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Z 8313-0 : 1998 (ISO/FDIS3098-0 : 1997) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

JIS Z 8313のこの部は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が

制定した日本工業規格である。これによってJIS Z 8313 : 1984は廃止され,このJIS Z 8313群に置き換え

られる。 

今回の制定によって,JIS Z 8313群は,第10部を除いてISO 3098, Technical product documentation−

Letteringの各部に一致した規格となった。 

この部には,次に示す附属書があるが,規定事項ではない。 

附属書A(参考) 参考文献 

JIS Z 8313群は,規格の名称の前付け及び主題を“製図−文字”とし,次の各部からなる。 

第0部:通則 

第1部:ローマ字,数字及び記号 

第2部:ギリシャ文字 

第3部:ダイヤクリティカルマーク及び特殊記号(予定) 

第4部:ロシア文字(予定) 

第5部:CAD用のラテン文字,数字及び記号(予定) 

第10部:平仮名,片仮名及び漢字 

備考 第10部は,平仮名,片仮名及び漢字に関する規定であり,原国際規格にはない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

Z 8313-0 : 1998 

(ISO/FDIS3098-0 : 1997)  

製図−文字−第0部:通則 

Technical drawings−Lettering− 

Part 0 : General requirements  

序文 この部は,1997年に回付されたISO/FDIS 3098-0を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更す

ることなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格の中で点線の下線を施してある部分は,原国際規格にはない事項である。 

1. 適用範囲 JIS Z 8313群のこの部は,他の部で定める製品技術文書(特に,製図)で用いる文字につ

いての一般事項を規定する。 

この部は,次の方法によるレタリングに適用する。 

a) 手書き方式 

b) テンプレート(ISO 9178参照)及び手動レタリング器具 

c) 転写方式 

d) 数値制御レタリング及び製図方式 

備考 この規格の対応国際規格を次に示す。 

ISO/FDIS 3098-0 : 1997 Technical product documentation−Lettering−Part 0 : General requirements 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この部の規定の一部を構成する。

この引用規格は,その最新版(追補を含む)を適用する。 

ISO 128-20, Technical drawings−General principles of presentation−Part 20 : Basic conventions for lines 

3. 定義 この部で用いる主な用語の定義は,次による。 

3.1 

中央線 (central line)  図形文字集合を構成している線又は線要素の幅の中央を示す仮想の線。 

備考1. 線は,ISO 9175-1及びISO 9175-2による管状ペンを用いて書いてもよい。 

2. 中央線は,テンプレート用彫刻工具,レタリング用のプログラムなど,文字を書くための工

具軌跡設計の基礎とする基準である。 

3.2 

図形文字集合 (graphic character set)  ある種のアルファベット,数字,ダイヤクリティカルマーク,

句読点及びその他の記号からなり,所定の目的を満たす定められた書体の相異なる完結した有限集合(JIS 

X 0004参照)。 

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Z 8313-0 : 1998 (ISO/FDIS3098-0 : 1997) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.3 

レタリング (lettering)  

a) (図形表現に加えて)図形文字集合から選択された文字を図面上に書く手順。 

b) (文章,指示,寸法など)図面上のすべての非図形情報。 

c) 図面に非図形情報を書くために用いることができる図形文字集合のすべての図形文字。 

4. 一般事項 文字に要求される基本的な事項を4.1〜4.3に示す。 

4.1 

読みやすくするために,文字間のすき間はレタリングに用いる線の太さの2倍とする。 

例えば,LA, TV, Trのような特定の文字の組合せ(記号)で視覚的に十分判読可能な場合には,文字間

のすき間は,文字の線の太さの1本分に縮めてもよい。 

4.2 

ジアゾコピー,マイクロフィルム,テレファックスなどの一般に使われる複写処理に適している。 

4.3 

数値制御製図機械に適している。 

5. 文字の大きさ 

5.1 

大きさの呼び 文字の大きさの呼びは,大文字(頭文字)の外側輪郭の高さ (h) によって定める(図

1, 表1及び表2参照)。 

ローマ宇のアルファベット(記号L)に適用される図1〜図3の大きさは,ロシア文字及びギリシャ文

字のアルファベット(それぞれ記号C及びG)にも適用する。 

図1 

図2 

図3 

5.2 

中央線の位置 中央線を定める基準は,文字の大きさの呼び (h) 及び文字間のすき間 (a) である

(図4, 図5参照)。 

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Z 8313-0 : 1998 (ISO/FDIS3098-0 : 1997) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

他の寸法は,表1及び表2による。 

h1=h−d 

a1=a+d 

CADによって文字を書く場合(ISO 3098-5参照)にもこれと同じ大きさの文字を用いる。 

図4 

図5 

5.3 

文字の大きさの呼びの種類 文字の大きさの呼びは,次による。 

1.8mm, 2.5mm, 3.5mm, 5mm, 7mm, 10mm, 14mm, 20mm 

文字の高さで採用している2の比率は,用紙サイズの標準数列(JIS P 0138参照)からきている。 

文字の線の太さはISO 128-20に従い,かつ,大文字及び小文字の両方とも同じ太さにする。 

5.4 

斜体文字の角度 文字は,図1〜5に示す直立体でも,水平方向に対して右方向に75°傾いた斜体(図

6参照)でもよい。 

図6 

5.5 

書体 書体は,次による。 

A形直立体文字(記号V) 

大きさは表1による。 

A形斜体文字(記号S) 

B形直立体文字(記号V) 

大きさは表2による。 

(優先使用) 

B形斜体文字(記号S) 

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Z 8313-0 : 1998 (ISO/FDIS3098-0 : 1997) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

CA形直立体文字(記号V) 

 ISO 3098-5参照 

 (CAD用数値制御製図機械のための文字) 

CA形斜体文字(記号S) 

CB形直立体文字(記号V) 

(優先使用) 

CB形斜体文字(記号S) 

表1 A形書体の寸法 

単位 mm 

区分 

比率 

寸法 

文字の高さ 

h (14/14) h 

1.8 

2.5 

3.5 

10 

14 

20 

小文字の高さ(x-ハイト0)) 

c1 (10/14) h 

1.3 

1.8 

2.5 

3.5 

10 

14 

小文字の尾部 

c2 (4/14) h 

0.5 

0.72 

1.0 

1.43 

2.8 

5.7 

小文字の柄部 

c3 (4/14) h 

0.5 

0.72 

1.0 

1.43 

2.8 

5.7 

ダイヤクリティカルマークの領域(大文字) f 

(5/14) h 

0.64 

0.89 

1.25 

1.78 

2.5 

3.6 

文字間のすき間 

a (2/14) h 

0.26 

0.36 

0.5 

0.7 

1.4 

2.8 

ベースラインの最小ピッチ1) 

b1 (25/14) h 

3.2 

4.46 

6.25 

8.9 

12.5 

17.8 

25 

35.7 

ベースラインの最小ピッチ2) 

b2 (21/14) h 

2.73 

3.78 

5.25 

7.35 10.5 

14.7 

21 

29.4 

ベースラインの最小ピッチ3) 

b3 (17/14) h 

2.21 

3.06 

4.25 

5.95 

8.5 

11.9 

17 

23.8 

単語間のすき間 

e (6/14) h 

0.78 

1.08 

1.5 

2.1 

4.2 

8.4 

線の太さ 

d (1/14) h 

0.134) 0.184) 0.25 0.354) 0.5 

0.74) 

1.44) 

注0) 柄部又は尾部がない小文字 (acemnorsuvwxz) の高さ 

1) 字形:ダイヤクリティカルマーク付きの大文字及び小文字(図1参照) 

2) 字形:ダイヤクリティカルマークがない大文字及び小文字(図2参照) 

3) 字形:大文字だけ(図3参照) 

4) 丸めた値:c1〜eの値は,dの丸めた値から算出してある。 

表2 B形書体の寸法 

単位 mm 

区分 

比率 

寸法 

文字の高さ 

(10/10) h 

1.8 

2.5 

3.5 

10 

14 

20 

小文字の高さ(x-ハイト0)) 

c1 (7/10) h 

1.26 

1.75 

2.54) 

3.5 

54) 

104) 

14 

小文字の尾部 

c2 (3/10) h 

0.54 

0.75 

1.05 

1.5 

2.1 

4.2 

小文字の柄部 

c3 (3/10) h 

0.54 

0.75 

1.05 

1.5 

2.1 

4.2 

6.7 

ダイヤクリティカルマークの領域(大文字) f 

(4/10) h 

0.72 

1.4 

2.8 

5.6 

文字間のすき間 

(2/10) h 

0.36 

0.5 

0.7 

1.4 

2.8 

ベースラインの最小ピッチ1) 

b1 (19/10) h 

3.42 

4.75 

6.65 

9.5 

13.3 

19 

26.6 

38 

ベースラインの最小ピッチ2) 

b2 (15/10) h 

2.7 

3.75 

5.25 

7.5 

10.5 

15 

21 

30 

ベースラインの最小ピッチ3) 

b3 (13/10) h 

2.34 

3.25 

4.55 

6.5 

9.1 

13 

18.2 

26 

単語間のすき間 

(6/10) h 

1.08 

1.5 

2.1 

4.2 

8.4 

12 

線の太さ 

(1/10) h 

0.18 

0.25 

0.35 

0.5 

0.7 

1.4 

注0) 柄部又は尾部がない小文字 (acemnorsuvwxz) の高さ 

1) 字形:ダイヤクリティカルマーク付きの大文字及び小文字(図1参照) 

2) 字形:ダイヤクリティカルマークがない大文字及び小文字(図2参照) 

3) 字形:大文字だけ(図3参照) 

4) 丸めた値 

5.6 

字句に付けるアンダライン又はオーバライン 字句又は字句の範囲に付けるアンダライン又はオー

バラインは,小文字の尾部(図7参照)又は大文字若しくは小文字にダイヤクリティカルマーク(例えば,

シディラ,ティルダ,ウムラウト,図8参照)がある場合には,中断するのがよい。これができない場合

には,ベースラインのピッチを広げる。 

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Z 8313-0 : 1998 (ISO/FDIS3098-0 : 1997) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図7 

図8 

6. 呼び方 

6.1 

A形書体及びB形書体の呼び方は,次に示す項目とし,その順による。 

a) “レタリング”* 

b) “JIS Z 8313” ** 

c) 書体の種類(“A”又は“B”) 

d) 文字の傾き(“V”又は“S”) 

e) アルファベットの種類(“L”,“G”又は“C”) 

f) 

mm単位の文字の大きさの呼び 

注* 

原国際規格では,“Lettering”としている。 

** 

原国際規格では,“ISO 3098”としている。 

例 B形直立体,ローマ字,文字の大きさの呼び5mmの場合の図形文字集合は,次のような呼び方に

する。 

レタリングJIS Z 8313−BVL-5 

A形斜体,ギリシャ文字,文字の大きさの呼び3.5mmの場合 

レタリングJIS Z 8313−ASG-3.5 

B形斜体,ロシア文字,文字の大きさの呼び1.8mmの場合 

レタリングJIS Z 8313−BSC-1.8 

6.2 

CA形書体及びCB形書体の呼び方は,次に示す項目とし,その順による。 

Z 8313-0 : 1998 (ISO/FDIS3098-0 : 1997) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) “レタリング” 

b) “JIS Z 8313” 

c) 書体の種類(“CA”又は“CB”) 

d) スペース配置[表形式 (T) 又は比例形式 (P) ] 

e) 文字の傾き(“V”又は“S”) 

f) 

アルファベットの種類(“L”,“G”又は“C”) 

g) mm単位の文字の大きさの呼び 

例 CB形斜体,表形式スペース配置,ローマ字,文字の大きさの呼び2.5mmの場合の図形文字集合

は,次のような呼び方にする。 

レタリングJIS Z 8313−CB TSL-2.5 

CA形直立体,比例形式スペース配置,ギリシャ文字,文字の大きさの呼び3.5mmの場合 

レタリングJIS Z 8313−CA PVG-3.5 

Z 8313-0 : 1998 (ISO/FDIS3098-0 : 1997) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A(参考) 参考文献 

[1] ISO 128 : 1982, Technical drawings−General principles of presentation.  

[2] ISO 216 : 1975 : Writing paper and certain classes of printed matter−Trimmed sizes−A and B series.  

[3] ISO 2382-4 : 1987, Information processing systems−Vocabulary−Part 4 : Organization of data.  

[4] ISO 3098-5 : 1997, Technical product documentation−Lettering−Part 5 : CAD lettering of Latin alphabet, 

numerals and marks.  

[5] ISO 9175-1 : 1988, Tubular tips for hand-held technical pens using India ink on tracing paper−Part 1 : 

Definitions, dimensions, designations and marking.  

[6] ISO 9175-2 : 1988, Tubular tips for hand-held technical pens using India ink on tracing paper−Part 2 : 

Performance, test parameters and test conditions.  

[7] ISO 9178-1 : 1988, Templates for lettering and symbols−Part 1 : General principles and identification 

markings.  

[8] ISO 9178-3 : 1989, Templates for lettering and symbols−Part 2 : Slot widths for technical pens with tubular 

tips in accordance with ISO 9175-1.