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Z 8129

:2014

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

2

3

  用語及び定義  

2

4

  記号及び単位  

6

5

  熱陰極電離真空計の原理  

7

6

  製造業者が提示する熱陰極電離真空計の仕様を表す項目  

7

6.0A

  一般  

7

6.1

  真空計の形式  

7

6.2

  表示及び測定信号出力  

7

6.3

  測定圧力範囲  

8

6.4

  測定の不確かさ  

8

6.5

  残留電流相当圧力  

8

6.6

  真空容器への接続  

8

6.7

  外囲器の種類及び測定子の材料  

8

6.8

  最高加熱脱ガス温度  

8

6.9

  熱陰極(フィラメント)材料及び電子電流  

8

6.10

  電気的動作条件  

9

6.11

  インターフェイス  

9

6.12

  測定子と制御部との間の互換性  

9

6.13

  測定子及び制御部の寸法  

9

6.14

  動作環境条件  

9

6.15

  制御部への入力電力  

9

6.16

  ケーブル長さ  

9

6.17

  熱陰極(フィラメント)の交換  

9

6.18

  圧力セットポイント  

9

6.19

  保護動作圧力  

10

6.20

  切替え圧力  

10

7

  熱陰極電離真空計の仕様を表す項目(任意)  

10

7.0A

  一般  

10

7.1

  繰返し性及び再現性(長期安定性)  

10

7.2

  表示範囲  

10

7.3

  測定子の材料  

10

7.4

  脱ガス法  

10

7.5

  脱ガス電力  

10


Z 8129

:2014  目次

(2)

ページ

7.6

  窒素以外の気体に対する比感度係数  

10

7.7

  窒素に対する典型的な感度係数  

10

7.8

  内部容積  

11

7.9

  保存及び搬送条件  

11

7.10

  写真及び図  

11

7.11

  記録及び校正証明書  

11

8

  熱陰極電離真空計における測定の不確かさの要因  

11

8.0A

  一般  

11

8.1

  電子電流  

11

8.2

  残留電流  

11

8.3

  信号出力の分解能  

12

8.4

  信号出力のばらつき及び繰返し再現性  

12

8.5

  感度係数の非直線性  

12

8.6

  環境条件  

12

8.7

  使用前の点検及び洗浄  

12

8.8

  搬送による安定性を含んだ再現性(長期安定性)  

12

8.9

  気体組成  

13

8.10

  排気効果  

13

8.11

  熱遷移効果  

13

8.12

  測定子の取付位置及び取付け向き  

13

8.13

  外囲器  

13

附属書 A(参考)ガラス管形 B真空計の例  

14

附属書 B(参考)B真空計の電位配分の例  

15

附属書 C(参考)電離真空計の使用上の問題点  

16

附属書 D(参考)参考文献  

17

附属書 JA(参考)JIS と対応国際規格との対比表  

19


Z 8129

:2014

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本真空学会(VSJ)及び一般

財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 Z

8129

:2014

真空技術−真空計−熱陰極電離真空計の

仕様の表記法

Vacuum technology-Vacuum gauges-

Specifications for hot cathode ionization gauges

序文 

この規格は,2009 年に第 1 版として発行された ISO 27894 を基とし,技術的内容を変更して作成した日

本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

適用範囲 

この規格は,

熱陰極電離真空計の製造業者が明記しなければならない測定に関係するパラメータ

(仕様)

及びこれらの真空計を使用する場合において考慮する測定の不確かさの要因について規定する。この規格

を制定する目的を次に示す。

a)

熱陰極電離真空計は,高真空から超高真空領域における参照真空計として使用される。この規格は,

熱陰極真空計を適切に校正する機関に対する情報を明示する。

この規格で規定する情報は,

カタログ,

取扱説明書などに記載することで,熱陰極電離真空計を用いた高真空から超高真空領域におけるトレ

ーサビリティを考慮した適切な測定を行うために有用な仕様を表す項目となる。

b)

この規格は,熱陰極電離真空計を用いた圧力測定における不確かさの要因を示す。これらの要因は,

熱陰極電離真空計を用いた高真空から超高真空の圧力測定を行う際に重要であることが知られている。

また,これらの要因を評価するためのガイドラインを与える。これらの不確かさの要因は,幾つかの

現行形のもの又は新しい真空計にとっては問題とならない程度にその影響が小さい場合もある。

c)

この規格は,熱陰極電離真空計を参照真空計として用いる場合,JIS Z 8750 及び ISO 27893 を補完す

る。

注記 1  高真空から超高真空領域の校正用の参照真空計として,熱陰極電離真空計が主に用いられる。

電場と磁場とが交差した場における自己保持形の放電を用いた冷陰極電離真空計よりも圧力

に対する読み値の直線性が良いからである。

注記 2  熱陰極電離真空計による高真空から超高真空領域の圧力の校正及び信頼性のある測定を行う

ためには,測定に関係するパラメータ及び不確かさの要因を知る必要がある。

注記 3  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 27894:2009

,Vacuum technology−Vacuum gauges−Specifications for hot cathode ionization

gauges(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”


2

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:2014

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS Z 8126-3:1999

  真空技術−用語−第 3 部:真空計及び関連用語

JIS Z 8750:2009

  真空計校正方法

注記  対応国際規格:ISO 3567,Vacuum gauges−Calibration by direct comparison with a reference gauge

(MOD)

ISO 27893

,Vacuum technology−Vacuum gauges−Evaluation of the uncertainties of results of calibrations by

direct comparison with a reference gauge

注記  上記の規格は,TS Z 0029:2011  真空技術−真空計−真空計の校正値の不確かさ評価として

公表されている。

ISO/IEC Guide 98-3:2008

,Uncertainty of measurement−Part 3: Guide to the expression of uncertainty in

measurement(GUM:1995)

注記  上記のガイドは,TS Z 0033 として公表されている。

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8126-3:1999 によるほか,次による。

3.1 

各部の定義 

3.1.0A

真空計(vacuum gauge)

気体・蒸気の大気圧より低い圧力を測定する計器。多くの場合,測定子と制御部とからなる(JIS Z 

8126-3:1999

参照)

注記  普通に用いられている真空計には,ここで規定する意味の“圧力”を直接測定せず,特定の条

件の下で圧力に関連した他の物理量を測定しているものが多い。

3.1.1

測定子(gauge head,gauge tube)

真空計の一部であり,真空にさら(曝)される部分。

注記 1  JIS Z 8126-3:1999 を適用した。

注記 2  熱陰極電離真空計の測定子は,少なくとも陰極又は熱陰極(フィラメント),陽極(グリッド),

集イオン電極(イオンコレクタ)及びそれらに対する真空電流導入端子から構成される(

属書 参照)。

3.1.2

制御部(control unit,controller)

測定子を動作させ,測定子を制御し,イオン電流又はイオン電流に伴う電圧を測定するのに必要な電子

回路を含み,必要な場合には測定子の脱ガスを行うための電源をもつ熱陰極電離真空計の部位。圧力値の

表示器を含む場合もある。

注記  参考として制御部の構成の一例を附属書 に示す。


3

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3.1.3

一体形(integrated type,active gauge type,transmitter type)

測定子と制御部とが一体化された機器。加熱脱ガスの場合には,分離可能である場合もある[

図 1 a)

照]

3.1.4

分離形(separated type,passive gauge type)

測定子と制御部とが分離され,ケーブルで接続されているもの[

図 1 b)参照]。

3.1.5

単独形(single gauge)

一つの測定子に対して一つの制御部が対応するもの[

図 2 a)参照]。

3.1.6

複合形(combined gauge)

複数の異なる原理の測定子に対して一つの制御部が対応するもの[

図 2 b)参照]。

3.1.7

外囲器(envelope)

測定子のグリッド,熱陰極,イオンコレクタなどの圧力測定部を囲む金属及びガラスの壁。

a)

  一体形 b)  分離形 

図 1−真空計(一体形及び分離形) 


4

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a)

  一つの機器に一つの測定子(単独形) b)  一つの機器に複数の測定子(複合形) 

図 2−真空計(単独形及び複合形)

3.2 

物理的パラメータの定義

3.2.1

感度係数,S(sensitivity,sensitivity coefficient)

次の式(1)によって与えられる量。

(

)

0

e

0

c

c

p

p

I

I

I

S

=

  (1)

ここに,

I

e

電子電流

I

c

圧力 におけるイオン電流

I

c0

圧力 p

0

におけるイオン電流

p: 圧力

p

0

残留圧力

3.2.2

イオン化感度,S

(ionization sensitivity)

次の式(2)によって与えられる量。

e

0

0

c

c

SI

p

p

I

I

S

=

=

+

  (2)

ここに,

I

e

電子電流

I

c

圧力 におけるイオン電流

I

c0

圧力 p

0

におけるイオン電流

p: 圧力

p

0

残留圧力

S: 感度係数(3.2.1

3.2.3

比感度係数,r

x

(relative sensitivity factor)

次の式(3)によって与えられる量。


5

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N2

x

x

S

S

r

=

  (3)

ここに,

S

x

気体 x に対する感度係数又は感度

S

N2

同一の真空計で同一の圧力,同一の動作状態における窒
素に対する感度係数又は感度

注記  窒素に対して補正された真空計で,気体 x に対する圧力値

p

x

を求める場合,真空計の圧力読み

p

ind

に対し,気体 x に対する比感度係数

r

x

で除することで,補正された圧力値

p

x

を求めるこ

とができる[式(4)参照]

x

ind

x

r

p

p

=

  (4)

3.2.4

補正係数,f

c

(correction factor)

校正結果を基に補正された圧力値を得る場合に乗ずる係数。

ind

c

c

p

f

p

=

  (5)

ここに,

p

c

補正された圧力値

注記 1

f

c

は,参照真空計が示す圧力

p

std

と被校正器が示す圧力

p

UUC

との間の商である[式(6)参照]

f

c

は,圧力依存性を示す場合がある。

UUC

std

c

p

p

f

=

  (6)

注記 2  厳密には,

p

c

p

ind

p

std

及び

p

UUC

は,残留圧力における圧力指示値を差し引いた値である。

注記 3  校正証明書には,補正係数の逆数が表記されている場合もある。

注記 4  熱陰極電離真空計は,窒素に対して校正される場合が多い。

3.2.5

相対補正係数,f

cx/N2

(relative correction factor)

次の式(7)によって与えられる量。

cN2

cx

cx/N2

f

f

f

=

  (7)

ここに,

f

cx

気体 x に対する補正係数

f

cN2

同一の真空計において,同一の圧力及び同一の動作条件
で与えられた,窒素に対する補正係数

注記 1  気体 x の圧力測定を行う際には,窒素に対して補正された真空計の圧力指示値

p

cN2

に,気体

x に対する相対補正係数を乗ずることで補正される[式(8)参照]。

cN2

cx/N2

cx

p

f

p

=

  (8)

ここに,

p

cx

気体 x に対して補正された圧力指示値

p

cN2

窒素に対して補正された圧力指示値

注記 2

f

cx/N2

は,圧力依存性を示す場合がある。

注記 3  厳密には,

p

cx

及び

p

cN2

は,残留圧力における圧力指示値を差し引いた値である。

3.2.6

暖機時間(warm-up time)

電離真空計の起動後,読み値がある決められた値の範囲に安定する(例えば,±2 %など)までの時間。

注記 1  暖機時間後には,ある設定した圧力下における真空計の読み値が,上昇,下降などの傾向を

見せないことが望ましい。


6

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注記 2  暖機時間は,測定した環境,装置ごとに異なる場合がある。

3.2.7

残留電流(residual current)

測定子の通常の動作状況下で,かつ,ゼロ圧力又はその真空計の最低測定限界に対して無視できる程度

に低い圧力において得られることができる最小イオン電流。

注記 1  残留電流は,装置及び電離真空計を加熱脱ガスした後に測定することが可能となる。残留電

流は,真空装置を加熱脱ガス後 48 時間経過し,通常の室温(30  ℃以下)に戻ったときのイ

オン電流である。

注記 2  熱陰極電離真空計の残留電流の値は,その形式によって異なる。およそ 10

6

Pa 以下の圧力を

測定する形式の熱陰極電離真空計の残留電流は,全金属製の封止機構を用いた超高真空装置

を用いて,さらに

注記 の条件による処理を行った後に測定可能となる。

注記 3  残留電流は,装置の残留圧力及び測定子の取付方法(例えば,ゴムシールなど)の影響によ

って,

注記 で測定された残留電流よりも大きな値となる場合がある。この場合,注記 

結果から求められた残留電流に加えて,装置の残留圧力に起因するイオン電流及び接続部の

放出ガスによる圧力上昇に起因するイオン電流が含まれる。

注記 4  ある特定の形式の熱陰極電離真空計の残留電流を測定するときに使用する超高真空装置の最

も低い残留圧力は,予想される残留電流の窒素換算値に対して十分に低い圧力(1/10 以下が

望ましい。

)であることが望ましい。同時に,参照用熱陰極電離真空計の最も小さな残留電流

の窒素換算値は,予想される残留電流の窒素換算値に対して十分に低い圧力の測定(1/10 以

下が望ましい。

)が可能なものを使用することが望ましい。

注記 5  超高真空領域における残留電流は,主に軟エックス線効果,逆エックス線効果,電子励起脱

離効果及び測定子自身からのガス放出に起因する圧力上昇及び漏れ電流で構成される。

3.2.8

残留電流相当圧力(residual current-equivalent pressure)

残留電流(3.2.7)の値を,窒素相当圧力に換算した値。

注記  圧力は,パスカル(Pa)で表す。

3.2.9

内部容積(internal volume)

測定子の真空シール面からシール面間の,測定子電極の体積を差し引いた壁の内側の容積。

注記  測定子が真空系にさら(曝)された内側の容積である。裸測定子の場合,極端な例として,電

極の体積がシール面の体積以上になるとき,内部容積は負になるときもある。

記号及び単位 

この規格で用いる主な記号及び単位は,

表 による。


7

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表 1−記号及び単位

記号

名称

単位

f

c

補正係数 1

f

cx/N2

相対補正係数

1

圧力 Pa

p

0

残留圧力 Pa

p

ind

真空計の表示値 Pa

p

std

参照真空計の圧力指示値 Pa

p

UUC

被校正器真空計の圧力指示値 Pa

p

c

f

c

で補正された圧力指示値

Pa

p

cN2

窒素に対して補正された圧力指示値

Pa

r

x

比感度係数 1

I

e

電子電流 A

I

c

圧力 におけるイオン電流 A

I

c0

圧力 p

0

におけるイオン電流 A

感度(係数) Pa

1

S

イオン化感度

A・Pa

1

熱陰極電離真空計の原理 

陰極から放出された電子は,陽極(グリッド)電位によって加速され,気体分子をイオン化する。気体

分子イオンは,集イオン電極(イオンコレクタ)によって補足され,イオン電流が生成する。イオン電流

I

c

は,気体の密度すなわち一定温度

T

における圧力

p

に比例する。

I

c

は,次の式(9)によって求める。

kT

p

l

I

I

Δ

=

σ

e

c

  (9)

ここに,

σ: 電離断面積          (m

2

Δl: 電子の平均飛行距離  (m)

k: ボルツマン定数      (J/K)

異なる目的で電極が付け加えられた電離真空計がある。電極の数,構成及び形状は,熱陰極電離真空計

の圧力測定範囲や,外部,内部じょう(擾)乱成分の除去特性などの特徴によって異なる場合がある。

製造業者が提示する熱陰極電離真空計の仕様を表す項目 

6.0A 

一般 

真空計の使用者が測定の不確かさを予測し,及び/又は圧力測定範囲を知るために,真空計の製造業者

(以下,製造業者という。

)は,6.16.20 に規定する測定に関係する仕様を表す項目をカタログ,取扱説

明書などに提示しなければならない。

6.1 

真空計の形式 

製造業者は,例えば,三極管形電離真空計,ベアード−アルパート真空計(以下,B−A 真空計という。

エキストラクタ真空計などのように幾つかの一般的な形式のいずれであることを記載しなければならない。

複合形の場合,熱陰極電離真空計でない全ての真空計の形式に関しても記載しなければならない。

6.2 

表示及び測定信号出力 

真空計の圧力表示値は,SI 単位であるパスカル(Pa)とする。

真空計及び制御部の出力が圧力値ではない場合(例えば,電圧値)には,この出力を式,表又はグラフ

によって圧力に変換する方法を明示しなければならない。


8

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6.3 

測定圧力範囲 

測定範囲は,一般的に許容できる測定の不確かさに依存する。この理由で,製造業者は測定の不確かさ

の限界値を表示しなければならない。測定範囲は,定義された測定の不確かさの限界値を満たす最高圧力

と最低圧力との間の範囲である。測定圧力範囲は,パスカル(Pa)で表示する。

6.4 

測定の不確かさ 

真空計の合成相対不確かさ u(p)/は,6.3 に規定した測定範囲における読み値及び/又はフルスケールの

百分率で表示しなければならない。不確かさの求め方は ISO/IEC Guide 98-3:2008 による。測定の相対不

確かさは,定数及び圧力依存性のある項によって,例えば,式(10)によって表すことができる。

( ) ( )

p

p

p

Dev

u

p

p

u

res

+

=

   (10)

ここに,

p

res

残留電流相当圧力(窒素換算値)

u

(Dev): 測定値のばらつきの推定値。測定子の製造過程で生じる

ばらつき並びに測定子とコントローラとの組合せ,及び
ケーブルとの組合せに依存するばらつきが含まれる。

この不確かさは,一つの商品群に対して当てはめることができる。個々の真空計が校正された場合,校

正の不確かさが適用される。

注記 1  表記された不確かさを適用することができる条件(環境条件,ケーブルと測定子との組合せ

など)を併記したほうがよい。

注記 2  表記された不確かさは,理想的な条件で測定された場合が多い。測定子の使用履歴,汚染状

態などによって不確かさが変わるので,より正確な測定を求める使用者は,不確かさを自ら

見積ることが望ましい。

注記 3  熱陰極電離真空計の不確かさは,相対不確かさで表す場合が多い。

6.5 

残留電流相当圧力 

残留電流に対応する圧力の窒素換算値(p

res

)は,パスカル(Pa)で表示する。

6.6 

真空容器への接続 

ナイフエッジフランジ,クランプ式継手,O リングなどの真空計の真空容器への接続形式及び大きさを

表示しなければならない。

6.7 

外囲器の種類及び測定子の材料 

ガラス,金属,裸測定子など,外囲器の種類を明示する。また,外囲器,グリッド,イオンコレクタな

ど測定子構成部品の材料を明示する。

6.8 

最高加熱脱ガス温度 

測定子だけ又はケーブル付きの場合の最高加熱脱ガス温度を記載しなければならない。

一体形のもので,

制御部を取り外すことができる場合には,その旨を記載し,さらに測定子だけの場合及び制御部が取り付

けられている場合の最高脱ガス温度を記載しなければならない。

6.9 

熱陰極(フィラメント)材料及び電子電流 

熱陰極(フィラメント)の数及び材料を明示しなければならない。電子電流がある圧力領域で一定に制

御されるように設計されている場合には,電子電流値及び電子電流のばらつき及びドリフトを記載しなけ

ればならない。電子電流が圧力(又はイオン電流の読み値)によって切り替わる場合には,変更点(圧力)

を記載しなければならない。

圧力上昇過程と降下過程とで切り替え点が異なる場合もある。

その場合には,

両方の点を記載する。

電子電流がイオン電流又は圧力の変化に追従して変化する場合は,

その旨を記載し,


9

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電子電流の範囲を記載しなければならない。

注記  通常,電子電流は陽極と接地電位,又は陽極と陰極との間で測定する。電子電流は,真空計の

制御部で調整する。電子電流は,おおむね 0.1 mA∼10 mA の値である。放出された電子の数は,

電子電流にほぼ比例する。電子電流の安定性が熱陰極電離真空計による圧力測定の不確かさに

与える影響は大きい。

6.10 

電気的動作条件 

真空計測定子内の,

接地電位に対する全ての電極電位を記載しなければならない。

気体の電離断面積は,

電子の運動エネルギーに非常に敏感なので,電子の運動エネルギーを知ることは,使用者が異なる気体に

対する比感度係数及び相対補正係数を予測するために有用である。

注記 1  接地電位に対する陽極(グリッド)電位は,一般的に直流+150 V∼直流+200 V である場合

が多い。熱陰極から放出された電子は,正電位の陽極方向に飛行する。しかし,多くの電子

は陽極(グリッド)開口部から飛び出し,最終的に陽極に衝突するまでの間何度か往復運動

をする。

注記 2  接地電位に対する熱陰極の電位は,通常,直流+10 V∼直流+50 V の間である場合が多い。

熱陰極に交流電圧を印加する形式のものもある。

注記 3  イオンコレクタの電位は,接地電位付近であり,正イオンを引き込む。コレクタに衝突する

正イオンが,イオン電流として計測される。

6.11 

インターフェイス 

通信機能がある場合,コンピュータとの通信方法を記載しなければならない。例えば,RS 232C,RS 485,

GPIB,Ethernet,USB,フィールドバス(Profibus,DeviceNet など)である。

6.12 

測定子と制御部との間の互換性 

測定子と制御部との間の形又は形式の違いによる互換性について記載しなければならない。

6.13 

測定子及び制御部の寸法 

測定子及び制御部の寸法を外形図によってメートルで記載しなければならない。幅,奥行き及び高さ(W

×D×H)で記載する場合もある。

6.14 

動作環境条件 

真空計が,正常に動作する温度及び湿度範囲を記載しなければならない。

6.15 

制御部への入力電力 

電圧[交流(ac)又は直流(dc)

,最大消費電力及び最大電流,並びに交流の場合には,周波数,及び

電流又は最大消費電力を記載しなければならない。

6.16 

ケーブル長さ 

真空計が性能を満足して圧力測定を行うことのできる,測定子と制御部との間の最大長さを表記しなけ

ればならない。ケーブルが長くなると,電磁的じょう(擾)乱に対して敏感になる。

6.17 

熱陰極(フィラメント)の交換 

熱陰極(フィラメント)が交換可能かどうか(例えば,裸測定子)を記載しなければならない。

6.18 

圧力セットポイント 

他の機器を制御するためのセットポイントがあるかを記載したほうがよい。

注記  セットポイントの範囲が頻繁に切り替わる場合,安定状態になるまで非常に長い時間を要する

場合がある。


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Z 8129

:2014

6.19 

保護動作圧力 

圧力が測定範囲を超えたときの真空計の動作停止圧力を記載する。

6.20 

切替え圧力 

複合真空計の場合,電離真空計からほかの真空計への間の切替え圧力点を示さなければならない(圧力

が上昇する場合及び下降する場合)

熱陰極電離真空計の仕様を表す項目(任意) 

7.0A 

一般 

この箇条で規定する項目は,必ずしも製造業者によって示されるものではない。しかし,熱陰極電離真

空計を用いた信頼性のある圧力測定を行うためには,製造業者は経済的・技術的に可能な範囲で情報を収

集・公開し,使用者はこれらの項目を考慮して使用することが望ましい。

7.1 

繰返し性及び再現性(長期安定性) 

繰返し性及び再現性(長期安定性)は,ある一定期間の値(例えば,1 時間,2 週間,1 か月,1 年など)

として,読み値又はフルスケールの百分率で表す。それらの測定は,純粋な気体を用いて,安定で再現可

能な圧力で,真空計は,通常の動作条件で動作した状態で測定する。典型的な値は,製造業者によって示

される場合がある。できるだけ,製造業者はそれらの情報を主要顧客から,新しい顧客のために取り寄せ

るように努力する。

注記  特に,繰返し性及び再現性(長期安定性)は,使用者と使用条件とによって大きく左右される。

7.2 

表示範囲 

真空計が表示可能な全ての圧力範囲とする。

注記  6.3 の記載事項から,測定圧力範囲は表示範囲と同じか,又はせまい場合がある。

7.3 

測定子の材料 

ISO 27894:2009 で規定されていた項目であるが,熱陰極電離真空計の構成部品の材料は,カタログや

マニュアル,技術説明書に記載されていることが一般的であることから,この規格では,6.7 に規定した。

7.4 

脱ガス法 

多くの真空計は,正確な圧力測定のために,測定子の外囲器及び電極の汚染を取り除く脱ガスが行われ

る。例えば,電子衝撃,通電加熱などの脱ガス法について表記する。脱ガス時間は,真空計の制御部によ

って設定可能である場合もある。脱ガス終了後に測定状態に自動的に戻る制御部もある。脱ガス時間及び

“脱ガス後に自動的に測定状態に戻る。

”などを記載する。測定子の損傷を防ぐために,脱ガス時の最高圧

力を記載する。

7.5 

脱ガス電力 

脱ガス電力(例えば,電圧及び電流)を表記する。脱ガス電力が調整可能な場合もある。

7.6 

窒素以外の気体に対する比感度係数 

様々な気体に対する比感度係数又は相対補正係数が,表及びグラフ(圧力依存性があるならば)で示さ

れる場合がある。

7.7 

窒素に対する典型的な感度係数 

可能であれば,窒素に対する感度係数の典型的な値を示す。感度係数は,測定子の電極の幾何学的配置

に依存する。式(1)に示すように Pa

1

で表す。

注記  一体形の場合,圧力表示値は電気信号によって出力される。しかし,感度に関する情報は出力

されない場合が多い。


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Z 8129

:2014

7.8 

内部容積 

3.2.9

に定義した容積を表記する。内部容積は,JIS Z 8750 に規定する真空計校正容器の全容積を見積る

ために必要である。

7.9 

保存及び搬送条件 

製造業者は,真空計の損傷及び障害を防ぐため,推奨する保存及び搬送条件を記載する。記載内容は,

例えば,保持された空間の気体種(乾燥窒素,乾燥空気など)

,清浄度,温度,相対湿度,振動,衝撃など

である。

7.10 

写真及び図 

詳細及び外観を明らかにするため,測定子,制御部の前面及び背面パネル(コネクタ側)の写真及び図

を示す。

7.11 

記録及び校正証明書 

製品受け渡し時に,検査記録を真空計に添付する。これは,使用者の真空計の読み値とその不確かさに

対する当初の信頼性を向上させる。真空に関する国家計量標準に対して,校正結果がトレーサブルである

ことが明示されれば,その後の使用時の読み値とその不確かさの信頼性を保証する上で望ましい。

注記  上記のトレーサビリティを確保する方法の一つとして,我が国計量法に基づく計量標準供給制

度(JCSS:Japan Calibration Service System)が運営されている。この制度に従って登録された

校正事業者が,その標章(JCSS ロゴマーク)とともに発行する校正証明書は,トレーサビリテ

ィを確保することに使用することができる。校正体系図だけでは国家標準に対してトレーサブ

ルであることの証明にならない。

熱陰極電離真空計における測定の不確かさの要因 

8.0A 

一般 

この箇条は,熱陰極電離真空計を使用した圧力測定を行う場合に,不確かさの要因として挙げられる項

目を示す。熱陰極電離真空計を使用する場合には,経済的・技術的に可能な範囲でこれらの項目を考慮し

て使用することが望ましい。

なお,電離真空計の使用上の注意点を参考として

附属書 に示す。

8.1 

電子電流 

全イオン電流は,式(1)及び式(2)で表すように,電子電流の影響を受ける。電子電流の不安定性[3]及びそ

の密度分布[4]は,不確かさの評価のときに考慮しなければならない。感度係数は,電子電流の大きさに依

存する場合があることにも言及する。電子電流を自動制御する形態の真空計は,低圧側と高圧側とで感度

係数が異なる場合がある。

注記  現在の真空計又は制御部は,圧力を計算するときに適切な電子電流値が使用される。これらの

場合,電子電流の影響を独自に見積ることはできない。

8.2 

残留電流 

エックス線効果,逆エックス線効果及び電子励起脱離効果は,残留電流の主たる原因であり,電極表面

の状態に強く依存する。電極間の漏れ電流は,測定子の電流導入端子表面の汚染によって発生する。ガス

放出によって測定子中の圧力が大きく上昇する。超高真空(UHV)及び極高真空(XHV)における圧力測

定(<10

8

 Pa)では,適正な脱ガス過程が必要である。

残留電流は,真空系及び真空計の使用履歴によって変化する。超高真空及び極高真空における圧力測定

を行う場合には,その測定がたとえ難しくても,実際の超高真空及び極高真空の測定の前に残留電流の大


12

Z 8129

:2014

きさを見積る必要がある。残留電流は,低い圧力の測定を行うときに不確かさの大きな要因となる。

8.3 

信号出力の分解能 

信号出力の分解能は,小さな圧力の変化に対して有意に識別可能な,最も小さな出力信号の読み値の差

である。

注記  アナログ表示器の場合で特に対数表示の場合,分解能を見積るのは難しい場合もある。

8.4 

信号出力のばらつき及び繰返し再現性 

イオン電流の出力のばらつき及び繰返し性は,不確かさ評価のときに考慮しなければならない。一定の

圧力下において,繰り返して観測することで測定することができる。

8.5 

感度係数の非直線性 

式(2)における感度係数は,高い圧力で大きく変わる場合がある。また,低圧においても同様の場合があ

る。感度係数の圧力依存性は,陽極電位,電子電流,気体種などによって影響される。

8.6 

環境条件 

熱陰極電離真空計の読み値は,正確には,イオン電流は気体の密度に比例し,圧力に比例するわけでは

ない。電離真空計のイオン電流は,温度,風,磁場,電場,イオン化のときの放射などの環境に影響され

る。校正のときとの温度の違いを,圧力の評価のときに補正しなければならない([5],[6])

。風の流れな

どによる測定子の温度変化による感度の違いを考慮しなければならない。

電磁場によって電子及び生成されたイオンの軌道が影響を受けるので,これらからは保護しなければな

らない。

予期できないイオン化が生じるような光,エックス線などの放射から保護しなければならない。

温度の影響による真空計からのガス放出を考慮しなければならない。

8.7 

使用前の点検及び洗浄 

測定子の電極及び熱陰極(フィラメント)は,プロセスガスの堆積によって汚染される場合がある。熱

陰極上への堆積によって,陰極からの電子放出特性が大きく変化し,陰極が修復不可能なほど損傷する場

合がある。例として,細いイオンコレクタの線は,酸素で汚染された混合気体への暴露履歴によって溶解

することが観察された。そのようなプロセスでは,熱陰極電離真空計は限られた期限でだけ正しい測定が

可能である。正しい圧力読み値が必要であれば,真空計はこのようなプロセスガスから可能な限り保護し

なければならないし,及び/又は洗浄するか若しくは頻繁に交換しなければならない。測定子の洗浄によ

って感度は変化するし,感度の異なる測定子へ交換することで圧力の読み値が異なる。

フランジのごみ又は汚染を除去し(洗浄し)なければならない。測定子中の圧力は,ごみ又は汚染物に

よるガス放出の影響を強く受ける。

校正前の目視検査は,非常に重要である。

8.8 

搬送による安定性を含んだ再現性(長期安定性) 

電離真空計の電極は,変形しやすい。電極表面は,環境条件によって変化する。再現性(長期安定性)

及び搬送による安定性は,定量的な測定のときに考慮しなければならない。特別に取り扱われた表面であ

り,清浄な状況でだけ使用され,真空中に保持され,慎重に運搬されたといった特別な環境で取り扱われ

た真空計だけ,再現性(長期安定性)として 1  %以下が得られる(読み値又は感度の相対標準不確かさ)

清浄な状況及び慎重に搬送された最上級の商用真空計で 2 %∼5 %が見込まれる。通常の真空計で通常の品

質のものであると,再現性(長期安定性)は 10 %∼15 %,更に粗雑な状況で使用したものに関しては,30 %

∼50 %又はそれ以上であることが実情である([7]∼[13])


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8.9 

気体組成 

熱陰極電離真空計の感度係数は,気体種に依存する。異なる形状の真空計は,異なる比感度係数を示す。

これは,同形式の真空計であっても,ばらつきは小さいが,比感度係数が異なるのと同様である。したが

って,真空計は,測定する気体で校正しなければならない。マニュアル及び文献値を参考にした比感度係

数及び相対補正係数を用いた補正([14]∼[16])を行う場合には,少なくとも 10 %の標準不確かさを考慮

しなければならない。構成が分からない気体(又は混合気体)の圧力測定を行う場合には,窒素相対圧力

を表示しなければならない。

8.10 

排気効果 

熱陰極電離真空計は,気体を排気する効果がある。非常に小さな排気速度の真空排気系を用いた装置の

圧力測定を行うときには,熱陰極電離真空計の排気効果を考慮しなければならない。熱陰極電離真空計の

排気速度の典型的な値の例として,0.01 L/s∼0.1 L/s が報告されている([17]∼[19])

8.11 

熱遷移効果 

熱遷移効果によって,測定子と真空容器との間に圧力差が生じる。この効果は,多くの場合,校正時の

感度係数に含まれる。

温度が校正時と異なる場合又は真空容器に対する真空計からの熱伝達が異なる場合,

この効果による圧力の違いを補正しなければならない[6]。

8.12 

測定子の取付位置及び取付け向き 

測定子の取付位置によって,気体の流れの違い又は温度の違いによる圧力差のために正確な圧力測定が

行えない場合がある。取付け姿勢によっては,電極間の相対的な位置が変化して感度係数が異なる場合が

あることを考慮しなければならない。

8.13 

外囲器 

真空計の感度係数は,電極周りの電位分布の影響を受ける。裸測定子の熱陰極電離真空計の感度は,熱

陰極電離真空計を取り囲む配管の直径の影響を受ける[20]。

ガラス管球の場合,電極周りの電位分布はガラス管の内側の電荷の影響を受け,圧力読み値に影響を与

える場合もある。


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附属書 A

(参考)

ガラス管形 B−A 真空計の例

熱陰極電離真空計の測定子の構成の一例として,ガラス管形 B−A 真空計の例を

図 A.1 に示す。

図 A.1−ガラス管形 B真空計の例


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附属書 B

(参考)

B

−A 真空計の電位配分の例

熱陰極電離真空計の制御部の構成の一例として,B−A 真空計の電位配分の例を

図 B.1 に示す。

図 B.1B真空計の電位配分の例


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附属書 C 
(参考)

電離真空計の使用上の問題点

C.1 

振動及び衝撃

B−A 真空計の場合,イオンコレクタは,タングステンで作られた針状である場合が多い。イオンコレ

クタは,振動又は外的衝撃によって破損しやすい。このことは,例えば,熱陰極,その他の電極に対して

も同様である。

C.2 

磁界

金属製の外囲器で構成された測定子であっても,電磁場から保護しなければならない。電磁場は,イオ

ン電流に悪影響を与える。

C.3 

干渉

測定子は,お互いのイオンの影響から保護するように真空容器に取り付けなければならない。複数の真

空計(熱陰極形,冷陰極形及び分圧真空計)が真空容器の対面した位置に配置される場合,お互いに影響

し合い,干渉する。複数の真空計が真空系に取り付けられる場合,真空容器内の温度上昇が大きくなるこ

とがある。

C.4 

加熱脱ガス

真空容器の加熱脱ガスを行っている間は,真空計測定子及び真空計外囲器も,水及び汚染物を除去する

ために加熱脱ガスする必要がある。

注記  加熱脱ガス時に温度を上げ過ぎることによって,測定子及びケーブルに損傷を与えることがあ

る。

C.5 

脱ガス

脱ガスの時間は,通常固定されている。制御部で調節可能な真空計もある。正確な圧力測定を行う場合,

測定子から汚染物を取り除くために脱ガスを行う必要がある。脱ガス処理を行った後,正確な圧力測定を

行うためには,少なくとも 15 分間の待ち時間を取ることが望ましい。

C.6 

感度(感度係数)

感度(感度係数)は,動作条件,ガス種,電極の幾何学形状,動作環境,電子電流などによって異なる。

C.7 

外囲器

ガラス管球のグリッド,熱陰極及びイオンコレクタの損傷は目視できる。しかし,割れやすく,従って

真空系の損傷を起こしやすく,作業者にとっても危険なので注意深く扱う。金属タイプは,真空系への取

付け時グリッド及び熱陰極の損傷を起こしにくい。また,ガラス管球と比べて破損の危険性が少ない。電

気抵抗値を調べて損傷を確認することができる。裸管球の場合には,放出ガスが比較的少ない。


17

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:2014

附属書 D 
(参考) 
参考文献

[1]  ISO 3529-3:1981,Vacuum technology−Vocabulary−Part 3: Vacuum gauges

注記  対応日本工業規格:JIS Z 8126-3:1999  真空技術−用語−第 3 部:真空計及び関連用語

[2]  ISO Guide 99:1993,International vocabulary of basic and general terms in metrology (VIM) 
[3] ABBOTT,P.J.,LOONEY,J.P. Influence of the filament potential wave form on the sensitivity of glassenvelope

B-A gauges. J. Vac. Sci. Technol. A 1994,12,pp. 2911-2916

[4]  ARNOLD, P.C., BILLS, D.G. Causes of unstable and non-reproducible sensitivities in Bayard-Alpert ionization

gauges. J. Vac. Sci. Technol. A 1984,2,pp. 159-162

[5]  JOUSTEN, K. Temperature corrections for the calibration of vacuum gauges. Vacuum 1998,49,pp. 81-87 
[6]  ABBOTT, P.J., LOONEY,J.P.,MOHAN,P. The effect of ambient temperature on the sensitivity of hot cathode

ionization gauges. Vacuum 2005,77,pp. 217-222

[7]  POULTER, K.F., SUTTON, C.M. Long-term behavior of ionization gauges. Vacuum 1981,31,pp. 147-150 
[8]  SCHMIDT, K., BERGNER, U. Stabilität von Hochvakuum-Meßröhren [Stability of high-vacuum measuring

tubes]. Vakuum Forsch. Prax. 1996,3,pp. 177-182

[9] FILIPPELLI, A.R., ABBOTT, P.J. Long-term stability of Bayard-Alpert gauge performance: Results obtained

from repeated calibrations against the National Institute of Standards and Technology primary vacuum standard.

J. Vac. Sci. Technol. A

 1995,13,pp. 2582-2586

[10] WOOD, S.D., TILFORD, C.R. Long-term stability of two types of hot cathode ionization gauges. J. Vac. Sci. 

Technol. A

 1985,3,pp. 542-545

[11] TILFORD, C.R. Sensitivity of hot cathode ionization gauges. J. Vac. Sci. Technol. A 1985,3,pp. 546-550

[12] ARNOLD, P.C., BORICHEVSKY, S.C. Non-stable behavior of widely used ionization gauges. J. Vac. Sci. 

Technol. A

 1994,12,pp. 568-573

[13] TILFORD, C.R., FILIPPELLI, A.R., ABBOTT, P.J. Comments on the stability of Bayard-Alpert ionization

gauges. J. Vac. Sci. Technol. A 1995,13,pp. 485-487

[14] SUMMERS,  R.L.  Empirical observations on the sensitivity of hot-cathode ionization-type vacuum gauges.

NASA Technical Note,NASA TN D-5285,1969

[15] NAKAO, F. Determination of the ionization gauge sensitivity using the relative ionization cross-section.

Vacuum

 1975,25,pp. 431-435

[16] HOLANDA, R. Investigation of the sensitivity of ionization-type vacuum gauges. J. Vac. Sci. Technol. 1973,

10

,pp. 1133-1139

[17] PEACOCK, R.N., PEACOCK, N.T., HAUSCHULZ, D.S. Comparison of hot cathode and cold cathode

ionization gauges. J. Vac. Sci. Technol. A 1991,9,pp. 1977-1985

[18] BERMAN, A. Total pressure measurements in vacuum technology,pp. 338-354. Academic Press, New York,

1985

[19] LI, D., JOUSTEN, K. Comparison of some metrological characteristics of hot- and cold-cathode ionization

gauges. Vacuum 2003,70,pp. 531-541


18

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:2014

[20] SUGINUMA, S., HIRATA, M. Dependence of sensitivity coefficient of a nude-type Bayard-Alpert gauge on the

diameter of an envelope. Vacuum 1999,53,pp. 177-180


19

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:2014

附属書 JA

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS Z 8129:2014

  真空技術−真空計−熱陰極電離真空計の仕様の表記法  ISO 27894:2009  Vacuum technology−Vacuum gauges−Specifications for hot cathode ionization

gauges

(I)JIS の規定 (II)

国 際 規

格番号

(III)国際規格の規定 (IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価及

びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇条番号 
及び題名

内容

箇条
番号

内容

箇条ごと
の評価

技術的差異の内容

2  引用規格

3  用語及び
定義

3.1.0A  真空計

追加 3.1.0A として真空計の定義を追加した。技術

的差異はない。

3.2.4  補正係数

3.2.4

追加

注記で式(6)の曖昧さを回避した。

今後 ISO 規格に反映させること

を提案する。

3.2.5   相 対 補 正 係

 3.2.5

追加

注記で式(8)の曖昧さを回避した。

今後 ISO 規格にも反映させるこ
とを提案する。

3.2.6  暖機時間

3.2.6

追加

使用条件によって暖機時間が異なることを

明記した。

ISO

規格に反映させることを提

案する。

3.2.7  残留電流

3.2.7

追加

ここで定義されている残留電流の主たる成

分が,超高真空領域において得られるもので
あることを明記した。

ISO

規格に反映させることを提

案する。

4  記号及び
単位

表 1  f

cx/N2

4

追加 3.2.5 の式(7)を明確にするために追加した。

技術的な差異はない。

ISO

規格に反映させることを提

案する。

表 1  p

cN2

 4

追加 3.2.5 の式(8)を明確にするために追加した。

技術的な差異はない。

ISO

規格に反映させることを提

案する。

6  製造業者
が 提 示 す る

熱 陰 極 電 離

真 空 計 の 仕
様 を 表 す 項

6.2  表示 及 び測定
信号出力

 6.2

変更

計量法に基づき,使用単位は SI 単位とした。

6.3  測定圧力範囲

6.3

変更

計量法に基づき,使用単位は SI 単位とした。

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(I)JIS の規定 (II)

国 際 規

格番号

(III)国際規格の規定 (IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価及

びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇 条 ご と

の評価

技術的差異の内容

6  製造業者
が 提 示 す る
熱 陰 極 電 離

真 空 計 の 仕

様 を 表 す 項
目(続き)

6.4  測定 の 不確か

 6.4

変更

不確かさ又は正確さ 
[uncertainty (accuracy)]を不確かさに統一し
た。

式(10)をより一般的な式に置き換え,より的

確なものとした。

6.5  残留 電 流相当
圧力

 6.5

変更

計量法に基づき,単位は SI 単位とした。

6.7  外囲 器 の種類
及び測定子の材料

 6.7

7.3

一致

外囲器の材料,測定子の材料は明記されてい

ることが一般的であることから ISO の 6.7 及

び 7.3 をまとめた。

6.15  制御部への入
力電力

 6.15

追加

交流の場合の表記条件を明確にした。

7  熱陰極電
離 真 空 計 の

仕 様 を 表 す
項目(任意)

7.0A  一般

追加

箇条 7 の目的を明確にするため追加した。

技術的差異はない。

7.4  脱ガス法 

 7.4

変更

損傷を受けるのが熱陰極だけでなく,測定子

全体である。

7.11  記録及び校正
証明書

 7.11

追加

注記で,日本においてトレーサビリティを証
明することのできる校正証明書に関して追

記した。

技術的差異はない。

8  熱陰極電
離 真 空 計 に

お け る 測 定

の 不 確 か さ
の要因

8.0A  一般

追加

箇条 8 の目的を明確にするため追加した。 
技術的差異はない。

8.7  使用 前 の点検
及び洗浄

 8.7

追加

測定子の洗浄,交換によって感度,読み値の

変化があることが一般的であるため追加し

た。技術的差異はない。

ISO

規格に反映させることを提

案する。

8.12  測定子の取付
位 置 及 び 取 付 け 向

 8.12

追加

測定子の取り付けによって感度が異なるこ
とに対する具体的な例を示した。

技術的な差異はない。

ISO

規格に反映させることを提

案する。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 27894:2009,MOD

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注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  一致……………… 技術的差異がない。

    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

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