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Z 8503-2

:2006 (ISO 11064-2:2000)

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本人間工学会(JES)/財団法人日本規格協

会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審

議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 11064-2:2000,Ergonomic design of

control centres

−Part 2: Principles for the arrangement of control suites を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。

JIS Z 8503-2

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(参考)特定の部屋及び区域に関する詳細留意点

JIS Z 8503

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS Z 8503-1

  第 1 部:コントロールセンターの設計原則

JIS Z 8503-2

  第 2 部:コントロールスウィートの基本配置計画の原則

JIS Z 8503-3

  第 3 部:コントロールルームの配置計画

JIS Z 8503-4

  第 4 部:ワークステーションの配置及び寸法

備考  JIS Z 8503“人間工学−精神的作業負荷に関する原則−設計の原則”は,この規格群とは独立

の単独の規格である。


Z 8503-2

:2006 (ISO 11064-2:2000)

(2)

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

2

3.

  定義

2

4.

  コントロールスウィートの配置計画の設計手順

2

4.1

  手法全般 2

4.2

  コントロールスウィート設計のステップ

3

4.3

  コントロールスウィートレイアウトの始点

5

4.4

  コントロールスウィートの場所

6

4.5

  コントロールスウィート内のタスク領域の概観

6

4.6

  コントロールスウィートレイアウトの設計

7

5.

  人間工学的留意点

7

5.1

  コミュニケーション

7

5.2

  通行及び通行路

7

5.3

  出入口

8

5.4

  環境条件

8

5.5

  清掃

8

5.6

  保守

8

5.7

  来訪者

8

5.8

  支援情報

8

6.

  コントロールスウィートレイアウトの検証及び妥当性確認

9

附属書 A(参考)特定の部屋及び区域に関する詳細留意点

10

 


日本工業規格

JIS

 Z

8503-2

:2006

(ISO 11064-2

:2000

)

人間工学−コントロールセンターの設計−

第 2 部:コントロールスウィートの

基本配置計画の原則

Ergonomic design of control centres

Part 2: Principles for the arrangement

of control suites

序文  この規格は,2000 年に第 1 版として発行された ISO 11064-2,Ergonomic design of control centres−Part

2: Principles for the arrangement of control suites

を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく

作成した日本工業規格である。

この規格は,コントロールスウィートの配置計画のための人間工学的な原則,推奨事項及び手引きに関

するものである。

この規格群は,プロセス工業,交通機関,緊急サービス用管制・交信システムなどを含むあらゆる種類

のコントロールセンターに適用する。この規格群は,

主に定置のコントロールセンターを想定しているが,

多くの原則は,この規格の中心課題はユーザーの要求事項であり,ユーザーが求めていることを設計過程

の各段階で考慮すべきことを規定している。ユーザーの要求事項を取り入れるための全体的な方策は,JIS 

Z 8503-1

に規定している。

この規格は,コントロールスウィートを支える諸断面と関連させながら,その計画及び設計の指針を与

える。コントロールルームの配置計画については,JIS Z 8503-3 に規定し,ワークステーションに関する

人間工学的原則,推奨事項及び要求事項については,JIS Z 8503-4 に規定している。

この規格は,主としてオペレータ及びその他のコントロールセンターユーザーのためのものである。ユ

ーザーニーズこそが,この規格の人間工学的要求事項を規定している。エンドユーザーがこの規格を読ん

だり,その存在を知る可能性は低いとしても,この規格を適用することによって,より使いやすいインタ

ーフェイス及び運用上の要請によりよく合致した作業環境をユーザーに提供でき,結果として過誤を最小

限にして生産性を高めることができる。

1.

適用範囲  この規格は,コントロールセンターの人間工学的設計の原則,特にコントロールスウィー

トの部屋及びスペースのいろいろな配置計画について規定する。諸原則は,コントロールルーム及びこれ

に機能的に関連する部屋が担うべき機能及びタスクの分析に基づいている。これらの原則は,コントロー

ルスウィート内で行われるすべての活動の流れを容易にするために,機能エリアを規定すること,各機能

エリアの所要スペースを見積ること,機能エリア相互間の運用上の関連性を決定すること,及びコントロ

ールスウィートの暫定的なレイアウトを作りあげることを含む。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD


2

Z 8503-2

:2006 (ISO 11064-2:2000)

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 11064-2:2000

,Ergonomic design of control centres−Part 2: Principles for the arrangement of

control suites (IDT)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS Z 8503-1

  人間工学−コントロールセンターの設計−第 1 部:コントロールセンターの設計原則

備考  ISO 11064-1: 2000  Ergonomic design of control centres−Part 1: Principles for the design of

control centres

が,この規格と一致している。

JIS Z 8503-3

  人間工学−コントロールセンターの設計−第 3 部:コントロールルームの配置計画

備考  ISO/FDIS 11064-3: 1998  Ergonomic design of control centres−Part 3: Control room layout が,こ

の規格と一致している。

ISO 6385

  Ergonomic principles in the design of work systems

EN 614-1

  Safety of Machinery−Ergonomic design principles−Part 1: Terminology and general principles

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 8503-1 によるほか,次による。

a)

作業タスク配分(task allocation)  オペレータとシステムへの作業タスク又はタスク要素の配分。

b)

作業タスク領域(task zone)  作業タスクとそれに関連する空間的又は位置的要求事項との組合せ。

c)

作業環境(work environment)  作業者を取り巻く作業空間の,物理的,化学的,生物学的,組織的,

社会的及び文化的な要因。

d)

作業空間(work space)  ある作業タスクを完遂するために,その作業システム内の一人又は複数の

人間に割り当てられる空間的容積(ISO 6385 参照)

e)

ワークステーション(workstation)  作業空間内の特定の作業者のための一組の作業機器。

備考  特定のワークステーションを複数の作業者が共用したり,複数の作業者が,複数のワークステ

ーション間を一定時間間隔(時間単位,日単位,週単位など)で交替することも可能である。

f)

作業システム(work system)  作業タスクによって与えられた条件の下で,その作業空間内・作業環

境下で,そのシステムタスクを遂行するために協働する人間及び機械(EN 614-1 参照)

g)

作業タスク,タスク(work task,task)  作業システムの企図された成果を達成するために必要な活

動。

4.

コントロールスウィートの配置計画の設計手順

4.1

手法全般  作業システム設計の一般的手法については,ISO 6385 及び EN 614-1 による。JIS Z 8503

規格群は,コントロールセンターの設計,再設計又は改造の一般的手法について規定する。上記のうち,

前者の規格の目的は,人間の能力,  限界及び求めているものを調和させながら作業システムを設計するこ

とにある。必然的に,既存又は類似の状況を分析することが必要になる。4.では,コントロールセンター

の設計に当たって,分析の一般的手法をどのように当てはめるかを規定する。特に,この状況分析は,コ

ントロールスウィートの全体レイアウトの建築計画(例えば,空間計画)に必す(須)な行為である。コ

ントロールルーム,ワークステーション,人間−コンピュータインターフェイスなどの詳細設計について

は,この規格群の一連の部で規定している。

サイトプラン(プロットプランとも呼ばれる。

)を作りあげることは,コントロールスウィートにとって


3

Z 8503-2

:2006 (ISO 11064-2:2000)

は,特別な意味合いをもっている。サイトプランとは,すべての処理装置,主要機器,建物,製造設備,

建屋内の通路などの配置図をいう。サイトプランには,製造装置,建物,移動手段なども含む。コントロ

ールセンターのレイアウトには,制御・監視の対象となるプロセスにかかわるコントロールスウィートの

場所,ワークステーション及びその他の機器を含む。

この規格は,コントロールスウィートの設計全般にわたって,コントロールセンターのレイアウト,職

務内容,作業組織などの要因に基づく人間工学的配慮を強調する。この中には,製造設備にかかわるコン

トロールルームの場所も含む。

他の多くの要因(例えば,経済性,敷地の広さ・形状及び周囲,サイト内の既設部分など)を考慮しな

ければならないこと,及びこれらが意思決定の上で重要なことが認識されている。しかし,制御・監視の

対象となるサブシステムにかかわるコントロールスウィートの物理的位置が,コントロールルーム,ワー

クステーション及び職務設計の制約条件になることに,この規格の使用者は気付かなければならない。そ

の他の項目の中で,この規格は,通行経路,距離,コミュニケーションパターン及び柔軟な職務設計並び

に作業設計について規定する。コントロールルームは,それがどこにあるかによって,運用(例えば,サ

イトのセキュリティー,受付など)が左右されるので,場合によっては,その物理的位置は致命的である。

コントロールスウィートのユーザーに身体障害者が想定される場合は,

設計の過程で適切な配慮をする。

4.2

コントロールスウィート設計のステップ  プロジェクトの当初に考慮しなければならない重要な点

は,プラント又は製造ユニットの全体的なレイアウト,装置概要,主要プロセスの運転原理及び建屋の全

体レイアウトである。コントロールセンター設計の過程は,一般に次の幾つかのフェイズからなる。

−  フェイズ  A:明確化

−  フェイズ  B:分析及び定義

−  フェイズ  C:概念設計

−  フェイズ  D:詳細設計

−  フェイズ  E:実施及び運用フィードバック

詳細は JIS Z 8503-1 参照。

コントロールスウィートの配置計画の原則は,フェイズ C で適用される[JIS Z 8503-1 の 4.(人間工学

的設計の原則)参照]

。コントロールスウィートのレイアウトについての情報を,設計プロジェクトに効果

的にインプットするためには,次のステップを推奨する(JIS Z 8503-1

  図 及び図 フェイズ D:詳細設

計 9A.参照)


4

Z 8503-2

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条件

 
設計のステップ

人間−機械システムの目標

状況分析

タスク分析

始点(4.3 参照)

−  システムの機能を定義する。

−  システムのタスクをリスト化する。

−  人間

−  機械

−  インタラクション

−  作業を組織化し,職務を設計する。

フェイズ C

フェイズ D

プラントの視認性

プラントからのアクセシビリティ

非常時対策など

コントロールスウィートの位置を決定する(4.4 参照)

協働作業

タスクごとの空間など

タスク領域についての要求事項を決定する(4.5 参照)

タスク領域のリンク

機器,建築

コントロールスウィートのレイアウトを決定する(4.6

参照)

指針

仕様書

タスク分析

レイアウトの検証及び妥当性確認(6.参照)

採択された妥協策

文書のフォーマット

結果を文書化し理由付けをする。すなわち,検討された

代案及び採用案の決定的条件を明示する。

備考1.  その他の留意点については,5.を参照。

2.

設計の各ステップから以前のステップにフィードバックされることもある。

3.

どのステップにおいてもユーザーが参画する。

  1  コントロールスウィートの設計ステップ


5

Z 8503-2

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−  フェイズ A で機能要求事項をまとめる。

−  概念設計の始めに,作業システムの意図する役割(システムの機能)及びその作業システム内のタス

クを,人間オペレータ又は技術機械へ割り当てることを含むタスクの全体像を記載する(4.3 参照)

−  コントロールスウィートの位置を含むサイト,又は生産設備の全般レイアウトを決定できるようにす

る(4.4 参照)

−  コントロールスウィートに関する空間的な要求事項の全体を決める。このための有力な手法は,コン

トロールスウィートで行われるタスクをリスト化し,ワークステーション,その他の設備に対する要

求事項を,それぞれのタスクに添付することである(4.5 参照)

。こうしてできたタスク領域を,要求

に合致するようにワークステーションに配置する(4.6 参照)

コントロールスウィートのレイアウトは,フェイズ D における諸設計の基礎となる。どんな設計変更も

このフェイズの間に調整しなければならない。

コントロールスウィートを作りあげる上で,ユーザーからのインプットを採り入れ,それを統合しなけ

ればならない。ユーザーの参画は,その設計プロジェクトに参加した将来のユーザー,その他すべての人々

を雇用する構造化された手法である。ユーザーの参画は,その分野の専門家(例えば人間工学専門家)に

よって組織されなければならない。ユーザー及びプロジェクトチームの最初のコミュニケーションは,一

般に状況分析のときに始める。ひとたびそのようなコミュニケーションができあがったら,プロジェクト

チームは,コントロールスウィートのレイアウトについて,ユーザーに相談するのがよい。建物のレイア

ウトについて検討するのに役に立つツールはいろいろあり,例えば,スケールモデル,レイアウトボード

(例えば,マグネットスペースプランニングボード)

,三次元コンピュータグラフィックモデルなどがある。

4.3

コントロールスウィートレイアウトの始点  コントロールスウィートの基本配置計画の与条件とし

て,次のことを行う。

−  システム機能の定義(建設するプラントの機能)

−  人間及び機械への機能の割当て

−  運用スタッフの職務の総括的定義(交替勤務制,トレーニングレベルなど)

上記の 3 ステップによって,コントロールスウィート設計の始点として次の情報を準備する。

−  システム機能のリスト

−  作業タスク,その関連性,継続時間,頻度及び作業負荷

−  運転スタッフ各メンバーの職務,及び一人のメンバーに割り当てられたすべてのタスクのグルーピン

−  コントロールスウィートに設置される機器に関する暫定的な記述

これらすべてを使って作業場所及びその他の作業エリアを定義する(4.5 参照)

新しいコントロールスウィートを設計する場合は,類似の既存設備から得られる情報は,全くないか極

めて少ない。実績がないときは,スタッフィングレベル及び作業タスクについての,おおざっぱな全体像

から始める。これらは設計の過程を通じて完全なものにしなければならない。精ち(緻)な情報が手に入

らない場合,実動の仮定を使ってもよい。

既設設備の再設計又は改修の場合は,状況分析の結果が始点となる。作業組織の変更勧告に当たって,

観察された制約条件の分析と組み合わせて,機能分析全体を現行の作業タスクの全容と置き換えてもよい。

また,状況分析は,設計過程へのユーザーの直接参画を可能にする。

4.4

コントロールスウィートの場所  サイト内のコントロールスウィートの適切な場所を決めるために,

相互に影響しあう次の人間工学的諸断面を考慮する。


6

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−  視界。換言すれば,処理サイト/エリアが特定のオペレータから見えることが重要な場合,直接目で視

て確かめられるところに作業エリアを置く。

−  コントロールスウィート,製造装置,ローカルコントロールルーム及びローカルワークステーション

間の距離。

−  コントロールスウィートへのアクセスビリティ及び緊急避難口。

−  コミュニケーション及び個人同志のやりとりについての要求事項を含む職務・作業設計案。

−  ユーザータスクと機器との相互関係。

−  コントロールルーム内でのオペレータの動き,他の要員及び来訪者の存在への配慮。

−  清掃などのサービス,及びメンテナンス業務への配慮。

環境面について,次のことを考慮する。

−  適切な明かり,及び窓。

−  適切なコントロールルームの温度。

−  高騒音レベルからの保護又は排除。

−  振動からの保護又は排除。

−  外部に設置された機器(例えば,レーダー,電磁セパレーターなど)の電磁界がある場合は,人間の

健康への影響が十分に解明されていないので,その影響を最小化する位置に作業場所を置く。

詳細は JIS Z 8503-6 参照。

技術面からは,次のことを考慮する。

−  建物の土木的構造。

−  プロセスユニット(相互関連のあるプロセス)

,保護すべき区域などの相互関係。

−  配管,ケーブル及びダクトの径路。

−  将来の拡張のための備え。

その他,次のことを考慮する。

−  コントロールスウィートの安全面,例えば,建屋の耐爆構造の要否,毒物の危険性及びコントロール

スウィートをシェルターとして使用することの可否など。

−  セキュリティ。外部とのアクセス,特殊な検問と出入り口など。

−  広報(外部との出入りにも関係)

−  セキュリティ及び広報のためのコントロールスウィートの視界。

−  建築意匠。建物が周囲と調和していること。

備考  評価のツールについては,6.参照。

4.5

コントロールスウィート内のタスク領域の概観  コントロールスウィートのタスク領域に関する要

求事項の概要を作成する。タスク領域の概要は,コントロールスウィートと,その中で行われるタスクに

機能関連性をもつすべての部屋に関係する(6.参照)

仕様には,次の項目を含むのがよい。

−  部屋ごとのユーザー数(数値の変動を含む。

−  部屋ごとのフル装備されたワークステーションの推定寸法,及び推定所要空間。

−  シフト交替時の引継ぎ及びチーム打合せについての要求事項。

−  プリンター,電話器,警報などの騒音発生源及びこれに関連する要求事項。

−  将来の改修,拡張に備えた空間的余裕。

各作業タスクごとにタスク領域を指定する方法は,有用な手法である。これらのタスクゾーンを,


7

Z 8503-2

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次の原則の一つ又は幾つかに従ってワークステーションに割り当てる。

−  幾つかのタスク領域を一つの部屋にまとめる。例えば,すべての制御・統括タスク領域(オペレータ

デスク)及び休憩エリアは,一つの部屋に置ける。

−  タスク領域を合併させる。例えば,すべての制御・統括タスクは,事務的タスクのタスク領域に合併

できる(いずれのタスクも同じ人が一つのワークステーションで行う。

−  あるタスクを別の部屋に置く(他のタスクを排除する。

4.6

コントロールスウィートレイアウトの設計  コントロールスウィートの機能設計は,タスク領域の

概要及び各タスク領域の要求事項に基づいて行う。

考慮しなければならない重要な点は,次による。

−  タスク領域間のつながりを要するタスク

−  タスク領域へのアクセス

−  環境的制約(例えば,  窓とコンピュータスクリーンとの関係)

−  建物全体のレイアウトについての建築的原則。形,階,柱,鉄骨構造,通路,業務用通路など。

−  機器収納庫及びメンテナンスアクセス

備考1.  評価のツールについては,6.参照。

2.

コントロールルームの形状の詳細については,JIS Z 8503-3 参照。コントロールスウィート

にある他の部屋及びローカルコントロールルームの詳細は,同じ指針が適用できる。

5.

人間工学的留意点  コントロールスウィートの配置計画に当たっては,次に規定する人間工学的な諸

様相を考慮しなければならない。フローチャート(

図 1)に,これらの要因を統合化する過程を示す。リ

ンク分析は,職務タスクパターンを分析するツールであり,このパターンによって,個人及びチームオペ

レーションのための機器の最適な配置及び/又はメンテナンスを決めることができる。

5.1

コミュニケーション  次の点を考慮する。

−  相互に口頭での頻繁なコミュニケーションを必要とする個々のタスク領域は,互いに近くに置く。

−  コントロールスウィートの機器類は,必要に応じてオペレータ同志が,互いに視線を交わせるように

配置する。

−  コントロールスウィートの機能にとって余分なコミュニケーションが,要員の注意を反らさないよう

にする。

−  機能の異なる部屋及び場所は,外乱の源にならないように互いに分離する。

5.2

通行及び通行路  次の点を考慮する。

−  行き来とコミュニケーションを考慮して,距離を最短にする。

−  サイトのある部分を直接目視して監視する必要がある場合は,監視タスクの作業場所は,サイトにあ

るコントロールスウィートに定める。

−  一般の人々に対するアクセス制限が,許された人々のアクセスの妨げにならないようにする。

−  非常口を通っての近道など好ましくない歩行通路に特に留意する。サイトのレイアウトは,必要があ

って訪れるどのエリアにも,容易にアクセスできるものであることが望ましい。

−  ユーザーは,出入口又は人通りの多い通路を背にして座っていることに,居心地の悪さを感じるもの

である。オペレータが,気を散らさずに通常の位置から入室者を観ることができるようにする。この

ことは,セキュリティーの観点からも必要である。JIS Z 8503-3 参照。

5.3

出入口  次の点を考慮する。


8

Z 8503-2

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−  コントロールスウィート内のドア及びゲートは,大抵の機器が搬入できるものであることが望ましい。

これに関しては,機器の将来の拡張,メンテナンス,交換など,床下及び天井からのアクセスを必要

とする場合についても考えておくのがよい。

−  出入口を管轄できるスペースを考慮する。

−  救急,非常用機器具及び非常口への常時アクセスを考慮する。

5.4

環境条件  次の点を考慮する。

−  床,壁及び天井の材料は,グレア,反射及び大きなコントラストを抑えたものとする。必要に応じて

適切な手段でノイズを抑える。

−  外乱の源になりそうな事項を特定し配慮する。コントロールルームは,このような外乱が最も少ない

場所に計画する。

−  コントロールスウィートの場所は,毒物,汚染物質,放射能などが存在することがある場合,その危

険にさらされる可能性が最小になるところとする。

5.5

清掃  次の点を考慮する。

−  建物又は構造物の材料は,長もちし,かつ,清掃しやすいものが望ましい。

−  コントロールスウィート内に,ほこり及び外からのきょう雑物が,できるだけ入り込まないような対

策をとる。

−  洗浄剤の使用及び保管が,人々に悪臭又は接触の危険をもたらさないようにする。

5.6

保守  次の点を考慮する。

−  保守作業は,コントロールスウィートの運営に邪魔にならないように行えることが望ましい。

−  保守のために機器へのアクセスが容易であるのがよい。定期点検の必要な機器(例えば,照明器具,

火災・ガス検知システム,天候調整システムなど)について留意する。

−  ケーブルダクト,空調ダクトなどは,うまく隠されていて目に触れないのがよいが,保守及び修理の

ためにはいつでもアクセスできることが望ましい。

備考  メンテナンス(及び清掃)タスクの頻度及び関連施設は,コントロールセンターの運用時間(24

時間,週 7 日,その他)によって異なる。

5.7

来訪者  コントロールスウィートの配置計画に当たっては,来訪者向けの設備を備えるのがよい。

専門的な来訪者と一般見学者とを区別する。それぞれのグループについて,その要求事項をシステマティ

ックに検討して確定する。次の点を考慮する。

−  一般見学者をコントロールスウィートに案内する場合は,できるだけ邪魔にならないようにする。見

学者によって,オペレータの活動が影響されないことが望ましい。一般見学者用のしかるべき受入設

備を(例えば,セントラルコントロールルームの外側に)造るのがよい。

−  専門的来訪者には,オペレータを邪魔しない範囲で,ディスプレイが見えるように設備する。

−  安全靴,ヘルメットなどの置き場所も考慮する。

5.8

支援情報  オペレータ及びその他の要員が使う情報の幾つかは,文書形式(例えば,図面,マニュ

アルなど,できれば電子化されて)になっているのがよい。次の点を考慮する。

−  頻繁に使う情報は,簡単に取り出せるように保管されているのがよい。

−  ファイリング及び保管設備は,先々の分量も適切に見越したものであることが望ましい。

−  緊急時に必要な文書は,すぐ取り出せるように特に配慮する。

−  スペースの節減及び検索の迅速化のために,特に,緊急時の手順に,コンピュータを活用した文書管

理を考慮する。


9

Z 8503-2

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6.

コントロールスウィートレイアウトの検証及び妥当性確認  コントロールスウィートレイアウトの検

証及び妥当性確認のために,次の事項を適用する。

−  設計結果(詳細設計仕様)と設計条件(機能仕様,又は標準)とを比較して,それが合致しているこ

とを保証するための検証。

−  妥当性確認は,実際的な運用上のものであることに注意。

−  機能及びユーザビリティーの評価(妥当性確認)

−  移動パターン及びコミュニケーションリンクの妥当性確認には,リンク分析を行う。

−  “ウォークスルー”及び“トークスルー”の利用。これらは,新しい設計に際して,シナリオ又は手

順に沿って検討するための手法である。完全タスクのためには,モックアップ又はシミュレーション

で十分であることに注意する。

−  新規設計の表現として,モックアップ同様に図面,写真などの利用。他にバーチャルリアリティー技

術などもある。

−  コミュニケーション及びコーディネーションをテストできるリンク分析又は時系列分析。

−  ISO 11064-7 で規定されているコントロールセンターの評価原則。

一般に,コントロールスウィートの設計過程で多くの妥協が行われる。コントロールスウィート設計の

始点は幾つもあり得るし,コントロールスウィート及びその中の室の場所決めには,広い範囲の諸断面を

考慮しなければならない。したがって,設計上の主要な決定事項及び妥協点は,検証及び妥当性確認のた

めに文書化しておかなければならない(参考文献[5]参照)


10

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附属書 A(参考)特定の部屋及び区域に関する詳細留意点

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

コントロールスウィートの配置計画のような建屋のレイアウト計画は,考慮しなければならない要求事

項が多岐にわたるので複雑な問題である。この附属書は,この設計過程を容易にするために,コントロー

ルスウィート内に考えられる部屋及び作業領域について概観する。

次に記載するそれぞれの部屋に対して,本体 4.及び本体 5.で規定したことを考慮することが望ましい。

設計上の要求事項及びコントロールスウィートの設計過程での成果物が膨大になることを考えると,プロ

ジェクトチームは,関連する留意点を文書化しておくのがよい。

A.1

コントロールルーム  一般に,制御・監視タスク及びそれに関連するタスク領域は,コントロール

ルームに置かれる。コントロールスウィートの中でのコントロールルームの位置は,次のような留意点を

当てはめて決定するのがよい。

−  セキュリティ及びセイフティ(例えば,直接出入口,特別なドア又はゲート,幾つものセキュリティ

チェックを経由する入出径路など)

−  コントロールルーム階(地上階か否か)に関連する,運営上のリンク又は公的なリンク

備考  装置又は施設が建屋内に設置されている場合は,通常ほとんどの現場のワークステーション及

びオペレータが存在する主な操業階を,地上階(一階)にするのがよい。

制御タスク領域及び監視タスク領域は,同じ部屋に置いてもよいし,

次のタスク領域と統合してもよい。

−  文書作成及び関連タスク領域

パソコン,VDT(端末表示器)

,統合プロセスコントロールシステムなどの電子機器の使用を含む

文書作成及びその他の事務的作業タスクに必要な設備を考慮する。

−  事務的タスク及び関連タスク領域

引継書,ノートなど(前項参照)

−  分析・診断及び関連タスク領域

数人でのディスカッションの可能性を含め,文書作成タスクに対するのと同様の考慮をする。

−  統括及び関連タスク領域

作業組織(チームワーク対運転要員と統括スタッフとの間の階層的隔たり)

,プライバシー,装置を

見渡せること,などの相反する要因を考慮する。

−  許可・訪問者対応及び関連タスク

このようなタスク領域(例えば,カウンター)が,コントロールルームの一部であるべきか,又は

分離した部屋であるべきか,作業組織(作業許可の交付と訪問者対応)

,ピーク時のコピーワーク,現

場の状況把握,コントロールルームの静粛な環境維持などの相反する点を考慮する。

−  交替勤務引継ぎ

A.2

機器設置区域及びメンテナンス区域  機器設置区域及びメンテナンス区域についても,人間工学的

配慮が必要である。これらは,機器のメーカー,供給者,メンテナンスエンジニアなどの緊密な協力によ


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って計画を練り上げるのがよい。

次の諸点を考慮する。

−  コンピュータ設置区域,電子機器設置区域及びケーブルラック区域

これらの区域(例えば,ラックルーム,電気室など)についての詳細の多くは,コンピュータメー

カーなどによって提供される。当初の設置工事及び将来のメンテナンス作業について考慮すると同時

に,  環境要因(例えば,照明レベルなど)にも配慮する。

−  メンテナンス区域,ワークショップ及びアプリケーションエンジニア区域

コントロールルームに関連するあらゆる種類のハードウェア・ソフトウェアのメンテナンス及び開

発作業タスクが行われることに留意する。VDT ベースの作業については,JIS Z 8511JIS Z 8527 

参照。

−  保管区域(スペアパーツ)

アクセス,保管する機器の容積及び質量に留意する。

A.3

福利厚生区域  次の諸点を考慮する。

−  緊急避難口及び緊急機器具

例えば,個人用防護具,連絡用機器具,防災・警護用機器具などを考慮する。

−  休憩場所,キッチン及び喫煙場所

休憩時間,摂食,喫煙などについての企業方針に大きく左右されるが,いろいろな側面について考

慮する。さらに,緊急事態が発生したとき,コントロールルームへ容易に駆けつけられるように配慮

する。

−  個人用の保管エリア

  個人的な所有物,学習書,トレーニングマニュアル,作業服,備品,工具などの保管エリアを考慮

する。

−  トイレ,シャワー及び洗濯室

サイト内の他の場所からもち込まれる混入物に留意し,コントロールスウィートの清潔維持に配慮

する。

−  ビジタールーム

一般見学者のための受付

−  特定の文化的要求事項のための区域

設計者は,その地域の風俗習慣及び文化的背景に根ざす特別の部屋,又は備え[例えば,祈とう(祷)

室,コントロールスウィート又はオフィス内での土足禁止など]が,コントロールスウィートに必要

かどうかを常にチェックする。

−  救急区域・機器具

法規を確認する。

A.4

その他  次に掲げるタスク領域は,分離した部屋と考えられるが,次の諸点を考慮した上でタスク

領域を組み合わせてもよい。

−  会議室領域,訓練・学習・シミュレータ領域

可能な出席者数,機器その他床面のスペースを要するものをリストアップする。このリストをもと

にそれらの部屋,区域の数及び寸法を見積る。


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−  セキュリティー領域

コントロールスウィート(の一部)と他の施設との間の隔壁の要否を,協働作業者,スタッフなど

に必要なアクセスとも関連して考慮する。

−  テクニカルサポートセンター

−  協力会社要員のための場所

−  緊急対策室

重大事態発生時には,特別の連絡機器を備えた別の施設が必要になる。コントロールルームがこの

条件に適しているか考慮する。


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参考文献

[1]  MIL-STD-46855, 1999, Human Engineering Procedure Guide, US Department of Defense.

[2]  NORO, K. and IMADA, A.S. 1991, Participatory Ergonomics (Taylor and Francis, London).

[3] PIKAAR, R.N. et al, 1998, Ergonomics in Process Control Rooms, International Instrument Users’

Associations SIREP-WIB-EXERA,

Part 1: Engineering Guideline, Report M2665X98/WIB;

Part 2: Design Guideline, Report M2656X98/WIB.

[4]  WILSON, J.R. and CORLETTE.N., 1995, Evaluation of human work (Taylor and Francis, London).

[5]  WOODSON, W.E. et al, 1991,Human Factors Design Handbook : Information and Guidelines for the Design

of Systems, Facilities, Equipment and Products for Human Use (McGraw Hill, New York).

JIS Z 8511

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−通則

JIS Z 8512

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−仕事の要求事項についての指針

JIS Z 8513

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−視覚表示装置の要求事項

JIS Z 8514

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−キーボードの要求事項

JIS Z 8515

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−ワークステーションのレイアウト及び姿勢

の要求事項

JIS Z 8517

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−画面反射に関する表示装置の要求事項

JIS Z 8518

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−表示色の要求事項

JIS Z 8520

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−対話の原則

JIS Z 8521

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−使用性についての手引

JIS Z 8524

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−メニュー対話

JIS Z 8525

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−コマンド対話

JIS Z 8526

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−直接操作対話

JIS Z 8527

  人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−書式記入対話