A 0202:2008
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 引用規格 ························································································································· 1
3 用語の分類 ······················································································································ 2
4 表記方法 ························································································································· 2
5 用語の定義 ······················································································································ 4
5.1 基本用語 ······················································································································ 4
5.2 熱移動条件及び材料の特性に関する用語 ············································································· 7
5.3 物質移動に関する用語 ···································································································· 9
5.4 熱放射による熱移動に関する用語····················································································· 14
5.5 材料,製品及びシステム用語··························································································· 22
附属書A(参考)熱伝導率の概念 ··························································································· 34
附属書B(参考)厚さと熱抵抗の関係(多孔断熱材) ································································· 38
附属書C(参考)断熱の概念 ································································································· 39
附属書JA(参考)水蒸気拡散抵抗係数の概念 ··········································································· 40
附属書JB(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ································································ 41
A 0202:2008
(2)
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本保温保冷工業
協会(JTIA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申
出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによっ
て,JIS A 0202:2000は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
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日本工業規格 JIS
A 0202:2008
断熱用語
Thermal insulation−Vocabulary
序文
この規格は,1987年に第2版として発行されたISO 7345,1987年に第1版として発行されたISO 9251
及びISO 9346,1989年に第1版として発行されたISO 9288及び1991年に第1版として発行されたISO 9229
を基に対応する用語については対応国際規格を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業
規格であるが,対応国際規格に規定されていない用語を日本工業規格として追加している。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所及び附属書JAは,対応国際規格にはない事項
である。変更の一覧にその説明を付けて,附属書JBに示す。
1
適用範囲
この規格は,建築及び工業用設備の断熱に関する物理量,断熱材に関する主な用語及びその定義につい
て規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 7345:1987,Thermal insulation−Physical quantities and definitions,ISO 9229:1991,Thermal
insulation−Materials, products and systems−Vocabulary,ISO 9251:1987,Thermal insulation−Heat
transfer conditions and properties of materials−Vocabulary,ISO 9288:1989,Thermal insulation−Heat
transfer by radiation−Physical quantities and definitions及びISO 9346:1987,Thermal insulation−
Mass transfer−Physical quantities and definitions(全体評価:MOD)
なお,対応の程度を表す記号 (MOD) は,ISO/IEC Guide 21に基づき,修正していることを
示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS A 6930 住宅用プラスチック系防湿フィルム
JIS G 3302 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
JIS G 3312 塗装溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯
JIS G 3532 鉄線
JIS G 3554 きっ甲金網
JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯
JIS H 4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条
2
A 0202:2008
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JIS K 2207 石油アスファルト
JIS K 5600-3-2 塗料一般試験方法−第3部:塗膜の形成機能−第2節:表面乾燥性(バロチニ法)
JIS K 6781 農業用ポリエチレンフィルム
JIS L 3405 ヘッシャンクロス
JIS R 3414 ガラスクロス
JIS Z 1702 包装用ポリエチレンフィルム
JIS Z 1901 防食用ポリ塩化ビニル粘着テープ
3
用語の分類
用語は,次のとおり分類する。
3.1
基本用語
a) 熱及び熱流に関する物理量
b) 建築物のエネルギー性能
3.2
熱移動条件及び材料の特性に関する用語
a) 熱移動条件
b) 材料の特性
3.3
物質移動に関する用語
a) 一般用語
b) 水分移動
c) 空気移動
3.4
熱放射による熱移動に関する用語
a) 一般用語
b) 表面において入射,透過,射出している熱放射
c) 熱放射を射出している表面
d) 不透明又は半透明な表面における入射
e) 熱放射を受けている半透明物体
f)
断熱材の内部における熱放射
3.5
材料,製品及びシステム用語
a) 一般用語
b) 供給形状
c) 繊維系断熱材
d) 多孔質系断熱材
e) 発泡系断熱材
f)
保温システム及び施工
g) 品質検査(試験)及び品質管理用語
4
表記方法
用語欄,定義欄及び対応英語欄の表記方法は,次による。
a) 用語欄
1) 用語欄に二つ以上の用語が併記してある場合は,同義語としていずれを使用してもよい。
3
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2) 用語欄で( )の付いた用語は,混乱の生じるおそれのある場合を除いて,一般には( )内の用
語を省いて用いる。
b) 定義欄 定義欄で下線を施してある用語は,この規格の中で規定されている用語である。
なお,表1に示す量記号及び単位並びに表2に示す添字は,対応国際規格の中でそれぞれ規定され
ている量記号,単位及び添字であり,規定されている用語に対応するものである。
c) 対応英語欄 この欄の英語は,対応国際規格の中で規定されている用語を用い,この規格で独自に規
定した用語については,適切な英訳,又は通常使用されている英文の用語とした。
表1−量記号及び単位
量
対応英語(参考)
記号
単位
量
対応英語(参考) 記号
単位
量
対応英語(参考) 記号
単位
絶対温度
thermodynamic
temperature
T
K
長さ
length
l
m
直径
diameter
D
m
幅
width : breadth
b
m
時間
time
t
s
摂氏温度
Celsius temperature
θ
℃
面積
area
A
m2
質量
mass
m
kg
厚さ
thickness
d
m
容積
volume
V
m3
密度
density
ρ
kg/m3
量記号には,添字又は他の指示記号を用いることが必要な場合がある。その場合には,意味が明確でな
ければならない。次の添字を使用することが望ましい(表2参照)。
表2−添字
対応英語(参考)
添字
対応英語(参考)
添字
対応英語(参考)
添字
内側
外側
表面
内表面
interior
exterior
surface
interior surface
i
e
s
si
外表面
熱伝導
対流
放射
exterior surface
conduction
convection
radiation
se
cd
cv
r
接触
気体(空気)空間
周囲
contact
gas (air) space
ambient
c
g
a
4
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5
用語の定義
5.1
基本用語
a) 熱及び熱流に関する物理量
番号
用語
定義
記号
単位
対応英語(参考)
1101
熱,
熱量
物体の温度を変化させるのに必要なエネルギー量。
Q
J
heat,
quantity of heat
1102
熱流量
ある系へ,又はある系から移動する単位時間当たり
の熱量。
t
Q
dt
dQ=
=
φ
φ
W
heat flow rate
1103
熱流密度,
熱流束
単位時間に単位面積を通過する熱流量。
dA
d
q
φ
=
線熱流と区別の必要があるときに面熱流を用いる。
q
W/m2
density of heat
flow rate,
heat flux
1104
線熱流量密度
単位時間に単位長さを通過する熱流量。
dl
d
q
φ
=
ql
W/m
linear density of
heat flow rate
1105
熱伝導率
均質材料の平行2平面において,定常状態の下で,
単位厚さについて,単位面積を通過する単位温度差
当たりの熱流量。
(
)
dt/dl
q
T
q
=
=gradρ
λ
厳密な取扱いは,附属書A参照。
λ
W/ (m・K)
thermal
conductivity
1106
熱伝導比抵抗 均質材料の平行2平面において,定常状態の下で,
単位厚さについて,単位時間に単位面積を通過する
単位熱流量によって生じる両面の温度差。熱伝導率
の逆数。
λ
1
=
r
熱伝導比抵抗の厳密な取扱いは,附属書A参照。
r
m・K/W
thermal resistivity
1107
熱コンダクタ
ンス,
熱伝導係数
材料の平行2平面において定常状態の下で,単位時
間に単位面積を通過する,単位温度差当たりの熱流
量。
2
1T
T
q
−
=
Λ
ここに,T1:固体の面1の温度
T2:固体の面2の温度
熱コンダクタンスをΛ又はCと表示。線熱コンダク
タンスと区別する必要があるときには,面熱コンダ
クタンスと表示する。
Λ,C W/ (m2・K)
thermal
conductance
1108
線熱コンダク
タンス
定常状態の下で,単位時間に単位長さを通過する,
単位温度差当たりの熱流量。
2
1T
T
ql
l
−
=
Λ
線熱コンダクタンスを,Λl又はClと表す。
Λl,
Cl
W/ (m・K)
linear thermal
conductance
5
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番号
用語
定義
記号
単位
対応英語(参考)
1109
熱抵抗
材料の平行2平面において定常状態の下で,単位時
間に単位面積を通過する単位熱流量によって生じ
る両面の温度差。熱の伝わりにくさを表す指標で,
熱コンダクタンスの逆数。
Λ
1
=
R
1) 平面板については,熱伝導率が温度によって一
定か又は直線的な変化をする場合。
Λ
d
R=
ここに,d:板の厚さ
温度T1とT2とが規定され,熱流量
密度が一様(附属書A参照)。
2) 線熱抵抗と区別する必要があるときは,面熱抵
抗と表示する。
R
m2・K/W
thermal resistance
1110
線熱抵抗
定常状態の下で,単位時間に単位長さを通過する単
位熱流量によって生じる温度差。線熱コンダクタン
スの逆数。
l
lR
Λ
1
=
ある長さに沿って線熱流量密度が一様であり,温度
T1,T2及びその長さが規定されている。
Rl
m・K/W
linear thermal
resistance
1111
熱伝達率,
熱伝達係数
固体表面と周囲流体との間の熱移動量Qは,ニュー
トンの冷却式を用いて,Q=h (T1−T2)×Aで与えら
れ,この係数はhで表す。
T1:固体表面温度 (℃)
T2:流体温度 (℃)
A:固体表面積 (m2)
一般に総合熱伝達率の略称で,定常状態において,
ある表面における熱流量密度をその表面温度と周
囲の流体温度との差で除した値。
)
(
2
1T
T
q
h
−
=
ある表面から周囲へ熱が移動する場合で,表面温度
と周囲の流体温度とが規定されている(自然対流
か,強制対流か,また,周囲の表面からの熱放射の
状況などが関連する。)。
h,α W/ (m2・K)
surface coefficient
of heat transfer
1111-A 熱伝達抵抗
熱伝達率の逆数。
Ra
m2・K/ W
thermal resistance
of surface heat
transfer
1112
熱貫流率,
熱通過率
固体壁の両面が流体に接するとき,単位面積の固体
壁を通過して,単位温度差をもつ高温側流体から低
温側流体へ単位時間に伝わる熱流量。
A
T
T
U
)
(
f2
f1−
=
φ
1) 流体温度Tf1とTf2,及び境界条件が必要。
2) 線熱貫流率と区別する必要があるときは,面熱
貫流率と表示する。
U,K
W/ (m2・K)
thermal
transmittance
6
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番号
用語
定義
記号
単位
対応英語(参考)
1113
熱貫流抵抗,
熱通過抵抗
熱貫流率の逆数。熱貫流の現象における熱の移動し
にくさを示す。
U
RU
1
=
RU
m2・K/W
thermal resistance,
resistance of heat
transmission
1114
線熱貫流率,
線熱通過率
定常状態における熱流量を長さ及びシステムの両
側の周囲流体温度の差で除した値。
l
T
T
Ul
)
(
f2
f1−
=
φ
1) 流体温度Tf1とTf 2,及び境界条件が必要。
2) 線熱貫流率の逆数は,システムの両側の周囲流
体間の総合熱抵抗である。
3) 例えば,線状熱橋又は円管などからの熱損失で
ある。
Ul
W/ (m・K)
linear thermal
transmittance
1115
熱容量
質量m,比熱cの物質を単位温度だけ変化するのに
要する熱量。
c
m
C
×
=
C
J/K
heat capacity,
thermal capacity
1116
比熱,
比熱容量
単位質量の物質の温度を単位温度だけ上昇させる
のに必要な熱量。
m
C
c=
1) 流体の場合の比熱はcpを用いる。
2) 物質は,均質で不透明でなければならない。
c
J/ (kg・K)
specific heat,
specific heat
capacity
1116-A 定圧比熱
圧力が一定の条件下で,単位質量のもつ熱量Qの温
度Tに対する変化率。
cp
J/ (kg・K)
specific heat
capacity at
constant
pressure
1116-B 定容比熱
容積が一定の条件下で,単位質量のもつ熱量Qの温
度Tに対する変化率。
Cv
J/ (kg・K)
specific heat
capacity at
constant volume
1116-C 容積比熱
単位容積の物質の温度を単位温度だけ上昇させる
のに必要な熱量。
c
c
×
=ρ
v
cv
J/ (m3・K)
volumetric specific
heat (capacity)
1117
熱拡散率,
温度伝搬率
熱伝導媒質がもつ温度変化の速さを示す物性値。熱
伝導率を密度と比熱との積で除した値。
c
ρ
λ
κ
×
=
1) 熱拡散率は非定常状態に関連するもので,直接
に測定するか,又は別々に測定された量を用い
て式によって計算して求める。
2) 他の値とは異なり,熱拡散率は表面温度の変化
に対して物質内部の温度応答を示すものであ
る。物質の熱拡散率が大きいほど,表面温度の
変化に対して内部温度は敏感になる。
a, κ
m2/s
thermal diffusivity
7
A 0202:2008
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番号
用語
定義
記号
単位
対応英語(参考)
1118
熱侵入率
製品の熱伝導率(λ),密度(ρ),及び比熱(c)を
乗じたものの平方根の値。
b=
c
×
×ρ
λ
温度T1及びT2の半無限の異種物体を接触させると,
接触面温度は瞬間的に両者の中間温度Tmになり,
一般に次の式で求められる。
)
(
)
(
2
1
2
2
1
1
m
b
b
T
b
T
b
T
+
+
=
b1,b2を熱侵入率といい,熱伝導率,密度及び比熱
の積の平方根である。Tmは,各々の物体の熱伝導率,
比熱及び密度によって変わる。
b
J/ (m2・K・
s1/2)
thermal effusivity
b) 建築物のエネルギー性能
番号
用語
定義
記号
単位
対応英語(参考)
1201
容積熱損失係
数
建築物からの熱流量を建築物の容積及び建築物内
外の温度差で除した値。
ΔT
V
F
×
=
φ
v
熱流量には,建築物外皮を通過する貫流熱量,換気
による熱量,太陽放射熱などを選択することができ
る。建築物の容積Vを明示しなければならない。
Fv
W/ (m3・K)
volume coefficient
of heat loss
1202
熱損失係数
建築物からの熱流量を面積及び建築物内外の空気
温度差で除した値。
ΔT
A
F
×
=
φ
s
ここに,Fs:熱損失係数
φ:熱流量
A:面積
ΔT:空気温度差
熱流量には,建築物外皮を通過する貫流熱量及び換
気による熱量を含める。建築物の面積には,外表面
積,床面積などを選択できる。
Fs,Q
W/ (m2・K)
areal coefficient of
heat loss
1203
換気量
単位時間当たりに換気される空気容積。
Vo
m3/h,l/s
ventilation air
volume
1204
換気率,
換気回数
室内の毎時の換気量Vo を室容積Vで除したもの。
V
V
N
o
=
N
h-1
air changes rate,
ventilation rate
5.2
熱移動条件及び材料の特性に関する用語
a) 熱移動条件
番号
用語
定義
記号
単位
対応英語(参考)
2101
定常状態
関連しているすべてのパラメータの値が,時間とと
もに変動しない状態。
steady state
2102
非定常状態
関連するパラメータの値が,時間とともに変動する
状態。
non-steady state
2103
周期的状態
非定常状態のうち,関連するパラメータの値が,一
定の時間間隔で,初期条件に無関係に,繰り返して
いる状態。
periodic state
8
A 0202:2008
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番号
用語
定義
記号
単位
対応英語(参考)
2104
遷移状態,
過渡状態
初期の値から,定常状態又は周期的状態へ,漸近的
に移ってゆく状態。
transient state
2105
熱移動
熱が,伝導,対流,放射又はこれらの複合によって
移動すること。
heat transfer
2106
熱伝達
熱が,対流,放射又はこれらの複合によって移動す
ること。
heat transfer
b) 材料の特性
番号
用語
定義
記号
単位
対応英語(参考)
2201
空げき(隙)
率
多孔材料の中の空げきの全体積を物質の全体積で
除した値。
g
s
g
b
1
ρ
ρ
ρ
ρ
ξ
−
−
−
=
ρsは固定物質の密度,ρgは空げき中に含まれている
気体の密度,ρ bはかさ密度。
ξ
−
porosity
2202
局部空げき
(隙)率
物体中の点Pにおける空げき率。
ξp
−
local porosity
2203
多孔材料
固体部と空げきとが細かく混ざり合っている不均
一性材料。
porous medium
2204
繊維状多孔材
料
長さ方向の大きさが他方向より大きい物質を含み,
気体部分が連続している多孔材料。
fibrous porous
medium
2205
粒状充てん
(塡)材料
ばら状の固体材料を含み,気体部分が連続している
多孔材料。
granular loose fill
medium
2206
気泡材料,
発泡材,
発泡体
連続した固体物質の中に,ほぼ球形の独立した多数
の気泡のある多孔材料。
cellular porous
medium
2207
独立気泡材料 連続した固体物質の中に,多数の気泡があり,気泡
中の気体が互いに独立している多孔材料。
closed porous
medium
2208
連続気泡材料 連続した固体物質の中に,多数の気泡があり,気泡
中の気体が互いに連続している多孔材料。
interconnected
porous medium
2209
均質多孔材料 局部空げき率が材料中の位置に関係なく一定の多
孔材料。
homogeneous
porous medium
2210
均質材料
物性が材料中の位置に関係なく一定な材料。ただ
し,時間,方向,温度などによって変わっても差し
支えない。
homogeneous
medium
2211
不均質材料
材料を構成している成分が不均一なために,物性が
材料中の位置によって異なっている材料。
heterogeneous
medium
2212
(質量)密度 質量を体積で除した値。
ρ
kg/m3
(mass) density
2213
かさ密度,
見かけ密度
質量を見かけの体積で除した値。
粒状材料のときは充てん密度と呼ばれる。
ρ b
kg/m3
bulk density,
apparent density
2214
等方材料
物性が方向に無関係に一定な材料。ただし,材料中
の位置,時間,温度などによって変わっても差し支
えない。
isotropic medium
2215
異方材料
物性が方向によって異なっている材料。
anisotropic medium
9
A 0202:2008
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番号
用語
定義
記号
単位
対応英語(参考)
2216
安定材料
物性が時間によって変わらない材料。ただし,位置,
方向,温度などによって異なっていても差し支えな
い。
stable medium
5.3
物質移動に関する用語
a) 一般用語
番号
用語
定義
記号
単位
対応英語(参考)
3101
物質移動
種々の機構による物質(特に水分又は空気)の移動。
mass transfer
3102
水分
気相,液相又は固相の水。
moisture
3103
水蒸気
気相の水分。
water vapour
3104
水蒸気拡散
全圧一定のもとで,空気中の水蒸気含有量,又は水
蒸気分圧を一様にするような混合気体中の水蒸気
分子の運動。
water vapour
diffusion
3105
水蒸気対流
全圧差に基づく混合気体の運動によって生じる水
蒸気移動。
water vapour
convection
3106
吸放湿曲線
平衡状態における多孔材料の含水量と周囲空気の
相対湿度との関係。
曲線には,吸湿曲線と放湿曲線とがある。測定困難
のため,相対湿度は95〜98 %を上限とする。
hygroscopic
sorption curve
3107
吸水曲線
多孔材料における平衡状態の含水量と毛管水の吸
引力(負圧)との関係。
一般に,曲線には,吸水曲線と乾燥曲線とがある。
理論的に,吸水曲線の範囲は,絶乾状態から飽水状
態までに及ぶ。
suction curve
3108
湿り空気
乾燥空気と水蒸気との混合物。
moist air
b) 水分移動
番号
用語
定義
記号
単位
対応英語(参考)
3201
容積湿度
湿り空気中の水蒸気質量を湿り空気の容積で除し
たもの。
1) 容積湿度は,水蒸気の部分質量密度ρvと同じ。
2) 飽和状態では記号vsat及びρv,sat を使用する。
v
kg/m3
g/m3
humidity by
volume
3202
絶対湿度
湿り空気中の水蒸気の質量を同一体積の乾燥空気
の質量で除したもの。
飽和状態では,記号xsatを使用する。
x
g/kg
kg/kg
absolute humidity,
humidity ratio
3203
比湿
1 kgの湿り空気中に存在する水分の量。
s
g/kg
specific humidity
3203-A 水蒸気質量分
率
湿り空気の質量に対する水蒸気の質量の比。
y
−
water vapour
content by mass
3204
比容積
湿り空気中の乾燥空気1 kgの容積。
v
m3/kg
specific volume
3205
水蒸気分圧
混合気体における水蒸気の分圧。
飽和状態では記号psatを使用する。
pr
Pa
partial water
vapour pressure
3206
相対湿度
ある水蒸気分圧と同一温度における飽和水蒸気分
圧との比。
sat
v,
v
p
p
p
=
φ
φp
%
relative humidity
10
A 0202:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
記号
単位
対応英語(参考)
3206-A 容積湿度基準
相対湿度
ある容積湿度と同一温度における飽和容積湿度と
の比。
sat
v
v
v
=
φ
φv
%
relative humidity
by volume
3207
飽和度
湿り空気の絶対湿度とその温度における飽和絶対
湿度との比。
sat
s
x
x
=
ψ
s
ψ
−
parcentage
humidity
3208
エンタルピ
流体中に含まれる熱量。内部エネルギーをu,仕事
の熱当量をA,圧力をp,比容積をvとすると
i=u+A×p×v
i
J
enthalpy
3209
比エンタルピ 単位質量当たりのエンタルピ。単にエンタルピとい
うこともある。
h
J/kg
specific enthalpy
3209-A 蒸発潜熱
液体が蒸発又は凝縮するときの潜熱の比エンタル
ピ。
he
J/kg
specific latent
enthalpy of
evaporation or
condensation
3209-B 融解潜熱
固体が融解又は凝固するときの潜熱の比エンタル
ピ。
hm
J/kg
specific latent
enthalpy of
melting (or
freezing)
3210
容積基準質量
含水率
多孔材料に含まれる蒸発し得る水分の質量を材料
の容積で除したもの。含水量を求める場合は,材料
の容積が湿潤状態又は乾燥状態にあるかを明記す
る。また,湿潤材料から水分を蒸発させる方法を示
す。
w
kg/m3
g/m3
moisture content
mass by volume
3211
容積基準容積
含水率
多孔材料に含まれる蒸発し得る水分の容積を材料
の容積で除したもの。含水量を求める場合は,材料
の容積が湿潤状態又は乾燥状態にあるかを明記す
る。また,湿潤材料から水分を蒸発させる方法を示
す。
ψ
m3/m3
moisture content
volume by
volume
3212
質量基準質量
含水率
多孔材料に含まれる蒸発し得る水分の質量を材料
の質量で除したもの。質量基準含水量を求める場合
は材料の質量が湿潤状態又は乾燥状態にあるかを
明記する。また,湿潤材料から水分を蒸発させる方
法を示す。
u
kg/kg
moisture content
mass by mass
3213
水分飽和度
多孔材料に含まれる水分の質量を飽和状態の水分
の質量で除したもの。また,飽和状態に達する方法
を述べる。
S
degree of
saturation
3214
水分吸引力
細孔内の水圧と周囲の全圧との圧力差。
s
Pa
moisture suction
3215
水分流量
移動水分の質量を時間で除したもの。
G
kg/s
moisture flow rate
3216
水分流量密度 水分流量を面積で除したもの。
g
kg/ (m2・s)
density of moisture
flow rate
3216-A 水蒸気流量密
度
水蒸気流量を面積で除したもの。
gv
kg/ (m2・s)
densiy of water
vapour flow rate
3217
空気の水蒸気
拡散係数
空気の水蒸気流量密度を容積湿度こう(勾)配で除
したもの。
Da
m2/s
water vapour
diffusion
coefficient of air
11
A 0202:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
記号
単位
対応英語(参考)
3217-A 水蒸気拡散係
数
材料の水蒸気流量密度を容積湿度こう配で除した
もの。
D
m2/s
water vapour
diffusion
coefficient
3218
透湿率,
水分透過率
多孔材料の中の水分の移動を示す量。容積湿度基準
の3218-Aと水蒸気分圧基準の3218-Bとがある。
透湿率は,水分流量が水蒸気だけの場合に用いる。
水分透過率は材料の相対湿度又は含水率に依存す
る。
P
g/(p・s・Pa)
moisture
permeability
3218-A 容積湿度基準
透湿率,
容積湿度基準
水分透過率
均質材料の平行2平面において,定常状態の下で,
単位厚さについて,単位面積を通過する量の細孔内
の容積湿度差当たりの水分流量。
細孔内の容積湿度こう配で水分流量密度を除した
もの。厳密な取扱いは,附属書A参照。
δv
m2・s
moisture
permeability
humidity by
volume
3218-B 水蒸気分圧基
準透湿率,
水蒸気分圧基
準水分透過
率
均質材料の平行2平面において,定常状態の下で,
単位厚さについて,単位面積を通過する量の細孔内
の単位水蒸気分圧差当たりの水分流量。
細孔内の水蒸気分圧こう配で水蒸気流量密度を除
したもの。厳密な取扱いは,附属書A参照。
δp
kg/(m・s・
Pa)
moisture
permeability for
partial vapour
pressure
3219
水分透過係
数,
透湿係数
多孔材料の層を透過する水分の量を示すもの。
3219-Aに示すWvと3219-Bに示すWpとがある。
moisture
permeance
3219-A 容積湿度基準
水分透過係
数
層の両面における周囲空気の容積湿度の差当たり
透過する水分流量密度。
)
(
2
1
v
v
v
g
W
−
=
ここに,v1及びv2:層の両面における周囲
空気の容積湿度
g:層の表面に垂直な水分
流量密度
Wv
m/s
moisture
permeance for
humidity by
volume
3219-B 水蒸気分圧基
準水分透過
係数
層の両面における周囲空気の水蒸気分圧の差当た
り透過する水分流量密度。
2
1
p
p
p
g
W
−
=
ここに,p1及びp2:層の両面における周囲空
気の水蒸気分圧
g:層の表面に垂直な水分流
量密度
Wp
kg/ (m2・s・
Pa)
moisture
permeance for
partial vapour
pressure
3220
水分透過抵
抗,
透湿抵抗
水分透過係数の逆数。3220-AのZvと3220-BのZp
とがある。
Z
moisture resistance
3220-A 容積湿度基準
水分透過抵
抗
容積湿度基準水分透過係数の逆数。
v
v
1
W
Z=
Zv
s/m
moisture resistance
for humidity by
volume
3220-B 水蒸気分圧基
準水分透過
抵抗
水蒸気分圧基準水分透過係数の逆数。
p
p
1
W
Z=
Zp
m2・s・Pa/kg moisture resistance
for partial
vapour pressure
3221
水蒸気拡散抵
抗係数
空気の水蒸気分圧基準透湿率を材料の水蒸気分圧
基準透湿率で除したもの。
μ
―
moisture diffusion
resistance factor
12
A 0202:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
記号
単位
対応英語(参考)
3222
湿気拡散率,
水分拡散率
水分流量密度を容積基準質量含水率こう配で除し
たもの。
w
g
Dw
grad
ρ
−
=
ここに,gρ:水分流量密度のベクトル
w:容積基準質量含水率
Dw
m2/s
moisture
diffusivity
3223
湿気伝導率,
水分伝導率
水分流量密度を水分吸引力こう配で除したもの。
s
g
grad
m
ρ
=
λ
ここに,gρ:水分流量密度のベクトル
s:水分吸引力
λm
kg/ (m・s・
Pa)
moisture
conductivity
3224
表面水蒸気伝
達率,
湿気伝達率
多孔材料の表面を水分が通過するときの伝達率。
3224-Aのβvと3224-Bのβpとがある。
β
surface coefficient
of water vapour
transfer
3224-A 容積湿度基準
表面水蒸気
伝達率,
容積湿度基準
湿気伝達率
材料表面と周囲空気との間の単位容積湿度差当た
りの水蒸気流量密度。
s
a
v
v
v
g
−
=
β
ここに,g:水蒸気流量密度
va及びvs :周囲空気及び表面における容積
湿度
βv
m/s
surface coefficient
of water vapour
transfer for
humidity by
volume
3224-B 水蒸気分圧基
準表面水蒸
気伝達率,
水蒸気分圧基
準湿気伝達
率
材料表面と周囲空気との間の単位水蒸気分圧差当
たりの水蒸気流量密度。
vs
va
p
p
p
g
−
=
β
ここに,g:水蒸気流量密度
pva及びpvs:周囲空気及び表面における水蒸
気分圧
βp
kg/(m2・s・
Pa)
surface coefficient
of water vapour
transfer for
partial vapour
pressure
3225
表面水蒸気伝
達抵抗,
湿気伝達抵抗
表面水蒸気伝達率の逆数。3225-Aと3225-Bとがあ
る。
β
1
a=
Z
Za
water vapour
surface
resistance
3225-A 容積湿度基準
表面水蒸気
伝達抵抗,
容積湿度基準
湿気伝達抵
抗
容積湿度基準表面水蒸気伝達率の逆数。
v
av
1
β
=
Z
Zav
s/m
water vapour
surface
resistance for
humidity by
volume
3225-B 水蒸気分圧基
準表面水蒸
気伝達抵
抗,
水蒸気分圧基
準湿気伝達
抵抗
水蒸気分圧基準表面水蒸気伝達率の逆数。
β
1
ap=
Z
Zap
m2・s・Pa/kg
water vapour
surface
resistance for
partial vapour
pressure
13
A 0202:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
記号
単位
対応英語(参考)
3226
湿気容量,
水分容量
容積基準質量含水率の相対湿度に対する微係数。
φ
d
dw
=
ξ
ここに,w:容積基準質量含水率
φ:相対湿度
この値は,吸放湿曲線のこう配を示す。
ξ
kg/m3
moisture
differential
capacity
3227
温度こう(勾)
配基準水分
拡散率
水分流量密度を温度こう配で除したもの。
T
g
D
grad
T
ρ
=
ここに,gρ:水分流量密度のベクトル
T:温度
温度こう配による水分拡散率は,水分移動が起こっ
ている水分こう配によって異なる。
DT
kg/(m2・s・K) thermal diffusion
coefficient of
moisture for
temperature
gradient
3228
吸水量
特定の試験条件のもとで材料が吸収する水分量。
water absorption
3229
水の吸収係数 多孔材料を水中に一部浸したとき,水が材料中に吸
収される状況を示す量。
t
m
A
s
=
ここに,ms:水面から吸収した単位面積当た
りの吸水量
t:時間
A
kg/(m2・s1/2) water sorption
coefficient
3230
水の浸透係数 多孔材料を水中に一部浸したとき水が材料中を浸
透する状況を示す量。
t
x
B=
ここに,x:水面からの浸透厚さ
t:時間
B
m/s1/2
water penetration
coefficient
3231
多孔材料の透
水係数
板状の多孔材料の両側に水圧をかけたとき,材料中
を水が流れる状況を示す量。
p
r
k
grad
η
ρ
−
=
ここに,rρ:多孔材料中の水の流量密度のベ
クトル
p:水の圧力
η:一定温度における水の動粘性係
数
k
m2
permeability of a
porous medium
c) 空気移動
番号
用語
定義
記号
単位
対応英語(参考)
3301
空気流量
移動空気の容積を時間で除したもの。
R
m3/s
air flow rate
3302
空気流量密度 空気流量を面積で除したもの。
r
m3/ (m2・s)
density of air flow
rate
3303
空気の透過係
数
板状の多孔材料の層を空気が透過するとき材料両
側の空気の圧力差当たりの空気流量密度。
)
(
2
1
p
p
R
K
−
=
ここに,R:板状の多孔材料の層を通過する
空気流量密度
p1及びp2:材料両側の空気の圧力
空気の透過係数Kは,一定温度における空気の粘性
による影響を含む。
K
m3/(m2・s・
Pa)
air permeance
14
A 0202:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
記号
単位
対応英語(参考)
3304
空気の透過抵
抗
空気の透過係数の逆数。
K
S
1
=
又は
R
p
p
S
2
1−
=
S
m2・s・Pa/m3 air resistance
5.4
熱放射による熱移動に関する用語
a) 一般用語
番号
用語
定義
記号
単位
対応英語(参考)
4101
熱放射
不透明媒質からなる物体の表面,又は,半透明媒質
からなる物体の内部部位から射出される電磁放射。
thermal radiation
4102
放射熱移動
互いに離れている二つの物体の間で電磁波によっ
て行われる熱エネルギーの交換。
電磁波には波長の非常に長いものから短いものま
であるが熱の観点からは,波長が0.1 μm〜100 μm
の間にあるものが関連している。
heat transfer by
radiation
4103
全波長
熱放射の全波長の総合に関するもの。
total
4104
波長別,
単色
波長λを中心とした,ある波長範囲に関するもの。
spectral,
monochromatic
4105
半球
熱放射が,射出又は入射する微小表面から,すべて
の方向に,射出又は入射するものの総和に関するも
の。
hemispherical
4106
方向別
ある一定の方向の周囲のある立体角に,射出又は入
射する熱放射に関するもの。
directional
4107
不透明媒質
入射したすべての熱放射を全く透過しない物質。
opaque medium
4108
半透明媒質
入射した熱放射が,物質の中に入り,吸収若しくは
散乱又はこの両者によって,次第に減衰するような
物質。
semi-transparent
medium
b) 表面において入射,透過,射出している熱放射
番号
用語
定義
記号
単位
対応英語(参考)
4201
放射面
熱放射を射出している物体の表面。
emitting surface
4202
放射熱流量,
放射束
電磁波の形態の熱放射がシステムに対して,射出,
透過,入射する熱流量。
これは,全波長半球の値である。
φ
W
radiant heat flow
rate,
radiant flux
4203
波長別放射熱
流量
中心波長λの波長別の放射熱流量で,半球の値。
λ
d
dφ
φ=
λ
φλ
W/m
W/μm
spectral radiant
heat flow rate
4204
(全波長)放
射強度
∆方向の周囲の立体角当たりの放射熱流量で,全波
長の値。
Ω
Ω
d
d
I
φ
=
IΩ
W/sr
(total) intensity
4205
波長別放射強
度
中心波長λの波長別の放射強度。
λ
d
dI
I
Ω
Ωλ=
IΩλ
W/(sr・m)
W/(sr・μm)
spectral intensity
15
A 0202:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
記号
単位
対応英語(参考)
4206
(全波長)放
射輝度
∆方向の周囲の立体角当たり,∆に垂直な微小面積
の放射面への投影面積当たりの放射熱流量で,全波
長の値。
(
)
θ
cos
Ω
2
Ω
A
L
∂
∂
∂
=
φ
LΩ
W/ (m2・sr)
(total) radiance
4207
波長別放射輝
度
中心波長λの波長別の放射輝度。
λ
d
dL
L
Ω
Ωλ=
LΩλ
W/(m3・sr)
W/(m2・sr・
μm)
spectral radiance
4208
熱流ベクトル
の熱流密度
熱放射によって熱流があるとき,ある一定方向∆に
流れる∆に垂直な微小面積の放射面への投影面積
当たりの全熱量で,全波長の値。
∫∫
∞
−
=
0
4
Ω
Ωλ
r
Ω
Δ
π
λ
d
d
L
q
rq
W/m2
radiant density of
heat flow vector
4209
熱流ベクトル
の波長別熱
流密度
中心波長λの波長別の熱流ベクトルの熱流密度。
Ω
Δ
4
Ω
Ωλ
λ
r,
d
L
q
x
∫
−
=
又は
λ
d
q
d
q
r
λ,r
=
λ,rq
W/m3
W/(m2・μm)
spectral radiant
density of heat
flow vector
4210
波長別放射熱
流密度
(方向nρに
ついて)
熱流ベクトルの波長別熱流密度の方向nの成分。
λ,r
n
λ,r
q
n
q
×
=
∫−
×
=
π
4
Ω
λ
Ω
Ω
Δ
d
n
L
−
+
−
=
n
λ,r
n
λ,r
n
λ,r
q
q
q
これは,正味(全球)の値である。
qr,λν
W/m3
W/(m2・μm)
spectral radiant
density of heat
flow rate (in the
direction n)
4211
波長別放射熱
流密度の前
方成分
qr,λnの方向nの成分で,半球の値。
λ,r
n
λ,r
q
n
q
×
=
+
∫
−
×
=
π
2
Ω
Ωλ
Ω
Δ
d
n
L
ただし,
0
Δ
>
×n
+
n
λ
r,q
W/m3
W/(m2・μm)
forward
component of
the spectral
radiant density
of heat flow rate
4212
波長別放射熱
流密度の後
方成分
qr,λnの方向n
−
の成分で,半球の値。
∫
−
−
×
−
=
×
=
π
2
Ω
Ωλ
λ,r
λn
,r
Ω
Δ
d
n
L
q
n
q
ただし,
0
Δ
<
×n
−
n
λ
r,q
W/m3
W/(m2・μm)
backward
component of
the spectral
radiant density
of heat flow rate
4213
等方放射面,
完全拡散面
全波長放射強度又は波長別放射強度が方向に無関
係な放射面。放射面に垂直方向の放射熱流量φ(0)
と頂角θ方向の放射熱流量φ(θ)との間には,
φ(θ)=φ(0) cosθ
の関係がある。
isotropic emitting
surface,
perfect diffuse
surface
c) 熱放射を射出している表面
番号
用語
定義
記号
単位
対応英語(参考)
4301
放射射出
熱が気体中の分子励起,又は,固体中の原子励起な
どによって,電磁波に変換されるプロセス。
emission
4302
(全波長)放
射発散度
放射射出している表面からの面積当たりの放射熱
流量。
+
=
∂
∂
=
rq
A
M
φ
又は M =
−rq
Mは,放射している表面の各点における真の熱流量
密度である。これは,全波長半球の値である。
M
W/m2
(total) excitance
16
A 0202:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
記号
単位
対応英語(参考)
4303
波長別放射発
散度
中心波長λに対する波長別の放射発散度。
+
=
∂
∂
=
λ
r,
λ
q
λ
M
M
又は M =
−
λ
r,
q
Mλ
W/m3
W/(m2・μm)
spectral excitance
4304
黒体
すべての波長,方向及び偏光の入射放射を全部吸収
する物体。
ある一定の温度のとき,すべての波長において,黒
体の放射エネルギーが最大(最大波長別放射発散
度)である。この熱放射は厳密な法則に従って行わ
れているので,実際の物体の放射は黒体の放射と比
較される。
なお,黒体に関連する記号には,( °) を付ける。
black body
4305
黒体(全波長)
放射発散度
黒体からの放射発散度で,ステファン・ボルツマン
の法則で示される。
M°=σ T 4
ここに,σ =5.67×10−8 W/ (m2・K4)
Tは,黒体の絶対温度で,全波長の値。
M°は,半球値である。
M°
W/m2
black body (total)
excitance
4306
黒体波長別放
射発散度
黒体からの波長別の放射発散度。次に示すプランク
の法則に従う。
(
)1
/
exp
2
5
1
λ
−
×
=
−
T
C
C
M
λ
λ
ο
ここに,C1:2πhc02=3.741×1016 W/m2
C2:hc0/k=0.014 388 m・K
hはプランクの定数。
kはボルツマンの定数。
c0は電磁波の真空中における速度。
Mλ°は,半球値である。
Mλ°
W/m3
W/(m2・μm)
black body
spectral
excitance
4307
黒体(全波長)
放射輝度
黒体の放射輝度で,全波長の値。
π
Ω
ο
ο
M
L=
ここに,M°:黒体(全波長)放射発散度
π:円周率
LΩ°
W/ (m2・sr)
(total) radiance of
the black body
4308
黒体波長別放
射輝度
黒体の波長別の放射輝度。
π
λ
Ωλ
ο
ο
M
L
=
ここに,Mλ°:黒体波長別放射発散度
π :円周率
LΩλ°
W/(m3・sr)
W/(m2・sr・
μm)
spectral radiance
of the black
body
4309
(全波長)方
向別放射率
ある表面から放射射出される放射輝度LΩと同温度
の黒体(全波長)放射輝度のLΩ°との比。
ο
Ω
Ω
Ω
L
L
=
ε
εΩ
−
(total) directional
emissivity
4310
波長別方向別
放射率
ある表面から放射射出される波長別放射輝度LΩλと
同温度の黒体波長別放射輝度のLΩλ°との比。
ο
Ωλ
Ωλ
Ωλ
L
L
=
ε
εΩλ
−
spectral directional
emissivity
4311
(全波長半
球)放射率
ある表面から放射射出される全波長放射発散度M
と,同温度の黒体(全波長)放射輝度のM°との比。
ο
M
M
=
ε
全波長の値。
ε
−
(total
hemispherical)
emissivity
17
A 0202:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
記号
単位
対応英語(参考)
4312
波長別半球放
射率
ある表面から放射射出される波長別放射発散度Mλ
と,同温度の黒体波長別放射輝度のMλ°との比。
ο
λ
λ
λ
M
M
=
ε
ελ
−
spectral
hemispherical
emissivity
4313
灰色体
波長別方向別放射率が波長に無関係な放射物体。
ελ=ε
εΩλ=εΩ
grey body
4314
等方放射体
全波長放射率又は波長別放射率が方向に無関係な
放射物体。
εΩ=ε
εΩλ=ελ
isotropically
emitting body
4315
等方放射灰色
体
放射率が,波長にも,方向にも無関係な放射物体。
ελ=εΩλ=εΩ=ε
この放射率は温度によって変化する。
isotropically
emitting grey
body
d) 不透明又は半透明な表面における入射
番号
用語
定義
記号
単位
対応英語(参考)
4401
(全波長)入
射量
表面へ入射する面積当たりの全波長の放射熱流量。
+
=
∂
∂
=
rq
A
E
φ
又は E =
−r
q
Eは,放射を受ける表面の各点における真の入射熱
流密度である。これは,全波長半球の値である。
E
W/m2
(total) irradiance
4402
波長別入射量 中心波長λに対する波長別の入射量。
+
=
∂
∂
=
λ
r,
λ
q
λ
E
E
又は Eλ =
−
λ
r,q
Eλ
W/m3
W/(m2・μm)
spectral irradiance
4403
(全波長)放
射量
不透明物体の表面から,面積当たり射出及び反射さ
れる全波長の放射熱流量。
+
=
∂
∂
=
rq
A
J
φ
又は J =
−
rq
全波長の値。
J
W/m2
(total) radiosity
4404
波長別放射量 中心波長λに対する波長別の放射量。
+
=
∂
∂
=
λ
r,
λ
q
λ
J
J
又は Jλ=
−
λ
r,q
Jλ
W/m3
W/(m2・μm)
spectral radiosity
4405
(全波長)吸
収率
表面によって吸収される放射熱流量φaを,入射す
る放射熱流量φiで除した値。
i
a
φ
φ
=
α
全波長の値。
α
−
(total) absorptance
4406
(全波長)反
射率
表面によって反射される放射熱流量φrを,入射す
る放射熱流量φiで除した値。
i
r
φ
φ
=
ρ
全波長の値。
ρ
−
(total) reflectance
4407
(全波長)透
過率
表面から背面を通って透過される放射熱流量φt
を,入射する放射熱流量φiで除した値。
i
t
φ
φ
=
τ
全波長の値。
τ
−
(total)
transmittance
18
A 0202:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
記号
単位
対応英語(参考)
4408
波長別吸収率 表面によって吸収される波長別放射熱流量φλaを,
入射する放射が等方性であると仮定して,入射波長
別放射熱流量φλiで除した値。
λi
λa
λ
φ
φ
=
a
αλ
−
spectral
absorptance
4409
波長別反射率 表面によって反射される波長別放射熱流量φλrを,
入射する放射が等方性であると仮定して,入射波長
別放射熱流量φλiで除した値。
λi
λr
λ
φ
φ
=
ρ
ρλ
−
spectral reflectance
4410
波長別透過率 表面から背面を通って透過される波長別放射熱流
量。
φλlを,入射する放射が等方性であると仮定して,
入射波長別放射熱流量φλiで除した値。
λi
λl
λ
φ
φ
=
τ
τλ
−
spectral
transmittance
4411
波長別方向別
吸収率
表面によって吸収される波長別放射輝度LΩλaを,入
射する波長別方向別放射輝度LΩλiで除した値。
Ωλi
Ωλa
Ωλ
L
L
=
α
αΩλ
−
spectral directional
absorptance
4412
波長別方向別
反射率
表面によって,Ω′の方向に反射される波長別放射
輝度LΩλrを,入射する波長別方向別放射輝度LΩλi
で除した値。
Ωλi
Ωλr
Ωλ
L
L
=
ρ
ρΩλ
−
spectral directional
reflectance
4413
波長別方向別
透過率
表面から背面を通って,Ω′の方向に透過される波
長別放射輝度LΩλtを,入射する波長別方向別放射輝
度LΩλiで除した値。
Ωλi
Ωλt
Ωλ
L
L
=
τ
τΩλ
−
spectral directional
transmittance
e) 熱放射を受けている半透明物体
種類
用語
定義
記号
単位
対応英語(参考)
4501
波長別方向別
消散係数
熱放射が物体中を∆方向に進行するとき,透過する
とともに,吸収及び散乱による,進行長さ当たりの
波長別放射輝度減少量を,入射する波長別放射輝度
で除した値。
Ωλ
EΩλ
Ωλ
1
L
ds
dL
×
=
β
半透明媒質が等方性であれば,βΩλ=βλ
物質が等方性で灰色体であれば,βΩλ=β
βΩλ
l/m
spectral directional
extinction
coefficient
19
A 0202:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
種類
用語
定義
記号
単位
対応英語(参考)
4502
波長別方向別
吸収係数
熱放射が物体中を∆方向に進行するとき,透過する
とともに,吸収されることによる,進行長さ当たり
の波長別放射輝度減少量を,入射する波長別放射輝
度で除した値。
Ωλ
AΩλ
Ωλ
1
L
ds
dL×
=
κ
半透明媒質が等方性であれば,κΩλ=κλ
物質が等方性で灰色体であれば,κΩλ=κ
κΩλ
l/m
spectral directional
absorption
coefficient
4503
波長別方向別
散乱係数
熱放射が物体中を∆方向に進行するとき,透過する
とともに,散乱されることによる,進行長さ当たり
の波長別放射輝度減少量を,入射する波長別放射輝
度で除した値。
Ωλ
SΩλ
Ωλ
1
L
ds
dL
×
=
σ
βΩλ,κΩλ,σΩλの間には,次の関係がある。
βΩλ=κΩλ+σΩλ
半透明媒質が等方性であれば,σΩλ=σλ
物質が等方性で灰色体であれば,σΩλ=σ
σΩλ
l/m
spectral directional
scattering
coefficient
4504
質量波長別方
向別消散係
数
波長別方向別消散係数を,半透明媒質の密度ρで除
した値。
ρ
β
β
Ωλ
Ωλ=
′
β′Ωλ
m2/kg
mass spectral
directional
extinction
coefficient
4505
質量波長別方
向別吸収係
数
波長別方向別吸収係数を,半透明媒質の密度ρで除
した値。
ρ
κ
κ
Ωλ
Ωλ=
′
κ′Ωλ
m2/kg
mass spectral
directional
absorption
coefficient
4506
質量波長別方
向別散乱係
数
波長別方向別散乱係数を,半透明媒質の密度ρで除
した値。
ρ
σ
σ
λ
Ω
λ
Ω=
′
σ'Ωλ
m2/kg
mass spectral
directional
scattering
coefficient
4507
波長別方向別
光学厚さ
物体の厚さdに対し,次の式で示される値。
()
()
∫
=
d
s
d
s
d
0
λ
Ω
λ
Ω
β
τ
これは,波長λの熱放射を,半透明媒質中を透過さ
せて減衰させるときの,透過長さを求めるのに役立
つ。均一で等方性の物質ではβΩλ (d) =一定である
からτλ=βλ×dとなる。
τΩλ
−
spectral directional
optical thickness
4508
位相関数
散乱した熱放射の空間分布を示す関数。
(
)
π
4
Ω
Δ
Δ
λ
d
p
→
′
は,∆′の方向で,立体角dΩ′内から入射する熱放
射が,方向∆′の単位立体角内に散乱する確率で,
異方性の散乱する物質の性質を示す。等方材料の場
合。
(
)1
Δ
Δ
λ
=
→
′
p
(Δ
λ
′
p)
Δ
→
−
phase function
20
A 0202:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
種類
用語
定義
記号
単位
対応英語(参考)
4509
波長別方向別
アルベド
波長別方向別散乱係数σΩλを,波長別方向別消散係
数βΩλで除した値。
Ωλ
Ωλ
Ωλ
β
σ
ω=
等方材料では,ωΩλは方向に無関係で,波長別等方
性アルベドωλを用いればよい。吸収だけで散乱の
ない (σλ=0) とき,ωλ=0,散乱だけで吸収のない
(κλ=0) とき,ωλ=1
ωΩλ
−
spectral directional
albedo
4510
半透明平板
平行無限平面で限られた厚さdの半透明の板で,熱
的及び光学的性能が既知のもの。
semi-transparent
plane layer
4511
放射透過方程
式
熱放射が,吸収,射出,散乱をする物体中を透過す
るときに,波長別放射輝度の透過による変化を示す
数式。
この方程式の解は,物体の放射に関する性質によっ
て異なる。すなわち,波長別消散係数,波長別アル
ベド,波長別分布関数,及び熱的光学的境界条件に
よって変わる。これには,ローゼランドの拡散近似
式,シュスター・シュワルツシルトの2方向流れに
よる近似式などがある。
−
equation of
radiative
transfer
4512
放射熱伝導率 均質材料の平行2平面において,定常状態の下で,
単位厚さについて単位面積を通過する単位温度差
当たりの放射による熱流量を用いて表すと,放射熱
伝導率は,次の関数。
T
q
−grad
r
r
ρ
=
λ
(Tは半透明物体の温度)で定義されるλr°半透明
平板の場合は,
n
T
q
∂
∂
−
=
r
r
λ
となる(nは平板の法線方向)。
この式はローゼランドの近似式から得られるもの
で,熱伝導の場合のフーリエの式と同一であって,
放射熱流密度を簡単に示すことができる。
λr
W/ (m・K)
radiative thermal
conductivity,
radiativity
f)
断熱材の内部における熱放射
番号
用語
定義
記号
単位
対応英語(参考)
4601
熱移動係数
断熱材において,熱伝導と熱放射とによる熱移動を
示す性能値で,実験によって求められる。
R
d
T
qd=
=
Δ
保護熱板法でq,d,Tを測定して得た値。Rは熱抵
抗。これは,図B.1中のd>d∞の場合においてだけ
求まる材料の固有性能である。
W/ (m・K)
transfer factor
21
A 0202:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
記号
単位
対応英語(参考)
4602
断熱材の放射
熱伝導率
断熱材において,熱放射だけによる熱移動を示す性
能値。
∞
>
=
d
d
R
d
r
r
Δ
Δ
λ
これは,図B.1中のd>d∞の場合の∆d,∆Rrを用い
て示される。ここで,ΔRrは図B.1のd>d∞の場合
において,熱放射だけに対する熱抵抗と考えられる
ものを示す。
λr
W/ (m・K)
radiativity
4603
気体と固体に
よる熱伝導
率
断熱材を構成する固体と気体の熱伝導だけによる
熱移動を示す性能値。
∞
>
=
d
d
R
d
cd
cd
Δ
Δ
λ
これは,図B.1中のd>d∞の場合の∆d,∆Rcdを用い
て示される。ここで,Rcdは熱伝導だけによる熱抵
抗で図B.1のd>d∞における値。
λcd
W/ (m・K)
combined gaseous
and solid
conductivity
4604
熱トランスミ
ッシビティ
断熱材において熱伝導による熱移動と熱放射によ
る熱移動とを組み合わせた断熱材の性能を示す値。
∞
>
=
d
d
R
d
Δ
Δ
tλ
これは,図B.1中のd>d∞の場合の∆d,∆Rを用い
て示される。したがって,
λt=λcd+λr
と書くことができる。また,λtはd>d∞においては,
熱伝導と熱放射との複合を考えたときの熱移動係
数と考えてもよい。
λt
W/ (m・K)
thermal
transmissivity
4605
放射表面熱伝
達率
表面熱伝達率中の熱放射による成分。
表面熱伝達率hは,対流による表面熱伝達率hcvと
熱放射による表面熱伝達率hrとの和として,
h=hcv+hr
で示される。建築分野では大略の値を示すために
3m
r
4
T
h
εσ
=
(Tmは表面と周辺空間との平均絶対温度)が用いら
れる。
hr
W/ (m2・K)
radiative surface
heat transfer
coefficient
5.5
材料,製品及びシステム用語
a) 一般用語
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5101
相じゃくり
接続方法の一種で,端面を船首形に切りかき,接合する構造。
一般に相じゃくり,又は合はぎともいう。
ship-lap
5102
圧縮強度,
圧縮強さ
一定ひずみにおける圧縮応力の圧縮試験において試験片が耐
えた最大圧縮応力。ただし,破断が起きた場合は,そのとき
の圧縮応力(JIS K 7220参照)。
compressive strength
5103
ウール
断熱材として利用する人造鉱物繊維など。
wool
22
A 0202:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5104
外被材,
表被材,
表面材,
外装材
断熱材の防湿,放射,保護,施工性の向上などを目的として
断熱材の外部を覆うもの。
保温材,吸音材では,上記の目的のほか,表面に張り付け,
又は被覆などによって化粧,補強などにも用いられる(JIS A
9521,JIS A 9504,JIS A 6301及び5129参照)。
facing
5105
火傷防止
保温の一分野で,人の手が届く範囲内で人が触れて火傷をし
ないように機器,配管などの表面温度を低める。放熱が必要
な場合にはフェンス,カバーなどで保温材に代わる火傷防止
処置を行う場合もある。
burn prevention,
personnel protection
5106
基準平均温度 物理的性能が温度によって変化する場合,その物理性能の測
定及びデータの表示の基準として使用される,ある選定され
た平均温度。
reference mean temperature
5107
気層,
空気層
二つの平面の間にガス又は空気を含んでいる空間。特に,空
気を含んでいる場合は,空気層ということが多い。
gas space,
air space
5108
経済的保温厚
さ
年間に発生する保温施工面からの熱損失に相当する燃料費と
保温工事に要した費用の年間償却費との合計が最小になる保
温厚さ(JIS A 9501参照)。
thermal insulating
economical thickness
5109
限界温度
(保温)材料や製品の劣化直前の最高又は最低温度。
limiting temperature
5110
建築設備
建築物を構成する常設的に組み込まれたシステム。
building equipment
5111
建築物
居住その他の調整された温度環境を必要とする人造構築物又
は建物。家屋,居住建物,商業用及び会館建築物並びに産業
用及び農業用建築物を含む。
building
5112
現場発泡断熱
材
液状で吹き付け又は注入後,そのまま発泡体となる断熱材料。
例えば,ポリウレタンフォームなどの総称(JIS A 9526参照)。
foamed-in-place insulation,
foamed in-situ insulation
5113
最高使用温度 断熱材が,必要な特性の劣化,又は危険の発生を伴うことな
く断熱材としての機能を持続する最高温度(ISO 8142参照)。
maximum service
temperature
5114
最低使用温度 断熱材が,必要な特性の劣化,又は危険の発生を伴うことな
く断熱材としての機能を持続する最低温度(ISO 8142参照)。
minimum service
temperature
5115
さねはぎ
接合方法の一種で,端面を凹凸に加工した構造。
tongue and groove key joint
5116
産業設備
工場施設,及び製造,製品の貯蔵,流体の移送などに工場・
商店などで使用する機器で,温度の調整を必要とするもの。
industrial installation
5117
参考値
受渡当事者間の協定に基づいて,特定使用条件を決めるため
の製品特性の値。
reference value
5118
強熱減量
試料を規定温度で加熱したときの減量で,有機物含有量を示
す。
ignition loss
5119
収縮率
気泡構造の破壊を伴わない発泡プラスチックの寸法の減少の
割合。発泡プラスチックは低温域で使用すると全体が縮むの
で使用時は収縮率を考慮する必要がある。
shrinkage ratio
5120
使用温度
最高使用温度を超えず,最低使用温度を下回らない温度。
service temperature
5121
ショット
鉱物の繊維化の過程で,繊維状にならなかった粒状物。
shot
5122
接着剤
断熱材,表被材などを接着によって接合することができる材
料。
adhesive
23
A 0202:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5123
宣言厚さ
製造業者が,宣言した熱性能を十分満足するものとして宣言
した断熱材料の厚さ。
注記 ISO 8142では,製品の最高使用温度及びその温度で使
用してもよい最大厚さを公表することを規定し,熱伝導
率の宣言値の決定手順を次のように規定している。製品
の使用温度範囲にある最低三つの平均温度での熱伝導
率をグラフ又は表で表す。各平均温度での熱伝導率は,
三つの試験体の平均値とする。各平均温度での宣言値を
超えてはならない。各測定値は,宣言値を15 %以上か
け離れた数値でないこととしている。
declared thickness
5124
宣言値
特定の条件及び規則によって得られた測定値を基にして,製
造業者が宣言する値。厚さ,熱伝導率などがある(JIS A 1480
参照)。
declared value
5125
操業温度
工場施設や装置で通常の操業を行う温度。
operating temperature
5126
耐着火性
吹込み用断熱材に規定レベルの放射熱を与えて試験する耐着
火性能。
ignition resistance
5127
断熱,
保温,
熱絶縁
システムからの熱移動を減少させるプロセス若しくはその機
能を果たす製品,構成又はシステムを述べるために使われる
総称。工業用では,単に保温と総称されることが多い。
thermal insulation
5128
断熱材の基材 外被材を含まないロックウール,グラスウールなどの断熱材
料。
substance of insulation
5129
断熱材,
断熱材料,
熱絶縁材,
熱絶縁材料
熱移動を少なくするための材料で化学的性質と物理的構造で
断熱性能を発揮する材料の総称。熱絶縁材の呼称は,電気絶
縁材と対比して使用される。多くは成形製品を断熱材,これ
を形作る材料を断熱材料と呼ぶが,実際には混用されている。
工業用では,保温材,保温材料,保冷材,保冷材料などと呼
ぶが,単に保温材又は保温材料と総称することが多い(5148
及び5149参照)。
thermal insulation material
5130
直角度
保温筒の長さ方向の軸に対する端末の90°からの偏差(ISO
8142参照)。
squareness
5131
等価熱伝導率 波形保温板のような材料の熱貫流抵抗値からこれと同一の厚
さの平均として求めた熱伝導率の値。
equivalent thermal
conductivity
5132
熱間収縮温度 試料を加熱容器に入れ,質量を調整したおもり板及び測定棒
を載せ,加熱炉で加熱・昇温し,測定先端の高さが試料厚さ
の10 %相当低下したときの炉内温度。人造鉱物繊維保温材に
適用される試験方法である。
temperature for 10 %
shrinkage under heat and
compression
5133
燃焼性(固体) 特定の試験条件のもとで,燃焼する材料又は製品の性質。
flammability
5134
発火促進試験 住宅用人造鉱物繊維断熱材に規定レベルの放射熱を与えて試
験する発火性能試験。
ignition test
5135
はっ水性
水を弾く性質。
water repellency
5136
無バインダ断
熱材,
無バインダ保
温材
バインダ(結合剤)なしの断熱材,保温材。
unbonded insulation
5137
引張強度,
引張強さ
引張の状態で破損する前に材料によって耐えられる最大応
力。
tensile strength
5138
標準状態
試験を行う試験片又は試料を状態調節するために規定された
温度及び湿度。
standard condition
24
A 0202:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5139
表面温度
断熱材,表被材,塗膜又は保温構造の表面温度。
surface temperature
5140
防かび性
吹込み用セルローズファイバの防かび性能。
resistance to mold
5141
吹込み断熱材 吹込み用ウールを吹込み装置によって吹き込んで施工した断
熱材。
blown insulation,
loose-fill insulation
5142
吹付け断熱材 スプレー施工した断熱材料。
sprayed insulation
5143
防水材
保温材や保冷材の吸水を防止するために使用する材料。
waterproof material
5144
防露
断熱施工において,主に0 ℃以上常温以下の物体の表面に結
露を生じさせないための処置。
dew proofing
5145
防湿材
水蒸気の透過を少なくする能力をもつ材料。
water vapour retarder
5146
防湿層
水蒸気の透過を防ぐための層。断熱材を用いたときの結露防
止に必要である。
water vapour barrier
5147
断熱製品,
保温製品
完成品では表被材又は塗装も含む最終商品としての断熱材,
保温材及び保冷材。
thermal insulation product
5148
保温材,
保温材料
保温とは常温以上,約1 000 ℃以下の物体を被覆し熱放散を
少なくすること,又は被覆後の表面温度を低下させることを
行うことをいう。保温の目的を果たすために使用される材料。
無機多孔質及び繊維質材料が使用される。工業分野で主とし
て呼称する。
hot insulation material
5149
保冷材,
保冷材料
保冷とは常温以下の物体を被覆し,侵入熱量を小さくするこ
と。又は,被覆後の表面温度を露点温度以上とし,表面に結
露を生じさせないことをいう。保冷の目的を果たすために使
用される材料。
cold insulation material
5150
マグネシア保
温材
主として炭酸マグネシアを基材として用い,補強材料として
繊維を含んでいる断熱材料。JIS A 9506 は平成2年7月1日
に廃止された。
magnesia
5151
曲げ強度,
曲げ強さ
破断に至る曲げ試験の間に,試験片に発現する最大の曲げ応
力。
flexural strength
5152
水練り保温材 補強繊維を含む粉末状の材料に水を混入して,よくかくはん
し漆くい(喰)状態で使用し,乾燥すると硬化する保温材の
総称。保温施工する表面が複雑な形状をしている場合には,
その形状に合わせて保温施工できる。
insulating cement
5153
呼び値
製品を識別するために使われる値。宣言値とは異なってもよ
い。
nominal value
5154
呼び厚さ
許容厚さを表示するとき,もとになる厚さ。
nominal thickness
5155
粒子の含有率 人造鉱物繊維から脱落し規定の網ふるい上に残ったショット
の質量と,初期の試料の質量との比。
shot content
b) 供給形状
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5201
亜鉛鉄線
亜鉛めっきを施した鉄線。断熱材の緊縛に使用され,一般に
JIS G 3532に規定されている主として太さ0.5〜2.0 mmのもの
を使用する。
galvanized steel wire
5202
亜鉛めっき鋼
板
圧延鋼板に溶融亜鉛めっきを施したもの。断熱外装材などに
使用され,一般にJIS G 3302に規定されている通常主として
厚さ0.27 mmと0.5 mmの板を使用する。
hot dip zinc-coated steel
sheet
25
A 0202:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5203
アスファルト
含浸ジュー
トテープ
一般に,JIS L 3405のヘッシャンクロス7号の片面にJIS K
2207のブローンアスファルトを含浸させたもの。埋設配管の
被覆材などに使用する。
asphalt-impregnated jute
tape
5204
アスファルト
プライマー
アスファルトを主成分とする塗剤。アスファルトシートの接
着などに使用され,一般にJIS K 5600-3-2の指触乾燥時間8
時間以下,加熱残分35 %以上,比重1.0未満で,使用前に組
成に変化を生じないものを使用する。
asphalt primer
5205
圧縮包装
呼び厚さの10 %以上圧縮した人造鉱物繊維質断熱材の包装
状態(JIS A 9521,JIS A 9504参照)。
compressed package
5206
アルミガラス
クロス
一般に厚さ0.02 mm以上のアルミニウムはく(箔)に,JIS R
3414のガラスクロスをアクリル系接着剤で接着させたもの。
屋内の断熱外装材などに使用する。略称ALGC。
aluminum laminated glass
cloth
5207
アルミニウム
板
アルミニウムを板状にしたもの。耐食性があるので腐食環境
の断熱外装材などに使用され,一般にJIS H 4000に規定され
ている主として厚さ0.4,0.6,0.8 mmの板を使用する。
aluminum sheet
5208
おけ板
直径の大きな円筒形機器類に使用する縦長の成形断熱材。次
のA,B,Cに示す三つのタイプがある。
A 平面おけ板
B 傾斜おけ板
C わん曲傾斜おけ板
lag,
segment
5208-A 平面おけ板
直径が大きい円筒状物体用で,その表面に十分に密着できる
ようになっている平板状のもの。
plain lag
5208-B 傾斜おけ板
平板状のものに近いが,一辺又は両辺の断面が,表面に対し
て傾斜しているもの。
bevelled lag
5208-C わん曲傾斜お
け板
傾斜おけ板で,表面が円筒状物体に合致するようにわん曲し
ているもの。
radius and bevelled lag
5209
塗装亜鉛めっ
き鋼板
亜鉛鉄板に工場で塗装を施したもの。現場塗装に比べて耐久
性があり,安価であるので,断熱外装材などに使用され,一
般にJIS G 3312に規定されている主として厚さ0.27〜0.5 mm
の板を使用する。
prepainted hot dip
zinc-coated steel sheet
5210
ガラスクロス ガラスの長繊維糸を平織りにした布。屋内の断熱外被材又は
外装材などに使用され,JIS R 3414に規定されている平織,
綾織などのガラスクロスを使用する(5604及び5104参照)。
glass cloth
5211
菊座
断熱材の仕上げ化粧用菊座状金物。配管の端部,バルブ接続
部の前後などに使用する。
insulation end cap
5212
きっ甲金網
亜鉛鉄線などの細い金属線をかめ(亀)の甲羅状に編んだ金
網。断熱材の固定や外装材として使用され,一般に,JIS G 3554
に規定されている網目呼称16,線径0.5 mmを使用する。
hexagonal wire mesh
5213
曲面スラブ,
曲面ボード
長辺の断面は長方形で,横断面は,普通,内径が1.5 mを超え
る弧状又は環状になった,あらかじめ成形された断熱材。こ
のような製品は,大形の配管,円形ダクト及び溶槽の保温材
として使われる。小径配管は,通常保温筒で保温。
curved slab,
curved board
5214
けい藻土れん
が(煉瓦)
主として,けい藻土で作られた焼成れんが(煉瓦)。
diatomaceous brick
5215
軽量骨材
多孔質発泡粒体で形成される骨材。
lightweight aggregate
26
A 0202:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5216
現場施工断熱
材
現場で施工する断熱,保温又は保冷性能が具備されている断
熱材。現場注入発泡ウレタンフォーム,吹込み断熱材,水練
り保温材などがある。
in site thermal insulation
product
5217
高温ばく(曝)
露断熱材
高温ガス又は高温面に直接ばく露するところに使用する断熱
材料。
hot-face insulation
5218
高真空断熱材 内部が0.1 Pa以下の真空空間になっている断熱材。空間の内
側表面は,普通,低い放射率になっている。また,内部にガ
ラス繊維製ウール,多孔材料などを装備する(5604及び5104
参照)。
high vacuum insulation
5219
サンドイッチ
パネル
しん(芯)材の断熱材を包含し,両面に板状材を張った硬質
板状材料。
sandwich panel
5220
斜接継手
エルボ,ベンド又は役物に密着するよう,切断した保温筒で
作ったジョイント。
mitred joint
5221
ステンレス鋼
板
ステンレスを板状にしたもので,耐食性があるので屋外の断
熱外装材などに使用され,一般にJIS G 4305に規定されてい
る主として厚さ0.2〜0.4 mmの板を使用する。
stainless steel sheet
5222
成形エルボカ
バー
エルボ保温材の外装材として使用される金属又は樹脂製のカ
バー。
prefabricated elbow cover
5223
成形品
保温材のボード又はカバー状に成形された成形片。
moulding
5224
積層材
製造時に相互を接着した二つ以上の材料を接着した材料。
laminate
5225
断熱耐火キャ
スタブル
適当な粒度の断熱耐火性骨材を用いた流し込み用耐火材。
insulating castable
refractory
5226
断熱れんが
(煉瓦),
保温れんが
(煉瓦)
気泡の体積比の大きなれんが(煉瓦)。
insulating brick
5227
断熱ロープ,
保温ひも(紐)
鉱物繊維でできたロープで,よ(撚)り糸又は金属ワイヤー
で,ゆるく編んだもの。
insulating rope,
rope
5228
手ま(撒)き
ウール
人力施工又は手まき用粒状繊維質断熱材。
pouring wool
5229
波形保温板
ウールに接着剤を用いて波形に折り曲げて,曲面に添うよう
に成形し,紙・布などを片面に張って仕上げたもの。
wave insulation
5230
バット
く(矩)形をしているマットの一部。大きさは通常1〜3 m程
度であり,一般に,平板状又は折り畳んで供給される。
batt
5231
ビニルテープ 防食用ポリ塩化ビニルをテープ状にしたもの。地中埋設管な
どの防食テープとして使用される。一般にビニルテープには
JIS Z 1901に規定されている厚さ0.2 mmの不粘着性が使用さ
れるが,防食用としては,厚さ0.4 mmを使用する。
vinyl tape
5232
びょう(鋲) 断熱材を風道・チャンバなどに取り付けるために用いるくぎ
(釘)。亜鉛めっき鋼板製座金に断熱材の厚さに応じた長さの
くぎを植えたもの,又は銅めっきしたスポット溶接用くぎな
どで,風道面に接着剤やスポット溶接して固定する。
rivet
5233
フェルト
ウールにバインダ(結合剤)を用いて弾力のあるフェルト状
に成形したもので,必要に応じてガラスクロス,はり合わせ
アルミニウムはく(箔)などの外被材を張り付け,又は,表
面を被覆したもの。
felt
5234
吹付け施工ポ
リウレタン
吹付け法で形成した硬質ウレタンフォーム。
sprayed polyurethane
27
A 0202:2008
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番号
用語
定義
対応英語(参考)
5235
吹込み用ウー
ル,
ばらウール
繊維状の断熱材料を小塊状又は粒状にして,吹込み装置によ
って施工する断熱材料。
blowing wool,
loose wool
5236
複合断熱材
異なった性能をもつ材料を積層した断熱材。
composite insulation
5237
複合板
2種以上の異なる材料で作り,金属,合板,パーティクルボー
ド,保温材などの個々の性能の複合でその特性を出すもの。
composite panel
5238
複合保温製品 個々の層は同一材でも異なった材料でもよい2層以上の保温
材からなる保温材の製品と接合されているもの。
composite insulation
product
5239
ブロック,
ビレット
一般に長方形の断面で,厚さが幅より極端に小さくない(断
熱)製品。英国では大きなブロックをビレットと定義する場
合もある。
block,
billet
5240
ブロック断熱
材
直方体に成形された断熱材で,厚さが他の長さに比して,あ
まり小さくないもの。
block insulation
5241
ボード
長方形状で,厚さは均一で本質的に他の寸法より小さい断面
の,硬質又は半硬質製品。
board,
slab
5242
保温化粧ケー
ス
通常,耐候処理を施したポリ塩化ビニル樹脂製,アルミ合金
製,ステンレス製などで製作された化粧ケース。屋外の冷媒
配管断熱外装材などに使用される。
insulation box
5243
保温材ずれ止
め
施工した保温材が施工後にずれないように使用する支持具。
support ring
5244
保温ジャケッ
ト
個々の形状に合わせて外装を織物,フィルム紙又は薄い金属
で作られた組込み式保温材。
insulating jacket
5245
保温帯
保温板を一定幅に切り取り,これをそろえて縦に並べ,紙,
布などの外被を片面に張って仕上げたもの(JIS A 9504参照)。
lamella products
5246
保温筒
円筒縦割り状に成形した断熱材料。外被材が付いたものもあ
る。管用断熱材料には,管の外周に取り付けることのできる
板状の軟らかい材料も含む。
pipe insulation,
pipe section,
section,
tube
5247
断熱板,
保温板
断熱材料を板状に成形したもので,必要に応じてガラスクロ
ス,はり合わせアルミニウムはく(箔)などの外被材を張り
付け,又は表面を被覆したもの。
board insulation,
sheet insulation,
slab insulation
5248
補強保温材
高温や腐食から保護するため,耐熱又は耐腐食性材で被覆さ
れた保温材。
backing insulation
5249
ポリエチレン
フィルム
ポリエチレン樹脂をフィルム状に成形したもの。住宅,冷水
管,冷温水管などの防湿層として使用され,適用される住宅
の断熱基準によって,厚さ0.1 mm以上のJIS A 6930,JIS Z
1702,若しくはJIS K 6781に適合するもの,又はこれらと同
等以上の防湿性及び気密性をもつものの使用が求められる。
polyethylene film
5250
マスチック材 保温材や保冷材の表面に防水又は防湿の目的で使用される高
粘性の塗装材。
mastic
5251
マット,
ブランケット
ロール又は平面状で供給され,表被材付きで,包んではいな
い柔軟な繊維質断熱材及び製品。
mat,
blanket
5252
マットレス,
キルト
断熱性物質を含む可とう(撓)性製品で,その片面又は両面
に外被材があるか,又は包み込まれているもの。表面材は,
布,フィルム,紙,金網,引き延ばしラス,又は同等の表面
材で,断熱材料に機械的に取り付けられている。
mattress,
quilt
28
A 0202:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5253
溝切りスラブ 硬質断熱板の表面に,三角形又はく(矩)形の断面をもつ溝
を切ったもので,曲面に取り付けるようにしたボード。
slotted slab
5254
溝付きボード 三角形,長方形又は他の断面形状の表面溝付きの(保温)製
品。
grooved board
5255
ミルボード
セルローズその他の繊維で作られた丈夫な可とう(撓)性の
板。
millboard
5256
綿布
綿糸を平織りにした布。屋内の断熱外装材などに使用され,
一般に織布質量115 g/m2で,テープ状のものが使用される。
cotton cloth
5257
木毛断熱材
バラ状木毛を接着剤で接合し,最終厚さにプレス成形した硬
質保温用製品。
wood wool slab
5258
予成形断熱材 施工相手の表面に適合するように,少なくとも一面を成形し
た断熱材。
preformed insulation
5259
粒状コルク
コルク原料,コルク木材又は裁断片を粉砕,若しくはひ(挽)
いたコルクの砕片。
granulated cork
5260
ロール
渦巻状に巻き込んだ,円筒状の形状で供給されるマット。
roll
c) 繊維系断熱材
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5301
金網補強ブラ
ンケット
片面又は両面が可とう性のメタルメッシュで覆われているブ
ランケット断熱材料。
metal mesh blanket,
wired mat
5302
ガラス繊維
溶融ガラスから連続フィラメントとして作られた繊維。一般
に補強材,薄織物又は織物に使われる。
glass fibre
5303
グラスウール ガラスを溶解し,繊維化した材料。
glass wool
5304
グラスウール
断熱材
グラスウールを用いて作られた断熱材。必要に応じて,外被
材を張り付け,又は表面を被覆したもので,板状,ロール状,
その他の形状のものがある。
glass wool insulation
5305
グラファイト
繊維
炭素がグラファイト化する温度の近傍で熱的に安定化させた
炭素繊維で作られた断熱材料。
graphite fibre
5306
鉱物ウール,
鉱物繊維
金属以外のすべての結晶性又は非結晶性の無機繊維の総称。
溶融されたロック,スラグ,ガラスから作られた毛のような
柔らかさをもつガラス質の繊維が多く用いられている。
mineral wool,
mineral fibre
5307
人造鉱物繊維 溶融岩石,スラグ,ガラス,金属酸化物又は粘土から作られ
る人工の無機繊維。
man-made mineral fibre
5308
スラグウール スラグを溶解し,繊維化した材料。
slag wool
5309
石綿繊維,
アスベスト繊
維
細いフィラメントの結晶構造をもつ,天然鉱物けい酸塩から
得られる繊維。既知の健康障害のために,平成16年10月1
日に一部シール材を除き全面的に使用禁止された。
asbestos fibre
5310
セラミック繊
維
金属酸化物又はクレーから作られた無機質繊維。
ceramic fibre
5311
セルローズ断
熱材
紙,パルプ,板紙の原料又は木材から得られる繊維質保温材。
接着剤,防燃材,その他の添加物を混入したもの及びしない
ものがある。
cellulose insulation
5312
繊維質(系)
断熱材
天然又は人工の繊維で作られた断熱材料で,綿状の柔軟さを
もつもの(グラスウール,ロックウール,セルローズ断熱材
など)。
fibrous insulation
29
A 0202:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5313
炭素繊維
炭化されて大部分炭素になっているが,まだ,熱的に安定し
ていない有機繊維でできている断熱材料。
carbon fibre
5314
軟質木質繊維
板
木質繊維に結合材を加えたり,又はなしで,加熱若しくは非
加熱プレス成形にした板。
wood fibre soft board
5315
粒状綿
塊状又は粒状になるように機械的に処理された繊維系物質。
granulated wool
5316
ロックウール 石灰及びけい酸を主成分とする鉱物を溶解し,繊維化した材
料。
rock wool
5317
ロックウール
断熱材
ロックウールを用いて作られた断熱材。一般に板状のものが
多い。
rock wool insulation
5318
木毛ウール
木を切削して繊維を開綿して綿状にした材料。
wood wool
d) 多孔質系断熱材
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5401
気泡コンクリ
ート
相当数の小気泡をもつコンクリート。
cellular concrete
5402
けい酸カルシ
ウム保温材
水和けい酸カルシウムに補強材として繊維を添加した断熱材
料。
calcium silicate
5403
けい藻土保温
材
主としてけい藻土で構成される断熱材料。粉状,粒状で得ら
れる。
diatomaceous insulation
5404
コルク
保護層を形成するコルク樹の幹から定期的に採られる材料。
コルク樹とは,(Quercus Suber L)を意味する。
cork
5405
コルク板
粒状コルクを,接着剤を用いたり又は用いないで,加熱圧着
成形した断熱材料。
cork board
5406
石こう保温材 軽量骨材を含む石こう。
insulating plaster
5407
断熱コンクリ
ート
体積比で,かなりな量の軽量骨材を含むコンクリート。
insulating concrete
5408
軽量コンクリ
ート
空気吹込み又は発泡で含気泡化したコンクリート。オートク
レーブで養生してもよい。
lightweight concrete
5409
発泡パーライ
トボード
発泡パーライト,補強繊維及び接着剤からなる板状断熱材。
expanded perlite board
5410
バーミキュラ
イト断熱材
天然の雲も(母)鉱物を加熱し,膨張又ははく離させて作っ
たものを主体とする断熱材料。
exfoliated vermiculite,
vermiculite,
vermiculite insulation
5411
パーライトプ
ラスター
発泡パーライト骨材を用いたプラスター。
perlite plaster
5412
微細気泡保温
材,
シリカエアロ
ゲル
標準大気圧下の空気分子の平均自由行程と,同程度又はそれ
以下の平均寸法の連続気孔をもつ,密な粉体又は繊維状の材
料。微細気泡保温材は,熱放射伝熱量を減らすため,不透明
材を含んでもよい。
microporous insulation,
silica aerogel
e) 発泡系断熱材
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5501
泡ガラス
ガラスを加熱溶融して発泡構造とした断熱材。
cellular glass
30
A 0202:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5502
泡状材料
その内部に多数の小室(連続でも,独立でも,又は両者が混
在していてもよい。)をもつ材料。弾性のない硬いものからス
ポンジ状の軟らかいものと用途によって種々ある。
cellular material
5503
押出法ポリス
チレンフォ
ーム
ポリスチレン又はその共重合体を押出発泡によって発泡成形
した硬質プラスチック断熱材。
extruded polystyrene foam
5504
硬質発泡プラ
スチック
プラスチック材料内に多くの気体を封じ込めた複合材料で,
ゴム弾性をもたない材料。
rigid cellular plastics
5505
可とう(撓)
性弾性発泡
体
天然若しくは合成ゴム,又は2種を混合して,発泡成形した
可とう(撓)性発泡材。
flexible elastomeric foam
5506
発泡塩化ビニ
ル樹脂
ポリ塩化ビニルペーストに低温で炭酸ガスその他のガスを溶
解し,高速でかき混ぜてガスを樹脂中に微細に分散させて発
泡クリーム状にし,硬化させた製品。
expanded polyvinyl
chloride
5507
発泡粘土
粘土を加熱発泡して泡状構造にした発泡材。
expanded clay
5508
発泡ゴム
硬質ゴム混合物を発泡成形したもの。
expanded rubber
5509
発泡スラグ骨
材
高炉スラグを発泡させた軽量骨材。
foamed slag aggregate
5510
発泡スラグコ
ンクリート
発泡スラグ骨材を含むコンクリート。
foamed slag concrete
5511
ユリアフォー
ム
ユリア樹脂からなる発泡プラスチック。
urea-formaldehyde foam
5512
発泡パーライ
ト
天然の火山性岩石から作られた粒状物で,熱によって発泡さ
せたもの。
expanded perlite,
perlite
5513
発泡プラスチ
ック
プラスチックで,その中に多数の気泡(連続でも独立でもよ
い。)を含んでいて見かけ密度が小さくなっているものの総
称。
気泡状のゴムは,発泡プラスチックに入れられることがある。
cellular plastic
5514
発泡ポリスチ
レン,
ビーズ法ポリ
スチレンフ
オーム
ポリスチレン又はその共重合体の発泡ビーズを型内で発泡成
形した硬質発泡プラスチック(JIS A 9511参照)。
expanded polystyrene,
beads method polystyrene
foam
5515
フェノールフ
ォーム
フェノールとホルムアルデヒドを縮合重合して得られるレゾ
ール樹脂及びノボラック樹脂に硬化剤,表面活性剤,発泡剤,
充てん剤などを加えて製造される硬質発泡体。
phenolic foam
5516
ポリイソシア
ヌレートフ
ォーム
主としてイソシアヌレート形の重合体からなる硬質発泡プラ
スチック。
polyisocyanurate foam
5517
ポリウレタン
フォーム,
硬質ウレタン
フォーム
ポリウレタン樹脂で独立気泡体を形成した半硬質又は硬質の
発泡系プラスチック。硬質発泡系プラスチックが断熱材とし
ては一般的である。
polyurethane foam,
rigid urethane foam
5518
ポリエチレン
フォーム
主としてエチレン共重合体を発泡成形した半硬質又は軟質発
泡プラスチック断熱材料。
polyethylene foam
f)
保温システム及び施工
番号
用語
定義
対応英語(参考)
31
A 0202:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5601
アスファルト
フェルト
アスファルトを含浸させたクラフト紙で,保温・保冷材の防水
材として使用される。
asphalt felt
5602
アルミニウム
はく(箔)
アルミニウムのはく。クラフト紙と積層することもできる。
ロール又は板状で供給される。屋内に施工される保温保冷材
の防湿材として使用される。
aluminum foil
5603
エルボ
配管の保温システムにおける,主として小半径のベンド。
elbow
5604
外装材
保温材又は保冷材の表面に施工される材料。保温材,保冷材
などの保護と化粧を兼ねて施工される。外被材(facing) を同義
に用いることも多い(5610及び5104参照)。
covering material
5605
カバー面積
(施工可能
面積)
吹込み断熱材を,定められた熱抵抗をもつのに必要な厚さに
施工したとき,一こん(梱)包の材料で施工できる面積。
coverage
5606
現場発泡保温 断熱施工面に液状でスプレー又は注入し,その場で,発泡後
硬化して,硬質断熱材を成形する保温。
foamed-in-place insulation,
foamed in-situ insulation
5607
高温面保温
高温気体又は高温表面に直接さら(曝)される保温。
hot-face insulation
5608
高真空断熱
空間の内部表面材は低放射性で,圧力が0.1 Pa未満となるよ
う空気を抜いた密閉空間で構成される断熱(5218参照)。
high-vacuum insulation
5609
産業用保温
エネルギー経済,作業者の安全,結露防止,流体を特定温度
範囲内で流動及び貯蔵する必要性などのため産業用設備に必
要な保温。
industrial insulation
5610
仕上材
保温材を機械的及び/又は防食に,又は装飾的に仕上げる硬
質,半硬質の,通常は成型板金。
cladding
5611
仕上げセメン
ト
断熱システムの最も外側の層に機能的又は装飾的な目的で施
工するためのセメント状コンパウンド。
finishing cement
5612
真空反射保温 密閉抜気空間に含まれた反射はく又はフィルムの保温システ
ム。
vacuum reflective
insulation
5613
真空粉末保温 密閉抜気空間に粉末を封入した保温システム。
vacuum powder insulation
5614
真空保温
密閉抜気空間で構成する保温システム。多孔質保温材料を含
むこともある。
vacuum insulation
5615
真空保温ジャ
ケット
外殻又はジャケット状の真空保温システム。
vacuum insulation jacket,
vacuum jacket
5616
断熱用セメン
トのカバー
容積
1) 乾(dry) − 規定量のセメントに規定された水量を加えて
成形し,一定質量になるまで乾燥したとき,規定された
厚さになるようにしたときの,施工し得る面積。
2) 湿(wet) − 規定量のセメントに規定された水量を加え,
規定された厚さに成形したとき,施工し得る面積。
covering capacity
5617
手ま(撤)き
施工
手まきウールなどの断熱材をこん包から直接手でまく作業方
法。
poured application
5618
塗装
通常,塗布,スプレー,注ぎ又はこて塗りで施工する機能又
は装飾のための表面層及びそれを施工すること。
coating
5619
熱放射遮へい 熱放射を遮へいするため,放射率の小さい材料で作られた,
一般にはシート状をしている製品。
radiation shield
5620
ハーフラップ ポリエチレンフィルムなどのテープ状のものを断熱材などに
巻く施工方法で,テープ幅の1/2を重ねて巻く。
half lap
5621
バインダ
(結合剤)
繊維状,粒状,粉末状又は他の材料を所要の姿又は形に成形
保持する結合剤。
binder
32
A 0202:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5622
反射保温材
(反射保
温)
空気層の一面又はそれ以上の面を放射率の小さい材料で覆
い,熱放射を小さくしている断熱材及びシステム。
reflective insulation
5623
吹込み施工
吹込み用ウールを吹込み装置によって,空気を用い施工する
方法。
pneumatic application
5624
吹付け保温
断熱面にスプレーして,断熱体を形成する施工方法。
sprayed insulation
5625
複合保温
少なくとも2種以上の保温材料の層の組合せ。組合せ材の保
温性能は,個々の材料の保温性能から求められる。
composite insulation
5626
多層保温
特定保温材の2層以上の組合せ。各層の厚さは異なっても可。 multilayered insulation
5627
伸縮接手
接合部において膨張や収縮による応力をなくすための動きを
許容した接手。
expansion joint
5628
保温システム 少なくとも一つは保温材料又は製品を含む二つ以上の構成材
の組合せ。システムの性能は,組合せ構成材の総合性能とな
る。
thermal insulation system,
insulation system
5629
保温複合シス
テム
空気層を設けないで,構成材相互を連結又は接着した保温シ
ステム。
thermal insulation composite
system
5630
ポリエチレン
加工紙
表面をポリエチレンで被覆した紙で表面材として使用され
る。
polyethylene coated paper
g) 品質検査(試験)及び品質管理用語
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5701
確認試験
製品がある基準の関連要求事項に連続して適合することを確
認し,工場の生産管理の有効性を評価する情報を提供するた
めに通常行われる,又は保証機関に代わって行われる一つ以
上の試験。
audit test
5702
規定試験
製品が基準のすべての関連要求事項に適合し得ることを証明
するために行う一つ以上の検査。
type test
5703
工場生産管理 製造業者又はその機関によって行われる恒久的な内部の生産
管理。工場生産管理は,出荷製品の品質を維持し,調整する
ために必要な操業技術及びすべての手段を包含する。それは,
検査及び試験,装置,原料及び成分,製造工程に関する成果
の利用,製品自体,製品規格に記載された関連要求事項に関
する配慮などで構成される。
factory production control
5704
工場生産管理
評価
工場生産管理が,工場の初期検査及び工場生産管理並びにそ
の継続的監視によって,要求に適合することを検証する公認
団体などの行動。
assessment of factory
production control
5705
サンプリング 試料を取り出す,又は構成する手順。
sampling
5706
サンプリング
単位
サンプリングの目的で,生産単位から取り出す試料量。
sampling unit
5707
試験片
試験のために用いる1試料又は試料量の部分。
test specimen
5708
状態調節
試料又は試験片を規定の温度及び湿度にする一連の操作。
conditioning
5709
初期規定試験 正規の生産開始前に,製品がある基準の関連要求事項に適合
し得ることを証明するために行う一つ以上の製品検査。
initial type test
5710
試料
生産単位の情報を得るため,また,生産単位又はそれを生産
する工程の決定の基礎となる,1生産単位から採った1以上の
管理単位。
sample
33
A 0202:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
対応英語(参考)
5711
試料数
サンプル中の試料の数。
sample size
5712
検査単位,
試料量
一連の検査を行う製品の決められた量[例えば,全サイズの
製品,ボード,ロール,一こん(梱)包など]。
item
5713
生産単位
均一であると仮定される条件下で製造又は生産された,ある
製品の一定量。
production batch
5714
製造業者定期
試験
製品が基準の関連要求事項に適合することを確認するため
に,製造業者が規定期間ごとに行う試験。
manufacturerʼs routine test
5715
適合性保証
製品が関連製品規格に適合するよう,適切な信頼性が具備さ
れていることを検証する公的認証団体の行為。
certification of conformity
関連規格 JIS A 1480 建築用断熱・保温材料及び製品−熱性能宣言値及び設計値決定の手順
JIS A 6301 吸音材料
JIS A 9501 保温保冷工事施工標準
JIS A 9504 人造鉱物繊維保温材
JIS A 9510 無機多孔質保温材
JIS A 9511 発泡プラスチック保温材
JIS A 9521 住宅用人造鉱物繊維断熱材
JIS A 9523 吹込み用繊維質断熱材
JIS A 9526 建築物断熱用吹付け硬質ウレタンフォーム
JIS K 7220 硬質発泡プラスチック−圧縮特性の求め方
JIS Z 8113 照明用語
JIS Z 8202-0 量及び単位−第0部:一般原則
JIS Z 8202-1 量及び単位−第1部:空間及び時間
JIS Z 8202-2 量及び単位−第2部:周期現象及び関連現象
JIS Z 8202-3 量及び単位−第3部:力学
JIS Z 8202-4 量及び単位−第4部:熱
JIS Z 8202-5 量及び単位−第5部:電気及び磁気
JIS Z 8202-6 量及び単位−第6部:光及び関連する電磁放射
JIS Z 8202-7 量及び単位−第7部:音
JIS Z 8202-8 量及び単位−第8部:物理化学及び分子物理学
JIS Z 8202-9 量及び単位−第9部:原子物理学及び核物理学
JIS Z 8202-10 量及び単位−第10部:核反応及び電離性放射線
JIS Z 8202-12 量及び単位−第12部:特性数
JIS Z 8202-13 量及び単位−第13部:固体物理学
ISO 8142 Thermal insulation−Bonded preformed man-made mineral fibre pipe sections−
Specification
34
A 0202:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書A
(参考)
熱伝導率の概念
序文
この附属書は,熱伝導率の概念について記載するものであって,規定の一部ではない。
A.1 一般
この附属書では,熱伝導率の概念について厳密な数学的取扱いを述べる。
A.2 P点における温度こう(勾)配grad T (Thermal gradient grad T at a point P)
P点における温度こう配とは,P点を含む等温面に垂直な方向nに向かうベクトルである。その大きさ
は,温度差を垂直線nに沿ったP点からの距離で除した値で,この方向の単位ベクトルをneで示すと,式
(A.1)となる。
grad T×
ne =
n
T
∂
∂ ·································································· (A.1)
ここに,
grad T: 温度こう配 (K/m)
ne: 単位ベクトル,単位距離における温度差
∂T: 温度差 (K)
∂n: 垂直線nに沿ったPからの距離 (m)
A.3 P点における熱流量(面)密度q(ある面を通して熱が移動しているとき)[(surface) density of heat flow
rate, q, at a point P]
これは式(A.2)となる。
P
=dA
d
q
φ
············································································· (A.2)
ここに,
q: 熱流量(面)密度 (W/m2)
φ
d: P点における熱流量 (W)
dA: 面積 (m2)
熱伝導が生じているとき,各点における熱伝導による熱の移動を取り扱う場合は,qの値は面の向きに
よって異なる(すなわち,面のP点における法線方向及びその面積A)。次に面の向きを次第に変えるとP
点において,qが最大になる方向nと面積Anが得られる。このときのqは,ベクトルqで示され,式(A.3)
となる。
n
P
e
dA
d
q
×
=
φ
······································································· (A.3)
ここに,
q: P点における法線sに対するベクトル伝熱束(熱流量)(W/m)2
φ
d:
dA:
熱流量 (W)
P点を含む面積 (m2)
ne: 単位ベクトル
35
A 0202:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ベクトルqは,“伝熱束密度”(thermal flux density) と呼ばれる(“熱流束密度”heat flux densityではない。)
もので,伝熱束 (thermal flux) と熱流量 (heat flow rate) とが熱伝導の場合には一致する。qが宣言できな
いとき(対流及び多くの熱放射の場合),単に“熱流量” (heat flow rate) 及び“熱流量密度” (density of heat
flow rate) という語だけが用いられなければならない。
A.4 P点における熱伝導比抵抗r (Thermal resistivity, r, at a point P)
これは,フーリエの法則によって,P点のベクトルqからP点におけるgrad Tの計算を行うときに用い
られる量である。最も簡単な場合(熱的等方性の場合)は,grad Tとqが平行で反対方向を向いていると
きで,rは,各点においてgrad Tとqを関係付ける比例定数として定義され,式(A.4)となる。
grad T
q
r×
−
=
········································································ (A.4)
ここに, grad T: 温度こう配 (K/m)
r: 熱伝導比抵抗 (m・K/W)
q: P点における熱流量 (W/m2)
このとき,rはまた,s方向のgrad Tとqの成分の間の比例定数であって,sの方向に無関係である。
最も一般化された状態(熱的等方性物質又は不等方性物質でも)grad T及びqの三方向の成分の間には
線形の関係がある。したがって,熱伝導比抵抗rは,9個の成分からなるテンソル [rρρ] と考えられ,式(A.5)
となる。
grad T
q
r×
−
=
]
[
······································································· (A.5)
ここに, grad T: 温度こう配 (K/m)
[rρρ]: 熱伝導比抵抗 (m・K/W)
q: P点における熱流量 (W/m2)
熱伝導比抵抗r又は [rρρ] が場所と時間とに対して一定であれば,この値を,ある温度における熱特性と
考えて差し支えない。
A.5 P点における熱伝導率λ (Thermal conductivity, λ, at a point P)
これは,P点におけるベクトルgrad Tから,P点におけるベクトルqを求めるときに用いられる量で,r
との積は1,又は,単位テンソルとなる。qとgrad Tとが平行で方向が反対であれば,式(A.6)となる。
T
q
grad
λ
−
=
········································································· (A.6)
ここに,
q: P点における法線sに対するベクトル(W/m2)
λ: 熱伝導率 [W/(m・K)]
grad T: 温度こう配 (K/m)
熱伝導比抵抗の場合と同様に,熱伝導率は,最も一般化された場合には,qを決めるgrad Tの線形式の
九つの成分からなるテンソル [rρρ] であり,式(A.7)となる。
T
q
grad
λρρ
−
=
········································································· (A.7)
ここに,
q: P点における法線sに対する熱流量 (W/m2)
36
A 0202:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
λρρ: 熱伝導率 [W/(m・K)]
grad T: 温度こう配 (K/m)
[λρρ] は [rρρ] を変換して求められ,逆に [rρρ] は [λρρ] を変換して求められる。熱伝導率λ又はλρρが場所
と時間とに対して一定であれば,この値は,ある温度における熱特性と考えて差し支えない。
熱伝導率は,温度及び方向(非等方性物質)によって変化することがある。このときは,これらのパラ
メータとの間の関係を知らなければならない。
温度T1とT2との平行な二平面で限られている物体を考え,その厚さがd,平面の面積をAとしよう。物
体の小口部分は,平面に垂直で,断熱されていると考える。構成物質が安定,かつ,均質で,等方性(平
行面に対して垂直な軸に対して対称的な非等方性は可)である場合は,熱伝導率λ若しくは[λρρ] ,又は,
熱伝導比抵抗r若しくは,[rρρ] が温度によらないという条件のもとに,定常状態におけるフーリエの法則
から導かれ,式(A.8)及び式(A.9)になる。
R
d
T
T
A
d
r
=
−
=
=
)
(
1
2
1
φ
λ
····························································· (A.8)
d
r
d
T
T
A
R
×
=
=
−
=
λ
φ
)
(
2
1
························································· (A.9)
ここに,
λ: 熱伝導率 [W/(m・K)]
r: 熱伝導比抵抗 (m・K/W)
d: 厚さ (m)
φ: 熱流量 (W)
A: 平面の面積 (m2)
R: 熱抵抗 (m2・K/W)
T1,T2: 平面1と反対側の平面2のそれぞれの温度 (K)
上記の条件のうち,λ又は [λρρ] が温度の一次関数である場合は,式(A.8) 及び式(A.9) は成立し,熱伝
導率の値は,平均温度Tm= (T1+T2) /2における値となる。
同様に,もし,物体が長さl,内径と外径がDiとDeとの円筒の場合,内面と外面は,それぞれ均一な
T1及びT2の温度をもっているものとする。円筒の端部は,軸に垂直で断熱されており,構成物質は,安定
及び均質で等方性ならば,定常状態のもとでは,熱伝導率λ又は熱伝導比抵抗rが温度によらないときに
限り,フーリエの法則から導かれ,式(A.10)及び式(A.11)になる。
R
D
D
D
T
T
l
D
D
r
i
e
2
1
i
e
ln
2
)
(
2
ln
1
×
=
−
=
=
π
φ
λ
················································(A.10)
i
e
i
e
2
1
ln
2
ln
2
1
)
(
D
D
rD
D
D
D
D
l
T
T
R
×
=
×
×
=
×
×
×
−
=
π
φ
π
·······················(A.11)
ここに,
λ: 熱伝導率 [W/(m・K)]
r: 熱伝導比抵抗 (m・K/W)
d: 厚さ (m)
φ: 熱流量 (W)
A: 平面の面積 (m2)
R: 熱抵抗 (m2・K/W)
37
A 0202:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
T1,T2: 平面1と反対側の平面2のそれぞれの温度 (K)
ただし,Dは,内径,外径,又は,他の定められた直径でもかまわない。
もし上記の条件のうち,熱伝導率λが温度の一次関数の場合は,式(A.10) 及び式(A.11)は成立し,熱伝
導率は,平均温度Tm= (T1−T2) /2のときの値となる。
上記のような諸制限を満足するとして,式(A.8) 及び式(A.10)は均質不透明物質の平均温度Tmにおける
熱伝導率を求める方法として普通に用いられている。
式(A.8) 及び式(A.10)は,また,多孔性物質の測定値から,その熱特性を求める場合にも利用されている。
このとき,熱特性は,放射,熱伝導及び対流が関係して非常に複雑になり,測定値には,これらの要素が
すべて関係しているが,この場合も,熱伝導率(ときには“見掛けの”又は“相当”と加えられる場合が
ある。)という語が用いられる。ただし,孔が均等に分布している物質に対して,測定値が,試験体の大き
さ,試験体表面の放射率及び温度差 (T1−T2) に無関係であることが必す(須)の条件である。
このような条件が満足されていない場合は,ある形状の試験体について温度差 (T1−T2) 及び表面の放射
率が与えられた状態での熱特性として,面熱抵抗を用いなければならない。
38
A 0202:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書B
(参考)
厚さと熱抵抗の関係(多孔断熱材)
序文
この附属書は,厚さと熱抵抗の関係の概念について記載するものであって,規定の一部ではない。
B.1
一般
この附属書は,断熱材の内部における熱放射を含めた熱伝導率の概念を理解しやすくするために補足す
るものである。
ゾーン○
A (d<d∞): ∆d/∆Rの比は一定ではない。λtは測定できない。熱移動係数τは,実
験の条件によって決まるので,材料固有の性能ではない。
ゾーン○
B (d>d∞): ∆d/∆Rの比は一定である。熱トランスミッシビティλtは,実験条件に
は無関係な材料固有の性能であって,測定できる。この場合,λrとλcd
は,材料の性能であるから,これらも決めることができ,λt=λcd+λr
と書くことができる。しかし,τ =d/Rは,dがd∞に近いときは厚さd
に無関係ではない。P点を参照。τ =λtは,d≫d∞のときだけ起こる。
図B.1−厚さと熱抵抗の関係(多孔断熱材)
39
A 0202:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書C
(参考)
断熱の概念
序文
この附属書は,断熱の概念について記載するものであって,規定の一部ではない。
C.1 一般
この附属書は,断熱の概念を補足するものである。断熱材料とは,部材の表面又は内部に設置された場
合,その部材を通して流れる熱量を少なくするための製品をいう。部材が使用されるときの仕様が定めら
れている場合だけ,数値の限界を定めることができる(注記参照)。
断熱の概念は,熱流量がある程度を超えて望ましくないときに,これを制御しようという概念と関連を
もっている。
ある場合には,断熱計画という作業は,他の目的のために行われる材料やシステムの計画と一緒に行わ
れる。例えば,建物の構造体としての壁は,それ自身で断熱の目的を果たすこともある。
多くの場合には,構造体だけでは断熱性能を満たすには不十分で,断熱性能を満たすには別に断熱材料
を加えなければならない。
断熱システムの概念は,非断熱システムの反対としては定義できない。単に,非断熱システムに比して
非常に熱流量を少なくしたという直観的な概念であると考えられる。
以上の定性的な概念は,次の二つの条件を含んでいる。
a) システムの本来の熱抵抗と,加えられた断熱材料の熱抵抗を加えたものとは,計画した断熱の限界値
を上回るものである。
b) 付加する材料は,高い断熱性をもつ。
注記 建築物に用いられる断熱材は,常温で,0.065 W/ (m・K) 以下の熱伝導率をもち,しかも,0.5 (m2・
K) /W以上の熱抵抗をもつものと考えられる。
40
A 0202:2008
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JA
(参考)
水蒸気拡散抵抗係数の概念
序文
この附属書は,水蒸気拡散抵抗係数の概念について記載するものであり,規定の一部ではない。
JA.1
一般
この附属書は水蒸気拡散抵抗係数の特長とその有用な実際の使い方について例を用いて説明するもので
ある。壁体の内部結露の検討などにも用いられる。
ある建築材料の水蒸気拡散抵抗係数μは,次の式で定義される。
a
pa
δ
δ
μ=
··············································································· (JA.1)
ここに,
δpa: 空気の水蒸気基準透湿率
δa: 材料の水蒸気基準透湿率
したがって,μは無次元。
例として,
空気
: 1
コンクリート(1 800 kg/m3) : 100
アルミニウム
: ∞
EPS : 60
押出し発泡スチレン
: 150
実用にはSd値が使用される。Sd値は材料の透湿抵抗を表すための値で,材料のもつ透湿抵抗と同じだけ
の透湿抵抗をもつ空気層の厚みになる。Sd値=水蒸気拡散抵抗係数[μ値(−)×材料の厚さ(m)]であ
る。表面にある塗料や壁紙,シートなど,熱の流れには影響がないが,湿気の流れを妨げる材料に使用さ
れる。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書JB
(参考)
JISと対応する国際規格との対比表
JIS A 0202 : 2008 断熱用語
ISO 7345 : 1987,Thermal insulation−Physical quantities and definitions
ISO 9229 : 1991,Thermal insulation−Materials, products and systems−
Vocabulary
ISO 9251 : 1987,Thermal insulation−Heat transfer conditions and properties of
materials−Vocabulary
ISO 9288 : 1989,Thermal insulation−Heat transfer by radiation−Physical quantities
and definitions
ISO 9346 : 1987,Thermal insulation−Mass transfer−Physical quantities and
definitions
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際規格
番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び名称
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1適用範
囲
建築及び工業用設
備の断熱に関する
物理量,断熱材に関
する主な用語及び
その定義について
規定する。
ISO 7345
ISO 9251
ISO 9346
ISO 9288
ISO 9229
1
1
1
1
1
断熱の分野における物理
量に関する用語の定義及
び単位を規定する。
熱の移動条件に関係する
用語の定義と断熱材の特
性に関する用語の定義を
規定する。
断熱に関する物質移動の
分野に使用される用語の
定義を規定する。
放射による熱移動の分野
における用語の定義を規
定する。
断熱分野における原料,
断熱材及び外装材などの
副資材に関する用語の定
義を規定する。
追加
追加
追加
追加
追加
JISの適用範囲は,ISO規格で
は定義されていない保温・保冷
工事の施工に関する用語を追
加し,建築及び工業用設備の断
熱に関する用語としてISO規
格の適用範囲をより広げた。
ISO規格の今後の改正動向を見て
ISOへの提案も将来的には考慮し
ていく。
4
1
A
0
2
0
2
:
2
0
0
8
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際規格
番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び名称
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
2引用規
格
3 用語の
分類
用語を五つのカテ
ゴリに分類した。
ISO 7345
ISO 9251
ISO 9346
ISO 9288
ISO 9229
−
追加
分かりやすくするため項目を
追加した。
実質的な技術的差異はない。
4表記方
法
用語欄,定義欄及び
対応英語欄の表記
用法について説明。
ISO 7345
ISO 9251
ISO 9346
ISO 9288
ISO 9229
−
追加
分かりやすくするため項目を
追加した。
実質的な技術的差異はない。
5用語の
定義
5.1基本
用語
ISO規格にある17
の用語を翻訳して
定義し,更にJISと
して6の用語を定義
した。
ISO 7345
2, 3
ISO規格では17の用語を
定義
追加
JISとして必要な用語の追加。
追加の用語は点線の下線を付
与して区別した。
JISとして追加した用語は,ISOへ
の提案を検討する。
5.2熱移
動条件及
び材料の
特性に関
する用語
ISO規格にある17
の用語を翻訳して
定義し,更にJISと
して5用語を定義し
た。
ISO 9251
2, 3
ISO規格では17の用語を
定義
追加
JISとして必要な用語の追加。
追加の用語は点線の下線を付
与して区別した。
JISとして追加した用語は,ISOへ
の提案を検討する。
5.3物質
移動に関
する用語
ISO規格にある36
の用語を翻訳して
定義し,更にJISと
して21の用語を定
義した。
ISO 9346
2, 3
ISO規格では36の用語を
定義
追加
JISとして必要な用語の追加。
追加の用語は点線の下線を付
与して区別した。
JISとして追加した用語は,ISOへ
の提案を検討する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(Ⅰ)JISの規定
(Ⅱ)
国際規格
番号
(Ⅲ)国際規格の規定
(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容
(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策
箇条番号
及び名称
内容
箇条番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5.4熱放
射による
熱移動に
関する用
語
ISO規格にある61
の用語を翻訳して
定義し,更にJISと
して8の用語を定義
した。
ISO 9288
3, 4
ISO規格では61の用語定
義
追加
JISとして必要な用語の追加。
追加の用語は点線の下線を付
与して区別した。
JISとして追加した用語は,ISOへ
の提案を検討する。
5.5材料,
製品及び
システム
用語
ISO規格にある105
の用語を翻訳して
定義し,更にJISと
して115の用語を定
義した。
ISO 9229 3
材料,製品及び断熱シス
テムに関する用語の定義
追加
JISとして必要な用語の追加。
追加の用語は点線の下線を付
与して区別した。
JISとして追加した用語は,ISOへ
の提案を検討する。
附属書A
(参考)
附属書B
(参考)
附属書C
(参考)
附属書
JA
(参考)
熱伝導率の概念に
ついて解説
厚さと熱抵抗の関
係(多孔断熱材)に
ついて解説
断熱の概念につい
て解説
水蒸気拡散抵抗係
数の概念について
解説
ISO 7345
ISO 9288
ISO 9229
Annex
Figure 4
Figure 1,
2, 3及び
Table 1
Annex A
Figure 1〜3及びTable 1が
用語の説明資料として掲
載
一致
一致
削除
一致
追加
英文を翻訳して平易に解説し
た。
英文を翻訳して図の理解を平
易にして解説した。
厚さ(熱抵抗の関係における用
語が多数のため附属書B(参
考)とした。
用語の定義から削除
英文を翻訳して平易に解説し
た。
建物の壁体の内部結露は無視
できない断熱理論上の問題で
ある。
建築材料の水蒸気拡散抵抗係
数の概念を平易に解説した。
ISO規格の改正動向に対応を考慮
する。
ISO規格の改正動向に対応を考慮
する。
用語の定義の詳細説明のレベルを
合わせた。ISO規格の改正動向によ
って再検討する。
ISO規格の改正動向に対応を考慮
する。
ISO規格の改正動向によって,今後
追加を提案するか検討する。
ISO規格で用語を定義しているが
特に取り上げて理解を容易にする
ために追加。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 7345:1987,ISO 9251:1987,ISO 9346:1987,ISO 9288:1989及びISO 9229:1991:MOD
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 一致 ················ 技術的差異がない。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD················ 国際規格を修正している。
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