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Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。これによって JIS Z 9015 : 1980 は廃止され,この規格に置き換えられる。

今回の制定は,国際規格に整合させるために,ISO 2859-0 : 1995 を基礎として用いた。

JIS Z 9015 : 1999

は,一般名称を“計数値検査に対する抜取検査手順”として,次の各部によって構成

される。

−第 0 部:JIS Z 9015 抜取検査システム序論

−第 1 部:ロットごとの検査に対する AQL 指標型抜取検査方式

−第 2 部:孤立ロットの検査に対する LQ 指標型抜取検査方式

−第 3 部:スキップロット抜取検査手順


Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

(1) 

目次

ページ

序文

1

1.

  総論

1

1.1

  適用範囲

1

1.2

  引用規格

1

1.3

  定義

2

2.

  合否判定抜取検査の全般的序論

2

2.1

  抜取検査のねらい

2

2.2

  合否判定抜取検査

3

2.3

  計数値検査及び計量値検査の選択

4

2.4

  ロット検査

4

2.5

  連続ロット又は孤立ロットの検査

5

2.6

  AQL(合格品質水準)

6

2.7

  工程平均

7

2.8

  LQ(限界品質)

7

2.9

  なみ検査及びきつい検査

7

2.10

  ゆるい検査

8

2.11

  切替えルール

8

2.12

  AOQ(平均出検品質)及び AOQL(平均出検品質限界)

9

2.13

  アイテム;製品の単位

10

2.14

  不適合及び不適合品

11

2.15

  致命的不適合

14

2.16

  検査の打切り

16

2.17

  不合格ロットの処置

17

2.18

  1 回抜取検査

18

2.19

  OC(検査特性)曲線

18

2.20

  2 回抜取検査

20

2.21

  多回抜取検査

21

2.22

  逐次抜取検査

21

2.23

  スキップロット抜取検査

22

2.24

  1 回,2 回,多回及び逐次抜取検査の比較

22

2.25

  サンプルの抜取り

26

2.26

  抜取(検査)方式,抜取検査スキーム及び抜取検査システム

30

2.27

  分布の特性(2 項分布,ポアソン分布及び超幾何分布)

31

3.

  JIS Z 9015-1 抜取検査システム

31

3.1

  JIS Z 9015-1 の記述

31


Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

目次

(2) 

3.2

  JIS Z 9015-1 使用のための関連規定の準備

33

3.3

  不適合及び不適合品のクラス分け

33

3.4

  ロット

37

3.5

  検査水準の意味

39

3.6

  検査水準の決め方

40

3.7

  AQL の優先値

43

3.8

  AQL の非優先値

44

3.9

  AQL の決め方

45

3.10

  JIS Z 9015-1 の付表からの抜取方式の見出し方

47

3.11

  なみ検査

49

3.12

  きつい検査

54

3.13

  切替えルール

54

3.14

  抜取検査の危険率の減少法

55

3.15

  ゆるい検査

57

3.16

  2 回及び多回抜取方式

60

3.17

  限界品質及び孤立ロット

62

3.18

  サンプルサイズ

63

3.19

  OC 曲線

63

3.20

  AOQL の

64

3.21

  ノモグラフ

65

3.22

  所管権限者

67


日本工業規格

JIS

 Z

9015-0

: 1999

 (I

2859-0

: 1995

)

計数値検査に対する抜取検査手順−

第 0 部:JIS Z 9015

抜取検査システム序論

Sampling procedures for inspection by attributes

Part 0 : Introduction to the JIS Z 9015 attribute sampling system

序文  この規格は,1995 年に第 1 版として発行された ISO 2859-0, Sampling procedures for inspection by

attributes

−Part 0 : Introduction to the ISO 2859 attribute sampling system を基礎として作成した日本工業規格

である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。

1.

総論

1.1

適用範囲

この規格は,合否判定抜取検査に使用する用語について説明し,いろいろな抜取検査スキームや抜取検

査方式について説明し,抜取検査についての実務的助言を与え,また理論的観点からある程度議論する。

2.

では,特に JIS Z 9015-1ISO 2859-2ISO 2859-3 及び ISO 8422 に与えてある計数値抜取検査のため

の抜取検査手順及び表を引用して,合否判定抜取検査についての全般的な情報を与える。

3.

では,2.に与えられた合否判定抜取検査に対する序論を拡張し,JIS Z 9015-1 に含まれる序論的内容及

びインストラクションを補足し,JIS Z 9015-1 抜取検査システムを構成する抜取検査法の使用を助けるた

めに詳細なコメント及び例を与える。

参考  従来の JIS 抜取検査規格体系は,ISO 抜取検査規格体系と大幅に異なっている。国際整合性改

善のため,JIS 抜取検査規格のうち JIS Z 9002JIS Z 9004(規準型抜取検査)及び JIS Z 9009

JIS Z 9010(逐次抜取検査)は順次改正を予定している。また,JIS Z 9001(抜取検査通則)

JIS Z 9006

(選別型抜取検査)

JIS Z 9008(連続生産型抜取検査)及び JIS Z 9011(調整型抜取

検査)は廃止を予定している。この規格の 2.は,JIS Z 9001 と不整合な部分が多いが,JIS Z 9001

の廃止以前でも不整合な部分に対しては,この規格の内容を優先的に適用する(

解説参照)。

1.2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,発効年(又は発行年)を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を

構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年(又は発行年)を付記していない

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS Z 9015-1

  計数値検査のための抜取検査手順−第 1 部:ロットごとの検査に対する AQL 指標型抜


2

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

取検査方式

備考  ISO/DIS 2859-1.2 : 1997, Sampling procedures for inspection by attributes−Part 1 : Sampling plans

indexed by acceptable quality level (AQL) for lot-by-lot inspection

が,この規格と一致してい

る。

JIS Z 9015-2

  計数値検査に対する抜取検査手順−第 2 部:孤立ロットの検査に対する LQ 指標型抜取

検査方式

備考  ISO 2859-2 : 1985, Sampling procedures for inspection by attributes−Part 2 : Sampling plans

indexed by limiting quality (LQ) for isolated lot inspection

が,この規格と一致している。

JIS Z 9015-3

  計数値検査に対する抜取検査手順−第 3 部:スキップロット抜取検査手順

備考  ISO 2859-3 : 1991, Sampling procedures for inspection by attributes−Part 3 : Skip-lot sampling

procedures

が,この規格と一致している。

JIS Z 8101-1

  統計−用語と記号−第 1 部:確率及び一般統計用語

備考  ISO 3534-1 : 1993, Statistics−Vocabulary and symbols−Part 1 : Probability and general statistical

terms

からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS Z 8101-2

  統計−用語と記号−第 2 部:統計的品質管理

備考  ISO 3534-2 : 1993, Statistics−Vocabulary and symbols−Part 2 : Statistical quality control からの引

用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS Z 9009

  計数値検査のための逐次抜取方式

備考  ISO 8422 : 1991, Sequential sampling plans for inspection by attributes と 1993 年に発行された

Technical Corrigendum 1

によって修正したものが,この規格と一致している。

JIS Z 9010

  計量値検査のための逐次抜取方式(不適合品パーセント,標準偏差既知)

備考  ISO 8423 : 1991, Sequential sampling plans for inspection by variables for percent nonconforming

(known standard deviation)

が,この規格と一致している。

ISO 3951 : 1989

  Sampling procedures and charts for inspection by variables for percent nonconforming

ISO 8422 : 1991

  Sequential sampling plans for inspection by attributes

ISO /TR 8550 : 1994

  Guide for the selection of an acceptance sampling system, scheme or plan for inspection

of discrete items in lots

1.3

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 9015-1JIS Z 9015-3JIS Z 8101-1JIS Z 8101-2

及び JIS Z 9009 による。

2.

合否判定抜取検査の全般的序論

2.1

抜取検査のねらい

合否判定抜取検査の大きなねらいは,相互に合意した水準以上の品質で生産者がロットを提出している

ことを確かめ,合格可能な品質のロットを消費者が受け入れられるようにすることである。

品質水準が消費者にとって合格可能なことを保証するために,これらの抜取検査手順を生産者が使用す

ることもできる。これらのすべての手順において,財政的資源が無制限ではないことを認識する必要があ

る。品物のコストには,生産コストと同様に検査コストをも反映せざるを得ないからである。

品質に対する責任が生産者側にあることを明確にするようにシステムが工夫されていることを確かめる

のに真の努力を払うことが望ましい。検査は,品質に対する責任を生産者から検査員へ転稼するように見

せかけることがある。生産に起因する不具合を検査で後始末し,品物を選別して限界内に納めるようにす


3

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

るために検査があるという考え方をもっていれば,このような転稼はいつでも起こり得る。こういう考え

方は全くの見当違いで,消費者及び生産者に困難な作業,高いコスト及び不満足な品質という結果を招き

がちである。もし生産者が品質を作り込まなかった場合,検査員は品質を作り込む手段をもたないのであ

る。

2.2

合否判定抜取検査  合否判定抜取検査には,品質に対する責任がどこにあるか,すなわち,生産者

にあるということを公正かつ明確に示すというメリットがある。検査員は,もはや物を選別するための人

員とみなされることはない。製品品質が妥当であることは,生産者が確かめる必要がある。そうでなけれ

ば,不合格ロットのために多くの面倒と出費が起こるであろう。抜取検査は,消費者に検査作業の低減,

コストの低下及び良い品質をもたらし得るし,またそうするべきである。

JIS Z 9015-1

JIS Z 9015-2JIS Z 9015-3 及び JIS Z 9009 に与えてある抜取検査スキームには,不満足

な製品を合格とする危険率(消費者危険)及び満足な製品を不合格とする危険率(生産者危険)が定量的

に与えてあって,これらの危険率が許容値を超えないように抜取方式を選択できるようになっている。

確率についての数学的理論に基づいている JIS 抜取方式の他に,幾つかのやり方がある。

a)

製品,工程,供給者及び消費者の経験に基づく抜取検査(2.2.1 参照)

b)

裏付けのない抜取検査,例えば,一定比率の検査又はその場でのランダムチェック(2.2.2 参照)

c)

全数検査(2.2.3 参照)

d)

その他の“抜取検査”法(2.2.4 参照)

2.2.1

統計的抜取検査

製品,工程,供給者及び消費者の経験に基づく抜取検査は,統計的に評価することができる。

一つの例として,JIS Z 9015-1 に示してある手順は,切替えルールを使用している。もし品質が非常に

良ければ,ゆるい検査に移行することができる。この手順では,もし小さいサンプルサイズを使用すれば,

生産者危険は減少するが消費者危険は増加することになる。もし経験が良ければ,特に工程平均が指定さ

れた AQL より定常的に小さければ,こうしても問題はない。もし最小 10 ロット以上の工程平均が指定さ

れた AQL よりはるかに小さければ,一部の消費者はスキップロット抜取検査手順に移行するであろう

JIS 

Z 9015-3

参照)

。これは,JIS Z 9015-1 に示してあるゆるい検査よりも経済的であり得る。

場合によっては,特に日常的なとき又はアイテムが致命的ではない場合には,一部の消費者は,小さい

サンプルを検査して不適合品が含まれていなければロットを合格とするやり方でも安全だと思うかもしれ

ない。例えば,サンプルサイズが 8 だとすれば,これは AQL1.5%のなみ検査又は AQL0.65%のゆるい検査

と等価である(JIS Z 9015-1 

付表 2及び付表 2参照)。

逆に,JIS Z 9015-1 では,連続 5 ロット中 2 ロットが不合格になった場合,なみ検査は中止してきつい

検査に移行する。いったんきつい検査に移行すると,きつい検査で連続 5 ロット合格するまではなみ検査

には復帰しない。この要求条件は意図的に厳しくしてあるが,それは不合格となるような品質の証拠が発

見されたからである。そのとき生産者は疑問の利益(疑わしいときは有利に解釈する)の権利を失う。き

つい検査の適用中に,もしきつい検査の初検査での不合格ロットの累計数が 5 に達したら,修正処置が取

られ,かつ効果的であったという証拠が得られるまで抜取検査は停止する(2.11 参照)

2.2.2

裏付けのない抜取検査

裏付けのない抜取検査は,推奨できない。それは,危険率を計算していないので,危険率が不当に高く

なるかもしれないし,またロットの合格又は不合格に対する正式な根拠がないからである。

2.2.3

全数検査

全数検査が自動試験機で実施されるのでなければ,全数検査は膨大な仕事であり得る。さらに,特に多


4

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

数のアイテムが寸法,外観,性能など限界近くの特性を一つ以上含んでいるとき(許容差及び外観,性能

の許容限界の周辺又は直近にあるとき)には全数検査はうまくいくとは限らない。このような場合には,

手動又は自動の選別は,適合品を不適合品に分類したり,また逆に不適合品を適合品に分類したりしがち

である。さらにまた,手動,目視又は自動の全数試験は不満足な場合がある。実際に,検査のための費用,

時間及び人員が不十分なときには,全数検査は見せかけだけになることさえある。もし検査法が破壊試験

を必要とするときは,全数検査は実行不可能である。

しかしながら,生産者及び消費者の双方にとって全数検査は必要な検査工程の一部であり得ることは理

解しなければならない。この規格をよく読めば明らかになることだが,例えば,致命的不適合の検査のと

きのように,全数検査が必要な場合がある。ある種の不適合が非常に重要ならば,破壊試験でない限り全

アイテムを調べなければならない。破壊試験の場合には,ある程度の危険率は許容しなければならない

2.15 参照)

2.2.4

その他の“抜取検査”法

いろいろな抜取検査システムがあるが,この規格では国際規格として使用できるものだけを詳細に考察

する。

これは他のシステムが重要ではないことを意味するものと考えない方がよい。

この規格の主目的は,

JIS Z 9015-1

JIS Z 9015-2JIS Z 9015-3 及び JIS Z 9009 の使用者を助けることなのである。

多くの場合には,消費者は正規の抜取検査を実施せず,生産者が生産工程を統計的に管理していてそれ

が出荷品の評価に直結しているという経験とそれを支える証拠に頼っている。

もし特定の条件下で,良い品物を不合格にしたり,悪い品物を合格にしたりする誤りの真のコストが分

かっていれば,さらに所定の品質のロットがどれくらいの頻度で検査に提出されるかが長い経験から分か

っていれば,妥協は望ましくない。利用できる経済的情報に基づいて,より効率的な抜取検査スキームの

計算が可能になるはずだからである。

2.3

計数値検査及び計量値検査の選択

計数値検査法では,一つのアイテム又は一つのアイテムの諸特性を調べて“適合品”と“不適合品”に

分ける。

取るべき処置は,

ランダムサンプル中に発見された不適合品の数又は不適合の数を数えて決める。

計量値検査法では,

ある数のサンプルアイテムを選び寸法又は特性を測定することから始まり,

例えば,

寸法が特定の限界内にあるかどうかだけでなく,寸法の実測値を利用できるようにする。測定値の平均値

及びばらつきの計算結果を基にして,ISO 3951 又は JIS Z 9010 の手順に従って,ロットの合格又は不合格

を判定する。

ある仮定が真ならば,誤った判定に対する保護を所定の程度にするのに,計量値法は,計数値法よりサ

ンプルサイズが少なくてすむという利点がある。また計量値法は,工程平均,工程のばらつき又はその両

方の影響で,品質が悪化の方向にあるかどうかについて,より多くの情報を与える。一方,計数値法は,

頑健性が強く(分布形の仮定を必要とせず)

,使用が簡単だという利点がある。サンプルサイズが大きくな

り,コストが高くなっても,これらの理由で計数値抜取検査が適している場合がある。

両者はそれぞれに利点があり,代表的な適用分野をもっている。

次の箇条で,ISO 3951 又は ISO 8423 を引用することもあるが,この規格では,このような計量値抜取

検査スキームについてはこれ以上の考察はしない。

なお,ISO 3951 及び ISO 8423 は,使用法についての指針を含んでいる。

2.4

ロット検査

2.4.1

ロット

JIS Z 9015-1

JIS Z 9009ISO 3951 及び JIS Z 9010 の目的に対しては,アイテムは単品としてではなく


5

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

あるグループとして合否判定のために提出される。アイテムの各グループをロットと呼ぶ。

各ロットは,可能な限り,実質的に同一の条件で同一の時期に製造されたアイテムで構成することが望

ましい。このことは,AQL という概念が採用され,一連のロットが出荷されるような場合には,特に重要

である。

もし二つ以上の供給源からの供給物が混合されると,一つの出所から多数の不適合品があれば,全部の

供給源からの製品が不合格になるということもある。逆に,

一つの供給源からの限界に近い品質の製品が,

他の供給源からの優秀な品質の製品で隠されてしまうこともある。

各ロットからサンプルを抜き取って検査する。計数値検査の下では,サンプル中に発見された不適合品

又は不適合の数を基にして,各ロットを合格又は不合格に分ける。したがって,一連の各ロットは大なり

小なり独立した単位として取り扱う。分数合格判定個数の場合などには,合否判定のルールは,先行ロッ

トの結果によって多少異なることがある(3.21 参照)

孤立状態のロットが提出された場合には,2.5.2 参照。

2.4.2

ロットサイズ

所管権限者(3.22 参照)は,ロットサイズとは何かを決める権利をもっている。しかし,もし可能なら,

これは相互に便利な数量を選ぶために生産者の意見を聞くことができると考えた方が分かりやすい。確か

に,ロットサイズ(及びその抜取方式のいろいろなパラメータ)の決定は,生産工程の知識なしにはしな

い方がよい。確定的な数量を決めた方がよいというわけではない。場合によっては変動が許容されること

もあるが,ほとんどすべての場合にはロットサイズの上限及び下限を決めることが望ましい。

抜取検査の立場からは,大きいロットの方が有利である。それは大きいロットからは大きいサンプルを

取ることが経済的であり,そこでは良いロットと悪いロットの判別力が良くなり,また同じ AQL に対し

て要求されるサンプルサイズは小さいロットより比率が少なくてすむからである。

しかし,この“大きいロットの方針”は行き過ぎにならない方がよい。もし小さいロットをまとめて大

きいロットにする場合には,小さいロットの品質が類似している場合にだけ大きいロットの方が有利であ

る。もし小さいロットの品質の間にかなりの差がありそうならば,小さいロットのままにしておいた方が

ずっとよい。こういう理由で,ロットは,実質的に同一の条件で生産されたアイテムで構成することが望

ましい。

ロットの構成の例は,3.4 に与えてある。ロットサイズとサンプルサイズの関係についてのより多くの情

報が ISO/TR 8550 に与えてある。

2.5

連続ロット又は孤立ロットの検査

2.5.1

ロットごとの検査

ロットごとの検査とは,一連のロットとして提出された製品の検査のことである。

もし一連のロットが生産の時点で合否判定のために提出されることになっていれば,先行ロットの結果

は後続ロットの検査の前に利用できる。したがって,実施した検査は後続の生産の品質に有益な影響を及

ぼすことができる。ロットは製造と同じ順序で提出し,また速やかに検査することが望ましい。一つのロ

ットから得られた情報は工程の悪化を示すかもしれない。一連の数ロットから得られた情報は,もし工程

が悪化していればより厳しい抜取検査手順を要求する切替え手順を実施するのに使用できる。

長期的には,

悪い品質に対して最善の消費者保護を与えるのでこれは重要である。品質が悪い状態のままならば,より

厳しい抜取検査手順のもとではより多くのロットが選別のために売り手に返却される。

このきつい検査は,

合格にしてよいロットを不合格と判定する生産者危険を増加させる。製品品質の悪化の断定は,修正処置

の開始の信号なのである。


6

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

もし品質が合意した水準よりずっと良ければ,消費者は,所管権限者の許可を得て,ゆるい検査又はス

キップロットを選ぶことができる。

JIS Z 9015-1

JIS Z 9015-3ISO 3951JIS Z 9009 及び JIS Z 9010 は,主として一連のロットに対して

使用するように設計されている。

2.5.2

孤立ロットの検査

検査は,孤立ロット又は数個の孤立ロットに対して,又は貯蔵したロットに対して生産が終了したとき

に一度に実施されることがある。このような条件下では,切替えルールを適用する機会は不十分であり,

したがって,提出される製品の品質に影響を及ぼす機会も不十分である。

もし単独のロットが提出されたならば,そのロットが他の消費者にも出荷されている多くの類似ロット

の一つかどうか,及び管理状態の工程からのもので構成されているかどうか,又は異なる工程及び異なる

時期のアイテムを含む混合ロットかどうかを知ると役に立つ(ISO/TR 8550 及び JIS Z 9015-2 も参照)

JIS Z 9015-1

及び JIS Z 9015-3 では AQL の値及び検査水準を事前に決めることが要求されるのに対して,

JIS Z 9015-2

では限界品質 (LQ) の設定を要求している。限界品質の手順のもとで適切な生産者危険及び

消費者危険が得られるようにするには,そのロットが合格可能な一連のロットの一つなのか,又は異なる

生産ライン及び/又は異なる日付の製品から成る混合ロットなのかの情報が必要である。

JIS Z 9015-2

は主として孤立ロットに対して使用するように設計されている。

2.6

AQL

(合格品質水準)

2.6.1

説明

AQL

(合格品質水準)は,JIS Z 9015-1 及び ISO 3951 中の表並びに JIS Z 9009 及び JIS Z 9010 中の一部

の表の指標用に使用されている。AQL 指標の抜取方式を使用するときには,その品質が AQL と同じかそ

れより良い工程から取られたロットは多くの場合合格するであろう。

連続シリーズのロットを考えた場合には,AQL は抜取検査の目的に対しては満足な工程平均の上限であ

る。

AQL

は,工程平均として合格と考えられるものとそうでないものとの境界値でもある。こういう見方は

抜取方式を説明するものではないが,どういう生産が望ましいか,また許容可能な工程とは何かを定義す

るための要求事項なのである。

AQL

を規定したという事実は,規定値までの率の不適合品を望んでいるわけではないし,また完全に合

格可能だという意味でもない。不適合品パーセントのどんな値よりも不適合品が全くない方が良いし,

AQL

以下でも不適合品パーセントが少なければ少ないほど良いのである。不適合品パーセントを減らせば

各ロットの合格の確率は改善される。

2.6.2

AQL

の設定

AQL

の設定に当たっては,AQL は生産のときに要求される品質の指標を与えるということを忘れては

ならない。生産者は,平均品質が AQL より良いロットを生産することを要求される。一方では,この品

質は妥当に到達できるものでなければならないし,他方では,これは消費者の立場からも妥当な品質でな

ければならない。これはしばしば,消費者が希望する品質と入手できる品質との妥協点を意味するであろ

う。なぜならば,要求条件が厳しくなればなるほど生産でその要求条件に合致することが困難になり,合

致を保証するための検査もコスト高になりかねないからである。

適切に設計され管理された工程では,AQL より小さい不適合品パーセントの製品を生産することができ

るであろう。ある工程からより良い工程平均が得られるならば,品質をよくした方が生産コストと検査コ

ストとの合計は低下するであろう。


7

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

第一義的に考慮するべきものは消費者の要求であるが,しかし消費者が現実的であって,実際には必要

としないような厳しいことは求めないということを確かめる必要がある。問題のアイテムがどのように使

用されるか,また不具合の結果はどうかを考慮する必要がある。もしそのアイテムが大量に利用可能で,

その不具合が単なる組立上の問題で,不適合品は,はねておいて他のアイテムで置き換えられるならば,

比較的ゆるやかな AQL を許容できる。他方ではもしその不具合が高価かつ重要な装置の部品で,不適合

品の取換えができないようなときと場所で機能障害を起こすような場合には,比較的きつい AQL が要求

されるであろう。

AQL

の設定により多くの情報と指針が,3.9 及び ISO/TR 8550 に与えてある。

2.7

工程平均

工程平均とは,提出された一連のロットの平均品質であり,再提出ロットは除外される。

AQL, AOQL

2.12 参照)又は LQ(2.8 参照)とは対照的に,工程平均は計算したり選択したりできない

し,また特定の抜取方式の特性でもないということを理解するのは重要である。工程平均は,実際に生産

されているものに関係があり,検査のやり方とは無関係である。

一般的には,工程平均の推定は抜取検査スキームの不可欠な要素ではない。しかし,工程平均は,それ

自身の正当性のために重要である。検査員と生産者は,双方ともロットごとの検査の判定だけでなく,生

産の品質の長期間のイメージにも関心がある。

したがって,達成された総合的推定工程平均の記録を維持することが望ましい。推定工程平均は,品質

についての有用な指標を与えるとともに将来類似の製品が設計,製造されるときにどのような抜取方式を

適用すればよいかを決める人たちに非常に重要な情報を与えるからである。

抜取検査形式が 2 回又は多回抜取方式の場合には,特別なルールが必要である。2 回及び多回抜取検査

では,第 1 サンプルの結果だけを工程平均の推定に使用する方がよい。

場合によっては,異常な結果の除外を推奨されることがある。しかしこれは危険なやり方であり,全然

使用しないとはいかなくても,非常に注意深く使用することが望ましい。このやり方が安全に使用できる

のは,異常な結果が特定の原因によることが判明し,また,その原因が除去済みであることを確認できた

場合だけである。その場合にも,こういう不適合が存在したということを表示するために,異常な結果を

含めた場合と,除外した場合の両方の数字を引用するのが望ましいやり方である。

特性値が二つ以上の場合,又は AQL のクラスが二つ以上の場合には,工程平均は個別に推定する。

2.8

LQ

(限界品質)

LQ

(限界品質)は,JIS Z 9015-2 の指標用に使用されている。ロットが孤立状態にあると考えられると

き,LQ は不適合品パーセント(又は 100 アイテム当たりの不適合数)で表した品質水準で,抜取検査の

目的に対応して合格の確率を低い値に抑えてある。この低い合格の確率を“消費者危険”と呼ぶ。

限界品質を規定することは,実際には望んでいる品質を規定することである。ロットが適切に合格する

ためには,不適合品パーセントは LQ よりずっと小さく(通常は LQ の 1/4 以下に)しなければならない。

JIS Z 9015-2

には,LQ 抜取方式の適用手順を与えてある。これらの抜取方式及び表は,大部分は JIS Z 

9015-1

で使用されている抜取方式と整合している。

LQ

の抜取方式は,主として孤立ロットに対して使用される。製品が製造中で一連のロットが生産され

るのであれば,JIS Z 9015-1 の手順の方が適切である。

2.9

なみ検査及びきつい検査

AQL

は一連のロットを検査するとき,品質の尺度上で良いものと悪いものとの境界値だということを思

い出すであろう。ある特定の製品に対して AQL が規定されている場合には,AQL より良いロットはいつ


8

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

でも合格となり,AQL より悪いロットはいつでも不合格となるような抜取検査システムをもつのが理想的

である。しかし,この理想はどんな抜取方式の下でも到達不可能である。

生産者と消費者の双方の要求条件に合わせるためには,ある妥協が必要であり,JIS Z 9015-1 及び JIS Z 

9009

で採用したのはなみ検査ときつい検査とを組み合わせることである。すなわち,与えられた状態に対

して二つの抜取方式及びいつ一方から他方へ切り替えるか,またいつ逆方向へ切り替えるかを決めるため

の切替えルールを与えてある。

なみ検査は,品質が AQL より良いときにロットが高い比率で不合格になるのを防いで生産者を保護す

るように設計してある。事実,生産者は,抜取方式のばらつきによって起きるどのような疑問に対しても

有利に解釈されるという利益を与えられている。

しかし,消費者も保護が必要であり,それはこの疑問の利益を盲目的にいつでも与えるのではなくて,

生産者がそれにふさわしいことが分かったときにだけ与えるようにすることで達成できる。もし工程平均

が AQL より確かに悪そうだということを抜取検査の結果が示した場合には,生産者は,この疑問の利益

に対する権利(すなわち,なみ検査を受ける権利)を失い,消費者を保護するためにきつい検査に移行す

る。

詳細及び例が 3.11 及び 3.12 に含まれている。

2.10

ゆるい検査

時には製品品質が定常的に AQL より良いという証拠があることがある。もしこういうことが起こり,

良い生産が続くと信じる理由があれば,抜取検査はもはや良いロットと悪いロットとを分けるという目的

には役に立たない。しかし,生産品質が悪化していないかどうかの警戒も必要なので,検査を止めてしま

うわけにもいかない。

こういう状況では,希望に応じて,JIS Z 9015-1 に記述されているゆるい検査の抜取方式又は JIS Z 

9015-3

に記述されているスキップロット抜取方式を使用することによって節減を図ることができる。もし

所管権限者が許可した場合に,これらの抜取方式の使用を許すための特別ルールは,JIS Z 9015-1

JIS Z 

9015-3

及びこの規格の 3.に説明してある。

ゆるい検査に関しては,さらに 3.15 で例とともに議論する。

参考  なみ検査→ゆるい検査の切替えルールが,格付け重視から切替えスピード重視に変わったので,

ゆるい検査=品質優秀=名誉という従来の格付けは必ずしも成立しなくなった。品質優秀な供

給者に対しては,国内取引においては間接検査の適用を検討する方がよい。また,国際取引に

おいてはスキップロット検査の適用を検討する方がよい。詳細は,JIS Z 9015-3 参照。

2.11

切替えルール

2.9

では,なみ検査ときつい検査及びその目的を紹介した。この箇条では,JIS Z 9015-1 を使用するとき

に,なみ検査からきつい検査への移行又はその逆の決定をするための切替えルールについて述べる。

もし,生産者が検査を申し込んだロットの品質の実際の値が分かっていたならば,合否判定検査に提出

する代わりにその知識をロットの判定に使用したであろう。しかし実際の品質が分かるということはあり

得ないので,取り得る最善の方法は利用できる知識,すなわち,抜取検査の結果そのものを使用すること

である。

なみ検査は,品質が少なくとも AQL より良いときにはほとんど全部のロットが合格するように設計し

てあるので,もし高い比率でロットが不合格になったら品質が AQL と同程度に良いという可能性はない

ということになる。問題は“どれくらいの不合格の比率なら十分説得力があるか”ということである。も

し品質が AQL より悪くなったときには,妥当な反応速度を与えるとともに,もし品質が実際には AQL よ


9

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

り良いときには,誤ってきつい検査に移行する確率が低いようなルールが要求される。

使用するルールは,連続 5 ロット以内の初検査で 2 ロットが不合格になった場合は,次のロットからき

つい検査に移行するというものである。

“初検査で”という条件は,もし不合格になったロットが矯正(手

直し又は交換)後再提出されたならば,その再提出ロットは切替えルールの目的では数えないという意味

である。

いったんきつい検査に移行したら,連続 5 ロットがきつい検査で合格になるまで各ロットに対してきつ

い検査を実施し,それからなみ検査に復帰する。きつい検査ではなみ検査でよりも合格が困難なので,こ

の要求事項は非常に厳しい。

いったん AQL より悪い品質のものが生産されたという証拠が出た場合には,

確実に安全になるまでは,生産者の権利は回復されない。

消費者に対する安全策はもう一つある。それは品質を改善するアクションが取られるまで合否判定検査

を停止するというルールであって,きつい検査のもとで,一連のロット中,初検査での不合格ロットの累

計が 5 に達したならば適用する。これは最も重要な原則である。もし品質が悪ければアクションが必要で

あり,適切な是正処置が取られたという証拠が得られるまでは,検査員は以後のロットの検査を拒絶する

資格を与えられるのである。

例が 3.13 に与えてある。

2.12  AOQ

(平均出検品質)及び AOQL(平均出検品質限界)

AQL

の概念とともに,AOQ(平均出検品質)及び AOQL(平均出検品質限界)の概念は,長期間の連続

ロットが一定の抜取検査システムに(例えば,JIS Z 9015-1 の箇条に従って)提出されるときにだけ意味

がある。サンプル中の不適合品の個数が,合格判定個数以下のときにはロットは合格となる。逆に,サン

プル中の不適合品の個数が,不合格判定個数以上のときにはロットは不合格となる。供給者(又は供給源)

の工程が規定された AQL に近い工程平均で操業しているときには,大部分のロットは合格となるであろ

う。もし工程品質が一定で不合格ロットは矯正するよりもむしろ放棄するならば,品質に対する抜取検査

の効果はゼロである。

ある場合には,特に会社間よりむしろ部門間の受渡しのときには,ロットが抜取検査をパスしなかった

ときの結果はロットを全数検査して不適合品を除去する(そして多分適合品と置き換える)ことである。

これを“矯正検査”という。

ロットが矯正検査に提出されるときには,ロットは合格してそれ以上の検査はしないか,又はサンプル

の結果からロットが不合格となったときにはロット中の全アイテムを検査して不適合品を除去するか適合

品と置き換える。合格の場合には,出検品質は,通常の目的では,入検品質と同じである。不合格の場合

には,全アイテムが適合品になる。たとえ入検品質が一定値 p(不適合品率)であっても,出検品質はロ

ットごとに異なり,サンプルの結果からロットが合格となるか又は矯正検査を受けるかに対応して,

は 0 のどちらかの値を取る。しかしながら,入検品質が で一定の場合には,これらの出検品質の長期間

の平均値を考えることができる。この出検品質の平均値は明らかに 以下であり,大部分のロットが全数

検査になった場合には,よりずっと小さくなることがある。

“平均出検品質”という用語は,品質 の製品を連続的に産出している工程からの多数のロットの平均

不適合品パーセントを意味すると考えてよい。各ロットは,ロットの合格の確率 P

a

をもつ同一の抜取方式

で調べて判定する。抜取方式で不合格となったロットは,

(理論的には)全不適合品が一掃される。検査後

の結果は,平均として,100 (1−P

a

) %

のロットは全数適合品になり,抜取検査だけで済んだ 100P

a

%

のロッ

トは 100p%の不適合品(マイナス抜取検査で除去した数個)を含んでいる。不適合品パーセントで表した

AOQ

は約 100 (P

a

×p) %になる。もしロットサイズ  (N)  がサンプルサイズ  (n)  の 10 倍以上なら,この方


10

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

法は良い近似値を与える。

いろいろな の値に対して,

(合格の確率はそれぞれ異なるが,

)この計算をすると,

図 のような AOQ

曲線が得られる。この図から明らかなように,AOQ は,入検品質が良かったとき又はロットが全数検査を

受けたときに良くなる。

さらに,

入検品質が中間的な値  (p

1

)

のときに AOQ が最大値になることが分かる。

この最大値が AOQL である。これはある特定のロットの出検品質の限界でもないし,短期間の連続ロット

の実際の出検品質の平均値の限界でもない。しかしながら,長期間の連続ロットの実際の出検品質の平均

値は,AOQL と大きく異なることはないであろう。もし入検品質がこの値  (p

1

)

と違えば,実際の出検品

質の平均値は AOQL よりずっと良くなることがある。したがって,上限値である AOQL に頼るよりは,

実際の平均品質を推定する方がよいやり方である。

参考 AOQL は抜取検査の特性の一つではあるが,AOQL を指標とする国際規格は現在のところない。

図 1  AOQ 及びその限界 AOQL

2.13

アイテム;製品の単位

計数値抜取検査を使用するときには,ロットサイズ,サンプルサイズ,不適合品の個数などを数える必

要がある。

この場合数えるのは製品の単位の個数である。ISO ではセンチメートル,グラムなどの単位との混乱を

避けるために,製品の単位に対して“アイテム (item) ”という用語を採用した。通常は,アイテムは(検

査の対象としては)単独の品物であり,そういう場合には,もし望ましければアイテムの代わりに“品物


11

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

(article)

”を使用してもよい。

1.  釉薬処理をした土管で,公称長さ3m,公称直径150mm のものが250本のロットで出荷されるこ

とになっている。出荷前に,8本のランダムサンプルを抜き取り,この8本に対して破砕強さ,

耐曲げモーメント及び不透過性を試験する。

この三つの特性値の許容差全部に適合した土管が,7 本以上だったときにだけそのロットは

出荷される。この場合には,アイテムは個々の土管である。

備考2.  “アイテム”という用語を導入した理由は,個々の品物には分けられないような製品又

は検査する基本的単位が,幾つかの品物から構成されるような製品に対して抜取検査を

実施したい場合があるからである。

参考

従来の JIS では“検査単位”と呼んでいた。

2.  砂とセメントの混合物 (10 000kg) が10kg 入りの袋に包装されている。

ロットは,砂とセメントの最大粒径,砂に対するセメントの比率及び各袋の質量が規定値に

対応しているかどうかを検査することになっている。

AQL

が規定された。規定要求事項は,砂の粒径が を超えるものが x%以下,セメントの粒

径が を超えるものが y%以下,などである。

ロットは 1 000 単位(袋)を含んでいる。適切なサンプルサイズ(20 袋)及び合格判定個数 (1)

になるようにするため,検査水準 S4 及び AQL2.5%が規定された(JIS Z 9015-1 

付表 及び

付表 10-F-2 参照)。

アイテムは,10kg 入りの袋である。このバルク材料は粒状であり,こうしないと個々のアイ

テムの個数を数えることはできない。

3.  1個の電子部品が回路中に2個の類似したトランジスタを含んでいて,正常な機能を示すには,

この2個のトランジスタの電子的特性値がよく釣り合っていることが重要である。この場合には,

検査するべきアイテムは釣り合わせた1対のトランジスタと決める。すなわち,釣り合わせた500

対,合計1 000個のトランジスタは500個のアイテムということになる。もし必要なサンプルサ

イズが,例えば,50だとすれば,これは50対,すなわち,100個のトランジスタを意味する。こ

のような場合には,もちろん,サンプルを抜き取る前に対を決めておき,使用する直前までそ

のままにしておくことが必要であろう。2種類の類似した構造のトランジスタの場合でも,同一

のこん(梱)包中にあったり,一つの基板上にあるときは,品物全体が1個のアイテムというこ

とになるであろうが,試験は各トランジスタに対して個別に実施することが必要になるであろ

う。

4.  特製の組合せ部品である25 000個の缶と25 000個のふたとからなる50 000個が毎日生産され組

立工場に出荷されている。製造工程と使用時には,組合せ部品は分離されることはなく,その

組合せのまま組み立てる。

最も重要なチェックは,部品の組合せが適切かどうかということである。検査するべきアイ

テムは 1 対,すなわち,1 個の缶と 1 個のふたとの 1 対である。

2.14

不適合及び不適合品

2.14.1

適合の失敗

JIS Z 9015-1

及び ISO 8422 の目的に対しては,規定された特性値,寸法,属性(計数値)

,性能などの

要求事項に対する適合のどんな失敗も一つの不適合を表す。一つの不適合品は一つ以上の不適合を含んで

いることがある。


12

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

例えば,ボールペンが書けないという場合を考える。書けないということは一つの不適合である。その

ペンは不適合品である。その同じペンは,他にもいろいろな点で,例えば,色,寸法などで,規定に合致

しないこともある。幾つかの不適合があっても 1 個の不適合品と数える。

“不適合”という格付けをするときには,そのアイテムが意図した目的には使用できないということを

意味する必要はない。例えば,一つの寸法が指定公差外のれんがは不適合品ではあるが,ビル用には使用

できる。

不適合と不適合品との違いは,もしそのアイテムが不適合を 1 個だけしかもっていない場合には重要で

はないが,多数の不適合が起こり得る場合には重要である。

ある量の製品の品質は,不適合品パーセント又は 100 アイテム当たりの不適合数のどちらかで表すこと

ができる。しかし,これらは通常は互換性はない。

抜取方式は,不適合品パーセント又は 100 アイテム当たりの不適合数のどちらかに対して利用できる。

5.  金属はく(箔)のピンホールを数えるのに,平方メートル当たりのピンホールの数に関心があ

ることがある。ここでは,調べた各平方メートル(アイテム)のピンホールの総数を数え,品

質はピンホール/(100m

2

)

で表すことになるであろう。

6. 500個の品物があったと考える。このうち,480個は適合品であり合格である。15個はそれぞれ

一つの不適合をもち,4個はそれぞれ二つの不適合をもち,また1個は三つの不適合をもってい

た。

このロットの不適合品パーセントは,次の式で与えられる。

N

D

p

p

100

100

(%)

=

=

=100×(20/500)=4

ここに,

p

:  不適合品率

D

:  ロット中の不適合品の個数

N

:  ロットサイズ

すなわち,このロットの不適合品パーセントは,4%である。

また,このロットの 100 アイテム当たりの不適合数は,次の式で与えられる。

N

D

p

p

100

100

)

100

(

=

=

アイテム当たり

=100×(26/500)=5.2

ここに,

p

:  アイテム当たりの不適合数

D

:  ロット中の不適合の数

N

:  ロットサイズ

すなわち,このロットの 100 アイテム当たりの不適合数は,5.2 である。

不適合品パーセントと 100 アイテム当たりの不適合数のどちらを使用するかは,それぞれの特定の場合

に個別に考慮する問題である。重要なのは,事前に考慮し,規定し,また合意しておくことであって,サ

ンプルを検査するまで決めずにいてそれから考慮してはならない。

不適合品パーセントと 100 アイテム当たりの不適合数のどちらを使用するかを決めるときに考慮するべ

き要素は,次のとおりである。

a)

不適合品パーセント検査は,もしあるアイテムが一つ以上の不適合を含んでいればそのアイテムは不

適合品であり,不合格だと仮定している。

不適合品パーセント検査は,またアイテムが不適合品になるいろいろな道筋が分かっている,例え


13

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

ば,特定の各アイテムが不適合品になる道筋は 5 種類しかないと分かっていると仮定している[

b)

参照]

不適合品パーセント検査の条件の下では,各不合格アイテム中に発見された全部の不適合の記録を

保持して,各タイプの不適合に対して是正処置が取れるようにしておくことが望ましい。個数を数え

るときには区別する必要はない。一つの不適合を含んでいるアイテムも二つ以上の不適合を含んでい

るアイテムも不適合品 1 個と数える。

b)

 100

アイテム当たりの不適合数検査では,発見された各不適合の数を数える。三つの不適合が 1 個の

アイテム中に発見されたら 3 と数える,

また一つの不適合をもつ 3 個のアイテムと同じ重みを与える。

ある不適合が,アイテム中に多数(ほとんど無限の回数)起こり得るような特別な場合もある。例

えば,表面のきずやピンホールはどんな数でも起こり得るし,これ以上の数は起こらないという限界

値も分からない。したがって,こういう特性値に対しては不適合品パーセント検査は無意味な場合が

ある。こういう場合には,100 アイテム当たりの不適合数検査を使用することが望ましい(

例 5.

参照)

備考3.

不適合品パーセントには,2項分布が適している。100アイテム当たりの不適合数には,ポア

ソン分布が適している。抜取方式の OC 曲線に関する情報については,

2.19

参照。

c)

もし二つの不適合が 1 個のアイテム中で起こったならば,二つの性質は,部分的に又は全体的に,関

連があることがある。ある共通の原因によることもあるし,一方の性質が他方に影響を与えることも

ある。このため,性質が独立かどうかを決めるには生産工程の詳細な知識が必要である。統計用語で

表現すれば,もし二つの特性値(例えば,長さと直径)が独立ならば,それは,次のようなことを意

味する。もし生産した全アイテムを取って長さが不適合品かどうかで二つのグループに選別した場合

には,この二つのグループでは直径に対する不適合品パーセントは実質的に同じになるであろう。又

は逆に直径が不適合品かどうかで二つのグループに選別した場合には,この二つのグループでは,長

さに対する不適合品パーセントは実質的に同じになるであろう。この二つの手順は,数学的には等価

だということが分かる。

二つの不適合が独立でなければ,これらは相関がある又は従属的であるという。この両方が一つの

アイテム中で起こったならば,不適合は二つではなく一つと数えるということを合意しておくことが

望ましい。場合によっては,相関がある二つの不適合の間の相関が低いことがある。こういう条件の

下では,この二つは独立と考えてもよい。不適合品パーセント検査ではこういう困難は起こらない。

d)

ロットの不適合の率が 2.5%未満なら,不適合品と不適合の確率分布は,ほとんど同一である。2.5%か

ら 10%の範囲では,多少の違いが見られるが,100 アイテム当たりの不適合数の抜取方式の方が等価

な不適合品パーセントの抜取方式よりもむしろ厳しい(不適合品パーセント検査では,合格になった

ロットが同一抜取方式の不適合検査では,不合格になることがある。

e)

一つの検査場所では,また許されれば,一つの方法だけを使用する方が,一方から他方へしばしば切

り替えるよりも単純でよい習慣といえよう。例えば,100 アイテム当たりの不適合数より不適合品パ

ーセントをいつも使用するというようにである。

f)

品質改善に役立つような記録を保持するという立場からは,100 アイテム当たりの不適合数の方が望

ましい。そうすれば全不適合についての情報が自動的に記録に含まれることになる。これに対して,

不適合品パーセントの方を採用すると,ある不適合は記録からもれることがある。

2.14.2

用語の扱い方

この規格のこれ以後の部分の議論では,不適合品パーセント検査の用語を使用する。適切な場合には,

次のような置換えをすれば 100 アイテム当たりの不適合数検査の用語に読み替えることができる。すなわ


14

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

ち,

“不適合品”を“不適合”に,

“不適合品パーセント”を“100 アイテム当たりの不適合数”に置き換

える。

2.14.3

不適合のクラス分け

これまでの議論では,ある品物が不適合品になる道筋が二つ以上あるならば,異なる可能な不適合は全

部が同じ重要度のものだと仮定してきた。その場合には,不適合品の個数を数えるだけで判定ができた。

例えば,チェックするべき寸法が三つあって,サンプル中に,3 個の品物は第 1 の寸法だけによって不適

合品になり,3 個の品物は第 2 の寸法だけによって不適合品になり,1 個の品物は第 3 の寸法だけによって

不適合品になり,また 1 個の品物は第 1 の寸法と第 2 の寸法によって不適合品になったとする。そうする

と不適合品の合計は 8 個となり,これを合格判定個数及び不合格判定個数と比較する個数とする。

異なるタイプの不適合品を加算するというこの手順は,すべての不適合が同じ又はほとんど同じ重要度

の場合に限り妥当である。もしそうでなければ,可能な不適合をグループに分けて,異なるグループの不

適合は重要度が異なるが,同一のグループ内の不適合は,重要度がほぼ同じになるようにすることが必要

である。その場合には,異なるグループの不適合には異なる AQL を使用する。

多くの目的に対しては,二つのグループで十分である。すなわち,最大の関心がある(重不適合の)ク

ラス A 及び次に大きい関心がある(軽不適合の)クラス B である。場合によっては,第 3 以降のクラス又

はこのクラス中へのサブクラスの導入が必要になることがある。全クラス中で最も重要なのは,致命的不

適合を含むクラスである。致命的不適合とは,その品物を現実に又は潜在的に危険なものにしたり,又は

使用性に重大な悪影響を与えるような不適合である。

致命的不適合は特殊な場合であり,

2.15

でさらに詳細に議論する。ここでは議論は重と軽の 2 クラスに

絞る。これらのクラスは,ある製品中の異なる不適合の相対的重要度に対応するのであって(製品自身の

重要度も異なるので)

,これらのクラスは,絶対的な規格値には対応しないということを理解する必要があ

る。したがって,あるクラスから正規に導かれるような特定の AQL は存在しない。

不適合のクラス分けは,適切にすることが望ましい。

“低すぎる分類”

(例えば,クラス A とした方がよ

い不適合をクラス B に分類する。

)をしないように注意する必要があるのは明らかである。問題の特性に

対する抜取方式が,このクラスの不適合に対して実際に要求されるよりも多くの許容値を与えることにな

るからである。しかし,

“高すぎる分類”をしないようにすることが同様に非常に重要だということは理解

されていないことが多い。

不適合のクラス分けというシステムを採用した場合には,各クラスに対して異なる AQL を割り付ける

必要がある。それは最も重要なクラス A の不適合に対しては,クラス B の不適合よりもきつい検査をする

ことを保証するためである。

もし一つの品物に二つ以上の不適合があって,その不適合が異なるクラスのものだった場合には,厳し

い方のクラスの不適合品 1 個と数える(しかし,もし不適合品パーセント検査ではなく不適合検査の場合

には,各不適合はそれぞれ適切なクラスに対して数える。

クラス分けについての追加情報及び例が,

3.3

に与えてある。

2.15

致命的不適合

致命的不適合とは,危険を招いたり,及び/又は使用性又は安全性に重大な悪影響を与えたりするよう

な不適合である。こういう不適合は,特別なカテゴリーを構成する。こういう不適合に対しては,どんな

不適合品パーセントの値を選んでも,

“…………この不適合品パーセントは許容できる”

ということはでき

ない。

非破壊検査ができる場合には,

一般に採用される解決法は,

その致命的特性に対してサンプルサイズは,


15

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

ロットサイズと同じで合格判定個数は 0 の抜取方式を使用することである。これは全数検査ではあるが,

伝統的な全数選別とは異なることに注意する必要がある。ここでは,品物を適合品と不適合品とに選別す

るというのではなくて,不適合品がないことをチェックするのである。もし致命的不適合が発見されたな

らば,単にそれを他の箱に入れて検査を続行するということを意味するのではなく,ロット全体を不合格

にするということを意味するのである

[もっとも,

不合格が直ちに廃棄を意味する必要はない

2.17

参照)

可能なときには,これは生産の中止をも意味する方がよい。中止している間にその不適合がなぜ起こった

かを検討し,再発防止の方法を工夫するためである。この手順の理由は,重大な不適合をもった製品の生

産の防止を試み,不適合品が多少あっても検査員が選別するから大問題ではないという印象を生産者に与

えるのを防ぐためである。最善の検査員でも時たま不適合を見落とすことがあるので,消費者のところま

で致命的不適合が一つも通過してこないことを保証する唯一の方法はその生産を防ぐことなのである。

もし,ある特定の不適合に対してこの手順が保証できそうもないと思ったとすれば,それを重不適合に

クラス分けをし直すときには重大な考慮を払うことが望ましい。致命的不適合は実際に致命的でなければ

ならない。その場合には,いかなる努力も努力のしすぎということにはならない。

致命的不適合に対する唯一の可能な検査が破壊検査の場合には,そういうものを全く作らないような方

法の探索の方がより重要である。この場合には,ロットの全数をサンプルとすることはできないので,サ

ンプルの取り方を決める必要がある。これには,次の各項目に関係する簡単な式を使うとよい。

a)

ロット中の不適合又は不適合品の個数;もしロット中にこれだけの個数があったとすれば,サンプル

中に最小 1 個の不適合又は不適合品をほとんど確実に発見したいという個数。

b)

ロットサイズ

c)

サンプルサイズ,及び

d)

  1

個の不適合又は不適合品を発見し損なう危険率

サンプルサイズ  (n)  を次の式から求め,切り上げて直近の整数にする

(

1

)

。もしサンプル中に致命的不適

合が一つもなければ,ロットを合格とする。

]

1

[

2

)

1

/(

1

+

÷

ø

ö

ç

è

æ −

=

d

d

N

n

β

 (2.1)

ここに,

N

ロットサイズ

β

最小 1 個の不適合を発見し損なう確率

d

ロット中に“許容される”致命的不適合品の個数

もし がロットに対して規定された最大の不適合品率だとすれば,次のようになる。

d

Np[切り捨てて直近の整数にする

(

2

)

(

1

)

この近似は,大抵の実用的目的に対しては十分正確である。まれには,必要な個数より1個多い

結果を与えることがある。

(

2

)

不適合が致命的なので,不適合品パーセントは小さい値だけが許容される。

7.

アイテム数が3 454個のロットがあったとする。確率

β

は0.001,致命的不適合品の最大の率は

0.2%

と規定された。この場合には,

p

=0.2/100=0.002

Np

=3 454×0.002=6.908

となるので,切り捨てて d=6 になる。そこで,

)

001

.

0

1

)(

454

3

(

]

1

[

2

7

/

1

)

1

/(

1

=

÷

ø

ö

ç

è

æ

+

d

d

N

β


16

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

=3 451×0.627 24=2 164.61

これを切り上げて n=2 165 となる。

抜取方式は,次のようになる。

サンプルサイズ

n

=2 165

合格判定個数 Ac=0(不適合品)

不合格判定個数 Re=1(不適合品)

8.

試験した 個のアイテムを破壊した後に,規定したアイテムの個数  (L)  になるようなロットサ

イズ  (N)  を見出すには,確率

β

及びロット中の致命的不適合品の個数  (d)  から,サンプルサイ

ズは,次のようになる(切り上げる)

2

2

/

)

1

/(

1

d

d

L

N

d

+

=

+

β

 (2.2)

サンプルの試験後 1 500 個のアイテムが要求され,

例 7.

のように

β

は 0.001,

d

=6 を使用する。

そうすると L=1 500 なので,ロットサイズ  (N)  は,

(1500

−6/2)/0.001

1/7

+6/2

=1497/0.372 76+3=4 018.99

となり,これを切り上げてロットサイズ N=4 019 となる。

n

NL=4 019−1 500=2 519

となる。

n

のこの値は,式

(2.1)

を使用しても求めることができる。

もし最初の計算結果で,サンプルサイズ又はロットサイズが受け入れられない値になったならば,危険

率(確率)及び/又はロット中の不適合又は不適合品の個数を再審査して,新しい判定基準をつくる。

致命的特性が純然とした計数値ではなく計量値の場合には,サンプルに安全マージンをもたせるという

代案がある。そこで,もしある部分品の最小許容荷重が 2 000kg であるならば,限界値が 2 000kg の致命的

不適合という代わりに,限界値が 2 500kg の重不適合ということができるかもしれない。限界値をどこに

置き,どういう抜取方式を使用できるかは,問題の部分品の強度のばらつきについての過去の知識によっ

て決まる。こういう方法が可能ならば,全関係者にとって全数検査よりもずっと満足な結果が得られる。

この場合には,計量値抜取検査  (

ISO 3951

)

の可能性もある。これを使用すれば,過負荷試験もできるで

あろうし,特性値の平均値やばらつきについての情報も得られるであろう。

2.16

検査の打切り

サンプルアイテムの検査が進むと,取るべき処置がだんだんはっきりしてくる。サンプル中の全アイテ

ムの試験が終われば,使用する抜取方式の判定基準に従って判定をすることができる。この判定を早めに

確実に予言できるようになることがある。それは,適合品の個数が十分な数に達して,残りのアイテムが

どんな結果を示そうとも合格の判定が確実になったとか,不適合品の個数が十分な数に達して不合格の判

定が確実になったとかいう場合である。例えば,サンプルサイズが 80 で合格判定個数が 10 の場合には,

最初の 20 個のアイテムを試験して 11 個の不適合品が発見されたならば,残りのアイテムが全数適合品だ

ったとしてもロットの不合格の判定は確実になっている。もしロットの判定が確実に予言できるようにな

ったときに,直ちに検査を中止することを検査の(中途)打切りという。その抜取方式の検査特性を無効

にするのを防ぐために,判定が確実になるまで検査を中止してはならないということに注意する必要があ

る。打切り付き検査によって明らかに検査コストを節減することができる。しかし,こういうやり方には,

あまり明らかではない短所がある。


17

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

一連のロットの抜取検査には,二つの目的がある。製品中の不適合についての情報を得ること,及びそ

の一連のロットの工程平均を推定することである。各サンプルの試験が(打切りなしに)完了していると

きには,全サンプルの合計に対する不適合品パーセントは工程平均の不偏推定値である。もし検査の打切

りをすれば,この単純な手順はもはや工程品質の不偏推定値を与えないので,打切りをしない検査と同じ

ようにサンプルを取り扱うことはできない(サンプルサイズについてうまくいったようにはいかない。

試験しなかったアイテムからの情報の損失も打切りに伴うもう一つの短所である。第 3 の短所は,打切り

を有効にするために,個々の試験結果を順序よく利用できるようにするため管理の努力を余分に必要とす

ることかもしれない。

試験個数の節減のためには,2 回,多回及び逐次抜取方式を使用することができる。平均的な試験コス

トの節減は,それぞれ最大で 1 回抜取方式の 3/8,1/2 及び 5/8 になる。品質がよいときには,打切り付き

抜取検査は,このような平均的な節減をもたらさない。打切りによる節減の主要なものは,ロットが不合

格になったときに起こるからである。したがって,固定したサンプルサイズを判定手順の第 1 段階で使用

する 2 回及び多回抜取方式よりも,打切りを伴う 1 回抜取方式の方がよいという理由はない。2 回及び多

回抜取方式の場合には,工程平均は各ロットからの第 1 サンプルの不適合品パーセントから,又は多数の

第 1 サンプルの総合不適合品パーセントから推定できる。

2

回及び多回抜取方式を使用するときには,第 2 サンプル以降では検査の打切りをするのが普通の習慣

である。それはこういうデータは工程平均の推定には使用しないからである。

2.17

不合格ロットの処置

ロットが合否判定抜取検査の合格判定基準に合致しないときには,ロットは不合格となり,消費者は商

業的取決めに基づいて幾つかの処置を選択できる。

不合格ロットは,全数検査による選別,手直し又は廃棄を要求されることがある。

もしロットがこのような手直し,除去又は他の処置のために生産者に返却されたならば,そのロットを

消費者に再提出するときには再提出ロットであることを明示することが必要不可欠である。もしあるロッ

トが何回も合否判定抜取検査に提出されると,たとえ毎回の合格の機会は十分少なくても,結局は合格し

てしまうことになるので注意を要する。

生産者がそういうことをしたならば,彼自身を傷つけることになる。それは,もしそのロットが新しい

ロットとして提出されたならば,幾つもの悪いロットが続けて出てきたように見えるからである。これは

品質が実際より悪いという確信を消費者に与えることになる。その結果,きつい抜取方式への移行とそれ

に引き続いて品質改善まで検査の停止ということになる。

不合格は廃棄を意味する必要はない。特定の場合の環境条件に応じてロットはいろいろな処置を受ける

ことがある。廃棄,発見された不適合品の手直し又は置換を伴う全数検査,値引きによる合格又は他の目

的,使用条件又は適用条件に振り替えての合格などである。

もし不適合品の手直し,除去又は置換を伴う全数検査が許されるならば,結局そのロットは再検査のた

めに再提出されることになる。検査員は,それが再提出ロットだということを知る必要がある。そのロッ

トの不合格の原因になった特性に特別の注意を払えるようにするためである。

再提出ロットの検査結果は,

初検査に提出されたロットの検査結果記録とは別に記録して,製品品質のどんな計算の場合にも混乱を防

げるようにすることが望ましい。再提出ロットの結果は,切替えルールを適用するかどうかを決めるとき

に使用してはならない。

再提出ロットに対して,すべてのクラスの特性を検査するか,又は最初の不合格の原因となった特定の

クラスの特性だけを検査するかは,主に特定の場合の条件に基づいて所管権限者が決める。手直しの場合


18

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

には,この処置によって起こり得る他の特性への悪影響を考慮する必要がある。

2.18

1

回抜取検査

1

回抜取方式は三つの数字で説明される。サンプルサイズ,合格判定個数及び不合格判定個数である。

この抜取方式の使い方は,次のとおりである。まずロットから製品アイテムをサンプルサイズに達するま

でランダムに抜き取る(

2.25

参照)

。抜き取った個々の製品アイテムは“サンプルアイテム”と呼び,まと

めて“サンプル”と呼ぶ。

参考

英文ではサンプルアイテムには複数形 (sample items) を使用し,サンプルには単数形 (sample)

を使用する。

サンプルは検査して,発見された不適合品の個数を数える。もし不適合品の個数が合格判定個数以下な

らば,ロット全体を合格とする。サンプル中に発見された不適合品だけを不合格とする。また,もし不適

合品の個数が不合格判定個数以上ならば,ロット全体を不合格とする。

9.

ねじに溝があるかどうかを検査する。溝がなければ,そのねじは不適合品である。

JIS Z 9015-1

の1回抜取方式を使用するものと考える。協定で,AQL は0.65%が規定され,なみ検査,検査水

準 II を使用することになった。ロットサイズは3 000である。これからサンプル文字は K とな

る。

JIS Z 9015-1

付表2A

から次のようになる。

サンプルサイズ

n

=125(アイテム)

合格判定個数 Ac=2(不適合品)

不合格判定個数 Re=3(不適合品)

125

個のねじからなるサンプルをロットからランダムに抜き取って検査する。1 個のねじが溝

がないのが発見されたが,しかし,1 は合格判定個数 (Ac=2)  より少ないので,ロットは合格

とするがその不適合品のねじは除去する。

例 9.

のように,1 回抜取方式は簡単に扱える。抜取検査を満足に実施するためには,サンプルはロット

を代表するように,通常はランダムに選ぶ。これは,ロット中の各アイテムが等しい確率でサンプルの一

部として選ばれることを意味する。もしアイテムが大きくて個々に包装されていたり,大量のものが複数

の容器に入っていたりすると,ランダムな選択をやり遂げるのは困難である。このような場合に重要なこ

とは,サンプルの選択方法を検査員まかせにしないで決めておくということである(サンプリングについ

ては,

2.25

参照)

2.19

OC

(検査特性)曲線

各抜取方式には,その特性を明示する OC 曲線がある。次の 1 回抜取方式に対する OC 曲線を,

図 2

与えてある。

サンプルサイズ

n

=200(アイテム)

合格判定個数 Ac=7(不適合品)

不合格判定個数 Re=8(不適合品)


19

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

図 2  サンプルサイズ 200,合格判定個数 の 回抜取方式に対する OC 曲線 (JIS Z 9015-1) 

横軸は生産工程の品質水準を示す。縦軸は,この抜取方式を適用したとき,この工程からのロットが合

格する平均的な率 (%) を示す。

実際には,提出ロットの品質は分かっていない。もし分かっていたら,検査なしにロットの判定ができ

たはずである。OC 曲線は,特定の条件下で抜取方式がどういう結果を与えるかを示す。もっと厳密にい

えば,OC 曲線は,仮定した品質水準すなわち不適合品パーセントのロットに対する合格の確率を示す。

図 2

の例で,もし不適合品が全く無いロットを検査すれば,合格率は 100%になる。すなわち,不適合

品が発見されることはなく,合格判定個数 7 を超えることはあり得ない。もし品質水準が不適合品パーセ

ント 2.3%ならば,

図 2

の OC 曲線は,合格率が 90%になることを示す。すなわち,平均的に 10 ロット中

9

ロットが合格となり,10 ロット中 1 ロットが不合格となる。

JIS Z 9015-1

は,不適合品パーセント及び 100 アイテム当たりの不適合数に対する抜取検査方式の OC


20

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

曲線を与えている。これらの OC 曲線は,ロットの合格の確率 (%) を縦軸に,不適合品パーセント又は

100

アイテム当たりの不適合数で表した工程品質を横軸に示している。不適合品パーセントの場合には,2

項分布に基づいて計算してある。100 アイテム当たりの不適合数の場合には,ポアソン分布に基づいて計

算してある。

ポアソン分布は,不適合が独立にかつ一定の期待値で起こるという仮定に基づいている。この仮定は多

くの場合に成り立つ。この仮定からの外れが大きい場合には,ポアソン分布とは分散が変わる。こういう

場合には,消費者保護は,OC 曲線に示されているのより少し良くなることが多いが,逆に悪くなること

もある。

JIS Z 9015-1

の 2 回及び多回抜取方式(

2.20

及び

2.21

参照)は,同じ AQL とサンプル文字に対応する 1

回抜取方式と OC 曲線が近似的に合うように選んである。

OC

曲線が意味するものを理解することは,検査水準を決めたり,ロットサイズに限界を設けたりする

ときに肝要である。OC 曲線を比較すれば,個々の 1 回抜取方式間の比較ができるからである。

図 2

の両軸の目盛は,その抜取方式の長期間の特性に関するものだということに注意を要する。横軸の

目盛は工程平均であって,ロットの品質ではない。縦軸の目盛は,合格率の期待値であって,ある特定の

シリーズのロットが合格するであろう率ではない。したがって,このようにして描いた OC 曲線は,

JIS Z 

9015-1

のロットごとの抜取検査スキーム,又は

JIS Z 9015-3

のスキップロット抜取検査スキームに適して

いる。孤立ロットに関心がある場合には,それに応じた OC 曲線があって,ロットの合格の確率がそのロ

ットの品質によってどう変わるかを近似的に示す。

JIS Z 9015-2

は OC 曲線を与えているが,それは長期

間における成功の機会に関心があるような生産者にとっては興味があるであろう。また,孤立ロットの合

格の確率の正確な値も与えてある。

OC

曲線及び

JIS Z 9015-1

付表 10

の使用法に関するコメントが

3.19

に与えてある。

2.20

2

回抜取検査

2

回抜取方式の手順では,まず 1 回抜取方式のサンプルサイズよりは小さい第 1 サンプルを抜き取る。

もし第 1 サンプルの品質が十分良ければロットは合格となり,また,もし十分悪ければロットは不合格と

なる。中間的な品質の場合にだけ,ロットの合否を判定するために第 2 サンプルを抜き取って試験する。

対応する 1 回及び 2 回抜取方式の例は,次のようになる。

10.

ある製品に対する AQL が0.65%になっている。ロットの合否判定には,検査水準 II が指定され

た。なみ検査を使用する。ロットサイズは5 000(アイテム)である。

JIS Z 9015-1

付表 1

から,サンプル文字は L である。

JIS Z 9015-1

付表 2A

から,1 回抜取方式は,次のようになる。

サンプルサイズ

n

=200(アイテム)

合格判定個数 Ac=3(不適合品)

不合格判定個数 Re=4(不適合品)

等価な 2 回抜取方式は,

付表 3A

から,次のようになる。

第 1 サンプルサイズ

n

1

=125(アイテム)

第 1 合格判定個数 Ac

1

=1(不適合品)

第 1 不合格判定個数 Re

1

=3(不適合品)

第 2 サンプルサイズ

n

2

=125(アイテム)

累計サンプルサイズ

Σ

n

=250(アイテム)

第 2 合格判定個数 Ac

2

=4(不適合品)


21

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

第 2 不合格判定個数 Re

2

=5(不適合品)

この意味は,次のとおりである。もし 125 個の第 1 サンプル中に発見された不適合品の個数が 0 又は 1

ならば,

第 2 サンプルを検査しないでロットは合格とする。

もし 3 個以上の不適合品が発見されたならば,

第 2 サンプルを検査しないでロットは不合格とする。しかし,もし 125 個の第 1 サンプルが 2 個の不適合

品を含んでいたならば,125 個の第 2 サンプルを抜き取って,両方のサンプル中の不適合品個数の合計に

よって合否を判定する。すなわち,4 個以下ならロットは合格とし,5 個以上ならロットは不合格とする。

この例でも,また

JIS Z 9015-1

の付表中の全部の 2 回抜取方式においても,第 1 サンプルサイズと第 2

サンプルサイズは等しい(

3.16

参照)

2.21

多回抜取検査

JIS Z 9015-1

の多回抜取方式では,最大第 5 サンプルまで使用する。合格又は不合格の判定は,普通は

第 5 サンプルよりかなり前に終わる。

2.20

の例と同じロットサイズを使用すると,サンプル文字 L 及び AQL0.65%に対する多回抜取方式は,

JIS Z 9015-1

付表 4A

から求められ,

表 1

のようになる。

表 1  サンプル文字 及び AQL0.65%に対する多回抜取方式

サンプル

サンプルサイズ

累計サンプルサイズ

合格判定個数

不合格判定個数

第 1 50  50 #  3

第 2 50  100 0  3 
第 3 50  150 1  4 
第 4 50  200 2  5

第 5 50  250 4  5

備考  #は,この累計サンプルサイズでは合格の判定はできないことを意味する。

多回抜取方式のルールは,2 回抜取方式のものを延長しただけなので,ここで細かく説明する必要はな

い。唯一の新しい特徴として,合格判定個数の代わりに記号#が見つかることがある。この記号は合格の判

定はできないことを意味するので,この段階では二つの判定しかできない。すなわち,不合格又はサンプ

ルの追加による試験の続行である。

JIS Z 9015-1

の多回抜取方式は,

(すべて 5 回抜取方式で)ここに示したようにサンプルサイズが毎回同

じで第 5 サンプルまで与えてある(

3.16

参照)

2.22

逐次抜取検査

逐次抜取検査では,ロットからアイテムを 1 個ずつランダムに抜き取って検査し,累計サンプルサイズ

と累計カウント(不適合品の累計個数)を記録する。ロットの合格又は不合格の判定ルールでは,どちら

かの判定をするのに十分強い証拠が得られたら直ちに判定する。判定なしに抜取検査が無限に続く可能性

を避けるために,打切りルールが用意されている。抜取検査は,規定されたサンプルサイズで終了する。

この段階で判定ができるような判定基準が用意されている。

ISO 8422

は,計数値逐次抜取方式を計算で求めるための手順を含んでいる。

JIS Z 9015-1

の抜取方式と

ほぼ同じ生産者危険及び消費者危険をもつような,逐次抜取方式を選ぶこともできる。

逐次抜取方式の操作は,次の例で図示することができる。

11.

3

に示す逐次抜取方式は,

2.20

で説明した1回及び2回抜取方式,並びに

2.21

で説明した多回抜

取方式と対応している。この例では,検査個数の合計が300のところで打切りをする。その場合

には,発見された不適合品の個数が5個以下ならロットを合格とする。もし発見された不適合品

の個数が6個以上ならロットを不合格とする。この例で,不適合品が30番目で起こったとする。

最初に検査続行域から出たのは198番目で,このときに合格域に入ったので,ロットは“合格”


22

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

と判定する。

図 3  AQL0.65%,サンプル文字 に対応する中途打切りを伴う逐次抜取方式の実施 (JIS Z 9009)

2.23

スキップロット抜取検査

連続シリーズのロットが受け入れられ,検査に提出された製品の品質が AQL よりかなり良いと立証さ

れ,さらに所定の判定基準に合致したときには,スキップロット抜取検査を始めることができる。

JIS Z 9015-3

に記述されているスキップロット抜取検査の手順では,製品がスキップロット抜取検査の

資格を満足するかどうかを系統的に審査する。製品が規定の資格基準を満足したときには,ロットからあ

る割合(すなわち,1/2,1/3,1/4 又は 1/5)でサンプルを取る。より小さい割合は,製品の品質が AQL よ

り著しく良いという結果が出た場合にだけ許される。1/5 という抜取頻度は,初期には使用できない。各

ロットからサンプルを取るか,サンプルを取らずにロットを合格とするかは,ランダムに選ぶ。もし抜取

検査で得られた品質が悪化していれば,資格を喪失し,再取得のときまでロットごとの抜取検査に復帰す

る。

ランダムサンプリング及び計算可能な危険率という長所は保持している。

ときには,スキップロットの検査の量及び得られるコストは,

JIS Z 9015-1

のゆるい検査には及ばない

ことがある。

抜取検査をするロットを選ぶときには,ランダム性が十分保持されるようにする。

2.24

1

回,回,多回及び逐次抜取検査の比較

2.24.1

等価な抜取方式

もし 1 回抜取方式で合格判定個数が 0 より大きければ,1 回抜取方式と OC 曲線が近接した 2 回,多回

及び逐次抜取方式を見出すことができる。

したがって,

合格判定個数が 0 の 1 回抜取方式の場合以外には,

1

回,2 回,多回又は逐次抜取検査を選択するのに OC 曲線を根拠にする理由はない。すべての可能な場合


23

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

に対してどれか一つを他より良いとする理由もない。長所及び短所を比較すれば,どれか一つが他より良

いということになる。考慮する方がよい特性は,次のとおりである。

a)

簡単さ

1

回抜取方式は,説明するのも監督するのも一番容易である。2 回抜取方式は,必要なときに第 2

サンプルを利用できるようにしておくので,監督するのに余分な手間がかかる。多回抜取方式と逐次

抜取方式は,明らかにもっと複雑である。ある場合には,簡単さという魅力が抜取方式を選択すると

きの主要な考慮点になる。また場合によっては,品質があまり良くないときに第 2 サンプルを抜き取

れるという魅力から 2 回抜取方式の方がよいということになる。

b)

抜取検査の量のばらつき

1

回抜取方式では,サンプルサイズは固定的で,判定に必要な検査の手間は事前に分かっている。

他の形式の抜取検査では,試験するアイテムの個数は前の方のサンプルの結果によって変わる。与え

られた入検品質に対して平均検査個数を計算することはできる。この値は,品質によって変わり,品

質が非常に良い場合と非常に悪い場合に最小となる。入検品質が未知なための不確実性に加えて,入

検品質が既知の場合にも,この平均値のまわりの抜取検査の個数のばらつきによる不確実性がある。

この不確実性のために,必要な検査に利用できるように資源(人員,試験機など)を手配することが

困難になる。もし利用できる資源が不十分ならば,結果は遅延する。逆の場合には,資源の利用は非

効率ということになる。ある状況下では,検査の負荷の変動は平均の検査総コストの大幅な減少に比

べれば安いものだということもある。

c)

サンプルアイテムの抜取りやすさ

ときには,第 2 サンプルを抜き取るのは容易で,二つのサンプルを抜き取るのは合計のサイズのサ

ンプルを一つ抜き取るのとほとんど同じ手間しかかからないということもある。しかし,場合によっ

ては,

サンプルアイテムの抜取りが検査作業の主要部分を占め,

サンプルを一つ抜き取るのが大変で,

サンプルをもう一つ抜き取るのは大変すぎてほとんど実行不可能ということがある。こういう場合に

は,通常は 1 回抜取方式が最善の抜取方式である。もちろん次のような代案もある。必要になるかも

しれない最大サイズのサンプルを抜き取っておき,事前に選んだ 2 回,多回又は逐次抜取方式に従っ

て検査するという方法である。こういう方法は,検査しなかったアイテムをロットに返す必要がある

ので,1 回抜取方式とくらべてコスト節減はわずかになるかもしれない。

d)

試験期間

もしある試験が長期間を要し,多数のアイテムを同時に処理できる場合には,通常は 1 回抜取方式

の方がよい。そうでないと第 1 サンプルの試験終了後判定ができず第 2 サンプル又はそれ以上が必要

になるという危険があり,必要期間は少なくとも 2 倍になる。この場合にも,もし 1 回抜取方式のサ

ンプルサイズが同時に処理できるならば,通常は 1 回抜取方式が最善の抜取方式である。もし同時に

1

個又は 2 個しか処理できないならば,多回又は逐次抜取方式の方がよいということになる。

12.

缶詰の肉の品質が保持できるかどうかを,多数の缶を3週間所定の大気条件で貯蔵して試験する。

望ましい OC 曲線が得られるようにするために,次の 3 種類を比較することになった。サン

プルサイズが 80 個の 1 回抜取方式,毎回のサンプルサイズが 50 個の 2 回抜取方式,及び毎回

のサンプルサイズが 20 個の多回(5 回)抜取方式である。1 回抜取方式を使用すれば,結果は

試験開始後 3 週間で利用できる。2 回抜取方式の下では,結果は 3 週間後に利用できるかもし

れないが,6 週間かかるかもしれない。多回抜取方式の下では,最悪の場合には,4 か月近くか

かるかもしれない。


24

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

こういう条件下では,ほぼ確実に 1 回抜取方式が選ばれるであろう。

13.

破壊検査をすることになった。ロット中の品物は全部試験室にあり,試験装置は1回に1個の品

物だけを処理することができる。試験コストの主要なものは品物の破壊なので,望ましい OC

曲線が得られる限り,品物を破壊する個数はできるだけ少なくしたい。

サンプル中の品物は,1 回に 1 個ずつしか試験できないので,1 回抜取検査よりも逐次抜取検

査の方がほぼ確実に時間と平均サンプルサイズの節減になるので,考慮する価値がある。

e)

多数の不適合

可能な不適合の種類数や可能な不適合のクラス数などの観点から製品が複雑になればなるほど,2

回又は多回抜取検査は込み入ってくる。もし第 1 サンプルは全特性を検査するが,第 2 サンプルは一

部の特性だけを検査し,第 3 サンプルはおそらく更にその一部の特性だけを検査するようであれば,

検査員や検査装置の効率的使用は困難である。一般的には,複雑な検査には 1 回抜取方式が適してお

り,また検査が簡単な場合にはより複雑な抜取方式の方が経済的なことがあるといえる。

合格判定個数が 3,不合格判定個数が 4 の 1 回抜取方式と,

2.20

及び

2.21

で議論した等価な 2 回及

び多回抜取方式の OC 曲線を

図 4

に示す。完全に合っているわけではないが,実用上ほとんどの目的

には,十分良く合っている。逐次抜取方式も OC 曲線は同様に合っているが,混みすぎないようにす

るため描き込んでない。逐次抜取方式と 1 回抜取方式の OC 曲線は,頂部付近では事実上区別できな

い。

2.24.2

平均サンプルサイズ (ASS) 

2.18

から

2.22

までの間で,1 回,2 回,多回及び逐次抜取検査について述べた。製品の平均品質のいろ

いろな値に対して長期間の抜取検査で必要となるであろう平均サンプルサイズを考察すると,これらの比

較に役立つであろう。平均サンプルサイズ曲線を作ってみれば,幾つかの形式の抜取方式の相対的効率が

分かる。

これらの曲線は,

合格又は不合格の判定に到達するまでに試験するアイテムの平均的個数を示す。

図 5

は,

表 2

に与え(

図 4

に OC 曲線を示し)た 1 回,2 回,多回及び逐次抜取方式の平均サンプルサイ

ズを示す。

判定に到達するまでに試験するアイテムの平均的個数は,1 回抜取方式を使用したときに最大となる。2

回,多回又は逐次抜取方式を使用したときには,ロットの品質が非常に良いときか非常に悪いときにサン

プルサイズの節減量は最大となる。

品質が良いときか悪いときには,検査の平均的節減量はかなりなものになる。しかし,2 回,多回又は

逐次抜取方式を使用したときには,特定のロットに対応する実際の検査個数は対応する 1 回抜取方式を超

えることがある。こういうことが起こりやすいのは,中間的品質,例えば,AQL の 2 倍とか 3 倍とかいう

場合である。

ある場合には,例えば,試験期間が長く,全アイテムを同時に試験できるときには,1 回抜取方式が望

ましいのはこういう理由からである。他方では,1 回に 1 個しか試験できないか又は破壊試験ならば,2

回,多回又は逐次抜取方式の方がかなりの利点がある(

例 12.

及び

例 13.

参照)

2

回及び多回抜取方式に対しては,検査個数に上限がある。逐次抜取方式では,原理的にはこういう上

限はないが,検査個数が過大にならないようにするために打切りルールを設けるのが普通である。

JIS Z 

9009

及び

JIS Z 9010

にはサンプルサイズの打切りの箇条がある。

2

回,多回及び逐次抜取方式は,サンプルサイズを大幅に節減する機会を与えるが,監督のために余分

な手間がかかる。特に破壊試験を実施するときには,半自動装置が使用できる場合には,自動化した逐次

抜取検査が効率と経済性の向上の機会を与える。


25

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

2

回及び多回抜取方式に対する平均サンプルサイズ曲線は,

JIS Z 9015-1

に与えてある。計数値逐次抜取

方式に対する平均サンプルサイズは,

JIZ Z 9009

に表又は図が与えてある。

ISO 3951

の 1 回抜取方式に対

応する標準偏差既知の場合の計量値逐次抜取方式に対する平均サンプルサイズは,

JIS Z 9010

に与えてあ

る。

ISO 3951

は,2 回,多回又は逐次抜取方式を含んでいない。

図 4  回,回,多回及び逐次抜取方式の OC 曲線の比較(サンプル文字 LAQL0.65%

表 2  サンプル文字 及び AQL0.65%に対する等価な抜取方式

抜取検査形式

サンプル

サンプルサイズ

累計サンプルサイズ

Ac Re

1

200

200

3

4

2

第 1 125

125

1 3

第 2 125

250

4 5


26

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

抜取検査形式

サンプル

サンプルサイズ

累計サンプルサイズ

Ac Re

多回

第 1 50

50  #

3

第 2 50

100  0

3

第 3 50

150  1

4

第 4 50

200  2

5

第 5 50

250  4

5

逐次

2.22

参照。

備考  #は,この累計サンプルサイズでは合格の判定はできないことを意味する。

図 5  回,回,多回及び逐次抜取方式の平均サンプルサイズの比較(図 の抜取方式に対して)

2.25

サンプルの抜取り

合否判定抜取検査では,ロットの合否はサンプルの品質によって判定される。したがって,サンプルは

ロットを代表している必要がある。代表サンプルの標準的なものがランダムサンプルである。要求される

のはランダムサンプルであって偏ったサンプルではない。

サンプルを抜き取るための直感的な試みは,しばしば偏った結果を与える。

例えば,箱からアイテムを抜き取るときに,ランダムに抜き取ろうと思って,多くの人は通常箱の中心

の部分から抜き取るものが多すぎるので,隅の部分は正しく代表されない。隅の部分から抜き取るものが

少なすぎると指摘すると,彼らは大抵隅の部分から抜き取るものが多くなりすぎる。どの組合せに対して

も同じ機会を与える単純ランダムサンプリングは実現困難なので,可能ならば乱数表を使用するという手


27

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

間をかけてもそれだけの価値がある。

もしアイテムが並んでいたり,番号が付いている場合には,ランダムサンプルを選ぶのに,

表 3

又は承

認された乱数表を使用することができる。

参考

JIS Z 9031

(ランダム抜取方法)も参照するとよい。

14.

 5

000

個のロットから,サイズ8のサンプルを抜き取ることになった。ロット中の品物は,1から

5 000

まで番号入りのラベルが付いている。

3

の第1列の1番上から始めると,サンプル用に抜

き取る品物の番号は,110,4 148,2 403,1 828,2 267,2 985,4 313及び4 691となる(5 327,

5 373

,9 244などは,対応する番号がロット中にはないので無視する。

乱数表の使用に当たっては,次の各項に注意を払うことが望ましい。

a)

いつでも第 1 列の 1 番上から始めるというのはよくない。最善の手順は,サンプルを抜き取るたびご

とに任意の点から始めて,表の中で上下又は左右に移動することである。

b)

  4

けたの数字を読む必要はない。もしロットサイズが 1 000 以下ならば,最初の 3 けたの数字の方がよ

い。例えば,11,532,537 などと読むのである。2 けたの数字で十分な場合もあるし,5 けた以上の

数字が必要になる場合もある。必要なけた数の数字になるように読めばよい。

参考

サンプルサイズが小さい場合には.乱数表の代わりに乱数キー付きの関数電卓を使用する方が

便利である。サンプルサイズが大きい場合には,パソコンを使用して必要な個数だけ乱数を発

生させることができる。乱数表を使用する場合でもスタート位置を決めるときには,乱数キー

付きの関数電卓を使用するとよい。

なお,

JIS Z 9031

参照。

しかし,乱数を実際に使用するのは必ずしも容易ではないことを認識しなければならない。小さい品物

が大きい箱に入っているようなロットの場合には,個々の品物に番号を付けることなどできそうもないこ

とがある。そういう場合には,直感的なランダムサンプリングしか方法がないと思うかもしれないが,何

をするべきかの知識があれば直感を改善してもっと良い結果が得られるかもしれない。どんな組合せも同

じ機会でなければならないという知識があれば,サンプルを抜き取る前に,品物をいったん箱から出して

同じ機会で抜き取れるようにする必要があることや,また品物の見かけの品質を無視しなければならない

ことはすぐ分かる。適合品又は不適合品に見える品物を故意に選んだりしてはならない。

単純ランダムサンプリングの代わりに使用できる適切な方法がある。この方法は,代表サンプリング又

は層別サンプリングと呼ばれるもので,本当に望ましく,乱数を使うかどうかに無関係に使用できる。ロ

ットが何らかの論理的基準によってサブロットに分けられる場合には,いつでもこの方法は適切である。

サブロットに分ける基準は,論理的でなければならないことに注意を要する。ランダムにサブロットに分

けても役に立たない。サンプルを抜き取るには,各サブロットからそのサブロットのサイズに比例したサ

イズのサブサンプルを抜き取る。サブサンプルは,各サブロットからランダムに(もしできれば,乱数表

を使用して)抜き取る。さらに,検査の前に,サブサンプルをまとめて完全サンプルとする。

参考

この場合には,サブロットは層別するための層を含むと考えてよい。

表 3  乱数表

0 110

9 140

2 804

8 046

7 142

6 277

6 210

8 627

3 209

6 845

5 327

3 946

6 289

6 117

0 060

2 827

6 546

2 738

8 760

6 604

5 373

8 259

4 956

8 185

0 135

8 640

7 410

6 335

0 831

2 774

9 244

9 452

8 324

8 062

9 817

9 853

7 479

9 559

4 264

6 919

4 148

3 948

5 399

8 687

3 568

4 046

4 558

0 705

5 075

4 440


28

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

2 403

4 351

8 240

3 554

3 568

4 701

7 494

6 036

7 735

4 082

1 828

1 956

1 646

1 370

9 096

0 738

8 015

0 513

6 969

0 949

7 249

9 634

4 263

4 345

0 567

1 272

5 302

3 352

7 389

9 976

7 116

9 731

2 195

3 265

9 542

2 808

1 720

4 832

2 553

7 425

6 659

8 200

4 135

6 116

3 019

6 223

7 323

0 965

8 105

4 394

2 267

0 362

5 242

0 261

7 990

8 886

0 375

7 577

8 422

5 230

9 460

9 813

8 325

6 031

1 102

2 825

4 899

1 599

1 199

0 909

2 985

3 541

6 445

7 981

8 796

9 480

2 409

9 456

7 725

0 183

4 313

0 666

2 179

1 031

7 804

8 075

8 817

6 575

0 065

2 170

6 930

5 368

4 520

7 727

2 536

4 166

7 653

0 448

2 560

4 795

8 910

3 585

5 655

1 904

0 681

6 310

0 568

3 718

3 537

8 858

8 439

1 052

5 883

9 283

1 053

5 667

0 572

0 611

0 100

5 190

4 691

6 787

4 107

5 073

8 503

6 875

7 525

8 894

7 426

0 212

1 034

1 157

5 888

0 213

2 430

7 397

7 204

6 893

7 017

7 038

7 472

4 581

3 837

8 961

7 931

6 351

1 727

9 793

2 142

0 816

2 950

7 419

6 874

1 128

5 108

7 643

7 335

5 303

2 703

8 793

1 312

7 297

3 848

4 767

5 386

7 361

2 079

3 197

8 904

4 332

8 734

4 921

6 201

5 057

9 228

9 938

5 104

6 662

1 617

2 323

2 907

0 737

8 496

7 509

9 304

7 112

5 528

2 390

7 736

0 475

1 294

4 883

2 536

2 351

5 860

0 344

2 595

4 880

5 167

5 370

0 430

5 819

7 017

4 512

8 081

9 198

9 786

7 388

0 704

0 138

5 632

0 752

8 287

8 178

8 552

2 264

0 658

2 336

4 912

4 268

7 960

0 067

7 837

9 890

4 490

1 619

6 766

6 148

0 370

8 322

5 138

6 660

7 759

9 633

0 924

1 094

5 103

1 371

2 874

5 400

8 615

7 292

1 010

9 987

2 993

5 116

7 876

7 215

9 715

3 906

4 968

8 420

5 016

1 391

8 711

4 118

3 881

9 840

5 843

0 751

9 228

3 232

5 804

8 004

0 773

7 886

0 146

2 400

6 957

8 968

9 657

9 617

1 033

0 469

3 564

3 799

2 784

3 815

3 611

8 362

9 270

5 743

8 129

8 655

4 769

2 900

6 421

2 788

4 858

5 335

8 206

3 008

7 396

0 240

0 524

3 384

6 518

4 268

5 988

9 096

1 562

7 953

0 607

6 254

0 132

3 860

6 630

2 865

9 750

9 397

1 568

4 342

5 173

3 322

0 026

7 513

1 743

1 299

1 340

6 470

5 697

9 273

8 609

8 442

1 780

1 961

7 221

5 630

8 036

4 029

3 186

0 656

3 248

0 341

9 308

9 853

5 129

3 956

4 717

7 594

3 275

7 697

1 415

5 573

9 661

0 016

4 090

2 384

7 698

4 588

7 931

1 949

1 739

3 437

6 157

2 128

6 026

2 268

5 247

2 987

5 956

2 912

2 698

5 721

1 703

2 321

8 880

3 268

7 420

2 121

1 866

7 901

4 279

4 715

9 741

2 674

7 148

8 392

2 497

8 018

2 673

7 071

4 948

8 100

7 842

8 208

3 256

3 217

8 331

7 256

7 824

5 427

0 957

6 076

2 914

0 336

3 466

0 631

5 249

7 289

2 251

0 864

0 373

7 808

1 256

1 144

4 152

8 262

4 998

3 315

7 661

8 813

5 810

2 612

3 237

2 829

3 133

4 833

7 826

1 897

6 651

6 718

1 088

2 972

0 673

8 440

3 154

6 962

0 199

2 604

2 917

4 989

9 207

4 484

0 916

9 129

6 517

0 889

0 137

9 055


29

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

5 970

3 582

2 346

8 356

0 780

4 899

7 204

1 042

8 795

2 435

1 564

8 048

6 359

8 802

2 860

3 546

3 117

7 357

9 945

5 739

6 022

9 676

5 768

3 388

9 918

8 897

1 119

9 441

8 934

8 555

8 418

9 906

0 019

0 550

4 223

5 586

4 842

8 786

0 855

5 650

5 948

1 652

2 545

3 981

2 102

3 523

7 419

2 359

0 381

8 457

6 945

3 629

7 351

3 502

1 760

0 550

8 874

4 599

7 809

9 474

0 370

1 165

8 035

4 415

9 812

4 312

3 524

1 382

4 732

2 303

6 702

6 457

2 270

8 611

8 479

1 419

0 835

1 866

1 307

4 211

3 740

4 721

3 002

8 020

0 182

4 451

9 389

1 730

3 394

7 094

3 833

3 356

9 025

5 749

4 780

6 042

3 829

8 458

1 339

6 948

8 683

7 947

4 719

9 403

7 863

0 701

9 245

5 960

9 257

2 588

6 794

1 732

4 809

9 473

5 893

1 154

0 067

0 899

1 184

8 630

5 054

1 532

9 498

7 702

0 544

0 087

9 602

6 259

3 807

7 276

1 733

6 560

9 758

8 586

3 263

2 532

6 668

2 888

1 404

3 887

6 609

6 263

9 160

0 600

4 304

2 784

1 089

7 321

5 618

6 172

3 970

7 716

8 807

6 123

3 748

1 036

0 516

0 607

2 710

3 700

9 504

2 769

0 534

0 758

9 824

9 536

7 825

2 985

3 824

3 449

0 668

9 636

6 001

9 372

8 746

1 579

6 102

7 990

4 526

3 429

4 364

0 606

4 355

2 395

2 070

8 915

8 461

9 820

6 811

5 873

8 875

3 041

7 183

2 261

7 210

6 072

7 128

0 825

8 281

6 815

4 521

3 391

6 695

5 986

2 416

7 979

8 106

7 759

6 379

2 101

5 066

1 454

9 642

8 675

8 767

0 582

0 410

5 515

2 697

1 575

9 138

5 003

8 633

2 670

7 575

4 021

0 391

0 118

9 493

2 291

0 975

1 836

7 629

5 136

7 824

3 916

0 542

2 614

6 567

3 015

1 049

9 925

3 408

3 029

7 244

1 766

1 013

0 221

8 492

3 801

0 682

1 343

7 454

9 600

8 598

9 953

5 773

6 482

4 439

6 708

0 263

4 909

9 832

0 627

1 155

4 007

0 446

6 988

4 699

1 740

2 733

3 398

7 630

3 824

0 734

7 736

8 465

0 849

0 459

8 733

1 441

2 684

1 116

0 758

5 411

3 365

4 489

6 241

6 413

3 615

5 014

5 616

1 721

8 772

4 605

0 388

1 399

5 993

7 459

4 445

3 745

5 956

5 512

8 577

4 178

0 031

3 090

2 296

0 124

5 896

8 384

8 727

5 567

5 881

3 721

1 898

3 758

7 236

6 860

1 740

9 944

8 361

7 050

8 783

3 815

9 768

3 247

1 706

9 355

3 510

3 045

2 466

6 640

6 804

1 704

8 665

2 539

2 320

9 831

9 442

5 939

5 741

7 210

0 872

3 279

3 177

6 021

2 045

0 163

3 706

4 294

1 777

5 386

7 182

7 238

8 408

7 674

1 719

9 068

9 921

3 787

2 516

2 661

6 711

9 240

5 994

3 068

5 524

0 932

5 520

4 764

2 339

4 541

5 415

6 314

7 979

3 634

5 320

5 400

6 714

0 292

9 574

0 285

4 230

2 283

5 232

8 830

5 662

6 404

2 514

7 876

1 662

2 627

0 940

7 836

3 741

3 217

8 824

7 393

7 306

3 490

3 071

2 967

4 922

3 658

4 333

6 452

9 149

4 420

6 091

3 670

8 960

6 477

3 671

9 318

1 317

6 355

4 982

6 815

0 814

3 665

2 367

8 144

9 663

0 990

6 155

4 520

0 294

7 504

0 223


30

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

3 792

0 557

8 489

8 446

8 082

1 122

1 181

8 142

7 119

3 200

2 618

2 204

9 433

2 527

5 744

9 330

0 721

8 866

3 695

1 081

8 972

8 829

0 962

5 597

9 834

5 857

9 800

7 375

9 209

0 630

7 305

8 852

1 688

3 571

3 393

2 990

9 488

8 883

2 476

9 136

1 794

4 551

1 262

4 845

4 039

7 760

1 565

4 745

1 178

8 370

3 179

1 304

7 767

4 769

7 373

5 195

5 013

6 894

5 734

5 852

2 930

3 828

7 172

3 188

7 487

2 191

1 225

7 770

3 999

0 006

8 418

9 627

7 948

6 243

1 176

9 393

2 252

0 377

9 798

8 648

15.

二つの箱に半分ずつ入って入荷したロットから,125個のサンプルを抜き取ることになった。各

箱をサブロットとすることになった。一つの箱から62個のサンプルを,もう一つの箱から63個

のサンプルを抜き取り,この二つのサンプルをまとめて必要な125個のサンプルとする(アイテ

ムを1個余分に抜き取る箱はランダムに選ぶ方がよい。

もし,各箱にロットが半分ずつ入っているのではなく,一つの箱に 1/3,もう一つの箱に 2/3

入っていたとすれば,125 個の 1/3 及び 2/3 に一番近い整数になるように,1 番目の箱から 42

個,2 番目の箱から 83 個のサンプルを抜き取ったはずである。

2

回又は多回抜取方式を使用するときに,ランダムにサンプルを抜き取って検査し,必要になったとき

に第 2 サンプルを抜き取って検査し,以下同様にするのが便利だということがある。こういう場合には,

ランダムサンプリングの技法は上記のとおりで,他に困難なことは起こらない。場合によっては,必要と

なるかもしれない最大のサンプルサイズのサンプルを抜き取っておいて,

検査の前にこれを第 1 サンプル,

第 2 サンプルなどに分割する方が便利だということもある。こういう場合に一番重要なのは,最大サンプ

ルにまとめるためにロットからランダムにサンプルを抜き取るだけでなく,第 1 サンプル,第 2 サンプル

などは最大サンプルからランダムに抜き取るということである。

層別サンプリングを使用するときには,第 1 サンプル,第 2 サンプルなどごとにそれぞれ各サブロット

からそのサブロットのサイズに比例したサイズのサブサンプルを抜き取るということである。毎回のサン

プルは,それぞれロットを代表するようにするということは層別サンプリングを使用するときに記憶して

おくべき,特に重要な点である。例えば,第 1 サンプルは全部一つのサブロットからきて,第 2 サンプル

は全部もう一つのサブロットからくるなどは最悪である。

ランダムサンプリングは,ロット中の各アイテムがサンプルに含まれる機会を全く均等にするが,機会

均等こそは各抜取方式を使用するときの絶対的条件である。

参考

層別サンプリングを使用するときには,判定まで各層の結果が分かるようにしておく方がよい。

合否判定のためだけならばサブサンプルを混合する方が簡便であるが,検査結果を工程解析や

不合格ロットの原因追跡に使用するには,各層の結果が分かるようにしておく必要がある。

2.26

抜取(検査)方式,抜取検査スキーム及び抜取検査システム

抜取方式は,ロットを検査し,合否判定をするためのルールのセットである。

抜取検査スキームは,抜取方式と切替えルールの組合せである。

抜取検査システムは,抜取方式又は抜取検査スキームを集めたもので,適切な抜取方式又は抜取検査ス

キームを選ぶための判断基準及び抜取検査スキームに対しては,抜取方式を切り替えるためのルールをも

っている。

例えば,

JIS Z 9015-1

JIS Z 9015-2JIS Z 9015-3

及び

JIS Z 9009

は抜取検査システムである。これら

は多数の抜取検査スキーム(

JIS Z 9015-2

の場合には,抜取方式)を含み,適切な抜取検査スキーム(又

は抜取方式)を選ぶための条件(AQL,ロットサイズ,検査水準など)について説明している。


31

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

1

回抜取方式の例は,次のとおりである。

サンプルサイズ

n

=125(アイテム)

合格判定個数 Ac=5(不適合品)

不合格判定個数 Re=6(不適合品)

1

回抜取検査スキームの例は,なみ検査,きつい検査及びゆるい検査の次のような組合せに

JIS Z 9015-1

に与えられている切替えルールを追加したものである。

なみ検査

きつい検査

ゆるい検査

サンプルサイズ

n

=125

n

=125

n

=50

合格判定個数 Ac=5 Ac=3 Ac=3

不合格判定個数 Re=6 Re=4 Re=4

2.27

分布の特性(項分布,ポアソン分布及び超幾何分布)

連続シリーズ中のロットに対する OC 曲線は,不適合品パーセントが問題になっている場合には,2 項

分布を使用して計算してある。工程は,平均品質が 100p%になるような条件下で操業しているものと仮定

している。工程は,この平均品質を保ちながらランダムなばらつきを伴って操業している。その場合,ロ

ットの平均不適合品パーセントは 100p%になり,2 項分布に従って分布するであろう。

連続シリーズのロットの 100 アイテム当たりの不適合数検査の場合には,そういう不適合に対する当然

の限界がないことがある。合否判定に 100 アイテム当たりの不適合数が使用される場合には,ポアソン分

布を当てはめるのが妥当であり,連続シリーズ中の各ロットの合格の確率は,ポアソン分布に基づいて計

算してある。

上記の議論は,

JIS Z 9015-1

JIS Z 9015-3

及び

JIS Z 9009

に対するものである。

孤立ロットに対する抜取検査の場合で不適合品パーセントの場合には,合格の確率の適切な計算法は超

幾何分布の使用である。

ロットサイズに対するサンプルサイズの比率が小さいときには,2 項分布が超幾何分布の良い近似にな

る。不適合品パーセントが小さく,サンプルサイズが大きいときには,ポアソン分布が 2 項分布の良い近

似になる。

備考4.

このテーマの詳細については,統計的方法及び抜取検査のテキストを参照するとよい。

初期の抜取検査表を開発するときには,超幾何分布は計算が面倒なので使用されなかった。これはもう

問題ではなくなったので,適切な場合には超幾何分布が使用されている。

参考

孤立ロットで 100 アイテム当たりの不適合数の場合に関しては,

JIS Z 9015-2

参照。ロットサ

イズに対するサンプルサイズの比率が大きいときには,超幾何分布を拡張したものが良い近似

値を与える。

3.

JIS Z 9015-1

抜取検査システム

3.1

JIS Z 9015-1

の記述

JIS Z 9015-1

には,規格中の付表の使用上のインストラクションについての序論的な本体があるが,そ

の本体はできるだけ短くしてあり,必要最小限の説明だけを含んでいる。この規格の目的は,このインス

トラクションを拡張すること,及び詳細なコメントと多数の例の追加によって

JIS Z 9015-1

抜取検査シス

テムを組み立てている抜取検査法を解明することである。

この箇条の角括弧中の数字で * がついているものは,

JIS Z 9015-1

の該当箇条の引用である。

JIS Z 9015-1

は,ロットごとの計数値抜取検査[

3.1.3

*

]

のために設計されている。この抜取検査システム


32

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

は,一連のロットの外部検査に適している。内部検査とか時たまの孤立ロットに対しては,

JIS Z 9015-2

の使用を考慮するとよい。この規格は,抜取検査スキームではなく抜取方式を集めたものである。

参考

外部検査とは,例えば,購入品や外注品の合否判定抜取検査を指し,内部検査とは,例えば,

工程間検査を指す。

JIS Z 9015-1

の付表には,アラビア数字の番号が付けてあり,細分するときにはアルファベットの大文

字が付けてある。例えば,

付表 1

付表 2A

付表 2B

などである。この規格の表にもアラビア数字の

番号が付けてある。例えば,

表 1

表 2

表 3

などである。この規格で表を引用するときには,毎回どちら

の規格の表かを示さない。その代わり,

JIS Z 9015-1

の表番号には

*

を付けてある。

参考

JIS Z 9015-1

の表で番号の付いているのは付表である。

JIS Z 9015-1

抜取検査システムの主目的は,製品の合格を AQL(合格品質水準)[

3.1.24

*

]

以上の水準に管

理することである。しかし,AQL を設定したということは,どんな不適合品でも知りながら供給する権利

を供給者に与えることを意味するわけではない。

そこで,AQL とは,消費者が抜取検査の経済的利益を得るために受け入れようとしている計算された危

険率の指標だという考え方もある。しかし,もし抜取検査に伴う危険率が受け入れられなかったり,手頃

な抜取方式が利用できなかったりすれば,その製品は全数検査しなければならない。抜取検査を使用する

ことになって,製品が AQL より悪い品質で生産されているときには,抜取方式が適切に選んであれば合

格の確率が低下し,それによって最小限の遅れで品質の改善を図るように促すことになる。その結果,生

産が妥当な水準(すなわち,AQL より良い品質水準)で管理されるのを期待できる。

ある機械,ある工程又はある生産ラインが不適合品ゼロで生産するのを保証することが困難だったりコ

ストが高過ぎたりする場合がしばしばあることを理解する必要がある。実際には,ある程度の不適合品パ

ーセントなら合格にしてもよいのであるが,これは必ずしも不適合品を全部最終製品に使うということを

意味するわけではない。不適合品の一部は後の検査段階で検出されるであろうし,他のものは組立や機能

試験ではねられるであろう。合格可能な不適合品パーセントの限界は,経済的考察で決まることが多い。

手頃な価格でほどほどに良い品物と,払えないほどの価格でも更に良い品物との選択に消費者が直面する

ことがあるからである。品質管理を良くすれば,低い不適合品パーセントで生産できるようになることが

多い。こういう状況下では,品質を良くすればコストも下がる。

JIS Z 9015-1

は,五つの部分から成ると考えてよい。すなわち,本体,主抜取表(

付表 1

付表 4

*

,補

助表(

付表 5

付表 9

*

付表 12

*

)及び拡張表(

付表 10A∼付表 10S

*

)並びに補助主抜取表(

付表 11

*

である。

本体では,使用する用語を定義し,また抜取検査の実施のルールを与えている。

拡張表の前半のページは,主抜取表で既に与えてある情報の繰り返しである。レイアウトを変えた 2 種

類の表の情報が利用できるのは実務上便利だということが分かっている。一方の表が他の表より使いやす

い場合があり,逆の場合もあるからである。

この抜取検査スキームは,AQL という概念を基礎としている。また抜取方式は AQL とサンプルサイズ

を指標にしている。

もっとも,

サンプルサイズ自身を直接の指標として使用するのではなく,

“サンプル

(サ

イズ)文字”という形でコード化している(

3.18

参照,そこにその理由が説明してある。

2

回抜取方式及び多回抜取方式も与えてある[

11.1.2

*

及び

11.1.3

*

]が,OC 曲線が合っているという意味

では 1 回抜取方式とほぼ等価である。

なみ検査,きつい検査及びゆるい検査[

9.

*

]

に対する付表と,それらの間の切替えルール[

9.3

*

]

が与えてあ

る。


33

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

3.2

JIS Z 9015-1

使用のための関連規定の準備

もしある製品(又はサービス)が容易に

JIS Z 9015-1

の抜取検査法にかけられるということになったら,

その製品に対する特定の規定を適切な形式の文書にする。このような規定中の要求事項は,次のようにま

とめられるであろう。

a)

その製品に関する検査及び/又は試験の各要求事項は,計数値の形で表現する。もし検査する特性が

測定可能ならば,計量値抜取検査を使うかどうか決める必要がある。

b)

各要求事項は,次のような要素を明示することが望ましい。

1)

製品のアイテム

2)

適用できる場合には,特性のクラス分け

3)

各不適合に対して個別に AQL を与えるかどうか,又はグループにまとめるかどうか(まとめるな

らどういうグループにするか)

4)

各不適合又は不適合のグループに対して要求する AQL

5)

各不適合又は不適合のグループに対して要求する検査水準

6)

最初になみ検査,きつい検査又はゆるい検査のうちどれを適用するか

7)

ロットサイズに何か制限があるかどうか

8)

ゆるい検査は使用してよいかどうか

9)

もし検査が停止になったら何をすることが望ましいか

10)

所管権限者の指定

さらに,もし望むなら,抜取検査形式(1 回,2 回又は多回)を決めてもよいが,決めなくてもよい。も

し生産が孤立バッチになりそうなら,

JIS Z 9015-2

を使用するために,AQL の代わりに LQ の値を決める

ことが望ましい。

3.3

不適合及び不適合品のクラス分け

合否判定抜取検査が二つ以上の品質特性の評価を含む場合のために,

JIS Z 9015-1

では,各タイプの不

適合の重要性に対応してそれぞれのタイプに対する合格判定個数を変えるという方法を用意してある

5.2

*

及び

7.3

*

。不適合は一般にその重大さの程度によって次のようにクラス分けする。

クラス A: その製品又はサービスにとっては,最高の関心をもたれるようなタイプの不適合。このクラ

スの不適合には低い AQL の値を割り付けることが望ましい。

クラス B: 前者に次ぐ程度の関心をもたれるようなタイプの不適合。したがって,このタイプの不適合

に割り付ける AQL の値はクラス A より大きく,クラス C より小さくすることが望ましい(ク

ラス C 以降も同様である。)。

クラスの数や各クラスへの割り付けは,個別の条件に応じた品質の要求事項に対して適切に選ぶことが

望ましい。

AQL

を各クラスへ割り付ける方法はいろいろある。おそらく一番簡単なのは,次の例のように,全不適

合をクラス A とクラス B の二つに分けて各クラスへ一つずつの AQL を割り付ける方法である。

クラス AQL

A 0.40

%

(不適合品)

B 1.5

%

(不適合品)

この場合には,これらの AQL に対応して二つの抜取方式が得られる。もしロットがこの二つの抜取方

式で合格すれば,ロットは合格となる。もしこの抜取方式のどちらか又は両方で不合格となれば,ロット

は不合格となる。


34

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

可能な代案には,次のようなものがある。

a)

クラスの数を三つ以上にするが,判定は各クラスに対して個別に行う方法。

例えば,

クラス AQL

A 0.65

%

(不適合品)

B 1.5

%

(不適合品)

C 4.0

%

(不適合品)

b)

各特性に対して個別に AQL を割り付けるが,全特性又はあるクラスの全特性に対してまとめて上積

みの AQL を割り付ける方法,例えば,三つの不適合に対してそれぞれ AQL1.0 を割り付けた上に,三

つの不適合全部に対して AQL1.5 を割り付ける。こういう方法は,品物が複雑で多くの独立な特性を

検査するときには価値がある。

c)

クラス A はそれだけで考えるが,更にクラス A とクラス B の全不適合をまとめて考える。AQL は,

例えば,次のようにする。

クラス AQL

A 1.0

%

(不適合品)

A

+B 4.0

%

(不適合品)

この規格では,一番簡単な方法だけを詳細に考察する。他の方法は適切な状況下では役に立つことは間

違いないが,複雑な抜取方式を使っての仕事は現場の作業員にはやっかいだということを理解しなければ

ならない。多くの場合には,簡単な方が望ましい。

16.

品物を検査するときに,それぞれ5か所の寸法をチェックするような製品がある。各タイプの不

適合の影響度を検討した結果,寸法1及び2はクラス A に割り付けなければならないが,他の三

つの寸法はクラス B にまとめてよいということになった。

AQL

は,次のように選んだとする。

クラス AQL

A 0.65

%

(不適合品)

B 2.5

%

(不適合品)

この両方のクラスに対して,検査水準 III,1 回抜取方式,なみ検査を使用することになり,

ロットサイズは 900 だとする。抜取方式は,次のようになる。

クラス

サンプルサイズ

合格判定個数

(不適合品)

不合格判定個数

(不適合品)

A 125

2

3

B 125

7

8

各クラスに対して同じサンプルサイズを使用するが,合格判定個数は異なるというパターンは代表的で

あり,また検査の監督を容易にする。同じ物理的サンプルを各クラスに対して使用することができるから

である(一つ以上のタイプの不適合が破壊検査の場合を除く。

あるロットからの 125 個のサンプルが,次のような結果を与えたとする。

−  1 個のアイテムは,寸法 1 だけで不適合品になった。

−  1 個のアイテムは,寸法 2 及び寸法 4 で不適合品になった。

−  2 個のアイテムは,寸法 3 だけで不適合品になった。

−  3 個のアイテムは,寸法 3 及び寸法 4 で不適合品になった。

クラス A の不適合品は 2 個,クラス B の不適合品は 5 個ある。ロットは合格である。

17.

ある製品を次のような条件で検査することになった。ロットサイズ500,検査水準 II,1回抜取


35

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

方式,なみ検査。AQL は,次のとおりである。

クラス AQL

A 0.065

%

(不適合品)

B 0.25

%

(不適合品)

抜取方式は,次のようになる。

クラス

サンプルサイズ

合格判定個数

(不適合品)

不合格判定個数

(不適合品)

A 200

0

1

B

50

0

1

こういう状況下では,50 個のサンプルは全タイプの不適合を調べ,それから更に 150 個のサンプルはク

ラス A の不適合だけを調べる方がよい。

いずれにしても 200 個のサンプルは必要なので,代案として検査員はこのサイズのサンプルを両方のク

ラスに対して検査すると決めてもよい。こうすれば,クラス A の不適合だけを調べるはずの 150 個のアイ

テム中にクラス B の不適合が見つかっても検査員は無視しなければならないという心理的問題も克服でき

る。この方法は,所管権限者[

3.1.10

*

]

が承認すれば使用できる。サンプル文字 L を使用すれば,クラス B

に対する抜取方式は,次のようになる。

サンプルサイズ

n

=200

合格判定個数 Ac=1

不合格判定個数 Re=2

不適合が,別の AQL をもった異なるクラスにクラス分けされているときには,なみ検査ときつい検査

の間の切替えは,一つの AQL が規定されている各クラス又は各クラスのグループごとに,その特定のク

ラスに対する合格又は不合格に基づいて,別々に行う。

18.

条件は次のとおりである。ロットサイズ275,検査水準 III,1回抜取方式(サンプル文字 H)

AQL

はクラス A に対しては不適合品パーセント1.5%,クラス B に対しては不適合品パーセン

ト4.0%。

表 4

に,仮想的結果及び切替えのやり方を示す。


36

Z 901

5-0 :

1999

 (ISO

 285

9-0 :

 1995)

表 4  仮想検査工程からの 20 ロットの抜取検査結果,検査水準 III(例 18.参照)

ロット

番号

ロットサイズ  サンプルサイズ

クラス A(AQL=1.5,不適合パーセント)

クラス B(AQL=4.0,不適合パーセント)

総合合否

Ac

Re

不適合品

合否

次 ロ ッ ト に

対する処置

Ac Re

不適合品

合否

次 ロ ッ ト に

対する処置

36 275

50  2

3

2

なみ続行  5 6 3 合

なみ続行

37 275

50  2

3

1

なみ続行  5 6 4 合

なみ続行

38 275

50  2

3

3

なみ続行  5 6 3 合

なみ続行

39 275

50  2

3

2

なみ続行  5 6 3 合

なみ続行

40 275

50  2

3

4

いへ移行

5 6 5

なみ続行

41 275

50  1

2

2

きつい続行

5 6 4

なみ続行

42 275

50  1

2

3

きつい続行

5 6 8

なみ続行

43 275

50  1

2

1

きつい続行

5 6 6

きついへ移行

44 275

50  1

2

1

きつい続行

3 4 5

きつい続行

45 275

50  1

2

0

きつい続行

3 4 3

きつい続行

46 275

50  1

2

0

きつい続行

3 4 5

きつい続行

47 275

50  1

2

1

なみへ移行

3 4 2

きつい続行

48 275

50  2

3

1

なみ続行  3 4 2 合

きつい続行

49 275

50  2

3

1

なみ続行  3 4 1 合

きつい続行

50 275

50  2

3

0

なみ続行  3 4 0 合

きっい続行

51 275

50  2

3

1

なみ続行  3 4 2 合

なみへ移行

52 275

50  2

3

1

なみ続行  5 6 2 合

なみ続行

53 275

50  2

3

0

なみ続行  5 6 1 合

なみ続行

54 275

50  2

3

2

なみ続行  5 6 4 合

なみ続行

55 275

50  2

3

2

なみ続行  5 6 3 合

なみ続行

備考  合=合格,否=不合格


37

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

備考5.

このような短期間に切替えが何回も起こるのは,例としては役に立つが,実際にはありそう

もない。

3.4

ロット

ロット検査については

2.4

で紹介したが,そこでロットサイズ(

2.4.2

参照)を議論したときに,ロット

中の全アイテムが実質的に同じ条件下で生産されていれば,ロットは大きい方がよいとした。品質が異な

ると思われる小さいロットは大きい検査ロットにまとめない方がよい。

ロットの構成については,ここで例とともに更に議論する。

19.

ある生産者が,次のような条件で検査する品物を作っている。AQL2.5(不適合品パーセント)

検査水準 II,なみ検査,1回抜取方式。

彼は 2 台の機械,すなわち,A と B をもっている。各機械は,1 時間に 900 個の品物を生産

する。そこで 1 台の機械の 1 時間の生産量を 1 ロットとすることになった。上記の条件及びロ

ットサイズ 900 個から表を引けば,サンプル文字は J で次の抜取方式が求まる。

サンプルサイズ

n

=80(アイテム)

合格判定個数 Ac=5(不適合品)

不合格判定個数 Re=6(不適合品)

この OC 曲線は,

付表 10J

*

 (AQL

=2.5%)  から見いだすことができる。

ロットにまとめる基準を変えて,2 台の機械の 1 時間の生産量を 1 ロットにまとめて,ロットサイズは

900

個から 1 800 個に増加させる方が有利ではないかという示唆があった。もしこうしたとすれば,表から

サンプル文字は K で次の抜取方式が求まる。

サンプルサイズ

n

=125(アイテム)

合格判定個数 Ac=7(不適合品)

不合格判定個数 Re=8(不適合品)

新しい OC 曲線は

付表 10K

*

 (AQL

=2.5%)  から見いだすことができる。

これが有利かどうかは,2 台の機械,A と B が同じ品質の製品を生産しているかどうかによって決まる。

証拠として,次の三つの可能な場合を考察する。

a)

場合 1.

  機械 A と B は,両方とも不適合品パーセント 2.3%という同じ品質の製品を生産している。

この品質は AQL より良いので,圧倒的多数のロットがこの抜取検査手順で合格するであろう。

もしロットサイズが 900 で,サンプルサイズが 80 ならば,この抜取方式の下では約 99%のロット

が合格となり,1%より少し多いロットが不合格となることが OC 曲線から分かる。検査する品物の数

は,1 時間当たり 160 個になる。

もしロットサイズが 1 800 で,サンプルサイズが 125 ならば,99%以上のロットが合格となり,1%

より少し少ないロットが不合格となることが OC 曲線から分かる。検査する品物の数は 1 時間当たり

125

個ですむ。

大きいロットサイズの方が明らかによい。合格ロットも不合格ロットも含めて,全ロットが不適合

品パーセント 2.3%という同じ品質水準である。

b)

場合 2.

  機械 A と B は,両方とも不適合品パーセント 10%という同じ品質の製品を生産している。こ

の品質は AQL より悪いので,大部分のロットが不合格になることが望ましい。

もしロットサイズが 900 で,サンプルサイズが 80 ならば,20%のロットしか合格の機会がないこと

が OC 曲線から分かる。検査する品物の数は 1 時間当たり 160 個になる。

もしロットサイズが 1 800 で,サンプルサイズが 125 ならば,8%のロットしか合格の機会がないこ


38

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

とが OC 曲線から分かる。検査する品物の数は 1 時間当たり 125 個になる。

ここでもまた,大きいロットサイズの方が明らかによい。全ロットが不適合品パーセント 10%とい

う同じ品質だからである。

c)

場合 3.

  機械 A は,不適合品パーセント 2.3%の製品を生産しているが,機械 B は,不適合品パーセ

ント 10%の製品を生産している。

もしロットサイズが 900 で,サンプルサイズが 80 ならば,

“A”のロットは約 99%のロットが合格

となり,1%のロットが不合格となるが,

“B”のロットは 20%のロットが合格となり,80%のロットが

不合格となることが OC 曲線から分かる。

全体としては, (99%+20%)/2 のロット,すなわち約 60%のロットが合格となり,(1%+80%)/2 の

ロット,すなわち約 40%のロットが不合格となる。

合格ロットの平均の不適合品パーセントの水準は,次のようになる。

(%)

10

20

99

20

(%)

3

.

2

20

99

99

×

+

+

×

+

すなわち,約 3.6%である。検査する品物の数は 1 時間当たり 160 個になる。

もし,ロットサイズが 1800 で,サンプルサイズが 125 ならば,ロットの品質は,0.5×(2.3+10) (%),

すなわち,6.15%(不適合品パーセント)となり,50%のロットが合格となり,50%のロットが不合格

となることが OC 曲線から分かる。検査する品物の数は 1 時間当たり 125 個になる。

場合 1.

及び

2.

と同様に大きいロットは少ない検査個数を意味するが,

しかし 60%のロットが合格となり,

合格ロットの平均の品質は 3.6%(不適合品パーセント)になるはずだったのが,50%のロットが合格とな

り,合格ロットの平均の品質は 6.15%(不適合品パーセント)になるという対価を支払わなければならな

い。

もちろんどちらの場合でも,このように低い合格率は生産者及び検査員に生産が要求品質に達していな

かったと警告し,改善を要求することになるであろう。もし 2 台の機械の製品に対して別々に判定するの

なら,このトラブルの起こる場所を発見するのは容易である。しかし,もし製品が混合されてしまえば 2

台の機械のうち 1 台だけのせいだというのは全く分からなくなる。

もちろん

場合 3.

のように,2 台の機械の製品品質がこれほど違う(不適合品パーセントで 2.3%と 10%)

というのは大げさである。もし品質がそれほど違わなければ,ロットをまとめた結果はこれほど重大では

ないであろうが,原理は同じである。

実際には,ロットが二つ以上の供給源からのアイテムを含んでいることは非常に多い。供給源が違えば

製品の品質水準も違うだろうしロットを構成しているアイテムのシェアも各供給源が均等だとは限らない。

代表的な例は,多数のキャビティーがある成形機,多軸自動旋盤又は幾つかの類似した生産ラインからの

部品である。こういう生産の場合には,不便でコストのかかる特別な工夫をしない限り,供給源を区別す

るのは容易ではない。さらに要求されるサンプルサイズのロットにまとめるために,供給源が違う製品の

混合が必要になることもあるであろう。

そこで,供給源が違い,品質水準も違うアイテムを混合し,したがって,十分均一ではないようなロッ

トに対しても,抜取方式の OC 曲線は有効かどうかという質問が出るであろう。

解答は次のとおりである。OC 曲線の有効性は問題ないが,

(悪い製品と混合したために)良い製品を不

合格にしたり,

(良い製品と混合したために)悪い製品を合格にしたりすることがある。もし別々のままだ

ったら,良い製品を合格にし,悪い製品を不合格にすることができたはずである。

しかし,もし一つ以上の供給源の品質水準が他より著しく悪い場合には,全体の合格率に現れて,検討


39

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

が必要になるであろう。悪い供給源を探し,もしこれを矯正できなければ,孤立ロットとして別に検査す

る方がよい。

参考

ロットをサブロットに分け,層別サンプリングをすることができれば,サンプルサイズを増加

させず,しかもロット不合格のときに原因の発見に役立つ。

3.5

検査水準の意味

検査水準は,

ロットサイズとサンプルサイズとの関係を決めるものである。

この抜取検査システムでは,

ロットサイズが大きいときには,原則としてロットサイズが小さいときよりサンプルサイズが大きくなる

ようにしてある。しかしながら,これは比率が大きくなるという意味ではない。大きいロットに対しては,

小さいロットに対するときよりサンプルの比率は小さくなる。

JIS Z 9015-1

付表 1

*

には,3 種類の通常検査水準,I,II 及び III,並びに 4 種類の特別検査水準,S-1,

S-2

,S-3 及び S-4 が与えてある。通常検査水準は最もしばしば使用する水準であって,他の水準が規定さ

れた場合以外は水準 II を使用することになっている[

10.1

*

]

水準 I は,サンプルサイズが水準 II の半分よりむしろ小さいが,水準 III は,サンプルサイズが水準 II

の約 1 倍半である。

20.

ロットサイズ600の場合には,各検査水準に対するサンプルサイズは,次のとおりである。

検査水準

サンプル文字

サンプルサイズ

(1 回抜取方式)

I G 32

II J  80

III K 125

しかしながら,ある AQL に対しては,付表中の矢印によってこれらとは異なるサンプルサイズになる

ことがあるのを記憶しておかなければならない。

ロットサイズに対するサンプルサイズの比率の表を完全なものにするには,

(矢印の影響もあるので)

AQL

も考慮する必要がある。AQL の値が決まったとしても,サンプルサイズが一つに決まるというよう

なスムースな関係ではない。一方ではすべての可能なロットサイズに対して使用できるようにする必要が

ある。したがって,こういう表は明快化よりも混乱を招きがちである。しかしながら,この関係を要約し

て役立ちそうにした表を,

表 5

に与えてある。

表 5  三つの通常検査水準に対するサンプルサイズとロットサイズの関係

水準 I

水準 II

水準 III

ロットサイズに対するサン

プルサイズの率 (%)

(1 回抜取方式,なみ検査)

ロットサイズ

ロットサイズ

ロットサイズ

50%

未満

4

以上

4

以上 10 以上

30%

未満

7

以上 27 以上 167 以上

20%

未満 10 以上 160 以上 625 以上

10%

未満 50 以上 1

250

以上 2

000

以上

5%

未満 640 以上 4

000

以上 6

300

以上

1%

未満 12

500

以上 50

000

以上 80

000

以上

備考  この表は目安を与えるだけと考えた方がよい。ここに示したロットサイ

ズの値は,これよりロットサイズが大きければ左の条件を満足するよう
な値である。これよりロットサイズが小さくても条件を満足する場合は

多いが,ロットサイズがこの値より 1 個小さい場合には条件を満足する
ことはない。

特別検査水準は,サンプルサイズを小さくしておかなければならないような状況のために設計されてい


40

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

る。特別検査水準は,その意味するもの,すなわち,危険率を OC 曲線によって注意深く調べた後でなけ

れば使用してはならない。

JIS Z 9015-1

では,次のように述べている。

“S-1 から S-4 までの検査水準を指定するときには,これら

の検査水準と矛盾する AQL を避けるよう注意を払わなければならない”[

10.1

*

]

。要点は,次のとおりであ

る。特別検査水準の主目的は,もし本当に必要ならサンプルを小さくしておくことである。例えば,S-1

の下ではサンプル文字は最大が D で,

これは 1 回抜取のサンプルサイズ 8 に相当する,

しかし AQL が 0.1%

ならこれに対する最小のサンプルサイズは 125 なので,サンプルサイズを 8 以下にしたいと思って S-1 を

指定しても役に立たない。

サンプルを調べて得られる工程品質の情報量は,サンプルサイズの絶対値に依存し,サンプルサイズと

ロットサイズの比率に依存するわけではない。そこで次のような質問が出ることがある。

“なぜ,サンプル

サイズをロットサイズによって変えるのか。

これには,次のような三つの理由がある。

a)

リスクが大きいときには正確な判定が重要である。表を適切に使えば,次のような結果になる。ロッ

トサイズが大きくなれば,良い工程からのロットは合格となりやすくなるのに対して,悪い工程から

のロットは逆に不合格となりやすくなる。

b)

小さいロットに対しては不経済なサンプルサイズも,大きいロットに対しては採用できる。例えば,1

000

個のロットから 80 個のサンプルを取るのは経済的に妥当と思われる場合が多いが,100 個のロッ

トから 80 個のサンプルを取るのは,

ロットの大部分を検査するので割高だということになりがちであ

る。

c)

もしサンプルがロットのごく一部であるときには,正しくランダムサンプリングをするのは困難であ

る(

2.25

参照)

3.6

検査水準の決め方

JIS Z 9015-1

をその設計時の想定環境(長期間の連続ロット)に対して使用するときには,表を引く前

に,AQL と検査水準を設定する必要がある。生産を開始する前にこれらの値の設定が必要になることは非

常に多い。

AQL

の値を,工程平均(

2.7

参照)に対する要求品質として設定した後に,検査水準[

10.1

*

]

を設定する

ときに,もし悪い品質のロットが提出されたとしたらどれくらいの品質のロットが高い確率で不合格にな

るかを考慮した上で設定することが望ましい。そういう場合には,予想される生産量の範囲内のロットサ

イズに対してこの目的に応じた OC 曲線を与えるような検査水準を探すことができる。

AQL

及び LQ の両方が与えられた場合には,両方の条件を満足する OC 曲線は付表(

付表 10

*

)から発

見できるので,適切なサンプル文字を求めることができる。

そうなれば,予想される生産量を含むロットサイズの範囲に対してこのサンプル文字を与えるような検

査水準を(

付表 1

*

から)見出すことができる。

21.

 AQL

は1.5(不適合品パーセント)が選ばれた。なみ検査を使用しているときに,もし不適合

品パーセント6%のロットが提出されたら80%以上の確率でロットを不合格とすることが望ま

しい。拡張表の OC 曲線を見れば,AQL1.5%に対してはサンプル文字 A から J までは全部この

要求事項を満足しないことが分かる。

サンプル文字 K はほぼ正確にこれを満足する

(実際には,

不適合品パーセント6%のロットの不合格の確率は80%よりわずかに少ないが,大抵の実用的目

的に対しては十分に合っている。

。サンプル文字 L から P まではこの要求事項を十分すぎるほ

ど満足している。


41

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

通常予想されるロットサイズが 1 000 だとする。その場合には,検査水準 III を選べばロット

サイズ 1 000 に対するサンプル文字は K になる。後になってロットサイズが大きくなれば,こ

の検査水準では K より後のサンプル文字になるかもしれない。ロットサイズが大きくなれば悪

いロットを合格としたり良いロットを不合格としたりする危険率を減らす方向に向かうので,

これで差し支えない。この目的からは,ロットサイズに上限を設ける必要はない(他の理由か

らそういう上限を設けることが必要になるかもしれない。

。しかし,K より前のサンプル文字

を使用することにならないようにするためには,ロットサイズに下限を設ける必要はあるであ

ろう。サンプル文字 K の使用を確実にするためには,水準 III に対してはロットサイズの下限

は 501 以上にする必要がある。

22.

 AQL

は0.40(不適合品パーセント)が選ばれた。なみ検査を使用しているときに,サイズが10

000

のロットに対して,もし不適合品パーセント1%のロットが提出されたら95%以上の確率で

ロットを不合格とすることが要求された。OC 曲線を見れば,AQL0.4%に対してはサンプル文

字 R でさえもこの要求事項を満足しないことが分かる。こういう場合には,この要求が本当に

必要かどうか疑問をもつ方がよい。もしどうしても必要ということに決まれば,唯一の道は

AQL

をきつくすることである。不適合品パーセント0.25%にすれば,サンプル文字 R がこの要

求事項を満足する。

しかしながら,

付表 1

*

にはロットサイズ 10 000 に対してサンプル文字 R を与える検査水準は

ない。したがって,検査水準を規定する代わりにサンプル文字 R を規定する必要がある。

表に与えてある検査水準だけが可能なすべての検査水準というわけではない。

特殊な場合に対しては

“特

殊な”検査水準を規定しなければならないことがある。

“特殊な”検査水準に対する特殊な場合とは,例え

ば,

例 21.

のように一定の OC 曲線が要求されたら,ロットサイズに無関係に一定のサンプル文字を与える

という方法であろう。

生産開始の時点で,又は過去の生産記録が利用できないときには,その生産の工程能力を把握するため

に,

しばらくの間全数検査をすることが望ましいであろう。

もし抜取検査手順を使用することになったら,

その代わりに,生産初期には実施可能な又は経済的な最高の検査水準を選ぶことが望ましいであろう。も

し工程平均の記録から,検査水準を下げても消費者危険の方は差し支えないと分かったらその低い検査水

準に変更してよい。低い検査水準を選ぶと,提出品の品質が AQL と同じかそれより良いときの合格の確

率に対する影響よりも,LQ で消費者危険を増加させる影響の方が大きいことに注意する方がよい。

もう一つの例は,二つ以上の検査水準を使用する例であるが,抜取検査表が同じ製品に対して二つの異

なる検査組織(例えば,主契約者と下請け業者又は生産者と政府の検査機関)によって適用される場合で

ある。両者は同じ AQL を使用し,同じ特性を検査することが望ましいが,消費者は生産者の検査員に合

否判定抜取検査に使用するのより高い検査水準を使用するよう要求することができる。

こういう場合には,

他の抜取検査手順を使用する可能性もあるが,それはこの規格の適用範囲外である。

経済的理由から又は抜取検査が破壊試験になるために,低い検査水準を使用しなければならないという

こともあり得る。そういう場合には,検査員は各サンプルを全部(打切りせずに)検査して,推定工程平

均を定期的に計算することが望ましい。もし工程平均を管理図(例えば,

JIS Z 9021

,シューハート管理

図参照)の形で記録すれば,品質要求事項が満足されているかどうかはっきり分かるであろう。過去の生

産工程を処理することはできないであろうが,将来改善をするための指標として利用することはできるで

あろう。

低い検査水準に対する反対には,限界品質において 10%というような消費者危険は AQL に比べて高す


42

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

ぎるというのがある。しかし,もし連続シリーズのロットからの記録を調べれば,累計サンプルは,高い

検査水準で後続のサンプル文字に対する抜取方式と同等になるであろうし,後者に対しては,LQ での消

費者危険はずっと良くなるはずである。そこで累計結果をこの新しい抜取方式と比べれば,過去の合格又

は不合格の判定の再検討ができるであろう。

23.

ある外部検査機関が現在二つの生産者,A 及び B からの生産品を調べている。現行の全数検査

の代わりに AQL1%の抜取方式の適用が提案された。

生産者 A は,約 4 000 個のロットを工程平均不適合品パーセント 0.8%で製造している。時た

まロットの不適合品パーセントが 4%にまで上昇することがある。

検査水準の選択を助けるために,通常検査水準 I,II 及び III に対する OC 曲線を調べた(

6

参照)

。水準 II の抜取方式  (n=200, Ac=5, Re=6)  よりも不適合品パーセント 4%のロットの

合格を防ぐ保証を強化することになった。したがって,水準 III が選ばれ,抜取方式は n=315,

Ac

=7,Re=8 となった。入検品質が不適合品パーセント 4%の場合には,合格の確率は,水準

II

を使用したときの 19%から,水準 III の抜取方式を使用すれば 7%まで下げられる。

生産者 B は,同程度のサイズ(約 3 500 個)のロットを製造しているが品質記録は A より良

い。工程平均の真値は不適合品パーセントで 0.4%から 1.7%までの間で変動している。

図 6

から明らかなように,検査水準 I,II 及び III に対して

付表 1

*

からそれぞれ求められるサンプル文字

J

,L 及び M に対する OC 曲線は,入検品質が不適合品パーセント 1.7%の場合には,OC 曲線は実際的には

ごくわずかの差しかない。そこで,検査するサンプル個数の節減が図れるように検査水準 I が規定された。

そういう生産者に検査コストの節減で報いることができれば有利であろう。


43

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

図 6  検査水準を決めるための OC 曲線の比較(AQL1%,なみ検査)

3.7

AQL

の優先値

JIS Z 9015-1

の付表には,0.010(すなわち,製品 10 000 アイテム当たり 1 個の不適合品)から 1 000(す

なわち,製品 100 アイテム当たりの不適合数 1 000,又は 1 アイテム当たりの平均不適合数 10)まで 26 段

階の AQL が与えてある。この 26 種類の AQL は,隣接するものの比が約 1.5 倍になるように選んである(実

際には,この比の平均値は 10 の 5 乗根,すなわち 1.585 である。

ある製品の検査のために規定された AQL が,この AQL の優先値のうちのどれかであるときには,付表

を使用することができる。しかし,もし規定された AQL が AQL の優先値でなければ,付表を使用するこ

とはできない[

5.3

*

]

。このような状況下では,こういう AQL を規定した人が誰であっても,その人に AQL

の優先値が十分使えるのではないか再検討してほしいという要請をすることが望ましい。もしだめなら,

要求された特定の AQL に対して特別に抜取方式を設計しなければならない。100 以上というような非常に

大きい AQL は滅多に使うことはない。それは各アイテムに不適合がある製品でも満足だということを意

味するからである。こういうことは,見つかった不適合が軽度のもので,製品がかなり複雑な場合,例え


44

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

ば,完成車のようなものにしかあり得ない。

24.

後に衣服に仕上げるための服地の検査では,アイテムはある面積の服地かもしれない。軽度の

織りむらの検査では,平方メートル当たりの不具合が平均4個でも合格かもしれない。その場合

には,AQL は100m

2

当たりの不適合数で400と規定してよい。

3.8

AQL

の非優先値

監督をしやすくするために,できるだけ AQL の優先値を使用することが望ましい。しかしながら,

JIS Z 

9015-1

のパターンから,優先値以外の AQL を選んでも

JIS Z 9015-1

抜取検査システムと整合する抜取方

式を設計するのは容易なことである。

表 6

に与えてあるまとめは,全部のサンプルサイズの値と AQL の値が一つの変量 n

0

,すなわち,1 回抜

取方式のサンプルサイズで表してある。n

0

の値を選べば,その値といろいろな AQL に対応する 2 回及び

多回抜取方式がたちどころに求められる。

表 6  JIS Z 9015-1 のなみ検査及びきつい検査に対する抜取検査方式のまとめ

合格品質水準,AQL(なみ検査)

0

5

.

12

n

0

50

n

0

80

n

0

125

n

0

200

n

0

315

n

×

0

500

n

×

0

800

n

×

0

250

1

n

抜 取
検 査

形式

サンプル
サイズ

累計

サンプル

サイズ

Ac

Re

Ac

Re

Ac

Re

Ac

Re

Ac

Re

Ac

Re

Ac

Re

Ac

Re

Ac

Re

Ac

Re

Ac

Re

Ac

Re

1

n

0

n

0

 0  1   1  2   2  3  3  4  5  6  7  8  8  9 10 11 12 13  14 15  18 19  21 22

0.63n

0

 0.63n

0

*

 0  2   0  3  1  4  2  5  3  7  3  7  5  9  6 10   7 11   9 14  11 16

2

0.63n

0

 1.26n

0

 1  2   3  4  4  5  6  7  8  9 11 12 12 13 15 16  18 19  23 24  26 27

0.25n

0

 0.25n

0

*

 #  2   #  2  #  3  #  4  0  4  0  4  0  5  0  6   1  7   1  8   2  9

0.25n

0

 0.50n

0

 0  2   0  3  0  3  1  5  1  6  2  7  3  8  3  9   4 10   6 12   7 14

0.25n

0

 0.75n

0

 0  2   0  3  1  4  2  6  3  8  4  9  6 10  7 12   8 13  11 17  13 19

0.25n

0

 1.00n

0

 0  2   1  3  2  5  4  7  5  9  6 11  9 12 11 15  12 17  16 22  20 25

多回

0.25n

0

 1.25n

0

  1  2    3  4   4  5   6  7   9 10 10 11 12 13 15 16  18 19  23 24  26 27

0

20

n

0

80

n

0

125

n

0

200

n

0

315

n

×

0

500

n

×

0

800

n

×

0

250

1

n

×

合格品質水準,AQL(きつい検査)

備考  *=1 回抜取方式を使用する。 

#

=このサンプルサイズでは,合格の判定はできない。

25.

 AQL2.0

(不適合品パーセント)が規定された。なみ検査及びきつい検査に対する1回抜取方式

のセットが必要である。合格判定個数0の列から,なみ検査に対する AQL の値は12.5/n

0

を読み

とる。12.5/n

0

=2(すなわち,不適合品パーセント2%)とおけば,n

0

=6.25となる。これを直近

の整数に丸めて6とする。

同様に,合格判定個数 1 の列から AQL の値は 50/n

0

となる。50/n

0

=2 とおけば,n

0

=25 とな

る。他の列からも同様にして求めれば,次のような抜取方式が得られる。

サンプルサイズ

Ac

6 0

25 1

40 2

63 3

100 5

158 7


45

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

250 10

400 14

625 21

きつい検査に対しては,

上側の AQL の目盛りの代わりに下側の目盛りを使えば次のようにな

る。

サンプルサイズ Ac

10 0

40 1

63 2

100 3

158 5

250 8

400 12

625 18

26.

サンプルサイズ100 (Ac=5, Re=6)  という

25.

で求めた抜取方式に対する2回及び多回抜取方

式が必要である。n

0

=200とすれば,合格判定個数5の列から,速やかに次のような結果が得ら

れる。

サンプルサイズ

累計サンプルサイズ Ac

Re

63 63

2 5

63 126

6 7

サンプルサイズ

累計サンプルサイズ Ac

Re

25

25

# 4

25

50

1 5

25

75

2 6

25

100

4 7

25

125

6 7

しかしながら,こういうやり方では各種の補助的情報が得られないので,優先値以外の AQL の使用は

正規の手順とは考えない方がよい。

3.9

AQL

の決め方

2.6

では,AQL の概念,それぞれの要求事項に応じた消費者及び生産者の AQL に対する見解,及びアイ

テムの使用と不具合の結果が AQL の決め方に及ぼす影響について紹介した。

幾つの部分品が最終の装置に含まれるかも考慮する必要がある。例えば,もし独立で同じ重要度の 3 個

の部分品を含む 1 台の装置の品質が不適合品パーセント 10%以下と規定されたならば,3 個の部分品はそ

れぞれ不適合品パーセント 3.5%以下にすればこの要求事項を満足するであろう。また,もし 10 個の部分

品を含んでいたとすれば,それぞれの不適合品パーセントは 1%以下にする必要があったであろう。

部分品が適合品か不適合品かは独立であるとすれば,確率の積の法則から次の式が得られる。

k

x

X

÷

ø

ö

ç

è

æ

=

100

100

1

100

ここに,

X

は組立品の

AQL,

x

は部分品の

AQL,


46

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

k

は組立品

1

個当たりの部分品の個数である。

ただし,

X

は組立工程の不具合によって起こる不適合を考慮していない。

こういう状況下では,生産者は各部分品に対して適切と思われる

AQL

を選び,それから総組立品に対

する品質の期待値を計算したいと思うはずだし,一方消費者は総組立品に対する

AQL

を決めてから各部

分品に対して必要な品質を計算したいと思うであろう。一般的には,総組立品の性能の方が実際には重要

なので,第

2

の方法の方が妥当である。しかし,これはほとんどいつでも厳しい

AQL

になるので高価な

方法でもある。しかしながら,複雑な品物に対して良い品質を求めるのは,簡単な品物に対して同程度に

良い品質を求めるのよりは高価にならざるを得ないということは理解しなければならない。

消費者が支払える価格で,当面の生産方法の下で,どういう品質水準が妥当に期待できるかという質問

に対する解答は,どういう品質水準のものが過去に生産されてきたか,また許容されてきたかを調べれば

分かることが多い。品物が新製品で過去に生産実績がない場合には,適切な情報が得られるような類似品

が存在することが多い。過去の工程平均の計算は特に役に立つであろう。過去の品質実績を調べるという

このアイデアは,過去の品質水準は聖域で常に最良であるということを意味するものとは考えない方がよ

い。それは,不適合品の生産コストは適合品の生産コストとほとんど同じであり,不適合品パーセントの

減少がコストの減少を意味することが多いからである。これは妥当な

AQL

を決めるときに考慮するべき

要素の一つにすぎない。

AQL

を決めただけでは,悪い品質のロットは不合格になるという保証を消費者に与えるわけではないと

いうことを記憶しなければならない。第

1

に,

AQL

は平均値に対するものである。平均値は

AQL

より良

くても,一部のロットは

AQL

より悪いことがある。第

2

に,提出品の平均品質が

AQL

より多少悪くても

きつい検査に移行するようになるまでに多分多数のロットが合格するであろうし,きつい検査に移行した

後でもある程度のロットは合格するであろう。しかしながら,一般的には,消費者は平均値が

AQL

より

良い製品を入手できると期待することができる。それは,生産者がわずかな割合のロットしか不合格にな

らないようにし,また不合格ロットの割合が増えたら生産品質の改善の手順を踏むようにするしかないよ

うな経済的刺激が,この抜取検査システムには組み込まれているからである。

消費者の立場では,起こるであろうことをよりどころにするのは,確実に起こることをよりどころにす

るのに比べれば不満足だと思うかもしれない。しかし,実際には大部分の製造業者は,もし不合格になる

ロットが増えたら大変困るという理由だけにしても,工程平均が

AQL

を超えないように監視する手順を

踏んでいるのである。とにかく,消費者の保護は,

AQL

と関係がある

OC

曲線の上端部とともに

OC

曲線

の下端部にも依存している。そしてこの

OC

曲線の下端部は,候補になっている抜取方式の

CRQ

を検討す

れば調節できるのである。

いつでも

AQL

を最初に選び,それから他のものを選ぶという手順は必ずしも必要ではない。必要なと

きにはいつでも,抜取検査表に“裏口から”入って,何か他の基準で抜取方式を選び,それから望ましい

結果を与えるような

AQL

を見つけるということができる。こういう場合には,

AQL

は標準的な付表を使

えるようにするための便利な指標であり,また次のような質問に対する解答としても価値がある。生産者

は主としてどちらに関心があるか,大部分のロットが合格になるようにするためにはどれくらいの品質で

製造しなければならないか。

このような“裏口”法を使用するならば,最初に選ぶのは,特に重要と思われる

OC

曲線の下方の点か,

又は何かの経済的基準かになるであろう。今までに提案された経済的基準の中で多分一番簡単なのは損益

分岐点を推定するという方法である。すなわち,もしロットが合格になったとしたら合格した不適合品に

よって起こる被害のコストと,ロットが不合格になった場合のコストがちょうど同じになるようなロット


47

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

の品質である。

もし損益分岐品質を推定することができれば,この品質に対して

50%

のロットが合格になると期待され

るような抜取方式を選べるであろう。しかし,この品質に対して合格の確率が

50%

になるのを特に望んで

いるわけではない(もしこの特定の品質のロットが提出されたら,抜取方式はあまり役にたたないという

ような意味である。

)が,品質がこの損益分岐品質より良ければ合格の確率が

50%

より大きくなるし,品

質がこの損益分岐品質より悪ければ不合格の確率が

50%

より大きくなるからである。

最後に,これらの諸要素を考慮した後に,もしできれば,使用する付表に与えてある

AQL

の値のどれ

かを選ぶことが望ましい。そうしないと付表が使えないので特別な抜取方式を設計することになるであろ

う。

追加情報が

ISO/TR 8550

に与えてある。

3.10

  JIS Z 9015-1

の付表からの抜取方式の見出し方

付表から抜取方式を見出す前に,次の五つのものを知っておく必要がある。

a)

合格品質水準,

AQL

2.6

参照)

b)

検査水準(

3.5

参照)

a)

及び

b)

は,特定の製品に対して契約の最初に規定され,契約の期間中ずっと

一定に保たれるであろう。

c)

なみ検査,きつい検査又はゆるい検査のどれを使用するか。これは過去の数ロットの抜取検査結果を

調べて決めるが,その詳細は

3.11

から

3.14

までに説明する。ここではなみ検査を使用するものと仮定

する。

d)

  1

回,

2

回又は多回抜取方式のどれを使用するか。ここでは

1

回抜取方式を使用するものと仮定する。

e)

ロットサイズ。

27. AQL

1.0

,検査水準は

II

,ロットサイズは

2 500

だとする。

最初に必要となるのはサンプル文字である。ロットサイズ

2 500

,検査水準

II

に対するサン

プル文字は,

付表 1

*

から

K

となる。

適切な主抜取表(

付表 2A

*

)から,

1

回抜取方式に対するサンプルサイズは

125

である。

なみ検査に対する

AQL

は,付表の上部にあり,

1.0

という値の下の方に,

Ac

及び

Re

として

3

及び

4

という数値が与えてある。

求める抜取方式は,次のとおりである。

サンプルサイズ

n

125

(アイテム)

合格判定個数

 Ac

3

不合格判定個数

 Re

4

代わりに,

拡張表 10-K-2

*

を使用することもできる。

この場合にも,前回と同様にサンプルサイズは

125

となり,

AQL

1.0

の列から,合格判定個

数及び不合格判定個数は

3

及び

4

という数値が見出せる。

28. AQL

0.40

,検査水準は

I

,ロットサイズは

230

だとする。

付表1

*

からサンプル文字は

E

となる。

主抜取表 2A

*

を使用すると,サンプル文字

E

及び

AQL0.40

に対しては,抜取方式はないこ

とが分かる。しかし下向きの矢印が使用者にサンプル文字

E

の代わりに

G

を使用するように指

示している。したがって,求める抜取方式は次のようになる。

サンプルサイズ

n

32

(アイテム)

合格判定個数

 Ac

0

不合格判定個数

 Re

1


48

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

代わりに使用するのは,

拡張表 10-E-2

*

のはずであるが,このページには

AQL0.40

に対する

列はない。その代わりに,

AQL1.0

未満に対しては下向きの矢印が示されている。この下向き

の矢印は表の下の

備考

の“後のページで合格判定個数と不合格判定が与えられている最初のサ

ンプル文字を使用する。

”に対応している。矢印の向きから適切な表を探すことができるであろ

う。そうすると,サンプル文字

F

になるが,ここにも

AQL0.40

に対する列はない。同様にして

サンプル文字

G

を探し出し,前回と同じ抜取方式を見出すことができる。

記憶しておかなければならない非常に重要なことは,次のとおりである。もし拡張表で一つ又は一連の

矢印のためにあるページから他のページに移れという指示があった場合,又は主抜取表の矢印のためにあ

る行から他の行に移れという指示があった場合には,使用するサンプルサイズは到達したページ又は到達

した行に対するものになるのであって,元のページ又は元の行に対するものではなくなるということであ

[10.3

*

]

上向きの矢印が示されている場合にも,意味はよく似ている。

付表 1

*

が示したサンプル文字に対する拡

張表には,大きい

AQL

に対しては上向きの矢印が示されているが,この矢印は“前のページで合格判定

個数と不合格判定が与えられている最初のサンプル文字を使用する。

”という意味である。この場合にも,

矢印の向きから適切な付表を探すことができるであろう。

29. AQL

0.015

,検査水準は

III

,ロットサイズは

120

だとする。

付表1

*

からサンプル文字は

G

とな

るが,付表を見れば表中の矢印から(拡張表の場合には,矢印を順にたどれば)サンプル文字

P

まできてやっと抜取方式が見出せる。求めた抜取方式ではサンプルサイズが

800

となっていて,

ロットサイズ

120

を超えている。

この場合には,

120

個のロット全体をサンプルとする。合格判定個数は

0

,不合格判定個数は

1

である。

JIS Z 9015-1

では,

10

以下の

AQL

は不適合品にも

100

アイテム当たりの不適合数にも使用できるが,

10

を超える

AQL

100

アイテム当たりの不適合数にしか使用できない

[5.2

*

]

。特定の場合ごとに,不適合又

は不適合品のどちらが適切かを決定しなければならない。それからその決定に基づいて

AQL

を決めるこ

とが望ましい。こういう理由で,

例 26.,例 27.

及び

例 28.

は不完全である。

AQL

に対しては意味が不明り

ょう(瞭)な数値が与えてあり,合格判定個数や不合格判定個数も同様で,実務では無意味である。これ

らの例は,付表から抜取方式を見出す方法を示すだけのものである。

30.  例27.

では,

AQL

1.0

で抜取方式は次のとおりであった。

サンプルサイズ

n

125

(アイテム)

合格判定個数

 Ac

3

不合格判定個数

 Re

4

しかし,

AQL

は不適合品パーセント又は

100

アイテム当たりの不適合数のどちらに対するも

のかを決めておく必要があった。

もし

AQL

1.0

(不適合品パーセント)だったとすれば,抜取方式は次のようになったはず

である。

サンプルサイズ

n

125

(アイテム)

合格判定個数

 Ac

3

(不適合品)

不合格判定個数

 Re

4

(不適合品)

もし

AQL

1.0

100

アイテム当たりの不適合数)だったとすれば,抜取方式は次のように

なったはずである。


49

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

サンプルサイズ

n

125

(アイテム)

合格判定個数

 Ac

3

(不適合)

不合格判定個数

 Re

4

(不適合)

これからも分かるように,付表はどちらの場合にも全く同じように使用することができる。

3.11

なみ検査

抜取検査の立場からは,

AQL

は品質の目盛上で良いロットと悪いロットとの境界値であるということを

思い出すであろう。ある特定の製品に対して

AQL

が決まっている場合には,

AQL

より良い品質のロット

は全部合格となり,

AQL

より悪い品質のロットは全部不合格となるような抜取検査システムが理想的であ

ろう。

すなわち,

図 7

に示すように

OC

曲線が

AQL

の所で垂直に降下するようなシステムである。

しかし,

この理想はどんな抜取方式でも実現することはできず,垂直より小さい角度で降下する

OC

曲線を受け入

れなければならない。

図 7  理想的だが実現不可能な OC 曲線


50

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

OC

曲線は,この理想的な垂直線とどこか

1

点だけで交差する。そこでこういう質問が出る。

“どの点で

交差することが望ましいか”

図 8

に示すように図の底部に近いところで

OC

曲線を垂直線と交差させるというのも可能な解答の一つ

である。こういう抜取方式を選ぶことには,消費者を保護できるという長所がある。

AQL

より悪い品質の

ロットが提出されたならば高い確率で不合格となるからである。しかしながら,こういう解答は生産者の

立場からは不満足である。もし生産者が

AQL

より悪い品質のものを提出しているならば,大部分のロッ

トが不合格となっても苦情をいうことはできない。しかし,もし

AQL

より良い品質のものを提出してい

て多数のロットが不合格となったら有効な苦情を申し立てることができる。

図 8

に示した場合には,不適

合品パーセントが

AQL

のわずか半分でも

5

ロット中

1

ロットより少し多いものが合格するだけであり,

不適合品パーセントが

AQL

1/4

というような小さい値でも半数未満のロットしか合格しない。これは明

らかに不満足である。いつも不合格になるという事態を避けようとすれば,生産者は実際に必要な品質よ

りもずっと良い品質で仕事をしなければならないからである。

こうすると,

生産は困難になるであろうし,

製品の大幅値上げにつながるかもしれない。また生産者と検査機関の関係も悪くなるであろう。


51

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

図 8  品質が AQL より悪いロットが提出されたならば,高い確率で不合格となるように設計した抜取方式

の OC 曲線

そこで,代わりの解答は,

図 9

に示すように図の頂部に近いところで

OC

曲線を垂直線と交差させると

いうことになる。こうすれば,生産者は満足する。もし

AQL

と同じかそれより良い品質のロットを生産

していれば,ほとんど確実に合格となるからである。しかしながら,苦情をいうのは今度は消費者の番で

ある。もし生産者が

AQL

より悪い品質のロットを提出しても高い確率で合格するかもしれないからであ


52

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

る。

図 9

に示した場合には,不適合品パーセントが

AQL

2

倍でも約

60%

のロットが合格するであろう。

しかしながら,要求される

AQL

に対してサンプルサイズが比較的小さい場合には,生産者に対するこ

ういう高い保証は消費者に対しては過大な危険率を伴う。

そこで,合格判定個数が小さい場合には,

AQL

のロットの合格の確率が小さくなってもやむを得ない。

図 10

には,なぜそうするかの理由を示してある。ここには,

AQL

1.0

(不適合品パーセント)に対する

OC

曲線のうち,この

AQL

に対する最小及び最大のサンプルサイズに対応するものを与えてある。もし品

質が良ければ,サンプルサイズが大きいときにはサンプルサイズが小さいときよりもずっと良い保証を生

産者に与える。しかし

OC

曲線の傾斜ははるかに急なので,消費者にもより良い保護が与えられる。

なみ検査の設計では,

図 9

の例のように,品質が

AQL

より良いときには,高率のロットが不合格とな

らないような保護を生産者に与えるようにしてある。したがって,なみ検査では

OC

曲線は頂部に近いと

ころで垂直線と交差するが,その交点の水準は,

AQL

×サンプルサイズ”又は合格判定個数によって抜

取方式ごとに異なる。

図 9  品質が AQL より良いロットが提出されたならば,高い確率で合格となるように設計した抜取方式の

OC

曲線


53

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

図 10  AQL1.0(不適合品パーセント),なみ検査に対する 種類の抜取方式の OC 曲線

表 7

を見れば,もし与えられた

AQL

に対してサンプルサイズがかなり大きければ,

AQL

×サンプルサ

イズ”は

200

以上となり,いつでも

AQL

と等しい品質のロットは

98%

以上の確率で合格し,品質が

AQL

より良ければ更に高い確率で合格するという保証が生産者に与えられる。

表 7  AQL の品質のロットの合格の確率(%)回抜取方式,なみ検査

AQL

×サンプルサイズ

(近似値)

合格判定個数

ロットの合格の確率

(%,近似値)

12.5 0

88.1

50 1

90.9

80 2

95.3

125 3

96.1

200 5

98.3

315 7

98.4

500 10

98.5

800 14

98.3

1 250

21

99.0

2 000

30

98.7


54

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

AQL

×サンプルサイズ

(近似値)

合格判定個数

ロットの合格の確率

(%,近似値)

3 150

44

98.5

備考  “AQL×サンプルサイズ”を付表 2A

*

の斜め線に対し

て正確に一定値にすることはできないので,第 1 列の数
値は近似値である。その結果,第 3 列の数値も近似値に

なる。正確な値は

付表 5A

*

付表 5C

*

に与えてある

が,この近似値と非常に近い値である。

3.12

きつい検査

きつい検査が必要なときには,付表から求める抜取方式を見出す方法はなみ検査とほとんど同様である

が,次の点だけは異なる。もし主抜取表を使用するのならば

付表 2A

*

ではなく

付表 2B

*

を使用する。

もし拡張表(

付表 10

*

)を使用するのならば,表の上部ではなく下部から読み取った

AQL

の値から適切な

列を見出す。

きつい検査の抜取方式は,一般的には,対応するなみ検査のときとサンプルサイズが同じであるが,合

格判定個数はなみ検査のときより小さい。しかしながら,もしなみ検査の合格判定個数が

1

ならば,これ

0

に変えると厳しくなりすぎるし,もしなみ検査の合格判定個数が

0

ならば,これ以上小さくすること

はできない。この両方の場合に検査を厳しくするには,合格判定個数はなみ検査のときと同じにしてその

代わりにサンプルサイズを大きくしてある。

きつい検査に対する

OC

曲線は図示してないが,これはあまり多くを盛り込もうとするのは混乱の元だ

からである。しかしながら,合格の確率の数値は

付表 10

*

に与えてある。一つの抜取方式がなみ検査では

ある

AQL

に対する抜取方式であり,きつい検査では他の

AQL

に対する抜取方式であるという場合が多い

が,

OC

曲線は両方に共通である。ただし,図中で使用しているラベルはなみ検査の

AQL

だということを

記憶しておかなければならない。

31. AQL

1.0

(不適合品パーセント)

,検査水準は

II

,ロットサイズは

2 500

だとする。

付表 1

*

からサンプル文字は

K

となる。

付表 10K-2

*

を使用すると,きつい検査の抜取方式は

次のようになる。

サンプルサイズ

n

125

(アイテム)

合格判定個数

 Ac

2

(不適合品)

不合格判定個数

 Re

3

(不適合品)

これは,サンプル文字

K

AQL0.65%

のなみ検査の抜取方式と同じである。したがって,

OC

曲線は

付表

10

K

*

中の

図 K

0.65

というラベルが付いているものである。

3.13

切替えルール

2.9

ではなみ検査ときつい検査を紹介し,

3.12

3.13

ではなみ検査ときつい検査について更に議論し,

設計のねらい,及び抜取方式を見出すための付表の使い方について述べた。

2.11

では,切替えルールにつ

いて議論し,なみ検査からきつい検査への移行及び逆方向の移行の決め方

[9.3

*

]

,又はもしきつい検査の初

検査での不合格ロット数の累計が

5

に達したならば検査を停止すること

[9.4

*

]

について述べた。ここでは,

JIS Z 9015-1

を使用するときの切替えルールの使い方を説明する例を示す。

32.

ある製品がサイズ

4 000

のロットで供給されている。

AQL

1.5

(不適合品パーセント)である。

検査水準は

III

1

回抜取方式を使用している。

付表1

*

からサンプル文字は

M

となる。求める抜

取方式は,次のようになる。


55

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

なみ検査

きつい検査

サンプルサイズ

 315

315

合格判定個数

 10  8

不合格判定個数

 11

9

表 8

は,最初の

25

ロットの検査結果を示す。生産操業の開始のときには,なみ検査を使用するのが普通

なので,ここでもそうした。ロット番号

4

及び

10

で不合格となったが,どちらの場合にも

5

ロット中

2

ロット不合格という条件に合わなかったのできつい検査への切替えは行なわなかった。しかしロット番号

10

に続いてロット番号

12

で不合格となったのでロット番号

13

以後きつい検査へ切替えを行った。ロット

番号

21

で連続

5

ロットがきつい検査で合格したのでロット番号

22

からなみ検査に復帰した。

表 8  仮想検査工程からの 25 ロットの抜取検査結果

ロット番号  ロットサイ

サンプルサイ

Ac Re

不適合品

合否

次ロットに対する処置

1 4

000  315  10

11

7

なみ続行

2 4

000  315  10

11

2

なみ続行

3 4

000  315  10

11

4

なみ続行

4 4

000  315  10

11

11

なみ続行

5 4

000  315  10

11

9

なみ続行

6 4

000  315  10

11

4

なみ続行

7 4

000  315  10

11

7

なみ続行

8 4

000  315  10

11

3

なみ続行

9 4

000  315  10

11

2

なみ続行

10 4

000  315  10

11

12

なみ続行

11 4

000  315  10

11

8

なみ続行

12 4

000  315  10

11

11

きついへ移行

13 4

000  315  8

9

7

きつい続行

14 4

000  315  8

9

8

きつい続行

15 4

000  315  8

9

4

きつい続行

16 4

000  315  8

9

9

きつい続行

17 4

000  315  8

9

3

きつい続行

18 4

000  315  8

9

5

きつい続行

19 4

000  315  8

9

2

きつい続行

20 4

000  315  8

9

7

きつい続行

21 4

000  315  8

9

6

きつい続行

22 4

000  315  10

11

7

なみへ復帰

23 4

000  315  10

11

2

なみ続行

24 4

000  315  10

11

5

なみ続行

25 4

000  315  10

11

3

なみ続行

備考 AQL=1.5(不適合品パーセント),検査水準 III(例 32.参照)。 

合=合格  否=不合格

3.14

抜取検査の危険率の減少法

抜取検査は,いつでも悪いロットの合格及び良いロットの不合格という両方の危険率を伴うが,

AQL

検査水準の選び方が良ければこれらの危険は許容する方がよい。

もし生産者又は消費者のどちらかが,特定の場合に,負担する危険率が大きすぎると考えたならば,

AQL


56

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

と検査水準の選び方が良かったかどうかチェックするのがよいであろう。

しかしこの箇条では,

これ以後,

両者は適切で選び方も良かったと仮定する。

生産者は,品質が

AQL

より良い場合には危険率の減少に関心があるであろう(そうでなければ危険率

の減少を図る資格がない。

。消費者は,品質が

AQL

より悪い場合には特に危険率に関心があるであろう。

もし品質が

AQL

より良ければ求める品質を入手しているからである。

両当事者に対する危険率の減少に使用できる方法は,

3

種類ある。

1

の方法は生産の品質の改善である。これは明白すぎていうまでもないように見えるかもしれない。

しかし,生産で不適合品パーセントを減らせば,消費者は望んでいるものが得られるし,生産者に対して

は高い合格率が保証されるという単純なルールを忘れて,抜取方式,

OC

曲線,切替えルール等々につい

て議論するのは驚くほど容易なのである。

2

の方法は,特定の場合にだけ適用できる方法であるが,それはこういう心配が一番起こりやすい場

合,すなわち,合格判定個数が

0

の所である。合格判定個数が

0

の抜取方式は,

OC

曲線の傾斜が緩やか

なので大きい危険率が避けがたいからである。

こういう理由で,付表から合格判定個数が

0

になったときには(所管権限者の承認があれば)

JIS Z 

9015-1

は代案の使用を許している。この代案は,同じ

AQL

に対して合格判定個数が

0

の代わりに

1

の抜

取方式を使用するというものである

[10.3

*

]

。サンプルサイズが約

4

倍になるという対価を払う必要がある

が,両当事者に対する危険率も大幅に減少するので,それだけの価値がある場合も多い。

2

回又は多回抜取方式(

2.20

及び

2.21

参照)を適用すればコストはある程度減少できる。合格判定個数

1

以上のときには,この代案が使用できる。逐次抜取方式はそれ以上の可能性があるが,この章の適用

範囲外である。

3

の方法はロットサイズ増加の可能性を検討することである。もしロットサイズを大幅に増加させる

ことができて,サンプル文字の変更とサンプルサイズの増加につながれば,両当事者に対する危険率も減

少することになる。それはサンプルサイズが大きくなれば

OC

曲線の傾斜が急になり,新しい

OC

曲線は

古いものに比べて,品質が

AQL

より良い大部分の点に対しては高くなり,品質が

AQL

より悪い大部分の

点に対しては低くなるように,抜取方式が付表に配列されているからである。

残念ながら,他の望ましい性質を犠牲にしないで,この性質がいつでも望ましい状態を保つように付表

に配列することはできない。

図 11

には,一例として,

AQL1.5%

に対するなみ検査の抜取方式を四つ示す。

AQL

より良い品質に対しては,サンプルサイズが大きくなればなるほどロットの合格の確率が高くなるこ

とが分かる。これに対して,

AQL

2

倍より悪い品質に対しては,最大のサンプルでは不合格の確率が最

大になり,最小のサンプルでは不合格の確率が最小になる(しかも品質が

AQL

より悪いときには,でき

るだけ不合格にするような抜取方式が望ましいのである。

。サンプルサイズ

32

50

OC

曲線の交点は

あまり満足とはいえない。

抜取検査での保護の改善のためにロットサイズを増加させるというアイデアに対しては,ロットサイズ

の変更は容易ではないし実際的でもないという理由で反対されるかもしれない。ロットサイズは,生産の

継続性,

1

回に取り扱える生産量,輸送の問題,在庫管理等々の点から一定にしておかなければならない

というのである。これらはすべて事実である。それにもかかわらず,抜取検査の立場からはロットサイズ

の増加は,他の諸条件と同様に,役に立つ方法として記憶しておく価値がある。ロットサイズについての

詳細な議論は,

3.4

を参照する。

図 11

中で

AQL

2

倍,

3

倍及び

4

倍の所で

OC

曲線の高さを調べるときには,この

OC

曲線は部分的

な像(なみ検査の部分)を示すにすぎないということを覚えておく方がよい。

JIS Z 9015-1

のなみ検査の


57

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

ほとんど全部の抜取方式で,もし品質が

AQL

2

倍ならばロットの合格の割合は

80%

より少ない。この

程度の合格の割合だと,いつでもあまり長くならないうちにきつい検査に移るであろう。

ある状況下では,抜取検査システム全体を使用することに絡むこういう妥協は価値がないという結論に

なるかもしれない。そうなると両当事者は,

OC

曲線から直接抜取方式を選ぶことになるが,そういう場

合に満足な選択ができるようにするためには,両当事者は十分な知識が必要である。

参考  3.17

及び

3.19.2

参照。

図 11  AQL1.5(不適合品パーセント),回抜取なみ検査に対する 種類の抜取方式の OC 曲線

3.15

ゆるい検査

ときには,生産の品質が定常的に

AQL

より良いという証拠があることがある。こういうことが起こり,

しかも良い生産が続くだろうと考える理由がある場合には,抜取方式はもはや良いロットと悪いロットと

を分ける必要はなくなる。全部が良いロットのはずだからである。しかしながら,生産品質が悪くなった

ときの警戒の意味もあるので検査を全くやめてしまうわけにはいかない。

こういう場合には,もし望むならば,ゆるい検査を使用することによって大幅な節減が可能になる。ゆ

るい検査の抜取方式では,サンプルサイズがなみ検査の

2/5

になる(なみ検査の抜取方式でサンプルサイ

ズが

5

未満のときには,

割合は

2/5

より大きくなる。

ゆるい検査のサンプルサイズは最低

2

だからである。


58

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

サンプルサイズを減らす一番簡単な方法は,前の方のサンプル文字を使用することだと思うかもしれな

い。この方法は確かにサンプルサイズを減らすことができるであろうが,他方では

AQL

における合格の

確率を減らすという副作用をもたらしかねない。これはよい仕事をした生産者にペナルティーを与える結

果になることを意味する。こういう結果が不満足なことは明らかなので,ゆるい検査に対する特別な表が

必要である。これが

主抜取表 2C

*

である。

参考

ゆるい検査の対応英語は

reduced inspection

であり,元の意味は減少検査に近い。

ゆるい検査の導入に関しては,強制的要素はないことに注意する必要がある。切替えルールで必要とな

ったときにきつい検査を使用するのは,この抜取検査スキームでは本質的なことであるが,しかしゆるい

検査は完全なオプションなので,たとえゆるい検査への切替えの条件を満足したとしても,消費者がそう

希望するか又は契約にその使用を規定してある場合を除けば,

消費者はゆるい検査を導入する必要はない。

切替えルール

[9.3.3

*

]

は,観測された品質が非常に良く,しかもそういう状態が続きそうだという場合以

外は,ゆるい検査が導入されないように設計してある。ゆるい検査を使用できるかどうかを確かめるため

には,最近の検査結果から切替えスコアを計算し,それが

30

以上になっていなければならない。

切替えスコアの計算は,なみ検査の下で初検査を受けたどのロットから始めてもよいが,なみ検査開始

の時点から始める方がよい。切替えスコアは引き続くロットの初検査の後に更新する。

1

回抜取方式で合格判定個数が

2

以上のとき,もし

AQL

1

段厳しかったとしてもロットが合格になっ

ていたはずならば切替えスコアに

3

を加え,そうでなければ切替えスコアを

0

に戻す。したがって,

1

厳しい

AQL

に対する抜取方式が必要になる。切替えスコアが

30

以上になるには,連続

10

ロット以上が

なみ検査で全部合格している必要がある。

1

回抜取方式で合格判定個数が

0

又は

1

のとき,ロットが合格ならば切替えスコアに

2

を加え,そうで

なければ切替えスコアを

0

に戻す。

1

段厳しい

AQL

に対する抜取方式はサンプルサイズが異なるので使用

できない。切替えスコアが

30

以上になるには,連続

15

ロット以上がなみ検査で全部合格している必要が

ある。

2

回抜取方式を使用しているとき,第

1

サンプルでロットが合格になったならば切替えスコアに

3

を加

え,そうでなければ切替えスコアを

0

に戻す。また多回抜取方式を使用しているとき,第

3

サンプルまで

にロットが合格になったならば切替えスコアに

3

を加え,そうでなければ切替えスコアを

0

に戻す。した

がって,

1

回抜取方式で合格判定個数が

1

のとき,代わりに対応する

2

回又は多回抜取方式を使用すれば,

連続

10

ロットがなみ検査で合格すれば切替えスコアが

30

になる可能性がある。

33.

ある製品が製造され,次の条件で検査されてきた。

AQL

10

(不適合品パーセント)

,ロット

サイズは

4 000

,検査水準は

I

1

回抜取方式である。

サンプル文字

J

に対するなみ検査の抜取方式及び

AQL6.5%

に対する抜取方式は,次のように

なる。

なみ検査の抜取方式

 AQL6.5%

に対する抜取方式

サンプルサイズ

n

80

(アイテム)

n

80

(アイテム)

合格判定個数

 Ac

14

(不適合品)

 Ac

10

(不適合品)

不合格判定個数

 Re

15

(不適合品)

 Re

11

(不適合品)

表 9

は,検査工程の仮想的な結果を示す。表の初めの部分では,なみ検査を使用しているが,長期間の

連続ロットから抜き出したものなので,ロット番号は

1

から始まってはいない。結果は良く,各サンプル

中の不適合品は合格判定個数よりかなり少なかった。ロット番号

51

からのサンプルの検査後,検査員はゆ

るい検査へ切り替えてもよいかどうか調べようと決めた。

最近の

10

ロットの検査結果から切替えスコアを


59

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

計算したら

21

であった。ロット番号

44

で切替えスコアが

0

に戻っていたからである。

21

は少なすぎるの

でゆるい検査へ切り替えることはできない。

次の

4

ロットの結果が良かったので,ロット番号

55

の検査後,もう

1

度ゆるい検査へ切り替えてもよい

かどうか調べようと決めた。切替えスコアの続きを計算したら

33

であり,

30

以上という条件は満足され

ている。生産進度は安定しているので,ゆるい検査への切替えを所管権限者に申請することにした。この

供給者は

JIS Z 9902

による審査登録を受けているので,この申請は半自動的に承認されるであろう。

表 9  仮想検査工程からの 15 ロットの抜取検査結果

ロット番号

ロットサイズ  サンプルサイズ

Ac Re

不適合品

合否

切替えスコア  次ロットに対する処置

41 4

000

80  14

15

7

なみ続行

42 4

000

80  14

15

5

合 3 なみ続行

43 4

000

80  14

15

7

合 6 なみ続行

44 4

000

80  14

15

11

合 0 なみ続行

45 4

000

80  14

15

9

合 3 なみ続行

46 4

000

80  14

15

7

合 6 なみ続行

47 4

000

80  14

15

9

合 9 なみ続行

48 4

000

80  14

15

8

合 12  なみ続行

49 4

000

80  14

15

6

合 15  なみ続行

50 4

000

80  14

15

5

合 18  なみ続行

51 4

000

80  14

15

8

合 21  なみ続行

52 4

000

80  14

15

4

合 24  なみ続行

53 4

000

80  14

15

3

合 27  なみ続行

54 4

000

80  14

15

1

合 30  なみ続行

55 4

000

80  14

15

3

合 33  ゆるいへ移行

備考 AQL=10(不適合品パーセント),検査水準 I(例 33.参照)

合=合格。

なお,AQL=6.5%に対しては Ac=10,Re=11 である。

“生産進度が安定している”という条件については,少し説明が必要である。これは業種ごとに異なる

からである。最近の実績記録が非常に良いので,現在の品質もほとんど確実に良いであろうという論拠が

崩れるような生産の中断がないこと,これがこの要求条件の中身である。特定の場合に対する正確な意味

は,それが変わると製品の品質に悪影響を与えることがあるすべての要素を検討した上での技術的判断に

基づいて決める。

参考  JIS Z 9900

シリーズによる審査登録を受けているかどうかは,この技術的判断に影響を与える。

ゆるい検査はオプションなので,もし希望すれば,かつ生産が不規則になったり停滞したり,又はこれ

以外の条件からなみ検査に復帰する必要が生じたならば,なみ検査に復帰してもよい。ゆるい検査で

1

ットでも不合格になれば,必ずなみ検査に復帰する。

ゆるい検査に対するサンプルサイズの数列は,なみ検査に対するものと同じであるが,

2

段階低くなっ

ている。斜めの線に沿って同じ数字が並んでいるのも同様である。

ゆるい検査に対しては,

OC

曲線が与えてないことに注意する必要がある。これは良く考えた上のこと

である。

OC

曲線を与えない理由は二つある。第

1

の理由は,

OC

曲線全体に目を向けるという誤った方向

へ導きやすいからである。ゆるい検査は,過去の実績から不適合品パーセントが

AQL

より良いことが分

かっており,しかも良い品質が続くだろうと考える十分な理由がある場合にだけ使用できるので,

OC

線の右端の方は全く不適切だからである。


60

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

2

の理由は,

OC

曲線の縦軸はロットの合格の確率であるが,ロットが不合格になったら直ちになみ

検査に復帰するので,これはあまり意味がないからである。

34.  表10

は,

9

の例の続きである。

ロット番号

56

から

75

まで

20

ロットがゆるい検査で合格となった。

付表2C

*

からゆるい検査の抜取方式は,次のようになる。

サンプルサイズ

n

32

(アイテム)

合格判定個数

 Ac

8

(不適合品)

不合格判定個数

 Re

9

(不適合品)

ロット番号

81

までは,各サンプル中の不適合品は

8

個以下で,ゆるい検査が続いたが,ロット番号

82

9

個の不適合品のためロットは不合格となり,

なみ検査に復帰することになった。

たった

3

ロット後に,

なみ検査で最後の

5

ロット以下中

2

ロット(ロット番号

83

及び

85

)が不合格となったので,きつい検査

に移行しなければならなかった。ゆるい検査はオプションであり,ロット番号

76

77

78

3

ロットから

のサンプルの合計

96

個中の不適合品の合計が

14

個になり

AQL10%

の達成が怪しくなったことは,ロット

番号

79

からなみ検査に復帰するかどうか検討するようにという検査員への警告だったのかもしれない。

表 10  仮想検査工程からの 10 ロットの抜取検査結果

ロット番号  ロットサイズ  サンプルサイズ

Ac Re

不適合品

合否

次ロットに対する処置

76 4

000

32

8

9

5

ゆるい続行

77 4

000

32

8

9

2

ゆるい続行

78 4

000

32

8

9

7

ゆるい続行

79 4

000

32

8

9

3

ゆるい続行

80 4

000

32

8

9

1

ゆるい続行

81 4

000

32

8

9

4

ゆるい続行

82 4

000

32

8

9

9

なみへ復帰

83 4

000

80  14

15

17

なみ続行

84 4

000

80  14

15

12

なみ続行

85 4

000

80  14

15

15

きついへ移行

備考 AQL=10(不適合品パーセント),検査水準 I(例 34.参照)

合=合格  否=不合格

生産者の品質水準が

AQL

より良いときには,ゆるい検査は使用できる唯一の手順ではないことに注意

する必要がある。場合によっては,スキップロット抜取検査手順(

JIS Z 9015-3

参照)の方が有利かもし

れない。生産者の工程品質管理が満足で,その品質が

AQL

より有意に良いときには,間接検査を適用で

きるであろう。そうすれば購入者は合否判定抜取検査の代用として生産者の検査結果を利用することがで

きる。

3.16

  2

回及び多回抜取方式

2

回及び多回抜取方式の付表からの選び方は,原則として

1

回抜取方式と類似しているが,ただし,主

抜取表ならば

付表 2

*

の代わりに

付表 3

*

又は

付表 4

*

を使用するし,拡張表ならば

付表 10

*

の該当ページの適

切な部分を使用する。

拡張表を使用するときに注意を要するのは,この表には累計サンプルサイズだけしか与えてないので,

サンプルサイズを間違えないことである。しかしながら,この抜取方式ではすべて毎回のサンプルサイズ

が第

1

サンプルサイズと同じになっているので覚えやすい。

合格判定個数が

0

又はサンプルサイズが

2

1

回抜取方式に対しては,

2

回抜取方式は使用できない。

合格判定個数が

0

又はサンプルサイズが

2

3

又は

5

1

回抜取方式に対しては,多回抜取方式は使用でき


61

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

ない。代わりの方法は,

1

回抜取方式を使用するか又は要求された

AQL

に対して利用可能な次に大きいサ

ンプルサイズを使用するかである。

35. AQL

0.40

(不適合品パーセント)でサンプル文字が

G

ならば,

付表3A

*

は星印なので下方

備考

を見ると二つの方法がある。

付表2A

*

の方を見れば,抜取方式は次のようになるであ

ろう。

サンプルサイズ

n

32

(アイテム)

合格判定個数

 Ac

0

(不適合品)

不合格判定個数

 Re

1

(不適合品)

また

付表 3A

*

の方で

AQL

0.40

の列の下方を順に見れば,サンプル文字

K

に対する

2

抜取方式が見つかるであろう。

1

2

累計

サンプルサイズ

 80

80

160

合格判定個数

 0

1

不合格判定個数

 2

2

もし,拡張表を使っても同じ代案が見つかるであろう。

付表 9

*

には,

2

回及び多回抜取方式に対する平均サンプルサイズ

 (ASS)

曲線が与えてあるが,これは

1

回抜取方式の代わりに

2

回又は多回抜取方式を使用する価値があるかどうかを決めるのに使用できるであ

ろう

[12.5

*

]

この曲線は,対応する

1

回抜取方式の合格判定個数によって分けてある。必要に応じて多少近似してあ

るが,それは全部の抜取方式に対して正確に適用することはできないからである。各曲線の横軸は,

n

×不

適合品率となっている。ここに,

n

はその

1

回抜取方式のサンプルサイズ

  (n

0

)

である。どの特定の場合に

対しても,この尺度を

n

で割れば不適合品率の尺度に変換できる。

縦軸は同じ値

n

である。各図の上端の直線は,したがって,

1

回抜取方式のサンプルサイズを示し,

2

回及び多回抜取方式の効率はその曲線と上端の直線との関係から判断できるであろう。

抜取検査を実施するときには,提出される品質が

AQL

より良くてなみ検査を使用することが最も多い

ということに注意する必要がある。こういう場合にこの曲線が一番役に立つ部分は,基線上の矢印より左

側である。矢印のない図は,きつい検査及び/又はゆるい検査だけに使用するものである。

付表 9*

では,

2.22

で説明した検査の打切りを仮定していない。

36.

サンプル文字

K

AQL

2.5

(不適合品パーセント)の

1

回抜取方式を使用することになってい

る。すなわち,

サンプルサイズ

n

125

(アイテム)

合格判定個数

 Ac

7

(不適合品)

不合格判定個数

 Re

8

(不適合品)

2

回又は多回抜取方式によって起こり得る変化について検討してみる。

付表 9

*

中の適切な図は,合格判定個数

Ac

7

と表示されているものである。もし望むならば,下部の尺

度を

125

(サンプルサイズ)で割り,

100

倍すれば不適合品パーセントの尺度が得られる。

3, 6, 9

及び

12

という数字は不適合品パーセントで

2.4%

4.8%

7.2%

及び

9.6%

になる。しかしながら,探している情報

を見つけるためにはこういう計算は不要である。

もし望むならば,同様に左側の尺度を

125

0.25

倍,

0.5

倍及び

0.75

倍と読み替えることができる。

この例に対する曲線を見れば,次のようなことが分かるであろう。


62

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

a)

2

回抜取方式の平均サンプルサイズは常に

1

回抜取方式より小さく,また多回抜取方式の平均サンプ

ルサイズは常に

1

回抜取方式より小さい。

b)

もし品質が完壁ならば,

2

回抜取方式の平均サンプルサイズは

1

回抜取方式の約

2/3

,多回抜取方式の

平均サンプルサイズは

1

回抜取方式の約

1/4

である。

c)

 AQL

の所では,この比はそれぞれ約

7/10

及び

6/10

まで上がる。

d)

  2

回抜取方式の平均サンプルサイズの最大値は

1

回抜取方式の

9/10

より少し大きく,多回抜取方式の

平均サンプルサイズの最大値は

1

回抜取方式の

8/10

より少し大きい。

3.17

限界品質及び孤立ロット

JIS Z 9015-1

の抜取検査スキームでは,一連のロットが合否判定抜取検査に提出されると仮定している

ので,

OC

曲線の上端部の方が重要である。しかしながら,もし製品が単独の孤立ロット又は連続ロット

でもごく少数のロットから成る場合には,

OC

曲線の下端部の方もまた重要である。それは一連の良いロ

ットの中に悪いロットが一つだけ検査に提出された場合にそのロットが合格する確率を示すからである。

一連のロットの中から単独のロットを購入する場合には,これは特に重要である。

付表 6A

*

,付表 6B

*

,付表 6C

*

,付表 7A

*

,付表 7B

*

及び

付表 7C

*

が設計されたのはこうい

う場合のためである

[12.6

*

]

付表 6A

*

,付表 6B

*

及び

付表 6C

*

はそれぞれなみ検査,きつい検査及び

ゆるい検査に対してそれぞれ不適合品パーセントで表した消費者危険品質

 (CRQ)

を示し,また

付表 7

A

*

,付表 7B

*

及び

付表 7C

*

100

アイテム当たりの不適合数で表した

CRQ

を示す。この場合に二つに

分けてあるのは,

OC

曲線の下端部では両者はかなり違った結果を与えるからである。

なお,

CRQ

OC

曲線に対応する値であり,

LQ

はそれを求めるための目標値と考えればよい。

CRQ

の表にある数値は,拡張表中の

OC

曲線の表からも読みとることができるが,まとめて示した方が

便利である。

付表にある数値は

1

回抜取方式に対するものであるが,

2

回及び多回抜取方式に対しても近似的に適用

できる。

37.

孤立ロットを検査することになっている。もしロットの品質が

1.0%

(不適合品パーセント)と

いうように良ければ高い合格の確率を必要とするが,もしロットの品質が

4.0%

(不適合品パー

セント)というように悪ければ合格の確率は,わずか

10%

にすることが望ましいと決まった。

こういう条件の下で,表中で利用できる最小のサンプルサイズを求める。

付表 6A

*

AQL

1.0

の列で,

4.0

以下の数値を上から下へ順に探す。この条件を満足する

最初のサンプル文字は

M

で,

CRQ

の値は

3.71%

(不適合品パーセント)である。拡張表を見れ

ば,求める抜取方式と

OC

曲線が得られる。すなわち,

サンプルサイズ

n

315

(アイテム)

合格判定個数

 Ac

7

(不適合品)

不合格判定個数

 Re

8

(不適合品)

ここで

OC

曲線の意味を復習しよう。

3.71%

(不適合品パーセント)という

CRQ

値は,もしロットの不

適合品パーセントが

3.71%

ならば合格の確率は

10%

だという意味であって,ロットの不適合品パーセント

3.71%

になる確率が

10%

だという意味ではない。

CRQ

の値は常に

AQL

の値より大きく,場合によってはかなり大きいことが分かるであろう。しかしサ

ンプルサイズが大きくなれば,

CRQ

の値と

AQL

の値との差は小さくなる。

孤立ロットの場合には,連続シリーズのロットとは違って,もしサンプルサイズがロットサイズの

1/5

以上なら

CRQ

の値は近似的なものと考えた方がよい。こういう条件下では,真値は表に示されている値


63

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

より小さくなる。

JIS Z 9015-2

には,孤立状態のロットに対する抜取検査法の詳細を含んでいる。

3.18

サンプルサイズ

JIS Z 9015-1

に与えてあるサンプルサイズの数列は,

AQL

の値の数列と同様に)公比が約

1.585

の等比

数列になっている。これは

付表 2A

*

中で左下から右上までの斜めの線に沿って“

AQL

×サンプルサイズ”

がほとんど一定であることを示し,もしこの斜めの線に沿って合格判定個数が一定になっていれば自己整

合性の良い表になる。

この性質は,表を直接使用するときよりむしろ表を設計するときに役に立ったが,結果として得られた

パターンから,便利な総括表を作ったり,特殊なノモグラフや計算尺を作ったりできたのである。

2

回及び多回抜取方式(

2.20

及び

2.21

参照)のサンプルサイズは同じパターンになっているが,

2

回抜

取方式の場合には同じサンプル文字に対しては

1

回抜取方式よりもこの数列で

1

段階前の値になっている

し,多回抜取方式の場合には更に

2

段階前の値になっている。ゆるい検査の場合には対応するなみ検査よ

りも常に

2

段階前の値になっている。

結果として同じサンプル文字に対して

5

種類のサンプルサイズがあるが,これは

1

回,

2

回及び多回抜

取方式のどれか及びゆるい検査(

3.15

参照)を使用しているかどうかに対応して決まる。表の見出しとし

てサンプルサイズよりむしろサンプル文字が必要なのは,このためである。

3.19

  OC

曲線

3.19.1

通常の OC 曲線

JIS Z 9015-1

の拡張表(

付表 10

*

)には,

OC

曲線のグラフとグラフの基になった数値表の両方が与えて

ある。

これらは

1

回抜取方式に対するものであるが,

2

回及び多回抜取方式に対するものも近似的に合わせて

ある

[12.1

*

]

JIS Z 9015-1

に与えられた

OC

曲線を調べると,合格判定個数が

0

のときには,

OC

曲線の上端の方は読

み取りにくいことが分かる。しかしながら,合格判定個数が

0

のときには,

OC

曲線の上端の方に対して

サンプルサイズに無関係で実用上十分な精度の近似式がある。

その式は,

100P

a

 (%)

100

n

×

100p

ここに,

P

a

は合格の確率,

n

はサンプルサイズ,

100p

は不適合品パーセントである。

注意を要するのは,この式が適用できるのは,合格判定個数が

0

で,

OC

曲線の上端の方,すなわち,

ロットの合格の確率が

80%

を超えるときに限られるということである。

38. AQL

0.40

(不適合品パーセント)

,サンプル文字は

G

とする。

抜取方式は,次のとおりである。

サンプルサイズ

n

32

(アイテム)

合格判定個数

 Ac

0

(不適合品)

不合格判定個数

 Re

1

(不適合品)

AQL

のロットの合格の確率

 (%)

はいくらか。

解答は,次のとおりである。

100

(32

×

0.40) (%)

87.2 (%)


64

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

この値は,

100 (1

0.004 0)

32

で求めた正確な値

88.0 (%)

に近い。

39.

同じ状況の下で合格の確率が

95%

になるロットの不適合品パーセントはいくらか。

前の式を書き換えると次のようになる。

32

95

100

100

100

(%)

100

=

=

n

P

p

a

0.156 (%)

この値は,

JIS Z 9015-1

付表 10G-1

*

に与えてある正確な値

0.160 (%)

に近い。

3.19.2

スキーム OC 曲線

付表 12

*

に与えたスキーム

OC

曲線は,切替えルールの下での長期間におけるロットの平均合格率の期待

値である。横軸は規準化した値で,

AQL

に対する倍率を示す。各曲線の脇に表示してあるのは,なみ検査

の合格判定個数である。

スキーム

OC

曲線は,なみ検査,きつい検査及びゆるい検査の抜取方式の

OC

曲線の重み付き平均値で

あって,重みは各検査にとどまる確率に比例している。

付表 12

*

に与えたスキーム

OC

曲線は,

JIS Z 9015-1

のために開発した難解な理論に基づいている。

スキーム

OC

曲線の一般的特徴は,次のとおりである。品質水準が

AQL

付近にあるときは,スキーム

OC

曲線はなみ検査の

OC

曲線に近い。上端付近では,スキーム

OC

曲線はゆるい検査の

OC

曲線に近い。

また下端付近では,スキーム

OC

曲線はきつい検査の

OC

曲線に近い。すなわち,スキーム

OC

曲線はそ

れぞれの

OC

曲線より傾斜が急である。急傾斜の

OC

曲線は,切替えをしない場合の大きいサンプルサイ

ズに対応している。換言すれば,切替えルールはサンプルサイズを増加させるのと同様な効果を

OC

曲線

に対して与える。

3.20

  AOQL

の表

(理論は

2.12

参照)

付表 8A

*

及び

付表 7B

*

付表 8B

*

にはなみ検査及びきつい検査の

1

回抜取方式に対する

AOQL

値が与えてある。上段は

100

アイテム当たりの不適合数に対する値であり,下段は不適合品パーセントに

対する値である。これらは近似的に

2

回及び多回抜取方式にも適用できる。

もし精度の高い

AOQL

の値が欲しければ,表から求めた値に次のような補正係数を掛ければよい。

a)

不適合品パーセント検査の場合

N

n

f

3

2

1

=

Ac>0

に対して)

及び

N

n

f

2

1

=

Ac

0

に対して)

ここに,

n

はサンプルサイズ,

N

はロットサイズである。

b)

  100

アイテム当たりの不適合数検査の場合

N

Ac

n

Ac

f

)

3

2

(

1

+

=

(すべての

Ac

に対して)

備考6.

どの式を適用する場合でも,上記の補正係数が

1.00

に近ければ,差はわずかなので,付表中

の値を補正せずに使用してよい。そうでなければ補正係数を掛ける方がよい。

備考7. 100

アイテム当たりの不適合数検査の場合で,もし合格判定個数が

0

ならば補正の必要はない。


65

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

付表 8B

*

を調べると,一番上の斜めの線(合格判定個数が

0

の所)以外は,きつい検査に対する

AOQL

が常に

AQL

に近い。もしきつい検査に対して

AQL

AOQL

の間のこの関係を保持したいのならば,合格

判定個数が

0

の抜取方式の代わりに合格判定個数が

1

の抜取方式を使用するというオプションを適用する

方がよい。

40.

ロットサイズは

400

AQL

4.0

(不適合品パーセント)

,検査水準は

II

に対してサンプル文字

H

になる。なみ検査に対する

AOQL

は,

付表8A

*

の下段から

6.38%

になる。精度の高い値

は,次のようになる。

(%)

85

.

5

400

3

50

2

1

38

.

6

=

÷

ø

ö

ç

è

æ

×

×

×

(不適合品パーセント)

備考8. AOQL

の正確な値は,超幾何分布を使用した複雑な式から求めることができる。この場合に

は,

AOQL

の正確な値は

5.809 (%)

である。

備考9.

上記の例で,もし検査が不適合品パーセントではなく

100

アイテム当たりの不適合数に対して

だったら,

AOQL

は,

付表8A

*

の上段から

6.34%

になる。精度の高い値は次のようになる。

04

.

6

400

)

3

10

(

50

5

1

34

.

6

=

ú

û

ù

ê

ë

é

×

+

×

×

Ac

5

に対して)

3.21

ノモグラフ

JIS Z 9015-1

の表の設計で用いられた,数値の関係が簡単な形で

図 12

図 13

に示されている。

これらの図を抜取表に置き換えることはできないが,いろいろな値の関係を示すには興味深いものであ

るし,ときには凝縮した形でできている抜取表についての情報を与えることに有益である。

図 12

の使用方法は次のようである。例えば,

(なみ検査で,

1

回抜取方式で)サンプル文字

H

に対応す

るサンプルサイズがいくつかを知りたいとする。左側の軸スケールの

H

と示された点から,右側のスケー

ルの

1

回抜取方式(なみ検査又はきつい検査)と示された点を結ぶ直線を引く。この直線は中央の軸の

50

と示された点を横切るが,これが求めるサンプルサイズである。

備考10.

いつまでもページをきれいにしておくためには,実際に直線を引くよりも,定規のエッジで

読んだり,糸を張るなどの方法がよい。

図 13

も同じである。例えば,サンプルサイズ

50

で,

AQL

2.5

に対する合格判定個数を知りたいとき

は,これを結ぶ直線が中央のスケールを横切る点の値を読んで,なみ検査なら

3

,きつい検査なら

2

と知

ることが出来る。


66

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

図 12  JIS Z 9015-1 における抜取検査のタイプ,サンプル文字及びサンプルサイズのノモグラフ


67

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

注−  サンプルサイズを 10 で割った場合,AQL は 10 倍の値となる。

逆も同様に成り立つ。サンプルサイズは,近い整数に丸められる。

図 13  JIS Z 9015-1 の AQL,サンプルサイズ及び合格判定個数のノモグラフ

3.22

所管権限者


68

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

所管権限者

[3.1.10

*

]

は,個々の場合に対して明示されるか暗示されるかの違いはあるが,判断・判定・選

択などいろいろな機能をもっている。所管権限者は,

JIS Z 9015-1

抜取検査システムの中立性を保持し,

この合否判定抜取検査手順が円滑に運用できるような十分な知識と能力をもつことが望ましい。

所管権限者は,次のうちのどれでもよい。

第一者(例えば供給者の品質部門)

第二者(例えば購入者の検査部門)

第三者(例えば中立の検査機関)

第一者,第二者又は第三者のどれか(機能ごとに異なる。

所管権限者は,合否判定の開始以前に,例えば,契約書中で規定することが望ましい。

合否判定抜取検査が購入者の工場で実施されるときには,購入者の検査部門が所管権限者になるのが普

通である。

合否判定抜取検査がロットの出荷以前に供給者の工場で実施されるときには,いろいろな場合がある。

もし合否判定抜取検査が購入者の検査部門から派遣された検査員の指揮下で実施されるならば,検査員は

所管権限者の代表者として一部の機能をもっているはずである。

もし合否判定抜取検査が中立の検査機関の指揮下で実施されるならば,所管権限者の機能の多くが検査

機関に割り当てられるのがむしろ普通である。

機能分担のしかたはいろいろあるが,

その一例を次に示す。

a)

購入者に割り当てられる機能

 AQL

値の決定〔契約書に規定されてない場合

[5.2

*

]

不合格ロットの処置

[7.2

*

]

“致命的”不適合に対する特別留保の適用の決定

[7.4

*

]

最初の検査をきつい検査又はゆるい検査で開始するという決定

[9.1

*

]

ゆるい検査に移ってよいかどうかの決定

[9.3.3c)

*

]

何らかの条件からなみ検査に復帰するべきだとの判断

[9.3.4c)

*

]

検査の停止からきつい検査に復帰することの承認

[9.3.4c)

*

]

ロットごとの検査の代わりにスキップロット抜取検査手順を適用してよいかどうかの決定

[9.5

*

]

適切な検査水準の選定

[10.1

*

]

限界品質保護のような特別手順を使用するかどうかの選定

[12.6.2

*

]

b)

検査機関に割り当てられる機能

ロットの構成及び提出のしかたの指定又は承認

[6.2

*

]

合格ロット中の不適合品の再提出のしかたの承認

[7.2

*

]

再提出ロットの検査のしかたの決定

[7.6

*

]

生産進度が安定しているかどうかの判断[

9.3.3b)

*

及び

9.3.4b)

*

3.15

参照)

 Ac

0

の抜取方式の代わりに,対応する

Ac

1

の抜取方式を使用することの選定又は承認

[10.3

*

]

  2

回又は多回抜取方式を使用することの選定又は承認

[10.4

*

]

分数合格判定個数の抜取方式を使用することの選定又は承認

[13.

*

]

c)

供給者に割り当てられる機能

ロットが二つ以上のサブロットから構成されているかどうかの決定

[8.1

*

]

異なる

AQL

のクラスに対して共通のサンプルサイズを使用するかどうかの選定

[10.3

*

]

JIS Z 9015-3

では,スキップロット抜取検査手順に移行するには供給者と製品の両方が資格審査に合格

する必要があると規定し,その移行に必要な文書の代表的な例を与えている。また,所管権限者と検査機


69

Z 9015-0 : 1999 (ISO 2859-0 : 1995)

関との機能と責任の分担の例を示している。こういう情報は,特にゆるい検査に移行してよいかどうかを

判断するときには,

JIS Z 9015-1

でも有用であろう。この両者のうち,供給者の資格審査は

JIS Z 9900

リーズによる品質システムの第三者審査登録で代用できる。

氏名

所属

(主査)

大  前  義  次

日本電信電話公社

(委員)

小  山      健

三菱電機株式会社

斉  脇  俊之助

日本大洋海底電線株式会社

清  水  平八郎

沖電機工業株式会社

菅      龍之助

防衛庁

高  木  妙二郎

沖電機工業株式会社

田  口  玄  一

青山学院大学

竹  内  寿一郎

慶應義塾大学

土  肥  清  一

黒沢通信工業株式会社

藤  田  茂  男

在日米軍調達本部

前  野  澄  夫

藤倉電線株式会社

益  子      淳

株式会社大興電機製作所

松  本      洋

国際電信電話株式会社

森  屋  光  行

藤倉電線株式会社

山  本  太  郎

日本電信電話公社

弓  削      恒

防衛庁

横  尾  恒  雄

東洋カーボン株式会社

氏名

所属

(主査)

横  尾  恒  雄

東洋カーボン株式会社

(委員)

大  前  義  次

日本電信電話公社

小  山      健

三菱電機株式会社

菅      龍之助

防衛庁

高  木  妙二郎

沖電機工業株式会社

森  屋  光  行

藤倉電線株式会社

山  本  太  郎

日本電信電話公社

高  橋  弘  之

中央大学