2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
A 0005-1966
建築用開口部構成材の
標準モデュール呼び寸法
Standard Nominal Size of Opening Components for Buildings
1. 適用範囲 この規格は,一般建築用開口部構成材(木製建具,金属製サッシおよびドアーなど)の標
準となるモデュール呼び寸法について規定する。
2. 開口部構成材の種類 開口部構成材は,つぎの2種類に分類する。
(1) 1種開口部構成材 あらかじめわくと建具が製作,調整されており,現場取付けの際,1個の構成材と
して扱うことができるものをいう。
参考1
現場取付け以前に組立てられる連窓や段窓などは1個の構成材である。
2
現場取付けの際に必要な方立,無目などの接合用部材を,異種の構成材として扱うことがで
きる(例3参照)。
(2) 2種開口部構成材 すでに現場に取付けられているわくにかわる機能をもつ他の構成材などに,現場
で調整することにより直接取付けられる建具類をいう。
参考3
ここで,わくにかわる機能をもつ構成材などとは,通常柱,敷居,かもいなどの場合が多い。
3. 開口部構成材の基準面
3.1
1種開口部構成材の基準面は,わくが他の構成材との接合に要する調整面に対して,JIS A 0004(建
築のモデュール割りの原則)の5.に規定する位置公差P,構成材の寸法公差t,構成材の組み合わせに必要
な部分の寸法gを考慮して,つぎのように設定する。
(1) 水平方向の接合に関する両側の調整面に対して,それぞれ基準面を定める。
(2) 垂直方向の接合に関する上下の調整面に対して,それぞれ基準面を定める。
(3) 見込方向の接合に関する両側の調整面に対して,それぞれ基準面を定める。
(4) 基準面と調整面の位置関係は,JIS A 0004の3.2の分類により,原則として表1のようにする。
表1
接合の方向
JIS A 0004の3.2の分類
備考
水平方向
(1)
垂直方向
(1)
(3)
見込方向
(2)
g=0としてよい。
参考4
JIS A 0004の3.2の抜すい。
基準面と調整面の関係は大別すると,つぎの3種類がある。
2
A 0005-1966
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(5) 調整面は普通最大外形における面であるが,接合に関係のない水切,雨仕舞,開閉作動などのための
突出部は除外する(例1参照)。
(6) 接合の方式の必要によっては,最大外形面以外のところに調整面をとることができる(例2参照)。
(7) 見込方向の接合に関する調整面が片側だけにある場合は,基準面も片側にだけ定めてよい。
例1
(巻末添付)
例2
(巻末添付)
例3
(巻末添付)
例4
(巻末添付)
例5
(巻末添付)
3.2
2種開口部構成材の基準面は,1個または1組の建具類が他の構成材との建付けに要する調整面に対
して,つぎのように定める。
(1) 基準面を設定すべき調整面は,3.1に準ずる。
(2) 基準面と調整面の位置関係は,原則としてJIS A 0004の3.2の分類により表2のようにする(3.1の参
考4参照)。
表2
建具類の形式
接合の方向
JIS A 0004の3.2の分類
備考
引き戸類
水平方向
(2)
(3)
P=0
g=0 としてよい
垂直方向
(1)
(3)
P=0
見込方向
(1)
(2)
P=0 としてよい
開き戸類
水平方向
(1)
垂直方向
(1)
見込方向
(1)
(2)
g=0 としてよい
例6
(巻末添付)
3.3
基準面間には,5.に示すモデュール呼び寸法を適用する。ただし,2種開口部構成材については,わ
くにかわる構成材を明確に指示する場合に限り,周囲の構成材を含めて組立基準線を設けて,それにモデ
ュール呼び寸法を適用することができる(例6参照)。
3.4
1種開口部構成材におけるJIS A 0004の5.に規定するp,t,gは,原則としてつぎのように定める。
P=公差2mm t=公差4mm g=公差5mm
この場合,モデュール呼び寸法に対する最大減少値Dmax,最小減少値Dminはつぎのとおりとする。
Dmax=10mm Dmin=6mm
3
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備考 gを5mm以外の寸法にする場合は,明示しなければならない。
3.5
開口部構成材の組立位置の指示は,接合方向に対し1個の基準面により行なう。
4. 寸法の表示 開口部構成材の寸法は,つぎにより表示しなければならない。
(1) モデュール呼び寸法 水平方向W,垂直方向H,見込方向T
(2) モデュール呼び寸法に対する最大および最小減少値 (Dmax, Dmin)
(3) 取付けに必要な最小寸法 (g)
5. 標準モデュール呼び寸法 開口部構成材の標準モデュール呼び寸法は,表3のとおりとする。
4
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例1 ワク付建具(鋼製引違い窓)
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例2 ワク付建具(軽金属製引違い戸)
備考 a,b,cを明示しなければならない。
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例3 ワク付建具(軽金属製片引窓)
備考 aを明示しなければならない。
7
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例4 ワク付建具(軽金属製片開き窓)
備考 aを明示しなければならない。
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A 0005-1966
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
例5 ワク付建具(木製片開き戸)
備考 aを明示しなければならない。
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例6 ワク無し建具(木製引違い戸)
備考 a,b,cを明示しなけれはならない。
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A 0005-1966
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表3
備考1. 図中,標準寸法は
内のみ。
2. 図中の番号は適用対象になるゾーンを示すもので,開口部の方式(たとえば引違いサッシ)その他,開口部構
成材を一つのグループに分類して,その寸法の適用範囲を指示する際に用いるものである。
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A 0005-1966
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建築部会 建築用開口部構成材の標準寸法専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
池 辺 陽
東京大学生産技術研究所
図 師 嘉 彦
図師建築事務所
酒 井 勉
武蔵工業大学建築学科
波多野 一 郎
千葉大学工学部建築学科
内 田 祥 哉
東京大学工学部建築学科
寺 田 秀 夫
現代建築研究所
広 瀬 鎌 二
広瀬建築事務所
横 山 正 彦
建設省営繕局建築課
三 宅 俊 治
建設省住宅局建築指導課
青 江 喜 一
文部省教育施設部工営課
本 間 正 直
建設省関東地方建設局
樋 田 力
大成建設株式会社
田 中 正 孝
日本電信電話公社施工課
津 川 正
日本住宅公団設計課
中 川 友 夫
日本住宅公団量産試験場
小 松 茂 雄
日本サッシ協会
森 田 静 泓
軽金属協会
(事務局)
田 村 尹 行
工業技術院標準部材料規格課
藤 田 富 男
工業技術院標準部材料規格課