で曲げ強度試験を2回行う場合には,1回目の供試体の破壊しない部分を使用してよ
い。曲げ試験に用いる供試体の標準断面寸法は,100 mm×100 mm又は150 mm×150 mmとする。
c) 角柱供試体の折片によって圧縮強度試験を行う場合,折片の長さは,角柱供試体の幅より100 mm以
上長いものとする。
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試験の準備及び供試体の測定
試験の準備及び供試体の測定は,次のとおり行う。
a) 角柱供試体に異常がないことを外観の目視観察によって確認する6)。
注6) 角柱供試体中に鉄筋が含まれる場合は,鉄筋の直径,位置を搬入時及び整形後にノギスを用
いて1 mmの単位で測定すればよい。
なお,鉄筋の直径,長さなどは,試験後に角柱供試体から取り出して測定すればよい。
b) 供試体の長さ,幅及び高さは,最大値及び最小値を±1 %以内の精度で測定し,それぞれの平均を供
試体の長さ,幅及び高さとする7)。
注7) 測定した供試体の長さ,幅及び高さは,供試体の見掛け密度の計算に用いる。
c) 供試体の質量は,供試体の表面の水を全て拭き取った後,質量の0.1 %以内の精度で測定する。
d) 曲げ試験後の折片を用いて圧縮強度試験を行う場合は,供試体の圧縮面となる面を磨くかJIS A 1132
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の附属書2(供試体のキャッピング方法)によって平面に仕上げる8)。仕上げた面の平面度は供試体
の幅の0.05 %以内でなければならない。さらに,曲げ強度試験が終わってから圧縮強度試験を行うま
での間は,供試体の乾湿の条件が変わらないようにしなければならない9)。
注記 角柱供試体は,試験のときまで20±2 ℃の水中に40時間以上漬けておくと,載荷時の供試
体の乾湿の条件をほぼ一定にすることができる。
注8) JIS A 1132の5.(曲げ強度試験用供試体)によって作った供試体の場合は,仕上げなくてもよ
い。
9) 例えば,湿潤状態で曲げ強度試験を行ったときは,圧縮強度試験を行うまでその状態を保た
なければならない。
7
試験方法
7.1
曲げ強度試験方法
供試体の曲げ強度試験方法は,JIS A 1106の5.(試験方法)による。
7.2
折片による圧縮強度試験方法
供試体の折片による圧縮強度試験方法は,次のとおりとする。
a) 供試体の上下圧縮面の両端付近で,それぞれ供試体の幅を0.1 mmまで測定し,その平均値を供試体
の幅とし,四捨五入によって小数点以下1桁に丸める。
b) 供試体の両端面において,それぞれ供試体の高さを0.1 mmまで測定し,その平均値を供試体の高さ
とし,四捨五入によって小数点以下1桁に丸める。
c) 供試体の圧縮面及び試験機の圧縮板をそれぞれ清掃する。
d) 供試体の中央部の上下面に図2のように圧縮板を当て,図1のように試験機の耐圧盤の中央に据え
る。上下の圧縮板は,一組の平行な辺が供試体の軸方向に直角になるように,かつ,上下の圧縮板が
同一の位置になるようにする。供試体としてJIS A 1132によって作った角柱供試体の折片を用いる場
合は,作ったときの側面を圧縮面とする。
載荷装置を備えた試験機を用いる場合は,供試体を圧縮試験機の加圧板の中心に置く。
e) 供試体に衝撃を与えないように一様な速度で荷重を加える。荷重を与える速度は,圧縮応力度の増加
が毎秒0.6±0.4 N/mm2となるようにする。
f)
供試体が急激な変形を始めた後は,荷重を加える速度の調整を中止して荷重を加え続ける。
g) 供試体が破壊するまでに試験機が示す最大荷重を有効数字3桁まで読む。
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図1−圧縮試験機への据え方の一例
図2−圧縮板の当て方の一例
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計算
強度及び見掛け密度の計算は,次のとおり行う。
a) 曲げ強度の計算は,JIS A 1106の6.(計算)による。
b) 圧縮強度は,次の式によって算出し,四捨五入によって有効数字3桁に丸める。
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A 1114:2011
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
bB
P
f=
c
ここに,
fc: 圧縮強度(N/mm2)
P: 7.2 g)で求めた最大荷重(N)
b: 箇条6 b)で求めた供試体の幅(mm)
:
B: 3.2で得られる圧縮板の幅(mm)
c) 曲げ試験用供試体の見掛け密度は,次の式によって算出し,四捨五入によって有効数字3桁に丸める。
bhl
m
ρ=
ここに,
ρ: 曲げ試験用供試体の見掛け密度(kg/m3)
m: 箇条6 c)で測定した供試体の質量(kg)
b: 箇条6 b)で測定した供試体の幅(m)10)
h: 箇条6 b)で測定した供試体の高さ(m)10)
l: 箇条6 b)で測定した供試体の長さ(m)10)
注10) メートル表示に変換
9
報告
報告は,次による。
9.1
必ず報告する事項
a) 強度試験年月日
b) 供試体の番号
c) 供試体の外観 ひび割れ,空隙,鉄筋の有無,鉄筋の位置,鉄筋径,鉄筋の長さなどを記載する。
d) 供試体の幅(mm),高さ(mm),スパン(mm)及び長さ(mm)
e) 最大荷重(N)
f)
曲げ強度(N/mm2)
g) 圧縮強度(N/mm2)
9.2
必要に応じて報告する事項
a) 供試体の切取り年月日
b) 供試体の切取り位置
c) 供試体の切取り方法
d) 材齢(切取り時の材齢及び試験時の材齢)
e) 養生方法及び養生温度
f)
コンクリートの打込み方向と載荷方向との関係 打込み方向に直角,平行などと記す。
g) 圧縮面の仕上げ方法,破壊状況
h) 曲げ試験用供試体の見掛け密度(kg/m3)
i)
供試体に含まれる粗骨材の最大寸法(mm)