A 1107:2012
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 引用規格 ························································································································· 1
3 装置······························································································································· 2
4 コアの採取時期及び方法 ···································································································· 2
5 供試体の寸法 ··················································································································· 2
6 試験の準備と供試体の測定 ································································································· 2
7 試験方法 ························································································································· 3
8 計算······························································································································· 3
9 報告······························································································································· 4
9.1 必ず報告する事項 ·········································································································· 4
9.2 必要に応じて報告する事項······························································································· 4
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 6
附属書JB(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表 ···························································· 17
A 1107:2012
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,公益社団法人日本
コンクリート工学会(JCI)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本
工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS A 1107:2002は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
A 1107:2012
コンクリートからのコアの採取方法
及び圧縮強度試験方法
Method of sampling and testing for compressive strength
of drilled cores of concrete
序文
この規格は,2004年に第1版として発行されたISO 1920-6を基とし,技術的内容を変更して作成した
日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一
覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。また,技術上重要な改正に関する旧規格との対照を附属書
JBに記載する。
1
適用範囲
この規格は,コンクリートからのコアの採取方法と,コア供試体の圧縮強度試験の方法について規定す
る。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 1920-6:2004,Testing of concrete−Part 6: Sampling, preparing and testing of concrete cores
(MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 1108 コンクリートの圧縮強度試験方法
JIS A 1132 コンクリート強度試験用供試体の作り方
JIS B 7503 ダイヤルゲージ
JIS B 7507 ノギス
JIS B 7513 精密定盤
JIS B 7524 すきまゲージ
JIS B 7526 直角定規
JIS B 7721 引張試験機・圧縮試験機−力計測系の校正方法及び検証方法
2
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3
装置
装置は,次のとおりとする。
a) 圧縮試験機は,JIS B 7721の箇条7(試験機の等級)に規定する1等級以上のものとする。
b) はかりは,供試体質量の0.1 %以下の目量をもつものとする。
c) ダイヤルゲージは,JIS B 7503に規定する0.001 mm以下の目量をもつものとする。
d) ノギスは,JIS B 7507に規定するものとする。
e) 精密定盤は,JIS B 7513に規定するものとする。
f)
すきまゲージは,JIS B 7524に規定するものとする。
g) 直角定規は,JIS B 7526に規定するものとする。
4
コアの採取時期及び方法
コアの採取時期及び方法は,次のとおりとする。
a) コアの採取は,コンクリートが十分に硬化して,粗骨材とモルタルとの付着が採取作業によって害を
受けなくなった時期1) に行う。また,採取の際,供試体が破損したり,粗骨材が緩んだりしないよう
にする。
注1)
一般に材齢14日以降とするか,圧縮強度が15 N/mm2以上に達した後とするのがよい。
b) コアの採取には,コンクリート用コアドリルを用いる。
c) コア供試体を作るためにコンクリート片を採取する場合は,コアドリルによって採取する作業でコン
クリートの品質が損なわれない部分から,所要の寸法及び精度の供試体を作ることができるように,
十分に大きくかつ正確にこれを採取する。
d) コアは,打継ぎ面,型枠際をさけ,鉄筋がない箇所から採取する。やむを得ず鉄筋を含む場合は,強
度への影響が最も少ない位置とする。
5
供試体の寸法
コア供試体の寸法は,次のとおりとする。
a) コア供試体の直径は,一般に粗骨材の最大寸法の3倍以上とする。
b) コア供試体の高さと直径との比は,1.90〜2.10を原則とし,どのような場合にも1.00を下回ってはな
らない。
6
試験の準備と供試体の測定
試験の準備と供試体の測定は,次のとおり行う。
a) コア供試体に異常がないことを外観の目視観察によって確認する2)。
注2)
コア供試体中に鉄筋が含まれる場合は,鉄筋の径,位置を搬入時又は整形後にノギスを用い
て1 mmの単位で測定すればよい。
なお,鉄筋の直径,長さなどは,試験後にコア供試体から取り出して測定すればよい。
b) コア供試体の母線の直線度3) はコア供試体の平均直径の3 %以内4) とする。
注3)
直線度は,母線の最も高い所と最も低い所を通る二つの平行な直線を考え,この直線間の距
離をもって表す。
4)
コア供試体の母線の直線度を測定する場合は,ノギスかこれと同等以上のものを用いて測定
すればよい。
3
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
c) コア供試体の端面とコアの軸とのなす角度が90±0.5°になるように5) 整形する。
注5) コア供試体の端面とコアの軸とのなす角度を測定する場合は,精密定盤,すきまゲージ,直
角定規,又はこれらと同等以上のものを用いて測定すればよい。
d) コア供試体の両端面は,JIS A 1132の4.4(供試体の上面仕上げ)によって仕上げ,その平面度6) は,
直径の0.05 %以内7) とする。
なお,アンボンドキャッピングが適用できる供試体は,公称直径が100 mm及び125 mmのうち,
JIS A 1108の附属書1(アンボンドキャッピング)に規定する鋼製キャップの内径と供試体の平均直径
との差が2 mm以内であることが確認されたものとする。
注6) 平面度は,平面部分の最も高い所と最も低い所を通る二つの平面を考え,この平面間の距離
をもって表す。
7)
コア供試体の両端面の平面度を測定する場合は,ダイヤルゲージ,すきまゲージ,又はこれ
らと同等以上の測定精度をもつものを用いて測定すればよい。
e) コア供試体の上下高さの1/4付近及び高さの中央付近で,互いに直交する2方向の直径を0.1 mmまで
測定し,その平均値を供試体の平均直径とする。
f)
コア供試体の高さは,4か所において0.1 mmまで測定し,最大値と最小値の平均値を供試体の平均高
さとする。供試体の平行度8) は平均高さの±1.0 mm以下とする。
注8) 平行度は,コア供試体の平均高さと最大値及び最小値との差をもって表す。
g) 供試体の質量を,質量の0.1 %以内の精度で測定する。
7
試験方法
コア供試体の圧縮強度試験方法は,JIS A 1108による9)。
注9) コア供試体の養生方法は記録しておくのがよい。
なお,コア供試体は,試験のときまで20±2 ℃の水中に40時間以上漬けておくと,試験
時に供試体の乾湿の条件をほぼ一定にすることができる。
8
計算
圧縮強度及び見掛けの密度の計算は,次のとおり行う。
a) 補正する前の圧縮強度は,JIS A 1108の6.(計算)による。
b) コア供試体の高さと直径との比は,箇条6 f) で求めた平均高さを箇条6 e) で求めた平均直径で除して
算出し,四捨五入を行って有効数字3桁に丸める。
c) b) で求めた供試体の高さと直径との比が1.00以上1.90未満の場合は,試験で得られた圧縮強度に補
正係数を乗じて直径の2倍の高さをもつ供試体の強度に換算する。補正係数は,供試体の高さと直径
との比を用いて,表1よって求める。
なお,圧縮強度の補正は,補正後のコンクリートの強度が100 N/mm2以下の場合に行う。
d) 圧縮強度は,次の式によって算出し,四捨五入を行って有効数字3桁に丸める。
k
f
f
×
=
C
CR
ここに,
fCR: 圧縮強度(N/mm2)
fC: 箇条8 a) で求めた補正前の圧縮強度(N/mm2)
k: 箇条8 c) で求めた補正係数
4
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表1−補正係数
高さと直径との比
h/d
補正係数k
2.00
1.00
1.75
0.98
1.50
0.96
1.25
0.93
1.00
0.87
h/dがこの表に示す値の中間にある場合は,補正係数kを
補間して求める。
e) コア供試体の見掛けの密度は,次の式によって算出し,四捨五入を行って有効数字3桁に丸める。
(
)
10
2
10
2
h
d
M
×
×
=
π
ρ
ここに,
ρ: 見掛けの密度(g/cm3)
M: 箇条6 g) で求めた質量(g)
d: 箇条6 e) で求めた平均直径(mm)
h: 箇条6 f) で求めた平均高さ(mm)
9
報告
9.1
必ず報告する事項
必ず報告する事項は,次による。
a) 強度試験年月日
b) 供試体番号
c) 供試体の外観10)
d) 平均直径(mm),平均高さ(mm)
e) 高さと直径との比及び補正係数
f)
最大荷重(N)
g) 補正する前の圧縮強度(N/mm2)
h) 補正した後の圧縮強度(N/mm2)
注10) 例えば,ひび割れ,空隙,鉄筋の有無,鉄筋の位置,径,長さなどを記載すればよい。
9.2
必要に応じて報告する事項
必要に応じて報告する事項は,次による。
a) 供試体の採取年月日
b) 供試体の採取位置
c) 供試体の採取方法
d) 材齢(採取時の材齢及び試験時の材齢)
e) 供試体の養生方法及び養生温度
f)
コンクリートの打込み方向と載荷方向との関係11)
g) 供試体の破壊状況
h) 供試体の見掛けの密度(g/cm3)
5
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i)
供試体に含まれる粗骨材の最大寸法(mm)
注11) 例えば,打込み方向に直角,平行などと記載すればよい。
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS A 1107:2012 コンクリートからのコアの採取方法及び圧縮強度試験方法
ISO 1920-6:2004 Testing of concrete−Part 6: Sampling, preparing and testing of
concrete cores
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範
囲
コンクリートからのコ
アの採取方法とコア供
試体の圧縮強度試験方
法について規定。
1
硬化したコンクリートか
らコアを採取する方法,試
験に供するコアの検査と
準備及び圧縮強度の測定
について規定。
一致
2 引用規
格
JIS A 1108
JIS A 1132
JIS B 7503
JIS B 7507
JIS B 7513
JIS B 7524
JIS B 7526
JIS B 7721
2
ISO 1920-4
ISO 1920-5
EN 12390-4
一致
一致
追加
追加
追加
追加
追加
一致
ISOにはダイヤルゲージの規
格がない。
ISOにはノギスの規格がない。
ISOには精密定盤の規格がな
い。
ISOにはすきまゲージの規格
がない。
ISOには直角定規の規格がな
い。
ISOには器具の規定がないが,JIS
では標準化されているため,追記
した。
6
A
1
1
0
7
:
2
0
1
2
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
3 装置
4.1
コアドリル
コアの直径が100,125,150
±10 mmに適合するもの。
また,採取したコアの精度
が,7に規定されている値
(直角度,直線性)を満足
するもの。
削除
JISではコアドリルは定義して
いない。
ISO規格ではコアドリルに関する
規定が定められているが,JISで
はこれらの器具は標準化されて
いないため削除した。
圧縮試験機
JIS B 7721の箇条7(試
験機の等級)に規定する
1等級以上のもの。
4.2
圧縮強度試験機
EN 12390-4に適合するも
の。
一致
はかり
供試体質量の0.1 %以下
の目量をもつもの。
4.3
はかり
コアの質量を,質量の
0.1 %の精度で測定できる
もの。
一致
ノギス
JIS B 7507に規定するも
のとする。
4.4
ノギス又は定規
コア又は鉄筋の寸法を±
1 %の差で測定できるも
の。
一致
ダイヤルゲージ
JIS B 7503に規定するも
のとする。
4.5
ゲージ
平面度の測定が,許容値
[±0.000 3 dm(dm:コア
の直径)]以下であるか測
定できる精度をもつもの。
一致
JIS B 7503(ダイヤルゲージ)
JIS B 7513(精密定盤)
JIS B 7524(すきまゲージ)
JIS B 7526(直角定規)
上記の4規格を追記し,ISO規格
同様,平面度,直角度及び平行度
の測定器具を規定した。
7
A
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2
0
1
2
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
3 装置
(続き)
精密定盤
JIS B 7513に規定するも
のとする。
直角定規
JIS B 7526に規定するも
のとする。
すきまゲージ
JIS B 7524に規定するも
のとする。
4.6
直角定規及びゲージ
直角度及び平行度の測定
が,許容値(直角度±0.5
mm,平行度±1.0 mm)以
下であるか測定できる精
度をもつもの。
一致
追加
4 コアの
採取時期
及び方法
コアの採取は,コンクリ
ートが十分に硬化して,
粗骨材とモルタルとの
付着が採取作業によっ
て害を受けなくなった
時期に行う。
一般には,材齢14日以
降とするか圧縮強度が
15 N/mm2以上に達した
後。
追加
ISO規格ではコアの採取時期
についての規定はないが,JIS
では,一定以上の強度が出た後
に採取することとしている。
JISの規定は,若材齢における採
取作業時の注意を喚起するもの
である。
コアの採取には,コンク
リート用コアドリルを
用いる。
5.2
コアの採取
コアはコンクリート面に
対して垂直に抜く。
コアをきずつけないよう
に注意する。
コアドリルを適切な位置
にセットし,抜き取りの際
には冷却用の水を使用す
る。
削除
ISO規格では,コアをコンクリ
ート面に対して垂直に抜くこ
と,コアをきずつけないこと,
コアドリルを適切な位置にセ
ットし,抜き取りの際には冷却
用の水を使用することが規定
されているが,JISではこのよ
うな記述がない。
JISでは,コンクリート用コアド
リルという表現だけであり,ISO
規格に記述されているような具
体的な表現は盛り込まれていな
い。
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2
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
4 コアの
採取時期
及び方法
(続き)
コア供試体を作るため
のコンクリート片を採
取する場合,所要の寸法
の供試体を作ることが
できるように採取する。
5.4
5.5
コアの長さ
コアの長さは,供試体が採
取できるよう十分とる。
採取後のコアのマーキン
グ
採取したコアのIDが分か
るようにマーキングし,記
録する。
一致
削除
ISO規格では,採取したコアの
IDが分かるようにマーキング
し,記録するが,JISでは,具
体的に供試体番号などを記す
旨の記述はない。
報告事項には,供試体番号が必ず
報告する事項として記載されて
いる。
コアは,打継ぎ面,型枠
際をさけ,鉄筋がない箇
所から採取する。やむを
得ず鉄筋を含む場合は,
強度への影響が最も少
ない位置とする。
5.1
5.6
採取位置
コアは,打継ぎ面,型枠際
をさけ,鉄筋がない箇所か
ら採取する。
コア内に鉄筋を含む場合
鉄筋を含んだコアは強度
試験に適用しない。
一致
選択
ISO規格では,鉄筋を含んだコ
アは強度試験に適用しないと
なっているが,JISでは,やむ
を得ず鉄筋を含む場合につい
て記している。
既存の建築構造物からコアを採
取する場合に,鉄筋を避けて供試
体を切り取ることは困難な場合
が多いことから,やむを得ず鉄筋
を含む場合の措置を記述してい
る。
5 供試体
の寸法
コア供試体の直径は,粗
骨材の最大寸法の3倍以
上とする。
5.3
コアの直径
コア供試体の直径は,粗骨
材の最大寸法の3倍以上。
コアの直径は,100 mm±10
mm,125 mm±10 mm,又
は150 mm±10 mmとして
おり,100 mmが推奨され
ている。
一致
削除
ISO規格ではコアの直径及び
許容差が具体的数値で規定さ
れているが,JISでは規定がな
い。
JISではコアドリルに関する規定
がないため,コア直径については
寸法及び許容値の規定を削除し
た。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5 供試体
の寸法
(続き)
コア供試体の高さと直
径との比は,1.90〜2.10
とし,どのような場合に
も1.00以下としてはな
らない。
5.4
コアの長さ
コアの長さは,供試体が採
取できるよう十分とる。
コアの長さは,以下の点を
考慮して決定する。
a) コアの直径
b) 成型が可能な方法
c) 角柱又は円柱供試体の
強度との比較(直径/長さ
の比)
一致
6 試験の
準備と供
試体の測
定
コア供試体に異常がな
いことを外観の目視に
よって確認する。
注2) コア供試体中に鉄
筋が含まれる場合は,鉄
筋の径,位置を搬入時及
び整形後にノギスを用
いて1 mm単位で測定す
ればよい。
6.1
6.2 e)
外観検査
コア供試体に異常がない
ことを外観検査で確認す
る。
鉄筋
コアに含まれる鉄筋の径
(呼び寸法),位置を搬入
時及び整形後に1 mm単位
で測定する。
一致
一致
ISO規格に整合させ,コアの外観
検査を規定した。
ISO規格に整合させ,鉄筋の径,
寸法などを測定する記述を注2)と
して加えた。
コア供試体の母線の直
線度はコア供試体の平
均直径の3 %以内とす
る。
7.3 d)
直線度
直線度は,コア表面の凹凸
の中心線に対して,コア直
径の±3 %の精度とする。
変更
JISでは,“直線度はコア供試
体の平均直径の3 %以内とす
る”となっているが,ISO規格
では,高低差のセンターライン
からの許容差が直径の±3 %
以内となっており,JISの方が
厳しい規定となっている。
現行のJISの値を踏襲した。
1
0
A
1
1
0
7
:
2
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2
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
6 試験の
準備と供
試体の測
定(続き)
コア供試体の端面とコ
アの軸とのなす角度が
90±0.5°になるように
整形する。
7.3 b)
直角度
整形したコア供試体の端
面とコアの軸との許容差
は,±0.5 mmとする。
変更
JISでは,直角度が90±0.5°
としているが,ISO規格では±
0.5 mmとしており,JISよりも
1/3以下の厳しい許容値となっ
ている。
JISでは,型枠成型による供試体
の精度と同様に規定している。
コア供試体の両端面は,
JIS A 1132の4.4(供試体
の上面仕上げ)によって
仕上げ,その平面度は,
直径の0.05 %以内とす
る。
7.3 a)
平面度
整形したコアの平面度は,
コアの平均直径(dm)の±
0.000 3 dmとする。
変更
JISでは直径の0.05 %以内とな
っており,ISO規格よりも若干
厳しい値となっている。
JISでは,型枠成型による供試体
の精度と同様に規定している。
コア供試体の高さの中
央部及び1/4部分で,互
いに直交する2方向の直
径を0.1 mm以内の精度
で測定し,その平均値を
供試体の平均直径とす
る。
コア供試体の高さの最
大値と最小値とを0.1
mm以内の精度で測定
し,その平均値を供試体
の平均高さとする。直線
度はコア供試体の平均
直径の3 %以内とする。
平行度は平均高さの±
1.0 mm以下とする。
6.2 a)
6.2 b)
7.3 c)
コアの直径
コア供試体の中央部,及び
長さの1/4部分において直
交する2方向の直径を±
1 %以内の精度で測定し,
その平均値を供試体の平
均直径とする。
コアの長さは,供試体端面
の処理(平行度,平面度)
を行い,最大値と最小値と
を±1 %以内の精度で測定
し,その平均値を供試体の
平均高さとする(キャッピ
ング材料は含まない)。
平行度
供試体の上下面の平行度
は,±1.0 mmとする。
変更
変更
一致
JISでは0.1 mmまで測定する
こととし,ISO規格よりも厳し
い精度としている。
ISO規格では測定精度が±1 %
以内となっているが,JISでは
平行度の精度を判定するため
に0.1 mm以内の精度とした。
ISO規格と整合させ,測定位置を
変更した。測定精度については,
JIS A 1108に規定している水準と
合わせ0.1 mmまで測定すること
とした。
ISO規格と整合させ,平行度を規
定した。そのため,コア供試体の
高さを0.1 mmまで測定しないと
平行度の許容値を判定できない
ため,高さの測定精度を0.1 mm
までとした。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
6 試験の
準備と供
試体の測
定(続き)
供試体の質量を,質量の
0.1 %以内の精度で測定
する。
6.2 c)
6.2 d)
質量
試験に供すことができる
供試体の質量は,その搬入
時及び/又は湿潤養生後
に質量の0.1 %以内の精度
で測定する。
密度
試験に供すことができる
供試体の密度は,その搬入
時及び/又は湿潤養生後
にISO 1920-5に従って測
定し,10 kg/m3単位で表示
する。
一致
削除
JISでは,供試体の水中質量を
測定し,密度を求める規定はな
い。
計算によって見掛けの密度を求
める記述を追記した。
7 試験方
法
コア供試体の圧縮強度
は,JIS A 1108による。
注9) コア供試体は,試
験のときまで20±2 ℃
の水中に40時間以上漬
けておくと,試験時に供
試体の乾湿の条件をほ
ぼ一定にすることがで
きる。
8.1
保管
供試体の保管状態を記録
する。
湿潤養生状態にした供試
体を試験する場合は,試験
まで20±2 ℃の水中に最
低40時間以上漬ける。
気中養生状態にした供試
体を試験する場合は,試験
まで最低40時間以上気中
環境条件に保管し,保管時
間,温度,相対湿度及び保
管状態を記録する。
削除
JISでは,気中養生の場合の保
管条件の記載は特にされてい
ない。
必要に応じて報告する事項に,養
生方法及び養生温度を記載する
欄を設けている。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
7 試験方
法(続き)
8.2
強度試験は,校正された試
験機によってISO 1920-4
に従って行う。
ひび割れ又はくぼみ,キャ
ッピングがはく離してい
るコア供試体は試験しな
い。全ての測定器具は,校
正がされているものを使
用する。
供試体表面の砂粒,水分な
どは除去する。
試験時の供試体の状況(湿
潤状態/乾燥状態)を記録
する。
一致
8 計算
圧縮強度の計算は,JIS A
1108による。
9
試験結果
コア供試体の圧縮強度は,
最大荷重を断面積(平均直
径から求めた)で除して,
0.5 MPa単位で表す。
変更
JISでは圧縮強度の表示単位
は,有効数字3桁となっている
が,ISO規格では0.5 MPa単位
である。
我が国では,圧縮強度を有効数字
3桁まで保証している。0.5 MPa
で丸めた場合には各方面で混乱
が生じるおそれがあるのでISO
規格とは整合化しないこととし
た。
供試体の高さと直径の
比が1.90よりも小さい
場合は,試験で得られた
圧縮強度に補正係数を
乗じて直径の2倍の高さ
をもつ供試体の強度に
換算する。圧縮強度の補
正は,補正後のコンクリ
ートの強度が100 N/mm2
以下の場合に行う。
7.2
(長さ/直径)比
長さ/直径比の推奨値は
次のとおり。
円柱供試体の強度と比較
する場合2.0±5 %
角柱供試体の強度と比較
する場合1.0±5 %
追加
ISO規格では補正係数は規定
されていない。
コア供試体の強度を円柱又は
角柱供試体の強度と比較する
場合のh/dの推奨値が規定され
ている。
補正係数については,これまでの
国内実績があるため,運用上の観
点と実績データの信頼性から追
加した。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
8 計算
(続き)
fCR=fC×k
高さと直径との比(h/d)
と補正係数との関係
2.00 − 1.00
1.75 − 0.98
1.50 − 0.96
1.25 − 0.93
1.00 − 0.87
コアの見掛けの密度は,
供試体の質量を供試体
の体積で除して求める。
変更
ISO規格では水中質量を測定
し,密度を求めているが,JIS
では空中質量を測定している
ため,見掛けの密度を求めてい
る。
JISでは,養生方法が定められて
いないため,密度ではなく見掛け
の密度とした。
9 報告
必ず報告する事項
a) 強度試験年月日
b) 供試体番号
c) 供試体の外観
d) 平均直径(mm),平均
高さ(mm)
e) 高さと直径との比及
び補正係数
f) 最大荷重(N)
g) 補正する前の圧縮強
度(N/mm2)
h) 補正した後の圧縮強
度(N/mm2)
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以下の事項を報告する。
a) 供試体の種類,番号
b) 試験の日時
c) 供試体の特性(単位セメ
ント量,水セメント比,
粗骨材の最大寸法,混和
剤の種類,施工日,コア
採取日など)
d) 受取り時の供試体の状
態,平均直径(mm),コ
アの最大長さ,最小長さ
(mm),空中質量(g),
水中質量(g),密度
(kg/m3)
変更
JISで規定されていない報告事
項で,ISO規格に規定されてい
るものは,供試体の特性,供試
体の整形方法,供試体の保管状
況,試験時の供試体表面の状態
(乾湿),規格から逸脱した内
容の報告などである。
JISでは,試験実施に直接的に関
連する事項とした。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(I)JISの規定
(II)
国際
規格
番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
9 報告
(続き)
必要に応じて報告する
事項
a) 供試体の採取年月日
b) 供試体の採取位置
c) 供試体の採取方法
d) 材齢(採取時の材齢及
び試験時の材齢)
e) 養生方法及び養生温
度
f) コンクリートの打込
み方向と載荷方向と
の関係
g) 供試体の破壊状況
h) 供試体の見掛けの密
度(g/cm3)
i) 供試体に含まれる粗
骨材の最大寸法(mm)
e) 外観観察による検査
f) 鉄筋:径(mm),位置
(mm)
g) 供試体の整形方法:カッ
ト,研磨,キャッピング
h) 整形した供試体の寸
法:平均長さ(mm),平
均直径(mm),長さ/直
径比
i) 供試体の保管:搬入時,
整形前及び整形後
j) 試験時の供試体表面の
状態(乾湿状況)
k) 試験結果:最大荷重(N
又はkN),平均断面積
(mm3),コアの圧縮強
度(MPa)
l) 試験方法又は強度試験
において規格から逸脱
した事項
m) 試験責任者の承認
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 1920-6:2004,MOD
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 一致……………… 技術的差異がない。
− 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。
− 選択……………… 国際規格の規定内容とは異なる規定内容を追加し,それらのいずれかを選択するとしている。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD…………… 国際規格を修正している。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JB
(参考)
技術上重要な改正に関する新旧対照表
現行規格(JIS A 1107:2012)
旧規格(JIS A 1107:2002)
改正理由
箇条番号
及び題名
内容
箇条番号
及び題名
内容
5 供試体の
寸法
コア供試体の直径は,一般に粗骨材の最
大寸法の3倍以上とする。
5. 供試体
の寸法
コア供試体の直径は,一般に粗骨材の最
大寸法の3倍以下としてはならない。
粗骨材最大寸法の3倍の直径の供試体
は採用できるようにするため。
6 試験の準
備と供試体
の測定
試験の準備及び供試体の測定について規
定。また,コア供試体に鉄筋が含まれる
場合について追記。
6. 試験の
準備
試験の準備について記載。
ISO規格の表記に適合させるため。
8 計算
①圧縮強度及び見掛け密度の計算につい
て記載。②供試体の圧縮強度に乗じる補
正係数の適用範囲として,補正後の圧縮
強度が100 N/mm2以下とする。
8. 計算
①圧縮強度及び密度の計算について規
定。②供試体の圧縮強度に乗じる補正係
数の適用範囲として,補正後の圧縮強度
が40 N/mm2以下とする。
①見掛け密度の計算がJIS A 1108から
削除されたため。②高強度コンクリー
トを用いた構造物では,高さと直径の
比が1.90を下回るコア供試体では圧縮
強度を正確に評価できないため。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。