A 0207:2018
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 分類······························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
A 0207:2018
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,公益社団法人地盤工学会(JGS)及び一般財
団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日
本工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
A 0207:2018
地盤工学用語
Technical terms for geotechnical engineering
1
適用範囲
この規格は,地盤工学に関する主な用語(以下,用語という。)及び定義について規定する。
2
分類
用語は,次によって分類する。
a) 土の分類
b) 地盤材料の物理的性質・化学的性質
c) 浸透及び地下水
d) 地盤の圧縮及び圧密
e) 地盤材料のせん断
f)
斜面安定
g) 土圧及び支持力
h) 地震及び地盤の動的性質
i)
岩の性質
j)
地盤調査及び計測
k) 土留め及び掘削
l)
土工
m) 路床及び路盤
n) 地盤改良
3
用語及び定義
用語及び定義は,次による。
a) 土の分類
番号
用語
定義
対応英語(参考)
0101
地盤
構造物の設置又は掘削の対象となる地球表層部分。固体,水
及び空気で構成され,それぞれ固相,液相及び気相という。
固相は,土粒子,石分及び岩石だけでなく,改良土,廃棄物
なども含まれる。液相は,固相の間隙に入り込んだ水であり,
氷も含める。気相は,固相の間隙で水が満たされていない部
分をいう。
ground
0102
地盤材料
地盤を構成する材料。
geomaterial
0103
土
地盤材料のうち粒状のものの集合体。
soil
0104
岩石質材料
石分の質量分率が50 %以上の地盤材料。
boulder and/or cobble
2
A 0207:2018
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
0105
石分まじり土質材
料
石分の質量分率が0 %より大きく50 %未満の地盤材料。
soil material with rock
0106
土質材料
石分を含まず粒径75 mm未満の土粒子で構成される地盤材
料。
soil material,
earth material
0107
粗粒土
粗粒分の質量分率が50 %以上の土質材料。
coarse-grained soil
0108
細粒土
細粒分の質量分率が50 %以上の土質材料。
fine-grained soil
0109
高有機質土
有機物を多く含む土質材料。
highly organic soil
0110
人工材料
人工的に加工又は生成された土質材料。
artificial material
0111
れき(礫)質土
砂分の質量分率よりもれき(礫)分の質量分率が多い粗粒土。 gravelly soil
0112
砂質土
砂分がれき(礫)分の質量分率より多い粗粒土。
sandy soil
0113
粘性土
有機質土又は火山灰質粘性土に分類されない細粒土。
cohesive soil
0114
有機質土
観察及び/又は地盤材料試験によって有機質として分類する
細粒土。
organic soil
0115
火山灰質粘性土
観察又は地質学背景によって火山灰質として分類する細粒
土。
volcanic cohesive soil
0116
粒度
土を構成する土粒子の粒径の分布状態(JIS A 1204 [4]参照)。 grading of soil particles
0117
粒径加積曲線
粒度試験の結果を,粒径と通過質量分率との関係で表す曲線
(JIS A 1204 [4]参照)。
注記 横軸に粒径を対数目盛で,縦軸に通過質量分率をとっ
て表す。
grain size distribution
curve,
particle size distribution
curve,
grading curve
0118
均等係数
土の粒径加積曲線の傾度及び粒径幅の広さを表す指標。次の
式で定義する。
10
60
c
D
D
U=
ここに, Uc :均等係数
Dn :通過質量分率n %に相当する粒径
coefficient of uniformity
0119
曲率係数
土の粒径加積曲線のなだらかさを表す指標。次の式で定義す
る。
60
10
2
30
c
D
D
D
'
U=
ここに,Uc' :曲率係数
Dn :通過質量分率n %に相当する粒径
coefficient of curvature
0120
細粒分含有率
土全体の炉乾燥質量に対する,細粒分の炉乾燥質量の比率
(JIS A 1223 [18]参照)。
fine fraction content
0121
最大粒径
粒度試験において,試料が全て通過する試験用網ふるいの最
小の目開きで表した粒径(JIS A 1210 [7],JIS A 1204 [4]及び
JIS A 1223 [18]参照)。
maximum grain size
0122
石分
地盤材料中に含まれる粒径75 mm以上の土粒子。
rock
0123
粗粒分
地盤材料中に含まれる粒径が0.075 mm以上,75 mm未満の土
粒子。
coarse fraction
0124
細粒分
地盤材料中に含まれる粒径が0.075 mm未満の土粒子。
fine fraction,
fines
0125
れき(礫)分
地盤材料中に含まれる粒径が2 mm以上,75 mm未満の土粒
子。
gravel fraction
0126
砂分
地盤材料中に含まれる粒径が0.075 mm以上,2 mm未満の土
粒子。
sand fraction
0127
シルト分
地盤材料中に含まれる粒径が0.005 mm以上,0.075 mm未満
の土粒子。
silt fraction
3
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
0128
粘土分
地盤材料中に含まれる粒径が0.005 mm未満の土粒子。
clay fraction
0129
石
風化作用などによって砕かれた岩石のかけらのうち,石分の
総称。
stone
0130
れき(礫)
れき(礫)分を主体とする土の総称(JGS 0051 [26]参照)。
gravel
0131
砂
砂分を主体とする土の総称(JGS 0051 [26]参照)。
sand
0132
シルト
シルト分を主体とする土の総称(JGS 0051 [26]参照)。
silt
0133
粘土
粘土分を主体とする土の総称(JGS 0051 [26]参照)。
clay
0134
コンシステンシー
含水比によって変化する土の硬さ又は軟らかさの程度。
consistency
0135
コンシステンシー
限界
コンシステンシーを表す液性限界,塑性限界及び収縮限界の
総称。
consistency limit
0136
液性限界
土が塑性状態から液体状に移るときの含水比(JIS A 1205 [5]
参照)。
liquid limit
0137
塑性限界
土が塑性状態から半固体状に移るときの含水比(JIS A 1205
[5]参照)。
plastic limit
0138
収縮限界
土の含水比をある量以下に減じてもその体積が減少しない状
態に移るときの含水比(JIS A 1209 [6]参照)。
shrinkage limit
0139
(土の)収縮定数
収縮限界及び収縮比の総称(JIS A 1209 [6]参照)。
shrinkage parameter
0140
収縮比
収縮限界以上の含水比における,土の含水比の変化量に対す
る,体積変化量の比(JIS A 1209 [6]参照)。
shrinkage ratio
0141
塑性指数
土が塑性を示す含水比の範囲を表す指数。次の式で定義する
(JIS A 1205 [5]参照)。
Ip=wL−wp
ここに, Ip :塑性指数
wL :液性限界
wp :塑性限界
plasticity index
0142
液性指数
自然含水比における相対的な硬さ又は軟らかさを示す指数。
次の式で定義する。
p
p
n
L
I
w
w
I
−
=
ここに, IL :液性指数
wn :自然含水比
wp :塑性限界
Ip :塑性指数
liquidity index
b) 地盤材料の物理的性質・化学的性質
番号
用語
定義
対応英語(参考)
0201
土粒子の密度
土粒子の単位体積当たりの質量(JIS A 1202 [2]参照)。
soil particle density,
density of soil particle
0202
含水比
地盤材料の炉乾燥質量に対する,炉乾燥によって失われる水
質量の比率(JIS A 1203 [3]及びJIS A 1222 [17]参照)。
water content,
moisture content
0203
自然含水比
地盤材料が自然状態で保持している含水比。
natural water content,
natural moisture content
0204
湿潤密度
地盤材料の単位体積当たりの固相及び液相の質量(JIS A 1214
[9]及びJIS A 1225 [20]参照)。
wet density,
bulk density
0205
飽和密度
飽和した地盤材料の単位体積当たりの質量。
saturated density
0206
乾燥密度
地盤材料の単位体積当たりの固相の質量(JIS A 1214 [9]参
照)。
dry density,
dry bulk density
0207
水中単位体積重量
浮力を差し引いた地盤材料の単位体積当たりの重量。
submerged unit weight
0208
湿潤単位体積重量
地盤材料の単位体積当たりの固相及び液相の重量。
wet unit weight
0209
間隙比
地盤材料の固相の体積に対する,液相及び気相の体積の比。
void ratio
4
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
0210
(土の)体積比
地盤材料の固相の体積に対する,全体積の比。
volume ratio,
specific volume
0211
空気間隙率
地盤材料の全体積に対する,気相体積の比率。
air-filled porosity
0212
体積含水率
地盤材料の全体積に対する,液相体積の比率。
volumetric water content
0213
飽和度
地盤材料の液相及び気相の体積に対する,液相体積の比率。
degree of saturation
0214
最小密度
粗粒土の最も緩い状態における乾燥密度(JIS A 1224 [19]及び
JGS 0162 [28]参照)。
注記 砂のような粘着性のない粒状体では,単位体積当たり
に粒子が最も少なくなる配列(最も緩い状態)が存在
する。
minimum density
0215
最大密度
粗粒土の最も密な状態における乾燥密度(JIS A 1224 [19]及び
JGS 0162 [28]参照)。
注記 砂のような粘着性のない粒状体では,単位体積当たり
に粒子が最も多くなる配列(最も密な状態)が存在す
る。
maximum density
0216
最小間隙比
最大密度における間隙比。
minimum void ratio
0217
最大間隙比
最小密度における間隙比。
maximum void ratio
0218
相対密度
粗粒土の締まり具合を表す指標。次の式で定義する。
min
max
max
r
e
e
e
e
D
−
−
=
ここに, Dr :相対密度
e :間隙比
emax :最大間隙比
emin :最小間隙比
relative density
0219
最大乾燥密度
含水比を変えて土を締め固めたときに得られる最大の乾燥密
度(JIS A 1210 [7]参照)。
maximum dry density
0220
最適含水比
最大乾燥密度における含水比(JIS A 1210 [7]参照)。
optimum water content,
optimum moisture
content
0221
(土懸濁液の)電
気伝導率
土粒子又は岩石粉砕物を機械的に懸濁させた水の電気比抵抗
の逆数。
electric conductivity
0222
(土懸濁液の)pH 土粒子又は岩石粉砕物を機械的に懸濁させた水の中に存在す
る水素イオン濃度の逆数を常用対数で表したもの。
pH
0223
(土の)懸濁液
細かい粒子が沈殿の過程で浮遊している状態の水。
suspension
0224
(土の)陽イオン
交換容量
土粒子が吸着できる交換性陽イオンの最大量。
cation exchange
capacity
0225
(土の)水溶性成
分含有量
土の乾燥質量に対する,土から水に溶出する各成分質量の比
率(JGS 0241 [30]参照)。
water-soluble material
content
0226
(土の)有機炭素
含有量
土の炉乾燥質量に対する,有機物に由来する炭素質量の比率
(JGS 0231 [29]参照)。
organic carbon content
0227
(土の)強熱減量
土の炉乾燥質量に対する,750 ℃±50 ℃で強熱したときの減
少質量の比率(JIS A 1226 [21]参照)。
ignition loss
0228
シキソトロピー
土の可逆的な軟化現象又は硬化現象。
thixotropy
0229
スレーキング
地盤材料が乾燥及び水浸によって細片化(泥状化)する現象。 slaking
0230
膨潤
地盤材料を構成する鉱物が水を吸収して体積が増加する現
象。
swelling
0231
吸水膨張
地盤材料の湿潤過程における体積膨張。
expansion on water
absorption,
wetting induced swell
0232
飽和
地盤又は地盤材料の間隙が水で完全に満たされた状態。
saturation
5
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
0233
不飽和
地盤又は地盤材料の間隙に水及び空気が存在する状態。
partial saturation,
unsaturation
0234
間隙水
地盤又は地盤材料の間隙に液相として存在している水。一般
には,重力水,毛管水,吸着水に分けられる。狭義には,吸
着水を除いて毛管水及び重力水を間隙水という場合もある。
pore water
0235
土中水
土の間隙に液相として存在している水。広義の間隙水と同義
に使われる。
soil moisture,
soil water
0236
重力水
重力によって間隙中を自由に移動できる間隙水。
gravitational water,
free water
0237
毛管水
毛管力によって間隙内に保持されている間隙水。
capillary water
0238
吸着水
粘土粒子の表面に物理化学的作用によって吸着されている間
隙水。
adsorbed water
0239
土中水のポテンシ
ャル
土中の水がもつ化学エネルギー。土中水がどのくらい強く土
に保持されているかを示す値で,単位体積又は単位質量当た
りのエネルギーで表す。マトリックポテンシャル及び浸透ポ
テンシャルからなる。
注記 単位体積当たりのエネルギーでは,圧力と同じ単位と
なる。大気圧を基準とした場合は,常に負の値となる。
potential of soil water
0240
マトリックポテン
シャル
土粒子表面の吸着力及び土粒子間隙に発生する表面張力によ
るエネルギー。
matric potential
0241
浸透ポテンシャル
土中水のイオン濃度で定まるエネルギー。
osmotic potential
0242
サクション
毛管水及び浸透圧によって保持されている土中水を大気中に
引き出すのに必要な圧力。間隙空気圧と間隙水圧との差で,
単位体積当たりの土中水のポテンシャルの絶対値に一致す
る。
注記 トータルサクションとも呼ぶ。マトリックサクション
及び浸透サクションからなる。
suction
0243
水分特性曲線
土の含水比と土中水のポテンシャルとの関係を表す曲線。土
の保水性を表す(JGS 0151 [27]参照)。
注記 通常,横軸に含水比を,縦軸にマトリックポテンシャ
ルを対数目盛でとって表す。横軸に体積含水率,縦軸
にサクションを用いることもある。
water retention curve,
soil water characteristic
curve
0244
凍結
間隙水又は土中水が凝固すること。
frost,
freezing
0245
アイスレンズ
間隙水又は土中水が凍結して形成される氷の層。
ice lens
0246
凍上
間隙水又は土中水が凍結することによって,地盤の体積が増
加する現象。地盤材料試験において,間隙水が凍結すること
によって供試体の体積が増加する現象を含む。
frost heave
c) 浸透及び地下水
番号
用語
定義
対応英語(参考)
0301
浸透
間隙水の流動の総称。
注記 重力を主要な駆動力として,給水源から末端まで連続
して流れる間隙水の運動形態を意味する場合がある。
seepage,
percolation,
infiltration
0302
流量速度
単位時間当たりに地盤を浸透する流量を,地盤の全断面で除
した値。
注記 見掛けの流速又はダルシー流速とも呼ぶ。
discharge velocity
0303
浸透速度
地盤の間隙を浸透する地下水の実際の速度。
注記 真の流速又は平均間隙流速とも呼ぶ。
seepage velocity
0304
透水性
地盤がもつ間隙水の通しやすさ。
permeability
6
A 0207:2018
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
0305
透水係数
流量速度を動水勾配で除した値。地盤の透水性の指標となる。 coefficient of
permeability,
hydraulic conductivity
0306
動水勾配
地下水の流れに沿った単位距離当たりの全水頭変化。
hydraulic gradient
0307
(地下水の)粘性
係数
流体の速度変化(速度勾配)に対する,粘性応力(粘性によ
る摩擦応力)の比。流体の粘性の大小の指標となる。
注記 流体の粘性応力は速度変化に比例し,その比例定数を
いう。
coefficient of viscosity
0308
流線網
地盤中の二次元浸透流の状態を流線と等ポテンシャル線との
二組の曲線群によって網目状に表したもの。
注記 透水性が等方の場合には,等ポテンシャル線と流線と
は直交する。
flow net
0309
流線
地盤中の水の流れの方向を連続的に結んだ線。
streamline
0310
等ポテンシャル線
地盤中の全水頭が等しい点を結んだ線。
注記 等水頭線とも呼ぶ。
equipotential line
0311
全水頭
地下水がもつエネルギーの大きさを水柱の高さで表したも
の。全水頭は,圧力水頭及び位置水頭の和で表す。
total head
0312
圧力水頭
地下水がもつ圧力の大きさを水柱の高さで表したもの。
pressure head
0313
位置水頭
地下水がもつ位置エネルギーの大きさを水柱の高さで表した
もの。位置水頭は任意の基準面からの高さで表す。
elevation head,
potential head
0314
浸透力
地下水が浸透することによって,土粒子が受ける力。
seepage force
0315
パイピング
浸透力によって土粒子が流出し,地盤内にパイプ状の孔又は
水みちができる現象。
piping
0316
ボイリング
砂地盤において,上向きの浸透力によって有効応力が消失し
て,土粒子が湧き上がる現象。
boiling
0317
地下水
地下水面より下に存在する間隙水。
groundwater
0318
帯水層
透水性が高く,地下水を蓄えることができる地層。
aquifer
0319
不圧地下水
帯水層中に地下水面をもつ地下水。
注記 自由地下水とも呼ぶ。
unconfined groundwater
0320
被圧地下水
帯水層の上部が不透水層に覆われ,帯水層中に地下水面をも
たない地下水。
confined groundwater,
artesian (ground) water
0321
透水量係数
透水係数と帯水層の厚さとの積。帯水層の透水性の指標とな
る。
transmissivity
0322
貯留係数
単位の水平断面積をもつ鉛直土柱において,単位の地下水位
変化によって生じる地下水量。
storage coefficient,
storativity
0323
地下水位
地下水がもつ全水頭。基準面からの高さで表す。
groundwater level
0324
平衡水位
ボーリング孔内などの水位が変化した後,その変動がほぼ停
止した段階での水位(JGS 1311 [31]参照)。
equilibrium groundwater
level
0325
地下水面
地盤中の間隙において水が自由に上下に移動でき,水面上の
圧力が大気圧と等しくなっている位置を連ねた面。
groundwater table,
water table,
groundwater surface
0326
不透水層
透水性が低く,地下水が流れないとみなす地層。
aquiclude,
impermeable layer
0327
難透水層
地下水流動を阻害又は帯水層の境界となるとみなす地層。
aquitard
0328
透水層
透水性が高く,地下水が流れる地層。
permeable layer
0329
湧水
自然に地表面に流出する地下水。
注記 掘削工事などにおいて,掘削面を通して湧き出してく
る地下水も含む場合がある。
spring (water)
7
A 0207:2018
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
0330
(地下水の)影響
圏
揚水をしたとき,揚水井を中心として地下水位及び水圧の降
下の影響が及ぶ範囲。
注記 影響円とも呼ぶ。
influence area
0331
井戸
地下水の揚水又は地下への注水のために地盤に掘られた孔。
well
d) 地盤の圧縮及び圧密
番号
用語
定義
対応英語(参考)
0401
圧縮
地盤中の2点間の距離又は領域の体積が縮む現象。
compression
0402
圧縮性
圧縮力の増加に伴う土の圧縮変形の起こりやすさ。
compressibility
0403
圧縮曲線
圧密試験の結果を,圧密圧力と間隙比又は体積比との関係で
表す曲線。
注記 通常,横軸に圧密圧力を対数目盛で,縦軸に間隙比又
は体積比をとって表す。
compression curve
0404
圧縮指数
圧密試験で得られた圧縮曲線の正規圧密での勾配(正値)。土
の圧縮性の指標となる。
compression index
0405
膨張指数
圧密試験で得られた圧縮曲線の除荷過程の膨張曲線における
勾配(正値)。土の圧縮性の指標となる。
expansion index,
swelling index
0406
体積圧縮係数
圧密試験で得られた圧密圧力増分に対する,体積ひずみ増分
の比。土の圧縮性の指標となる。
coefficient of volume
compressibility
0407
圧密
細粒分を主体とした透水性の低い地盤が荷重を受け,間隙水
を徐々に排水して密度が増加する現象(JIS A 1217 [12]及び
JIS A 1227 [22]参照)。
consolidation
0408
圧密圧力
圧密を生じさせる土の境界に働く有効圧力(JIS A 1217 [12]
参照)。
consolidation pressure
0409
圧密応力
圧密が生じる際,地盤中のある面上に働く有効応力。
consolidation stress
0410
正規圧密
現在受けている圧密圧力が,その土の圧密降伏応力を超えて
いる状態。塑性的(非可逆的)な体積変化を示す(JIS A 1217
[12]及びJIS A 1227 [22]参照)。
normal consolidation
0411
過圧密
現在受けている圧密圧力が,その土の圧密降伏応力より低い
状態。弾性的(可逆的)な体積変化を示す(JIS A 1217 [12]
及びJIS A 1227 [22]参照)。
overconsolidation
0412
圧密降伏応力
土が過圧密から,正規圧密に移行する境界の圧密圧力(JIS A
1217 [12]及びJIS A 1227 [22]参照)。
consolidation yield
stress
0413
圧密曲線
土の圧密過程における時間と沈下量との関係を表す曲線。
consolidation curve
0414
一次圧密
圧密曲線の圧密量の中で,理論圧密度100 %までに対応する
部分(JIS A 1217 [12]参照)。
注記 過剰間隙水圧が消散する過程を表す。
primary consolidation
0415
二次圧密
圧密曲線の圧密量の中で,一次圧密終了以降の部分。
注記 粘土骨格の粘性圧縮に起因して生じる。クリープ現象
ともいえる。
secondary consolidation
0416
圧密係数
土の圧密速度を表す指標。次の式で定義する。
w
v
v
γ
m
k
c=
ここに, cv :圧密係数
k :透水係数
mv :体積圧縮係数
γw :水の単位体積重量
coefficient of
consolidation
0417
段階載荷
ある時間間隔で荷重又は圧力を段階的に増加させて載荷する
方法(JIS A 1217 [12]参照)。
incremental loading
8
A 0207:2018
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
0418
荷重増分比
段階載荷において,ある段階の荷重増分と前段階の荷重との
比(JIS A 1217 [12]参照)。
load increment ratio
0419
ひずみ速度
ひずみの時間的変化の割合(JIS A 1227 [22]参照)。
strain rate,
rate of strain
0420
定ひずみ速度載荷
一定のひずみ速度で連続的に載荷する方法(JIS A 1227 [22]
参照)。
constant rate of strain
loading
0421
等方圧密
三方向の主応力が互いに等しい条件で行う圧密方法。
isotropic consolidation
0422
異方圧密
三方向の主応力のうち,少なくとも一つが他と異なる条件で
行う圧密方法。
anisotropic
consolidation
0423 K0圧密
水平(半径)方向の変位が生じない条件で行う圧密方法。
K0 consolidation
0424
圧密度
ある時点の圧密量と最終の圧密量との比。圧密の進行の度合
いの指標となる。
注記 応力に関する圧密度は,ある時点の応力と最終応力と
の比で表す。
degree of consolidation
0425
時間係数
圧密の進行の度合いを表す,時間に関する無次元の指標。次
の式で定義する。
(
)2
v
v
/2
H
t
c
T=
ここに, Tv :時間係数
cv :圧密係数
t :時間
H/2 :最大排水距離
注記 Hは土の層厚を表す。上式の最大排水距離H/2は上下
端が排水層と接している両面排水の場合を表してお
り,片方が非排水層と接している片面排水の場合は,
最大排水距離はHとなる。
time factor
e) 地盤材料のせん断
番号
用語
定義
対応英語(参考)
0501
全応力
地盤中のある面上に働く全垂直応力。
total stress
0502
有効応力
地盤中のある面上に働く全応力と間隙圧との差。
effective stress
0503
間隙圧
地盤中の間隙流体の圧力。間隙水圧及び/又は間隙空気圧で
構成される。
pore pressure
0504
間隙水圧
地盤又は地盤材料の中の間隙水がもつ圧力。
pore water pressure
0505
間隙空気圧
地盤又は地盤材料の中の間隙空気がもつ圧力。
pore air pressure
0506
間隙圧係数
応力の増分によって発生する過剰間隙水圧(間隙水圧の増分)
を,主応力差の増分の寄与分と最小主応力(拘束圧)の増分
の寄与分とに分けて考える際の係数。次の式で示すA及びB
をいう。
Δu=B[Δσ3+A(Δσ1−Δσ3)]
ここに,
Δu :過剰間隙水圧(間隙水圧の増分)
Δσ1 :最大主応力の増分
Δσ3 :最小主応力(拘束圧)の増分
A及びB :間隙圧係数
pore pressure coefficient
0507
背圧
供試体内部の間隙水に付加する圧力(JIS A 1227 [22]参照)。
注記 バックプレッシャーとも呼ぶ。
back pressure
0508
ダイレイタンシー
土がせん断によって体積変化を生じる現象。
注記 体積膨張を正のダイレイタンシー,体積収縮を負のダ
イレイタンシーという。
dilatancy
0509
クリープ
一定応力の下でひずみが時間とともに変化する現象。
creep
9
A 0207:2018
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
0510
せん断強さ
地盤又は地盤材料がせん断破壊した際,破壊面に作用するせ
ん断応力の最大値。
shear strength
0511
一軸圧縮強さ
自立する円柱供試体を側方拘束のない状態で圧縮した場合の
最大圧縮応力(JIS A 1216 [11]参照)。
unconfined compressive
strength
0512
強度定数
地盤材料のせん断強さが,せん断面上に働く垂直応力に比例
する関係における切片及び傾きの総称。次の式で示すc及び
φをいう。
τf=c+σtanφ
ここに, τf :せん断強さ
σ :垂直応力
c :粘着力
φ :せん断抵抗角
strength parameter
0513
粘着力
強度定数のうち,垂直応力に無関係なせん断強さ成分。
cohesion
0514
せん断抵抗角
強度定数のうち,垂直応力とせん断強さとの比例関係におけ
る傾きの角度。
注記 従来は,内部摩擦角とも呼んだ。
angle of shear resistance
0515
安息角
粘着力のない地盤材料を積み上げたときに安定を保ち得る最
も急な斜面の傾斜角。
angle of repose
0516
非排水せん断強さ
土が非排水状態でせん断される場合のせん断強さ。
undrained shear strength
0517
排水せん断強さ
土が排水状態でせん断される場合のせん断強さ。
drained shear strength
0518
強度増加率
圧密圧力に対する非排水せん断強さの増加の割合。
注記1 su/p値とも呼ぶ。suは非排水せん断強さ,pは圧密圧
力である。
注記2 正規圧密では一定となる。
rate of strength increase
0519
練返し
土に力を加え,大きな変形を与えてその構造を乱す操作。
remolding
0520
鋭敏比
練返した状態の土の非排水せん断強さに対する,乱さない状
態の土の非排水せん断強さの比。
sensitivity ratio
f)
斜面安定
番号
用語
定義
対応英語(参考)
0601
地滑り
滑り面の上を地盤がほぼ原形を保ったままで滑る現象。
landslide
0602
(地滑りの)滑り
面
地盤中のせん断変形が集中する面状の構造。
slip surface,
sliding surface
0603
土石流
多量の水を含んだ土石が谷に沿って流れ下る現象。
debris flow
0604
落石
斜面表面の岩塊が剝離したり抜け出したりして落下する現
象。
rockfall,
rock fall
0605
斜面崩壊
斜面を構成する土砂及び岩塊が安定を失って急速に崩落する
現象。
slope failure
0606
崖すい(錐)
急斜面から落下した岩せつ(屑)が斜面下に堆積して形成さ
れた地形。
注記 半円すい(錐)状の地形になる場合もある。
talus,
talus cone
0607
岩せつ(屑)
風化によって分解して生じた岩石の破片又は岩石の破片の集
合物。
debris,
detritus
0608
のり(法)面
盛土及び切土によって人工的に形成された斜面。
slope
g) 土圧及び支持力
番号
用語
定義
対応英語(参考)
0701
土圧
地盤の内部又は地盤と構造物との境界面に作用する有効応
力。前者を土中土圧,後者を壁面土圧と呼ぶ。
earth pressure
10
A 0207:2018
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
0702
土圧係数
鉛直土圧に対する,水平方向の土圧の比。
coefficient of earth
pressure
0703
主働土圧
擁壁などが前方に移動するときのように,地盤が水平方向に
伸張して,水平土圧が次第に減少し,最終的に一定値に落ち
着いた状態で発揮される土圧。
active earth pressure
0704
受働土圧
擁壁などが背面へ押し込まれるときのように,地盤を水平方
向に圧縮し,水平土圧が次第に増大し,最終的に一定値に落
ち着いた状態で発揮される土圧。
passive earth pressure
0705
静止土圧
地盤が水平方向に,圧縮又は伸張しない状態で発揮される土
圧。
earth pressure at rest
0706
土かぶ(被)り圧
地盤の自重に起因して地盤中に作用する鉛直応力。全応力又
は有効応力で表示する。
overburden pressure,
overburden stress
0707
有効土かぶ(被)
り圧
地盤の自重に起因して地盤中に作用する鉛直有効応力。
effective overburden
pressure,
effective overburden
stress
0708
支持力
地盤が構造物から受ける荷重を支える能力。
bearing capacity
0709
地盤反力
構造物に荷重が作用した際,地盤から構造物の表面に作用す
る応力。
subgrade reaction
0710
地盤反力係数
構造物の変位量に対する,地盤反力の比。地盤の剛性の指標
となる(JIS A 1215 [10]参照)。
coefficient of subgrade
reaction
h) 地震及び地盤の動的性質
番号
用語
定義
対応英語(参考)
0801
P波
弾性波の実体波のうちの縦波。振動方向が波の伝ぱ(播)方
向と同じで,媒質の体積変化を伴う波動である。
P-wave,
primary wave
0802
S波
弾性波の実体波のうちの横波。振動方向が波の伝ぱ(播)方
向と垂直で,媒質の体積変化を伴わない波動である。
S-wave,
secondary wave
0803
実体波
弾性体内部を伝ぱ(播)する弾性波。
body wave
0804
表面波
地表面又は異なる媒質の境界面付近を伝ぱ(播)する波動。
surface wave
0805
液状化
飽和した緩い砂質土が地震などの繰返しせん断を受けること
によって,土粒子間のかみ合わせがはずれ,有効応力が消失
し,土粒子が間隙水の中に浮いた状態となる現象。
liquefaction
0806
側方流動
地盤が塑性変形又は破壊して,水平方向に大きく移動する現
象。
注記 盛土などによって軟弱粘性土層が増加荷重を受けて生
じる場合,又は傾斜地,岸壁背後などの砂質土が液状
化して生じる場合がある。
lateral flow
i)
岩の性質
番号
用語
定義
対応英語(参考)
0901
岩
岩石及び岩盤の総称。強度及び剛性が土よりも大きいもの。
rock
0902
岩石
不連続面を含まない岩盤の実質部分。様々な程度に固結又は
結合した鉱物の集合体である。
rock material,
intact rock
0903
かさ密度
間隙体積を含む岩石の体積当たりの岩石固相の質量。
注記 通常,乾燥させた岩石の質量を用いる。
bulk density,
dry bulk density
0904
(岩石の)超音波
速度
岩石内部を伝わる超音波の速度。
ultrasonic velocity,
ultrasonic wave velocity
0905
岩盤
岩石から成る自然地盤。不連続面又は風化帯を含む。
rock mass
11
A 0207:2018
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
0906
硬岩
岩石を硬さで二分するときの一つで硬質な岩石。
注記 岩盤の工学的分類方法では,通常,岩石の一軸圧縮強
さが25 MN/m2以上の岩盤をいう(JGS 3811 [33]参照)。
hard rock
0907
軟岩
岩石を硬さで二分するときの一つで軟質な岩石。
注記 岩盤の工学的分類方法では,通常,岩石の一軸圧縮強
さが25 MN/m2未満の岩盤をいう(JGS 3811 [33]参照)。
soft rock
0908
(岩盤の)不連続
面
節理,亀裂,層理などの岩石の力学的な連続性を絶つ面で,
引張り強さがゼロ又は極めて小さい力学的な弱面。
discontinuity
0909
ルジオン値
ボーリング孔の試験区間に0.98 MPaの有効注水圧力で注水し
たときの試験区間1 m当たりの1分間の注水量(単位:リッ
トル)。岩盤の透水性の指標となる(JGS 1323 [32]参照)。
Lugeon value
0910
初期地圧
掘削などの人為的なじょう(擾)乱による応力変化を受けて
いない状態で岩盤内に作用している応力。
initial state of ground
pressure,
primary stress,
primary state of ground
pressure
j)
地盤調査及び計測
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1001
ボーリング
機械器具を用いて,地盤にせん(穿)孔すること。
boring,
drilling
1002
ケーシング
ボーリング孔を裸孔の状態で維持することができない場合,
孔中に挿入する鋼製の円筒管(JIS G 3465 [24]参照)。
注記 ケーシングパイプ又はケーシングチューブとも呼ぶ。
casing,
casing pipe,
casing tube
1003
ボーリングロッド
先端の掘削器具に回転及び給進力を伝え,中空部を通して泥
水などを掘削器具の刃先に供給する鋼製の円筒管(JIS G 3465
[24]参照)。
drill rod,
boring rod
1004
スライム
ボーリングによる掘りくず(屑)。
注記 カッティング又はスラッジとも呼ぶ。
slime,
cutting,
sludge
1005
(ボーリングの)
泥水
ボーリング時にスライムの排除,掘削器具の冷却,孔壁の安
定などのために用いる比重の高い流体。
slurry,
clay suspension
1006
ボーリング柱状図
ボーリング調査で得た結果を調査地点ごとに深さに対して図
示したもの。
borehole log,
drilling log
1007
(地盤の)サンプ
リング
地盤から観察,試験などに供する試料を採取すること。岩盤
の露頭及び掘削面において,不連続面の方向性,トレース長
などの不連続面に関する情報を取得すること。
sampling
1008
(地盤の)サンプ
ラー
地盤から試料を採取する器具の総称。
sampler
1009
ブロックサンプリ
ング
地表,テストピット,トレンチなどから,手掘り作業によっ
て塊状に切り取り,乱れの少ない試料を採取する方法。
block sampling
12
A 0207:2018
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1010
(サンプリングの)
採取試料の品質
サンプリングによって採取した試料の品質。土,岩などの構
造の乱れ,含水比及び間隙比の状態,土層又は地層の状態な
どによって採取試料の品質A,採取試料の品質B,採取試料
の品質Cの三つに区分する。
− 採取試料の品質A:土,岩などの構造に乱れがほとんど
なく,含水比及び間隙比が原位置と同じで,土,岩など
の構成及び化学成分の変化がない試料。
− 採取試料の品質B:土,岩などの構造が乱れているが,
含水比及び土,岩などの構成が原位置と同じで,土層又
は地層が特定できる試料。
− 採取試料の品質C:土,岩などの構造が全体に変化して
おり,含水比及び土,岩などの構成が原位置と異なり,
土層又は地層が正確に特定できない試料。
sample quality
1011
(サンプリングの)
乱れた試料
採取試料の品質B又は採取試料の品質Cに区分される試料。 disturbed sample
1012
(サンプリングの)
乱れの少ない試
料
採取試料の品質Aに区分される試料。
undisturbed sample
1013
原位置試験
現場で直接,地盤の硬軟,締まり具合,地下水の状態などを
調べる試験の総称。サウンディング,載荷試験,地下水調査
などがある。
in situ test
1014
サウンディング
原位置試験の一つで,抵抗体を地盤中に挿入し,貫入,回転
又は引抜きをするときの抵抗力を計測して地盤の硬軟,締ま
り具合などを調べる試験。
sounding
1015
コーン貫入試験
サウンディングの一つで,先端が円すい(錐)形状の抵抗体
の貫入抵抗から地盤の硬軟,締まり具合などを調べる試験。
注記 地盤への貫入方法には,油圧又は手動による静的貫入,
及び打撃による動的貫入がある。
cone penetration test
1016
標準貫入試験
サウンディングの一つで,地盤の硬軟,締まり具合などを表
す指標となるN値を求める試験(JIS A 1219 [14]参照)。
standard penetration test
1017 N値
標準貫入試験において,サンプラーを300 mm打ち込むのに
必要な打撃回数。地盤の硬軟,締まり具合などの指標となる
(JIS A 1219 [14]参照)。
N-value
1018
検層
ボーリング孔において,物理的諸量又は化学的諸量を利用し
て,孔壁周辺の地盤の状況を深さに対して連続的又は離散的
に測定する調査方法の総称。
logging,
well logging
1019
物理探査
物質の物理的性質又は化学的性質について,人為的又は自然
的に生じた現象を,地表及び/又はボーリング孔内から観測
し,地盤の性質及びその分布を推測する方法の総称。
geophysical exploration
1020
弾性波速度
媒質がもつ弾性波の伝ぱ(播)特性で,P波及びS波の伝ぱ
(播)速度。
elastic wave velocity
1021
地盤材料試験
地盤からサンプリングした試料を対象として,地盤材料の工
学的性質を調べる試験の総称。
laboratory testing of
geomaterials
1022
試料調製
地盤材料試験に用いる試料の分取,含水比調整及び粒度調整
の総称(JIS A 1201 [1]参照)。
sample preparation
1023
供試体
地盤材料試験を行うために所定の形状及び寸法に成形した地
盤材料。
specimen
1024
(地盤材料試験の)
乱した試料
構造又は性状の変化を許して採取した試料。
disturbed sample
13
A 0207:2018
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1025
(地盤材料試験の)
乱さない試料
構造又は性状の変化を許さないように採取した試料。
undisturbed sample
1026
炉乾燥
地盤材料の試料を110 ℃±5 ℃の恒温乾燥炉で乾燥させるこ
と。
oven-dry
k) 土留め及び掘削
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1101
土留め
掘削に当たって周辺地盤の崩壊を防止すること,又はそのた
めに設けられる構造物。
注記 建築分野では,山留めとも呼ぶ。
earth retaining
1102
掘削
構造物の地下部又は地中埋設管を構築するために地盤を掘る
こと。
注記 建築分野では,根切りとも呼ぶ。
excavation
1103
ヒービング
地盤を掘削した場合に,掘削底面の土がせん断破壊を起こし,
土留め壁の内側に土が回り込み,盛り上がってくる現象。
heaving
1104
(掘削底面の)盤
膨れ
掘削底面の地盤に不透水層があり,その下位に被圧帯水層が
存在する場合に,掘削に伴い被圧帯水層の上面の水圧が上載
圧を上回り,掘削底面が膨れ上がる現象。
rising
l)
土工
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1201
締固め
盛土などの地盤構造物及び基礎地盤の工学的性質を改善する
ために,転圧などによって間隙中の空気を追い出してその密
度を増加させること。
compaction
1202
突固め
地盤材料の締固め方法において,ランマー又は突き棒で試料
の上面を打撃して衝撃エネルギーを与える操作。
compaction by tamping,
tamping
1203
コーン指数
コーンペネトロメーターを地盤中に押し込んだときのコーン
底面に作用する貫入抵抗力の平均値を,コーンの底面積で除
した値。地盤材料の強さの指標となる(JIS A 1228 [23]参照)。
cone index
1204
締固め度
最大乾燥密度に対する,締め固めた後の地盤の乾燥密度の比
率。地盤材料の締固め程度の指標となる。
degree of compaction
m) 路床及び路盤
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1301
(道路の)路床
構造上,舗装全体を支持する層。舗装の基礎となる舗装下面
の土の部分をいう(JIS A 1215 [10]参照)。
subgrade
1302
(道路の)路盤
道路路床の上に設けられ,上層からの荷重を分散させて路床
に伝える役割をもつ層(JIS A 1215 [10]参照)。
base course,
subbase
1303
CBR
路床及び路盤に用いられる地盤材料の強さを表す指標。CBR
試験において,標準荷重強さに対する,所定の貫入量におけ
る荷重強さの比率で示す(JIS A 1211 [8]及びJIS A 1222 [17]
参照)。
California Bearing Ratio
n) 地盤改良
番号
用語
定義
対応英語(参考)
1401
(土の化学的)安
定処理
化学的処理によって,強度,剛性などの土の力学的性質を改
良する処理(JIS A 1222 [17]参照)。
stabilization
14
A 0207:2018
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
参考文献 [1] JIS A 1201 土質試験のための乱した土の試料調製方法
[2] JIS A 1202 土粒子の密度試験方法
[3] JIS A 1203 土の含水比試験方法
[4] JIS A 1204 土の粒度試験方法
[5] JIS A 1205 土の液性限界・塑性限界試験方法
[6] JIS A 1209 土の収縮定数試験方法
[7] JIS A 1210 突固めによる土の締固め試験方法
[8] JIS A 1211 CBR試験方法
[9] JIS A 1214 砂置換法による土の密度試験方法
[10] JIS A 1215 道路の平板載荷試験方法
[11] JIS A 1216 土の一軸圧縮試験方法
[12] JIS A 1217 土の段階載荷による圧密試験方法
[13] JIS A 1218 土の透水試験方法
[14] JIS A 1219 標準貫入試験方法
[15] JIS A 1220 機械式コーン貫入試験方法
[16] JIS A 1221 スウェーデン式サウンディング試験方法
[17] JIS A 1222 現場CBR試験方法
[18] JIS A 1223 土の細粒分含有率試験方法
[19] JIS A 1224 砂の最小密度・最大密度試験方法
[20] JIS A 1225 土の湿潤密度試験方法
[21] JIS A 1226 土の強熱減量試験方法
[22] JIS A 1227 土の定ひずみ速度載荷による圧密試験方法
[23] JIS A 1228 締固めた土のコーン指数試験方法
[24] JIS G 3465 試すい用継目無鋼管
[25] JIS Z 8801-1 試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい
[26] JGS 0051 地盤材料の工学的分類方法
[27] JGS 0151 土の保水性試験方法
[28] JGS 0162 礫の最小密度・最大密度試験方法
[29] JGS 0231 土の有機炭素含有量試験方法
[30] JGS 0241 土の水溶性成分試験方法
[31] JGS 1311 ボーリング孔を利用した砂質・礫質地盤の地下水位測定方法
[32] JGS 1323 ルジオン試験方法
[33] JGS 3811 岩盤の工学的分類方法
注記 JGS:公益社団法人地盤工学会(The Japanese Geotechnical Society)が発行してい
る基準