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  (ISO 6926 : 1999)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日

本工業規格である。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

はこのような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案

登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。


  (ISO 6926 : 1999)

(1) 

目次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

2

3.

  定義

3

4.

  測定の不確かさ

4

5.

  性能要求事項

5

5.1

  一般事項

5

5.2

  音響パワー出力の時間定常性及び繰返し性

5

5.3

  総広帯域音響パワーレベル

5

5.4

  スペクトル特性

6

5.5

  指向性指数

6

5.6

  再校正

6

6.

  校正時の基準音源の設置及び作動

6

6.1

  一般事項

6

6.2

  基準音源の位置

6

7.

  半無響室における校正手順

7

7.1

  試験環境

7

7.2

  マイクロホン

7

7.3

  マイクロホン位置

7

7.4

  測定

8

7.5

  空気吸収

8

7.6

  計算

8

8.

  残響室における校正手順

8

8.1

  試験環境

8

8.2

  マイクロホン

9

8.3

  マイクロホン位置

9

8.4

  測定

9

8.5

  計算

9

9.

  記録事項

9

10.

  報告事項

9


日本工業規格

JIS

 Z

8739

: 2001

 (I

6926

: 1999

)

音響−音響パワーレベル算出に 
使用される基準音源の性能及び

校正に対する要求事項

Acoustics

−Requirements for the performance and

calibration of reference sound sources used

for the determination of sound power levels

序文  この規格は,1999 年に第 2 版として発行された ISO 6926, Acoustics−Requirements for the performance

and calibration of reference sound sources used for the determination of sound power levels

を翻訳し,技術的内容

及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。

参考  基準音源は定常音源の騒音放射を測定するための“比較法”で広く使われる。既知音響パワー

出力をもった基準音源は,与えられた音響環境のある位置において,マイクロホン位置の組合

せで空間及び時間平均音圧レベルと音源の音響パワーレベル間の数値関係を求めるために使わ

れる。一度この関係が求められれば,

“未知音源”によって生じる平均音圧レベルを測定するこ

とで,その音源の音響パワーレベルの計算は簡単に行われる。

この規格は,基準音源の主要な物理特性及び動作特性を定義し,主として他の音源の音響パ

ワーレベル算出のための校正方法を規定する。

原国際規格の ISO 6926 は,機械・装置の音響パワーレベルを算出するための各種の方法を規

定する ISO 3740 シリーズの規格を補足するものである。このシリーズは様々な試験環境に適応

する測定のための音響的要求事項を規定している。

ISO 3740

シリーズの五つの規格である ISO 3741

ISO 3743

ISO 3744

ISO 3746

及び ISO 3747

は,基準音源が使われる方法を含む。ISO 3740 はシリーズのすべての規格の使用に関するガイ

ドラインを与えている。

基準音源の音響パワー出力は,特に低い周波数において,音源から近傍反射面までの距離に

よって変化することに注意すべきである。基準音源の音響パワーデータは校正中に使われた位

置に限って有効である。

比較法による音響パワーレベルの算出に有効であるのに加えて,基準音源は音響環境の検証

試験に使用してもよく,その環境に置かれた 1 個又は複数個の音源によって生じる音圧レベル

に対する音響環境の影響を推定できる。

1.

適用範囲  この規格は,基準音源についての次の音響性能の要求事項を規定する。

−  音響パワー出力の時間定常性及び繰返し性


2

  (ISO 6926 : 1999)

−  スペクトル特性

−  指向性指数

音響パワー出力の安定性及び指向性が必要とされる音源の指向性指数は,通常は基準音源の適合性試験

に付随して算出される。指向性測定のために(例外については 5.5 参照)

,適合性試験は半無響環境に限っ

て実行できる。定期的検証測定の場合に,通常,周波数バンドの音響パワーレベルだけを測定する。この

場合に測定は半無響又は残響条件で実施してよい。また,この規格は,オクターブバンド及び 1/3 オクタ

ーブバンドでかつ周波数重み付け A で,空気の特性インピーダンス(

ρ

c)

が 400Ns/m

3

に等しい基準条件にお

ける音響パワーレベルで表すための基準音源として使用するための音源の校正手順を規定する。適合性試

験及び検証のために様々な手順を規定する。

備考  基準音源は,例えば ISO 9295 のように,1/2 オクターブバンドでの測定のために使っても差し

支えない。

しかし,そのような状況ではこの規格で規定される安定性と再現性の限界は適用されない。

この規格は,反射面上の自由音場だけでなく境界表面から種々の距離における残響室での基準音源の校

正方法を規定する。反射面上の基準音源の位置について,上記二つの異なる試験環境は 100Hz 以上の周波

数帯域では等価であるとみなされる。しかし,100Hz 以下については,測定の不確かさは大きく異なる(

1

参照)

この規格は,基準音源として使用する音源に適用される。音源は,床面に直接に設置するか,又は床面

上のある高さで使用するためにスタンドで据え付けてもよい。床面に設置される音源の場合には,この規

格は,音源の最大垂直方向寸法が 0.5m 未満で,その最大水平方向寸法が 0.8m 未満の音源に限って有効で

ある。

この規格によれば,

測定面上の測定を行う場合には床置き型基準音源だけを使用することができる。

残響性の条件下で使用又は校正される基準音源については,こうした最大寸法についての制限はない。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 6926

  Acoustics−Requirements for the performance and calibration of reference sound sources

used for the determination of sound power levels (IDT)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS Z 8402-1

  測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第 1 部:一般的な原理及び定義

備考  ISO 5725-1 : 1994, Accuracy (trueness and precision) of measurement methods and results−Part 1 :

General principles and definitions

が,この規格と一致している。

JIS Z 8732

  音響−音圧法による騒音源の音響パワーレベルの測定方法−無響室及び半無響室におけ

る精密測定方法

備考  ISO/DIS 3745 : 2000, Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources using sound

pressure

−Precision methods for anechoic and hemi-anechoic rooms が,この規格と一致して

いる。

JIS Z 8733

  音響−音圧法による騒音源の音響パワーレベルの測定方法−反射面上の準自由音場にお

ける実用測定方法

備考  ISO 3744 : 1994, Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources using sound


3

  (ISO 6926 : 1999)

pressure

−Engineering method in an essentially free field over a reflecting plane が,この規格と

一致している。

JIS Z 8734

  音響−音圧法による騒音源の音響パワーレベルの測定方法−残響室における精密測定方

備考  ISO 3741 : 1999, Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources using sound

pressure

−Precision methods for reverberation rooms が,この規格と一致している。

JIS Z 8738

  屋外の音の伝搬における空気吸収の計算

備考  ISO 9613-1 : 1993, Acoustics−Attenuation of sound during propagation outdoors−Part 1 :

Calculation of the absorption of sound by the atmosphere

が,この規格と一致している。

IEC 61183

  Electroacoustics−Random-incidence and diffuse-field calibration of sound level meters

3.

定義  この規格で用いられる主な用語の定義は,次による。

3.1

反射面上自由音場  (free field over a reflecting plane)  音源が置かれる無限剛表面上の半空間上にお

ける均質等方媒質の音場。

3.2

半無響室 (hemi-anechoic room)  JIS Z 8732 の要求事項を満たす反射平面(硬い床面)をもった試験

室。

3.3

表面音圧レベル  (surface sound pressure leve1) L

pf

  測定表面上の全マイクロホン位置における時間

平均音圧レベルのエネルギー平均(JIS Z 8733 参照)

備考  単位はデシベル。

3.4

音響パワーレベル (sound power leve1) L

w

  基準音響パワー (l0

-12

 W)

に対する供試音源から放射す

る音響パワーの比の常用対数の 10 倍。

備考  単位はデシベル。

3.5

測定表面 (measurement surface)  音圧レベルを測定するための音源を囲う仮想表面。

備考  この規格では,測定表面は反射面上の半球又は球である。

3.6

遠距離音場 (far field)  測定表面の面積が 2 倍となるごとにその音圧レベルが 3dB 減少するような音

源の放射音場の部分。

備考  この減衰率は,点音源からの距離が 2 倍になるごとに 6dB 減少することに相当する。遠距離音

場では二乗平均音圧は音源から放射された全音響パワーに比例する。

3.7

近距離音場 (near field)  音源と遠距離音場の間に存在する音源の放射音場の部分。

3.8

指向性指数 (directivity index) D

Ii

  音源が一つの方向に音を支配的に放射する程度を表す指標。

備考1.  i 方向の指向性指数は次の式によって半無響室又は無響室測定の結果から計算される。

D

Ii

=L

pi

L

pf

 (1)

ここに,  L

pi

:  D

Ii

を求めようとする特定方向における音源の測定表面上で測

定された音圧レベル。単位デシベル。

L

pf

:  同一距離の測定表面で平均された表面音圧レベル。

  基準音源が直接床面上に設置するように意図されているときに

は,測定表面は半球面で,床面上の離れた位置で使うことが意
図されていれば,測定表面は球面である。

2.

この定義は,基準が自由音場の音源の代わりに反射面上の自由音場の音源とされているので,

JIS Z 8732

の定義とは異なる。

3.9

残響室 (reverberation room)  JIS Z 8734 の要求事項を満たす試験室。


4

  (ISO 6926 : 1999)

3.l0 

対象周波数範囲 (frequency range of interest)   通常,オクターブバンドの中心周波数で 125Hz∼8

000Hz

まで,又は 1/3 オクターブバンドの中心周波数で 100Hz∼10 000Hz までである。

備考  対象周波数範囲は,この規格の要求事項が満たされる場合には,20 000Hz まで又は 50Hz まで

拡張してもよい。

3.11

比較法 (comparison method)   ある環境において供試音源から発生する音圧レベルと,同一環境で

既知音響パワー出力をもつ基準音源から発生する音圧レベルの比較によって,音響パワーレベルを算出す

る方法。

3.12

残響時間 (reverberation time) T  音源停止後に音圧レベルが 60dB だけ減少するために要する時間。

備考1.  残響時間が最初の10dB 又は15dB の減衰から評価される場合には,それぞれ T

10

又は T

15

と示

す。

2.

単位は秒。

3.13

基準音源 RSS (reference sound source)    この規格の要求事項に応じるものであり,ポータブルで一

般に電気音響又は空力方式による音源又は他の騒音発生装置,及び広帯域の安定出力を与える関連制御回

路を含む音源(5.参照)

3.14

繰返し性 (repeatability)   この規格の測定手順の一つを適用する場合に,JIS Z 8402-1 の定義に従う。

4.

測定の不確かさ  この規格の手順で算出された基準音源の音響パワーレベルの単一数値は,測定の不

確かさの範囲で真値と異なるものである。

音響パワーレベル算出の不確かさは,結果に影響を与える要因,

測定室の環境条件に関連した要因及び実験手法による他の要因から生じる。

表 1  この規格で算出された基準音源の音響パワーレベルにおける再現性の標準偏差の推定上限値

半無響室床面上の音源に関する

再現性(

1

)

の標準偏差

σ

R

dB

オクターブバンド

中心周波数

Hz

1/3

オクターブバンド

中心周波数

Hz

子午線経路又
は渦巻経路

20

個の離散位置

又は同軸円経路

残響室の音源に関する再

現性(

1

)

の標準偏差

σ

R

dB

        63

      50

∼   80

2.0

2.0

2.5

   125

  100

∼  160

0.8

0.8

1.0

      250

∼2 000

  200

∼ 3 150

0.3

0.5

0.3

  4 000

∼8 000

  4 000

∼10 000

0.3

1.0

0.3

 16 000

12 500

∼20 000

0.3

1.0

0.4

A

特性 0.3(

2

) 0.5

<0.2(

2

)

(

1

)

値は音源出力の変動を除外し,実験によって実証される。

(

2

) 1/3

オクターブバンドデータによる計算値。

特定音源を多数の異なる試験室間で移動し,各試験室において音源の音響パワーレベルがこの規格の規

定で算出される場合には,その結果は分散を示す。測定値の標準偏差は計算することができ(例えば ISO 

7574-4 : 1985

附属書 参照),周波数に依存する。これらの標準偏差は表 の値を超えない。

表 の値は,JIS Z 8402-1 に定義されたように,再現性の標準偏差

SR

である。

表 の値はこの規格の手

順を適用する場合の測定の不確かさの累積効果を考慮するが,動作条件(例えば回転速度,電源電圧)又

は設置条件の変化によって生じる音響パワー出力の変動を除く。

測定の不確かさは

表 で示す再現性の標準偏差及び望まれる信頼度に依存する。例として,音響パワー

レベルの正規分布については,音源の音響パワーレベルの真値は 95%の信頼度で測定値の範囲±1.96

σ

R


5

  (ISO 6926 : 1999)

ある。他の例については,ISO 7574-4 を参照。

備考1.  表1の不確かさは,校正される特定音源に限って適用される。製品の変動性による付加的不確

かさを規定するための統計データを入手できなければ,特定の基準音源の校正は同一設計及

び製造の他の基準音源に適用されない。

2.

表 の不確かさは,二つの異なる試験環境で算出された音響パワーレベルにおける系統差を

含まない。これらの差は 100Hz を超える範囲では重要でない。しかし,l00Hz 以下ではこれ

らの差は重要である。200m

3

の残響室の場合の差は代表的に 1.5dB 以下である。

5.

性能要求事項

5.1

一般事項  製造業者は基準音源がこの規格のすべてに適合しているかどうかを述べなければならな

い。

5.2

音響パワー出力の時間定常性及び繰返し性  基準音源は,表 に示すように,1/3 オクターブバンド

ごとの音響パワーレベルが繰返し性の条件の下で時間的に一定であるように,設計・製作されなければな

らない。

表 2  この規格による基準音源における繰 

返し性条件下の音響パワーレベルの 

標準偏差の最大値

周波数範囲

Hz

標準偏差

dB

 50

∼    80

0.8

100

∼   160

0.4

200

∼20 000

0.2

備考1.  特別な用途のために,基準音源はより制限された周波数範囲としてもよい。

基準音源の製造業者は音源の電気又は機械的パワーの変動範囲(例えば,供給電圧)を述

べなければならない。この場合,対象周波数範囲内のすべての 1/3 オクターブバンド音響パ

ワーレベルが±0.3dB を超えて変動してはならない。製造業者は音源の電源電圧又は機械パ

ワーのより大きい変動の影響によって基準音源で生じる音響パワーレベルを調整する手順を

与えなければならない。

2.

基準音源の音響パワーレベルは大気圧及び気温に依存する。極度な温度又は高度で使用する

ために,音響パワーレベルに対する大気圧及び気温の影響について,製造業者は適切な補正

についての情報及びその不確かさを供給することが望ましい。

5.3

総広帯域音響パワーレベル  基準音源によって放射される総広帯域音響パワーレベルについての特

定の要求事項は存在しない。しかし,総広帯域音響パワーレベルを報告する場合には,対応する周波数範

囲も報告する。


6

  (ISO 6926 : 1999)

5.4

スペクトル特性  基準音源は,1/3 オクターブバンド中心周波数で少なくとも 100Hz から 10 000Hz

の間において,その用途に意図されている周波数範囲の広帯域定常音を発生させなければならない。この

周波数範囲上で,すべての 1/3 オクターブバンド音響パワーレベルは 7.及び 8.の要求事項を満たして測定

される場合には,12dB 以内になければならない。同じ測定条件下で,同一周波数範囲において,それぞれ

の 1/3 オクターブ音響パワーレベルは隣接 1/3 オクターブバンドの音響パワーレベルから 3dB を超えない

ものとする。周波数範囲を 100Hz∼10 000Hz を超えて拡張する場合には,拡張した範囲に対する要求事項

はそれぞれ 16dB 及び 4dB とする。

より限定された周波数範囲又は異なるスペクトル形状をもつ特殊な音源について,これらの基準を満た

すことが望ましい。基準音源が 100Hz∼10 000Hz までの周波数範囲においてこの規格の要求事項を満たさ

ない場合には,製造業者は基準音源の周波数特性がこの規格に適合しないことを述べなければならない。

5.5

指向性指数  音源の指向性指数の最大値は,7.に適合する半無響室で測定する場合に,100Hz∼10

000Hz

の間の 1/3 オクターブバンドの中心周波数において+6dB を超えてはならない。移動マイクロホンを

使用する場合には,任意トラバース中にそれぞれの 1/3 オクターブバンドにおいて時間重み で測定され

た最大音圧レベルを記録し,指向性指数の計算に使わなければならない。固定マイクロホンの場合には,

任意の 20 位置の各周波数バンドの最大音圧レベルを使うものとする。

基準音源を JIS Z 8732 に適合した残響室で限定して使う場合には,上述の要求事項は適用しないで,

“限

定した残響室だけの基準音源として使用”というラベルを付ける。

基準音源が床面上のスタンドで使用するように設計されている場合には,上述の要求事項は自由音場に

ついて適用され,指向性の測定は JIS Z 8732 によって無響室で実施する。

5.6

再校正  製造業者は校正周期の最長期間を推奨しなければならない。この期間中における基準音源

の音響パワーレベルの変化は

表 に示された範囲を超えてはならない。基準音源が何らかの機械的損傷を

受けた場合には,必ず再校正しなければならない。

推奨の最長期間中に基準音源の再校正が必要であるかどうかを決めるために,特定試験環境の明確な位

置で作動する音源について,複数の固定された基準点(例えば,製造業者が推奨する期間及び位置)にお

いて,ときどき 1/3 オクターブバンド音圧レベルを測定する。必要であれば,測定された音圧レベルを一

定の環境条件に調整するために製造業者の指定手順を実施した後に,すべての 1/3 オクターブバンド音圧

レベルの変化が

表 の値の 2.83 倍を超える場合には,基準音源の再校正が必要である(JIS Z 8402-1 参照)。

6.

校正時の基準音源の設置及び作動

6.1

一般事項  音源は製造業者の説明書に従って作動しなければならない。機械又は電気駆動による音

源の主要特性(例えば,電源電圧及び周波数)及び基準音源に関連する作動パラメータ(例えば,空力音

源の回転速度)は記録されなければならない。

備考  適切な作動パラメータを測定するために,補助装置(例えば,回転速度を測定するためのスト

ロボスコープ)を使用してもよい。

基準音源は,

(音響特性又は作動パラメータの)すべての測定を行う前に,安定した作動条件にしなけれ

ばならない。

6.2

基準音源の位置 

6.2.1 

基準音源を反射面上及び壁面から離れて設置する場合  半無響室では,校正される音源を反射面上

で通常の使用における方向に置くこと。

残響室では,壁面に対して非対称的に,最も近い壁面から少なくとも 1.5m 離れた床面上に音源を置く。


7

  (ISO 6926 : 1999)

少なくとも互いに 2m 離れた 4 点の位置を使用する。

6.2.2

基準音源を床面上方又は複数の壁面に近接して設置する場合  基準音源を 6.2.1 の条件以外の位置

で校正する場合には,これらの校正は残響室で行わなければならない。

反射面から 0.5m を超えるか壁の近くの位置に置かれた基準音源は半無響室で校正することはできない。

7.

半無響室における校正手順

7.1

試験環境  試験環境は,対象周波数範囲にわたって JIS Z 8732 の附属書 の適正要求事項に適合す

る半無響室とする。その床面は,水平方向で床面への測定表面の投影を少なくとも 1m 以上の範囲に広げ

たものとする。

7.2

マイクロホン  通常の対象周波数範囲で,垂直入射で平たん(坦)周波数特性をもったマイクロホ

ンを測定半球の中心方向に向かって振動膜が向くようにするか,又は擦過入射で平たん周波数特性をもっ

たマイクロホンを測定半球の中心方向に向かって 90°で振動膜面が向くようにして使用する。マイクロホ

ンの特性は,対象周波数範囲において(振動膜への)垂直入射又は平行入射で 0.1dB 以内の平たん周波数

特性を与えるように補正する。

周波数範囲を 10 000Hz の 1/3 オクターブバンドを超えて拡張する場合には,

平行入射時に公称平たん周波数応答をもったマイクロホンだけが使用できる。

7.3

マイクロホン位置

7.3.1

一般事項  半径 2m の半球測定面を使用する。マイクロホンを反射平面上に基準音源の最上表面の

投影の幾何中心に置く。

7.3.27.3.37.3.4

又は 7.3.5 に与えられるマイクロホン位置の組の一つを使用する。

固定又は移動マイクロホンの機械装置が測定に影響しないように注意する。

7.3.2

子午線経路  軸対称音源の場合には,測定表面の垂直軸の周囲に 120°間隔で 3 回のトラバースを

使用する(JIS Z 8732 

附属書 の附属書図 F.1 を参照)。他の音源の場合には,少なくとも 8 回のトラバ

ースを使用する。トラバースを一定角速度で行う場合に,与えられた弧の長さに対するマイクロホントラ

バース時間に関連する面積について適切な重み付けを行うために,正弦ポテンショメータ(電気的,機械

的又は数学的同等物)を使用する。トラバースがマイクロホンを垂直方向に一定速度で動くように制御で

きれば(すなわち角速度は,測定表面のマイクロホン位置と垂直軸間との角度の正弦に逆比例する。),面

積の重み付けを適用しなくてよい。

備考  正弦波ポテンショメータを利用する場合,その角速度は半球の頂上で無限大になる。この問題

は実際に頂上に達する直前で積分を終了することで解決される。

7.3.3

らせん経路  7.3.2 のように子午線経路に沿ったトラバースを使用し,同時に少なくとも 5 本の環

状経路の積分番号に沿ってマイクロホンをゆっくり横断させることで,測定表面の垂直軸に沿ってらせん

経路を作る。若しくは子午線経路に沿ってマイクロホンを横切る間に,完全に一回転する回転速度で基準

音源をゆっくり回転させることによって,らせん経路を生成してもよい。必要であれば,7.3.2 の面積重み

付けを使用する。

この手順ごとに,

測定上面の垂直軸の周辺に 120°回転させて,

3

回のトラバースを使う。

7.3.4

固定点配列  半径  (R) 2.0m の半球表面上に床面から均等の高さ間隔に置かれた 20 点のマイクロホ

ン位置を,1 個のマイクロホン位置を個々の高さに保つように,使用する。20 点の高さは,0.025R, 0.050R,

0.075R,

…,0.975とする。各高さごとに,らせんの水平サンプリングパターンを決めるために方位角の位

置は前の位置から 60°で移動させなければならない。水平面の音源指向性が非均一であれば,第 2 番目の

測定集合を最初のセットの測定集合から 180°移し,最初の測定集合と平均しなければならない。


8

  (ISO 6926 : 1999)

7.3.5

同軸円経路  2.0m の半球の表面上において基準音源の中心に対する垂直軸の周囲上に 20 個の同軸

円トラバースを使う。この同軸円トラバースは 7.3.4 に示された 20 個の高さの位置とし,半球面の同一面

積を代表する。円周経路はマイクロホン又は基準音源をゆっくり 360°均一に回転することで実施しても

よい。円周スキャンの時間は少なくとも 60s とする。回転テーブルが基準音源を回転するために利用でき

れば,その表面は反射面と同一平面とする。

7.4

測定  子午線経路の 4 分の 1 円をトラバースするごとに少なくとも 200s 及びらせん経路用 600s の積

分時間で JIS Z 8732 に従って,1/3 オクターブバンド音圧レベルを測定する。離散マイクロホン位置では,

各マイクロホン位置で 30s にわたって積分する。同軸円経路では,積分時間はマイクロホン又は音源の一

回転又はその整数倍に対応させる。

備考  オクターブバンド及び A 特性音圧レベルは直接に測定するか,1/3 オクターブバンドデータか

ら二乗平均音圧によって計算してもよい。

7.5

空気吸収  10 000Hz を超える高い周波数まで測定を拡張する場合には,JIS Z 8738 に従って空気吸

収を補正する。

7.6

計算  1/3 オクターブバンド表面音圧レベルと音響パワーレベルは,JIS Z 8732 に従って,次の計算

式によって計算する。

C

dB

S

S

L

L

pf

w

+

÷÷ø

ö

ççè

æ

+

=

0

1

log

10

 (2)

ここに,  L

pf

:  測定表面上の表面音圧レベル,単位 dB(基準 20

µPa)

S

1

:  測定表面の面積

S

0

:  1m

2

C

:  温度

θ

 (

℃)  及び大気圧 B (Pa)  の影響についての補正項,

単位 dB

dB

B

B

C

ú

ú

û

ù

ê

ê

ë

é

÷

ø

ö

ç

è

æ

+

=

0

273

273

400

427

log

25

θ

 (3)

ここに,  B

0

:  10

5

Pa

備考1.  式  (

2

)

は,基準条件

ρ

c=400Ns/m

3

で算出される音響パワーレベルを与える。を適用するこ

とで,音響パワーレベルは 

θ

に独立した値となる。この補正項 は,測定位置における

実際の気象条件,

θ

について計算する。427/400の比は,

θ

=0

°及び B

0

=10

5

Pa

の場合の伝

搬媒質

ρ

c

の実際の特性インピーダンスと基準特性インピーダンス(

ρ

c

ref

=400Ns/m

3

との差を

調整する。これは測定位置の空気の実音響インピーダンス

ρ

c

を含むので,大きく異なる気象

条件の測定から求められた同一機械の音響パワーは少し異なる結果をもたらす。これは,異

なる気象条件における空気の

ρ

c

の差が音源の実効音響放射を変えるために起こることであ

る。

音源の指向性指数の最高値 D

Ii

を,各 1/3 オクターブバンドについて計算する。

備考2.  オクターブバンド及び A 特性値は必要に応じて計算してもよい。

8.

残響室における校正手順

8.1

試験環境  試験環境は,残響室の最小寸法が 4.0m を超えるという付加要求事項とともに JIS Z 8734

の要求事項を満たさなければならない。

備考  この規格に示す再現性による測定の不確かさは,197m

3

∼238m

3

の範囲で容積の異なる七つの残

響室の測定結果に基づく。


9

  (ISO 6926 : 1999)

8.2

マイクロホン  マイクロホンはランダム入射タイプであり,拡散音場において平たんな周波数特性

を得るように,IEC 61183 によって校正されるものとする。

8.3

マイクロホン位置  通常の対象周波数帯域の場合,JIS Z 8734 に基づいた 6 点のマイクロホン位置

又はマイクロホントラバースを使用する。周波数範囲を 10 000Hz の 1/3 オクターブバンドを超えて拡張す

る場合には,室内でランダム方向に配置した固定マイクロホン位置を使用する。

8.4

測定  各マイクロホン位置において,少なくとも 64 秒の積分時間で JIS Z 8734 に従って 1/3 オクタ

ーブバンド音圧レベルを測定する。

少なくとも 3 個の音源位置及び 6 点のマイクロホンの位置を使用して,残響時間 を測定する。それぞ

れの組合せで少なくとも 3 個の減衰曲線を測定する。利用可能な装置に応じて,10 又は 15dB の減衰を使

い,の平均又は集合平均化から T

10

又は T

15

を計算する。

8.5

計算  JIS Z 8734 に従って 1/3 オクターブバンド音響パワーレベルを計算する。

4

点の必す(須)の音源位置から音響パワーレベルの平均値を計算する。

オクターブバンド及び A 特性音圧レベルは二乗平均音圧に基づいて 1/3 オクターブバンドデータから計

算する。

9.

記録事項  記録事項は,JIS Z 8732 の 10.又は JIS Z 8734 の 9.(記録事項)による。測定及び計算値は,

少なくとも最小 0.1dB まで記録する。

10.

報告事項  報告すべき一般情報は JIS Z 8732 の 11.(報告事項)又は JIS Z 8734 の 10.(報告事項)に

よる。

報告事項を次に示す。

a)

校正がこの規格の手順をすべて満たして実行されたかどうか。すべての偏差を報告する。

b)

校正を半無響又は残響性条件のどちらで実行したか。半無響の条件を使用した場合には,マイクロホ

ン配列を示すこと。残響室において床から離れた音源位置を使用した場合には,使用したスタンド又

は指示方法を詳細に記録する(寸法,材料)

c)

残響室の容積又は半無響室の下限周波数のどちらか適切な方を報告する。

d)

周波数帯域の音響パワーレベル。

ρ

c=400Ns/m

3

の基準条件下の音響パワーレベル(基準:1pW)を最

小 0.1dB に丸めたデシベル単位。

備考  基準条件,

ρ

c=400Ns/m

3

は ISO 6926 の初版では使用されていなかったので,移行期間中では,

基準条件下の音響パワーレベルと実際の測定条件下の音響パワーレベルを報告することが推奨

される。

e)

測定の不確かさ(

表 参照)。

f)

校正時の温度,相対湿度,気圧,定数 の値(7.6 参照)及び,もし存在すれば規定の環境条件に対

する調整事項(5.2 及び 7.6 参照)

,及びそれらを測定する方法。

g)

電気又は機械パワー音源の主要特性及び基準音源の適切な作動パラメータ(5.1 参照)

h)

校正がこの規格で規定されるすべての要求事項(適合性)を検証するための試験の一部であれば,次

の付加情報を報告しなければならない。

−  スペクトル均一性,時間安定性,音響パワー出力,スペクトル特性,指向性指数が 5.を満たすかど

うか。


10

  (ISO 6926 : 1999)

参考文献 

[1]  ISO 3740

  Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources−Guidelines for the use of basic

standards

[2]  ISO 3743-1

  Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources−Engineering methods for

small, movable sources in reverberant fields

−Part 1 : Comparison method for hard-walled test rooms

[3]  ISO 3743-2

  Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources−Engineering methods for

small, movable sources in reverberant fields

−Part 2 : Methods for special reverberation test rooms

[4]  ISO 3746

  Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources using sound pressure−Survey

method using an enveloping measurement surface over a reflecting plane

[5]  ISO 3747

  Acoustics−Determination of sound power levels of noise sources using sound pressure−

Comparison method for use in situ

[6]  ISO 5725-2

  Accuracy (trueness and precision) of measurement methods and results−Part 2 : Basic method

for the determination of repeatability and reproducibility of a standard measurement method

[7]  ISO 7574-1 : 1985

  Acoustics−Statistical methods for determining and verifying stated noise emission values

of machinery and equipment

−Part 1 : General considerations and definitions

[8]  ISO 7574-2

  Acoustics Statistical methods for determining and verifying stated noise emission values of

machinery and equipment

−Part 2 : Methods for stated values for individual machines

[9]  ISO 7574-3

  Acoustics−Statistical methods for determining and verifying stated noise emission values of

machinery and equipment

−Part 3 : Simple (transition) method for stated values for batches of machines

[10] ISO 7574-4 : 1985

  Acoustics−Statistical methods for determining and verifying stated noise emission values

of machinery and equipment

−Part 4 : Methods for stated values for batches of machines

[11] ISO 9295

  Acoustics−Measurement of high-frequency noise emitted by computer and business equipment

[12] ISO TR 11690-3

  Acoustics−Recommended practice for the design of low-noise workplaces containing

machinery

−Part 3 : Sound propagation and noise prediction in workrooms

[13] ISO 14257

  Acoustics−Measurements and modelling of spatial sound distribution curves in workrooms for

evaluation of their acoustical performance

[14] VORLAÄNDER M. and RAABE G. , Calibration of reference sound sources, Acoustica, 81, 1995, pp.247-263

[15] CAMPANELLA A. J. , Calibration of reference sound sources, a US perspective, Noise

−CON 96 Proceedings,

1996, pp.931-936

[16] NOBILE M. A. , Calibration of reference sound sources according to ANSI S12.5 and ISO/DIS 6926, Noise

Con 96 Proceedings, 1996, pp.937-942

[17] HÜBNER G. and Jiang Wu, National round-robin test determining the sound power by sound pressure

measurements

−Further results, Internoise 94, Proceedings, 1994, pp.1769-1774